Processing

Please wait...

Settings

Settings

1. WO2010074019 - METHOD AND APPARATUS FOR PURIFYING PARAFFIN

Document

明 細 書

発明の名称 パラフィンの精製方法および精製装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

発明の開示

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054  

実施例

0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : パラフィンの精製方法および精製装置

技術分野

[0001]
 本発明は、プロパンなどの低級パラフィン(炭素数2~6のパラフィン)を主成分とする原料からパラフィンを濃縮精製するための方法および装置に関する。

背景技術

[0002]
 低級パラフィンの一例であるプロパンは、半導体などの電子材料分野で利用され、かかる用途については、プロパンは可能な限り高純度であることが要求される。
[0003]
 高純度化の原料として用いるプロパンを主成分とする原料ガスには、不純物として例えばプロピレンが含まれている。この原料ガスからプロパンガスを精製する方法としては、例えば、蒸留による方法、膜分離による方法、あるいは、吸着分離による方法などが知られている。
[0004]
 蒸留による方法では、プロパンとプロピレンの沸点が近いため(沸点差4.9℃)、その分離に多理論段数を必要とする。したがって、大規模な設備と精密な蒸留条件の設定が必要であり、このことは蒸留法による高純度プロパンの精製法を工業的に実用化するうえで多大な障壁となっている。
[0005]
 膜分離による方法においては、ワンパスでの精製効率が低いため、分離膜を複数回通すことにより高純度プロパンを得ることが可能であるが、プロパンの純度を高めようとすると、その回収率は非常に低くなる(例えば、特許文献1を参照)。
[0006]
 吸着分離では、硝酸銀を添着したシリカゲルを吸着剤として用いる方法(下記非特許文献1を参照)、硝酸銀を添着したシリカゲルやAlPO-14を吸着剤として用いる方法(下記非特許文献2を参照)、硝酸銀を添着したシリカゲルやゼオライト4Aを吸着剤として用いる方法(下記非特許文献3を参照)などが知られている。しかしながら、吸着剤を用いる方法では、高純度プロパンを高回収率で得ることは難しい。これは、例えば、硝酸銀が添着されていない部位においてプロパンが吸着されるなどして、プロピレンに対する選択吸着性が充分でないことによるものと考えられる。
[0007]
 このように、原料ガスから高純度プロパンを得る方法については多くの方法が考えられるが、原料ガスに対するプロパンの回収率と、得られるプロパンの純度との間には、トレードオフの関係がある。
特許文献1 : 特表2006-508176号公報
非特許文献1 : 論文New sorbents for olefin/paraffin separations by adsorption via π-complexation:synthesis and effects of substrates, Joel Padin, Ralph T. Yang, Chemical Engineering Science 55(2000)2607-2616
非特許文献2 : 論文Propane/propylene separation by pressure swing adsorption:sorbent comparison and multiplicity of cyclic steady states,Salil U.Rege,Ralph T.Yang、Chemical Engineering Science 57(2002)1139-1149
非特許文献3 : 論文Molecular sieve sorbents for kinetic separation of propane/propylene, Joel Padin, Salil U.Rege, Ralph T.Yang, Linda S. Cheng, Chemical Engineering Science 55(2000)4525-4535

