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1. (WO2010074085) RESIN COMPOSITION, PREPREG, RESIN SHEET, METAL-CLAD LAMINATE, PRINTED WIRING BOARD, MULTILAYER PRINTED WIRING BOARD, AND SEMICONDUCTOR DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、金属張積層板、プリント配線板、多層プリント配線板、及び半導体装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0003  

課題を解決するための手段

0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための最良の形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085  

実施例

0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126  

産業上の利用可能性

0127  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、金属張積層板、プリント配線板、多層プリント配線板、及び半導体装置

技術分野

[0001]
 本発明は、樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、金属張積層板、プリント配線板、多層プリント配線板、及び半導体装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、高密度実装対応のプリント配線板は、小型化かつ高密度化が求められており、プリント配線板に形成される導体回路幅、または導体回路間幅はさらに狭くなる傾向にある。例えば、多層プリント配線板で用いられる内層回路基板は、導体回路幅と導体回路間幅(L/S)が従来の100μm/100μmから、50μm/50μm、更には20μm/20μmまで微細化される方向にあることから、特に多層プリント配線板の外層回路においては、L/Sが15μm/15μmの実用化が検討されている。
 L/Sが狭くなると、多層プリント配線板に用いられる絶縁層は、従来よりも優れた信頼性が求められる。具体的には、エポキシ樹脂組成物等の樹脂組成物より形成された絶縁層の更なる低熱膨張率化が求められ、また更なる高い耐熱性、耐燃性、絶縁信頼性が求められる。
 しかしながら、従来のプリント配線板の絶縁層に用いられる樹脂組成物では、微細配線形成された場合でも、低熱膨張率で、さらに従来より高い耐熱性、耐燃性、絶縁信頼性を発現できる樹脂組成物はなかった(例えば、引用文献1、2)。
特許文献1 : 特開2005-240019
特許文献2 : 特開2007-119710

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0003]
 本発明は、低熱膨張率で、さらに従来より高い耐熱性、耐燃性、絶縁信頼性を発現できる樹脂組成物、樹脂シート、プリプレグ、多層プリント配線板、及び半導体装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

[0004]
 このような目的は、下記の本発明[1]~[17]項により達成される。
[1](A)エポキシ樹脂、(B)シアネート樹脂、及び(C)オニウム塩化合物を必須成分とし含有することを特徴とする樹脂組成物。
[2]前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である前記[1]項に記載の樹脂組成物。
[0005]
[化1]


[0006]
(式中、Pはリン原子、R 1、R 2、R 3及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。A -は分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す。)
[3]前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である前記[1]または[2]項に記載の樹脂組成物。
[0007]
[化2]


[0008]
(式中、Pはリン原子、R 1、R 2、R 3及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y 、およびY が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。 Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y およびY が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X 、およびX は互いに同一でも異なっていてもよく、Y 、Y 、Y 、およびY は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z は置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を表す。)
[4]前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(3)で表される化合物である前記[1]または[2]項に記載の樹脂組成物。
[0009]
[化3]


[0010]
(式中、Pはリン原子、Bはホウ素原子、R 1、R 2、R 3、及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R 5、R 6、R 7及びR 8は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基、あるいは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[5]前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(4)で表される化合物である前記[1]または[2]項に記載の樹脂組成物。
[0011]
[化4]


[0012]
(式中、Pはリン原子、Bはホウ素原子、R 1、R 2、R 3、及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y 、およびY がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y およびY がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X 、およびX は互いに同一でも異なっていてもよく、Y 、Y 、Y 、およびY は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[6]前記樹脂組成物は、更に無機充填材を含むものである前記[1]ないし[5]項のいずれかに一項記載の樹脂組成物。
[7]前記[1]ないし[6]項のいずれか一項に記載の樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグ。
[8]前記[1]ないし[6]項のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる絶縁層をフィルム上または金属箔上に形成してなる樹脂シート。
[9]基材中に[1]ないし[6]項のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含浸してなる樹脂含浸基材層の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする金属張積層板。
[10]前記[7]項に記載のプリプレグまたは当該プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を重ね、加熱加圧することにより得られる前記[9]項に記載の金属張積層板。
[11]前記[9]または[10]項に記載の金属張積層板を内層回路基板に用いてなることを特徴とするプリント配線板。
[12]前記[7]項に記載のプリプレグを、内層回路基板の片面または両面に重ね合わせて加熱加圧成形してなる多層プリント配線板。
[13]前記内層回路基板として、前記[9]または[10]項に記載の金属張積層板が用いられている前記[12]項に記載の多層プリント配線板。
[14]内層回路上に、前記[1]ないし[6]項のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を絶縁層に用いてなる多層プリント配線板。
[15]前記[8]項に記載の樹脂シートを、内層回路基板の片面または両面に重ね合わせて加熱加圧成形してなる前記[14]項に記載の多層プリント配線板。
[16]前記内層回路基板として、前記[9]または[10]項に記載の金属張積層板が用いられている前記[15]項に記載の多層プリント配線板。
[17]前記[11]ないし[16]項のいずれか一項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。

発明の効果

[0013]
 本発明の樹脂組成物は、微細配線加工を要求される多層プリント配線板に用いても、低熱膨張率で、さらに従来よりも高い耐熱性、耐燃性、及び絶縁信頼性を発現できる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 耐薬品性試験に用いた評価サンプルのSEM写真
[図2] 耐薬品性試験後においてOKと評価された例のSEM写真
[図3] 耐薬品性試験後においてNGと評価された例のSEM写真

