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1. (WO2010079748) WIRELESS COMMUNICATION APPARATUS, WIRELESS COMMUNICATION SYSTEM AND WIRELESS COMMUNICATION METHOD
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明 細 書

発明の名称 無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

発明の効果

0024  

図面の簡単な説明

0025  

発明を実施するための形態

0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131  

産業上の利用可能性

0132  

符号の説明

0133  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法

技術分野

[0001]
 本発明は、複数のアンテナを使用して通信を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)システムに用いられる無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法に関する。

背景技術

[0002]
 MIMOシステムは、データ通信用に複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いる通信システムである。ユーザ端末が接続されるアクセスポイントは、下り回線(Downlink)と上り回線(Uplink)において任意の所要時点で一つ以上のユーザ端末と通信することができる。下り回線(すなわち、順方向回線)はアクセスポイントからユーザ端末への通信回線であり、上り回線(すなわち、逆方向回線)はユーザ端末からアクセスポイントへの通信回線である。
[0003]
 アクセスポイントは、通常、ユーザ端末と通信する固定された基地局による無線通信装置であり、基地局または他の専門用語にて呼ばれることもある。ユーザ端末は、固定または可動の無線通信装置であり、基地局、無線装置、移動局、ユーザ機器、または他の何らかの専門用語にて呼ばれることもある。以下の説明では、アクセスポイントについては基地局(BS:Base Station)を、ユーザ端末についてはユーザ機器(UE:User Equipment)を用いることにする。
[0004]
 閉ループMIMOシステムでは、通常、受信機から送信機へチャネル状態情報を送信する。すなわち、閉ループMIMOシステムにおいてプリコーディング(Precoding)あるいはビームフォーミング(Beamforming)を行う場合、通信システム内の受信機から送信機へフィードバックされるチャネル状態情報を用いることによって、チャネル最適化を実現することができる。プリコーディングは、MIMOシステムにおいて、複数のアンテナから送信する際に、各アンテナから重み付けしたデータを送信することにより伝搬路の状況に適したビームを形成して送信を行う技術である。この際、受信点での受信信号の観測状況(伝搬路状況)を反映させるため、受信機から送信機へビーム情報を含むフィードバック信号を送信し、送信機においてフィードバック信号を用いてビームを制御する(例えば特許文献1参照)。このプリコーディングは、携帯電話の国際的な標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化活動が行われている次世代システムのLTE(Long Term Evolution)において議論されている。
[0005]
 また、MIMOシステムの送信においては、例えば下り回線でのより高次のMIMOにおいて最大8本の送信アンテナを使用する場合、あるいは上り回線でのMIMOにおいてユーザ端末内でアンテナ設置上の空間的制約がある場合などに、交差偏波型(cross-polarized)アンテナ構造の利用が有効である。交差偏波型アンテナを適用する際、送信機及び受信機における異なる偏波を用いたアンテナの使用は、チャネル行列の要素間の利得(あるいはパワー)及び相関の不平衡をもたらす。その結果、チャネル行列の要素はより複雑な挙動を示す。しかしながら、現在のLTEでは、実装の複雑さを軽減し全ての用途(各種アンテナ構造)向けに一つのコードブックを保持するために、交差偏波型アンテナ構造向けの専用コードブックは一切含まれなかった。交差偏波型アンテナ構造は際立った有用性を持つため、この種のコードブックの追加は、次のLTE-advancedへの展開の際に顕著な性能利点をもたらすことになる。
[0006]
 交差偏波型アンテナ構造を用いたMIMOシステム(以下、交差偏波型MIMOシステムと記載)のプリコーディング向けには、ブロック対角行列を用いるコードブックが考えられる。この種のコードブックには、理想的なXPD(Cross Polarization Discrimination、交差偏波識別度)の前提が適用され、その場合にチャネル行列はブロック対角行列により近似することができる。しかしながら、一般に理想的なXPDは必ずしも期待できるとは限らず、そのときはこの種のコードブックを用いたプリコーディング行列をチャネル行列の構造に整合させることはできない。よって、理想的なXPDの条件を満足しない場合、プリコーディング性能が劣化する。このように、交差偏波型MIMOシステム用のプリコーディング技術を、伝送性能及びシグナリングの面において、効率的とする必要性が当該分野には存在する。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 米国特許出願公開第2008/0037681号明細書

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 上述したように、交差偏波型MIMOシステムにおいては、一般的な実使用環境では理想的なXPDが得られないため、プリコーディング行列として理想的なXPDを前提としたブロック対角行列によるコードブックを使用すると、異なる偏波間の干渉が残った状態となり、プリコーディング実行時の性能が劣化するなどの課題がある。
[0009]
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、交差偏波型アンテナ構造を用いたMIMOシステムにおいて、理想的なXPDが得られない場合であっても、異なる偏波間の干渉を軽減でき、効果的なプリコーディングを行うことが可能な無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明は、第1の態様として、交差偏波型アンテナ構造を有し、MIMOにより多重通信が可能な無線通信システムに用いられる無線通信装置であって、通信相手装置に送信するデータとして、複数の送信アンテナ間で空間多重するための複数のストリームを生成する空間多重部と、前記通信相手装置からフィードバックされる制御情報に基づき、異なる複数の偏波のうちの一方の偏波に対応するストリームに対して、異なる偏波ごとのチャネル応答行列を直交またはほぼ直交させるための射影行列のプリコーディング行列を作用させてプリコーディングを行うプリコーディング処理部と、前記プリコーディング処理を行った複数のストリームを交差偏波型の複数の送信アンテナによってそれぞれ送信する送信部と、を備える無線通信装置を提供する。
[0011]
 また、本発明は、第2の態様として、上記の無線通信装置であって、前記プリコーディング処理部は、前記異なる複数の偏波に対応するストリームに対して送信ビーム形成のための第1のプリコーディング行列を適用する第1のプリコーディングと、前記一方の偏波に対応するストリームに対して前記射影行列による第2のプリコーディング行列を適用する第2のプリコーディングとを行うものを含む。
[0012]
 また、本発明は、第3の態様として、上記の無線通信装置であって、前記プリコーディング処理部は、前記異なる複数の偏波に対応するストリームを偏波ごとに分割し、それぞれの偏波に対応するストリームに対して、前記第1のプリコーディング行列として偏波ごとに対応させたプリコーディング行列を適用してプリコーディングを行うものを含む。
[0013]
 また、本発明は、第4の態様として、上記の無線通信装置であって、前記プリコーディング処理部は、前記射影行列による第2のプリコーディング行列として、それぞれの偏波に対応するストリームに対して適用するプリコーディング行列の内積の対角和が所定値以下となるようなユニタリ行列を用いるものを含む。
[0014]
 また、本発明は、第5の態様として、上記の無線通信装置であって、前記送信部は、異なる2つの第1及び第2の偏波に対応してそれぞれ2つずつ合計4つの送信アンテナを有し、前記プリコーディング処理部は、前記第2の偏波に対応するストリームに対して前記射影行列によるプリコーディングを行うものを含む。
[0015]
 また、本発明は、第6の態様として、上記の無線通信装置であって、前記送信部は、異なる2つの第1及び第2の偏波に対応してそれぞれ2つずつ合計4つの送信アンテナを有し、これらの送信アンテナから空間多重された3つのストリームを送信する場合に、前記第1の偏波の2つのアンテナに第1のストリームを割り当て、前記第2の偏波の2つのアンテナにそれぞれ第2及び第3のストリームを割り当てるアンテナ割り当てを行い、前記プリコーディング処理部は、前記第2の偏波に対応する第2及び第3のストリームに対して前記射影行列によるプリコーディングを行うものを含む。
[0016]
 また、本発明は、第7の態様として、上記の無線通信装置であって、前記送信部は、異なる2つの第1及び第2の偏波に対応してそれぞれ4つずつ合計8つの送信アンテナを有し、前記プリコーディング処理部は、前記第2の偏波に対応するストリームに対して前記射影行列によるプリコーディングを行うものを含む。
[0017]
 本発明は、第8の態様として、交差偏波型アンテナ構造を有し、MIMOにより多重通信が可能な無線通信システムに用いられる無線通信装置であって、通信相手装置から自装置への伝搬路のチャネル推定を行うチャネル推定部と、前記チャネル推定結果に基づき、異なる偏波ごとのチャネル応答行列を直交またはほぼ直交させるための、一方の偏波のチャネル応答行列に対して適用する射影行列のプリコーディング行列を決定するプリコーディング選択部と、前記決定したプリコーディング行列を示すプリコーディング情報を含む制御情報を前記通信相手装置へフィードバックする制御情報通知部と、前記通信相手装置から送信されたデータを複数の受信アンテナによって受信する受信部と、前記受信したデータから複数のストリームを分離して検出する信号分離部と、前記検出した複数のストリームから受信データを復号する復号部と、を備える無線通信装置を提供する。
[0018]
 また、本発明は、第9の態様として、上記の無線通信装置であって、前記プリコーディング選択部は、前記異なる偏波のそれぞれに対して適用するプリコーディング行列の内積の対角和が所定値以下となるようなユニタリ行列を、前記通信相手装置からの伝搬路のチャネル応答行列に基づいて算出するかまたは予め設定した行列群を持つコードブックから選択することにより、前記プリコーディング行列を決定するものを含む。
[0019]
 また、本発明は、第10の態様として、上記の無線通信装置であって、前記プリコーディング選択部は、前記異なる複数の偏波に対して適用する送信ビーム形成のための第1のプリコーディング行列と、前記一方の偏波に対して適用する射影行列による第2のプリコーディング行列と、を決定し、前記制御情報通知部は、前記第1のプリコーディング行列及び前記第2のプリコーディング行列を示すプリコーディング情報を前記通信相手装置に通知するものを含む。
[0020]
 また、本発明は、第11の態様として、上記の無線通信装置であって、前記プリコーディング選択部は、前記異なる複数の偏波のそれぞれに対して、前記第1のプリコーディング行列として偏波ごとに対応させたプリコーディング行列を決定するものを含む。
[0021]
 また、本発明は、第12の態様として、交差偏波型アンテナ構造を有する無線通信装置を用いて、MIMOにより多重通信が可能な無線通信システムにおける無線通信方法であって、通信相手装置に送信するデータとして、複数の送信アンテナ間で空間多重するための複数のストリームを生成するステップと、前記通信相手装置からフィードバックされる制御情報に基づき、異なる複数の偏波のうちの一方の偏波に対応するストリームに対して、異なる偏波ごとのチャネル応答行列を直交またはほぼ直交させるための射影行列のプリコーディング行列を作用させてプリコーディングを行うステップと、前記プリコーディング処理を行った複数のストリームを交差偏波型の複数の送信アンテナによってそれぞれ送信するステップと、を有する無線通信方法を提供する。
[0022]
 また、本発明は、第13の態様として、交差偏波型アンテナ構造を有する無線通信装置を用いて、MIMOにより多重通信が可能な無線通信システムにおける無線通信方法であって、通信相手装置から自装置への伝搬路のチャネル推定を行うステップと、前記チャネル推定結果に基づき、異なる偏波ごとのチャネル応答行列を直交またはほぼ直交させるための、一方の偏波のチャネル応答行列に対して適用する射影行列のプリコーディング行列を決定するステップと、前記決定したプリコーディング行列を示すプリコーディング情報を含む制御情報を前記通信相手装置へフィードバックするステップと、前記通信相手装置から送信されたデータを複数の受信アンテナによって受信するステップと、前記受信したデータから複数のストリームを分離して検出するステップと、前記検出した複数のストリームから受信データを復号するステップと、を有する無線通信方法を提供する。
[0023]
 上記構成により、理想的なXPDが得られない場合であっても、一方の偏波に対して、チャネル応答行列に基づく射影行列のプリコーディング行列を適用することで、異なる偏波間の直交性を保つための効果的なプリコーディングが可能であり、偏波間干渉を最小化することが可能になる。

