PATENTSCOPE will be unavailable a few hours for maintenance reason on Tuesday 19.11.2019 at 4:00 PM CET
Search International and National Patent Collections
Some content of this application is unavailable at the moment.
If this situation persists, please contact us atFeedback&Contact
1. (WO2007011054) COMPOSITE POROUS MEMBRANE, METHOD FOR PRODUCTION THEREOF, SOLID POLYMER ELECTROLYTE MEMBRANE, AND FUEL CELL
Note: Text based on automatic Optical Character Recognition processes. Please use the PDF version for legal matters
明 細 書

複合多孔質膜、 複合多孔質膜の製造方法、固体高分子電解質膜、 及び燃料電池

技術分野

本発明は、各種機能性膜、特に固体高分子型燃料電池、水電解 装置などに用いる固体高分子電解質に最適な無機有機複合多孔質 膜、有機一有機複合多孔質膜、及びその製造方法、さらに複合多 孔質膜を用いた燃料電池に関する。 特に、燃料電池に用いた時に、 運転状況の繰り返し変化に対する破損のない耐久性に優れた固体 高分子電解質膜及びその製造方法に関する。

背景技術

固体高分子電解質型燃料電池は、 電解質として固体高分子電解 質膜を用い、この膜の両面に電極を接合した構造を有する。

燃料電池と して使用する際に高分子固体電解質膜は、それ自体 の膜抵抗が低い必要があり、 その為には膜厚はできるだけ薄い方 が望ましい。 しかしながら、膜厚を余り薄くすると、製膜時にピ ンホールが生じたり、 電極成形時に膜が破れてしまったり、電極 間の短絡が発生したり しゃすいという問題点があった。また、燃 料電池に使用される高分子固体電解質膜は、 常に湿潤状態で使用 されるため、 湿潤による高分子膜の膨潤、変形等による差圧運転 時の耐圧性やク ロスリーク等、信頼性に問題が生じるようになる。

そこで、特開平 9 一 1 9 4 6 0 9号公報には、ィオン交換樹脂 の含水量の変化が繰り返し生じても破損せず、 かつィオン交換樹 脂とフッ素樹脂等の多孔膜が互いに密着し、 ピンホールができ難 ぃィオン交換膜を目的と して、延伸により作製されたフッ素樹脂 等の多孔膜の少なく とも孔中に、溶媒に溶解したポリマーを含浸 させ、乾燥することにより多孔膜に付着させた後、イオン交換基 を導入してイオン交換膜を製造する方法が開示されている。

一方、レーザー微細加工に適したレーザービームと して、パル ス幅が 1 0 _ 9秒以下の超短パルスレーザーが注目されている。特 にフェム ト秒( f s : 1 0— 1 2 s e c ) パルスレーザービームは、 金属や透明材料などの各種材料の加工に用いた場合、 これまでの 炭酸ガスレーザーや Y A G レーザーによる加工とは全く異なり、 レーザービームの照射部位周辺に熱的、 化学的な損傷 (変形、変 質)をほとんど与えないという特徴がある。

これは、従来のレーザー加工では被加工材料に照射された光ェ ネルギ一のほとんどが熱エネルギーに変換され、 この熱によって 融一解、分解、飛散による加工が進行するのに対し、超短パルスレ ザ一を用いた場合には、 極めて短時間にエネルギ一が被加ェ材

料に集中するため、 ナノプラズマ、ナノショック、ブレークダウ ン、格子歪み、衝撃波が超高速で発生し、熱が発生する前にアブ レーシヨン(飛散)による加工が進行するために、照射部位のみ の加工が誘起され周囲に損傷が及ばず、 きれいな加工がなされる と考えられている。

また、フエムト秒パルスレーザーなどの超短パルスレーザービ ームを用いた透明材料に対する加工では、 多光子吸収による加工 が進むため、材料表面を損傷することなく 、内部のみを 3次元的 にリモー ト加工することも可能である。さらに、多光子吸収など 非線形現象を利用した加工であるため、 光を用いているにもかか わらず、照射光の波長の回折限界を超える加工分解能が得られる。

このように、フエムト秒パノレスレーザーなどの超短パルスレー ザ一ビームを用いたレーザー加工においては、 従来のレーザー加 ェとは加工のメカニズムが全く異なり、 分解能も遙かに高く、か つ、被加工材料の内部に加工領域を限定するこ ともできるので、 従来のレーザー加工の常識を遥かに越えたサブミ クロン以下の超 微細加工技術を実現することができる。

そこで、特開 2 0 0 4 — 2 8 3 8 7 1号公報には、高分子材料 に、微小孔を有するプラスチック構造体を製造することを目的と して、プラスチック材料に超短パルス レーザーを照射して、最小 の径又は幅が 2 0 0 μ m以下である貫通孔及び Z又は陥没孔を有 するプラスチック構造体を製造することが開示されている。