発明を実施するための最良の形態

[0015]
 以下に、本発明の樹脂組成物、プリプレグ、樹脂シート、金属張積層板、プリント配線板、多層プリント配線板、及び半導体装置について詳細に説明する。
[0016]
 [樹脂組成物]
 まず、本発明の樹脂組成物について説明する。
[0017]
 本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)シアネート樹脂、及び(C)オニウム塩化合物を必須成分とし含有することを特徴とする。
[0018]
 前記(A)エポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に限定されない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂など、フェノール類やナフトール類などの水酸基にエピクロロヒドリンを反応させて製造するエポキシ化合物、オレフィンを過酸により酸化させエポキシ化したエポキシ樹脂およびグリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂は耐燃性の点において好ましい。
[0019]
 前記(B)シアネート樹脂としては、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂やビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0020]
 さらに前記(B)シアネート樹脂としては、これをプレポリマー化したものも用いることができる。すなわち、前記シアネート樹脂を単独で用いてもよいし、重量平均分子量の異なるシアネート樹脂を併用したり、前記シアネート樹脂とそのプレポリマーとを併用したりすることもできる。
[0021]
 前記プレポリマーとは、通常、前記シアネート樹脂を加熱反応などにより、例えば3量化することで得られるものであり、樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
[0022]
 前記プレポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、3量化率が20~50重量%であるものを用いることができる。
[0023]
 前記(A)エポキシ樹脂と(B)シアネート樹脂との配合比は、特に限定されないが、(A)エポキシ樹脂と(B)シアネート樹脂との比率が、エポキシ樹脂の量を1としたときに0.25~9.00の範囲であることが好ましく、特に0.40~6.00の範囲が好ましい。これにより絶縁信頼性、低熱膨張性、耐燃性に優れたものになる。
[0024]
 前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
[0025]
[化5]


[0026]
(式中、Pはリン原子、R 1、R 2、R 3及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。A -は分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す。)
[0027]
 前記一般式(1)で表される化合物は、例えば特開2004-231765に記載の方法で合成することができる。一例を挙げると、4,4’-ビスフェノールSとテトラフェニルホスホニウムブロミドとイオン交換水を仕込み、加熱撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液を滴下。析出する結晶を濾過、水洗、真空乾燥することにより精製して得ることができる。
[0028]
 また前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
[0029]
[化6]


[0030]
(式中、Pは、リン原子、R 1、R 2、R 3及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y 、およびY が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。 Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y およびY が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X 、およびX は互いに同一でも異なっていてもよく、Y 、Y 、Y 、およびY は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z は置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を表す。)
[0031]
 前記一般式(2)で表されるで表される化合物は、例えば特開2007-246671にある方法で合成することができる。一例を挙げると、2,3-ジヒドロキシナフタレンと3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びメタノールを攪拌下で均一溶解し、トリエチルアミンのアセトニトリル溶液を、攪拌下のフラスコ内に滴下。次いでテトラフェニルホスホニウムブロミドのメタノール溶液をフラスコ内に徐々に滴下し、析出する結晶を濾過、水洗及び真空乾燥することにより精製して得ることができる。
[0032]
 また前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
[0033]
[化7]


[0034]
(式中、Pはリン原子、Bはホウ素原子、R 1、R 2、R 3、及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R 5、R 6、R 7及びR 8は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基、あるいは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[0035]
 また前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
[0036]
[化8]


