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1. WO2007139065 - AUDIO PLAYBACK SYSTEM

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[ JA ]
明 細書

音響再生システム

技術分野

[0001] 本発明は、例えば車室内のような狭空間で低い周波数帯域の音響を再生する音響 再生システムに関する。

背景技術

[0002] 図 8A及び図 8Bは、従来の車両に搭載された音響再生システムの構成を示す図で ある。また、図 8Aは、車両の側面から見た断面図、図 8Bは、車両を上方から見た上 面図である。

[0003] 図 8A及び図 8Bにおいて、従来の音響再生システムは、セダン型車両 1の車室 2内 に備わり、車室 2内のリアトレイにサブウーファ 5を備える。サブウーファ 5は、トランク ルーム 6をェンクロージャとして車室 2側に向けて取り付けられる。

[0004] セダン型車両 1の場合、車室 2で低音を再生するにはリアトレイに口径約 20cmのサ ブウーファ 5を設置し、約 120Hz以下の帯域の音響信号を再生するのが一般的であ

[0005] また、車両に搭載される他の部品が原因でリアトレイにサブウーファを設置するのに 十分な場所が確保できない場合は、運転席の下に例えば 7リットル乃至 15リットル程 度のェンクロージャと共に口径約 16cmのサブウーファを設置し、約 150Hz以下の 帯域の音響信号を再生する。

[0006] また、近年普及しているワゴン型の車両の場合、リアトレイが無いので、上記と同様 に運転席の下にサブウーファを設置するのが一般的である。

[0007] あるいは、車室の共振モードを考慮し第 1次共振モードと第 3次共振モードの節が 交差する場所にサブウーファを配置する技術がある。

[0008] また、特許文献 1には、セダン型の車の第 1次共振モードと第 3次共振モードの節 が交差する後部ドアの付け根付近にサブウーファを設置し、第 3次共振周波数以下 の帯域をサブウーファから再生する技術が開示されている。

[0009] 上記共振モード及び共振周波数につ!/、て説明する。

[0010] 本明細書において説明する共振とは、いわゆるヘルツホルムの共鳴器同様に、車 室の形状と寸法によって決定される音の共振現象のことである。共振周波数とは、共 振現象が起こる特定の離散的な周波数をいう。共振モードとは、前記共振周波数が 車室で再生された場合の音圧分布のことであり、車室内で音圧が著しく高くなる領域 を「腹」と呼び、音圧が低くなる領域を「節」と呼ぶ。車室内で、ある特定の共振モード の腹にスピーカを設置し、その共振モードに対応する共振周波数を再生すると、共 振現象が起こり、音圧の高い領域と低い領域とが顕著に現れる。共振周波数と共振 モードは、理論上、車室において無限の個数が存在する力音響再生システムを設 計する上で特に問題となるのは、低い周波数帯域 (以下、低域という)のモードのいく つかである。

[0011] 共振周波数と共振モードは、有限要素法などの数値解析手法で求めることができ、 例えば、排気量 2000ccクラスのセダン型車両の場合は、第 1次共振周波数が約 80 Hzで車室最先端と最後端が第 1次共振モードの腹となり、車室中央付近で進行方 向に対して垂直な面が第 1次共振モードの節となることが分かっている。また、第 2次 共振周波数は約 130Hzであり、車室のダッシュボード上一帯と、前席足元一帯が第 2次共振モードの腹となり、搭乗者の肩付近の高さで地面に対してほぼ平行な面が 第 2次共振モードの節となる。これらは、前記数値解析手法の他にも、実際の車両に スピーカとマイクロホンを設置して測定して求めることができる。

[0012] 図 9A〜Cは、車室内の第 1乃至第 3次共振モードの節と腹を表す図であり、図 9A は、その車両の斜視図、図 9Bは、その車両の側面から見た断面図、図 9Cは、その 車両の上方からみた平面図である。

[0013] 図 9A〜図 9Cの破線に示すように、車室内には第 1乃至第 3次共振モードの節 a〜 cが現れ、また図 9B及び図 9Cにおいてハッチングを付けて示すように共振モードの 腹 d及び eが現れる。

