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1. (WO2010079758) GAS BLOCK DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 ガス遮断装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

産業上の利用可能性

0059  

符号の説明

0060  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : ガス遮断装置

技術分野

[0001]
 本発明は近隣のガス器具が発生源となっている脈動がガス配管を伝わって来る状況下であっても、ガスを使用するユーザ宅のガス遮断装置側のロジックで脈動の影響を打ち消すことにより流量監視機能を向上させるものである。

背景技術

[0002]
 従来この種のガス遮断装置は、図10に示すように、繰返し手段11による複数回の音波伝搬時間の計測を1計測セットとして複数の計測セットを実施する計測制御手段18と、それぞれの音波伝搬時間の値を積算し流量を算出する流量演算手段17を備える。計測制御手段18は計測セットの回数を調整して計測することにより、流れが脈動している場合にも追従性がよく、かつ安定した定常時の流れの場合も平均流量を正しく計量できるようになっている。また計測セット回数に応じて所定時間内にほぼ均等に割りつけて計測したり、繰返し回数を必要な流量分解能に応じて変更したり、遅延時間を設けるように構成されていた(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 日本国特開2003-28685号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 前記従来のガス遮断装置には、計測セット回数の所定時間内への割付や回数を変更することについて記載されているが、取得した流量の平均を求めるもので取得した流量そのものを補正することに関する記述はない。しかし背景技術としては脈動の取扱いを記述しているため例示している。
[0005]
 しかしながら、前記従来の構成では脈動の影響を取り除くために計測セット回数を可変することで必要な流量分解能を得る必要があり、高い流量分解能を得るためには計測セット回数を多くする必要があった。そのためガス遮断装置の電源である電池を消耗するという課題を有していた。
[0006]
 本発明は、前記従来の課題を解決するもので、取得した流量を補正することで計測セット回数を可変せずに脈動を補正し脈動成分のない流量値を算出することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 前記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、脈動補正部が流量算出部の流量Bから脈動パターンFを抽出し、流量Bに脈動パターンFの逆位相となる値を加算することで脈動成分を打ち消した補正流量Eを算出するものである。これによって、ガス遮断装置は異常流量判定部23にて脈動成分を打ち消した補正流量Eと異常判定流量と比較することができるようになる。

発明の効果

[0008]
 本発明のガス遮断装置は従来の脈動がある場合に流量分解能を得るために計測セット回数を変えていたものを、計測セット数に左右されずに脈動成分を排除することが可能になるため、ガス遮断装置の電源である電池の消耗を最小限にしながら異常流量判定部で予め保持している異常判定流量と比較することができ、省電力と安全性の両立を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明のガス遮断装置の機能ブロック図
[図2] ガスの脈動補正方法を記載した概略図
[図3] ガスの脈動補正方法を記載した概略図
[図4] ガスの脈動補正方法を記載した概略図
[図5] ガスの脈動補正方法を記載した概略図
[図6] ガスの脈動補正方法を記載した概略図
[図7] ガスの脈動補正方法を記載した概略図
[図8] 脈動時の計測起点および流量変化時を示す概略図
[図9] 脈動保持部からの脈動補正部への脈動パターン受け渡し示す概略図
[図10] 従来のガス遮断装置の機能ブロック図