[0037]
(式中、Pはリン原子、Bはホウ素原子、R 1、R 2、R 3、及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y 、およびY がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y およびY がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X 、およびX は互いに同一でも異なっていてもよく、Y 、Y 、Y 、およびY は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[0038]
 前記一般式(3)及び(4)で表される化合物は、例えば、特開2000-246113にある方法で合成することができる。一例を挙げると、ホウ酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、メチルセルソルブ及び純水を攪拌下で均一に溶解し、次いで、テトラフェニルホスホニウムブロミドをメタノール/純水混合溶媒に均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ内に滴下し、析出する結晶を濾過、水洗及び真空乾燥することにより精製して得ることができる。
[0039]
 前記一般式(1)乃至(4)において、R 1、R 2、R 3、及びR 4としては、単環構造もしくは2~3個の環からなる縮合環構造を有する置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基、単環構造もしくは2~3個の環からなる縮合環構造を有する置換もしくは無置換の複素環を有する有機基、または、炭素原子数1~10個である置換または無置換の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
 前記一般式(1)乃至(4)において、R 1、R 2、R 3、及びR 4としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシナフチル基およびベンジル基などの置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピペリジル基、インドリル基、モルフォリニル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾリル基およびオキサゾリル基などの置換もしくは無置換の複素環を有する有機基、メチル基、エチル基、n-ブチル基、n-オクチル基およびシクロヘキシル基などの置換もしくは無置換の脂肪族基が挙げられ、反応活性や安定性の点から、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基およびヒドロキシナフチル基などの置換もしくは無置換の芳香族基がより好ましい。なお、前記芳香環を有する有機基、複素環を有する有機基および脂肪族基における置換基としては、メチル基、エチル基および水酸基などが挙げられる。
[0040]
 前記一般式(3)において、R 、R 、R 、及びR としては、単環構造もしくは2~3個の環からなる縮合環構造を有する芳香環を有する1価の有機基、単環構造もしくは2~3個の環からなる縮合環構造を有する複素環を有する1価の有機基、または、炭素原子数が1~8である置換または無置換の1価の脂肪族基が挙げられる。
 前記一般式(3)において、R 、R 、R 、及びR としては、芳香環若しくは複素環を有する1価の有機基又は1価の脂肪族基であって、それらのうちの少なくとも1つは、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族多価カルボン酸、1分子内に酸無水物基とカルボキシル基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族カルボン酸、1分子内に2個以上の水酸基を有する多価フェノール化合物、及び1分子内にカルボキシル基とフェノール性水酸基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族化合物の群から選ばれるプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる基であり、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。このようなボレート基を与えるプロトン供与体としては、例えば、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4-ビフェニルジカルボン酸、4,4'-ジカルボキシジフェニルメタン、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸類、無水トリメリット酸等の酸無水物基含有芳香族カルボン酸、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ジヒドロキシナフタレン、4,4-ビフェノール、4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4'-ジヒドロキシジフェニル-2,2-ヘキサフルオロプロパン、ビス(3,5-ジメチル-4-ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5-ジメチル-4-ジヒドロキシフェニル)スルホン、4,4-ジヒドロキシスチルベン、4,4-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベン、ビスフェノールフルオレン等の多価フェノール化合物類、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸等の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[0041]
 前記一般式(2)および(4)において、X 、X 、X およびX としては、単環構造もしくは2~3個の環からなる縮合環構造を有する置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基、または、単環構造もしくは2~3個の環からなる縮合環構造を有する置換もしくは無置換の複素環を有する有機基である。
 Y 乃至Y は、X 乃至X に含まれる芳香環または複素環に結合する置換基であって、1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、ホウ素原子または珪素原子と結合してキレート環を形成する。1価のプロトン供与性置換基のなかでも、カルボキシル基または水酸基が好ましい。
 このような有機基Y -X 1-Y 2、Y 3-X 2-Y 4、Y 5-X 3-Y 6、Y 7-X 4-Y 8としては、置換基Y 乃至Y がホウ素原子または珪素原子と結合してキレート環を形成できる位置にあれば、その他の置換基については何ら限定されることはなく、3価以上のプロトン供与体も用いることが可能である。中でも、芳香族あるいは複素環式の多官能カルボン酸または多価フェノール類が特に好ましい。この場合の多価フェノールとは、ベンゼン環、ナフタレン環、その他の芳香族性の環に結合する水素原子が、2個以上水酸基に置換された化合物の総称である。
 プロトン供与性置換基であるY 乃至Y は、芳香環または複素環上の隣りあう位置に置換していることが好ましい。
[0042]
 前記一般式(2)において、Z としては、単環構造もしくは2~3個の環からなる縮合環構造を有する置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基、または、単環構造もしくは2~3個の環からなる縮合環構造を有する置換もしくは無置換の複素環を有する有機基、または、炭素原子数が1~8である置換または無置換の1価の脂肪族基が挙げられる。これらの具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基およびオクチル基、グリシジルオキシプロピル基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基およびビニル基等の置換もしくは無置換の脂肪族基、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基およびビフェニル基等の置換もしくは無置換の芳香環を有する有機基、ピリジン基およびピロール基等の置換もしくは無置換の複素環を有する有機基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、フェニル基、ナフチル基、グリシジルオキシプロピル基が熱安定性の面から、より好ましい。なお、前記脂肪族基における置換基としては、グリシジル基、メルカプト基、アミノ基などが挙げられ、前記芳香環、複素環における置換基としては、メチル基、エチル基、水酸基、アミノ基などが挙げられる。
[0043]
 前記(C)オニウム塩化合物の含有量は、特に限定されないが、(A)エポキシ樹脂と(B)シアネート樹脂の総量に対して0.01~10重量%であるのが好ましく、より好ましくは、0.1~5重量%である。これにより、優れた硬化性、流動性及び硬化物特性を発現することができる。
