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1. WO2011004687 - AUDIO-SIGNAL PROCESSING DEVICE, AND AUDIO DEVICE, AUDIO-VISUAL DEVICE, VIDEO DISPLAYING DEVICE, AND INFORMATION PROCESSING DEVICE PROVIDED WITH THE AUDIO-SIGNAL PROCESSING DEVICE, AND AUDIO-SIGNAL PROCESSING METHOD, PROGRAM, AND STORAGE MEDIUM HAVING PROGRAM STORED THEREIN

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明 細 書

発明の名称 音声信号処理装置、当該音声信号処理装置を備えたオーディオ装置、オーディオビジュアル装置、映像表示装置、情報処理装置、音声信号処理方法、プログラム、及び、当該プログラムを記録した記録媒体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009   0010   0011   0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

発明の効果

0024  

図面の簡単な説明

0025  

発明を実施するための形態

0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

符号の説明

0049  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 音声信号処理装置、当該音声信号処理装置を備えたオーディオ装置、オーディオビジュアル装置、映像表示装置、情報処理装置、音声信号処理方法、プログラム、及び、当該プログラムを記録した記録媒体

技術分野

[0001]
 本発明は、デジタル音声信号をクリップする際に発生する折り返し歪みによる異音を抑制できる音声信号処理装置、当該音声信号処理装置を備えたオーディオ装置、オーディオビジュアル装置、映像表示装置、情報処理装置、音声信号処理方法、プログラム、及び、当該プログラムを記録した記録媒体に関する。

