PATENTSCOPE will be unavailable a few hours for maintenance reason on Tuesday 19.11.2019 at 4:00 PM CET
Search International and National Patent Collections
Some content of this application is unavailable at the moment.
If this situation persists, please contact us atFeedback&Contact
1. (WO2010074200) ADAPTIVE DIFFERENTIAL PULSE CODE MODULATION ENCODING APPARATUS AND DECODING APPARATUS
Document

明 細 書

発明の名称 適応差分パルス符号変調の符号化装置及び復号化装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

先行技術文献

特許文献

0018  

非特許文献

0019  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0020   0021  

課題を解決するための手段

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033  

発明の効果

0034  

図面の簡単な説明

0035  

発明を実施するための形態

0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115  

符号の説明

0116  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 適応差分パルス符号変調の符号化装置及び復号化装置

技術分野

[0001]
 本願発明は、適応差分パルス符号変調の符号化装置及び復号化装置に関するものであり、特に、データが適応差分パルス符号変調により十分に圧縮されても、優れた再生音響特性が得られる符号化装置及び復号化装置を関するものである。

背景技術

[0002]
 ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)は、サンプリングされ且つデジタル符号化された音のPCM(Pulse Code Modulation)信号に対して、1サンプル前(インデックス:n-1)のサンプリング値と現在(インデックス:n)のサンプリング値との差分値d を、その値に応じた量子化の幅Δ を用いて(適応化して)符号化する技術である。この技術を用いることにより、PCM信号を効率よく圧縮することができる。
[0003]
 従来のADPCM符号化装置及びADPCM復号化装置を、それぞれ図1A及び1Bを用いて説明する。図1Aに示すADPCM符号化装置では、入力されたアナログの音信号を、A/D変換器1でサンプリングしてデジタル値X に変換する。次いで、そのデジタル値X をADPCM方式により符号化し、その符号化された値D をメモリ8に格納する。
[0004]
 一方、図1Bに示すADPCM復号化装置では、符号化された信号D をメモリ8から読み出す。次いで、その符号化された信号D をADPCM方式により復号化(再生)し、その復号化した値Y をD/A変換器13でアナログの音信号に戻して出力する(特許文献1参照)。
[0005]
 上述したADPCM方式を用いることにより、例えば、符号付16ビットのPCM符号を、符号付4ビットの圧縮されたADPCM符号に変換することができる。
[0006]
 次に、図1A及び1Bにそれぞれ示すADPCM符号化装置及びADPCM復号化装置の動作について、詳しく説明する。
[0007]
 図1Aに示すADPCM符号化装置では、まず、現在の音信号のデジタル値X と、復号化器5、加算器6及び遅延器7を介して得られる1サンプル前の復号化した信号値Y n-1との差分値d を加算器(減算器)2で求める。
 d =X -Y n-1
[0008]
 次いで、符号化器3は、適応量子化部4から入力される適応量子化率Δ (適応量子化特性)を用いて、加算器2で求められた差分値d を、量子化した値D (ADPCM値)に変換する。この際の量子化処理では、例えば、差分値d を適応量子化率Δ で除算し、その除算した値を整数化する。
 Δ =Δ n-1・M(D n-1
 D =[d /Δ
 なお、適応量子化率Δ の上記式中のMは、ADPCM値D n-1を変数とする関数であり、信号波形の統計的性質に基づいて決定される。その一例は、例えば非特許文献1及び2等に示されている。Mの値は、量子化した値のレベルの絶対値が小さいときにはM<1となり、大きいときにはM>1となる。また、ADPCM値D の上記式中の右辺[d /Δ ]は、d /Δ を越えない最大の整数を表す。
[0009]
 そして、符号化器3で算出されたADPCM値D は、メモリ8に格納される。上述のような処理を繰り返し行うことにより、アナログの入力信号(音信号)がデジタル変換されて、ADPCM信号となり、そのADPCM信号がメモリに格納される。
[0010]
 なお、復号化器5、加算器6及び遅延器7を介して得られる現時点から1サンプル前の復号化した値Y n-1は、以下のようにして求める。
[0011]
 まず、1サンプル前の音信号のデジタル値X n-1のADPCM値D n-1を、復号化器5において、適応量子化率Δ n-1を用いて復号し、変化量q n-1に変換する。
 q n-1=(D n-1+0.5)・Δ n-1
[0012]
 次いで、復号化器5から出力された変化量q n-1と、遅延器7から出力されたさらに1サンプル前の復号化したデジタル値Y n-2とを加算器6で加算する。これにより、復号化した値Y n-1が算出される。
 Y n-1=Y n-2+q n-1
[0013]
 上述のようにして得られた復号化した値Y n-1が遅延器7で遅延され、該遅延された復号化した値Y n-1が加算器2に入力される。そして、加算器2により、遅延された復号化した値Y n-1と、現時点の音信号のデジタル値X との差分値d が得られる。図1Aに示すADPCM符号化装置では、上述の処理が繰り返されて、ADPCM方式の符号化処理が行われる。
[0014]
 次に、図1Bに示すADPCM復号化装置(ADPCM復号器)の動作を以下に説明する。まず、ADPCM復号化装置では、復号化器10において、メモリ8から読み出した音信号のデジタル値X のADPCM値D を、適応量子化部9から入力される適応量子化率Δ を用いて復号し、変化量q を算出する。なお、適応量子化率Δ は、ADPCM符号化装置と同様に、デジタル値X n-1のADPCM値D n-1の関数であり、信号波形の統計的性質に基づいて決定される。
 Δ =Δ n-1・M(D n-1
 q =(D +0.5)・Δ
[0015]
 そして、復号化器10で算出した変化量q と、遅延器12から出力される1サンプル前の復号化した値Y n-1とを加算器11で加算して、復号化した値Y を得る。
 Y =Y n-1+q
[0016]
 上述のような処理を繰り返すことにより、メモリ8からADPCM値D が読み出され、それに対応する復号化した値Y が求められる。そして、求められた復号化した値Y がD/A変換器13でアナログの音信号に変換され、その音信号が出力される。
[0017]
 なお、上述したADPCM符号化装置及びADPCM復号化装置の処理動作では、ADPCM値を、メモリ(記憶装置や記録装置)を介して入出力する例を説明したが、ADPCM値を、例えば、送信機及び受信機に対する入出力信号とすることもできる。