[0044]
 本発明の樹脂組成物は、必要に応じて無機充填材を添加してもよい。無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
[0045]
 無機充填材は、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。これらの中でも特に、シリカが好ましく、より好ましくは溶融シリカであり、特に好ましくは、球状溶融シリカである。シリカは、低熱膨張性に優れる点で好ましい。
[0046]
 無機充填材の形状は、特に限定されないが、破砕状、球状が挙げられ、例えば、プリプレグ製造において、樹脂組成物を基材への含浸させる場合には、含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるのに球状シリカを使うことが好ましい。その用途・目的に応じて好ましい無機充填材の形状が採用できる。
[0047]
 前記無機充填材の粒径は、特に限定されないが、平均粒径が、0.01~5.0μmであることが好ましい。さらに好ましくは0.1~2.0μmである。無機充填材の平均粒径が上記下限値未満であると、本発明の樹脂組成物を用いて樹脂ワニスを調製する際に、樹脂ワニスの粘度が高くなるため、プリプレグを作製する際の作業性に影響を与える場合がある。一方、上記上限値を超えると、樹脂ワニス中で無機充填材の沈降等の現象が起こる場合がある。無機充填材の平均粒子径を上記範囲内とすることにより、作業性に優れたものとすることができる。
[0048]
 また前記無機充填材は、特に限定されないが、平均粒径が単分散の無機充填材を用いることもできるし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いることができる。さらに平均粒子径が単分散及び/または、多分散の無機充填材を1種類または2種類以上とを併用したりすることもできる。
[0049]
 前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、前記(A)エポキシ樹脂と(B)シアネート樹脂との総重量を100重量部とすると、10~900重量部であることが好ましい。より好ましくは、25~400重量部であり、樹脂シートやプリプレグの製造において、作業性や成形性に優れる。
[0050]
 本発明の樹脂組成物は前記の無機充填材以外にも、樹脂の相溶性、安定性、作業性などの各種特性向上のために各種添加剤を適宜添加してもよい。例えば、フェノキシ系樹脂やオレフィン系樹脂に代表される熱可塑性樹脂、オルガノシランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、顔料や染料、難燃剤、紫外線吸収剤、イオン捕捉剤、反応性および非反応性希釈剤、揺変性付与剤、増粘剤などが挙げられる。
[0051]
 [プリプレグ]
 次に、プリプレグについて説明する。
[0052]
 本発明の樹脂組成物を用いたプリプレグは、前記樹脂組成物を基材に含浸し、加熱乾燥させてなるものである。これにより、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れたプリント配線板を製造するのに好適なプリプレグを得ることができる。
[0053]
 前記プリプレグを製造する方法は、まず、本発明の樹脂組成物を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール等の有機溶剤中で、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶解、混合、撹拌して樹脂ワニスを作製する。
[0054]
 前記樹脂ワニス中の樹脂組成物の含有量は、特に限定されないが、45~85重量%が好ましく、特に55~75重量%が好ましい。
[0055]
 次に前記樹脂ワニスを用いて、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより塗布する方法、スプレーにより吹き付ける方法等で基材に樹脂ワニスを含侵させ、乾燥して作製することができる。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。なお、基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
[0056]
 前記基材は、特に限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材等の有機繊維基材等が挙げられる。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの強度が向上し、吸水率を下げることができ、また熱膨張係数を小さくすることができる。
[0057]
 前記ガラス繊維基材を構成するガラスは、特に限定されないが、例えばEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの中でもEガラス、Tガラス、または、Sガラスが好ましい。これにより、ガラス繊維基材の高弾性化を達成することができ、熱膨張係数も小さくすることができる。
[0058]
 [樹脂シート]
 次に、樹脂シートについて説明する。
[0059]
 本発明の樹脂組成物を用いた樹脂シートは、本発明の樹脂組成物からなる絶縁層をフィルム上、または金属箔上に形成することにより得られる。
[0060]
 前記樹脂シートの製造方法は、まず、絶縁層を形成する本発明の樹脂組成物を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール等の有機溶剤中で、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶解、混合、撹拌して樹脂ワニスを作製する。
[0061]
 前記樹脂ワニス中の樹脂組成物の含有量は、特に限定されないが、45~85重量%が好ましく、特に55~75重量%が好ましい。
[0062]
 次に前記樹脂ワニスを各種塗工装置を用いて、フィルム上または金属箔上に塗工した後、これを乾燥する。または、樹脂ワニスをスプレー装置によりフィルム上または金属箔上に噴霧塗工した後、これを乾燥する。これらの方法により樹脂シートを作製することができる。
[0063]
 前記塗工装置は、特に限定されないが、例えば、ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーターおよびカーテンコーターなどを用いることができる。これらの中でも、ダイコーター、ナイフコーター、およびコンマコーターを用いる方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な絶縁層の厚みを有する樹脂シートを効率よく製造することができる。
[0064]
 前記フィルムは、フィルム上に絶縁層を形成するため、取扱いが容易であるものを選択することが好ましい。また、多層プリント配線板の製造時において、樹脂シートの絶縁層を内層回路基板面に積層後、フィルムを剥離することから、内層回路基板に積層後、剥離が容易であるものであることが好ましい。したがって、前記フィルムは、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂フィルムなどを用いることが好ましい。これらキャリアフィルムの中でも、ポリエステルで構成されるフィルムが最も好ましい。これにより、絶縁層から適度な強度で剥離することが容易となる。
[0065]
 前記フィルムの厚さは、特に限定されないが、1~100μmが好ましく、特に3~50μmが好ましい。フィルムの厚さが前記範囲内であると、取扱いが容易で、また絶縁層表面の平坦性に優れる。
[0066]
 前記金属箔付き樹脂シートは、前記フィルム付き樹脂シート同様、内層回路基板に樹脂シートを積層後、金属箔を剥離する方法に用いても良いし、また、金属箔付き樹脂シートを内層回路基板に積層後、金属箔をエッチングし導体回路として用いても良い。前記金属箔は、特に限定されないが、例えば、銅及び/または銅系合金、アルミ及び/またはアルミ系合金、鉄及び/または鉄系合金、銀及び/または銀系合金、金及び金系合金、亜鉛及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系合金、錫及び錫系合金等の金属箔などを用いることができる。
[0067]
 前記金属箔の厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上70μm以下であることが好ましい。さらには1μm以上35μ以下が好ましく、さらに好ましくは1.5μm以上18μm以下が好ましい。前記金属箔の厚さが上記下限値未満であると、金属箔の傷やピンホールにより、金属箔をエッチングし導体回路として用いた場合、回路パターン成形時のメッキバラツキ、回路断線、エッチング液やデスミア液等の薬液の染み込みなどが発生する怖れがあり、前記上限値を超えると、金属箔の厚みバラツキが大きくなったり、金属箔粗化面の表面粗さバラツキが大きくなったりする場合がある。
[0068]