発明の効果

[0024]
 本発明によれば、交差偏波型アンテナ構造を用いたMIMOシステムにおいて、理想的なXPDが得られない場合であっても、異なる偏波間の干渉を軽減でき、効果的なプリコーディングを行うことが可能となる。

図面の簡単な説明

[0025]
[図1] 一つの送信機と一つの受信機とを備えるMIMOシステムの構成例を示すブロック図
[図2] 本発明の第1の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第1例を示すブロック図
[図3] 本実施形態における動作手順を示すフローチャート
[図4] 本発明の第2の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第2例を示すブロック図
[図5] 本発明の第3の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第3例を示すブロック図
[図6] 本発明の第4の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第4例を示すブロック図
[図7] 本発明の第5の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第5例を示すブロック図
[図8] 本発明の第6の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第6例を示すブロック図
[図9] 空間多重におけるコードワード-レイヤマッピングの例を示す図

発明を実施するための形態

[0026]
 本実施形態では、本発明に係る無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法の一例として、セルラー無線通信網の下り回線において交差偏波型MIMOを適用し、基地局(BS)とユーザ端末(UE)との間で交差偏波型アンテナを用いた通信を行う無線通信システムの構成例を示す。この際、閉ループの交差偏波型MIMOシステムにおいてプリコーディングを行うものとする。
[0027]
 本実施形態は、概ね遠隔通信に係り、より具体的には、MIMOシステムにおいて交差偏波型アンテナ構造を用いる複数アンテナ送信のための方法及び装置、並びに製造物に関する。
[0028]
 まず、交差偏波型MIMOシステムにおいてプリコーディング制御を実行する技術について説明する。これらの技術は、符号分割多重アクセス(CDMA:Code Division Multiple Access)、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、時分割多重アクセス(TDMA:Time Division Multiple Access)等の各種無線技術と組み合わせて使用することができる。複数アンテナを持つ送信機から複数アンテナを持つ受信機への上りまたは下り回線の送信に対して、受信機において、基準となる参照信号を用いたチャネル測定及びチャネル推定を行うことで、チャネル応答行列が得られる。ここで、交差偏波型アンテナ構造の複数アンテナとしては、垂直偏波と水平偏波など、複数の異なる偏波のアンテナを用いる。得られたチャネル応答行列は、送信アンテナの異なる偏波からのチャネル応答を表す二つの部分に分解できるものである。受信機は、二つに分解可能なチャネル応答行列に基づき、異なる偏波の送信データストリームに対してそれぞれ異なるプリコーディング行列を選択し得る。受信機は、選択されたプリコーディング行列を送信機へフィードバックする。送信機は、フィードバックされたプリコーディング行列を偏波ごとのデータストリームに適用してプリコーディングを行い、それぞれ異なる偏波のアンテナから送信する。この際、異なる偏波向けの異なるプリコーディング行列の中でも、送信機側の一方の偏波に対しより厳密なプリコーディング行列を適用し、異なる偏波からの干渉を軽減する干渉軽減を実行する。
[0029]
 ここに開示された本実施形態のシステムや方法は、移動電話通信などに用いるセルラー無線通信システム等において送信機から受信機へデータを送信する方法を提供することで、上述の課題に示した必要性に対処するものである。本実施形態は、交差偏波型アンテナ構造を用いるMIMOシステムに対し交差偏波専用プリコーディングを適用することで提供される。本実施形態によれば、水平偏波と垂直偏波などの異なる偏波間の干渉を最小化し、交差偏波型MIMOシステムのチャネルにおける貧弱なXPD特性を補償することが可能となり、プリコーディング性能を改善し、伝送性能を向上することができるようになる。
[0030]
 本実施形態は、以下の処理手順を含むものである。
(1) 受信機が、送信機から送信される参照信号を用いて、送信機の複数アンテナと受信機の複数アンテナとの間で観測されるチャネル応答行列を推定するステップ
(2) 受信機が、チャネル応答行列を異なる偏波の送信アンテナからのチャネル応答を表す二つの部分に分解するステップ
(3) 受信機が、二つのプリコーディング行列であってそれぞれが送信機側の異なる偏波からのデータ送信に関する行列を選択するステップ
(4) 受信機が、送信機側の一方の偏波からのデータ送信に対する追加のプリコーディング行列を選択するステップ
(5) 受信機が、選択されたプリコーディング行列を送信機へフィードバックするステップ
(6) 送信機が、対応する下り回線割り当てのシグナリングに基づきデータストリームを送信するステップ
(7) 受信機が、送信機からのデータストリームを受信し、MIMO検出処理を行って再生データストリームを取得するステップ
[0031]
 一つの実施形態によれば、セルラー無線通信システムは、交差偏波型の複数アンテナを有する送信機と、交差偏波型の複数アンテナを有する1つの受信機とを含む。このセルラー無線通信システムは、複数の空間データストリームを処理するためのプリコーディングの調整を行う手段を有する。この手段には、受信機側での異なる偏波からのデータ送信に対するプリコーディング行列を選択する機能と、送信機側での異なる偏波からのデータ送信に対して選択されたプリコーディング行列を適用する機能とが含まれる。
[0032]
 本発明のこれら及び他の特徴並びに利点は、添付図面及び添付特許請求の範囲と共に本発明の実施形態に係る下記の詳細な説明を参照してより良く理解されよう。
[0033]
 本発明の好適な実施形態を、添付図面を参照してここで詳細に説明することにする。下記の説明では、本実施形態に取り込む既知の機能及び構成に関する詳細な説明は、明快さと簡潔さに配慮し省略してある。
[0034]
 図1は、一つの送信機と一つの受信機とを備えるMIMOシステムの構成例を示すブロック図である。この図1の構成例において、交差偏波型の複数アンテナを用いたMIMOシステムを説明する。このMIMOシステムは、データ送信用に複数の送信アンテナ及び受信アンテナを用いるものである。送信機側及び受信機側の複数アンテナは、交差偏波型の構成を用いている。送信機は複数入力を表し、受信機は複数出力を表す。データストリームは、交差偏波型送信アンテナから無線のMIMOチャネルを介して交差偏波型受信アンテナへ送信される。
[0035]
 図1に示すように、送信機150側では、送信するデータ系列を入力ビット系列として入力し、この入力ビット系列をチャネルエンコーディング部102において符号化し、続いてシンボルマッピング部104において変調して被変調シンボルを得る。そして、被変調シンボルに対し空間多重/送信ダイバーシチ部106において空間多重及び送信ダイバーシチ処理を施し、複数の空間ストリームを生成する。その後、プリコーディング部108において複数の空間ストリームにプリコーディングを適用し、続いてアンテナマッピング部109においてプリコーディング済み空間ストリームS ~S を複数の送信アンテナへマッピングし、それぞれアンテナ110a~110d(Ant1~4)から送信する。
[0036]
 送信機150から送信された空間ストリームは、対応するMIMOチャネルを介して伝送され、受信機160において受信アンテナ112a~112d(Ant1~4)により空間ストリームr ~r として受信される。受信機160側では、チャネル推定/プリコーディング選択部114において、参照信号を用いてMIMOチャネルのチャネル応答行列を推定し、推定されたチャネル応答行列に基づき、プリコーディング行列を選択し、続いて選択されたプリコーディング行列Vを指示するプリコーディング情報PMIを送信機150へフィードバックする。そして、MIMO検出部116においてチャネル応答行列を用いてMIMO分離処理を施し、送信アンテナからの複数のデータストリームを検出して分離する。その後、空間多重/送信ダイバーシチ部106とは逆の処理を行うデマルチプレキシング部118にて、分離検出したストリームを一つのシンボル系列に並び替え、シンボルマッピング部104とは逆の処理を行うデマッピング部120にてシンボル単位の復調処理を施す。続いて、チャネルエンコーディング部102とは逆の処理を行うデコーディング部122にて誤り訂正復号処理を施し、送信機150から送信されたデータ系列を再生して出力ビット系列として出力する。
[0037]
 受信機の受信アンテナと送信機の送信アンテナとにより形成されるMIMOチャネルは、送信機のアンテナ数Mと受信機のアンテナ数Nにより定まるN行M列(N×M)のチャネル応答行列Hにより特徴付けられる。
[0038]
 チャネル応答行列Hは、特異値分解を用いて分解して対応する射影行列、すなわち右特異行列を得ることができる。チャネル応答行列Hの特異値分解は、下記の式(1)で表される。
[0039]
[数1]