背景技術

[0002]
 音声信号に各種処理を施し音声出力する際に発生する異音を抑えることができる信号処理装置が特許文献1に開示されている。
 特許文献1の信号処理装置は、アナログ信号S1を標本化してデジタル化した後に振幅を制限するデジタルリミッタと、当該デジタルリミッタからの出力信号S2の高調波成分を遮断するデジタルフィルタを有する。特許文献1の出願人は、前記信号処理装置は、デジタルフィルタの標本化周波数F2を前段のデジタルリミッタの標本化周波数F1の二倍以上の周波数として、いわゆる折り返し歪みによる異音発生を抑えていると主張している。
[0003]
 ところで、地上デジタル放送の開始に伴い、テレビ内の殆どの電子回路がデジタル化されている。テレビ内の音声信号処理システム(回路)も例外ではなく、スピーカ補正処理、ボリューム制御処理などを実行する電子回路がDSP(Digital Signal Processor)によってデジタル化されている。さらに、最近では、スピーカを駆動するアンプ回路までもがデジタル化されている。メーカ各社は、音声信号処理システムをフルデジタル化することにより、音声信号処理システムの高品位化、開発の簡易化、低コスト化に努めている。
[0004]
 図6は、地上デジタル放送対応テレビ装置内のデジタル音声信号処理システムの一例を説明する機能ブロック図である。デジタル音声信号処理システム100は、入力されるデジタル音声信号に各種処理を施して音声出力を行う。デジタル音声信号処理システム100は、デジタル音声信号処理部101、デジタルクリッパ(リミッタ)102、D級増幅部103、LPF(ローパスフィルタ)104、スピーカ105を有する。
[0005]
 デジタル音声信号処理部101は、入力されるデジタル音声信号に対してボリューム調整処理・スピーカ周波数補正処理を施し、デジタルクリッパ102に出力する。デジタルクリッパ102は、必要以上の振幅が出力されないように出力振幅を制限(抑制)したり、所定の歪率で所定の出力を得るための調整をする簡易的な回路である。デジタルクリッパ102は、各種処理が施されたデジタル音声信号の振幅(値)を第1閾値以上、第2閾値以下にクリップ(制限)し、D級増幅部103に出力する。D級増幅部103は、デジタルクリッパ102によってクリップされたデジタル音声信号を増幅し、LPF104に出力する。LPF104は、D級増幅部103によって増幅されたデジタル音声信号の所定値以上の周波数成分を減衰させて遮断し、スピーカ105に出力する。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開平1-95618号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 ところで、フルデジタル処理のデジタル音声信号処理システム100において、デジタルクリッパ102が、例えば正弦波状のデジタル音声信号をクリップすると、デジタル処理特有の異音、いわゆるデジタル音声信号の折り返し歪みによる異音が聞こえることがある。例えば、デジタル音声信号処理システム100が、低周波数から高周波数に連続的に周波数を変化させたデジタル音声信号(周波数スイープ)を音声出力すると、出力音声の周波数が低周波から高周波に変化するのにあわせて、出力音声の周波数が高周波から低周波に変化する異音が聞こえることがある。
[0008]
 以下に、図7を用いて前記異音が聞こえる理由を説明する。
 図7(A)は、デジタルクリッパ102がクリップするサンプリング周波数f のデジタル音声信号の波形(正弦波)を模式的に示した図である。デジタルクリッパ102は、当該デジタル音声信号の振幅を第1閾値以上、第2閾値以下にクリップする。
[0009]
 図7(B)は、デジタルクリッパ102が、サンプリング周波数f のデジタル音声信号をクリップした場合の周波数スペクトルを例示した図である。デジタルクリッパ102が、サンプリング周波数f のデジタル音声信号をクリップすると、高調波成分の周波数スペクトルが現れる。図7(B)においては、X1がサンプリング周波数f のデジタル音声信号の基本波成分の周波数スペクトルを示し、X2が前記高調波成分の周波数スペクトルを示している。また、音声信号は、サンプリングされたデジタル信号であるので、これらの周波数スペクトルX1、X2が、デジタル音声信号のサンプリング周波数f /2を中心に合わせ鏡のように折り返すことにより生じる、点線で示す周波数スペクトル(折り返し歪みによる周波数スペクトル)Yが現れる。
 以下の説明では、図7(B)中、デジタル音声信号のサンプリング周波数f /2(ナイキスト周波数)以下の周波数帯域が可聴帯域であるとする。
[0010]
 前述したように、デジタルクリッパ102が、サンプリング周波数f の正弦波状のデジタル音声信号をクリップすると、図7(B)に示したように、サンプリング周波数f /2を中心に折り返した周波数スペクトルYの一部がナイキスト周波数以下の周波数帯域(可聴帯域)に混じる(点線丸囲み参照)。また、周波数スイープすると、実線で示した周波数スペクトル(X1、X2参照)が、右側にシフトするのにあわせて、点線で示した折り返し周波数スペクトルYが左側にシフトする(可聴帯域により入り込む)。
 以上が、周波数スイープを音声出力すると、出力音声の周波数が低周波から高周波に変化するのにあわせて、出力音声の周波数が高周波から低周波に変化する異音が聞こえる理由である。
[0011]
 上記特許文献1のデジタル信号処理装置は、前述したように、アナログ信号S1を標本化してデジタル化した後に振幅を制限(クリップ)するデジタルリミッタが入力信号S1の振幅制限を実行し、クリップ後のデジタル信号をデジタルフィルタに出力する。そして、デジタルフィルタは、デジタルリミッタからのデジタル信号を当該デジタルリミッタの標本化周波数の2倍以上の周波数でサンプリングする。
 しかし、前記デジタルリミッタでクリップを実行した時点で高調波成分の折り返しにより生じた周波数スペクトルが可聴帯域に混じることがある。それ故、特許文献1のデジタル信号処理装置は、折り返し歪みによる異音発生を抑制することができない。
[0012]
 本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、デジタル音声信号をデジタルクリッパでクリップする際に発生する折り返し歪みによる異音を抑制できる音声信号処理装置、当該音声信号処理装置を備えたオーディオ装置、オーディオビジュアル装置、映像表示装置、情報処理装置、音声信号処理方法、プログラム、及び、当該プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0013]
 第1の技術手段は、入力されるデジタル音声信号に基づき当該デジタル音声信号のサンプリング周波数よりも高いサンプリング周波数のデジタル音声信号を生成・出力するオーバサンプリングコンバータと、前記オーバサンプリングコンバータが出力したデジタル音声信号の値を制限する波形制限器を備えたことを特徴とする音声信号処理装置である。
[0014]
 第2の技術手段は、第1の技術手段の前記波形制限器は、前記オーバサンプリングコンバータが出力したデジタル音声信号の値を第1閾値以上、第2閾値以下に制限することを特徴とする。
[0015]
 第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段の前記オーバサンプリングコンバータが生成した前記デジタル音声信号のサンプリング周波数が、可聴帯域の最大周波数の2倍以上であることを特徴とする。
[0016]
 第4の技術手段は、第1~第3の何れかの技術手段の音声信号処理装置を備えたことを特徴とするオーディオ装置である。
[0017]
 第5の技術手段は、第1~第3の何れかの技術手段の音声信号処理装置を備えたことを特徴とするオーディオビジュアル装置である。
[0018]
 第6の技術手段は、第1~第3の何れかの技術手段の音声信号処理装置を備えたことを特徴とする映像表示装置である。
[0019]
 第7の技術手段は、第1~第3の何れかの技術手段の音声信号処理装置を備えたことを特徴とする情報処理装置である。
[0020]
 第8の技術手段は、入力されるデジタル音声信号に基づき当該デジタル音声信号のサンプリング周波数よりも高いサンプリング周波数のデジタル音声信号を生成するステップと、前記生成されたデジタル音声信号の値を制限するステップを有することを特徴とする音声信号処理方法である。
[0021]
 第9の技術手段は、第8の技術手段の前記生成されたデジタル音声信号の値を制限するステップは、当該値を第1閾値以上、第2閾値以下に制限することを特徴とする。
[0022]
 第10の技術手段は、第8又は第9の技術手段の音声信号処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
[0023]
 第11の技術手段は、第10の技術手段のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。