又、下記特開 2 0 0 4 - 7 9 2 6 6号公報には、燃料電池用高 分子電解質膜に適用することを目的と して、メタノールを燃料と し、上記メタノールの供給を受け電気化学反応により発電する直 接メタノール型燃料電池用電解質膜と して、高分子薄膜からなる 電解質膜中に超短パルス レーザーを照射して複数の均一な微細空 孔を設け、 その微細空孔中に電解質材料を充填してなる直接メタ ノール型燃料電池用電解質膜が開示されている。

発明の開示

上記特開平 9 一 1 9 4 6 0 9号公報に開示された方法では、ポ リマーは親水性であるのに対し延伸多孔膜は疎水性であり、 溶媒 にて馴染み易く してはいるが、耐久性の高い複合化は行われてい ない。 したがって、使用中に電解質と P T F Eが分離するという 懸念がもたれている。

又、上記特開 2 0 0 4 - 2 8 3 8 7 1号公報及び特開 2 0 0 4 - 7 9 2 6 6号公報に開示された方法では、たとえ超短レーザー を用いたと しても、レーザー加工のみによる孔形成には加工可能 な孔径に下限があり、 サブマイクロ( 1 // Π1以下)の孔を形成す ることが困難である。 さらに、これらの加工方法では貫通孔のみ 形成されるため、 電解質材料をフィルムに固定するためには、表 面処理等の化学的処理が必要であった。

本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて発明されたものであ り、薄膜化が可能で、強度が高く、高耐久性の無機有機複合多孔 質膜、有機一有機複合多孔質膜、を提供することを目的とする。 また、この無機有機複合多孔質膜、有機一有機複合多孔質膜、を 固体高分子電解質膜と して用いることによって、出力電圧及ぴ電 流密度が向上された燃料電池を提供することを目的とする。

本発明者は、超短パルスレーザーを用いて細孔を穿孔する際に、 超短パルス レーザー飛散されない無機質材料を高分子材料中に存 在させることによ り、上記課題が解決されることを見出し、本発 明に至った。

即ち、第 1 に、本発明は、複合多孔質膜の発明であり、パルス 幅が 1 0— 9秒以下の超短パルスレーザーが照射されて生じる繊維 状フイラ一が露出した多数の細孔を有することを特徴とする繊維 状フイラ一含有高分子フィルム又はシートからなる複合多孔質膜 である。本発明の複合多孔質膜は多数の細孔を有するこ とを利用 して各種機能性膜と して用いることができる。

本発明において、繊維状フイラ一としては無機繊維状フイラ であっても、 基材である高分子材料と凝集エネルギーが相違す一る 有機繊維状フィラー、例えばァラミド繊維などでも良い。

本発明の無機有機複合多孔質膜、 有機一有機複合多孔質膜は細 孔内の高分子材料が超短パルス レーザーの照射エネルギーによつ て飛散しているが、 高分子材料に含有されていた繊維はその凝集 エネルギーが大であることから飛散されずに細孔内に残存する。 このため、 細孔は所望の形状で穿孔することができるとともに、 繊維強化プラスチックが有する初期の強度も維持される。 ここで、 本発明の複合多孔質膜の後述する種々の用途を考えると、 細孔は 貫通していることが好ましい。

本発明の複合多孔質膜は、 種々の用途に用いることができる力 電解質膜、 特に燃料電池用電解質膜として用いるためには、繊維 状フイラ一が露出した細孔に高分子電解質が充填されている必要 がある。サブミクロンオーダーの細孔に高分子電解質が充填され ているために、 高分子フィルム又はシート基材と高分子電解質の 密着性が高く、種々の用途に用いられて高耐久性を示す。

本発明において、 無機繊維状フイラ一としては、高分子組成物 の分野で公知の種々の無機繊維が用いられる。 この中で、ガラス 繊維が最も一般的であり、 好ましく例示される。

本発明において、 高分子フィルム又はシートの基材となる高分 子材料と しては、公知の種々の高分子材料が用いられる。この中 で、ポリテトラフルォロエチレン( P T F E ) 又は共重合成分を 1 0 モル%以下含むテトラフルォロエチレン共重合体、メチル基、 フエ-ル基、 水素基または水酸基のうちから選択される少なく と も 1種以上の基を置換基として有するポリシロキサンが好ましく 例示されるが、これらに限定されるものではない。

本発明の無機有機複合多孔質膜、 有機一有機複合多孔質膜をィ オン交換性機能膜と して用いるには、細孔に充填される高分子電 解質がスルホン酸基を有することが好ましい。

本発明で用いられる超短パルス レーザーは、パルス幅が 1 0 _ 秒以下の超短パルス レーザーであり、具体的には、ナノ秒パルス レーザー、 ピコ秒、パノレスレーザー又はフエムト秒パノレスレーザー が例示される。

超短パルス レーザーの照射エネルギーによって高分子材料は飛 散されるが、 高分子材料に含有されていた無機繊維は飛散されず に細孔内に残存させると とともに、イオンの動きを阻害しないと いう本発明の趣旨から、 繊維状フィラーの繊維長が前記細孔の孔 径ょ り大きく、繊維太さが前記細孔の孔径の 2 0分の 1以下であ ることが好ま しい。より具体的には、繊維状フイラ一が、繊維長 1 m〜 l 0 μ πιで、平均長さ ÷平均径のァスぺクト比が 1 0以 上であることが好ましい。