発明の開示

[0008]
 本発明は、このような事情の下で考え出されたものであり、プロパンなどの炭素数2~6のパラフィンおよびプロピレンなどの炭素数2~6のオレフィンを含む原料からパラフィンを精製するにあたり、得られるパラフィンについて純度を高くし、かつ回収率を高めることを目的としている。
[0009]
 本発明の第1の側面によって提供されるパラフィンの精製方法は、炭素数2~6のパラフィンおよび炭素数2~6のオレフィンを含む原料からパラフィンを精製するための方法であって、第1の温度および第1の圧力下において、銀イオンを含有する吸収液に上記原料を接触させて、上記吸収液に上記原料中のオレフィンを優先的に吸収させつつ当該吸収液に吸収されなかった非吸収ガスを回収する第1工程と、第2の温度および第2の圧力下において、上記第1工程を経た上記吸収液からガス成分を放散させて排出する第2工程と、を含み、上記第1工程に付される上記吸収液と上記第2工程に付される上記吸収液とを循環させながら、上記第1工程と上記第2工程とを並行して連続的に行うことを特徴としている。
[0010]
従来の知見によれば、二重結合を有するオレフィンは銀イオンと錯体を形成するが、パラフィンは銀イオンに対して錯体を形成しない。この化学的性質により、一定条件の下では、銀イオンを含む吸収液(例えば硝酸銀水溶液)に対するオレフィンの溶解度が当該吸収液に対するパラフィンの溶解度よりも相当に大きいことも知られている。本発明者は、銀イオンを含有する吸収液に対するパラフィンおよびオレフィンの溶解度差を利用して、低級パラフィン(例えば炭素数2~6のパラフィン)および低級オレフィン(例えば炭素数2~6のオレフィン)を含む原料から高純度のパラフィンを高回収率で得る方法について鋭意検討したところ、吸収液に原料ガスを吸収させる操作(第1工程)と、当該吸収液から溶存ガスを放散させて排出する操作(第2工程)とを並行して連続的に行うことにより、パラフィンが高純度でかつ高回収率で得られることを見出して本発明を完成させるに到ったものである。なお、炭素数2~6のパラフィンおよび炭素数2~6のオレフィンは、水よりも沸点が低いことから、吸収液と上記パラフィンおよびオレフィンとを混合した際に上記パラフィンおよびオレフィンが優先して沸騰してガス状態になりうる。
[0011]
 好ましくは、上記吸収液は、硝酸銀水溶液である。
[0012]
 好ましくは、上記第2の圧力は、上記第1の圧力よりも低くされる。
[0013]
 好ましくは、上記第2の温度は、上記第1の温度よりも高くされる。
[0014]
 好ましくは、上記第1工程における上記原料と上記吸収液との接触は、向流接触により行う。
[0015]
 上記炭素数2~6のパラフィンとしては、エタン、プロパン、シクロプロパン、n-ブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、メチルシクロブタン、ジメチルシクロプロパン、n-ヘキサン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、1,2-ジメチルシクロブタンおよびトリメチルシクロプロパンなどが挙げられる。
[0016]
上記炭素数2~6のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、シクロプロペン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、シクロブテン、1-メチルシクロプロペン、2-メチルシクロプロペン、メチリデンシクロプロパン、イソブチレン、1,3-ブタジエン、1,2-ブタジエン、シクロペンテン、2-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、2-メチル-2-ブテン、1,4-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、シクロペンテン、メチレンシクロブタン、ビニルシクロプロパン、3-メチル-1,2-ブタジエン、1,2-ペンタジエン、イソプレン、2,3-ペンタジエン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、3,3-ジメチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-2-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ペンテン、3-メチル-2-ペンテン、4-メチル-2-ペンテン、2-エチル-1-ブテン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、2,4-ヘキサジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,4-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、シクロヘキセン、1,3-ヘキサジエン、2,4-ヘキサジエン、1-メチル-1-シクロペンテン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,4-ペンタジエンおよびメチレンシクロペンタンなどが挙げられる。
[0017]
 本発明の第2の側面によって提供されるパラフィンの精製装置は、炭素数2~6のパラフィンおよび炭素数2~6のオレフィンを含む原料からパラフィンを精製するための装置であって、第1の温度および第1の圧力下において、銀イオンを含有する吸収液に上記原料を接触させて、上記吸収液に上記原料中のオレフィンを優先的に吸収させつつ当該吸収液に吸収されなかった非吸収ガスを回収するための吸収塔と、第2の温度および第2の圧力下において、オレフィンを吸収した上記吸収液からオレフィンを放散させて排出するための放散塔と、上記吸収塔内の上記吸収液と上記放散塔内の上記吸収液とを循環させるための循環手段と、を備える。このような構成の精製装置によると、本発明の第1の側面のパラフィンの精製方法を適切に行うことができる。
[0018]
 本発明の好適な実施形態によれば、上記吸収塔は、上記吸収液の一部を受容する塔本体と、当該塔本体の下部において上記吸収液に原料を供給するガス導入管と、上記塔本体の下部から上記オレフィンを吸収した上記吸収液を取り出すための吸収液導出管と、上記塔本体の上部から上記吸収液に吸収されなかった上記パラフィンを取り出すためのガス導出管と、を備えており、上記放散塔から循環された吸収液は、上記ガス導出管を介して上記塔本体に戻される。
[0019]
 本発明の別の好適な実施形態によれば、上記吸収塔は、上記吸収液の一部を受容する塔本体と、当該塔本体に受容された上記吸収液よりも上方において上記塔本体に充填された充填部と、上記塔本体に受容された上記吸収液及び上記充填部塔の間において原料を供給するガス導入管と、上記塔本体の下部から上記オレフィンを吸収した上記吸収液を取り出すための吸収液導出管と、上記充填部にて上記吸収液に吸収されなかった上記パラフィンを取り出すためのガス導出管と、を備えており、上記放散塔から循環された吸収液は、上記充填部を下方に通過するように上記塔本体に戻される。
[0020]
 本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 本発明に係るパラフィン精製装置の概略構成図である。
[図2] 本発明に係る吸収塔の概略構成図である。