[0040]
 ここで、UはHの左固有ベクトルからなるN行N列(N×N)のユニタリ行列であり、ΛはHの特異値からなるN行M列(N×M)の対角行列であり、VはHの右固有ベクトルからなるM行M列(M×M)のユニタリ行列であり、上付きHは共役転置行列を表す。ユニタリ行列Xは特性式X HX=Iにより特徴付けられ、ここでIは単位行列である。ユニタリ行列の列は、互いに直交している。
[0041]
 送信機は、プリコーディング行列としてチャネル応答行列Hの右固有値ベクトルVを用いて通信データに空間的処理を施す。実際のチャネル応答行列H^は、受信機において送信機が送信する参照信号に基づき推定することができる。このため、プリコーディング行列V^を上記式(1)に基づいて導出し、定量化することができる。ここで、^を付していないH、V等の行列は理論値を示し、^を付したH^、V^(正しくは^は以下の式に示すようにH等の文字の上に付く)等の行列は参照信号により推定されたチャネル応答行列やコードブックなどを用いて決定した実際に適用される行列を示す。以下も同様である。受信機は、選択されたプリコーディング行列V^を送信機にフィードバックし、送信に用いるべきプリコーディング行列を通知する。これにより、送信機は、そのMIMOチャネルの主固有モードにてデータを送信することができる。本実施形態では、プリコーディング行列の選択においてコードブックに基づく方法を用いるものとする。コードブックに基づくプリコーディング方法では、プリコーディング行列は一つの所定のコードブックC={C ,C ,…,C }から選択される。ここでコードブックCはL個のユニタリ行列を含む。
[0042]
 背景技術でも述べたように、交差偏波型MIMOシステムのプリコーディング向けには、ブロック対角行列を用いるコードブックが考えられる。すなわち、交差偏波型送信アンテナを持つ送信機と交差偏波型受信アンテナを持つ受信機との間のデータ送信では、L個のブロック対角行列を持つコードブックCが、送信機側でのプリコーディングに用いられる。
[0043]
 しかしながら、この種のコードブックには、MIMOチャネルに関して理想的なXPDの前提が適用され、その場合にチャネル行列はブロック対角行列により近似することができる。一般に、理想的なXPDが常に期待できるとは限らず、そのときは垂直偏波と水平偏波との間の直交性が維持できない。このため、この種のコードブックを用いたプリコーディング行列をチャネル行列の構造に整合させることはできない。その結果、理想的なXPDの条件を満足しない場合、プリコーディング性能が劣化することになる。
[0044]
 交差偏波型MIMO構造においては、垂直偏波と水平偏波との間の相互干渉は不完全なXPDの場合に性能劣化を招く極めて重要な課題となる。XPDの値を示すαは、0≦α≦1の範囲の値をとるもので、理想的なXPDの場合はα≒0となる。交差偏波型アンテナを用いる場合のチャネル応答行列Hは、以下の式(2)で近似することができる。
[0045]
[数2]


[0046]
 ここで、R はM 行M 列(M ×M )の送信側の共分散行列であり、R はM 行M 列(M ×M )の受信側の共分散行列であり、送信機側と受信機側のそれぞれにおける偏波間の相関係数を示すものである。H は複素ガウス行列で、偏波間に相関が無く独立している場合のフェージング成分を示している。Θはアダマール積を示している。また、XはXPDに基づく行列であり、4行2列(4×2)、4行4列(4×4)の場合は下記の式(3)に示すようになる。
[0047]
[数3]


[0048]
 したがって、チャネル応答行列Hを下記の式(4)で表した場合、不完全なXPDの場合には偏波間の干渉の存在によって右上と左下の成分h VH,h HVが0にならないので、ブロック対角行列によるプリコーディング行列を用いてプリコーディングを実行すると、上記0でない成分が活用されず、パフォーマンスが減退する。
[0049]
[数4]


[0050]
 本実施形態は、交差偏波型MIMOシステムにおける偏波間の干渉を低減するため、交差偏波専用プリコーディングを適用して異なる偏波型間の有効チャネルをできる限り直交化させることを提案するものである。本実施形態では、通信システムにおける通信チャネルの性能を向上させるシステム並びに方法を提供し、それによって例えば交差偏波型MIMOシステムの送信性能を改善する。すなわち、本実施形態では、セルラー無線通信網における上り回線及び下り回線の通信の周波数利用効率を増大させるために、MIMO技術を用い、さらに高次のMIMOやアンテナ設置上の空間的制約に対して有効な交差偏波型アンテナ構造を用いるMIMO送信向けに、プリコーディング法を提供する。この際、MIMOチャネルのチャネル応答行列を用いることで、交差偏波型MIMOシステム専用のプリコーディング行列として、受信機において偏波ごとに適切なプリコーディング行列を選択する。これにより、水平偏波と垂直偏波の間の干渉を最小化してチャネルの貧弱なXPD特性を補償し、プリコーディング行列とチャネル行列との間の不正確な整合を解消する。また、本実施形態では、偏波ごとに分離したサブブロックにてプリコーディングを行うサブブロックプリコーディング制御を用いて、プリコーディング行列の次元の大きさを低減することによって、シグナリングオーバーヘッドに対する影響を最小化する。
[0051]
 (第1の実施形態)
 図2は、本発明の第1の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第1例を示すブロック図である。第1の実施形態は、送信機及び受信機がそれぞれ複数(ここでは4本)の交差偏波型アンテナを有し、複数のデータストリームX ~X を伝送する場合の構成例を示したものである。ここでは、例えば、送信機をBS、受信機をUEとし、これら一つの送信機と一つの受信機との間でMIMOによる下り回線の通信を行う無線通信システムを例示する。なお、アンテナの数は4本に限るものではなく、複数のアンテナを適宜設定可能である。
[0052]
 第1の実施形態の交差偏波型MIMOシステムは、BSによる送信機250と、UEによる受信機260とを有しており、MIMO通信によって、送信機250からMIMOチャネルを介して空間多重したデータストリームを受信機260に対して送信する。送信機250は、交差偏波型の構成を持つ4本の送信アンテナ210a(Ant1)、210b(Ant2)、210c(Ant3)、210d(Ant4)を有し、受信機260は、交差偏波型の構成を持つ4本の受信アンテナ212a(Ant1)、212b(Ant2)、212c(Ant3)、212d(Ant4)を有する。
[0053]
 本実施形態の構成において、受信機の受信アンテナと送信機の送信アンテナとが形成するMIMOチャネルは、4行4列(4×4)のチャネル応答行列Hにより特徴付けられる。
[0054]
 チャネル応答行列H^は、送信機が送信する参照信号に基づき受信機において推定される。このチャネル応答行列H^は、下記の式(5)のように表され、垂直偏波と水平偏波の偏波ごとに分解される。
[0055]
[数5]


[0056]
 ここで、H^ は垂直偏波の送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネルに対応するチャネル応答行列を表し、H^ は水平偏波の送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネルに対応するチャネル応答行列を表す。チャネル応答行列H^ とH^ の特異値分解は、下記の式(6)で表される。
[0057]
[数6]