発明を実施するための形態

[0010]
 第1の発明は、ガス通路内を通過するガス流量に対応して流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号を受け取ると流量を算出する流量算出部と、前記流量算出部の前記流量を取得すると脈動の有無を判定し、脈動がない場合は補正流量の出力を停止し、脈動がある場合には脈動パターンを抽出し、抽出した前記脈動パターンの逆位相を前記流量に加算して脈動成分を打ち消した前記補正流量を出力する脈動補正部と、前記脈動補正部の前記補正流量の出力があれば前記補正流量と予め保持している異常判定流量とを比較して、前記補正流量がなければ前記流量算出部の前記流量と前記異常判定流量とを比較して、異常の有無を判定し異常である場合には弁駆動信号を出力する異常流量判定部と、前記異常流量判定部の前記弁駆動信号を受け取ると閉栓信号を出力する弁駆動部と、前記弁駆動部の前記閉栓信号を受け取るとガス通路を閉栓する弁とを備えることにより、前記脈動補正部が逆位相の前記脈動パターンで補正して脈動成分を打ち消した前記補正流量と前記異常判定流量との比較判定を可能とすることができる。
[0011]
 第2の発明は、流量算出部の流量を取得すると脈動の有無を判定し、脈動がない場合は補正流量の出力を停止し、脈動がある場合には脈動保持部が保持している脈動パターンを取得して、取得した前記脈動パターンに基づき前記流量の脈動成分が打ち消せたか否かのマッチング判定を実施し、打ち消せた場合は前記脈動パターンの逆位相を前記流量に加算した前記補正流量を出力し、脈動成分を打ち消せなかった場合は新たな前記脈動パターンを抽出して出力して、さらに逆位相を前記流量に加算して脈動成分を打ち消した前記補正流量を出力する脈動補正部と、前記脈動補正部の前記脈動パターンを保持する前記脈動保持部とを備え、脈動を検出すると前記脈動補正部はまず前記脈動保持部が保持している前記脈動パターンと前記流量とのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして前記脈動パターン抽出することができる。
[0012]
 第3の発明は、流量算出部の流量を取得すると脈動の有無を判定し、脈動がない場合は補正流量の出力を停止し、脈動がある場合には候補要求信号を出力して脈動保持部が複数保持している脈動パターンの中から優先度の高い前記脈動パターンを取得して、取得した前記脈動パターンに基づき前記流量の脈動成分が打ち消せたか否かのマッチング判定を実施し、打ち消せた場合は前記脈動パターンの逆位相を前記流量に加算した前記補正流量を出力し、脈動成分を打ち消せなかった場合は前記候補要求信号を出力して前記脈動保持部が複数保持している中から次候補の前記脈動パターンを取得して前記マッチング判定を繰返し、前記脈動保持部が保持している全ての前記脈動パターンに合致するものがない場合に新たな前記脈動パターンを抽出して出力して、さらに逆位相を前記流量に加算することで脈動成分を打ち消した前記補正流量を出力する脈動補正部と、前記脈動補正部から出力された前記脈動パターンを保持し、直近に保持した前記脈動パターンの優先度を高くし、最古の前記脈動パターンの優先度を低くした時系列に沿った前記脈動パターンを複数保持し前記候補要求信号を受け取ると前記脈動パターンを優先度の高い順に出力する前記脈動保持部とを備え、脈動を検出すると前記脈動補正部はまず前記脈動保持部が時系列に沿った前記脈動パターンを複数保持し優先度の順番に従い前記流量とのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして前記脈動パターン抽出することができる。
[0013]
 第4の発明は、脈動補正部で流量算出部の流量とのマッチングに成功した脈動パターンの頻度を監視し、マッチングに成功した前記脈動パターンの頻度の高いものを優先度の高い前記脈動パターンとし、頻度の低いものを優先度の低い前記脈動パターンとして前記脈動パターンを複数保持し、候補要求信号を受け取ると前記脈動パターンを優先度の高いものから順に出力する脈動保持部とを備え、脈動を検出すると前記脈動補正部はまず前記脈動保持部が複数保持している前記脈動パターンを発生頻度の優先順位に従い前記流量とのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして前記脈動パターンを抽出することができる。
[0014]