先行技術文献

特許文献

[0018]
特許文献1 : 特開2008-46405号公報

非特許文献

[0019]
非特許文献1 : http://www.oki.com/jp/rd/ss/adpcm.html,「ADPCM音声符号化技術」
非特許文献2 : 植松智彦,「文書データ圧縮アルゴリズム入門」,CQ出版社,1994年10月15日出版

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0020]
 上述のように、従来、音の質をなるべく落とすことなく、データ量を圧縮するための技術としてADPCMが使用されている。
[0021]
 本発明は、圧縮率を従来のADPCMよりさらに高めるとともに、音の質の劣化を防ぐことができるADPCM符号化装置及びADPCM復号化装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0022]
 上記目的を達成するために、本発明のADPCM符号化装置は、サンプリングされたPCM信号を入力して、ADPCM信号を得るADPCM符号化装置であって、入力された前記PCM信号の所定時刻の信号値と、該信号値の1サンプル前の復号信号値との差分値を求める加算部と、前記PCM信号の短周期の変化を表す第1信号を検出する高周波計測部と、前記PCM信号の長周期の変化を表す第2信号を検出する低周波計測部と、前記第1信号及び前記第2信号に基づいて、前記差分値に対する適応量子化特性を変化させて、前記差分値をADPCM値に変換する適応量子化部と、前記ADPCM値を適応逆量子化して、前記復号信号値を得る適応逆量子化部とを備える。
[0023]
 本発明のADPCM符号化装置では、前記適応量子化部は、前記第1信号及び前記第2信号に基づいて、前記適応量子化特性を変化させるための関数を選択し、該選択された関数を用いて前記差分値を量子化してもよい。
[0024]
 本発明のADPCM符号化装置では、前記適応量子化部は、前記第1信号及び前記第2信号の組み合わせに基づいて、記適応量子化特性を変化させるための前記関数を選択してもよい。
[0025]
 本発明のADPCM符号化装置では、前記適応量子化部は、前記選択した関数により所定の演算が施された前記差分値を上書きする複数のレジスタからなる量子化部を有し、該複数のレジスタのうち、一部のレジスタが0値で固定されており、前記0値に固定されたレジスタに対応するビットを削除して前記差分値を量子化してもよい。
[0026]
 本発明のADPCM符号化装置では、前記高周波計測部は、直列接続された複数の遅延回路と、該複数の遅延回路のそれぞれの入力値及び出力値の差の絶対値を全て加算する第1演算器とを有し、前記低周波計測部は、前記直列接続された遅延回路と、前記複数の遅延回路のそれぞれの出力を全て加算し、該加算した値を前記遅延回路の個数で除算する第2演算器とを有し、前記直列接続された複数の遅延回路が、前記高周波計測部及び前記低周波計測部で共有されていてもよい。
[0027]
 本発明のADPCM符号化装置では、さらに、前記高周波計測部及び低周波計測部の出力側にそれぞれ接続され、前記第1信号及び前記第2信号の値をそれぞれ量子化する第1及び第2量子化部を備え、前記適応量子化部は、前記第1及び第2量子化部からそれぞれ出力される量子化された前記第1信号及び前記第2信号の値に基づいて、前記差分値に対する前記適応量子化特性を変化させてもよい。
[0028]
 本発明のADPCM符号化装置では、さらに、前記適応量子化部から出力される前記ADPCM信号を圧縮符号化する圧縮符号化部を備えていてもよい。
[0029]
 本発明のADPCM符号化装置では、さらに、前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号をフレーム化するフレーム化部を備えていてもよい。
[0030]
 本発明のADPCM符号化装置では、前記フレーム化部は、一定期間分の前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号、及び、前記一定期間分における前記第1及び第2信号に対応する信号をフレーム化してもよい。
[0031]
 また、上記目的を達成するために、本発明のADPCM復号化装置は、ADPCM信号を入力して、PCM信号を得るADPCM復号化装置であって、入力される前記ADPCM信号を得る際に用いた適応量子化特性の変化を特定するための信号に基づいて、前記ADPCM信号の所定時刻の信号値に対する適応逆量子化特性を変化させて、前記信号値を差分値に変換する適応逆量子化部と、前記差分値と、1サンプル前の復号信号値とを加算して前記所定時刻の復号信号値を得る加算部とを備える。
[0032]
 本発明のADPCM復号化装置では、さらに、入力される前記ADPCM信号が圧縮符号化されたADPCM信号であり、該圧縮符号化されたADPCM信号を復号し、該復号したADPCM信号を前記適応逆量子化部に出力する圧縮復号化部を備えていてもよい。
[0033]
 本発明のADPCM復号化装置では、さらに、入力される前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号が、一定期間分の前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号、及び、前記一定期間分における前記適応量子化特性の変化を特定するための信号をフレーム化した信号であり、該フレーム化された信号をデフレーム化するデフレーム化部を備え、前記デフレーム化部は、前記一定期間分の前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号を読み出すとともに、前記一定期間分の前記適応量子化特性の変化を特定するための前記信号を読み出してもよい。