[0058]
 ここで、U^ はH^ の左固有ベクトルからなる4行4列(4×4)のユニタリ行列であり、Λ^ はH^ の特異値からなる4行2列(4×2)の対角行列であり、V^ はH^ の右固有ベクトルからなる2行2列(2×2)のユニタリ行列である。また、U^ はH^ の左固有ベクトルからなる4行4列(4×4)のユニタリ行列であり、Λ^ はH^ の特異値からなる4行2列(4×2)の対角行列であり、V^ はH^ の右固有ベクトルからなる2行2列(2×2)のユニタリ行列である。
[0059]
 本発明の一実施形態によれば、各偏波に対しユニタリ行列によるプリコーディングを適用し、そのプリコーディングしたチャネル応答行列をもう一方のチャネル応答行列に対し直交化(あるいはできる限り直交化)させる。すなわち、ユニタリ行列のプリコーディング行列Pを一方の偏波、例えば水平偏波に対して選択し、図2に示すようにデータシンボルを空間的に処理する。この際、プリコーディング部Pにおいてプリコーディング行列Pを用いたプリコーディングを行う。垂直偏波と水平偏波との間の直交性Φは、下記の式(7)で表されるプリコーディング行列同士の内積の対角和(トレース)を求める公式により評価することができる。
[0060]
[数7]


[0061]
 そこで、異なる偏波間の干渉を最小化するために、最適のプリコーディング行列Pを下記の式(8)のようにΦが所定値以下となるような最小値を求めて算出する。
[0062]
[数8]


[0063]
 上記のチャネル最適化方法では、最適プリコーディング行列Pを定量化して送信機へ返信する必要があり、重要なフィードバック帯域の使用に帰結する。フィードバックのオーバーヘッドを低減すべく、本実施形態ではプリコーディング行列Pの選択においてコードブックに基づく方法を用いる。
[0064]
 コードブックに基づく方法では、プリコーディング行列は予め設定した行列群を持つ所定のコードブックから選択する。例えば、プリコーディング行列Pは偏波間の干渉を最小化すべくコードブックC={C ,C ,…,C }から選択し得る。ここで、コードブックCはL個の2行2列(2×2)のユニタリ行列を含む。なお、コードブックCで選択されるユニタリ行列の個数Lは任意であり、例えば信号処理におけるDFTの個数を用いればよい。
[0065]
 偏波間の干渉を最小化するための最良のプリコーディング行列P=C は、下記の式(9)のようにΦが最小となるものから選択する。
[0066]
[数9]


[0067]
 なお、異なる性能及び複雑さの要件を用いることで、コードブックに異なる内容を持たせることができる。一例として、L個のDFTに基づくユニタリ行列はコードブックC内に下記の式(10)のように構成できる。
[0068]
[数10]


[0069]
 また、同じコードブックを、各偏波に対してプリコーディングを行うプリコーディング部Vにおけるプリコーディング行列V ,V の選択に用いることができる。ここでは実施を容易にするため、異なる偏波に対するチャネル応答は同一であると仮定し、各偏波のプリコーディング用のプリコーディング行列V ,V に同一行列を用い得るものとする。
[0070]
 本実施形態で提案するプリコーディング方法を用いることで、受信機は、選択されたプリコーディング行列またはコードブックのインデックスを送信機へフィードバックし、異なるアンテナ群による異なる偏波の送信に用いるべきプリコーディング行列を通知する必要がある。
[0071]
 本発明は交差偏波型MIMOシステムにおけるプリコーディング制御に対し効果的な方法を提供するものである。前記した本実施形態によれば、プリコーディング行列Pは垂直偏波と水平偏波との間の干渉を最小化するよう選択され、MIMOチャネルにおける貧弱なXPD特性を補償する。同時に、本実施形態では、交差偏波型MIMOシステムに用いるコードブックは、単一偏波型MIMOシステムに対して用いるコードブックに比べ低減された次数を持つ行列を有しており、例えば8本の送信アンテナを用いるシステムに対し4行4列(4×4)のコードブックを用いることができる。これにより、プリコーディング制御のために妥当なシグナリングオーバーヘッドを維持することができる。
[0072]
 図2に示すように、送信機250は、チャネルエンコーディング部202、シンボルマッピング部204、空間多重部206、プリコーディング処理部208、アンテナマッピング部209、交差偏波型の4本の送信アンテナ210a~210dを備える。プリコーディング処理部208は、プリコーディング行列Vを適用する第1のプリコーディング部208aと、プリコーディング行列Pを適用する第2のプリコーディング部208bとを有している。この送信機250において、アンテナマッピング部209、図示しないRF部、送信アンテナ210a~210dなどによって送信部の機能を実現する。
[0073]
 送信機250では、送信するデータ系列を入力ビット系列として入力し、この入力ビット系列に対してチャネルエンコーディング部202にて誤り訂正符号化処理を施して符号化し、続いてシンボルマッピング部204にてQPSKや16QAMなどの所定の変調方式によって変調して被変調シンボルを得る。そして、被変調シンボルに対し空間多重部206にて空間多重処理を施して複数の空間ストリームX ~X を生成する。その後、プリコーディング処理部208において複数の空間ストリームX ~X のうちの半数ずつに対しプリコーディング処理を並列に実行する。ここで、まず全ての空間ストリームX ~X に対して第1のプリコーディング部208aにてプリコーディング行列Vを作用させてプリコーディングを行う。続いて、このプリコーディング後のデータストリームZ ~Z のうち、一方のデータストリームZ ,Z に対して第2のプリコーディング部208bにて追加のプリコーディング行列Pを作用させてプリコーディングを行い、プリコーディング済み空間ストリームS ,S ,S ,S を得る。そして、アンテナマッピング部209においてプリコーディング済み空間ストリームS ~S を複数の送信アンテナへマッピングし、偏波の異なるアンテナ210a~210d(Ant1~4)からそれぞれ送信する。図示例では、アンテナ210a(Ant1),210b(Ant2)が垂直偏波型アンテナであり、アンテナ210c(Ant3),210d(Ant4)が水平偏波型アンテナであり、水平偏波型の送信アンテナより送信する空間ストリームS ,S の方に追加のプリコーディング行列Pを用いたプリコーディングを施し、偏波間の直交性を得るようにしている。
[0074]
 送信機250から送信された空間ストリームは、対応するMIMOチャネルを通過し、受信機260において受信アンテナ212a~212dにより受信される。受信機260は、交差偏波型の4本の受信アンテナ212a~212d、チャネル推定/プリコーディング選択部214、MIMO検出部216、デマルチプレキシング部218、デマッピング部220、デコーディング部222を備える。この受信機260において、受信アンテナ212a~212d、図示しないRF部などによって受信部の機能を実現する。また、MIMO検出部216が信号分離部の機能を実現する。また、デマルチプレキシング部218、デマッピング部220、デコーディング部222等によって復号部の機能を実現する。また、チャネル推定/プリコーディング選択部214は、チャネル推定部、プリコーディング選択部、制御情報通知部の機能を有している。
[0075]
 受信機260では、受信アンテナ212a~212dにて受信した信号のうちの参照信号を用いて、チャネル推定/プリコーディング選択部214にて伝搬路推定を行って送信機250との間のMIMOチャネルのチャネル応答行列を推定する。そして、伝搬路推定結果をチャネル行列としてMIMO検出部216に出力する。また、チャネル推定/プリコーディング選択部214において、上記式(5)~(10)で示したように、推定したチャネル応答行列を分解し、本実施形態のプリコーディング方法に基づいてプリコーディング行列V,Pを選択する。続いて、チャネル推定/プリコーディング選択部214より選択したプリコーディング行列V,Pのインデックスとしてプリコーディング情報PMIを出力し、送信機250にフィードバックする。
[0076]
 そして、MIMO検出部216において、受信アンテナにて受信した信号のうちのデータ信号r ,r ,r ,r に対し、チャネル行列を用いてMIMO分離処理を施し、送信機からのデータストリームを検出して分離し、分離後のストリームX^ ~X^ を得る。その後、空間多重部206の逆の処理を行うデマルチプレキシング部218にて、分離検出したストリームをそれぞれ一つのシンボル系列に並び替え、シンボルマッピング部204の逆の処理を行うデマッピング部220にてシンボル単位の復調処理を施す。続いて、チャネルエンコーディング部202の逆の処理を行うデコーディング部222にて誤り訂正復号処理を施し、送信機250から送信されたデータ系列を再生して出力ビット系列として出力する。
[0077]
 図3は、本実施形態における動作手順を示すフローチャートであり、交差偏波型MIMOシステムのMIMOチャネルにおいてMIMO送信を実行する方法を例示したものである。まず、ステップ302において、受信機は、送信機から送信される参照信号RSを用いて、送信機の複数アンテナと受信機の複数アンテナとの間のチャネル応答行列を推定する。次に、ステップ304において、受信機は、各偏波ごとにチャネル応答行列を得るために、チャネル応答行列を偏波の異なる送信アンテナからのチャネル応答を表す部分に分解する。ここでは、垂直偏波と水平偏波の各偏波ごとに分離するよう二つの部分に分解する。
[0078]
 次に、ステップ306において、受信機は送信機側の異なる偏波からのデータ送信に対してそれぞれプリコーディング行列を算出するかあるいはコードブックから選択する。ここでは、垂直偏波と水平偏波に対応して二つのプリコーディング行列を選択する。また、ステップ308において、受信機は異なる偏波用のプリコーディング済みチャネル応答行列を直交またはできる限り直交させるように、送信機側の一方の偏波からのデータ送信に対して射影行列による追加のプリコーディング行列を算出するかあるいはコードブックから選択する。そして、ステップ310において、受信機は選択されたプリコーディング行列を指示するプリコーディング情報を送信機へフィードバックする。
[0079]
 次に、ステップ312において、送信機は、プリコーディング行列と送信レートに関する情報を含む対応する下り回線割り当てのシグナリングに基づき、データストリームを生成して送信する。最後に、ステップ314において、受信機は送信機から送信されたデータストリームを受信し、MIMO検出を行って再生データストリームを取得する。
[0080]
 上述したように、本実施形態では、異なる偏波ごとに適切なプリコーディング行列を選択し、送信機側における一方の偏波に合わせたより厳密なプリコーディングを適用する。そのために、受信機においてチャネル応答行列を用いて適切なプリコーディング行列を選択し、水平偏波と垂直偏波の間の干渉を最小化してチャネルの貧弱なXPD特性を補償する。この際、チャネル応答行列を偏波ごとに分割し、偏波間のチャネル応答行列が直交またはできる限り直交するように、一方の偏波に対して追加のプリコーディング行列を適用する。これにより、交差偏波型MIMOシステムにおいて、理想的なXPDが得られない場合であっても、異なる偏波間の干渉を軽減でき、干渉による損失を削減し、伝送性能を向上できる。
[0081]
 図2に示した第1の実施形態は、4行4列の交差偏波型MIMOシステム内の複数ストリーム送信を考慮した一般的な実施形態を示すものである。本発明は、以下の図4~図7に示す第2~第5の実施形態のように、異なるランクの送信事例に適用することができる。ここで、ランクとは多重化して送信するデータストリームの数に相当する。
[0082]
 (第2の実施形態)
 図4は、本発明の第2の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第2例を示すブロック図である。第2の実施形態は、4行4列の交差偏波型MIMOシステムにおけるランク1送信(送信ストリーム数=1)を考慮した構成例である。送信機450は、交差偏波型の構成を持つ4本の送信アンテナ410a~410d(Ant1~4)を有し、受信機460は、交差偏波型の構成を持つ4本の受信アンテナ412a~412d(Ant1~4)を有する。MIMO通信によって、送信機450からMIMOチャネルを介して空間多重したデータストリームを受信機460に対して送信する。
[0083]
 送信機450は、チャネルエンコーディング部402、シンボルマッピング部404、送信ダイバーシチ部406、プリコーディング処理部408、アンテナマッピング部409を備える。プリコーディング処理部408は、プリコーディング行列V を適用する第1のプリコーディング部408aと、プリコーディング行列V を適用する第2のプリコーディング部408bと、プリコーディング行列Pを適用する第3のプリコーディング部408cとを有している。
[0084]
 送信機450では、入力ビット系列に対してチャネルエンコーディング部402にて符号化し、続いてシンボルマッピング部404にて変調して被変調シンボルを得る。そして、被変調シンボルに対し送信ダイバーシチ部406にて送信ダイバーシチ処理を施して二つの空間ストリームX ,X ′を生成する。この場合はランク1であるため、一つのストリームX から送信ダイバーシチ用の空間ストリームX ,X ′を生成する。その後、プリコーディング処理部408において二つの空間ストリームX ,X ′に対してそれぞれプリコーディング処理を実行する。ここで、まず空間ストリームX に対して第1のプリコーディング部408aにてプリコーディング行列V を作用させ、空間ストリームX ′に対して第2のプリコーディング部408bにてプリコーディング行列V を作用させて、それぞれプリコーディングを行う。続いて、プリコーディング後の一方の空間ストリームX ′に対して、第3のプリコーディング部408cにて追加のプリコーディング行列Pを作用させてプリコーディングを行い、プリコーディング済み空間ストリームS ,S ,S ,S を得る。そして、アンテナマッピング部409においてプリコーディング済み空間ストリームS ~S を複数の送信アンテナへマッピングし、垂直偏波型の送信アンテナ410a,410bと、水平偏波型の送信アンテナ410c,410dとからそれぞれ送信する。この場合、水平偏波型の送信アンテナより送信する空間ストリームS ,S (X ′)の方に追加のプリコーディング行列Pを用いたプリコーディングを施し、偏波間の直交性を得るようにしている。
[0085]
 送信機450から送信された空間ストリームは、対応するMIMOチャネルを通過し、受信機460において受信アンテナ412a~412dにより受信される。受信機460は、チャネル推定/プリコーディング選択部414、MIMO検出部416、デマルチプレキシング部418、デマッピング部420、デコーディング部422を備える。
[0086]
 受信機460では、受信した信号のうちの参照信号を用いて、チャネル推定/プリコーディング選択部414にて伝搬路推定を行ってMIMOチャネルのチャネル応答行列を推定する。そして、伝搬路推定結果をチャネル行列としてMIMO検出部416に出力する。また、チャネル推定/プリコーディング選択部414において、上記式(5)~(9)で示したように、推定したチャネル応答行列を分解し、本実施形態のプリコーディング方法に基づいてプリコーディング行列V ,V ,Pを選択する。続いて、チャネル推定/プリコーディング選択部414より選択したプリコーディング行列V ,V ,Pのインデックスとしてプリコーディング情報PMIを出力し、送信機450にフィードバックする。
[0087]
 プリコーディング行列Pのフィードバックに用いるコードブックは、上記式(10)に示したコードブックCとして行列を選択し得る。また、プリコーディング行列V ,V のフィードバックに用いるコードブックは、下記の式(11)に示したコードブックΦとして行列を選択し得る。
[0088]
[数11]


