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1. WO2007145215 - CARBON PARTICLE HAVING DEPOSITED FINE PARTICLES, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, AND ELECTRODE FOR FUEL CELL

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[ JA ]
明 細書

微粒子担持カーボン粒子およびその製造方法ならびに燃料電池用電極 技術分野

[0001] 本特許出願は、日本国特許出願第 2006— 164095号(2006年 6月 13日出願)に 基づくパリ条約上の優先権を主張するものであり、ここに引用することによって、上記 出願に記載された内容の全体は、本明細書の一部分を構成する。

本発明は、微粒子担持カーボン粒子およびその製造方法に関し、さら〖こ詳しくはべ 口ブスカイト型酸ィ匕物粒子の粒子全体にわたって貴金属微粒子が存在するぺロブス カイト型複合金属酸化物微粒子を担持した微粒子担持カーボン粒子およびその製 造方法、ならびに該粒子を含んでなる燃料電池用電極に関する。

背景技術

[0002] 従来、金属粒子、合金粒子、金属酸化物粒子等を担体粒子に担持させたものは、 消臭、抗菌、自動車排ガスの浄化、燃料電池、 NOx還元など、各種触媒として多用 されている。この場合の担体粒子としては主に、酸化チタン、酸ィ匕ジルコニウム、酸ィ匕 鉄、酸ィ匕ニッケル、酸ィ匕コバルトなどの金属酸ィ匕物やカーボン等が用いられている。 特に導電性を持つカーボン粒子を担体として用いた触媒は、燃料電池用電極触媒と して有効なものである。

[0003] 中でも、白金とルテニウムの合金粒子をカーボン担体上に担持させたものや、酸ィ匕 モリブデン、酸ィ匕セリウム等の特定の金属酸ィ匕物粒子を助触媒として、金属白金微 粒子と共にカーボン担体上に担持させたものは、優れた電極用触媒として知られて いる。例えば特許文献 1には、酸ィ匕セリウムや酸ィ匕ジルコニウムなどの耐食性酸ィ匕物 粒子に白金粒子を担持させたものを、カーボン担体上に担持させることにより、白金 粒子同士の凝集を抑えることができると記載されている。また特許文献 2、 3では、ぺ 口ブスカイト型チタン酸ィ匕物粒子表面に白金などの貴金属粒子を担持させ、この貴 金属担持酸ィ匕物のペーストをカーボン膜上に塗布して、電極媒体として使用する例 が挙げられており、ぺロブスカイト型チタン酸ィ匕物が助触媒として働くことにより、その 触媒能が向上することが記載されている。

[0004] 一方、特定のぺロブスカイト型複合金属酸化物は、 NOxを分解する作用を有する ことが知られており、特許文献 4では、これを担体に担持させた NOx接触触媒が提案 されている。特許文献 5には、これらのぺロブスカイト型複合金属酸化物を担体にし て Pt, Pd, Rhなどの貴金属を担持させたものでは、 500°Cを上回る高温においても 優れた触媒作用を持つことが記載されている。

[0005] また、金属化合物粒子を担体表面に担持させる方法としては、主に次のような方法 が挙げられる。

(1)金属コロイド粒子を担体に吸着させる方法。

(2)金属塩水溶液中に担体粒子を分散させ、アルカリ剤により金属水酸化物を担体 表面に沈着させる方法。

(3)あらかじめ微粒子を分散させた微粒子分散液から、微粒子を担体表面に固着さ せる方法。

[0006] このような液相法を用いた公知例としては特許文献 6や特許文献 7がある。このうち 、特許文献 6では、あらカゝじめ白金を担持させたカーボン粒子を他の所定の金属塩 の混合溶液中に分散させて、アルカリ剤によりカーボン粒子に前記金属の水酸ィ匕物 を沈着させ、還元雰囲気下で 1000°C以上に加熱することにより、カーボン粒子に合 金微粒子(白金'モリブデン ·ニッケル ·鉄の 4元素の合金微粒子)を担持させることが 行われている。そこでは、担持された合金微粒子は約 3nm以上とされている。

[0007] また特許文献 7では、五酸ィ匕バナジウムをカーボンに担持させた粒子を得るにあた り、有機バナジウム溶液に有機溶媒を加えることにより、溶媒和させて有機錯体を作 製し、これをカーボンに吸着、担持させる方法がとられている。この場合にはカーボン に担持された五酸ィ匕バナジウムは非晶質となっている。

[0008] そのほか、特許文献 8には、マイクロ波を用いたプラズマ処理により炭素系材料に 金属酸化物粒子を担持させる方法が記載されている。その具体例としては、酸ィ匕チ タン、酸ィ匕ニッケル、酸化コバルトを炭素上に担持させた例が挙げられており、本文 中にはべ口ブスカイト型複合金属酸ィ匕物にも適用できると記載されている。この方法 によれば、酸ィ匕温度が高くて担体である炭素が燃焼してしまうために炭素上に担持さ せることが困難であった金属酸ィ匕物を、炭素系担体上に担持させることができる。た だし、プラズマ処理するために特殊な装置が必要となる。

[0009] 特許文献 1:特開 2004— 363056号公報

特許文献 2:特開 2005 - 50759号公報

特許文献 3:特開 2005 - 50760号公報

特許文献 4:特開平 5— 261289号公報

特許文献 5:特開 2001— 269578号公報

特許文献 6 :特開平 5— 217586号公報

特許文献 7:特開 2000 - 36303号公報

特許文献 8:特開平 11― 28357号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] し力しながら、従来における上記のような金属粒子、合金粒子、金属酸化物粒子あ るいはこれらを担体粒子に担持させたものは、これらを燃料電池などの電極用触媒 に使用した場合において、その耐食性が未だ十分でないという問題があった。例え ば、これまでの金属白金粒子を用いた燃料電池の電極用触媒では、使用過程にお ける金属白金粒子の CO被毒による劣化や、 100°C以上の温度雰囲気を繰り返すこ とによる白金粒子同士の固着、粒成長を完全に防ぐことができな力つたため、その触 媒能が著しく低下するという問題があった。また、この種の電極用触媒において現状 の白金量のものを使用することは、コスト面で不利であるだけでなく白金の枯渴をも 招くこととなるため、白金の使用量を減少させることは喫緊の課題となっている。

[0011] ところで、上述のように担体粒子に酸ィ匕物粒子と貴金属粒子を共に担持させた触 媒は公知の物質であり、さらに特定のぺロブスカイト型複合金属酸ィ匕物は排ガス浄 化用触媒として利用されている既知の材料であるとも言える。しかし、貴金属粒子を ぺロブスカイト型複合金属酸ィ匕物粒子の表面および内部を含めた全体にわたって存 在させた複合体粒子をカーボン担体上に分散担持させた例は未だ見当たらない。こ れまで得られてヽるものは、各種の金属酸化物粒子(以下単に「酸化物粒子」ともヽぅ )を、貴金属粒子の触媒能を向上させる助触媒として主に利用するものである。それ らは、貴金属粒子そのものが触媒の最表面あるいは助触媒として作用する金属酸ィ匕 物粒子 (担体粒子)の最表面(以下、単に最表面ともいう)に存在することによっては じめて触媒能を発現するものであるが、その反面、貴金属粒子が最表面に存在して