発明の効果

[0034]
 上述の本発明のADPCM符号化装置及び復号化装置を用いることで、圧縮率の向上及び良質の再生音響を実現することができる。

図面の簡単な説明

[0035]
[図1] 図1A及び1Bは、それぞれ従来のADPCM符号化装置及びADPCM復号化装置の構成を示す図である。
[図2] 図2は、本発明の一実施形態に係るADPCM符号化装置の概略構成を示す図である。
[図3] 図3は、高周波計測部及び低周波計測部の構成を詳細に示す図である。
[図4] 図4A~4Dは、高周波計測部及び低周波計測部で得られる信号と実際の音響信号の波形との関係を示す図である。
[図5] 図5Aは、適応量子化部で用いる関数を示す図であり、図5Bは、量子化部から出力される音信号の短周期及び低周期の変化に対応する信号と、図5A中の関数を選択する際の選択信号との関係を示す図である。
[図6] 図6は、適応量子化部の構成及びその動作を説明するための図である。
[図7] 図7は、ADPCM符号化装置から出力されるフレーム化されたデータの概略構成を示す図である。
[図8] 図8は、本発明の一実施形態に係るADPCM復号化装置の概略構成を示す図である。

発明を実施するための形態

[0036]
 本発明のADPCM符号化装置では、音信号のPCM信号の短周期変化(周波数)と長周期変化(傾き)とを検出し、その両者の組み合わせで適応量子化率(適応量子化特性)を変化させることにより、PCM信号に対して最適な量子化を行う。そして、本発明のADPCM復号化装置では、本発明のADPCM符号化装置で用いたPCM信号の短周期変化と長周期変化との組み合わせに応じて、量子化された信号を復号する。
[0037]
 上述の量子化手法を用いると、音の情報量の少ない領域では量子化率を上げ、音の情報量の多い領域では量子化率を下げることができる。この結果、本発明では、ビット長が可変のデジタル信号(量子化された符号)を得ることができる。さらに、本発明では、ビット長が可変の符号を扱うことのできる、例えばハフマン符号化法等の可逆性を有するデータ圧縮技術を用いて、得られたデジタル信号を圧縮する。これらの技術を用いることで、データの圧縮率を向上させることができ且つ良質の再生音響を得ることができる。
[0038]
 本発明の具体的な一構成例を、図2~図8に示す実施形態で説明するが、本発明はこれに限定されない。
[0039]
 図2は、本発明の一実施形態に係るADPCM符号化装置の概略構成図である。図3は、音信号の短周期変化(周波数)に対応する信号を検出する高周波計測部、及び、音信号の長周期変化(傾き)に対応する信号を検出する低周波計測部の構成図である。図4A~4Dは、高周波計測部及び低周波計測部から出力される信号と実際の音響信号の波形との関係を示す図である。図5Aは、適応量子化の際に用いる適応量子化率を得るための関数を示す図であり、図5Bは、高周波計測部及び低周波計測部から出力される信号と、図5A中の関数を選択する際に用いる選択信号との対応関係を示す図である。図6は、図2中に示す適応量子化部103の構成及びその動作を説明するための図である。図7は、ADPCM符号化装置から出力されるフレーム化されたデータの構成図である。図8は、本発明の一実施形態に係るADPCM復号化装置の実施形態の概略構成図である。
[0040]
<ADPCM符号化装置の概要>
 まず、図2を用いて、本発明の一実施形態に係るADPCM符号化装置100の構成及び動作を説明する。
[0041]
(1)ADPCM符号化装置の構成
 ADPCM符号化装置100は、予測器101と、適応量子化部103と、適応逆量子化部105と、圧縮符号化部108と、高周波計測部120と、低周波計測部121と、2つの量子化部122及び124(第1及び2量子化部)と、選択部128と、フレーム化部130とを備える。各部の構成及び機能は次の通りである。
[0042]
 予測器101は、減算器102(加算部)と、加算器106と、遅延回路107とで構成される。減算器102の「-」入力端子は、音信号のPCM信号X の入力端子に接続され、「+」入力端子は遅延回路107の出力端子に接続される。また、加算器106の2つの入力端子は、それぞれ遅延回路107の出力端子及び適応逆量子化部105の出力端子に接続される。
[0043]
 予測器101は、入力される音信号のPCM信号X と、遅延回路107から出力される1サンプル前の復号された値Y n-1との差分値d を減算器102で算出する。そして、予測器101は、算出した差分値d を適応量子化部103に出力する。なお、1サンプル前の復号された値Y n-1は、1サンプル前の差分値d n-1に対応する適応量子化された値D n-1を適応逆量子化部105で逆量子化した値q n-1と、遅延回路107から出力された2サンプル前の復号された値Y n-2とを、加算器106で加算することにより算出される。
[0044]
 適応量子化部103は、選択部128から入力される選択信号Zに基づいて所定の適応量子化率を得るための関数を選択し、その選択した関数を用いて、入力された差分値d を量子化(符号化)する。そして、適応量子化部103は、適応量子化した値D (ADPCM値)を圧縮符号化部108及び適応逆量子化部105に出力する。なお、この際、適応量子化部103は、例えば1~8ビットの可変長のADPCM値D を出力する。適応量子化部103のより詳細な構成及び動作は後で詳述する。
[0045]
 適応逆量子化部105は、適応量子化部103から入力されたADPCM値D を逆量子化して、その逆量子化した値q を予測器101内の加算器106に出力する。なお、適応逆量子化部105の構成及び動作は、後述するADPCM復号化装置(図8)の構成及び動作と同様であるので、その説明は後で詳述する。
[0046]
 圧縮符号化部108は、適応量子化部103から入力されたADPCM値D を圧縮符号化し、その圧縮符号化した信号D′ をフレーム化部130に出力する。なお、圧縮符号化部108で用いる圧縮符号化の手法としては、可変長の入力信号に対しても適用可能な、例えばハフマン符号化法を用いることができる。ハフマン符号化法や、他の可変長圧縮符号化の技術については、従来、よく知られており、例えば上述の非特許文献2等に記載されている。