[0089]
 すなわち、式(11)のコードブックΦは、式(10)のコードブックCにおける行列の第1列から抽出されるベクトルを含む。これらのコードブックを用いることで、偏波間の直交性を保つようなプリコーディング行列V ,V ,Pが選択され、選択されたプリコーディング行列のインデックスが送信機450へフィードバックされる。
[0090]
 そして、MIMO検出部416において、受信アンテナにて受信した信号のうちのデータ信号r ,r ,r ,r に対し、チャネル行列を用いてMIMO分離処理を施し、送信機からのデータストリームを検出して分離し、分離後のストリームX^ ~X^ を得る。その後、デマルチプレキシング部418にて分離検出したストリームをそれぞれ一つのシンボル系列に並び替え、デマッピング部420にてシンボル単位の復調処理を施す。続いて、デコーディング部422にて誤り訂正復号処理を施し、送信機450から送信されたデータ系列を再生して出力ビット系列として出力する。
[0091]
 (第3の実施形態)
 図5は、本発明の第3の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第3例を示すブロック図である。第3の実施形態は、4行4列の交差偏波型MIMOシステムにおけるランク2送信(送信ストリーム数=2)を考慮した構成例である。送信機550は、交差偏波型の構成を持つ4本の送信アンテナ510a~510d(Ant1~4)を有し、受信機560は、交差偏波型の構成を持つ4本の受信アンテナ512a~512d(Ant1~4)を有する。MIMO通信によって、送信機550からMIMOチャネルを介して空間多重したデータストリームを受信機560に対して送信する。
[0092]
 送信機550は、チャネルエンコーディング部502、シンボルマッピング部504、空間多重部506、プリコーディング処理部508、アンテナマッピング部509を備える。プリコーディング処理部508は、プリコーディング行列V を適用する第1のプリコーディング部508aと、プリコーディング行列V を適用する第2のプリコーディング部508bと、プリコーディング行列Pを適用する第3のプリコーディング部508cとを有している。
[0093]
 送信機550では、入力ビット系列に対してチャネルエンコーディング部502にて符号化し、続いてシンボルマッピング部504にて変調して被変調シンボルを得る。そして、被変調シンボルに対し空間多重部506にて空間多重化処理を施して二つの空間ストリームX ,X を生成する。その後、プリコーディング処理部508において二つの空間ストリームX ,X に対してそれぞれプリコーディング処理を実行する。ここで、まず空間ストリームX に対して第1のプリコーディング部508aにてプリコーディング行列V を作用させ、空間ストリームX に対して第2のプリコーディング部508bにてプリコーディング行列V を作用させて、それぞれプリコーディングを行う。続いて、プリコーディング後の一方の空間ストリームX に対して、第3のプリコーディング部508cにて追加のプリコーディング行列Pを作用させてプリコーディングを行い、プリコーディング済み空間ストリームS ,S ,S ,S を得る。そして、アンテナマッピング部509においてプリコーディング済み空間ストリームS ~S を複数の送信アンテナへマッピングし、垂直偏波型の送信アンテナ510a,510bと、水平偏波型の送信アンテナ510c,510dとからそれぞれ送信する。この場合、水平偏波型の送信アンテナより送信する空間ストリームS ,S (X )の方に追加のプリコーディング行列Pを用いたプリコーディングを施し、偏波間の直交性を得るようにしている。
[0094]
 送信機550から送信された空間ストリームは、対応するMIMOチャネルを通過し、受信機560において受信アンテナ512a~512dにより受信される。受信機560は、チャネル推定/プリコーディング選択部514、MIMO検出部516、デマルチプレキシング部518、デマッピング部520、デコーディング部522を備える。
[0095]
 受信機560では、チャネル推定/プリコーディング選択部514にて参照信号を用いて伝搬路推定を行ってMIMOチャネルのチャネル応答行列を推定する。そして、チャネル推定/プリコーディング選択部514において、上記式(5)~(9)で示したように、推定したチャネル応答行列を分解し、本実施形態のプリコーディング方法に基づいてプリコーディング行列V ,V ,Pを選択する。この際、プリコーディング行列Pのフィードバックに用いるコードブックは、上記式(10)に示したコードブックCとして行列を選択し得る。また、プリコーディング行列V ,V のフィードバックに用いるコードブックは、上記の式(11)に示したコードブックΦとして行列を選択し得る。これらのコードブックを用いることで、偏波間の直交性を保つようなプリコーディング行列V ,V ,Pが選択される。そして、チャネル推定/プリコーディング選択部514より選択されたプリコーディング行列のインデックスとしてプリコーディング情報PMIを出力し、送信機550にフィードバックする。
[0096]
 そして、MIMO検出部516において、受信したデータ信号r ,r ,r ,r に対し、チャネル行列を用いてMIMO分離処理を施し、送信機からのデータストリームを検出して分離し、分離後のストリームX^ ~X^ を得る。その後、デマルチプレキシング部518にて分離検出したストリームをそれぞれ一つのシンボル系列に並び替え、デマッピング部520にてシンボル単位の復調処理を施す。続いて、デコーディング部522にて誤り訂正復号処理を施し、送信機550から送信されたデータ系列を再生して出力ビット系列として出力する。
[0097]
 (第4の実施形態)
 図6は、本発明の第4の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第4例を示すブロック図である。第4の実施形態は、4行4列の交差偏波型MIMOシステムにおけるランク3送信(送信ストリーム数=3)を考慮した構成例である。送信機650は、交差偏波型の構成を持つ4本の送信アンテナ610a~610d(Ant1~4)を有し、受信機660は、交差偏波型の構成を持つ4本の受信アンテナ612a~612d(Ant1~4)を有する。MIMO通信によって、送信機650からMIMOチャネルを介して空間多重したデータストリームを受信機660に対して送信する。
[0098]
 送信機650は、チャネルエンコーディング部602、シンボルマッピング部604、空間多重部606、プリコーディング処理部608、アンテナマッピング部609を備える。プリコーディング処理部608は、プリコーディング行列V を適用する第1のプリコーディング部608aと、プリコーディング行列V を適用する第2のプリコーディング部608bと、プリコーディング行列Pを適用する第3のプリコーディング部608cとを有している。
[0099]
 送信機650では、入力ビット系列に対してチャネルエンコーディング部602にて符号化し、続いてシンボルマッピング部604にて変調して被変調シンボルを得る。そして、被変調シンボルに対し空間多重部606にて空間多重化処理を施して三つの空間ストリームX ,X ,X を生成する。その後、プリコーディング処理部608において三つの空間ストリームを二分割した二群の空間ストリームに対してそれぞれプリコーディング処理を実行する。ここで、空間ストリームX に対しては第1のプリコーディング部608aにてプリコーディング行列V を作用させ、プリコーディングを行う。空間ストリームX ,X に対しては、第2のプリコーディング部608bにてプリコーディング行列V を作用させ、続いて第3のプリコーディング部608cにて追加のプリコーディング行列Pを作用させてプリコーディングを行う。これにより、プリコーディング済み空間ストリームS ,S ,S ,S を得る。そして、アンテナマッピング部609においてプリコーディング済み空間ストリームS ~S を複数の送信アンテナへマッピングし、垂直偏波型の送信アンテナ610a,610bと、水平偏波型の送信アンテナ610c,610dとからそれぞれ送信する。この場合、水平偏波型の送信アンテナより送信する空間ストリームS ,S (X ,X )の方に追加のプリコーディング行列Pを用いたプリコーディングを施し、偏波間の直交性を得るようにしている。
[0100]
 送信機650から送信された空間ストリームは、対応するMIMOチャネルを通過し、受信機660において受信アンテナ612a~612dにより受信される。受信機660は、チャネル推定/プリコーディング選択部614、MIMO検出部616、デマルチプレキシング部618、デマッピング部620、デコーディング部622を備える。
[0101]
 受信機660では、チャネル推定/プリコーディング選択部614にて参照信号を用いて伝搬路推定を行ってMIMOチャネルのチャネル応答行列を推定する。そして、チャネル推定/プリコーディング選択部614において、上記式(5)~(9)で示したように、推定したチャネル応答行列を分解し、本実施形態のプリコーディング方法に基づいてプリコーディング行列V ,V ,Pを選択する。この際、プリコーディング行列V のフィードバックに用いるコードブックは、上記の式(11)に示したコードブックΦとして行列を選択し得る。また、プリコーディング行列V ,Pのフィードバックに用いるコードブックは、上記式(10)に示したコードブックCとして行列を選択し得る。これらのコードブックを用いることで、偏波間の直交性を保つようなプリコーディング行列V ,V ,Pが選択される。そして、チャネル推定/プリコーディング選択部614より選択されたプリコーディング行列のインデックスとしてプリコーディング情報PMIを出力し、送信機650にフィードバックする。
[0102]
 そして、MIMO検出部616において、受信したデータ信号r ,r ,r ,r に対し、チャネル行列を用いてMIMO分離処理を施し、送信機からのデータストリームを検出して分離し、分離後のストリームX^ ~X^ を得る。その後、デマルチプレキシング部618にて分離検出したストリームをそれぞれ一つのシンボル系列に並び替え、デマッピング部620にてシンボル単位の復調処理を施す。続いて、デコーディング部622にて誤り訂正復号処理を施し、送信機650から送信されたデータ系列を再生して出力ビット系列として出力する。
[0103]