V、るために酸ィ匕ゃ CO被毒などによる貴金属粒子の腐食を防ぐことができな、と、う 問題を有していた。このような問題点があるにもかかわらず貴金属粒子を最表面に配 置していた理由は、貴金属粒子にその触媒能を有効に発揮させるために貴金属粒 子と反応ガスとの接触を確保する必要があった力もである。すなわち、貴金属粒子の 周囲を酸ィ匕物粒子が完全に覆ってしまうと貴金属粒子と反応ガスとの接触がなくなり 、触媒の機能を果たさなくなる力である。

[0012] 本発明は、以上のような問題に対処するもので、燃料電池の電極用触媒などに現 在一般に使用されている白金担持カーボン粒子や金属白金粒子の代替材料として 使用でき、し力もそのような従来の白金担持カーボン粒子等と比べると貴重な資源で ある白金の使用量を大幅に減らすことのできる耐食性に優れた微粒子担持カーボン 粒子とその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0013] 本発明においては、酸ィ匕ゃ CO被毒になどによる貴金属粒子 (代表例は白金微粒 子)の腐食を防ぎ耐食性を向上させるベぐ触媒機能を持つ貴金属元素を最表面の みではなくぺロブスカイト型酸ィ匕物粒子の全体にわたって存在させて酸ィ匕物と金属と の複合体粒子とし、このような貴金属粒子含有ぺロブスカイト型酸ィ匕物粒子をカーボ ン粒子表面に担持させた構成を採用する。

[0014] すなわち、本発明の微粒子担持カーボン粒子は、カーボン粒子にぺロブスカイト型 複合金属酸化物微粒子および貴金属微粒子を担持させ、このうちのべ口ブスカイト 型複合金属酸ィ匕物微粒子については、その結晶子サイズを l〜20nmとし、かつべ 口ブスカイト型酸ィ匕物粒子の内部および表面の区別なく全体にわたって、当該ぺロ ブスカイト粒子よりも粒子径の小さ!/ヽ貴金属微粒子 (例えば白金微粒子)を存在させ た構成としたものである。

[0015] ここで、ベロブスカイト型複合金属酸化物微粒子は、貴金属微粒子を完全に隙間 無く覆うもの(図 3に模式的に示す)、例えば(1)粒子の表面のみではなく内部に至る までポーラスな金属酸ィヒ物粒子の細孔内に貴金属粒子が存在させた複合体や、(2 )酸化物相の各所に貴金属相が混在する複合体を形成して!ヽる場合など (図 1に模 式的に示す)のように、いわば粒子構造の籠の隙間に貴金属粒子を配置し内包する 構成としたものである。このようなベロブスカイト型複合金属酸ィ匕物微粒子の粒子構 造の全体にわたり貴金属微粒子を存在させた構成とすることにより、触媒反応に寄与 し、かつ、貴金属微粒子の腐食を防ぐと共に、固着'粒成長を防ぎ、優れた耐久性を 実現することが可能となる。ここで粒子構造の全体にわたり貴金属微粒子が存在する とは、粒子表面 (細孔内の表面も含む)にのみ貴金属微粒子が存在する場合は含ま ず、少なくとも粒子表面よりも粒子の内部に貴金属微粒子が存在することをいう。

[0016] 本発明者らは、上記の微粒子担持カーボン粒子を得るにあたり、ぺロブスカイト型 複合金属酸化物微粒子および貴金属微粒子を構成する金属の混合錯イオン溶液を 合成し、これをカーボン粒子表面に吸着させたのち、加熱処理を施すことにより、一 次粒子までの単分散状態を保持したまま、貴金属粒子含有べ口ブスカイト型酸化物 微粒子をカーボン粒子に担持させることができることを見出した。

[0017] すなわち、本発明に係る微粒子担持カーボン粒子の製造方法は、まず、ぺロブス カイト型複合金属酸化物微粒子および貴金属粒子を構成する金属の錯イオンを含 む溶液を調製し、次いで、得られた溶液をカーボン粒子に含浸させたのち乾燥させ る工程を繰り返し、前記金属の錯イオンをカーボン粒子に吸着させた後、熱処理を施 すことを特徴とするものである。このような方法によれば、一次粒子までの単分散状態 を保持したまま、貴金属微粒子を含有したベロブスカイト型複合金属酸化物微粒子 をカーボン粒子に担持させることができる。

[0018] 以下に、本発明の主たる態様および好ましい態様を列記する。

〔1〕カーボン粒子にベロブスカイト型複合金属酸ィ匕物微粒子および貴金属微粒子 が担持された微粒子担持カーボン粒子であって、

貴金属微粒子の担持重量が、ベロブスカイト型複合金属酸ィ匕物微粒子に対して 1 〜20重量%であり、

前記ぺロブスカイト型複合金属酸ィ匕物微粒子は、結晶子サイズが l〜20nmであり 、ぺロブスカイト型酸ィ匕物粒子全体にわたって、当該ぺロブスカイト型酸化物粒子より も粒子径の小さい貴金属微粒子が存在してなる微粒子であることを特徴とする微粒 子担持カーボン粒子。

〔2〕前記ぺロブスカイト型複合金属酸化物微粒子は、一般式 ABO 3で表され、 式中、 Aが、ランタン,ストロンチウム,セリウム,カルシウム,イットリウム,エルビウム ,プラセオジム,ネオジム,サマリウム,ユウ口ピウム,マグネシウム,ノリウムからなる 群から選ばれる一種以上の元素であり、

Bが、鉄,コバルト,マンガン,銅,チタン,クロム,ニッケル,ニオブ,鉛,ビスマス, アンチモン,モリブデン力もなる群力も選ばれる一種以上の遷移金属元素である、〔1 〕記載の微粒子担持カーボン粒子。

〔3〕前記貴金属微粒子が、白金,ルテニウム,パラジウム,金力もなる群力も選ばれ る一種以上の貴金属元素からなる金属、あるいは、前記一種以上の貴金属元素と鉄 ,コバルト,マンガン,銅,チタン,クロム,ニッケル,ニオブ,鉛,ビスマス,アンチモン ,モリブデン力も選ばれる一種以上の遷移金属元素との合金を含んでなる、〔2〕記載 の微粒子担持カーボン粒子。

〔4〕前記べ口ブスカイト型複合金属酸化物微粒子および貴金属微粒子の担持量が 、重量比(「ベロブスカイト型複合金属酸化物微粒子および貴金属微粒子の重量」 / 「当該微粒子担持カーボン粒子全体の重量」)として、 5〜50重量%である、〔1〕ない し〔3〕の、ずれかに記載の微粒子担持カーボン粒子。