[0047]
 高周波計測部120は、入力された音信号のPCM信号X の短周期変化(周波数)を検出し、その検出結果に対応する信号SA(第1信号)を量子化部122に出力する。一方、低周波計測部121は、入力された音信号のPCM信号X の長周期変化(傾き)を検出し、その検出結果に対応する信号AV(第2信号)を量子化部124に出力する。なお、高周波計測部120及び低周波計測部121のより詳細な構成及び動作は、後で詳述する。
[0048]
 量子化部122は、高周波計測部120から入力された音信号の短周期変化に対応する信号SAの値を量子化し、その量子化した値Sを選択部128及びフレーム化部130に出力する。また、量子化部124は、低周波計測部121から入力された音信号の長周期変化に対応する信号AVの値を量子化し、その量子化した値Aを選択部128及びフレーム化部130に出力する。
[0049]
 なお、量子化部122及び124における量子化手法は線形であってもよいし、対数的に量子化してもよい。また、量子化部122及び124からそれぞれ出力される信号S及び信号Aは、後述するように、選択部128から適応量子化部103に出力される選択信号Zを選択するための信号となる。
[0050]
 選択部128は、適応量子化部103で差分値d を量子化(符号化)する際に用いる関数の選択信号Zを、2つの量子化部122及び124からそれぞれ入力された信号S及びA(音信号の短周期変化及び長周期変化に対応する信号)に基づいて選択する。そして、選択部128は、得られた選択信号Zを適応量子化部103及び適応逆量子化部105に出力する。
[0051]
 フレーム化部130は、圧縮符号化部108から入力される圧縮符号化された信号D′ 、量子化部122から入力される音信号の短周期変化に対応する信号S、及び、量子化部124から入力される音信号の長周期変化に対応する信号Aを、所定の期間毎にフレーム化する。なお、フレーム化部130のより具体的な構成及び動作は、後で詳述する。
[0052]
(2)ADPCM符号化装置の動作
 次に、本実施形態のADPCM符号化装置100における符号化処理の一連の動作を説明する。なお、ここでは、図2に示すように、サンプリングされた16ビットPCM信号X が入力される例を説明する。
[0053]
 まず、ADPCM符号化装置100にPCM信号X が入力されると、予測器101(減算器102)は、PCM信号X と、予測器101内の遅延回路107から出力される1サンプル前の復号した値Y n-1との差分値d (16ビット)を算出する。次いで、予測器101(減算器102)は、算出した16ビットの差分値d を適応量子化部103に出力する。
[0054]
 次いで、適応量子化部103は、選択部128から入力された選択信号Zに基づいて、適応量子化に用いる関数を選択し、適応量子化率(適応量子化特性)を変化させる。そして、適応量子化部103は、選択された関数を用いて、入力された差分値d を量子化して、ADPCM値D に変換する。
[0055]
 ただし、この際、適応量子化部103では、16ビットの差分値d を例えば1~8ビットの可変長のADPCM値D に変換する。そして、適応量子化部103は、ADPCM値D を、圧縮符号化部108及び適応逆量子化部105に出力する。適応量子化部103では、このようにして、差分値d を最適に適応量子化して、適応量子化された可変長のADPCM値D を出力する。
[0056]
 次いで、圧縮符号化部108は、適応量子化部103から入力されたADPCM値D を圧縮符号化し、その圧縮符号化した信号D′ をフレーム化部130に出力する。また、この際、2つの量子化部122及び124は、それぞれ音信号の短周期変化に対応する信号S及び長周期変化に対応する信号Aをフレーム化部130に出力する。上述した処理は、入力されるサンプリングされたPCM信号X に同期して行われる。
[0057]
 次いで、フレーム化部130は、一定数(一定期間分)の圧縮符号化された信号D′ を、フレーム化して(一つのデータにまとめて)出力する。なお、この際、後述するように、フレーム化されたデータセットには、2つの量子化部122及び124から入力された信号S及び信号Aも含ませる。また、フレーム化部130から出力されたデータは、例えば、図1に示す従来例のように、メモリに記憶してもよいし、送信機を用いて対応するADPCM復号化装置の受信機に送信してもよい。
[0058]
 本実施形態では、上述のようにして、入力された音信号のPCM信号X に対して適応量子化及び圧縮符号化の処理を施す。
[0059]
<高周波計測部及び低周波計測部の構成及び動作>
 次に、図3を参照しながら、高周波計測部120及び低周波計測部121の構成及び動作について、詳細に説明する。
[0060]
 高周波計測部120は、図3に示すように、直列接続された16個の遅延回路112(D ~D 16)と、各遅延回路112の入出力差の絶対値を総和する演算器114(第1演算器)とを備える。演算器114は、各遅延回路112の入出力差の絶対値を算出する絶対値算出部113と、絶対値算出部113で算出された16個の遅延回路112の入出力差の絶対値を総和する加算器115とで構成される。
[0061]
 上述のような構成の高周波計測部120に、短周期信号すなわち高周波信号が入力されると(PCM信号X に高周波信号の成分を含まれている場合)、各遅延回路112の入力値と出力値との差分値(入出力差)が大きくなる。それゆえ、この場合には、演算器114で算出される16個の遅延回路112の入出力差の絶対値を総和した値、すなわち、出力信号SAの値は大きな値になる。
[0062]
 逆に、高周波計測部120に、長周期信号すなわち低周波信号を入力すると(PCM信号X に高周波信号の成分が含まれない場合)、各遅延回路112の入出力間の差分値は小さくなる。この場合、演算器114から出力される信号SAの値も小さくなる。
[0063]