 送信ストリーム数の動的制御に際し、LTEでは、3GPPのTS(Technical Specification) 36.211 V8.4.0において、図9に示すTable6.3.3.2-1:Codeword-to-layer mapping for spatial multiplexing(空間多重におけるコードワード-レイヤマッピング)にあるように、下位のストリームを優先的に束ねて単一データの割り当てを行う処理がなされる。より具体的には、送信ストリーム数が3(ランク3、Number of layers=3)のときにd (0)はx (0)のストリームのみに割り当て、一方のd (1)はx (1)とx (2)の2ストリームを束ねて用いるようデータの割り当てを行う。この制御により、例えば送信側でプリコーディング制御によりx (0)からx (2)の順に品質が劣化していくような状況を作り出した上で品質の悪い2つのストリームを束ねて用いることで、該当リソースのエネルギーを掻き集めることによるダイバーシチ効果を狙うことができる。
[0104]
 本実施形態のランク3の送信においては、上記のような送信ストリーム割り当ての制御を適用し、品質が高い上位の1つのストリームX と品質が低い下位の2つのストリームX 、X とに分けて処理を行い、できる限り伝送効率を高めるようにしている。この際、第1のストリームX を一方の偏波に割り当て、第2及び第3のストリームX 、X には追加のプリコーディングを適用して他方の偏波に割り当てて、偏波間の直交性を保持することで送信性能を改善し、より高い伝送効率を実現する。
[0105]
 (第5の実施形態)
 図7は、本発明の第5の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第5例を示すブロック図である。第5の実施形態は、4行4列の交差偏波型MIMOシステムにおけるフルランク送信(ランク4、送信ストリーム数=4)を考慮した構成例である。送信機750は、交差偏波型の構成を持つ4本の送信アンテナ710a~710d(Ant1~4)を有し、受信機760は、交差偏波型の構成を持つ4本の受信アンテナ712a~712d(Ant1~4)を有する。MIMO通信によって、送信機750からMIMOチャネルを介して空間多重したデータストリームを受信機760に対して送信する。
[0106]
 送信機750は、チャネルエンコーディング部702、シンボルマッピング部704、空間多重部706、プリコーディング処理部708、アンテナマッピング部709を備える。プリコーディング処理部708は、プリコーディング行列V を適用する第1のプリコーディング部708aと、プリコーディング行列V を適用する第2のプリコーディング部708bと、プリコーディング行列Pを適用する第3のプリコーディング部708cとを有している。
[0107]
 送信機750では、入力ビット系列に対してチャネルエンコーディング部702にて符号化し、続いてシンボルマッピング部704にて変調して被変調シンボルを得る。そして、被変調シンボルに対し空間多重部706にて空間多重化処理を施して四つの空間ストリームX ,X ,X ,X を生成する。その後、プリコーディング処理部708において四つの空間ストリームを二分割した二群の空間ストリームに対してそれぞれプリコーディング処理を実行する。ここで、空間ストリームX ,X に対しては第1のプリコーディング部708aにてプリコーディング行列V を作用させ、プリコーディングを行う。空間ストリームX ,X に対しては、第2のプリコーディング部708bにてプリコーディング行列V を作用させ、続いて第3のプリコーディング部708cにて追加のプリコーディング行列Pを作用させてプリコーディングを行う。これにより、プリコーディング済み空間ストリームS ,S ,S ,S を得る。そして、アンテナマッピング部709においてプリコーディング済み空間ストリームS ~S を複数の送信アンテナへマッピングし、垂直偏波型の送信アンテナ710a,710bと、水平偏波型の送信アンテナ710c,710dとからそれぞれ送信する。この場合、水平偏波型の送信アンテナより送信する空間ストリームS ,S (X ,X )の方に追加のプリコーディング行列Pを用いたプリコーディングを施し、偏波間の直交性を得るようにしている。
[0108]
 送信機750から送信された空間ストリームは、対応するMIMOチャネルを通過し、受信機760において受信アンテナ712a~712dにより受信される。受信機760は、チャネル推定/プリコーディング選択部714、MIMO検出部716、デマルチプレキシング部718、デマッピング部720、デコーディング部722を備える。
[0109]
 受信機760では、チャネル推定/プリコーディング選択部714にて参照信号を用いて伝搬路推定を行ってMIMOチャネルのチャネル応答行列を推定する。そして、チャネル推定/プリコーディング選択部714において、上記式(5)~(9)で示したように、推定したチャネル応答行列を分解し、本実施形態のプリコーディング方法に基づいてプリコーディング行列V ,V ,Pを選択する。この際、プリコーディング行列V ,V ,Pのフィードバックに用いるコードブックは、上記式(10)に示したコードブックCとして行列を選択し得る。このコードブックを用いることで、偏波間の直交性を保つようなプリコーディング行列V ,V ,Pが選択される。そして、チャネル推定/プリコーディング選択部714より選択されたプリコーディング行列のインデックスとしてプリコーディング情報PMIを出力し、送信機750にフィードバックする。
[0110]
 そして、MIMO検出部716において、受信したデータ信号r ,r ,r ,r に対し、チャネル行列を用いてMIMO分離処理を施し、送信機からのデータストリームを検出して分離し、分離後のストリームX^ ~X^ を得る。その後、デマルチプレキシング部718にて分離検出したストリームをそれぞれ一つのシンボル系列に並び替え、デマッピング部720にてシンボル単位の復調処理を施す。続いて、デコーディング部722にて誤り訂正復号処理を施し、送信機750から送信されたデータ系列を再生して出力ビット系列として出力する。
[0111]
 上述した第2~第5の実施形態によれば、交差偏波型アンテナ構造を用いたMIMOシステムにおける各ランクの送信において、偏波間の干渉を軽減する効果的なプリコーディング制御を実行でき、伝送効率を改善したSU-MIMO(Single User MIMO)システムを構成できる。また、本実施形態では、偏波ごとに分離したサブブロックにてプリコーディング行列V ,V を適用した後、一方の偏波に対して追加のプリコーディング行列Pを適用するサブブロックプリコーディング制御を用いている。これにより、プリコーディング行列の次元の大きさを低減できるので、プリコーディング行列のコードブックの情報量及び選択候補数を小さくでき、プリコーディング行列の選択処理を簡単にできる等、プリコーディング制御にかかる処理を軽減できる。また、シグナリングオーバーヘッドに対する影響を最小化して妥当なシグナリング量を維持でき、プリコーディング制御のためのフィードバックのシグナリングを最低限に抑えることができる。
[0112]
 なお、プリコーディングにおいて偏波ごとにプリコーディング行列V ,V を適用する場合に、V ,V として同じ行列を用いるようにしてもよい。この場合、上記したサブブロックプリコーディングによるプリコーディング行列の次元を小さくする効果に加えて、同じ行列の値をとることでさらにフィードバックに必要な情報量を削減できる。
[0113]
 (第6の実施形態)
 上述した実施形態は、より多くのアンテナ、例えば交差偏波型構造を有する8本のアンテナを用いる事例に拡張することもできる。図8は、本発明の第6の実施形態として、セルラー無線通信網を用いた無線通信システムの構成の第6例を示すブロック図である。第6の実施形態は、8行8列の交差偏波型MIMOシステムにおけるフルランク送信(ランク8、送信ストリーム数=8)を考慮した構成例である。送信機850は、交差偏波型の構成を持つ8本の送信アンテナ810a~810h(Ant1~8)を有し、受信機860は、交差偏波型の構成を持つ8本の受信アンテナ812a~812h(Ant1~8)を有する。MIMO通信によって、送信機850からMIMOチャネルを介して空間多重したデータストリームを受信機860に対して送信する。
[0114]
 送信機850は、チャネルエンコーディング部802、シンボルマッピング部804、空間多重部806、プリコーディング処理部808、アンテナマッピング部809を備える。プリコーディング処理部808は、プリコーディング行列V を適用する第1のプリコーディング部808aと、プリコーディング行列V を適用する第2のプリコーディング部808bと、プリコーディング行列Pを適用する第3のプリコーディング部808cとを有している。
[0115]
 送信機850では、入力ビット系列に対してチャネルエンコーディング部802にて符号化し、続いてシンボルマッピング部804にて変調して被変調シンボルを得る。そして、被変調シンボルに対し空間多重部806にて空間多重化処理を施して複数(フルランクの場合8つ)の空間ストリームX ~X を生成する。その後、プリコーディング処理部808において複数の空間ストリームを二分割した二群の空間ストリームに対してそれぞれプリコーディング処理を実行する。ここで、空間ストリームX ,X ,X ,X に対しては第1のプリコーディング部808aにてプリコーディング行列V を作用させ、プリコーディングを行う。空間ストリームX ,X ,X ,X に対しては、第2のプリコーディング部808bにてプリコーディング行列V を作用させ、続いて第3のプリコーディング部808cにて追加のプリコーディング行列Pを作用させてプリコーディングを行う。これにより、プリコーディング済み空間ストリームS ~S を得る。そして、アンテナマッピング部809においてプリコーディング済み空間ストリームS ~S を複数の送信アンテナへマッピングし、偏波の異なる垂直偏波型の送信アンテナ810a~810dと、水平偏波型の送信アンテナ810e~810hとからそれぞれ送信する。この場合、水平偏波型の送信アンテナより送信する空間ストリームS ~S (X ~X )の方に追加のプリコーディング行列Pを用いたプリコーディングを施し、偏波間の直交性を得るようにしている。
[0116]
 送信機850から送信された空間ストリームは、対応するMIMOチャネルを通過し、受信機860において受信アンテナ812a~812hにより受信される。受信機860は、チャネル推定/プリコーディング選択部814、MIMO検出部816、デマルチプレキシング部818、デマッピング部820、デコーディング部822を備える。
[0117]
 受信機860では、チャネル推定/プリコーディング選択部814にて参照信号を用いて伝搬路推定を行ってMIMOチャネルのチャネル応答行列を推定する。そして、チャネル推定/プリコーディング選択部814において、上記式(5)~(9)で示したように、推定したチャネル応答行列を分解し、本実施形態のプリコーディング方法に基づいてプリコーディング行列V ,V ,Pを選択する。この際、プリコーディング行列V ,V ,Pのフィードバックに用いるコードブックは、下記の式(12)に示したコードブックCとして行列を選択し得る。
[0118]
[数12]