 また、前記金属箔としては、キャリア箔付き極薄金属箔を用いることもできる。キャリア箔付き極薄金属箔とは、剥離可能なキャリア箔と極薄金属箔とを張り合わせた金属箔である。キャリア箔付き極薄金属箔を用いることで前記絶縁層の両面に極薄金属箔層を形成できることから、例えば、セミアディティブ法などで回路を形成する場合、無電解メッキを行うことなく、極薄金属箔を直接給電層として電解メッキすることで、回路を形成後、極薄銅箔をフラッシュエッチングすることができる。キャリア箔付き極薄金属箔を用いることによって、厚さ10μm以下の極薄金属箔でも、例えばプレス工程での極薄金属箔のハンドリング性の低下や、極薄銅箔の割れや切れを防ぐことができる。前記極薄金属箔の厚さは、0.1μm以上10μm以下が好ましい。さらに、0.5μm以上5μm以下が好ましく、さらに1μm以上3μm以下が好ましい。
[0069]
 前記極薄金属箔の厚さが前記下限値未満であると、キャリア箔を剥離後の極薄金属箔の傷やピンホールによる回路パターン成形時のメッキバラツキ、回路配線の断線、エッチング液やデスミア液等の薬液の染み込みなどが発生する怖れがあり、前記上限値を超えると、極薄金属箔の厚みバラツキが大きくなったり、極薄金属箔粗化面の表面粗さのバラツキが大きくなったりする場合がある。
[0070]
 通常、キャリア箔付き極薄金属箔は、プレス成形後の積層板に回路パターン形成する前にキャリア箔を剥離する。
[0071]
 [金属張積層板]
 次に、金属張積層板について説明する。
 本発明の金属張積層板は、基材に上記の樹脂組成物を含浸してなる樹脂含浸基材層の少なくとも片面に金属箔を有するものである。
 金属張積層板は、例えば、上記のプリプレグ又は当該プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を張り付けることで製造できる。
 プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次に、プリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱加圧成形することで金属張積層板を得ることができる。
[0072]
 前記加熱する温度は、特に限定されないが、150℃~270℃が好ましく、特に180~230℃が好ましい。また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、1~5MPaが好ましく、特に2~4MPaが好ましい。これにより、本発明の樹脂組成物を効率良く硬化させることができる。
[0073]
 本発明の金属張積層板の別の製造方法として、特開平8-150683に記載されているような長尺状の基材と長尺状の金属箔を用いる方法を適用することもできる(特開平8-150683の段落0005、0006、図1)。この方法による場合は、長尺状の基材をロール形態に巻き取ったもの、および、長尺状の金属箔をロール形態に巻き取ったものを2つ用意する。そして、2枚の金属箔を別々にロールから送り出し、各々に本発明の樹脂組成物を塗布し、絶縁樹脂層を形成する。樹脂組成物を溶剤で希釈して用いる場合には、塗布後、乾燥される。引き続き、2枚の金属箔の絶縁樹脂層側を対向させ、その対抗しあう面の間に基材を1枚または2枚以上ロールから送り出し、プレスローラーで積層接着する。次いで、連続的に加熱加圧して絶縁樹脂層を半硬化状態とし、冷却後、所定の長さに切断する。この方法によれば、長尺状の基材及び金属箔をライン上に移送しながら、連続的に積層が行われるので、製造途中において、長尺状の半硬化積層体が得られる。切断した半硬化状態の積層板をプレス機により加熱加圧することにより、金属張積層板が得られる。
[0074]
 [プリント配線板、多層プリント配線板]
 次に、本発明のプリント配線板について説明する。
 本発明のプリント配線板は、上記に記載の金属張積層板を内層回路基板に用いてなる。
 また、本発明のプリント配線板は、内層回路上に、上記のプリプレグを絶縁層に用いてなる。
 また、本発明のプリント配線板は、内層回路上に、上記の樹脂組成物を絶縁層に用いてなる。
[0075]
 本発明においてプリント配線板とは、絶縁層の上に金属箔等の導電体で回路を形成したものであり、片面プリント配線板(一層板)、両面プリント配線板(二層板)、及び多層プリント配線板(多層板)のいずれであってもよい。多層プリント配線板とは、メッキスルーホール法やビルドアップ法等により3層以上に重ねたプリント配線板であり、内層回路基板に絶縁層を重ね合わせて加熱加圧成形することによって得ることができる。
 前記内層回路基板は、例えば、本発明の金属張積層板の金属層に、エッチング等により所定の導体回路を形成し、導体回路部分を黒化処理したものを好適に用いることができる。
 前記絶縁層としては、本発明のプリプレグ、又は本発明の樹脂組成物からなる樹脂フィルムを用いることができる。本発明の樹脂組成物からなる樹脂フィルムは、本発明の樹脂シートを用いて積層してもよい。尚、前記絶縁層として、本発明のプリプレグ又は本発明の樹脂組成物からなる樹脂フィルムを用いる場合は、前記内層回路基板は本発明の金属張積層板からなるものでなくてもよい。
[0076]
 以下、本発明のプリント配線板の代表例として、本発明の金属張積層板を内層回路基板として用い、本発明のプリプレグを絶縁層として用いる場合の多層プリント配線板について説明する。
 前記金属張積層板の片面又は両面に回路形成し、内層回路基板を作製する。場合によっては、ドリル加工、レーザー加工によりスルーホールを形成し、メッキ等で両面の電気的接続をとることもできる。この内層回路基板に前記プリプレグを重ね合わせて加熱加圧形成することで絶縁層を形成する。同様にして、エッチング等で形成した導体回路層と絶縁層とを交互に繰り返し形成することにより、多層プリント配線板を得ることができる。
[0077]
 具体的には、前記プリプレグと前記内層回路基板とを合わせて、真空加圧式ラミネーター装置などを用いて真空加熱加圧成形させ、その後、熱風乾燥装置等で絶縁層を加熱硬化させる。ここで加熱加圧成形する条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度60~160℃、圧力0.2~3MPaで実施することができる。また、加熱硬化させる条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度140~240℃、時間30~120分間で実施することができる。
[0078]
 尚、次工程においてレーザーを照射し、絶縁層に開口部を形成するが、その前に基材を剥離する必要がある。基材の剥離は、絶縁層を形成後、加熱硬化の前、又は加熱硬化後のいずれに行っても特に問題はない。
[0079]
 次に、絶縁層にレーザーを照射して、開孔部を形成する。前記レーザーは、エキシマレーザー、UVレーザー及び炭酸ガスレーザー等が使用できる。
[0080]
 レーザー照射後の樹脂残渣等(スミア)は過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤等により除去する処理、すなわちデスミア処理を行うことが好ましい。デスミア処理が不十分で、デスミア耐性が十分に確保されていないと、開孔部に金属メッキ処理を行っても、スミアが原因で上層金属配線と下層金属配線との通電性が十分に確保されなくなるおそれがある。また、平滑な絶縁層の表面を同時に粗化することができ、続く金属メッキにより形成する導電配線回路の密着性を上げることができる。
[0081]
 次に、外層回路を形成する。外層回路の形成方法は、金属メッキにより絶縁樹脂層間の接続を図り、エッチングにより外層回路パターン形成を行う。
[0082]
 さらに絶縁層を積層し、絶縁層の表面を過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤などにより粗化処理した後、金属メッキにより新たな導電配線回路を形成することができる。
 多層プリント配線板では、回路形成後、最外層にソルダーレジストを形成する。ソルダーレジストの形成方法は、特に限定されないが、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストを積層(ラミネート)し、露光、及び現像により形成する方法、又は液状レジストを印刷したものを露光、及び現像により形成する方法によりなされる。尚、得られた多層プリント配線板を半導体装置に用いる場合、半導体素子を実装するため接続用電極部を設ける。接続用電極部は、金メッキ、ニッケルメッキ及び半田メッキ等の金属皮膜で適宜被覆することができる。その後、多層プリント配線板を所定の大きさに切断する。
[0083]
 [半導体装置]
次に、半導体装置について説明する。
[0084]
 半導体装置は、上述した方法にて製造された多層プリント配線板に半導体素子を実装し、製造することができる。半導体素子の実装方法、封止方法は特に限定されない。例えば、半導体素子と多層プリント配線板とを用い、フリップチップボンダーなどを用いて多層プリント配線板上の接続用電極部と半導体素子の半田バンプの位置合わせを行う。その後、IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を用いて半田バンプを融点以上に加熱し、多層プリント配線板と半田バンプとを溶融接合することにより接続する。そして、多層プリント配線板と半導体素子との間に液状封止樹脂を充填し、硬化させることで半導体装置を得ることができる。
[0085]
 なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。