 すなわち、本実施形態の高周波計測部120に、高周波信号が入力されると、高周波計測部120の出力信号SAの値が大きくなり、低周波信号が入力されると、出力信号SAが小さくなる。なお、本実施形態では、高周波計測部120から出力される信号SAの値は正の値である。
[0064]
 低周波計測部121は、直列接続された16個の遅延回路112と、演算器116(第2演算器)とを備える。なお、本実施形態では、図3に示すように、16個の遅延回路112は、高周波計測部120及び低周波計測部121で共有される。なお、本発明はこれに限定されず、高周波計測部120及び低周波計測部121に対して、それぞれ別個に複数の遅延回路を設けてもよい。また、本実施形態では、遅延回路112の数を16個としているが、本発明はこれに限定されず、PCM信号X の短周期変化及び長周期変化を検出できる数であれば、遅延回路112の数を任意に設定することができる。
[0065]
 演算器116は、16個の遅延回路112のそれぞれから出力される信号を累算加算する累積部117と、累積部117からの出力値を遅延回路112の数(=16)で除算する除算部118と、該除算した値の絶対値を算出する絶対値算出部119とで構成される。演算器116をこのような構成にすることにより、演算器116では、PCM信号X の一定時間の平均値を求めることができる。なお、本実施形態では、低周波計測部121から出力される信号AVの値は正の値である。
[0066]
 上記構成の低周波計測部121において、除算部118の出力値は、16個の遅延回路112から出力される16の出力値の平均値となる。すなわち、絶対値算出部119から出力される信号AVは、16個の遅延回路112から出力される複数の出力値の平均値を正の値に変換したものとなる。
[0067]
 それゆえ、上記構成の低周波計測部121に、長周期(低周波)で且つ大きな振幅を有する信号が入力されると、各遅延回路112から出力される信号値は、略一様で且つ大きな値となるため、その平均値(出力信号AV)は大きな値になる。逆に、低周波計測部121に、短周期(高周波)で且つ大きな振幅を有する信号が入力されると、16個の遅延回路112から出力される16の信号値には、正の値と負の値とが混ざった状態となる。この場合、各遅延回路112から出力される信号値の平均値(出力信号AV)は小さな値になる。
[0068]
 すなわち、本実施形態の低周波計測部121に、低周波信号が入力されると、低周波計測部121から出力される信号AVの値が大きくなり、高周波信号が入力されると信号AVの値が小さくなる。
[0069]
 上述のようにして高周波計測部120及び低周波計測部121からそれぞれ出力された信号SA及びAVの値(16ビット)は、図2に示すように、それぞれ量子化部122及び124に入力される。量子化部122は、入力された16ビットの信号SAの値を3ビットに量子化して、その量子化された信号Sを選択部128に出力する。一方、量子化部124は、入力された16ビットの信号AVの値を3ビットに量子化して、その量子化された信号Aを選択部128に出力する。
[0070]
 そして、上述のように、本実施形態のADPCM符号化装置100では、2つの量子化部122及び124からそれぞれ出力された信号S及びAの値を組み合わせて、PCM信号X の適応量子化時に用いる関数を選択する。すなわち、本実施形態では、実質的には、高周波計測部120及び低周波計測部121からそれぞれ出力される信号SA及びAVの値、すなわち、PCM信号X の短周期変化と長周期変化とを組み合わせて、PCM信号X の適応量子化を行うことになる。
[0071]
<音信号の短周期変化及び長周期変化と適応量子化との関係>
 ここで、高周波計測部120及び低周波計測部121でそれぞれ算出された信号SA及びAVの値と、適応量子化特性との関係を、図面を参照しながら説明する。
[0072]
 まず、図4A~4Dに、高周波計測部120からの出力信号SAの値及び低周波計測部121からの出力信号AVの値と、実際の音信号の波形との関係を示す。
[0073]
 出力信号SAの値が小さく(0付近の値)、出力信号AVの値も小さい(0付近の値)場合には、PCM信号X の短期的変化及び長期的変化はともに小さい。それゆえ、この場合には、実際の音信号の波形は、図4Aに示すように、振幅値が0付近の波形となり、波形の振幅変化も小さい。
[0074]
 出力信号SAの値が大きく、出力信号AVの値が小さい(0付近の値)場合には、PCM信号X の短期的変化が大きくなるので、実際の音信号の波形は、図4Bに示すように、ランダム波形となる。
[0075]
 また、出力信号SAの値が小さく(0付近の値)、出力信号AVの値が大きい場合には、PCM信号X の短期的変化が小さく且つ長期的変化が大きくなる。それゆえ、この場合には、実際の音信号の波形は、図4Cに示すように、ゆっくりと振幅変動する波形となる。
[0076]
 さらに、出力信号SAの値が大きく、出力信号AVの値も大きい場合には、実際の音信号の波形は、図4Dに示すように、ゆっくりと振幅変動する波形に、ランダムに振幅変動する波形が重畳したものとなる。
[0077]
 本実施形態では、上述した短周期変化(信号SA)及び長周期変化(信号AV)と、実際の音信号の波形との関係とを考慮して、適応量子化部103で差分値d を適応量子化する際に用いる関数を決定する。なお、実際には、以下に説明するように、信号SA及び信号AVをそれぞれ量子化部122及び124で量子化した信号S及びAに基づいて、適応量子化部103で差分値d を適応量子化する際に用いる関数を決定する。
[0078]
 本実施形態の適応量子化部103では、図5Aに示すように、入力信号xの値(横軸)に対して出力信号yの値(縦軸)が変化する64個の関数を用意する。なお、図5Aに示す64個の関数は、いずれも、入力信号xの値に対する出力信号yの値の変化が原点に対して対称であり、正及び負の値の入力信号xに対してそれぞれ正及び負の値の出力信号yを出力する。
[0079]
 また、図5A中の「Z」は、信号S(音信号の短周期変化に対応する信号)及び信号A(音信号の長周期変化に対応する信号)で決まる関数の選択信号の値(0~63)である。そして、選択信号Zの値と、適応量子化部103で選択される関数とが一対一に対応している。