[0119]
 このコードブックを用いることで、偏波間の直交性を保つようなプリコーディング行列V ,V ,Pが選択される。そして、チャネル推定/プリコーディング選択部814より選択されたプリコーディング行列のインデックスとしてプリコーディング情報PMIを出力し、送信機850にフィードバックする。
[0120]
 そして、MIMO検出部816において、受信したデータ信号r ~r に対し、チャネル行列を用いてMIMO分離処理を施し、送信機からのデータストリームを検出して分離し、分離後のストリームX^ ~X^ を得る。その後、デマルチプレキシング部818にて分離検出したストリームをそれぞれ一つのシンボル系列に並び替え、デマッピング部820にてシンボル単位の復調処理を施す。続いて、デコーディング部822にて誤り訂正復号処理を施し、送信機850から送信されたデータ系列を再生して出力ビット系列として出力する。
[0121]
 本実施形態のように、8本の送信アンテナを用いる場合においても、偏波ごとに分離したサブブロックにてプリコーディング行列V ,V を適用することで、プリコーディング行列の次元を小さくし、プリコーディング制御にかかる処理を軽減できるとともに、フィードバックの情報量を削減することができる。また、多数の送信アンテナを有する構成に本実施形態のプリコーディングを適用することで、偏波あたりのビームフォーミングのゲインを向上することが可能であり、プリコーディング性能を改善できる。
[0122]
 上記第6の実施形態は、8行8列の交差偏波型MIMOシステムにおけるフルランク送信を考慮した一実施形態を示したものである。8本の送信アンテナを用いる事例での各ランクの適用は、図4~図7の第2~第5の実施形態に示した4本の送信アンテナを用いる事例の単純な拡張をもって実現することができる。
[0123]
 上述したように、本実施形態によれば、交差偏波型MIMOシステムにおいて異なる偏波の一方に射影行列のプリコーディング行列を適用することで、異なる偏波間のチャネル応答行列の直交性を維持でき、偏波間の干渉を低減することができる。これにより、プリコーディングを適用したMIMOシステムの性能において、ロバスト性を持たせることができる。また、サブブロックプリコーディングを用い、一方の偏波にだけ追加の簡単な射影行列のプリコーディング行列を適用することによって、制御情報をフィードバックするためのシグナリングのオーバーヘッドに対する影響を最小化できる。
[0124]
 なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
[0125]
 交差偏波型MIMOシステムを構成するアンテナの数、送信するストリーム数などは、上記実施形態の構成に限らず、2以上の数を適宜設定して本発明を同様に適用することが可能である。また、上記実施形態ではセルラー無線通信網の下り回線に適用した例を示したが、セルラー無線通信網の上り回線等、他の無線通信回線においても同様に適用可能である。
[0126]
 なお、上記実施形態ではアンテナとして説明したが、アンテナポートでも同様に適用できる。アンテナポート(antenna port)とは、1本または複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。例えばLTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
[0127]
 上記各実施形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
[0128]
 また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
[0129]
 また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
[0130]
 さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
[0131]
 本出願は、2009年1月7日出願の日本特許出願(特願2009-001352)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0132]
 本発明は、交差偏波型アンテナ構造を用いたMIMOシステムにおいて、理想的なXPDが得られない場合であっても、異なる偏波間の干渉を軽減でき、効果的なプリコーディングを行うことが可能となる効果を有し、複数のアンテナを使用して通信を行うMIMOシステムを用いたセルラー通信システム等の無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法等として有用である。