[5] 前記べ口ブスカイト型複合金属酸化物微粒子および貴金属微粒子を担持する カーボン粒子の平均粒子径が 20〜70nmである、〔1〕な!、し〔3〕の!、ずれかに記載 の微粒子担持カーボン粒子。

〔6〕平均粒子径が 20〜90nmである、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の微粒子 担持カーボン粒子。

〔7〕〔1〕に記載の微粒子担持カーボン粒子を製造する方法であって、

まず、ベロブスカイト型複合金属酸化物微粒子を構成する金属及び貴金属の錯ィ オンを含む溶液を調製し、次いで、得られた溶液をカーボン粒子に含浸させたのち 乾燥させる工程を繰り返し、

前記錯イオンをカーボン粒子に吸着させた後、熱処理を施すことを含む、方法。 〔8〕〔1〕に記載の微粒子担持カーボン粒子を製造する方法であって、

まず、ベロブスカイト型複合金属酸化物微粒子を構成する金属及び貴金属の錯ィ オンを含む溶液を調製し、次いで、得られた溶液をカーボン粒子に含浸させたのち 乾燥させる工程を繰り返し、

前記錯イオンをカーボン粒子に吸着させた後、低湿雰囲気下で乾燥させ、さらに不 活性ガス中で加熱処理することにより、

カーボン粒子表面にベロブスカイト型構造を持つ複合金属酸ィ匕物微粒子を析出させ て担持させることを含む、方法。

〔9〕〔1〕ないし〔6〕に記載の微粒子担持カーボン粒子を含んでなる燃料電池用電 極。

発明の効果

[0019] 本発明においては、あらかじめ金属 (得ようとするぺロブスカイト型複合金属酸化物 微粒子および貴金属微粒子を構成する金属)の錯イオンを含む溶液を調製し、この 溶液をカーボン粒子に含浸させたのち乾燥させる工程を繰り返すことにより、金属の 錯イオンをカーボン粒子表面に吸着させ、これを低湿雰囲気中(ここで、低湿雰囲気 とは湿度 20%以下の環境を指し、吸湿剤などによる湿度制御を行っても良いし、 90 °C以下の範囲で温度を上昇させることによって実現させても良い。)で乾燥させること により、カーボン粒子表面に金属酸化物微粒子前駆体を析出させ、加熱処理するこ とによって、微粒子担持カーボン粒子を作製する。このようなカーボン粒子表面に金 属の錯イオンを吸着させるという方法により、これまでの製造方法では不可能であつ た、結晶子サイズが lnmから 20nmの範囲にあり且つ粒子全体にわたって貴金属微 粒子を含有したベロブスカイト型複合酸化物微粒子を、一次粒子までの単分散状態 を保持したまま、カーボン担体に担持させることが可能となる。

[0020] このようにして得られた本発明の微粒子担持カーボン粒子は、燃料電池などの電 極用触媒に使用できる機能性材料となる。本発明においては、燃料電池の電極用触 媒として有効である貴金属微粒子が、最表面のみではなくベロブスカイト型複合金属 酸ィ匕物粒子の粒子内部まで含めた粒子全体にわたって含有されることとなり、使用 過程において貴金属微粒子の腐食を防ぐことができ、また貴金属微粒子同士が固着 したり粒成長したりすることがないため、優れた耐久性を有する電極用触媒となること が期待できる。こうして、本発明によれば、燃料電池の電極用触媒に用いられている 従来の白金担持カーボン粒子等の代替物となりうる微粒子担持カーボン粒子を実現 でき、そのような代替物として用いた場合において、貴重な資源である白金の使用量 を従来の電極用触媒材料と比べて大幅に減らすことができる。

図面の簡単な説明

[0021] [図 1]ぺロブスカイト型酸ィ匕物粒子の全体にわたって貴金属微粒子が存在するぺロブ スカイト型複合金属酸ィ匕物粒子がカーボン粒子上に担持されている状態を模式的に 示す概念図である。

[図 2]カーボン粒子上に貴金属微粒子と金属酸ィ匕物粒子とがそれぞれ独立に担持さ れている状態を模式的に示す概念図である。

[図 3]金属酸ィ匕物粒子で完全被覆された貴金属微粒子がカーボン粒子上に担持さ れている状態を模式的に示す概念図である。

[図 4]本発明に係る微粒子担持カーボン粒子の電極用触媒への適用例として、該微 粒子担持カーボン粒子を用いて作製される固体電解質型燃料電池用の膜電極接合 体 (MEA)の一般的な構造を模式的に示す断面図である。

[図 5]実施例 1で作製した、 lOnmの LaFeO 3 ZPt粒子を担持したカーボン粒子の X

RDスペクトルを示す図である。

[図 6]実施例 1で作製した、 lOnmの LaFeO 3 ZPt粒子を担持したカーボン粒子の T

EM写真 (倍率: 300万倍)を示す図である。

[図 7]実施例 1で作製した、 lOnmの LaFeO 3 ZPt粒子を担持したカーボン粒子につ いて、 Ptの XPSスペクトルを示す図である。

符号の説明

[0022] 1 固体高分子電解質膜

2 空気極

3 燃料極

4 空気極用ガス拡散層

5 燃料極用ガス拡散層

10 膜電極接合体 (MEA)

発明を実施するための最良の形態

[0023] 本発明の微粒子担持カーボン粒子を製造するにあたっては、まず第 1に、一般式 A BO 3で表されるベロブスカイト型複合酸化物を構成する金属の錯イオン (金属錯体) を含む溶液を調製する。

[0024] 前記 Aで示される金属としては、ランタン (La) ,ストロンチウム(Sr) ,セリウム(Ce) , カルシウム(Ca) ,イットリウム(Y) ,エルビウムば,プラセオジム(Pr) ,ネオジム(N d) ,サマリウム(Sm) ,ユウ口ピウム(Eu) ,マグネシウム(Mg) , ノリウム(Ba)等の 2価 あるいは 3価の金属元素があげられ、これらのうちの一種または二種以上の元素から 選択するが、ぺロブスカイト構造を形成し得る元素であれば、特にこれらに限定され るものではない。

[0025] 前記 Bで示される金属は、鉄 (Fe) ,コバルト(Co) ,マンガン (Μη) ,銅(Cu) ,チタ ン(Ti) ,クロム(Cr) ,ニッケル (Ni) ,ニオブ(Nb) ,鉛(Pb) ,ビスマス(Bi) ,アンチモ ン(Sb) ,モリブデン (Mo)等力選ばれる一種以上の遷移金属元素である。