[0080]
 例えば、図5A中の選択信号Z=0に対応する関数は、入力信号xの絶対値が小さい場合、0付近の値であり且つ入力信号xの値の変化に対する出力信号yの変動量が小さい関数となる。また、選択信号Z=0に対応する関数では、入力信号xの絶対値が大きくなると、入力信号xの絶対値の変化に対する出力信号yの絶対値の変動量も大きくなる。
[0081]
 また、図5A中の選択信号Z=63に対応する関数は、選択信号Z=0に対応する関数とは逆に、入力信号xの絶対値が小さい場合、入力信号xの絶対値の変化に対して出力信号yの絶対値の変動量が大きくなる。また、選択信号Z=63に対応する関数では、入力信号xの絶対値が大きくなると、入力信号xの絶対値の変化に対して、出力信号yの絶対値の変動量は小さくなる。
[0082]
 さらに、図5A中の選択信号Z=32に対応する関数は、選択信号Z=0に対応する関数と選択信号Z=63に対応する関数との中間の関数であり、この関数では、入力信号xに対する出力信号yの変化は直線的となり、入力信号xの値と出力信号yの値とは同じ値になる。
[0083]
 図5Bに示すテーブルは、量子化部122及び124からそれぞれ出力される3ビットの信号Sの値(0~7)及び信号Aの値(0~7)と、その両者の組み合わせにより選択される選択信号Zの値(0~64)との関係を示す表である。このテーブルデータは、選択部128に記憶され、選択部128が、入力された信号S及びAに基づいて選択信号Zを選択して出力する際に用いられる。
[0084]
 例えば、信号S及びAの組み合わせ[S,A]=[3,1]の場合には、選択信号Zの値は「24」となり、適応量子化部103では、選択信号Z=24に対応する関数が用いられる。なお、図5Bのテーブルに示す選択信号Zの選択例では、図5Aに示す選択信号Z=0~63のうち、選択信号Z=4~60を選択する例を示すが、本発明はこれに限定されず、別の選択例を適用することも可能である。
[0085]
 図5Bに示す選択信号Zの選択例では、信号Aの値が一定の場合、PCM信号(音信号)の短周期変化に対応する信号Sの値が大きくなると、選択信号Zのより小さな値の関数が選択される。この場合、選択された関数では、入力信号xの絶対値が大きい領域で関数の傾きが大きくなるので、入力信号xの絶対値が大きい領域において拡張された出力信号yが得られる。
[0086]
 一方、図5Bに示す選択信号Zの選択例において、信号Sの値が一定の場合、PCM信号(音信号)の長周期変化に対応する信号Aの値が大きくなると、選択信号Zのより大きな値の関数が選択される。この場合、選択された関数では、入力信号xの絶対値が小さい領域で関数の傾きが大きくなるので、入力信号xの絶対値が小さい領域において拡張された出力信号yが得られる。
[0087]
 また、図5Bに示す選択信号Zの選択例において、信号S及び信号Aの値が同じである場合には、選択信号Z=32の関数、すなわち、入力信号xの値と出力信号yの値とが同じになる関数が選択される。
[0088]
<適応量子化部>
 次に、適応量子化部103のより詳細な構成を、図6を用いて説明する。適応量子化部103は、図6に示すように、関数演算部103-1と、量子化部103-2とを備える。
[0089]
 関数演算部103-1は、選択部128から入力される選択信号Zの値に対応する関数を用いて、予測器101から入力された差分値d (d :N=0~15)に対して所定の演算を施す。そして、関数演算部103-1は、演算した差分値d を量子化部103-2に出力する。
[0090]
 量子化部103-2は、関数演算部103-1から入力される所定の演算が施された差分値d を量子化する。そして、量子化された差分値d (K=0~7)が圧縮符号化部108に出力する。
[0091]
 次に、適応量子化部103における適応量子化処理の内容をより具体的に説明する。ここでは、予測器101から入力された差分値d が16ビットのデータ列(d ~d 15 )である例を説明する。
[0092]
 まず、関数演算部103-1は、選択信号Zに基づいて選択された関数を用いて、予測器101から入力された16ビットの差分値d (d :N=0~15)に対して所定の演算処理を施す。そして、関数演算部103-1は、演算して得られた16ビットの差分値d を量子化部103-2に出力する。
[0093]
 次いで、量子化部103-2は、入力された16ビットの差分値d を、例えば下位8インデックス分のビット情報を「0」に固定した16ビットレジスタに上書きする。次いで、量子化部103-2は、その上書きされた16ビットの情報のうち、「0」に固定された下位8インデックス分のビット情報を取り去る。そして、量子化部103-2は、残りの上位8インデックス分のビット情報(d ~d )を圧縮符号化部108に出力する。ただし、この際、全てのビット情報が「0」の場合、量子化部103-2は、1ビットの「0」を出力する。
[0094]
 適応量子化部103では、上述のようにして、予測器101から入力された16ビットの差分値d を量子化して、1~8ビットの可変長のADPCM値D を出力する。そして、この後、適応量子化部103から出力されたADPCM値D は、圧縮符号化部108で圧縮符号化され、その圧縮符号化された信号D′ がフレーム化部130に出力される。
[0095]
 上述した適応量子化部103における量子化処理は、ADPCM符号化装置100に入力されるサンプリングされたPCM信号X のサンプリング周期に同期して行われる。また、圧縮符号化部108における圧縮符号化処理もPCM信号X のサンプリング周期に同期して行われ、圧縮符号化されたADPCM値D′ は、サンプリングされたPCM信号X 毎に出力される。
[0096]
<フレーム化部>
 次に、フレーム化部130における具体的な処理を、図7を用いて説明する。本実施形態では、上述のように、適応量子化され且つ圧縮符号化された信号D′ は、フレーム化部130において、一定期間毎にまとめて(フレーム化して)出力される。図7に示す例では、30秒の音響信号が入力され、且つ、圧縮符号化された信号D′ を100m秒毎にフレーム化して出力する例を説明する。