特許文献 1:特開平 7— 131884号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0014] しかしながら、このような従来の車載用の音響再生システムにあっては、リアトレイに 設置したサブウーファでは、再生音の低域が後席では大きすぎ、前席では小さすぎ るという課題がある。これはセダン型車両の場合、車室の第 1次共振周波数が約 80 Hzであり、リアトレイと後席のヘッドレスト付近がその共振モードの腹になり、前席の ヘッドレスト付近が節になることによる。サブウーファから再生された低音は後席に乗 つた人の頭部付近で増強され、後席の人には 80Hz付近の音が大きくなりすぎるの である。

[0015] 図 10及び図 11は、リアトレイにのみサブウーファがある場合の音圧周波数特性 を示す図である。図中、一点鎖線部分は、周波数軸上の第 1次共振周波数 fl ( = 80 Hz)を示す。

[0016] 図 10に示すように、前席で音圧周波数特性が平坦になるよう調整すると(直線 Laを 参照)、後席では 80Hz付近の音が大きくなりすぎる(曲線 Caを参照)。逆に、図 11に 示すように、後席で音圧周波数特性が平坦になるように調整すると(直線 Lbを参照) 、前席で、第 1次共振周波数周辺の音圧が小さくなる(曲線 Cbを参照)。

[0017] 実際の車両において、腹と節それぞれの位置での第 1次共振周波数の音圧は、場 合によっては 10dB以上の差があることがあり、この場合、前席で 80Hzの周波数が心 地よく聴こえるように再生機のイコライザを調整すると、後席では低域が大きくなりす ぎ不快である。逆に、後席で心地よく聴こえるように調整すると、前席では低音が物 足りなく感じる。

[0018] また、例えば、座席が 3列のワンボックス型車両の場合は、車室の第 1次共振周波 数が約 40Hzで、 2列目の座席位置が第 1次共振モードの節となり、 3列目の座席位 置が腹となる。さらに、第 2次共振周波数が約 80Hzであり、 1列目と 2列目の座席の 間及び 2列目と 3列目の座席の間が節となり、 2列目の座席位置が腹となる。

[0019] また、上記特許文献 1の技術には、以下の課題がある。

[0020] 一つ目の課題は、後部座席のドア付け根付近に口径の大きなサブウーファを設置 できない場合がある。特に、人の可聴帯域の限界と言われる 20Hz付近の低域を再 生するにはたとえば口径 25cmのサブウーファが必要となる力サブウーファを配置 するのに最適な位置である共振モードの節とドアの付け根が重なってしまうと、口径 の大きなサブウーファは設置できない。このように、従来の構成では、サブウーファの 取り付け場所が制約されるという問題点があった。

[0021] また、二つ目の課題は、近年普及しているワゴン型の車両の場合、 1次共振モード の節の位置が 2次共振モードの腹の位置と一致あるいは近くなるために、 1次共振モ ードの節にサブウーファを設置すると、 2次共振モードの共振周波数の音が増強され 、再生音の音質が劣化する。つまり、特定の座席でしか心地よい低音が楽しめないと いう問題があった。

[0022] 本発明は、力、かる点に鑑みてなされたものであり、取り付け場所の制約を少なくする とともに、車室内の座席による低域の音圧周波数特性のばらつきが少なくなり、どの 座席でも心地よレ、低音が楽しめる音響再生システムを提供することを目的とする。 課題を解決するための手段

[0023] 本発明の音響再生システムは、再生装置から出力された音声信号が入力され、車 室の第 1次共振周波数よりも低い帯域を通過させる第 1のフィルタと、第 1のフィルタ の出力信号が入力される第 1のサブウーファと、再生装置力出力された音声信号が 入力され、車室の第 1次共振周波数を含む帯域を通過させる第 2のフィルタと、第 2 のフィルタの出力信号が入力され、車室の第 1次共振モードの節付近に設置された 第 2のサブウーファとを備える。