 第5の発明は、脈動補正部で流量算出部の流量とのマッチングに成功した脈動パターンの頻度を監視し、マッチングに成功した前記脈動パターンの頻度の高いものを優先度の高い前記脈動パターンとし、頻度の低いものを優先度の低い前記脈動パターンとし、かつ最後に前記流量とのマッチングに成功した前記脈動パターンを一番高い優先度として、前記脈動パターンを複数保持し候補要求信号を受け取ると前記脈動パターンを優先度の高いものから順に出力する脈動保持部とを備え、脈動を検出すると前記脈動補正部はまず前記脈動保持部が複数保持している直近の前記脈動パターンと前記流量とのマッチングを行い、次に発生頻度の優先順位に従い前記脈動パターンと前記流量とのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして前記脈動パターン抽出することができる。
[0015]
 第6の発明は、外部から脈動パターンを取得して出力する外部入力部と、前記外部入力部の前記脈動パターンを取得して複数保持する機能を付加した脈動保持部とを備え、近隣の脈動発生源に合わせて事前に前記脈動パターンを保持することができる。
[0016]
 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
[0017]
 (実施の形態1)
 図1は、本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の機能ブロック図を示すものである。
[0018]
 図1において、流量検出部21は、ガス通路内を通過するガス流量に対応して流量信号Aを出力する。例えば、ガス通路内に対向した超音波センサを取り付け超音波の伝搬時間の違いからガス流量を検知しても良いし、ガス通路内にガスが流れる経路を作成しガスが経路を流れるときに発生する振動からガス流量を検知しても良い。ガスの通過量を計量し一定の通過量に達する毎にガス流量として検出するようにしても同様の効果が得られる。以下の説明では、1秒毎の伝搬時間の違いから流量信号Aを算出する方式に関して記載する。
[0019]
 流量算出部22は、流量検出部21の流量信号Aを受け取ると流量Bを算出する。例えば、予め保持している流量信号Aに対する重み付けを持たせた係数を流量信号Aに掛けて流量Bを算出しても良い。
[0020]
 脈動補正部26は、流量算出部22の流量Bを取得すると脈動の有無を判定し、脈動がない場合は補正流量Eの出力を停止し、脈動がある場合には脈動パターンを抽出する。例えば所定期間の間(例えば、20秒間)に所定値以上(例えば、15L/h)変化した流量Bの増加減少を交互に検出するようにしても良いし、所定期間の間に所定値以上に変化した流量Bの増加減少の各個数をカウントして判断しても同様の効果が得られる。
[0021]
 図2~図7に脈動パターンの抽出方法(ガスの脈動補正方法)を概略図として記載する。今、図2に示す「(1)A.取得値」のような脈動パターンがガス配管を伝わって来る状況であるものとする。脈動パターンの発生源は前記特許文献1にも記載されているように近隣のヒートポンプエアコンであるGHP等のガスエンジンが運転されている場合が想定され、温調変化等の変化が発生するまでは一定の回転数で運転されていることは周知の事実である。そのため、一定間隔(例えば1秒間隔)でガス遮断装置がガス流量を監視していればエンジンの回転数と計測タイミングとにより、図2に示す「(1)A.取得値」に記載したように「0→1→-1.9→1.9→・・・→0」のようにある周期性を持った計測結果(流量B)が得られる。
[0022]
 この計測結果は周期性があることより計測結果(流量B)と当該計測結果をずらしたものを順次比較していくと、図4に示す「(6)A.5回ズラシ」に示すように1周期分ずれた時に連続的に符合)する箇所が出現する。図2~図7では、11回の計測結果を元にズラシ操作を行い周期性を判定しているが、周期性を判定する計測結果の個数を任意の個数に増減させても同様の効果が得られる。また図2~図7では、1回ズラシの場合は11番目の計測結果(流量B)を1回ズラシの先頭に持ってきて判定しているが、固定値の0を代入しても同様の効果が得られる。また、n回ズラシ以降は同様にn~11番目の計測結果を、n回ズラシの先頭に移動させている。例えば、ガス遮断装置の計測誤差や微妙なエンジン回転数の調整を考慮して、算出した「差分」値がある一定量以内(例えば、5L/h)や流量Bに対して一定比率以内(例えば10%以内)のものを「許容範囲」内として符合する(図面では○印)と判定しても良い。
[0023]
 例えば図2に示す「(2)A.1回ズラシ」では1番目の計測結果のみが符合しているが流量Bが増加減少している脈動時に判定しているのであるから複数回連続していることが条件となるため、脈動パターンから除外してもよい。