[0026] 前記ぺロブスカイト型複合金属酸化物粒子を構成するぺロブスカイト粒子 (金属酸 化物粒子)に含まれる貴金属微粒子、すなわち前記べ口ブスカイト型複合金属酸ィ匕 物粒子構造の全体にわたって存在させる貴金属微粒子としては、白金 (Pt) ,ルテ- ゥム (Ru) ,パラジウム(Pd) ,金 (Au)等があげられ、これらのうち一種または二種以 上の元素、あるいは、これらの貴金属元素を少なくとも一種以上含む、遷移金属元素 (鉄(Fe) ,コバルト(Co) ,マンガン(Mn) ,銅(Cu) ,チタン (Ti) ,クロム(Cr) ,ニッケ ル(Ni) ,ニオブ(Nb) ,鉛(Pb) ,ビスマス(Bi) ,アンチモン(Sb) ,モリブデン(Mo)な ど)との合金から選択するが、燃料電池の電極用の触媒として用いる際には、少なく とも Ptを含むことが好ましい。この貴金属微粒子の担持量は、ぺロブスカイト型複合 金属酸ィ匕物微粒子に対して 1〜20重量%が好ましい。貴金属微粒子の担持量がこ れより少な、と、担体であるカーボン粒子に対する貴金属重量が少なくなりすぎるた めに触媒性能が発現しに《なり、これより多い場合には、触媒性能は発現するが、 ベロブスカイト型複合金属酸ィ匕物粒子中に配置しきれず、析出した貴金属微粒子が 酸化などの影響を受け、腐食による劣化が起こる貴金属粒子の割合が増えるため、 効率的に貴金属元素を利用することができず好ましくない。

[0027] 前記金属錯体としては、塩化物錯体、硝酸アミン錯体などの無機物錯体、ある!ヽは 、タエン酸錯体、リンゴ酸錯体、ピコリン酸錯体などの有機物を含有した錯体が挙げら れ、それぞれ使用する金属元素により、溶液中でイオンとして存在し得る最適なもの を選択する。ただし、目的とする金属以外の金属が溶液中に含まれることは好ましく なぐ例えば既存の錯ィ匕合物のうち、ルビジウム塩、セシウム塩などの金属塩錯体を 単に溶解させた場合には、目的外の金属元素を溶液中に含むことになり好ましくな い。カーボン粒子表面に対する吸着効率が良ぐまた金属元素同士が架橋されてべ 口ブスカイト構造が形成されやすくなるとヽぅ点で、上記錯体のうちでもタエン酸錯体 およびリンゴ酸錯体が特に好ま U、。

[0028] 次に、前記金属の錯イオンを含む溶液を平均粒子径が 20〜70nmであるカーボン 粒子に含浸させる。カーボン粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば 電気化学工業社製のデンカブラック(登録商標)等のアセチレンブラック、 CABOT 社製のバルカン (登録商標)等のファーネスカーボン、あるいはケッチェンブラック等 のカーボン粒子が好ましい粒子として使用できる。カーボン粒子の平均粒子径は 20 nm未満でも最終生成物の触媒としての特性には問題はな、が、粒子径が小さくなる ことにより凝集が激しくなり、合成過程において均一分散することが困難となり、好まし くない。また、 70nmを超えても最終生成物の触媒としての特性が完全になくなること はないが、比表面積が小さくなるために触媒能が低下し、好ましくない。

[0029] なお、カーボン粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡 (TEM)写真で観測され る 100個の粒子の平均から求める。この際、溶液中に含まれる金属元素量を、最終 生成物である微粒子担持カーボン粒子中のベロブスカイト型複合金属酸ィ匕物微粒 子および貴金属微粒子の総重量 (微粒子担持量)が 5〜50重量%となるように、カー ボン粒子を分散させる。微粒子担持カーボン粒子中の微粒子担持量が 5重量%より 少なくても問題はないが、触媒として利用する場合には、全体としての白金量が少な くなるためにその機能が発現しに《なるおそれがある。また、微粒子担持カーボン粒 子中の微粒子担持量が 50重量%を超えても問題はないが、含有量が多くなれば、 カーボン粒子表面に単層で被着せずに、ぺロブスカイト型複合金属酸ィ匕物微粒子の 重なり合、や凝集が生じるおそれがある。

[0030] 以上のようにして、カーボン粒子の表面に複合金属酸化物粒子及び貴金属粒子を 構成する金属の錯イオンを吸着させた後、乾燥することにより、カーボン粒子表面に 貴金属微粒子内包べ口ブスカイト型複合金属酸ィ匕物の前駆体微粒子を析出させる。 カーボン粒子の表面に吸着させる金属錯体はイオンの状態であり、溶液中に分子レ ベルで分散しているため、この分散状態を保持したままカーボンの吸着点に吸着さ せることができ、これを乾燥させた際には最隣接の錯体同士のみが結晶化し、 20nm 以下のベロブスカイト型複合金属酸化物及び貴金属粒子の前駆体粒子を析出させ ることができる。乾燥させる雰囲気は、空気中あるいは真空中などがあり、特に限定さ れるものではないが、空気中乾燥が最も簡便かつ低コストである点で好ましい。

[0031] さらに、このようにして得られた微粒子担持カーボン粒子に加熱処理を施す。加熱 処理は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましぐ酸素が存 在する雰囲気下では担体であるカーボン粒子が燃焼してしまう危険性があり、還元雰 囲気下では吸着された前駆体粒子がベロブスカイト型複合金属酸ィ匕物にならない場 合があるため適切ではない。加熱処理の温度は 500〜1000°Cの範囲が好ましぐ 5 50〜700°Cの範囲がより好ましい。最も好ましい加熱処理温度は、ぺロブスカイト型 複合金属酸ィ匕物の結晶化温度によるため、構成元素 Aおよび Bとして何を選択する かにより変化する。例えば A=La, B = Feの場合、 500°C以下ではぺロブスカイト型 構造が形成されず、 1000°C以上という高温では焼結し、ナノサイズのぺロブスカイト 型複合金属酸化物微粒子を保持するのが難しい。このような意味で、それぞれの組 成において、結晶化する最低温度で熱処理することが最も好ましい。

[0032] 以上の方法により、結晶子サイズが lnmから 20nmの範囲にあり且つ粒子構造全 体にわたって貴金属微粒子が存在するべ口ブスカイト型複合金属酸化物微粒子を単 分散状態で担持した、平均粒子径が 20ηπ!〜 90nmの微粒子担持カーボン粒子が 得られる。微粒子担持カーボン粒子の平均粒子径は、 TEM写真で観測される 100 個の粒子の平均から求める。

[0033] ここで、上記ぺロブスカイト型複合酸化物粒子の結晶子サイズが lnm未満でも、触 媒としての機能を発揮すると考えられるが、ベロブスカイト構造の結晶系の特徴から、 格子点の数が少なすぎるために安定な結合が起こりにくぐベロブスカイト構造を保 持することが難しくなると同時に、このような理由により安定して作製することが困難に なる。また、結晶子サイズが 20nmを超える場合でも、触媒としての特性が失われるこ とはないが、酸ィ匕物粒子深部に配置された貴金属微粒子が触媒反応に寄与しにくく なり、触媒としての性能が劣化する傾向にある。以上の理由により、粒子中に貴金属 粒子を含有するぺロブスカイト型複合金属酸ィ匕物微粒子の結晶子サイズは、 1〜20 nmとすることが好ましい。