発明の効果

[0024] 一般的な車両のサイズでは、車室の第 1共振周波数は、人間の可聴域の下限 (約 2 0Hz)よりも高い。また、一般的に、スピーカの口径は、再生周波数帯域が高くなると 、小さくすること力 Sできる。従って、第 2のサブウーファの口径を従来よりも小さくするこ とができる。これによつて、第 2のサブウーファの取り付け場所の制約を少なくすること ができる。また、本発明は、車室の第 1次共振モードの節付近に設置された第 2のサ ブウーファとを備える。これによつて、車室内の座席による低域の音圧周波数特性の ばらつきが少なくなり、どの座席でも心地よい低音を楽しむことができる。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1A]本発明の実施の形態 1に係る音響再生システムの構成と、側面からみたときの 車両とを示す図

[図 1B]本発明の実施の形態 1に係る音響再生システムの構成と、上方からみたときの

車両とを示す図

[図 2]上記実施の形態に係る音響再生システムのセダン型車両の車室内の共振モー ドの音圧分布を示す図

[図 3]上記実施の形態に係る音響再生システムの前席及び後席における音圧一周波 数特性を示す図

[図 4]上記実施の形態に係る音響再生システムの前席及び後席における音圧一周波 数特性により効果を説明する図

[図 5A]本発明の実施の形態 2に係る音響再生システムの構成と、側方からみた時の 車両とを示す図

[図 5B]本発明の実施の形態 2に係る音響再生システムの構成と、上方からみた時の 車両とを示す図

[図 6]上記実施の形態に係る音響再生システムのワゴン型車両の車室内の共振モー ドの音圧分布を示す図

[図 7]上記実施の形態に係る音響再生システムの前席及び後席における音圧一周波 数特性を示す図

[図 8A]従来の車両に搭載された音響再生システムの構成と、側面からみたときの車 両とを示す図

[図 8B]従来の車両に搭載された音響再生システムの構成と、上方からみたときの車 両とを示す図

[図 9A]車室内の第 1乃至第 3次共振モードの節 a及び cを表す図

[図 9B]車室内の第 3次共振モードの節 cと腹 eを表す図

[図 9C]車室内の第 2次共振モードの節 bと腹 dを表す図

[図 10]リアトレイにのみサブウーファがある場合の音圧周波数特性を示す第 1の図 [図 11]リアトレイにのみサブウーファがある場合の音圧周波数特性を示す第 2の図 発明を実施するための最良の形態

[0026] 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。

[0027] (実施の形態 1)

図 1は、本発明の実施の形態 1に係る音響再生システムの構成を示す図であり、図 1Aは、車両の側面から見た断面図、図 1Bは、図 1Aに示す車両の上部から見た平 面図である。本実施の形態は、図 1 A及び図 1Bに示すセダン型車両(以下、本実施 形態では単に「車両」という) 100に搭載する音響再生システムに適用した例である。

[0028] 図 1A及び図 1Bにおいて、音響再生システムは、車両 100のリアトレイに設置され る第 1のサブウーファ 104と、車室 101の第 1次共振モードの節に第 2のサブウーファ 105とを備える。第 1のサブウーファ 104は、車両 100のトランクルーム 106をェンクロ ージャとして車室 101側に向けて取り付けられる。第 1のサブウーファ 104は、口径が 約 20cm以上でトランクルーム 106をェンクロージャとして利用するものであり、人の 可聴帯域下限の 20Hz付近まで充分な再生能力を持つ。

[0029] 第 1のサブウーファ 104及び第 2のサブウーファ 105は、音響再生システムに接続さ れる再生装置 107から出力される低域用の音響信号を再生して、音響として出力す

[0030] 再生装置 107は、 CDプレーヤ, DVDプレーヤ, MDプレーヤ,カセットプレーヤ, ラジオ,テレビジョン受像機,情報端末の再生部、その他車室内で再生される音を表 す音響信号を出力する。再生装置 107から出力された音響信号は、第 1のフィルタ 1 08及び第 2のフィルタ 109に入力される。