[0024]
 以上より図4に示す「(6)A.5回ズラシ」が連続して符合していることにより、脈動により発生した周期は5回計測毎に一巡していると判定できる。例えば、2.5周期分の計測結果を用いて周期判定する場合、1周期分を除いた1.5周期分が符合することが期待できることより、継続判定成立をn回ズラシの回数以上としても良い。
[0025]
 次に、図5に示す「(7)A.補正後」に示すように抽出した脈動パターンの1周期分(0→1→-1.9→1.9→-1)を「繰返補正」として繰返し当てはめ「差分」をとると符合する数が1周期分以上継続することとなる。図2~図7では、周期性を判定するのに使用した11個の計測結果の全てが継続する。このことにより脈動パターンの逆位相を流量Bに加算することで脈動成分を打ち消すことが可能となり、この脈動成分を打ち消した補正流量Eを出力することが可能となる。例えば逆位相とは、周期性を判定するのに使用した計測結果の1周期分の平均値と1周期分の脈動パターンとの差の符号を逆にしたものを指す。すなわち図5に示す「(7)A.補正後」の例では、脈動パターンFは0→1→-1.9→1.9→-1なのでその平均値は0であり、差の逆符号は最初の0は0-0=0で符号を変えても0となり、次の1は1-0=1で符号を変えると-1となる。順次計算すると逆位相の値は0→-1→1.9→-1.9→1となる。よって補正流量Eは全て0(0+0→1+(-1)→-1.9+1.9→1.9+(-1.9)→-1+1)となる。同様に、例えば脈動パターンFが100→110→90と繰り返す場合、平均値は100で逆位相は0→-10→10となり、補正流量Eは全て100((100-0)→(110+(-10))→(90+10))となる。以降の実施の形態における説明においても、前述の変換手順を逆位相と呼称するものとする。
[0026]
 なお、図5~7は周期性を判定する計測結果の個数が不適切な場合(例えば8個)を記載している。図5に示す「(1)B.取得値」は、図2に示す「(1)A.取得値」と同じ周期を短期間にして取得したものである。図6に示す「(4)B.3回ズラシ」と図7に示す「(6)B.5回ズラシ」で連続性(例では各々3回)を抽出することができているが、図7に示す「(7)B.補正後」を見ると1周期分を超えて継続していないことより脈動成分が打ち消されていないことが伺える。この場合、周期性を判定する計測結果を増減させることが必要となる。一般的に2周期分以上の計測結果を取得してズラシ判定を実施すれば周期性を見つけることが可能である。
[0027]
 異常流量判定部23は、脈動補正部26の補正流量Eの出力があれば補正流量Eと予め保持している異常判定流量とを比較して、補正流量Eがなければ流量算出部22の流量Bと異常判定流量とを比較して、異常の有無を判定し異常である場合には弁駆動信号Cを出力する。例えば、流量Bがガス遮断装置の許容している最大ガス使用量をオーバーした場合や、流量Bから導き出された任意のガス使用量毎に定められた使用可能時間をオーバーする場合に異常と判定する。
[0028]
 弁駆動部24は異常流量判定部23の弁駆動信号Cを受け取ると閉栓信号Dを出力する。弁25は弁駆動部24の閉栓信号Dを受け取るとガス通路を閉栓する。
[0029]
 以上のように、本実施の形態においては脈動補正部26が逆位相の脈動パターンFで流量Bを補正することで得た脈動成分を打ち消した補正流量Eと予め保持している異常判定流量との比較判定を可能とすることができる。
[0030]
 なお、周期性を判定する計測結果が所定値以上(例えば、100回)を超えても周期性を抽出できなかった場合には、現在の周期性の判定を開始したときに取得した2番目の流量Bを起点として新たな周期性の判定として開始し、脈動パターンFの抽出ができるまでn番目の流量Bの起点とするように順次ずらしながら判定を行っても良い。
[0031]
 (実施の形態2)
 本発明の実施の形態2におけるガス遮断装置の機能ブロックを図1を用いて説明するが、外部入力部28は実施の形態2には含まれない。また、実施の形態1と同一の記号のものは同一の機能のため説明を省略する。
[0032]