[0097]
 30秒の音響信号が入力された場合には、図7に示すように、圧縮符号化されたADPCM値D′ を含む100m秒分のフレームデータ150が300個出力される。
[0098]
 各フレームデータ150は、ヘッダ部151と、S信号部152及びA信号部153と、信号部154とで構成される。なお、ヘッダ部151には、25個の1が連続して記憶される。また、信号部154には、100m秒分の入力信号に対する圧縮符号化されたADPCM値D′ (サンプリング周波数が44.1kHzのときは4410個の信号)が記憶される。
[0099]
 さらに、S信号部152及びA信号部153には、100m秒間のADPCM値D′ を得る際に適用された関数を指定するための信号S及び信号A(各3ビット)の情報がそれぞれ記憶される。本実施形態では、ADPCM値D′ をフレーム化して出力する場合、フレーム化される信号の個数分に対応する期間(図7に示す例では100m秒)は、同じ関数を用いて入力信号を変換(適応量子化)するものとする。すなわち、適応量子化部103で用いる関数は、フレーム化される信号の個数毎(フレーム毎)に更新される。このようにして、多数の圧縮符号化されたADPCM値D′ をフレーム化することにより、圧縮符号化されたADPCM値D′ 毎に、関数を選択するための情報を出力する必要がなくなる。
[0100]
 本実施形態では、フレーム化部130において、100m秒毎に圧縮符号化されたADPCM値D′ をフレーム化する場合を説明したが、フレーム化の期間(フレーム化するADPCM値の数)は、これに限られるものではない。
[0101]
<ADPCM復号化装置>
 次に、本発明の一実施形態に係るADPCM復号化装置200の構成及び動作を、図8を用いて説明する。
[0102]
(1)ADPCM復号化装置の構成
 ADPCM復号化装置200は、デフレーム化部202と、圧縮復号化部230と、適応逆量子化部240と、加算回路252と、遅延回路254と、2つのレジスタ212及び214と、選択部220とを備える。
[0103]
 デフレーム化部202は、入力されたフレームデータのヘッド部の情報を読み出してフレームを認識する。また、デフレーム化部202は、フレーム内のS信号部及びA信号部の情報を読み出す。さらに、デフレーム化部202は、フレーム内の信号部に記憶された圧縮符号化されたADPCM値D′ を読み出す。
[0104]
 圧縮復号化部230は、入力された圧縮符号化されたADPCM値D′ を復号する。また、適応逆量子化部240は、圧縮復号化部230で復号されたADPCM値D を逆量子化して、ADPCM値D を対応する差分値q に変換する。
[0105]
 加算回路252は、適応逆量子化部240から入力される差分値q と、遅延回路254から入力される1サンプル前の復号信号値Y n-1とを加算して、差分値q に対応する復号信号値Y を算出する。
[0106]
 2つのレジスタ212及び214は、入力された信号S及びAの情報を選択部220に出力するとともに、1フレーム(100m秒)間、その情報を保持する。そして、選択部220は、入力された信号S及びAの情報に基づいて、適応逆量子化部240で使用する関数を選択するための選択信号を算出する。
[0107]
(2)ADPCM復号化装置の動作
 次に、本実施形態のADPCM復号化装置200における復号化処理の一連の動作を説明する。まず、ADPCM復号化装置200にフレーム化され且つ圧縮符号化されたADPCM値D′ が入力されると、デフレーム化部202は、ヘッド部の情報を読み出してフレームを認識する。
[0108]
 次いで、デフレーム化部202は、3ビットのS信号部及びA信号部の情報、並びに、1~8ビットの圧縮符号化されたADPCM値D′ を読み出す。そして、デフレーム化部202は、読み出したS信号部及びA信号部の3ビット情報をレジスタ212及び214を介して選択部220に出力する。また、それと同時に、デフレーム化部202は、読み出した圧縮符号化されたADPCM値D′ を圧縮復号化部230に出力する。
[0109]
 次いで、選択部220は、入力された信号S及びAの情報に基づいて、適応逆量子化部240で使用する関数を決定する選択信号Zを算出し、その選択信号Zを適応逆量子化部240に出力する。なお、適応逆量子化部240で用いる関数は、ADPCM符号化装置で符号化に用いた関数の逆関数である。
[0110]
 また、圧縮復号化部230は、圧縮符号化されたADPCM値D′ を復号して、ADPCM値D を生成し、その生成信号を適応逆量子化部240に出力する。
[0111]
 次いで、適応逆量子化部240は、復号されたADPCM値D を、ADPCM値D を符号化する際に用いた関数の逆関数を用いて、対応する差分値q を生成する。次いで、適応逆量子化部240は、生成した差分値q を加算回路252に出力する。なお、適応逆量子化部240内の構成及びその動作は、図6で説明した適応量子化部103と逆の動作を行う構成であるので、ここでは説明を省略する。
[0112]
 そして、加算回路252は、復号された差分値q と、遅延回路254から入力される1サンプル前の復号した信号値Y n-1とを加算して、PCM符号Y を算出し、そのPCM符号Y を出力する。
[0113]
 本実施形態のADPCM復号化装置200では、上述のようにして、フレーム化され且つ圧縮符号化されたADPCM値D′ を復号して、PCM符号Y を得る。
[0114]
<他の実施形態>
 上記実施形態では、ADPCM値D を圧縮符号化した後にフレーム化処理を行っているが、本発明はこれに限定されない。例えば、適応量子化を行う際、本実施形態のように可変長のADPCM値D を出力するのではなく、固定長のADPCM値D を出力するように構成すれば、ADPCM値D を直接フレーム化することができる。
[0115]
 また、必ずしも出力信号をフレーム化処理する必要はなく、ADPCM適応符号化装置からADPCM適応復号化装置に対して、適応量子化時に用いる関数を選択するためのデータ(選択信号Z)を同期して送ってもよい。