[0034] このような 20nm以下の微粒子においては、 1つの粒子内で多結晶構造をとること は稀であり、ほとんどの場合に単結晶の粒子となる。従って、担持された微粒子の平 均粒子径は、 TEM写真から平均を求める方法のほかに、粉末 X線回折スペクトルか ら求められる平均結晶子サイズからも求めることができる。特に、粒子径が数 nm以下 であるような微粒子の場合には、 TEM写真などから目視で粒子径を求める際の測定 誤差が大きぐ平均結晶子サイズから求めることが好ましい。ただし、多結晶構造を持 つ粗大な粒子が存在している場合には、その粗大粒子に含まれる結晶子のサイズを 測定している可能性もあるため、平均結晶子サイズから求められた粒子径と、 TEM で観察される粒子の大きさとに整合性があるかどうかを確認することが必要である。

[0035] 次に、貴金属微粒子 (例えば白金微粒子)が酸ィ匕物粒子構造の表面だけでなく内 部まで含めた全体にわたって存在するような微粒子である場合 (例えば図 1参照)に は、 TEMで観察したときに酸ィ匕物粒子のみが観測され、貴金属粒子そのものは酸 化物と一体ィ匕しているために分離して観測することができない。また、このような場合 には、 X線回折 (XRD)による結晶相の同定が困難となる場合がある。この際には、 X 線光電子分光法 (XPS)などの測定手段を用いて含有される貴金属元素が金属であ ることを確認する。また、貴金属微粒子が表面と内部の全体にわたって存在する場合 には、 XPSによる表面の組成分析を行うと、酸ィ匕物粒子と貴金属微粒子とが粒子内 部に均一に存在して、るために、その存在比率が全体としての存在比率とほぼ一致 する結果となる。

[0036] 一方、最表面のみに貴金属微粒子が担持されている場合 (例えば図 2参照)には、 当該貴金属微粒子の粒子サイズが 3〜5nmである場合が最も触媒能が高いと言わ れており、 XRDによる結晶相の同定も可能である。さら〖こ、この場合には TEM観察 を行うことにより、酸ィ匕物粒子上の貴金属微粒子が確認できる。また、 XPSによる表 面の組成分析を行うと、存在している全ての貴金属微粒子が表面に位置していること により、その存在比率が全体としての存在比率と比較して、貴金属元素が過剰である 結果となる。

[0037] さらに、貴金属微粒子が完全に酸ィ匕物粒子に覆われているような場合 (例えば図 3 参照)には、当然、 TEM写真でも貴金属微粒子は観測されず、かつ、 XPS〖こよる表 面元素観察を行っても、貴金属元素が検出されない。この場合にも、 XRDによる貴 金属粒子の結晶相の同定は困難となる場合がある。

[0038] 以上をまとめると、貴金属微粒子の構成の違いによる評価結果は以下のようになる

[0039] [表 1]


[0040] ここでは、貴金属微粒子が酸ィ匕物粒子全体にわたって存在している例として、酸ィ匕 物相の各所に貴金属相が存在し複合体を形成している場合を示したが、ポーラスな 酸ィ匕物粒子の細孔内部に貴金属粒子が存在している場合にも同様の評価結果が得 られる。ただし、表面のみポーラスである酸化物粒子の細孔内部に貴金属粒子が存 在する場合には、図 2で示した最表面のみに貴金属微粒子が担持されている場合と 同様の結果となり、本発明には含まれない。評価の方法としては、酸化物粒子の結 晶構造を同定するための XRDまで含めて、最低でも上記全ての方法で慎重に同定 する必要がある。

[0041] 次に、本発明に係る微粒子担持カーボン粒子の電極用触媒への適用例として、該 微粒子担持カーボン粒子を用いて作製される燃料電池用の膜電極接合体 (MEA) について説明する。

[0042] 図 4に、燃料電池用の膜電極接合体 (MEA)の断面構造を模式的に示す。この膜 電極接合体 10は、固体高分子電解質膜 1の厚み方向の片側に配置された空気極 2 と、他の片側に配置された燃料極 3と、空気極 2の外側に配置された空気極用ガス拡 散層 4と、燃料極 3の外側に配置された燃料極用ガス拡散層 5とを有する構成である 。このうち、固体高分子電解質膜 1としては、ポリパーフルォロスルホン酸榭脂膜、具 体的には、デュポン社製の"ナフイオン"(商品名)、旭硝子社製の"フレミオン"(商品 名)、旭化成工業社製の"ァシプレックス"(商品名)などの膜を使用できる。またガス 拡散層 4· 5としては、多孔質のカーボンクロスあるいはカーボンシートなどを使用でき る。この膜電極接合体 10の作製方法としては、以下の一般的な方法が適用できる。

[0043] エタノール、プロパノールなどの低級アルコールを主成分とする溶媒に、触媒担持 カーボン粒子、高分子材料、さらに必要に応じてバインダなどを混合し、マグネチック スターラー、ボールミル、超音波分散機などの一般的な分散器具を用いて分散させ て、触媒塗料を作製する。この際、塗料の粘度を塗布方法に応じて最適なものとす ベぐ溶媒量を調整する。次に、得られた触媒塗料を用いて空気極 2あるいは燃料極 3を形成していくが、この後の手順としては、一般的には下記の 3種の方法(1)〜(3) が挙げられる。本発明の微粒子担持カーボン粒子の評価手段としてはいずれを用い ても力まわないが、比較評価を行う際には作製方法をいずれか一つに統一して評価 することが重要である。

[0044] (1) 得られた触媒塗料を、バーコータなどを用いて、ポリテトラフルォロエチレン (P TFE)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、 PTF Eコートポリイミドフィルム、 PTFEコートシリコンシート、 PTFEコートガラスクロスなど の離型性基板上に均一塗布し、乾燥させて、離型性基板上に電極膜を形成する。こ の電極膜を剥し取り、所定の電極サイズに裁断する。このような電極膜を 2種作製し、 それぞれを空気極および燃料極として用いる。その後、上記電極膜を固体高分子電 解質膜の両面に、ホットプレスあるいはホットロールプレスにより接合させた後、空気 極および燃料極の両側にガス拡散層をそれぞれ配置し、ホットプレスして一体ィ匕させ 、膜電極接合体を作製する。

[0045] (2) 得られた触媒塗料を、空気極用ガス拡散層および燃料極用ガス拡散層にそ れぞれ塗布し、乾燥させて、空気極および燃料極を形成する。この際、塗布方法は、 スプレー塗布やスクリーン印刷などの方法がとられる。次に、これらの電極膜が形成さ れたガス拡散層で、固体高分子電解質膜を挟み、ホットプレスして一体化させ、膜電 極接合体を作製する。

[0046] (3) 得られた触媒塗料を、固体高分子電解質膜の両面に、スプレー塗布などの 方法を用いて塗布し、乾燥させて、空気極および燃料極を形成する。その後、空気 極および燃料極の両側にガス拡散層を配置し、ホットプレスして一体ィ匕させ、膜電極 接合体を作製する。