符号の説明

[0133]
 150、250、450、550、650、750、850 送信機
 160、260、460、560、660、760、860 受信機
 102、202、402、502、602、702、802 チャネルエンコーディング部
 104、204、404、504、604、704、804 シンボルマッピング部
 106 空間多重/送信ダイバーシチ部
 206、506、606、706、806 空間多重部
 406 送信ダイバーシチ部
 108、208a~c、408a~c、508a~c、608a~c、708a~c、808a~c プリコーディング部
 208、408、508、608、708、808 プリコーディング処理部
 109、209、409、509、609、709、809 アンテナマッピング部
 110a~d、210a~d、410a~d、510a~d、610a~d、710a~d、810a~h 送信アンテナ
 112a~d、212a~d、412a~d、512a~d、612a~d、712a~d、812a~h 受信アンテナ
 114、214、414、514、614、714、814 チャネル推定/プリコーディング選択部
 116、216、416、516、616、716、816 MIMO検出部
 118、218、418、518、618、718、818 デマルチプレキシング部
 120、220、420、520、620、720、820 デマッピング部
 122、222、422、522、622、722、822 デコーディング部

請求の範囲

[請求項1]
 交差偏波型アンテナ構造を有し、MIMO(Multiple Input Multiple Output)により多重通信が可能な無線通信システムに用いられる無線通信装置であって、
 通信相手装置に送信するデータとして、複数の送信アンテナ間で空間多重するための複数のストリームを生成する空間多重部と、
 前記通信相手装置からフィードバックされる制御情報に基づき、異なる複数の偏波のうちの一方の偏波に対応するストリームに対して、異なる偏波ごとのチャネル応答行列を直交またはほぼ直交させるための射影行列のプリコーディング行列を作用させてプリコーディングを行うプリコーディング処理部と、
 前記プリコーディング処理を行った複数のストリームを交差偏波型の複数の送信アンテナによってそれぞれ送信する送信部と、
 を備える無線通信装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の無線通信装置であって、
 前記プリコーディング処理部は、前記異なる複数の偏波に対応するストリームに対して送信ビーム形成のための第1のプリコーディング行列を適用する第1のプリコーディングと、前記一方の偏波に対応するストリームに対して前記射影行列による第2のプリコーディング行列を適用する第2のプリコーディングとを行う無線通信装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の無線通信装置であって、
 前記プリコーディング処理部は、前記異なる複数の偏波に対応するストリームを偏波ごとに分割し、それぞれの偏波に対応するストリームに対して、前記第1のプリコーディング行列として偏波ごとに対応させたプリコーディング行列を適用してプリコーディングを行う無線通信装置。
[請求項4]
 請求項2に記載の無線通信装置であって、
 前記プリコーディング処理部は、前記射影行列による第2のプリコーディング行列として、それぞれの偏波に対応するストリームに対して適用するプリコーディング行列の内積の対角和が所定値以下となるようなユニタリ行列を用いる無線通信装置。
[請求項5]
 請求項1に記載の無線通信装置であって、
 前記送信部は、異なる2つの第1及び第2の偏波に対応してそれぞれ2つずつ合計4つの送信アンテナを有し、
 前記プリコーディング処理部は、前記第2の偏波に対応するストリームに対して前記射影行列によるプリコーディングを行う無線通信装置。
[請求項6]
 請求項1に記載の無線通信装置であって、
 前記送信部は、異なる2つの第1及び第2の偏波に対応してそれぞれ2つずつ合計4つの送信アンテナを有し、これらの送信アンテナから空間多重された3つのストリームを送信する場合に、前記第1の偏波の2つのアンテナに第1のストリームを割り当て、前記第2の偏波の2つのアンテナにそれぞれ第2及び第3のストリームを割り当てるアンテナ割り当てを行い、
 前記プリコーディング処理部は、前記第2の偏波に対応する第2及び第3のストリームに対して前記射影行列によるプリコーディングを行う無線通信装置。
[請求項7]
 請求項1に記載の無線通信装置であって、
 前記送信部は、異なる2つの第1及び第2の偏波に対応してそれぞれ4つずつ合計8つの送信アンテナを有し、
 前記プリコーディング処理部は、前記第2の偏波に対応するストリームに対して前記射影行列によるプリコーディングを行う無線通信装置。
[請求項8]
 交差偏波型アンテナ構造を有し、MIMOにより多重通信が可能な無線通信システムに用いられる無線通信装置であって、
 通信相手装置から自装置への伝搬路のチャネル推定を行うチャネル推定部と、
 前記チャネル推定結果に基づき、異なる偏波ごとのチャネル応答行列を直交またはほぼ直交させるための、一方の偏波のチャネル応答行列に対して適用する射影行列のプリコーディング行列を決定するプリコーディング選択部と、
 前記決定したプリコーディング行列を示すプリコーディング情報を含む制御情報を前記通信相手装置へフィードバックする制御情報通知部と、
 前記通信相手装置から送信されたデータを複数の受信アンテナによって受信する受信部と、
 前記受信したデータから複数のストリームを分離して検出する信号分離部と、
 前記検出した複数のストリームから受信データを復号する復号部と、
 を備える無線通信装置。
[請求項9]
 請求項8に記載の無線通信装置であって、
 前記プリコーディング選択部は、前記異なる偏波のそれぞれに対して適用するプリコーディング行列の内積の対角和が所定値以下となるようなユニタリ行列を、前記通信相手装置からの伝搬路のチャネル応答行列に基づいて算出するかまたは予め設定した行列群を持つコードブックから選択することにより、前記プリコーディング行列を決定する無線通信装置。
[請求項10]
 請求項8に記載の無線通信装置であって、
 前記プリコーディング選択部は、前記異なる複数の偏波に対して適用する送信ビーム形成のための第1のプリコーディング行列と、前記一方の偏波に対して適用する射影行列による第2のプリコーディング行列と、を決定し、
 前記制御情報通知部は、前記第1のプリコーディング行列及び前記第2のプリコーディング行列を示すプリコーディング情報を前記通信相手装置に通知する無線通信装置。
[請求項11]
 請求項10に記載の無線通信装置であって、
 前記プリコーディング選択部は、前記異なる複数の偏波のそれぞれに対して、前記第1のプリコーディング行列として偏波ごとに対応させたプリコーディング行列を決定する無線通信装置。
[請求項12]
 交差偏波型アンテナ構造を有する無線通信装置を用いて、MIMOにより多重通信が可能な無線通信システムにおける無線通信方法であって、
 通信相手装置に送信するデータとして、複数の送信アンテナ間で空間多重するための複数のストリームを生成するステップと、
 前記通信相手装置からフィードバックされる制御情報に基づき、異なる複数の偏波のうちの一方の偏波に対応するストリームに対して、異なる偏波ごとのチャネル応答行列を直交またはほぼ直交させるための射影行列のプリコーディング行列を作用させてプリコーディングを行うステップと、
 前記プリコーディング処理を行った複数のストリームを交差偏波型の複数の送信アンテナによってそれぞれ送信するステップと、
 を有する無線通信方法。
[請求項13]
 交差偏波型アンテナ構造を有する無線通信装置を用いて、MIMOにより多重通信が可能な無線通信システムにおける無線通信方法であって、
 通信相手装置から自装置への伝搬路のチャネル推定を行うステップと、
 前記チャネル推定結果に基づき、異なる偏波ごとのチャネル応答行列を直交またはほぼ直交させるための、一方の偏波のチャネル応答行列に対して適用する射影行列のプリコーディング行列を決定するステップと、
 前記決定したプリコーディング行列を示すプリコーディング情報を含む制御情報を前記通信相手装置へフィードバックするステップと、
 前記通信相手装置から送信されたデータを複数の受信アンテナによって受信するステップと、
 前記受信したデータから複数のストリームを分離して検出するステップと、
 前記検出した複数のストリームから受信データを復号するステップと、
 を有する無線通信方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]