発明の効果

[0024]
 本発明により、単純かつ安価な構成で、デジタル音声信号をクリップする際に発生する折り返し歪みによる異音を抑制できる。

図面の簡単な説明

[0025]
[図1] 本発明による折り返し歪み抑制を説明するための図である。
[図2] 本発明に係る音声信号処理装置が適用される地上デジタル放送対応テレビ装置に設けられたデジタル音声信号処理システムの一例を説明する機能ブロック図である。
[図3] オーバサンプリングコンバータについて詳細に説明するための図である。
[図4] クリッピングについて説明するための図である。
[図5] 振幅の変化と歪率の変化との関係を説明するための図である。
[図6] 地上デジタル放送対応テレビ装置内のデジタル音声信号処理システムの機能ブロック図である。
[図7] 異音が聞こえる理由を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0026]
 図1は、本発明に係る音声信号処理装置による折り返し歪み抑制手法を説明する図である。
 本発明に係る音声信号処理装置は、入力されるデジタル音声信号に基づき、当該デジタル音声信号のサンプリング周波数f よりも高いサンプリング周波数f osのデジタル音声信号を生成(アップサンプリング)する。そして、アップサンプリング後のデジタル音声信号の振幅(値)を、第1閾値以上、第2閾値以下に制限(クリップ)する。
[0027]
 アップサンプリング後のデジタル音声信号のクリップにより、図7で説明したように、アップサンプリング後のデジタル音声信号の周波数スペクトルが、図1の実線のように現れるとする。なお、アップサンプリング後のデジタル音声信号のサンプリング周波数f os/2は、アップサンプリング前のデジタル音声信号のサンプリング周波数f /2の右側になる。
[0028]
 また、サンプリング周波数f os/2を中心に、実線で示したアップサンプリング後のデジタル音声信号の周波数スペクトルが合わせ鏡のように折り返す(図中2点鎖線参照)。
 このように折り返すと、サンプリング周波数f /2以下の周波数帯域(可聴帯域)に2点鎖線で示す折り返し歪みにより生じた周波数スペクトルが入り込まなくなるので、異音が聞こえなくなる。
[0029]
 図2は、本発明に係る音声信号処理装置が適用される地上デジタル放送対応テレビ装置に設けられたデジタル音声信号処理システムの一例を説明する機能ブロック図である。
 デジタル音声信号処理システム1は、前処理部10、フルデジタルアンプ20、音声出力部30から構成される。
 前処理部10は、アンテナ11、受信復調部12、デジタル音声信号処理部13、I2S(Inter-IC Sound)インターフェイス14から構成される。
[0030]
 受信復調部12は、地上デジタル放送信号を、アンテナ11を介して受信し、復調処理を実行する。そして、受信復調部12は、地上デジタル放送信号に含まれるデジタル音声信号をデジタル音声信号処理部13に出力する。
 デジタル音声信号処理部13は、受信したデジタル音声信号に対してボリューム調整処理・スピーカ周波数補正処理を施し、I2Sインターフェイス14に出力する。
[0031]
 I2Sインターフェイス14は、フルデジタルアンプ20との接続インターフェイス機能を有し、LRCK、BCK、DATAの3線シリアル伝送を実行する。
 LRCKは、48kHzのクロック周波数である。LRCKは、デジタル音声信号のサンプリング周波数f (サンプリングレート)と同じ周波数で発振される。実際には、放送波や受信機の状態によるジッタがLRCKに含まれるため、48kHzを中心として誤差成分(±α)が含まれる。BCKは、LRCKの定数倍のクロック周波数であり、64倍、48倍、32倍等のクロック周波数が選択される場合がある。DATAは、デジタル音声信号である。LRCK=L(0)のときにはLchデジタル音声信号、LRCK=H(1)のときにはRchデジタル音声信号が、MSB(Most Significant Bit)から順番に、BCKに同期して、フルデジタルアンプ20に出力される。
[0032]
 フルデジタルアンプ20は、I2Sインターフェイス21、非同期SRC22、オーバサンプリングコンバータ(OSC:Over Sampling Converter)23、クリッパ24、ΔΣ変調器25、D級増幅部26、クロック発生器27から構成される。また、本発明の音声信号処理装置Xは、オーバサンプリングコンバータ23及びクリッパ24から構成される。