[0047] 以上のようにして得られた図 1に示すごとき膜電極接合体 10において、空気極 2側 および燃料極 3側のそれぞれに集電板(図示せず)を設けて電気的な接続を行!、、 燃料極 3に水素を、空気極 2に空気 (酸素)をそれぞれ供給することにより、燃料電池 として作用させることができる。

実施例 1

[0048] 《LaFeO 3 ZPt=94Z6重量比、 40重量%担持 Zカーボン》

硝酸ランタン六水和物 2.23g、硝酸鉄九水和物 2.08gおよび塩ィ匕白金酸六水和物 0.14gを、水 80ml/エタノール 20mlの混合溶液に溶解し、 2.16gのクェン酸をカロえ 、ランタン、鉄および白金のクェン酸錯イオンを含む水溶液を調製した。

[0049] 次に、カーボン粒子として 2gのバルカン XC— 72 (登録商標、 CABOT社製のカー ボンブラック、平均粒子径 30nm、以下同様。 )に対して、上記クェン酸錯イオンを含 む水溶液約 2mlを含浸させ、 90°Cで乾燥させた。これを乳鉢で混合した後、再度、 上記クェン酸錯イオンを含む水溶液 2mlを含浸させ、 90°Cで乾燥させた後、乳鉢で 混合する工程を繰り返し、合計 100mlのクェン酸錯イオンを含む水溶液を含浸させ 、前記錯ィ匕合物をバルカン表面に吸着させた。その後、低湿雰囲気中 90°Cで約 10 時間乾燥させ、ランタン、鉄および白金の化合物を担持したカーボン粒子 (粉末)を 得た。このカーボン粒子を窒素中 600°Cで加熱処理した後、水洗し、粒子中に白金 粒子を含むぺロブスカイト型酸ィ匕物微粒子を担持させたカーボン粒子である LaFeO

3 ZPt担持カーボン粒子を得た。

[0050] このようにして得られた LaFeO 3 ZPt担持カーボン粒子について、 XRD測定を行 つた結果、図 5に示すように、ぺロブスカイト型構造の明確な単一相のピークが現れ、 白金粒子に関するピークは観測されな力つた。この際、回折ピークの半値幅から求め た酸化物粒子の平均結晶子サイズは 12.2nmであった。 TEM観察を行った結果、図 6に示すように、約 10〜 15nmの複合金属酸ィ匕物微粒子がカーボン粒子表面に担 持されていることが確認され、白金粒子と見られる粒子は観測されなカゝつた。なお、 組成分析および担持量分析は、蛍光 X線 (XRF)分析を用いて行い、ほぼ仕込比率 通りとなって!/ヽることを確認した。 XPS分析を行ヽ表面における元素状態を測定した 結果、全体としての仕込比率である LaFeO 3 ZPt= 94/6重量比とほぼ同等の存 在比率で白金が観測され、また図 7に示す XPSスペクトルから、白金の状態は金属 の単相であることが確認された。

実施例 2

[0051] 《LaFeO 3 ZPt= 94Z6重量比、 20重量%担持 Zカーボン》

実施例 1の微粒子担持カーボン粒子の作製方法において、ランタン、鉄および白 金のクェン酸錯イオンを含む水溶液を調製した後、これを 5gのノルカン XC— 72に 含浸させた以外は、実施例 1と同様にして、粒子中に白金粒子を含むぺロブスカイト 型酸ィ匕物微粒子を担持させたカーボン粒子である LaFeO 3 ZPt担持カーボン粒子 を得た。

[0052] このようにして得られた LaFeO 3 ZPt担持カーボン粒子について、 XRD測定を行 つた結果、実施例 1と同様に、ぺロブスカイト型構造の明確な単一相のピークが現れ

、白金粒子に関するピークは観測されな力つた。この際、回折ピークの半値幅力も求 めた平均結晶子サイズは 8.6nmであった。 TEM観察を行った結果、約 5〜10nmの 複合金属酸ィ匕物微粒子がカーボン粒子表面に担持されていることが確認され、白金 粒子と見られる粒子は観測されなカゝつた。また、 XPS分析を行った結果、実施例 1と 同様に、全体としての仕込比率である LaFeO 3 ZPt= 94/6重量比とほぼ同等の 存在比率で白金が観測され、白金の状態は金属であることが確認された。

実施例 3

[0053] 《LaFeO 3 ZPt=85Zl5重量比、 40重量%担持 Zカーボン》

実施例 1の微粒子担持カーボン粒子の作製方法にぉヽて、硝酸ランタン六水和物 1.89g、硝酸鉄給水和物 1.77gおよび塩化白金酸六水和物 0.42gを、水 80mlZエタ ノール 20mlの混合溶液に溶解した以外は、実施例 1と同様にして粒子中に白金粒 子を含むぺロブスカイト型酸ィ匕物微粒子を担持させたカーボン粒子である LaFeO 3 zpt担持カーボン粒子を得た。

[0054] このようにして得られた LaFeO 3 ZPt担持カーボン粒子について、 XRD測定を行 つた結果、実施例 1と同様に、ぺロブスカイト型構造の明確な単一相のピークが現れ

、白金粒子に関するピークは観測されな力つた。この際、回折ピークの半値幅力も求 めた平均結晶子サイズは 18.3nmであった。 TEM観察を行った結果、約 15〜20n mの複合金属酸ィ匕物微粒子がカーボン粒子表面に担持されていることが確認され、 白金粒子と見られる粒子は観測されなカゝつた。また、 XPS分析を行った結果、全体と しての仕込比率である LaFeO 3 ZPt=85Zl5重量比とほぼ同等の存在比率で白 金が観測され、白金の状態は金属であることが確認された。

実施例 4

[0055] 《La (Fe 0.7 Co 0.3 ) 03 ZPt = 94Z6重量比、 40重量0 /0担持 Zカーボン》

塩化ランタン七水和物 1. 85g、塩化鉄六水和物 0. 77g、塩化コバルト一水和物 0 . 45gおよび塩化白金酸六水和物 0. 12gを、水 80mlZエタノール 20mlの混合溶 液に溶解した以外は、実施例 1と同様にして粒子中に白金粒子を含むぺロブスカイト 型酸ィ匕物微粒子を担持させたカーボン粒子である(Fe 0.7 Co 0.3 ) 03 ZPt担持カーボ ン粒子を得た。

[0056] このようにして得られた La (Fe 0.7 Co 0.3 ) 03 ZPt担持カーボン粒子について、 XRD 測定を行った結果、実施例 1と同様に、ぺロブスカイト型構造の明確な単一相のピー クが現れ、白金粒子に関するピークは観測されな力つた。この際、回折ピークの半値 幅から求めた平均結晶子サイズは 9. 8nmであった。 TEM観察を行った結果、約 10 nmの複合金属酸ィ匕物微粒子がカーボン粒子表面に担持されていることが確認され 、白金粒子と見られる粒子は観測されなカゝつた。また、 XPS分析を行った結果、全体 としての仕込比率である La (Fe 0.7 Co 0.3 ) 03 ZPt = 94Z6重量比とほぼ同等の存在 比率で白金が観測され、白金の状態は金属であることが確認された。