実施例

[0086]
 以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。
[0087]
1.(C)オニウム塩化合物の合成
 本発明に用いられる(C)オニウム塩化合物の合成方法の一例を示すが、合成方法はこれに限定されるものではない。
[0088]
(1)化合物Iの合成
 温度計、撹拌機およびジムロート冷却管を備えた3つ口セパラブルフラスコに、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(北興化学工業(株)製、TPP-K)32.9g(0.05mol)と1-ナフトエ酸34.4g(0.20mol)を仕込み、窒素雰囲気下、260℃で5時間攪拌した。その際、副生するベンゼンを系外に除去した。冷却後、得られた結晶をメタノールで洗浄した後、乾燥し、さらに真空乾燥することにより精製し、化合物Iを47.0g得た。収率は、91%であった。
[0089]
[化9]


[0090]
(2)化合物IIの合成
 撹拌機およびジムロート冷却管を備えた3つ口セパラブルフラスコに、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸75.3g(0.40mol)、ホウ酸12.4g(0.20mol)、メチルセルソルブ276g、純水248gを仕込み、室温で30分攪拌して均一溶解させた。次いで、378gのメタノールと378gの純水の混合溶媒に、テトラフェニルホスホニウムブロミド84.0g(0.20mol)を均一に溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ中に1時間かけて滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を、濾過、水洗及び真空乾燥することにより精製し、化合物IIを137.2g得た。収率は、95%であった。
[0091]
[化10]


[0092]
(3)化合物IIIの合成
 撹拌機およびジムロート冷却管を備えた3つ口セパラブルフラスコに、ヘキシルトリメトキシシラン8.26g(0.040mol)、2,3-ジヒドロキシナフタレン12.82g(0.080mol)、水酸化ナトリウム1.60g(0.040mol)を10mLのメタノールに予め溶解した水酸化ナトリウム溶液、及びメタノール50mLを仕込み攪拌し均一に溶解させた。次いでテトラブチルホスホニウムブロミド10.36g(0.040mol)を予め25mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗及び真空乾燥することにより精製し、化合物IIIを22.30g得た。収率は、81%であった。
[0093]
[化11]


[0094]
(4)化合物IVの合成
 撹拌機およびジムロート冷却管を備えた3つ口セパラブルフラスコに、2,3-ジヒドロキシナフタレン32.0g(0.20mol)、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン19.6g(0.10mol)、及びメタノール150mLを仕込み、攪拌下で均一溶解した。予めトリエチルアミン10.12g(0.10mol)を20mLのアセトニトリルに溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ内に滴下し、次いでテトラフェニルホスホニウムブロミド41.9g(0.10mol)を、予め100mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を、濾過、水洗及び真空乾燥することにより精製し、化合物IVを68.2g得た。収率は、90%であった。
[0095]
[化12]


[0096]
(5)化合物Vの合成
 撹拌機およびジムロート冷却管を備えた3つ口セパラブルフラスコに、2,3-ジヒドロキシナフタレン32.0g(0.20mol)、フェニルトリメトキシシラン19.8g(0.10mol)、及びメタノール150mLを仕込み、攪拌下で均一溶解した。予めトリ-n-ブチルアミン18.5g(0.10mol)を20mLのアセトニトリルに溶解した溶液を、攪拌下のフラスコ内に滴下し、次いでテトラフェニルホスホニウムブロミド41.9g(0.10mol)を、予め100mLのメタノールで溶解した溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を、濾過、水洗及び真空乾燥することにより精製し、化合物Vを70.0g得た。収率は、92%であった。
[0097]
[化13]