発明を実施するための形態

[0022]
 以下、本発明の好ましい実施の形態として、炭素数2~6のパラフィンおよび炭素数2~6のオレフィンを含む原料からパラフィンを濃縮精製する方法について、図面を参照して具体的に説明する。
[0023]
 図1は、本発明に係る好適な実施形態に係るパラフィン精製装置Xの概略構成図である。パラフィン精製装置Xは、ボンベYから供給される粗パラフィンから純度の高められたパラフィンを精製するように構成されたものである。パラフィン精製装置Xは、吸収塔1と、放散塔2と、流量調整器3と、ミスト除去器4,5と、流量制御弁6と、ポンプ7と、ガス回収口8と、ガス排出口9と、これら部品を連結する配管とを備える。
[0024]
 ボンベYは、粗パラフィンを原料ガスとしてパラフィン精製装置Xに供給するために、高圧条件で粗パラフィンが封入されている。精製すべきパラフィンがプロパンである場合、ボンベYに封入される原料ガス(粗パラフィン)は、例えば主成分としてプロパンを含み、不純物としてプロピレンを含む。以下の説明において、パラフィンがプロパンである場合について例示する。
[0025]
 吸収塔1は、原料ガスを吸収液に接触させるためのものであり、塔本体1A、ガス導入管1b、吸収液導出管1c、およびガス導出管1dを有している。塔本体1Aは密閉容器であり、その内部には銀イオン含有溶液からなる吸収液が受容されている。吸収液としては、例えば所定の濃度に調製された硝酸銀水溶液が挙げられる。ガス導入管1bは、ボンベYから供給された原料ガスを塔本体1A内部に導入するものであり、その端部が塔本体1Aの下部において吸収液中で開放している。ガス導入管1bの開放端部としては、例えば単管方式や散気管方式を採用することができる。吸収液導出管1cは、塔本体1A内の吸収液を塔外へ導出するものであり、その端部が塔本体1Aの下部において吸収液中で開放している。ガス導出管1dは、吸収液に吸収されなかったガス(非吸収ガス)を塔外へ導出するものであり、塔本体1Aの上部に接続されている。
[0026]
 このような構成を有する吸収塔1としては、例えば、公知の気泡塔、充填塔、濡れ壁塔、スプレー塔、スクラバー、棚段塔などを採用することができる。また、吸収塔1には、塔本体1A内の吸収液を所望の温度に維持するための温度調整機構(図示せず)が取り付けられている。温度調整機構は、例えば、気体または液体からなる温調媒体を塔本体1Aの周囲に通流させるジャケットを備える。
[0027]
 放散塔2は、吸収塔1内において吸収液に吸収されたガス成分を放散させるためのものであり、塔本体2A、吸収液導入管2b、吸収液導出管2c、およびガス導出管2dを有している。塔本体2Aは密閉容器であり、その内部には所定量の吸収液を受容可能とされている。吸収液導入管2bは、吸収塔1から導出される吸収液を塔本体2A内に導入するものであり、その端部が塔本体2A内の上部空間において開放している。また、吸収液導入管2bは、配管L1および流量制御弁6を介して吸収塔1の吸収液導出管1cに連結されている。
[0028]
 吸収液導出管2cは、放散塔2内の吸収液を塔外へ導出するものであり、その端部が吸収液中の下部において開放している。また、吸収液導出管2cは、配管L2およびポンプ7を介して吸収塔1のガス導出管1dの中間部に対して連結されている。ポンプ7は、放散塔2内の吸収液をガス導出管1d側に送出する。上記の吸収液導出管1c、配管L1、流量制御弁6、吸収液導入管2b、吸収液導出管2c、配管L2、ポンプ7、およびガス導出管1dは、吸収塔1と放散塔2との間で吸収液の循環するための循環手段を構成する。ガス導出管2dは、吸収液から放散された放散ガスを放散塔2外へ導出するものであり、塔本体2Aの上部に連結されている。
[0029]
 このような構成を有する放散塔2としては、吸収液が分散させられるものが好適であり、例えば公知の充填塔、スプレー塔などが挙げられる。また、放散塔2には、塔本体2A内の吸収液を所望の温度に維持するための温度調整機構(図示せず)が取り付けられている。温度調整機構は、例えば、気体または液体からなる温調媒体を塔本体1Aの周囲に通流させるジャケットを備える。
[0030]
 流量調整器3は、ボンベYから供給された原料ガスを所定の流量に制御する。
[0031]
 ミスト除去器4は、吸収塔1のガス導出管1dに連結されており、ガス導出管1dを介して導出される非吸収ガスに含まれるミストを分離する。ミスト除去器4には、当該ミスト除去器4を通過したガスをガス回収口8に導くための配管L3が連結されている。配管L3には、背圧弁10および圧力計11が設けられている。背圧弁10は、吸収塔1の内部が所定の圧力となるように開度が制御される。
[0032]
 ミスト除去器5は、放散塔2のガス導出管2dに連結されており、ガス導出管2dを介して導出される放散ガスに含まれるミストを分離するためのものである。ミスト除去器5には、当該ミスト除去器5を通過したガスをガス排出口9に導くための配管L4が連結されている。配管L4には、背圧弁12および圧力計13が設けられている。背圧弁12は、放散塔2の内部が所定の圧力となるように開度が制御される。
[0033]
 以上の構成を有するパラフィン精製装置Xを使用して本発明のパラフィン精製方法を実行する際には、ボンベYから流量調整器3およびガス導入管1bを介して吸収塔1の塔本体1A内に原料ガスを供給し続ける。
[0034]
 上述したように、精製すべきパラフィンがプロパンの場合には、原料ガスは主成分としてプロパンを含み且つ不純物としてプロピレンを含む。ボンベYから供給される原料ガスのプロパン濃度およびプロピレン濃度は、それぞれ、モル比にして例えば、98~99.5%、0.5~2.0%である。吸収塔1への原料ガスの供給量は、例えば塔断面積1m 2あたり1dm 3/s~100dm 3/sであり、実験室規模であれば、例えば40~4000cm 3/min程度である。
[0035]