 脈動補正部26は流量算出部22の流量Bを取得すると実施の形態1に記載された方法で脈動の有無を判定し、脈動がない場合は補正流量Eの出力を停止し、脈動がある場合には脈動保持部が保持している脈動パターンFを取得する。例えば、脈動保持部27からの脈動補正部26への脈動パターンの受け渡しを示す概略図を図9の(a)に示す。この取得の後、脈動補正部26は、脈動パターンFに基づき流量Bとの差分を取ることで脈動成分を打ち消せたか否かのマッチング判定を実施する。例えば、マッチング判定とは実施の形態1の図9に示す「(7)A.補正後」に記載したように、脈動パターンFの1周期分を「繰返補正」として繰返し当てはめ「差分」を取ると符合する数が1周期分以上継続するか否かを確認することを指す。以降の実施の形態における説明においても、前述の判定方法をマッチング判定またはマッチングと呼称するものとする。脈動補正部26は、脈動成分を打ち消せた場合は脈動パターンFの逆位相を流量Bに加算した補正流量Eを出力し、脈動成分を打ち消せなかった場合は新たな脈動パターンFを抽出して出力して、さらに逆位相を流量Bに加算することで脈動成分を打ち消した補正流量Eを出力する。この新たな脈動パターンFの抽出とは、例えば、実施の形態1の図9に示す「(7)A.補正後」に記載したように、脈動パターンFの1周期分を抽出する。
[0033]
 脈動保持部27は脈動補正部26の脈動パターンFを保持する。
[0034]
 脈動時の計測起点および流量変化時を示す概略図である図8の(a)(b)に脈動と計測タイミングとの関係を図示している。周期は「I」から始まり「VIII」で一巡して「IX」は「I」と同じ値になっているが、同じ周期であっても1秒毎の計測タイミングとのズレによりA「I」とB「I」の計測結果の値は異なる。
[0035]
 そのため脈動パターンFの保持の際には、ガス遮断装置を制御しているマイコンのメモリを大量に消費するがA「I」~「IX」、B「I」~「IX」の各計測結果の数値を保持しても良いし、脈動パターンFを各計測結果の数値を保持するよりもメモリの消費量が少なくて済む周波数や周期性の計測回数に置き換えて保持しても同等の効果が得られる。
[0036]
 また図8の(c)は近隣のGHPが運転することにより発生する脈動の周期は一定で変化していないが、ガス遮断装置が設置されているガスユーザ宅においてガス器具の使用量が変化した場合を図示している。
[0037]
 C1区間は「繰返補正」を当てはめることで許容範囲内に収まり正しい補正流量Eを出力できるものとする。C2区間はガス器具の立ち上がり過程を表したもので、器具毎に様々な立ち上がりパターンがある。そのため現在使用している脈動パターンFの「繰返補正」で補正しても許容範囲を超える可能性がある。C3区間は再び現在使用している脈動パターンFの「繰返補正」を当てはめることで許容範囲内に収まり正しい補正流量Eを出力できる。よって予め脈動パターンFを保持しおけば、一旦現在使用している脈動パターンFである「繰返補正」で補正して許容範囲外となっても脈動そのものは継続している可能性が高いため、予め保持している脈動パターンFを読み出して当てはめることで補正が可能であり新たに脈動パターンFを求める必要がない旨が期待できる。
[0038]
 なお、脈動パターンFの抽出やマッチング判定は許容範囲外となった時を起点として例示しているが、ガス遮断装置の電源である電池の消耗度合いに余裕がある場合は、脈動パターンFの抽出やマッチング判定を常時行うようにすることで追従性が向上させることが期待できる。
[0039]
 以上のように、本実施の形態においては許容範囲を一旦超えた場合に脈動を検出すると脈動補正部26はまず脈動保持部27が保持している脈動パターンFと流量Bとのマッチング判定を行い脈動が補正できない場合(許容範囲を超えた場合や連続性がない場合)に新たな脈動が出現したとして脈動パターンFを抽出することができる。例えば、脈動を検出する判定を実施せず直ちに保持している脈動パターンFとマッチングを実施しても良い。
[0040]
 (実施の形態3)
 本発明の実施の形態3におけるガス遮断装置の機能ブロックを図1を用いて説明するが、外部入力部28は実施の形態3には含まれない。また、実施の形態1と同一の記号のものは同一の機能のため説明を省略する。
[0041]
 脈動補正部26は流量算出部22の流量Bを取得すると実施の形態1に記載された方法で脈動の有無を判定し、脈動がない場合は補正流量Eの出力を停止し、脈動がある場合には候補要求信号Gを出力して脈動保持部27が複数保持している脈動パターンFの中から優先度の高い脈動パターンFを取得(例えば、図9(b)に示すように)して脈動パターンFに基づき流量Bとの差分を取ることで脈動成分を打ち消せたかのマッチング判定を実施し、打ち消せた場合は脈動パターンFの逆位相を流量Bに加算した補正流量Eを出力し、脈動成分を打ち消せなかった場合は候補要求信号Gを出力して脈動保持部27が複数保持している中から次候補の脈動パターンFを取得してマッチング判定を繰返し、脈動保持部27が保持している全ての脈動パターンFと合致するものがない場合に新たな脈動パターンFを抽出して出力して、さらに逆位相を流量Bに加算することで脈動成分を打ち消した補正流量Eを出力する。