[0031] 第 1のフィルタ 108は、ローパスフィルタ(LPF)であり、図 3の遮断特性曲線 CI 1に 示すように、そのカットオフ周波数は車室 101の第 1次共振周波数 fl以下に設定さ れる。第 1次共振周波数は、車両 100の形状によって異なるが、セダン型の場合、約 70乃至約 85Hzである。よって、第 1のフィルタ 108の遮断特性は、例えば、カットォ フ周波数 60Hzで、該カットオフ周波数以上では 1オクターブあたり 12dBの減衰とな るものがある。他の遮断特性としては、カットオフ周波数 40Hzで、該カットオフ周波数 以上では 1オクターブあたり 18dBの減衰となるものがある。なお、上記の遮断特性は 一例であり、カットオフ周波数とそれ以上の周波数帯域の減衰特性との組み合わせ は任意である。試聴及び物理的な音響測定により、音質が最良の組み合わせが設 定されれば良い。

[0032] ここで、第 1次共振周波数で励起される第 1次共振モードについて説明する。

[0033] 図 2は、図 1に示すセダン型車両 100の車室 101内の共振モードの音圧分布を示 す図である。

[0034] 図 2に示すように、車両 100の前席搭乗者の頭付近であって直進方向にほぼ垂直 な面が第 1次共振モードの節 110になり、リアトレィ付近又は前席足元付近であって 直進方向に垂直な面が第 1次共振モードの腹になる。これは車室の形状に依存する ものであって、腹の位置にスピーカを取り付け、その第 1次共振モードに対応する第 1次共振周波数の信号を再生すると、共振が起こる。つまり、第 1次共振周波数を含 む音響信号が、第 1次共振モードの腹の位置に設置されたスピーカに入力されると、 その周波数成分の共振が起こり、第 1次共振モードの腹の位置ではその周波数成分 の音圧が増強され、また節の位置では増強されず、車室 101内において特定の周波 数の音圧分布の極端な偏りが生じる。セダン型車両 100の場合、リアトレイに設置し たサブウーファで第 1次共振周波数である 80Hzを再生すると、前席ではそれほど大 きくない音量であっても後席ではとても大きな音量となり、搭乗者全員が快適なォー ディォを楽しむことができなレ、。

[0035] 本実施の形態では、リアトレイに設置した第 1のサブウーファ 104で、この第 1次共 振モードを励起する第 1次共振周波数を含まない低域のみを再生することを特徴と する。これにより、第 1次共振周波数である 80Hz付近の音が前席では小さすぎ、後 席では大きすぎるとレ、う課題が解決される。

[0036] 図 1A及び図 1Bに戻って、第 2のサブウーファ 105は、第 1次共振モードの節 110 ( 図 2の破線参照)に設置される。例えば、図 1Bに示すように、運転席の下や運転席と 助手席の間の車室床に設置される。

[0037] 第 2のフィルタ 109は、図 3の通過特性曲線 C12で示すように、第 1次共振周波数 f 1を通過帯域に含むフィルタであり、再生装置 107からの出力信号のうち、該通過帯 域内の信号成分を通過させて、それによつて得られる信号を第 2のサブウーファ 105 に出力する。第 2のフィルタ 109について詳しく説明すると、その特性は第 1次共振周 波数 flを通過帯域に含むバンドパスフィルタ(BPF)である。低域側の遮断特性は、 第 1のフィルタ 108を通過して第 1のサブウーファ 104から出力される音の特性と組み 合わせて音質が最もよくなるように設定されればよい。例えば、カットオフ周波数 55H zで、該カットオフ周波数以下の周波数帯域で 1オクターブあたり 6dBの減衰となるも のである。このような第 2のフィルタ 109をカットオフ周波数が 50Hz乃至 40Hzの第 1 のフィルタ 108と組み合わせる。また、第 2のフィルタ 109の高域側の遮断特性は、力 ットオフ周波数 110Hzで、それ以上の周波数帯域でオクターブ 12dBの減衰特性と なるものである。高域側の遮断特性は、車両 100のドアに取り付けられているドアスピ 一力やその他のスピーカの音響特性と,袓み合わせて決めればよい。このドアスピーカ は、第 2のサブウーファ 105が出力する音よりも高い周波数帯域を再生すれば良い。