 吸収塔1の塔本体1A内では、ガス導入管1bの端部から原料ガスが放出されると、当該原料ガスは、吸収液と接触することにより、徐々に吸収液に吸収される。ここで、吸収液(例えば硝酸銀水溶液)に対するオレフィン(プロピレン)の溶解度はパラフィン(プロパン)の溶解度に比べて相当に大きいので、原料ガス中のオレフィン(プロピレン)が優先的に吸収液に吸収される。このため、原料ガスが吸収されながら吸収液中を上昇するにつれて、当該ガス中においてはオレフィン濃度(プロピレン濃度)が低下する一方、パラフィン濃度(プロパン濃度)が上昇する。
[0036]
 その一方、塔本体1A内の吸収液についてみた場合、吸収塔1内で原料ガスを吸収した吸収液が塔本体1Aの下部から吸収液導出管1cを介して所定流量で吸収塔1外へ流出する反面、後述の放散塔2内でガス成分を放散した吸収液がポンプ7およびガス導出管1dを通じて塔本体1Aの上部から塔内へ流入する。これにより、塔本体1A内の吸収液(液浴)においては、降下する流れが生じている。したがって、ガス導入管1bから放出された原料ガスは、吸収液と向流接触させられ、吸収されなった非吸収ガスが塔本体1Aの上部空間へ吹き抜ける。非吸収ガスは、ガス導出管1dを介してミスト除去器4に送られ、液成分が分離除去されたうえで、配管L3およびガス回収口8を通じて系外で回収される。ミスト除去器4によって分離された液成分は、液滴となってガス導出管1dを通じて落下し、吸収塔1内に戻る。
[0037]
 ここで、吸収塔1内の吸収液(例えば硝酸銀水溶液)については、硝酸銀濃度が高いほうが単位体積・単位時間あたりのオレフィンの吸収量が多くなるので好ましい。オレフィンがプロピレンの場合、実用上の観点から、硝酸銀水溶液の濃度は、例えば1~6mol/dm 3の範囲とされ、より好ましくは3~5mol/dm 3とされる。硝酸銀水溶液の温度については、低温であるほうがプロピレンの吸収量が多くなるので有利であり、例えば0~60℃の範囲とされ、より好ましくは0~40℃とされる。塔本体1Aの内部圧力については、一定範囲では高圧であるほうがプロピレンの吸収量が多くなるので好ましい。実用上の観点から、塔本体1Aの内部圧力は、例えば0.1~0.8MPa(ゲージ圧)とされる。
[0038]
 このようにして、吸収塔1では、供給され続ける原料ガスが吸収液と接触することにより原料ガス中のオレフィン(プロピレン)が優先的に吸収液に吸収される一方、非吸収ガスが塔外で回収される。ここで、当該非吸収ガスは、原料ガス中のオレフィン(プロピレン)が優先的に吸収された吸収液から回収されたものであるので、原料ガスよりもパラフィン(プロパン)濃度が高まっている。
[0039]
 吸収塔1内で原料ガスを吸収した吸収液は、吸収塔1の内部圧力と放散塔2の内部圧力との圧力差によって、吸収液導出管1c、配管L1、流量制御弁6、吸収液導入管2bを介して放散塔2の塔本体2Aへ流入する。前記圧力差が小さい場合は、ポンプを用いて吸収液を移送してもよい。このとき塔本体2A内への吸収液の流入量は流量制御弁6によって調整されており、例えば塔断面1m 2あたり0.1~10dm 3/sであり、実験室規模であれば、例えば5~500cm 3/min程度とされる。
[0040]
 塔本体2A内においては、吸収液に吸収されていたガス成分が放散する。当該ガス成分を効率よく放散させる観点から、塔本体2Aの内部温度は吸収塔1に比べて高くされている方が好ましく、内部圧力は吸収塔1に比べて低くされている方が好ましい。塔本体2A内の吸収液の温度は、例えば10~70℃とされ、より好ましくは20~70℃とされる。塔本体2Aの内部圧力は、オレフィンがプロピレンの場合、例えば、-0.09~0.3MPa(ゲージ圧)とされ、より好ましくは0~0.3MPa(ゲージ圧)とされる。ここで、吸収液から放散された放散ガス(主としてプロピレン)は、ガス導出管2dを介してミスト除去器5に送られ、液成分が除去されたうえで、配管L4およびガス排出口9を通じて排出される。なお、ミスト除去器5によって分離された液成分は、液滴となってガス導出管2dを通じて落下し、放散塔2内に戻る。
[0041]
 ガス成分が放散した吸収液は、吸収液導出管2cを通じてポンプ7によってガス導出管1dへと送出され、その後、吸収塔1の塔本体1A内に落下する。このとき、ポンプ7によって送出される吸収液の流量は、吸収塔1から流量制御弁6を経て放散塔2へ流入する吸収液の流量と同程度とされている。これにより、吸収塔1内の吸収液と放散塔2内の吸収液とは、相互に所定流量で循環している(循環工程)。
[0042]
 このようにして、放散塔2では、所定流量で流入し続ける吸収液のガス成分が放散するとともに放散ガス(主としてプロピレン)が塔外に排出される。
[0043]
 以上のようにして、不純物としてオレフィン(プロピレン)を含む粗パラフィン(プロパン)を原料ガスとして精製することにより高純度のパラフィン(プロパン)を得ることができる。
[0044]
 硝酸銀水溶液に対するプロピレンの溶解度は、文献(論文Solubility of Propylene in Aqueous Silver Nitrate, I.H. Cho, D.L. Cho, H.K. Yasuda, and T. R. Marrero, J.Chem.Eng.Data 1995,40, 102-106)に詳細に示されている。この文献中には、硝酸銀水溶液に対するプロパンの溶解度が小さいことも示されている。
[0045]
 本発明者らは、上記文献に記載されているプロパン及びプロピレンの硝酸銀水溶液に対する気液相平衡を利用して、バッチ法により、不純物としてプロピレンを含む粗プロパンからプロパンを精製する方法について、その効果を確認した。具体的には、硝酸銀水溶液を仕込んだ容器内に粗プロパンを導入し、硝酸銀水溶液にプロピレンを吸収させた後、前記容器内の気相成分(非吸収ガス成分)を分析した。その結果、気相中にもプロピレンが微量ではあるが、含まれることがわかった。また、高純度プロパン(例えば、純度99.99%以上)を得るためには、硝酸銀水溶液に対する粗プロパンの導入量を少なくする必要があり、工業的に有用な方法でないこともわかった。そこで、本発明者らはプロパンの回収率を高く保ちながら高純度プロパンが得られる方法について、工業的にも有用な方法の開発を鋭意検討し、本発明に至った。