[0042]
 脈動保持部27は、脈動補正部26から出力された脈動パターンFを保持し、直近に保持した脈動パターンFの優先度を高くし、最古の脈動パターンFの優先度を低くした時系列に沿った脈動パターンFを複数保持し候補要求信号Gを受け取ると脈動パターンFを優先度の高い順に出力する。
[0043]
 以上のように、本実施の形態においては脈動を検出すると脈動補正部26はまず脈動保持部27が時系列に沿った脈動パターンFを複数保持したものを優先度の高い順番(例えば、近隣のGHP等が温調運転により特定の回転数(3000回転、3500回転、4000回転)で繰り返して運転している場合においては、任意の順番で脈動パターンFが変化することが容易に想像でき、複数の脈動パターンFを保持し最新の脈動パターンFからマッチングを行うことは早期にマッチング判定を成立させる上で有効である。なお3000回転→3500回転→3000回転→・・・と変化した場合、最新の脈動パターンFは現在の回転数(例えば、3000回転)のときのものであるため、本来取得したい2番目に新しい脈動パターンFとして保持されている回転数(例えば、3500回転)とは異なる。よって許容範囲外となった前後の流量Bの差が例えば器具の増減である100L/h未満であれば、近隣のGHP等が温調運転したために脈動周期だけが変化した可能性があるため、最新の脈動パターンFからではなく2番目に新しい脈動パターンFからマッチングを開始しても同様の効果が得られる)に従い流量Bとのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして脈動パターンFを抽出することができる。
[0044]
 なお候補要求信号Gに基づき出力した脈動パターンFでマッチング判定が成立した場合は、最後に出力した脈動パターンFを直近の脈動パターンFとして優先順位を並びかえてもよい。
[0045]
 (実施の形態4)
 本発明の実施の形態4におけるガス遮断装置の機能ブロックを図1を用いて説明するが、外部入力部28は実施の形態4には含まれない。また、実施の形態1と同一の記号のものは同一の機能のため説明を省略する。
[0046]
 脈動保持部27は、脈動補正部26で流量算出部22の流量Bとのマッチングに成功した脈動パターンFの頻度を監視する。例えば、最後に候補要求信号Gを受け取り出力した脈動パターンFをカウントすることで複数保持している脈動パターンFの各使用回数がカウント可能となる。脈動保持部27は、マッチングに成功した脈動パターンFの頻度の高いものを優先度の高い脈動パターンFとし、頻度の低いものを優先度の低い脈動パターンFとして脈動パターンFを複数保持する。例えば、複数保持している脈動パターンFの各使用回数のカウントが高いものから順番に並べかえて保持する。脈動保持部27は、候補要求信号Gを受け取ると脈動パターンFを例えば、図9(c)に示すように優先度の高いものから順に出力する。
[0047]
 以上のように、本実施の形態においては、脈動を検出すると脈動補正部26はまず脈動保持部27が複数保持している脈動パターンFを発生頻度の優先順位に従い流量Bとのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして脈動パターンFを抽出することができる。例えば、近隣のGHP等が温調運転により5000回転→3000回転→3500回転→4000回転→3500回転で次に2番目の3000回転戻る運転をn回繰り返している場合、3000回転はn回×1、3500回転はn回×2、4000回転はn回×1、5000回転は1回の発生数となり、5000回転は1回限りで、3500回転は3000回転や4000回転に比べ2倍の発生数となる。よって発生確率の高い3500回転からマッチング判定を行うとで、早期に脈動パターンFと流量Bとのマッチングが成立することが期待できる。なお現在の脈動パターンFが一番頻度の高いもので補正している場合で、新たに取得した流量Bが現在の脈動パターンFで補正しても許容範囲外等になり、新たな脈動パターンFとマッチングしなければならなくなった場合は、脈動補正部26は脈動保持部27が保持している2番目に頻度の高い脈動パターンFからマッチング判定を開始しても同様の効果が得られる。
[0048]
 なお、所定の期間(例えば1年間)が経過しても発生数が変化しない脈動パターンFに関して、当該脈動パターンFを保持するのに至った近隣のガス器具がなくなったものとして、脈動保持部27から当該脈動パターンFを削除してもよい。