[0098]
2.ワニスの調製
(実施例1)
 ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット PT-30)25重量部、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC-3000、エポキシ当量275)50重量部、前記で得た化合物Iを1.9重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25H」、平均粒径0.5μm)110重量部、エポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A-187)0.5重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて30分間攪拌して、固形分70重量%の樹脂ワニスを調製した。
[0099]
3.プリプレグの製造
 繊維基材としてガラス織布に前記で調整したワニスを含侵塗布させ、100℃で溶剤を乾燥させて、厚さ0.1mmと0.04mmのプリプレグをそれぞれ得た。
[0100]
4.積層板の製造
 前記で得られた0.1mmのプリプレグの両面に、12μmの銅箔(三井金属鉱業社製)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形するこよによって両面に銅箔を有する積層板を得た。
[0101]
5.多層銅張積層板の製造
 銅箔表面を粗化処理した0.4mmの銅張積層板(住友ベークライト社製、ELC-4785GS)の両面に、前記で得られた0.04mmのプリプレグを重ね、更にその上下に12μmの銅箔(三井金属鉱業社製)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形するこよによって多層銅張積層板を得た。この多層銅張積層板の外層銅箔をエッチング加工し、10mmφのパッド部を形成した。内層銅と外層銅パッド部に銅線を半田付けし、絶縁信頼性用のサンプルとした。
[0102]
(実施例2)
 化合物Iの代わりに、前記で得た化合物IIを1.3重量部用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0103]
(実施例3)
 化合物Iの代わりに、前記で得た化合物IIIを1.2重量部用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0104]
(実施例4)
 化合物Iの代わりに、前記で得た化合物IVを1.4重量部用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0105]
(実施例5)
 化合物Iの代わりに、前記で得た化合物Vを1.4重量部用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0106]
(実施例6)
 ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット PT-30)25重量部の代わりに、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット DT-4000)25重量部を用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0107]
(実施例7)
 ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット PT-30)25重量部の代わりに、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット BA200)25重量部を用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0108]
(比較例1)
 化合物Iの代わりに、イミダゾールI(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)を0.4重量部用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0109]
(比較例2)
 化合物Iの代わりに、イミダゾールII(四国化成社製、キュアゾール2P4MZ)を0.3重量部用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0110]
(比較例3)
 化合物Iの代わりに、DBU(アルドリッチ社製、ジアザビシクロウンデセン、試薬)を0.3重量部用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0111]
(比較例4)
 ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット DT-4000)25重量部、イミダゾールI(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)を0.5重量部用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0112]
(比較例5)
 ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット BA200)25重量部、イミダゾールI(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)を0.5重量部用いた以外は実施例1と同様の手順でワニスを調整し、厚さ0.1mm、及び0.04mmのプリプレグ、積層板、多層銅張積層板を得た。
[0113]
 評価方法は、以下で説明する。
[0114]
(1)線熱膨張係数
 熱機械測定装置(TAインスツルメント社製)を用い、窒素雰囲気下、引っ張りモードで昇温速度10℃/min、温度25~300℃、荷重5g、2サイクル測定を行った。熱膨張率は、2サイクル目の温度50~100℃における平均線熱膨張係数とした。 
尚、評価サンプルは、前記で得られた銅張積層板の銅箔をエッチング除去後、所定の大きさに切断し用いた。
[0115]
(2)ガラス転移温度(Tg)
 DMA装置(TAインスツルメント社製 DMA983)を用いて、昇温速度5℃/分の条件で測定し、tanδのピークをガラス転移温度Tgとして測定した。
尚、評価サンプルは、前記で得られた両面に銅箔を有する積層板の銅箔をエッチング除去後、所定の大きさに切断し用いた。
[0116]
(3)耐燃性
 UL94V法に基づいて、耐燃性を評価した。
尚、評価サンプルは、前記で得られ両面に銅箔を有する積層板の銅箔をエッチング除去後、所定の大きさに切断し用いた。
[0117]
(4)耐熱性
 121℃/100%/2atm/2hrのPCT環境下に曝した後、288℃の半田浴に30秒浸漬して、銅箔・絶縁層の膨れの有無を観察した。
尚、評価サンプルは、前記で得られた両面に銅箔を有する積層板を所定の大きさに切断し用いた。
[0118]
(5)絶縁信頼性
 130℃/85%環境下で20V印加させ、200hr後の湿中における抵抗挙動を観測した。
 尚、評価サンプルは、前記の加工した多層銅張積層板を用いた。
[0119]
(6)参考実験1(耐湿信頼性)
 実施例1~7の樹脂組成物で得られた多層銅張積層板について、プレッシャークッカーテスト(PCT)により耐湿信頼性を評価した。尚、評価サンプルは、前記で得られた多層銅張積層板の外層銅箔をエッチング除去し、所定の大きさに切断して用いた。
 評価サンプルを、121℃/100%/2atmのプレッシャークッカーテスト(PCT)環境下で96hr後及び400hr後に曝した後の内層銅箔・絶縁層の剥離の有無を観察した。
[0120]
(7)参考実験2(耐薬品性)
 実施例1~7の樹脂組成物で得られた多層銅張積層板について、耐薬品性を評価した。尚、評価サンプルは、前記で得られた多層銅張積層板の外層銅箔をエッチング除去し、所定の大きさに切断して用いた。
 評価サンプルを、80℃の膨潤液(アトテックジャパン社製・「スウェリングディップ セキュリガント P500」)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製・「コンセントレート コンパクト CP」)にて10分浸漬して酸化処理を行った後、中和した。乾燥後にSEMにて樹脂表面を観察した。
 エッチング除去した評価サンプルの表面は、サンプル作成の際に用いた厚さ12μmの銅箔(三井金属鉱業社製)の粗面が転写された状態になる。過マンガン酸カリウム水溶液で過剰に酸化処理すると、樹脂が酸化除去されフィラーが露出する。SEMによる樹脂表面の観察では、転写された粗度形状、樹脂のひび割れ、及びフィラー露出の有無を確認し、酸化処理前の銅箔粗面の転写形状が維持されている状態を問題なし(OK)と評価した。また、酸化処理前の銅箔粗面の転写形状が維持されておらず、フィラーが露出した状態を問題あり(NG)と評価した。
 参考のため、多層銅張積層板の外層銅箔をエッチング除去して得られた評価サンプル(すなわち薬液処理なしのもの)のSEM写真を図1に示す。また、評価サンプルを薬液処理した後にOKと判定された例の写真を図2に示す。また、評価サンプルを薬液処理した後にNGと判定された例の写真を図3に示す。
[0121]
 実施例および比較例で得られた積層板について、特性の評価を行った結果を表1、及び表2に示す。また、参考実験1および2の結果を表3に示す。
[0122]
[表1]