[0033]
 I2Sインターフェイス21は、前処理部10との接続インターフェイス機能を有し、前処理部10のI2Sインターフェイス14が出力したデジタル音声信号等を受信し、非同期SRC22に出力する。
 非同期SRC(Sampling Rate Converter)22は、サンプリング周波数に誤差があるデジタル音声信号を誤差のないデジタル音声信号に変換し、オーバサンプリングコンバータ23に出力する。ここでは、非同期SRC22は、前記デジタル音声信号の周波数を、48kHzの周波数、詳しくは、クロック発生器27の発振周波数(12.288MHz)の1/256の周波数に変換する。なお、デジタル音声信号にはLch、Rchの音声信号が含まれている。
[0034]
 オーバサンプリングコンバータ23は、インターポーレータとも呼ばれる。オーバサンプリングコンバータ23は、非同期SRC22が出力したデジタル音声信号に基づき当該デジタル音声信号のサンプリング周波数f よりも高いサンプリング周波数f osのデジタル音声信号を生成し(アップサンプリング)、クリッパ24に出力する。ここでは、サンプリング周波数が48kHzのデジタル音声信号から、48kHzの256倍(12.288MHz)のサンプリング周波数のデジタル音声信号を生成する。サンプリング周波数f osの変更は任意である。なお、オーバサンプリングコンバータ23の詳細については後述する。
[0035]
 クリッパ24は、リミッタ、スライサとも呼ばれる波形制限器である。クリッパ24は、オーバサンプリングコンバータ23が出力したデジタル音声信号の値(振幅)を制限するための簡易的な回路である。ここでは、オーバサンプリングコンバータ23が出力したデジタル音声信号の振幅(値)を第1閾値以上、第2閾値以下にクリップ(制限)し、ΔΣ変調器25に出力する。この第1閾値、第2閾値は自由に調整することができる。なお、第1閾値<第2閾値である。
[0036]
 ΔΣ変調器25は、クリッパ24が出力したデジタル音声信号に対してデルタシグマ変調処理を施して1ビットデジタル音声信号を生成し、D級増幅部26に出力する。
[0037]
 D級増幅部26は、パルス幅変調等を利用しスイッチング回路によって電力増幅を行うことで高効率の増幅を行う。D級増幅部26は、ΔΣ変調器25が出力したデジタル音声信号を増幅し、音声出力部30のLPF31に出力する。LPF31は、D級増幅部26によって増幅されたデジタル音声信号の所定値以上の周波数成分を減衰させて遮断し、スピーカ32に出力する。
[0038]
 なお、フルデジタルアンプ20の機能ブロック(21~25)は、クロック発生器27が出力する基準クロック(12.288MHz)に基づき動作する。
[0039]
 ここで、オーバサンプリングコンバータ23について、図3を用いて詳細に説明する。
 図3(A)は、オーバサンプリングコンバータ23の詳細機能ブロック図、図3(B)~図3(D)は、オーバサンプリングコンバータ23におけるデジタル音声信号の信号波形及び周波数スペクトルの変化の様子を模式的に示した図である。
[0040]
 オーバサンプリングコンバータ23は、アップサンプラ(U↑)23a、通過帯域を0[Hz]~サンプリング周波数f /2[Hz]に設定しているLPF23bから構成される。
 図3(B)は、アップサンプラ23aに入力されるデジタル音声信号の信号波形及び周波数スペクトルを示しているが周波数スペクトルは簡略化のためデジタル音声信号の基本波成分のみを図示している。
[0041]
 アップサンプラ23aは、図3(B)に示す、入力されるデジタル音声信号(オリジナル信号)間に、図3(C)に示すように、N(正整数)-1個のゼロ値を内挿する。ここでは、説明の簡略化のためN=4とする。つまり、入力されるデジタル音声信号のサンプリング周波数f ×4がアップサンプリング後のデジタル音声信号のサンプリング周波数f osとなる。
 図3(B)の周波数スペクトル図は、入力されるデジタル音声信号の周波数スペクトル(基本波成分)Z1、及び、当該周波数スペクトルZ1がサンプリング周波数f /2を中心に折り返した周波数スペクトルZ2、当該周波数スペクトルZ2がサンプリング周波数f を中心に折り返した周波数スペクトルZ3を示している。なお、2f 、3f 、4f 近傍の周波数スペクトルについても同様であるので、説明を省略する。