[0049]
 (実施の形態5)
 本発明の実施の形態5におけるガス遮断装置の機能ブロックを図1を用いて説明するが、外部入力部28は実施の形態5には含まれない。また、実施の形態1と同一の記号のものは同一の機能のため説明を省略する。
[0050]
 脈動保持部27は、脈動補正部26で流量算出部22の流量Bとのマッチングに成功した脈動パターンFの頻度を監視する。例えば、最後に候補要求信号Gを受け取り出力した脈動パターンFをカウントすることで複数保持している脈動パターンFの各使用回数がカウント可能となる。脈動保持部27は、マッチングに成功した脈動パターンFの頻度の高いものを優先度の高い脈動パターンFとし、頻度の低いものを優先度の低い脈動パターンFとし、かつ最後に流量Bとのマッチングに成功した脈動パターンFを一番高い優先度として、脈動パターンFを複数保持し候補要求信号Gを受け取ると脈動パターンFを(例えば、図9(d)に示すように)優先度の高いものから順に出力する。例えば、脈動パターンFの頻度の高いもの及び頻度の低いものに関しては、複数保持している脈動パターンFの各使用回数のカウントが高いものから順番に並べかえて保持する。
[0051]
 以上のように、本実施の形態においては、脈動を検出するとまず脈動保持部27が複数保持している直近の脈動パターンFと流量Bとのマッチングを行い、次に発生頻度の優先順位に従い脈動パターンFと流量Bとのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして脈動パターンFを抽出することができる。例えば、近隣のGHP等が運転中に図8の(c)の様にガスユーザ宅でガス器具を使用した場合を想定し、脈動補正部26はまず最新の脈動パターンFで判定し、その後頻度の高い脈動パターンFからマッチングを行うことで、早期に脈動パターンFと流量Bとのマッチングが成立することが期待できる。
[0052]
 なお、所定の期間(例えば1年間)が経過しても発生数が変化しない脈動パターンFに関して、当該脈動パターンFを保持するのに由来した近隣のガス器具がなくなったものとして、脈動保持部27から当該脈動パターンFを削除してもよい。
[0053]
 (実施の形態6)
 本発明の実施の形態6におけるガス遮断装置の機能ブロックを図1を用いて説明するが、外部入力部28は、外部から脈動パターンFを取得して出力する。例えば、現場で使用する設定器や電話やインターネット等の公共の通信回線や専用の通信回線を介してガス遮断装置を監視しているセンタから有線通信や無線通信により外部から入力する。また、実施の形態1と同一の記号のものは同一の機能のため説明を省略する。
[0054]
 脈動保持部27は外部入力部28の脈動パターンFを取得して複数保持する機能を付加したものである。
[0055]
 以上のように、本実施の形態においては、近隣の脈動発生源に合わせてガスユーザ宅のガス遮断装置に事前に最適な脈動パターンFを予め保持することができる。
[0056]
 なお、既に保持している脈動パターンFと同一の脈動パターンFが外部入力部28より出力された場合、脈動保持部27は同一の脈動パターンFを複数保持するようにしてもよいし、同一の脈動パターンFを1つにまとめて保持するようにしてもよい。
[0057]
 また、近隣のGHP等の運転が停止し脈動がある状態から脈動がない状態になった場合新たに取得した流量Bは現在使用している脈動パターンFである「繰返し補正」で補正すると逆に許容範囲を超えることとなる。このとき脈動がないので当然脈動保持部27で保持している全ての脈動パターンFとも一致することはない。また実施の形態1に記載された方法で脈動を検出するができないので、新たな補正パターンFを抽出することもない。従って脈動補正処理は停止することになる。
[0058]
本出願は、2009年1月8日出願の日本特許出願(特願2009-002289)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0059]
 以上のように、本発明にかかるガス遮断装置は従来の脈動発生時に必要な流量分解能を得るために計測セット回数を多くしていたため電源である電池の消耗を招いていたものを、流量から脈動パターンを抽出し、その後流量に脈動パターンの逆位相となる値を加算することで脈動成分を打ち消した補正流量を算出して異常判定流量と比較することが可能となり、電池の消耗を抑え安全性を確保することができるのでガスを電気や水等に置き換えれば、電気メータや水道メータ等の用途にも適用できる。