[0046]
本発明によって、オレフィンを含む粗パラフィンから、効率的にパラフィンを精製して、高純度のパラフィンの回収率を高められる理由は、明らかではないが、例えば、以下の理由が考えられる。本実施形態によれば、オレフィンを含む粗パラフィン(原料ガス)は、吸収塔1の塔本体1A内の下方から導入され、硝酸銀水溶液にオレフィンが優先的に吸収されながら、上方へ吹き抜ける。従って、塔本体1A内の硝酸銀水溶液の上方の気液界面付近におけるオレフィン濃度は、塔本体1A内の下方のものより低くなっていると考えられる。ここで、塔本体1A内の下方において、オレフィン濃度の比較的高い硝酸銀水溶液は、放散塔2の塔本体2A内へ連続して送られてオレフィンが放散された後、オレフィン濃度の低い硝酸銀水溶液が、吸収塔1の塔本体1A内の上方より戻ることになるため、塔本体1A内の硝酸銀水溶液の下方と上方におけるオレフィン濃度差は、維持されているものと考えられる。一方、吸収塔1の塔本体1A内の気相のオレフィン濃度は、硝酸銀水溶液の気液界面付近のオレフィン濃度に依存するものと考えられ、バッチ法のように硝酸銀水溶液のオレフィン濃度が均一である場合と比較して、高純度のパラフィンが効率的に得られるものと考えられる。
[0047]
 本実施形態のように吸収液(例えば硝酸銀水溶液)に対する原料ガス中の不純物(オレフィン)の吸収および放散を連続的に並行して行う連続式の場合において、塔内の温度、圧力、原料ガス供給態様、吸収液の態様(濃度、使用量、循環流量)などの諸条件を整えれば、高純度のパラフィンを高回収率で得ることができる。
[0048]
 本発明によれば、目的に応じて、上記諸条件を整えることにより、種々の濃度の粗パラフィンを原料として、純度の高いパラフィンを高回収率で得ることができる。例えば、純度99.5%の粗パラフィンを原料として、純度99.95%以上の高純度パラフィンを回収率95%以上で得ることができる。また、例えば、純度90%の粗パラフィンを原料として、純度99%以上の純度の高いパラフィンを回収率90%以上で得ることができる。また、例えば、純度50%の粗パラフィンを原料として、純度95%以上の純度を高められたパラフィンを回収率80%以上で得ることができる。
[0049]
 以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るパラフィンの精製装置、および本発明に係るパラフィンの精製方法の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲で種々に変更が可能である。
[0050]
 例えば、吸収塔1における原料ガスと吸収液との接触方法については、必ずしも向流接触にする必要がなく、吸収液導出管1cを吸収液の液浴の上部において開放するように設けてもよい。この場合、吸収液と原料ガスが向流で接触する部分は、吸収液導出管1cの端部より上位にある僅かな範囲となるが、かかる態様でも高純度のパラフィンを高回収率で得ることができる。
[0051]
 また、図1に示されるパラフィン精製装置Xにおける吸収塔1について、塔本体1A(気泡塔)に代えて図2に示す塔本体1B(充填塔)を用いることもできる。塔本体1Bにおいては、塔内の上部寄りに充填物Fが詰め込まれており、放散塔2から送出される吸収液を塔内に導入するための配管L2は、充填物Fの上部において開放している。ガス導入管1bの端部は、塔内の中央空間において開放している。塔本体1B内においてガス導入管1bの端部から原料ガスが放出されると、当該原料ガスは、配管L2を介して導入される吸収液と充填物Fの表面において効率よく向流接触し、徐々に吸収液に吸収される。
[0052]
 上記実施形態においては、パラフィンがプロパンである場合を適宜例示したが、本発明でいうパラフィンとしては、炭素数2~6のパラフィンであればよい。上記パラフィンには、不純物として、沸点が近いオレフィンが含まれる。沸点が近いパラフィンおよびオレフィンとしては、例えば、炭素数が同一であるものが挙げられる。二重結合を有するオレフィンは、プロピレンと同様に銀イオンと錯体を形成することから、プロピレンについて上述したのと同様の効果を得ることができる。
[0053]
 また、炭素数が5または6のパラフィンおよびオレフィンは、炭素数が2~4のパラフィンおよびオレフィンに比べて沸点が高く(例えば、C6のn-ヘキサン、1-ヘキセンが各々68.7℃、63.5℃、C5のn-ペンタン、1-ペンテンが各々36.0℃、30.1℃)、常温においては液体である。この場合、原料は液体のまま吸収塔1の塔本体1A内に導入されてもよいし、加温してガス状で導入されてもよい。塔本体1A内の温度を対象となるオレフィンが優先的に吸収液に吸収され、対象となるパラフィンの沸点以上の温度に維持しておくことにより、吸収塔1A内で当該パラフィンがガス化して排出され、当該オレフィンが優先的に吸収液に吸収される。また、放散塔2の塔本体2A内は、吸収液に吸収された当該オレフィンが放散する温度、圧力とされる。例えば、塔本体1A内と塔本体2A内が同じ圧力の場合では、塔本体2A内の温度は、塔本体1A内の温度より高くされる。
[0054]
 一例として、原料にn-ヘキサンと1-ヘキセンを含む場合、塔本体1A内の温度は、n-ヘキサンの沸点(68.7℃)以上にする必要があり、例えば75℃とする。n-ヘキサンは大半が吸収されずガス状で吸収塔1から非吸収ガスとして放出され、高純度のn-ヘキサンとして回収することができる。1-ヘキセンは塔本体1A内では沸点以上であるが銀錯体となっているため、大半は吸収液に吸収されており、1-ヘキセンを溶解した吸収液は放散塔2に送られる。放散塔2の塔本体2A内は、吸収塔1の塔本体1A内より高温(例えば85℃)とし、1-ヘキセンがガスとして放出され、排出される。
実施例
[0055]
 次に、本発明の有用性を実施例により説明する。
[0056]
 〔実施例1〕