[0057] [比較例 1] (白金担持量オーバー > 20重量%)

((LaFeO 3 ZPt=70Z30重量比、 40重量%担持》

実施例 1の微粒子担持カーボン粒子の作製方法にぉヽて、硝酸ランタン六水和物

1. 66g、硝酸鉄九水和物 1. 55gおよび塩化白金酸六水和物 0. 70gを、水 80mlZ エタノール 20mlの混合溶液に溶解した以外は、実施例 1と同様にして粒子中に白金 粒子を含むぺロブスカイト型酸ィ匕物微粒子を担持させたカーボン粒子である LaFeO

3 ZPt担持カーボン粒子を得た。

[0058] このようにして得られた LaFeO 3 ZPt担持カーボン粒子について、 XRD測定を行 つた結果、ぺロブスカイト型構造の明確なピークにカ卩えて、白金粒子に関する弱い強 度が観測された。この際、回折ピークの半値幅から求めた酸化物粒子の平均結晶子 サイズは 11. 4nmであった。白金粒子に関する結晶子サイズは、強度が微弱である ため計測できなカゝつた。この TEM観察を行った結果、約 10nmの複合金属酸化物 微粒子がカーボン粒子表面に担持されていることが確認され、白金粒子と見られる 3 nmサイズの粒子力数は少ないものの観測された。また、 XPS分析を行った結果、 全体としての仕込比率である LaFeO 3 ZPt= 70/30重量比と比較して白金量が多 く観測され、その比率は約 66Z34であり、白金の状態は金属であることが確認され た。

[0059] [比較例 2] (Pt粒子が最表面のみに担持された例:図 2)

((LaFeO 3 ZPt= 94Z6重量比、計 40重量%·別々に担持》

実施例 1の微粒子担持カーボン粒子の作製方法にぉ、て、塩化白金酸六水和物 0 . 14gを加えずに、ランタンおよび鉄の錯イオンを含む水 Zエタノール溶液を作製し 、これを実施例 1と同様にカーボン粒子に含浸させ、ランタンおよび鉄の化合物を担 持したカーボン粒子(粉末)を得、このカーボン粒子を窒素中 550°Cで加熱処理し、 LaFeO 3担持カーボン粒子を得た。その後、塩ィ匕白金酸六水和物 0.14gをエタノー ル 60gに溶解し、白金イオンを含むエタノール溶液を作製し、これを酸化物担持カー ボン粒子に含浸させ、 60°Cで乾燥させた後、水素中 600°Cで加熱処理した後、水洗 し、ぺロブスカイト型複合金属酸ィ匕物微粒子である LaFeO 3および白金微粒子 Ptを 担持したカーボン粒子を得た。

[0060] このようにして得られた LaFeO 3 'Pt担持カーボン粒子について、 XRD測定を行つ た結果、ぺロブスカイト型構造の明確なピークにカ卩えて、白金粒子に関するピークが 観測された。この際、回折ピークの半値幅力求めた酸ィ匕物微粒子の平均結晶子サ ィズは 9. 2nmであり、白金微粒子は 4. 3nmであった。この TEM観察を行った結果 、約 lOnmの複合金属酸ィ匕物微粒子と約 4nmサイズの白金微粒子とがカーボン粒 子上に担持されている様子が観測された。また、 XPS分析を行った結果、全体として の仕込比率である LaFeO 3 ZPt= 94/6重量比と比較して白金量が著しく多く観測 され、その比率は約 69Z31であり、白金の状態は金属であることが確認された。

[0061] [比較例 3] (酸ィ匕物が Pt粒子を完全に被覆した例:図 3)

《LaFeO 3 ZPt= 94/6重量比、計 40重量%·酸化物被覆担持》

比較例 2の微粒子担持カーボン粒子の作製方法にぉ、て、ランタンおよび鉄の錯 イオンを含む溶液を、カーボン粒子に含浸させる際に、バルカン XC— 72を使わずに 、あら力じめカーボンに対して 2. 4重量%の白金粒子を担持した白金担持カーボン 粒子(白金粒子の平均粒子径 5nm)に含浸させて、ランタンおよび鉄の化合物と白 金粒子を担持したカーボン粒子(粉末)を得、このカーボン粒子を窒素中 600°Cでカロ 熱処理し、ぺロブスカイト型複合金属酸化物 LaFeO 3で被覆された白金粒子 Ptを担 持した、カーボン粒子を得た。

[0062] このようにして得られた LaFeO 3 'Pt担持カーボン粒子について、 XRD測定を行つ た結果、ぺロブスカイト型構造の明確なピークに加えて、白金粒子に関する弱い強度 が観測された。この際、回折ピークの半値幅力求めた酸ィ匕物粒子の平均結晶子サ ィズは 22. 6nmであった。白金粒子の結晶子サイズについては、強度が微弱であつ たため計測できなかった。この TEM観察を行った結果、約 20nmの複合金属酸化物 微粒子のみが、カーボン上に担持されている様子が観測された。また、 XPS分析を 行った結果、表面に存在する白金元素量は測定限界以下であり、表面にはほぼ白 金元素が存在しな!ヽことが確認された。

実施例 5

[0063] この実施例では、上述の各実施例および比較例で得られた微粒子担持カーボン粒 子の触媒特性を評価するため、燃料電池用の膜電極接合体 (MEA)を作製し、それ を用いて燃料電池としての出力特性を調べた。膜電極接合体 (MEA)を構成する電 極に上記のような微粒子担持カーボン粒子を使用する場合、空気極と燃料極とでは 、最大の効果が得られる微粒子担持カーボン粒子の酸化物組成 (カーボン粒子に担 持されている酸ィ匕物微粒子の組成)が異なる。そこで、本実施例では、一律に評価を 行うために、燃料極に微粒子担持カーボン粒子電極膜を用い、空気極には以下に 示す標準電極膜を用いた。

[0064] 〈微粒子担持カーボン粒子電極膜〉

上記各実施例および比較例で得られた微粒子担持カーボン粒子 1質量部を、ポリ パーフルォロスルホン酸榭脂の 5質量0 /0溶液であるアルドリッチ (Aldrich)社製の" ナフイオン (Nafion) " (商品名、 EW= 1000)溶液 9. 72質量部およびポリパーフル ォロスルホン酸榭脂の 20質量0 /0溶液であるデュポン社製の"ナフイオン (Nafion) " ( 商品名) 2. 52質量部および水 1質量部に添加し、均一に分散するよう混合液を充分 に攪拌することで触媒塗料を調製した。次に、 PTFEフィルム上に上記触媒塗料を、 白金担持量が 0. 03mgZcm2となるように塗布し、乾燥した後剥がし取り、微粒子担 持カーボン粒子電極膜を得た。