[0042]
 次に、通過帯域を0[Hz]~サンプリング周波数f /2[Hz]に設定しているLPF23bは、ゼロ値内挿後のデジタル音声信号(図3(C)の信号波形図参照)に対してデジタルローパスフィルタ処理を施すことにより、前記設定に基づきサンプリング周波数f /2以下の周波数成分のみを出力する。この処理を施すと、図3(D)の信号波形図に示すように、結果として、内挿したゼロ値が立ち上がる。
 なお、図3(C)の周波数スペクトル図に示した周波数スペクトルについては、図3(B)の周波数スペクトル図と基本的に同じなので説明を省略する。
[0043]
 アップサンプリングとデジタルローパスフィルタ処理を施すことにより、前記デジタル音声信号のサンプリング周波数は、4f となる。また、図3(D)の周波数スペクトル図で示したように、基本波成分の周波数スペクトルが4f /2(=2f )を中心に折り返すことにより生じた周波数スペクトルのみが4f 近傍に現れるが、スピーカ直前のLPFで抑圧されたり、人間の聴覚特性の範囲から外れるので、問題とならない。
[0044]
 なお、オーバサンプリングコンバータ23が生成するデジタル音声信号のサンプリング周波数f osは、例えば、可聴帯域の最大周波数の2倍以上であればよい。
 オーバサンプリングコンバータ23の後にダウンサンプリングコンバータを設けることによって、有理数比のサンプリング周波数変換を行うことも可能である。
[0045]
 オーバサンプリングコンバータ23は、このようにしてアップサンプリングしたデジタル音声信号をクリッパ24に出力する。前述のように、クリッパ24がデジタル音声信号をクリップすることにより、クリッパ24の第1閾値と第2閾値の絶対値が等しい場合(第1閾値=-第2閾値)、奇数次高調波成分が発生するが、この奇数次高調波成分は、オーバサンプリング後のサンプリング周波数f os(=4f )の1/2で折り返される。
 この折り返した高調波成分のうち、入力基本波成分の周波数、同出力値、オーバサンプリングの倍率などの各種条件により異なるが、例えば、比較的レベルの大きい3次高調波・5次高調波・7次高調波はf /2より高い周波数成分を持つが、9次高調波より高い高調波は可聴帯域内にある。しかし、この9次高調波より高い高調波は可聴帯域内にあるものの十分に小さく、聴覚しにくいレベルまで低減することができる。
[0046]
 クリッパ24が実行するデジタル音声信号の制限処理(クリッピング)では、様々な手法を採用することができる。例えば、図4に示すように、デジタル音声信号の振幅を第1閾値、第2閾値付近で急峻にカットするいわゆるハードクリップ(図中:H)を実行してもよいし、第1閾値、第2閾値付近で緩やかにカットするいわゆるソフトクリップ(図中:S)を実行してもよい。
[0047]
 また、一般的に、図5に示すように、クリッピングを実行するとデジタル音声信号の振幅の変化に伴い、図中実線で示す、基本波成分の出力値(スペクトル値)と高調波成分の出力値との比率、すなわち、デジタル音声信号の歪率が変化するが、所定の振幅値を有するデジタル信号が入力されたときに、所定の歪率が得られるよう、図中矢印に示すように、前記デジタル音声信号の歪率を調整するハードウェアを設けてもよい。
[0048]
 本発明の音声信号処理装置を、デジタルアンプ、音楽再生装置などのオーディオ装置や、映像音声を再生できるオーディオビジュアル装置や、テレビ装置、ワンセグ機能搭載型携帯端末などの映像表示装置や、外部チューナと接続した情報処理装置に搭載できる。
 また、本発明のアップサンプリング及びクリッピング処理をコンピュータに実行させるプログラム(ソフトウェア)によって実現してもよい。
 前記プログラムをコンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム記録媒体としては、例えば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Compact Disc-Recordable)、CD-RW(Compact Disc-Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどを用いることができる。