 本実施例においては、図1に示されたパラフィン精製装置Xを使用し、原料ガスを粗プロパンガスとして、原料ガスからプロパンを精製した。
[0057]
 本実施例では、吸収塔1の塔本体1A(気泡塔)および放散塔2の塔本体2Aとしてそれぞれステンレス製の円筒管(内径54.9mm×高さ500mm:容積1185cm 3)を用いた。吸収液として、吸収塔1の塔本体1A内に3mol/dm 3の硝酸銀水溶液を735cm 3(水深310mm)受容させ、放散塔2の塔本体2A内に同濃度の硝酸銀水溶液を355cm 3(水深150mm)受容させた。吸収塔1における条件としては、塔本体1Aの内部圧力が0.6Mpa(ゲージ圧)、内部温度が15℃となるように調製された。放散塔2における条件としては、塔本体2Aの内部圧力が0Mpa(ゲージ圧)、内部温度が50℃となるように調製された。塔本体1A,2A内に受容された硝酸銀水溶液は、19cm 3/minの流量で塔本体1A,2A間を循環させた。吸収塔1Aに供給される原料ガスとしては、プロパン濃度が99.5%、プロピレン濃度が0.5%のものを用いた。原料ガスの供給量は、300cm 3/minの流量であった。
[0058]
 定常稼動時における吸収塔1からの精製ガスを分析した結果を表1に示す。本実施例では、吸収塔1からは精製ガスとして純度99.96%の高純度プロパンガス(プロピレン濃度350ppm)が298.60cm 3/min、回収率99.53%で得られた。また、放散塔2からはプロピレンが1.40cm 3/min、廃棄率0.47%で排出した。
[0059]
 〔実施例2〕
 本実施例においては、図1に示すパラフィン精製装置Xにおける吸収塔1について、塔本体1A(気泡塔)に代えて図2に示す塔本体1B(充填塔)を用いた。
[0060]
 本実施例では、吸収塔1の塔本体1Bとしてステンレス製の円筒管(内径28.4mm×高さ1000mm:容積633cm 3)を用い、塔内部には充填物Fとして1/4inchインタロックスサドル(interlox saddle)を507cm 3(800mm高さ)充填した。吸収塔1の塔本体1B内に3mol/dm 3の硝酸銀水溶液を317cm 3(水深500mm)受容させ、放散塔2の塔本体2A内に同濃度の硝酸銀水溶液を127cm 3(水深200mm)受容させた。吸収塔1における条件としては、塔本体1Bの内部圧力が0.6MPa(ゲージ圧)、内部温度が15℃となるように調整された。放散塔2における条件としては、塔本体2Aの内部圧力が0MPa(ゲージ圧)、内部温度が50℃となるように調整され、塔本体1B,2A内に受容された硝酸銀水溶液は、19cm 3/minの流量で塔本体1B,2A間を循環させた。吸収塔1Bに供給される原料ガスとしては、プロパン濃度が99.5%、プロピレン濃度が0.5%のものを用いた。原料ガスの供給量は、300cm 3/minの流量であった。
[0061]
 定常稼動時における吸収塔1からの精製ガスを分析した結果を表1に示す。本実施例では、吸収塔1からは精製ガスとして純度99.96%の高純度プロパンガス(プロピレン濃度320ppm)が298.60cm 3/min、回収率99.53%で得られた。また、放散塔2からはプロピレンが1.40cm 3/min、廃棄率0.47%で排出した。
[0062]
 〔実施例3〕
 本実施例においては、実施例2と同一のプロパン精製装置を使用し、実施例2とは異なる条件で、原料ガスからプロパンを精製した。
[0063]
 本実施例では、吸収塔1の塔本体1B内に3mol/dm 3の硝酸銀水溶液を317cm 3(水深500mm)受容させ、放散塔2の塔本体2A内に同濃度の硝酸銀水溶液を127cm 3(水深200mm)受容させた。吸収塔1における条件としては、塔本体1Bの内部圧力が0.6MPa(ゲージ圧)、内部温度が25℃となるように調整された。放散塔2における条件としては、塔本体2Aの内部圧力が0MPa(ゲージ圧)、内部温度が50℃となるように調整された。塔本体1B,2A内に受容された硝酸銀水溶液は、19cm 3/minの流量で塔本体1B,2A間を循環させた。吸収塔1Bに供給される原料ガスとしては、プロパン濃度が99.5%、プロピレン濃度が0.5%のものを用いた。原料ガスの供給量は、300cm 3/minの流量であった。
[0064]
 定常稼動時における吸収塔1からの精製ガスを分析した結果を表1に示す。本実施例では、吸収塔1からは精製ガスとして純度99.95%の高純度プロパンガス(プロピレン濃度500ppm)が298.65cm 3/min、回収率99.55%で得られた。また、放散塔2からはプロピレンが1.35cm 3/min、廃棄率0.45%で排出した。
[0065]
 〔実施例4〕
 本実施例においては、実施例2および3と同一のプロパン精製装置を使用し、実施例2および3とは異なる条件で、原料ガスからプロパンを精製した。
[0066]
 本実施例では、吸収塔1の塔本体1B内に5mol/dm 3の硝酸銀水溶液を317cm 3(水深500mm)受容させ、放散塔2の塔本体2A内に同濃度の硝酸銀水溶液を127cm 3(水深200mm)受容させた。吸収塔1における条件としては、塔本体1Bの内部圧力が0.6MPa(ゲージ圧)、内部温度が15℃となるように調整された。放散塔2における条件としては、塔本体2Aの内部圧力が0MPa(ゲージ圧)、内部温度が50℃となるように調整された。塔本体1B,2A内に受容された硝酸銀水溶液は、19cm 3/minの流量で塔本体1B,2A間を循環させた。吸収塔1Bに供給される原料ガスとしては、プロパン濃度が99.5%、プロピレン濃度が0.5%のものを用いた。原料ガスの供給量は、300cm 3/minの流量であった。
[0067]
 定常稼動時における吸収塔1からの精製ガスを分析した結果を表1に示す。本実施例では、吸収塔1からは精製ガスとして純度99.98%の高純度プロパンガス(プロピレン濃度200ppm)が298.56cm 3/min、回収率99.52%で得られた。また、放散塔2からはプロピレンが1.44cm 3/min、廃棄率0.48%で排出した。
[0068]
[表1]