[0065] 〈標準電極膜〉

標準電極としては、白金を 50質量%担持させた田中貴金属工業社製の白金担持 カーボン" 10E50E" (商品名)を用いて、上記と同様にして触媒塗料を調製した後、 PTFEフィルム上に、白金担持量が 0. 5mg/cm2となるように塗布し、乾燥した後剥 し取り、標準電極膜を得た。

[0066] 〈膜電極接合体〉

固体高分子電解質膜としては、デュポン (DuPont)社製のポリパーフルォロスルホ ン酸榭脂膜" Nafionl l2" (商品名)を所定のサイズに切り出して用いた。この固体高 分子電解質膜の両面に、先に作製した微粒子担持カーボン粒子電極膜と標準電極 膜とを重ね合わせ、温度 160°C、圧力 4. 4MPaの条件でホットプレスを行い、これら を接合した。次に、あらカゝじめ撥水処理を施したカーボン不織布 (東レ製、 TGP— H — 120)と、両面に電極膜を形成した固体高分子電解質膜とをホットプレスで接合し、 膜電極接合体を作製した。

[0067] 〔出力特性評価〕

以上のようにして得られた膜電極接合体を用いて、燃料電池としての出力特性 (こ こでは最大出力密度)を測定した。測定の際には、膜電極接合体を含む測定系を 60

°Cに保持し、燃料極側に 60°Cの露点となるよう加湿 '加温した水素ガスを供給し、空 気極側に 60°Cの露点となるよう加湿'加温した空気を供給して測定を行った。

[0068] 表 2に、上記の実施例 1〜4および比較例 1〜3で得られた各微粒子担持カーボン 粒子につ、ての測定結果と、これらの微粒子担持カーボン粒子を用いて実施例 5で 作製した各膜電極接合体についての測定結果をまとめて示す。なお、担持粒子径は 平均結晶子サイズから求めた担持酸ィ匕物の粒子径を、 TEM観察粒子径は TEM観 察によって目視で確認された担持酸化物のおおよその粒子径を、平均粒子径は TE M写真に写された粒子 100個の平均カゝら求めた微粒子担持カーボン粒子の平均粒 子径を、それぞれ示す。

[0069] [表 2]

く微粒子担持カーボン粒子 >


[0070] 〔酸化に対する耐性評価〕

微粒子担持カーボン粒子の酸化に対する耐性を評価するために、代表的な組成を 有するものとして、ここでは実施例 1および比較例 1 · 2で得られた各微粒子担持カー ボン粒子を選択し、これらの空気中での物性変化を測定した。測定に際しては、それ ぞれ、前もって空気中 150°CZ48時間の酸ィ匕処理を行った。

[0071] 上記処理後の各微粒子担持カーボン粒子について、粉末 X線回折スペクトルを測 定し、結晶構造を調べたところ、実施例 1の微粒子担持カーボン粒子ではぺロブス力 イト型構造が現れ、処理前と比較して変化がなかった。一方、比較例 1の微粒子担持 カーボン粒子では、処理前は金属白金構造の弱い強度が現れていた力この強度 が消失しており、白金の金属相が XRD測定に全くかからないほど減少していることが わかった。また、比較例 2の微粒子担持カーボン粒子では、処理前は「ぺロブスカイト 型構造 +金属白金構造」の 2相であつたが、処理後には「ぺロブスカイト型構造 +金 属白金構造 +酸化白金 (PtO)」の 3相が観測された。

[0072] さらに、それぞれの粒子について TEM観察を行ったところ、実施例 1の微粒子担 持カーボン粒子では約 10〜15nmの粒子がカーボン粒子上に担持されている様子 が観測され、処理前と比較して、粒子径にほぼ変化はな力つた。比較例 1の微粒子 担持カーボン粒子についても、約 10nmの複合酸化物粒子と、約 3nmの酸化白金と 思われる白金元素を含む粒子との 2種が観測され、目測上の変化はな力つた。一方 、比較例 2の白金担持カーボン粒子では、約 10nmの酸化物粒子および約 8〜9nm の白金粒子がカーボン粒子上に担持されている様子が観測され、処理前の約 4nm の白金粒子と比較して、粒子径が増大したことが認められた。

[0073] 次に、酸ィ匕処理後の各微粒子担持カーボン粒子を用いて、実施例 5と同様にして 膜電極接合体を作製し、出力特性の評価を行った。

[0074] 表 3に、これらの酸化に対する耐性評価および出力特性評価の結果をまとめて示 す。

[0075] [表 3]

<酸化に対する耐性評価結果 >


[0076] 先の表 2から明らかなように、各実施例で得られた微粒子担持カーボン粒子におい ては、いずれの場合も、(l)TEM観察の結果、単一種の粒子のみが観測されており 、金属白金と見られる粒子は観測されておらず、(2) XRD測定の結果にぺロブスカイ ト構造の単一相が現れており、(3)XPS測定の結果、仕込比率と表面の元素組成と がほぼ一致している。また、その結晶子サイズは 20nm以下となっている。

[0077] 一方、比較例 1においては、白金の仕込量が過多となり、酸化物粒子中に配置しき れな力つた余剰分の白金粒子が分離析出し、その存在頻度は低いながらも約 3nm 程度の白金粒子が観測されている。比較例 2では、酸ィ匕物粒子を担持したカーボン 粒子に、さらに白金粒子が担持されている様子が観測されており、表面における白金 の存在比率は、仕込みのそれよりもはるかに高い値となっている。比較例 3では、あら カゝじめ約 5nmサイズの白金粒子を担持したカーボン粒子表面にぺロブスカイト型複 合酸ィ匕物を担持させたため、ぺロブスカイト型酸ィ匕物が白金を覆うこととなり、表面に 全く白金が現れない結果となっている。

[0078] また、表 2から分力ゝるように、比較例 3の酸化物に完全被覆された白金を担持した力 一ボン粒子の場合には、ごくわずかな出力し力得られていない。一方で、比較例 1 · 2 のように金属白金粒子が表面に存在している場合には、当該金属白金粒子の優れ た触媒特性のため、初期の出力密度は各実施例と比べて同等以上の結果となって いる。し力しながら、表 2に示した酸ィ匕に対する耐性評価の結果からは、実施例 1の 場合にはその出力密度がほとんど変化していないのに対し、比較例 1 · 2では特性が 劣化していることがわかる。これは、比較例 1の場合には、仕込んだ白金のうち一部 が酸化物粒子中に配置され、余剰分が析出し独立した金属白金粒子となったため、

その存在比率が低く凝着による粗大粒子化は防げたものの、表面に析出し白金粒子 の酸ィ匕を防ぐことができず、単位白金当たりの触媒能が劣化してしまったためと考え られる。また比較例 2の場合には、金属白金粒子同士の凝着による粗大化が起こつ ており、かつ、酸ィ匕により一部が酸ィ匕白金となり、その出力特性が劣化したものと考え られる。