符号の説明

[0060]
 21 流量検出部
 22 流量算出部
 23 異常流量判定部
 24 弁駆動部
 25 弁
 26 脈動補正部
 27 脈動保持部
 28 外部入力部

請求の範囲

[請求項1]
 ガス通路内を通過するガス流量に対応して流量信号を出力する流量検出部と、前記流量検出部の前記流量信号を受け取ると流量を算出する流量算出部と、前記流量算出部の前記流量を取得すると脈動の有無を判定し、脈動がない場合は補正流量の出力を停止し、脈動がある場合には脈動パターンを抽出し、抽出した前記脈動パターンの逆位相を前記流量に加算して脈動成分を打ち消した前記補正流量を出力する脈動補正部と、前記脈動補正部の前記補正流量の出力があれば前記補正流量と予め保持している異常判定流量とを比較して、前記補正流量がなければ前記流量算出部の前記流量と前記異常判定流量とを比較して、異常の有無を判定し異常である場合には弁駆動信号を出力する異常流量判定部と、前記異常流量判定部の前記弁駆動信号を受け取ると閉栓信号を出力する弁駆動部と、前記弁駆動部の前記閉栓信号を受け取るとガス通路を閉栓する弁とを備え、前記脈動補正部が逆位相の前記脈動パターンで補正して脈動成分を打ち消した前記補正流量と予め保持している前記異常判定流量との比較判定を可能とし、かつ電池を電源としたガス遮断装置。
[請求項2]
 流量算出部の流量を取得すると脈動の有無を判定し、脈動がない場合は補正流量の出力を停止し、脈動がある場合には脈動保持部が保持している脈動パターンを取得して、取得した前記脈動パターンに基づき前記流量の脈動成分が打ち消せたか否かのマッチング判定を実施し、打ち消せた場合は前記脈動パターンの逆位相を前記流量に加算した前記補正流量を出力し、脈動成分を打ち消せなかった場合は新たな前記脈動パターンを抽出して出力して、さらに逆位相を前記流量に加算して脈動成分を打ち消した前記補正流量を出力する脈動補正部と、前記脈動補正部の前記脈動パターンを保持する前記脈動保持部とを備え、脈動を検出すると前記脈動補正部はまず前記脈動保持部が保持している前記脈動パターンと前記流量とのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして前記脈動パターン抽出することを特徴とした請求項1記載のガス遮断装置。
[請求項3]
 流量算出部の流量を取得すると脈動の有無を判定し、脈動がない場合は補正流量の出力を停止し、脈動がある場合には候補要求信号を出力して脈動保持部が複数保持している脈動パターンの中から優先度の高い前記脈動パターンを取得して、取得した前記脈動パターンに基づき前記流量の脈動成分が打ち消せたか否かのマッチング判定を実施し、打ち消せた場合は前記脈動パターンの逆位相を前記流量に加算した前記補正流量を出力し、脈動成分を打ち消せなかった場合は前記候補要求信号を出力して前記脈動保持部が複数保持している中から次候補の前記脈動パターンを取得して前記マッチング判定を繰返し、前記脈動保持部が保持している全ての前記脈動パターンに合致するものがない場合に新たな前記脈動パターンを抽出して出力して、さらに逆位相を前記流量に加算することで脈動成分を打ち消した前記補正流量を出力する脈動補正部と、前記脈動補正部から出力された前記脈動パターンを保持し、直近に保持した前記脈動パターンの優先度を高くし、最古の前記脈動パターンの優先度を低くした時系列に沿った前記脈動パターンを複数保持し前記候補要求信号を受け取ると前記脈動パターンを優先度の高い順に出力する前記脈動保持部とを備え、脈動を検出すると前記脈動補正部はまず前記脈動保持部が時系列に沿った前記脈動パターンを複数保持したものを優先度の高い順番に従い前記流量とのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして前記脈動パターン抽出することを特徴とした請求項1記載のガス遮断装置。
[請求項4]
 脈動補正部で流量算出部の流量とのマッチングに成功した脈動パターンの頻度を監視し、マッチングに成功した前記脈動パターンの頻度の高いものを優先度の高い前記脈動パターンとし、頻度の低いものを優先度の低い前記脈動パターンとして前記脈動パターンを複数保持し、候補要求信号を受け取ると前記脈動パターンを優先度の高いものから順に出力する脈動保持部とを備え、脈動を検出すると前記脈動補正部はまず前記脈動保持部が複数保持している前記脈動パターンを発生頻度の優先順位に従い前記流量とのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして前記脈動パターンを抽出することを特徴とした請求項3記載のガス遮断装置。
[請求項5]
 脈動補正部で流量算出部の流量とのマッチングに成功した脈動パターンの頻度を監視し、マッチングに成功した前記脈動パターンの頻度の高いものを優先度の高い前記脈動パターンとし、頻度の低いものを優先度の低い前記脈動パターンとし、かつ最後に前記流量とのマッチングに成功した前記脈動パターンを一番高い優先度として、前記脈動パターンを複数保持し候補要求信号を受け取ると前記脈動パターンを優先度の高いものから順に出力する脈動保持部とを備え、脈動を検出すると前記脈動補正部はまず前記脈動保持部が複数保持している直近の前記脈動パターンと前記流量とのマッチングを行い、次に発生頻度の優先順位に従い前記脈動パターンと前記流量とのマッチングを行い脈動が補正できない場合に新たな脈動が出現したとして前記脈動パターン抽出することを特徴とした請求項3記載のガス遮断装置。
[請求項6]
 外部から脈動パターンを取得して出力する外部入力部と、前記外部入力部の前記脈動パターンを取得して複数保持する機能を付加した脈動保持部とを備え、近隣の脈動発生源に合わせて事前に前記脈動パターンを保持できることを特徴とした請求項2~5のいずれか1項記載のガス遮断装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]