[0069]
 〔実施例5〕
 本実施例では、実施例2~4と同一の精製装置を使用し、原料を粗n-ヘキサンとして精製した。
[0070]
 本実施例においては、吸収液として、吸収塔1の塔本体1B内に5mol/dm 3の硝酸銀水溶液を317cm 3(水深500mm)受容させ、放散塔2の塔本体2A内に同濃度の硝酸銀水溶液を127cm 3(水深200mm)受容させた。吸収塔1における条件としては、塔本体1Bの内部圧力が0.0MPa(ゲージ圧)、内部温度が75℃となるように調整された。放散塔2における条件としては、塔本体2Aの内部圧力が0.0MPa(ゲージ圧)、内部温度が85℃となるように調整された。塔本体1B,2A内に受容された硝酸銀水溶液は、19cm 3/minの流量で塔本体1B,2A間を循環させた。吸収塔1に供給される原料ガスとしては、原料を加温してガス化し、n-ヘキサン濃度が99.5%、1-ヘキセン濃度が0.5%のものを用いた。原料ガスの供給量は、200cm 3/min(75℃)の流量であった。
[0071]
 定常稼動時における吸収塔1からの精製ガスを分析した結果を表2に示す。本実施例では、放散塔2からは精製ガスとして純度99.95%の高純度n-ヘキサンガス(1-ヘキセン濃度500ppm)が198cm 3/min(75℃)、回収率99.00%で得られた。また、放散塔2からは1-ヘキセンガスが2.06cm 3/min(85℃)、廃棄率1.00%で排出した。
[0072]
[表2]