[0038] また、第 2のフィルタ 109は、第 1次共振周波数を通過帯域の中心とするオクターブ バンドパスフィルタであってもよレ、。

[0039] ところで、第 1次共振モードの節の位置は、理論的な計算、コンピュータシミュレ一 シヨン、実測、及び試聴のいずれ力、、又はそれらのうちの 2つ以上の組み合わせで求 められ、車種によっては前後にずれる場合がある。また、第 2のサブウーファ 105の位 置と、第 2のフィルタ 109の通過帯域の中心周波数とは、例えば下記のようにして求 められる。つまり、リアトレイに第 1のサブウーファ 104が取り付けられた上で、約 120 Hz以下の周波数帯域における車室 101内の音圧分布を実測し、最も音圧分布の偏 りが大きな周波数と、その周波数における節になる位置力第 2のフィルタ 109の通 過帯域の中心周波数及び第 2のサブウーファ 105の位置とされる。

[0040] 図 3は、前席及び後席における音圧周波数特性を示す図である。なお、図 3は、 第 1のフィルタ 108の遮断特定曲線 Cl l、第 2のフィルタ 109の通過特性曲線 C12 及び図示しないドアスピーカが出力する周波数帯域の特性を示す曲線 C13をも示す 。図 4は、前席及び後席における音圧周波数特性により効果を説明する図である。

[0041] 図 3に示すように、リアトレイに設置された第 1のサブウーファ 104は、第 1のフィルタ

108により第 1次共振モードを励起する第 1次共振周波数 (セダン型車両 100では約 70乃至約 85Hz)を含まない低域のみを再生するので、第 1次共振周波数である 80 Hz付近の音が前席では小さすぎ、後席では大きすぎると!/、う課題がまず解決される 。次に、第 1次共振モードの節に設けられた第 2のサブウーファ 105は、第 2のフィル タ 109により第 1次共振周波数を中心とする通過帯域を再生することで、第 1のサブ ウーファ 104によりカバーできない中低域の音を再生する。さらに、ドアスピーカは、 第 2のサブウーファ 105が出力する音よりも高い周波数帯域(図 3の曲線 C13を参照 )に含まれる信号成分を再生する。これにより、図 4に示すように、車室の音圧一周波 数特性は、前席及び後席というリスニングポイントによらずほぼ平坦な音圧となり、車 室内の座席による低域の音圧周波数特性のばらつきを減少させることができる。

[0042] このように、車室固有の共振モードの節の位置に配置した第 2のサブウーファ 105

1S 第 2のフィルタ 109によりその共振モードに対応する共振周波数を含むように帯 域制限された信号のみを再生することで、車室の全座席で一様な低音を再生するこ と力 Sできる。

[0043] 以上詳細に説明したように、音響再生システムによれば、第 2のフィルタ 109は、再 生装置 107からの音響信号から、第 1のフィルタ 108のカットオフ周波数よりも高ぐ かつ第 1次共振周波数を中心周波数とする周波数帯域を取り出して、第 2のサブゥ ーファ 105に加える。一般的な車両のサイズでは、車室の第 1共振周波数は、人間 の可聴域の下限(約 20Hz)よりも高い。また、一般的に、スピーカの口径は、再生周 波数帯域が高くなると、小さくすること力 Sできる。従って、第 2のサブウーファの口径を 従来よりも小さくすること力できる。これによつて、第 2のサブウーファの取り付け場所 の制約を少なくすることができる。

[0044] また、セダン型車両 100の音響再生システムは、車室 101の第 1次共振周波数より も低い帯域を通過させる第 1のフィルタ 108と、第 1のフィルタ 108の出力信号が入力 される第 1のサブウーファ 104と、車室の第 1次共振周波数を含む帯域を通過させる 第 2のフィルタ 109と、第 2のフィルタ 109の出力信号が入力され、車室 101の第 1次 共振モードの節付近に設置された第 2のサブウーファ 105とを備えて構成したので、 第 1のフィルタ 108で第 1次共振周波数以下の帯域を通過した音成分を第 1のサブゥ ーファ 104で再生し、第 2のフィルタ 109で約 80Hzの第 1次共振周波数を通過帯域 の中心とした音成分を第 2のサブウーファ 105で再生することにより、車室内の座席 による低域の音圧周波数特性のばらつきが少なくなり、どの座席でも心地よい低音が 楽しめるようになる。

[0045] (実施の形態 2)