符号の説明

[0116]
 100…ADPCM符号化装置、101…予測器、102…減算器、103…適応量子化部、105,240…適応逆量子化部、106,252…加算器、107,112,254…遅延回路、108…圧縮符号化部、114,116…演算器、120…高周波計測部、121…低周波計測部、122,124…量子化部、128,220…選択部、130…フレーム化部、200…ADPCM復号化装置、202…デフレーム化部、212,214…レジスタ、230…圧縮復号化部

請求の範囲

[請求項1]
 サンプリングされたPCM信号を入力して、ADPCM信号を得るADPCM符号化装置であって、
 入力された前記PCM信号の所定時刻の信号値と、該信号値の1サンプル前の復号信号値との差分値を求める加算部と、
 前記PCM信号の短周期の変化を表す第1信号を検出する高周波計測部と、
 前記PCM信号の長周期の変化を表す第2信号を検出する低周波計測部と、
 前記第1信号及び前記第2信号に基づいて、前記差分値に対する適応量子化特性を変化させて、前記差分値をADPCM値に変換する適応量子化部と、
 前記ADPCM値を適応逆量子化して、前記復号信号値を得る適応逆量子化部と
 を備えるADPCM符号化装置。
[請求項2]
 請求項1に記載のADPCM符号化装置において、
 前記適応量子化部は、前記第1信号及び前記第2信号に基づいて、前記適応量子化特性を変化させるための関数を選択し、該選択された関数を用いて前記差分値を量子化する
 ことを特徴とするADPCM符号化装置。
[請求項3]
 請求項2に記載のADPCM符号化装置において、
 前記適応量子化部は、前記第1信号及び前記第2信号の組み合わせに基づいて、記適応量子化特性を変化させるための前記関数を選択する
 ことを特徴とするADPCM符号化装置。
[請求項4]
 請求項2又は3に記載のADPCM符号化装置において、
 前記適応量子化部は、前記選択した関数により所定の演算が施された前記差分値を上書きする複数のレジスタからなる量子化部を有し、該複数のレジスタのうち、一部のレジスタが0値で固定されており、前記0値に固定されたレジスタに対応するビットを削除して前記差分値を量子化する
 ことを特徴とするADPCM符号化装置。
[請求項5]
 請求項1~4のいずれかに記載のADPCM符号化装置において、
 前記高周波計測部は、直列接続された複数の遅延回路と、該複数の遅延回路のそれぞれの入力値及び出力値の差の絶対値を全て加算する第1演算器とを有し、
 前記低周波計測部は、前記直列接続された遅延回路と、前記複数の遅延回路のそれぞれの出力を全て加算し、該加算した値を前記遅延回路の個数で除算する第2演算器とを有し、
 前記直列接続された複数の遅延回路が、前記高周波計測部及び前記低周波計測部で共有されている
 ことを特徴とするADPCM符号化装置。
[請求項6]
 請求項5に記載のADPCM符号化装置において、
 さらに、前記高周波計測部及び低周波計測部の出力側にそれぞれ接続され、前記第1信号及び前記第2信号の値をそれぞれ量子化する第1及び第2量子化部を備え、
 前記適応量子化部は、前記第1及び第2量子化部からそれぞれ出力される量子化された前記第1信号及び前記第2信号の値に基づいて、前記差分値に対する前記適応量子化特性を変化させる
 ことを特徴とするADPCM符号化装置。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれかに記載のADPCM符号化装置において、
 さらに、前記適応量子化部から出力される前記ADPCM信号を圧縮符号化する圧縮符号化部を備える
 ADPCM符号化装置。
[請求項8]
 請求項1~7のいずれかに記載のADPCM符号化装置において、
 さらに、前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号をフレーム化するフレーム化部を備える
 ADPCM符号化装置。
[請求項9]
 請求項8に記載のADPCM符号化装置において、
 前記フレーム化部は、一定期間分の前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号、及び、前記一定期間分における前記第1及び第2信号に対応する信号をフレーム化する
 ことを特徴とするADPCM符号化装置。
[請求項10]
 ADPCM信号を入力して、PCM信号を得るADPCM復号化装置であって、
 入力される前記ADPCM信号を得る際に用いた適応量子化特性の変化を特定するための信号に基づいて、前記ADPCM信号の所定時刻の信号値に対する適応逆量子化特性を変化させて、前記信号値を差分値に変換する適応逆量子化部と、
 前記差分値と、1サンプル前の復号信号値とを加算して前記所定時刻の復号信号値を得る加算部と
 を備えるADPCM復号化装置。
[請求項11]
 請求項10に記載したADPCM復号化装置であって、
 さらに、入力される前記ADPCM信号が圧縮符号化されたADPCM信号であり、該圧縮符号化されたADPCM信号を復号し、該復号したADPCM信号を前記適応逆量子化部に出力する圧縮復号化部を備える
 ADPCM復号化装置。
[請求項12]
 請求項10又は11に記載のADPCM復号化装置であって、
 さらに、入力される前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号が、一定期間分の前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号、及び、前記一定期間分における前記適応量子化特性の変化を特定するための信号をフレーム化した信号であり、該フレーム化された信号をデフレーム化するデフレーム化部を備え、
 前記デフレーム化部は、前記一定期間分の前記ADPCM信号又は前記圧縮符号化したADPCM信号を読み出すとともに、前記一定期間分の前記適応量子化特性の変化を特定するための前記信号を読み出す
 ことを特徴とするADPCM復号化装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]