[0123]
[表2]


[0124]
[表3]


[0125]
 表1から明らかなように、本発明の樹脂組成物を用いた実施例の積層板は、低熱膨張、高Tgであり、耐燃性に優れ、且つ、絶縁信頼性にも優れるものであった。
[0126]
 一方、表1から分かるように、イミダゾール系化合物を用いた比較例1、比較例2、比較例4、比較例5、及びアミン系化合物であるDBU(ジアザビシクロウンデセン)を用いた比較例3は、絶縁信頼性が劣る結果となった。
 また、表3に示した参考実験1および2の結果から、本発明の樹脂組成物は、フェノール樹脂を含有しないことが、優れた耐湿信頼性および耐薬品性が得られる点で好ましいことが分かった。従来、エポキシ樹脂、シアネート樹脂およびフェノール樹脂を含有する樹脂組成物がプリント配線板の絶縁層またはプリプレグに用いられているが、PCT環境での耐湿信頼性および耐薬品性が充分でないことが多い。これに対し、実施例で用いた樹脂組成物は、フェノール樹脂を含有しないため、耐湿信頼性および耐薬品性が優れていた。

産業上の利用可能性

[0127]
 本発明によれば、極めて優れた絶縁信頼性を有し、高Tgかつ低熱膨張率であり、また耐熱性及び耐燃性を有する積層板ならびに多層プリント配線板を製造することができる。これらは電子機器の高機能化等の要求に伴う、高密度実装対応のプリント配線板に有用である。

請求の範囲

[請求項1]
 (A)エポキシ樹脂、(B)シアネート樹脂、及び(C)オニウム塩化合物を必須成分とし含有することを特徴とする樹脂組成物。
[請求項2]
 前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載の樹脂組成物。
[化1]


(式中、Pはリン原子、R 1、R 2、R 3及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。A -は、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す。)
[請求項3]
 前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
[化2]


(式中、Pはリン原子、R 1、R 2、R 3及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y 、およびY が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y およびY が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X 、およびX は互いに同一でも異なっていてもよく、Y 、Y 、Y 、およびY は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z は置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を表す。)
[請求項4]
 前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(3)で表される化合物である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
[化3]


(式中、Pはリン原子、Bはホウ素原子、R 1、R 2、R 3、及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R 5、R 6、R 7及びR 8は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基、あるいは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[請求項5]
 前記(C)オニウム塩化合物は、下記一般式(4)で表される化合物である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
[化4]


(式中、Pはリン原子、Bはホウ素原子、R 1、R 2、R 3、及びR 4は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。式中X は、置換基Y およびY と結合する有機基である。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y 、およびY がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y およびY はプロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y およびY がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X 、およびX は互いに同一でも異なっていてもよく、Y 、Y 、Y 、およびY は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[請求項6]
 前記樹脂組成物は、更に無機充填材を含むものである請求項1ないし5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[請求項7]
 前記請求項1ないし6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を基材に含浸してなるプリプレグ。
[請求項8]
 前記請求項1ないし6のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる絶縁層をフィルム上または金属箔上に形成してなる樹脂シート。
[請求項9]
 基材中に請求項1ないし6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含浸してなる樹脂含浸基材層の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする金属張積層板。
[請求項10]
 請求項7に記載のプリプレグまたは当該プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を重ね、加熱加圧することにより得られる請求項9に記載の金属張積層板。
[請求項11]
 請求項9または10に記載の金属張積層板を内層回路基板に用いてなることを特徴とするプリント配線板。
[請求項12]
 請求項7に記載のプリプレグを、内層回路基板の片面または両面に重ね合わせて加熱加圧成形してなる多層プリント配線板。
[請求項13]
 前記内層回路基板として、前記請求項9または10に記載の金属張積層板が用いられている請求項11に記載の多層プリント配線板。
[請求項14]
 内層回路上に、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を絶縁層に用いてなる多層プリント配線板。
[請求項15]
 請求項8に記載の樹脂シートを、内層回路基板の片面または両面に重ね合わせて加熱加圧成形してなる請求項14に記載の多層プリント配線板。
[請求項16]
 前記内層回路基板として、前記請求項9または10に記載の金属張積層板が用いられている請求項15に記載の多層プリント配線板。
[請求項17]
 請求項11ないし16のいずれか一項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]