図 5は、本発明の実施の形態 2に係る音響再生システムの構成を示す図であり、図 5Aは、車両の側面から見た断面図、図 5Bは、車両の上部から見た平面図である。

図 1と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。本実施形 態は、近年普及しているワゴン型車両 200 (図 5A及び図 5Bを参照)に搭載する音響 再生システムに適用した例である。

[0046] 図 5A及び図 5Bにおいて、音響再生システムは、それぞれが車室 201内に設置さ れる第 1のサブウーファ 211、第 2のサブウーファ 212、第 3のサブウーファ 213、及び 第 4のサブウーファ 214と、第 1のフイノレタ 221と、第 2のフイノレタ 222と、第 3のフィル タ 223と、及び第 4のフイノレタ 224とを備免る。

[0047] 再生装置 107から出力された音響信号は、第 1のフィルタ 221、第 2のフィルタ 222 、第 3のフイノレタ 223、及び第 4のフイノレタ 224ίこ人力される。

[0048] ワゴン型車両 200は、実施の形態 1のセダン型車両 100に比べて直進方向に車室

201が長い。この特徴から実施の形態 1と異なる部分について説明する。

[0049] 図 6は、ワゴン型車両 200の車室内の共振モードの音圧分布を示す図である。

[0050] 図 6に示すように、ワゴン型車両 200の車室 201には、第 1次共振モード Mlと第 2 次共振モード M2が存在する。第 1次共振モード Mlは、車室 201の前端部と 3列目 座席の頭部位置が腹、 2列目の座席位置が節 251となる。この第 1次共振モード Ml が励起される第 1次共振周波数 flは、約 40から 50Hzである場合が多い。また、第 2 次共振モード M2は、第 1次共振モード Mlの節 251の位置が逆に腹となり、その前 後両側に節 252, 253ができる。

[0051] 従来、運転席の下にサブウーファが取り付けられることが多いが、それにより 2列目 では DVDの映画コンテンツに含まれるような 40Hzから 50Hzの低域の音量が不足し 、 3列目では過多になるというアンバランスな面があった。また、第 2次共振モード M2 を励起する第 2次共振周波数 f 2は約 80Hzから 90Hzであり、第 1次共振モード Ml の節 251にサブウーファを設置して例えば 120Hz以下の低域を再生すると、第 2次 共振モード M2が励起されて 2列目では 80Hz付近の音圧が高すぎ、 1列目では低 すぎるという問題が発生する。

[0052] そこで、実施の形態 2では、第 1のフィルタ 221は、再生装置 107から出力された音 響信号のうち、図 7の通過特性曲線 C21で示すように、第 1次共振周波数 flよりも低 い帯域に含まれる成分を通過させる。第 1のフィルタ 221の出力信号に基づいて、第

1のサブウーファ 211は音響を再生する。また、第 2のフィルタ 222は、再生装置 107 から出力された音響信号のうち、図 7の通過特性曲線 C22で示すように、第 1次共振 周波数 flを含みかつ第 2次共振周波数 f2を含まない帯域内の成分を通過させる。 第 2のフィルタ 222の出力信号に基づいて、第 2のサブウーファ 212は音響を出力す

[0053] 実施の形態 1と異なるのは、第 2のフィルタ 222の高域側の遮断特性として、第 2次 共振周波数 f 2を含まなレ、帯域で遮断することである。

[0054] ところで、第 2のフィルタ 222の高域側のカットオフ周波数よりもさらに高い帯域の音 は、 1列目のドアに取り付けられたドアスピーカで再生しても良いが、その場合、 3列 目が遠いために 3列目の低音が不足する。また、設置場所が確保できないために各 座席ごとに第 2次共振周波数帯域以上を再生する口径 16cm乃至 18cmのスピーカ が取り付けられない。

[0055] そこで、実施の形態 2では、音響再生システムは、再生装置 107からの音響信号の うち、図 7の通過特性曲線 C23で示すように、第 2次共振周波数 f2を含む帯域に含 まれる成分を通過させる第 3のフィルタ 223を備え、このような第 3のフィルタ 223の出 力信号が、第 2次共振モードの節 252に設置した第 3のサブウーファ 213に入力され る。これにより、第 2次共振モード M2を励起することなぐ 80Hz付近の低音を再生で き、座席位置による低音の過不足が解消できる。なお、ドアスピーカなど他のスピー 力は、第 2次共振周波数 f 2以上の帯域を再生できれば良いので(図 7の曲線 C24を 参照)、口径約 10cm以下のスピーカが各座席付近に取付ければ良い。