符号の説明

[0049]
1…デジタル音声信号処理システム、10…前処理部、11…アンテナ、12…受信復調部、13…デジタル音声信号処理部、14…I2Sインターフェイス、20…フルデジタルアンプ、21…I2Sインターフェイス、22…非同期SRC、23…オーバサンプリングコンバータ、23a…アップサンプラ、23b…LPF、24…クリッパ、25…変調器、26…D級増幅部、27…クロック発生器、30…音声出力部、31…LPF、32…スピーカ、X…音声信号処理装置、100…デジタル音声信号処理システム、101…デジタル音声信号処理部、102…デジタルクリッパ、103…D級増幅部、104…LPF、105…スピーカ。

請求の範囲

[請求項1]
 入力されるデジタル音声信号に基づき当該デジタル音声信号のサンプリング周波数よりも高いサンプリング周波数のデジタル音声信号を生成・出力するオーバサンプリングコンバータと、
 前記オーバサンプリングコンバータが出力したデジタル音声信号の値を制限する波形制限器を備えたことを特徴とする音声信号処理装置。
[請求項2]
 前記波形制限器は、前記オーバサンプリングコンバータが出力したデジタル音声信号の値を第1閾値以上、第2閾値以下に制限することを特徴とする請求項1に記載の音声信号処理装置。
[請求項3]
 前記オーバサンプリングコンバータが生成した前記デジタル音声信号のサンプリング周波数は、可聴帯域の最大周波数の2倍以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の音声信号処理装置。
[請求項4]
 請求項1~3の何れかに記載の音声信号処理装置を備えたことを特徴とするオーディオ装置。
[請求項5]
 請求項1~3の何れかに記載の音声信号処理装置を備えたことを特徴とするオーディオビジュアル装置。
[請求項6]
 請求項1~3の何れかに記載の音声信号処理装置を備えたことを特徴とする映像表示装置。
[請求項7]
 請求項1~3の何れかに記載の音声信号処理装置を備えたことを特徴とする情報処理装置。
[請求項8]
 入力されるデジタル音声信号に基づき当該デジタル音声信号のサンプリング周波数よりも高いサンプリング周波数のデジタル音声信号を生成するステップと、
 前記生成されたデジタル音声信号の値を制限するステップを有することを特徴とする音声信号処理方法。
[請求項9]
 前記生成されたデジタル音声信号の値を制限するステップは、当該値を第1閾値以上、第2閾値以下に制限することを特徴とする請求項8に記載の音声信号処理方法。
[請求項10]
 請求項8又は9に記載の音声信号処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
[請求項11]
 請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]