請求の範囲

[請求項1]
 炭素数2~6のパラフィンおよび炭素数2~6のオレフィンを含む原料からパラフィンを精製するための方法であって、
 第1の温度および第1の圧力下において、銀イオンを含有する吸収液に上記原料を接触させて、上記吸収液に上記原料中のオレフィンを優先的に吸収させつつ当該吸収液に吸収されなかった非吸収ガスを回収する第1工程と、
 第2の温度および第2の圧力下において、上記第1工程を経た上記吸収液からガス成分を放散させて排出する第2工程と、を含み、
 上記吸収液を上記第1工程と上記第2工程との間で循環させながら、上記第1工程と上記第2工程とを並行して連続的に行うことを特徴とする、パラフィンの精製方法。
[請求項2]
 上記吸収液は、硝酸銀水溶液である、請求項1に記載のパラフィンの精製方法。
[請求項3]
 上記第2の圧力は、上記第1の圧力よりも低くされる、請求項1または2に記載のパラフィンの精製方法。
[請求項4]
 上記第2の温度は、上記第1の温度よりも高くされる、請求項1ないし3のいずれかに記載のパラフィンの精製方法。
[請求項5]
 上記第1工程における上記原料と上記吸収液との接触は、向流接触により行う、請求項1ないし4のいずれかに記載のパラフィンの精製方法。
[請求項6]
 上記パラフィンは、エタン、プロパン、シクロプロパン、n-ブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、メチルシクロブタン、ジメチルシクロプロパン、n-ヘキサン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、1,2-ジメチルシクロブタンおよびトリメチルシクロプロパンからなるグルーブより選択される、請求項1ないし5のいずれかに記載のパラフィンの精製方法。
[請求項7]
上記オレフィンは、エチレン、プロピレン、シクロプロペン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、シクロブテン、1-メチルシクロプロペン、2-メチルシクロプロペン、メチリデンシクロプロパン、イソブチレン、1,3-ブタジエン、1,2-ブタジエン、シクロペンテン、2-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、2-メチル-2-ブテン、1,4-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、シクロペンテン、メチレンシクロブタン、ビニルシクロプロパン、3-メチル-1,2-ブタジエン、1,2-ペンタジエン、イソプレン、2,3-ペンタジエン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、3,3-ジメチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-2-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ペンテン、3-メチル-2-ペンテン、4-メチル-2-ペンテン、2-エチル-1-ブテン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、2,4-ヘキサジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,4-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、シクロヘキセン、1,3-ヘキサジエン、2,4-ヘキサジエン、1-メチル-1-シクロペンテン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,4-ペンタジエンおよびメチレンシクロペンタンからなるグルーブより選択される、請求項1ないし6のいずれかに記載のパラフィンの精製方法。
[請求項8]
 炭素数2~6のパラフィンおよび炭素数2~6のオレフィンを含む原料からパラフィンを精製するための装置であって、第1の温度および第1の圧力下において、銀イオンを含有する吸収液に上記原料を接触させて、上記吸収液に上記原料中のオレフィンを優先的に吸収させつつ当該吸収液に吸収されなかった非吸収ガスを回収するための吸収塔と、
 第2の温度および第2の圧力下において、オレフィンを吸収した上記吸収液からオレフィンを放散させて排出するための放散塔と、
 上記吸収塔内の上記吸収液と上記放散塔内の上記吸収液とを相互に循環させるための循環手段と、を備える、パラフィンの精製装置。
[請求項9]
 上記吸収塔は、上記吸収液の一部を受容する塔本体と、当該塔本体の下部において上記吸収液に原料を供給するガス導入管と、上記塔本体の下部から上記オレフィンを吸収した上記吸収液を取り出すための吸収液導出管と、上記塔本体の上部から上記吸収液に吸収されなかった上記パラフィンを取り出すためのガス導出管と、を備えており、上記放散塔から循環された吸収液は、上記ガス導出管を介して上記塔本体に戻される、請求項8に記載のパラフィンの精製装置。
[請求項10]
 上記吸収塔は、上記吸収液の一部を受容する塔本体と、当該塔本体に受容された上記吸収液よりも上方において上記塔本体に充填された充填部と、上記塔本体に受容された上記吸収液及び上記充填部塔の間において原料を供給するガス導入管と、上記塔本体の下部から上記オレフィンを吸収した上記吸収液を取り出すための吸収液導出管と、上記充填部にて上記吸収液に吸収されなかった上記パラフィンを取り出すためのガス導出管と、を備えており、上記放散塔から循環された吸収液は、上記充填部を下方に通過するように上記塔本体に戻される、請求項8に記載のパラフィンの精製装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]