[0056] また、第 3のサブウーファ 213は、 3列目の座席からはやや遠いので、第 2次共振モ ード M2のもうひとつの節 253の近傍に第 4のサブウーファ 214を設置し、第 4のフィ ルタ 224の出力信号に基づく音響を再生する。第 4のフィルタ 224の特性は、第 2次 共振周波数 f 2を含む帯域を通過するフィルタであれば良い。これにより、さらに座席 による低域の再生音圧の偏りがなくなり、どの座席においても一様な低音が受聴でき

[0057] 第 1〜第 4のサブウーファ 21;!〜 214は、図 5A及び図 5Bでは車室 201の床に設置 するよう示している力 S、第 2のサブウーファ 212は第 1次共振モード Mlの節 251付近 (例えば、ドア付近)であればどこでもよい。また、第 3のサブウーファ 213及び第 4の サブウーファ 214は、第 2次共振モードの節 251及び 252の付近(例えば、ドア付近) であればどこでもよい。

[0058] 上述の説明及び図 7から分かるように、第 1のサブウーファ 211は、第 1のフィルタ 2 21の出力信号、つまり第 1次共振モード Mlを励起する第 1次共振周波数 flを含ま ない低域の信号に基づいて音響を再生する。第 1次共振モード Mlの節 251に設け られた第 2のサブウーファ 212は、第 2のフィルタ 222の出力信号、つまり第 1次共振 周波数 flを中心とする通過帯域内の信号成分に基づいて音響を再生する。第 3及 び第 4のサブウーファ 213及び 214は、車室の第 2次共振周波数 f2を含む帯域を通 過させる第 3及び第 4のフィルタ 223及び 224の各出力信号、つまり第 2次共振周波 数 f 2を中心とする通過帯域内の信号成分に基づいて音響を再生する。さらに、図示 しないドアスピーカは、 2次共振周波数 f 2よりも高い周波数帯域を再生する。これによ り、車室の音圧周波数特性は、各席で平坦となり、車室内の座席による低域の音 圧周波数特性のばらつきを減少させることができる。

[0059] 以上のように、ワゴン型車両 200の音響再生システムは、第 1次共振周波数 fl以下 の帯域内の信号成分を第 1のサブウーファ 211で再生し、第 1次共振周波数 fl (約 4 0Hz)を中心とした帯域内の信号成分を第 2のサブウーファ 212で再生し、第 2次共 振周波数 f 2 (約 80Hz)を中心とした帯域内の信号成分を第 3のサブウーファ及び第 4のサブウーファで再生することにより、車室内の座席による低域の音圧周波数特性 のばらつきが少なくなり、ワゴン型車両 200の各座席、すなわち前席 202、中席 203 及び後席 204でも心地よ!/、低音が楽しめるようになる。

[0060] 以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに 限定されることはない。

[0061] また、本実施の形態では、セダン型及びワゴン型車両に搭載する音響再生システ ムに適用した例について説明している力同様の他の車両に搭載するものでもよい。

[0062] また、本実施の形態では音響再生システムという名称を用いた力これは説明の便 宜上であり、オーディオシステム、車載用スピーカ装置、車載用電子機器等であって もよいことは勿論である。

[0063] さらに、上記音響再生システムを構成する各回路部、例えば信号処理部等の種類

、数及び接続方法などは前述した実施の形態に限られなレ、。

[0064] 本明細書は、 2006年 5月 31曰出願の特願 2006— 152447に基づく。この内容は すべてここに含めておく。

産業上の利用可能性

[0065] 本発明に係る音響再生システムは、車両の車室内に設置される車載用音響再生シ ステムとして有用であり、低音再生用スピーカを複数持つ製品等の用途にも応用でき る。また、車両以外にも、狭い空間に設置される音響再生システムに好適である。