第 2に、本発明は上記の複合多孔質膜の製造方法の発明であり 、

( 1 ) 繊維状フイラ一含有高分子フィルム又はシートを用意し、

( 2 ) 該繊維状フィラー含有高分子フィルム又はシートに、パル ス幅が 1 0— 9秒以下の超短パルスレーザーを照射させ、該繊維状 フィラー含有高分子フィルム又はシー トに繊維状フィラーが露出 した細孔を生じさせる。

本発明の無機有機複合多孔質膜、 有機一有機複合多孔質膜を電 解質膜と して用いるために、( 3 ) 繊維状フイラ一が露出した細 孔一に電解質生成モノマーを充填させ、次いで該電解質生成モノマ を重合させることが好ましい。 ここで、電解質生成モノマーに 架橋剤を混在させることによって、 重合時に架橋反応を生じさせ、 細孔内の電解質部分の強度、 耐溶媒性、耐熱性等を付与すること ができる。 また、電解質生成モノマー及び所望により架橋剤を充 填させる際に、 超音波処理及びノ又は脱泡処理を行なって電解質 生成モノ マー及び所望により架橋剤を細孔内に十分浸透させるこ とが好ましい。 架橋剤を細孔内に十分浸透させるには、濡れ性の 良い (極性の低い)溶媒を用いて浸透させるのが好ましい。上.記 溶媒とは、 四塩化炭素、クロ口ホルム、ベンゼン、トルエン、ジ ェチルエーテル、 アセトン、テトラヒドロフラン、等の S P値が 1 0以下の溶媒を適宜選択することが好ましい。

細孔内の電解質生成モノ マーの重合法は特に制限されず、光重 合、熱重合、触媒開始重合から選択される 1種以上が好ましく例 示される。 この中で、光重合が操作性等の点で好ましい。

本発明の無機有機複合多孔質膜、 有機一有機複合多孔質膜を電 解質膜と して用いるために、上記( 3 ) に代えて、( 4 ) 繊維状 フィ ラーが露出した細孔に高分子電解質を充填させることも好ま

しい。充填される高分子電解質としては公知のものをもちいるこ とができる。 この中で、下記一般式( 2 ) で表される(式中、 a : b = 0 : 1 〜 9 : 1 、 n = 0 , 1 , 2 ) 高分子電解質が好ま しい。


前記繊維状フイラ一が露出した細孔に高分子電解質を充填させ るには、該高分子電解質を無溶媒又は溶媒に溶解させて充填する。 例えば、高分子電解質溶液を用い、後に溶媒を蒸発させることが できる。用いる溶媒としては、高沸点且つ低 S P値のものが好ま しく、例えば、 D M S O、 C C 1 4 、 C F 2 C 1 2、等が挙げら れる。又、繊維状フイラ一が露出した細孔に高分子電解質を充填 させる際に、加熱及び/又は加圧することも効果的である。

本発明において、超短パルスレーザーの具体例としては、ナノ 秒パルス レーザー、ピコ秒ノルスレーザー又はフエムト秒パルス レーザーが例示されることは上述の通りである。

繊維状フイラ一の繊維長が、 前記細孔の孔径より大きいこと、 繊維状フイ ラ一が、繊維長 1 μ II!〜 1 0 mで、平均長さ ÷平均 径のァスぺク ト比が 1 0以上であること、及び繊維状フイラ一の 好ましい具体例がガラス繊維であることも上述の通りである。

パルス幅が 1 0— 9秒以下の超短パルスレーザーを照射させる際 に、ホログラフィック露光法を用いると、多数の細孔を規則的に 穿孔するこ とが可能であり、本発明の複合多孔質膜の製造方法に おいて好ましい。

第 3 に、本発明は、上記の複合多孔質膜からなる機能性膜であ る。

第 4に、本発明は、上記の複合多孔質膜からなる高分子電解質 膜である。

第 5 に、本発明は、上記の固体高分子電解質膜を有する燃料電 池である。

本発明によれば、 固体高分子電解質膜の厚さを薄くすることが 可能であり 、また、高分子フィルム又は高分子シート基材を電解 質膜の支持体と して用いるため、電解質膜の強度を補強すること ができるので、 本発明に係る固体高分子電解質膜を備えた燃料電 池は、高耐久性であるとともに、燃料ガスのクロスリーク量が少

なく、電流一電圧特性を向上することができる。

本発明によ り、( 1 ) 所望の物性を有する高分子フィルム又は 高分子シー ト基材が補強材となる、( 2 ) 細孔の孔径を制御でき、 ばらつきのない細孔を形成できる、 ( 3 ) 電解質材料をフィルム 又はシー トに固定するために表面処理等の化学的処理を必要と し ない、 ( 4 ) 高分子フィルム又は高分子シート基材に高分子電解 質が良く含浸する、 ( 5 ) 細孔径が小さくても補強効果が大きい ために、複合膜の機械的耐久性が維持できるという効果を奏する。 加えて、 ( 6 ) 電解質モノマーを含浸させ重合させると、水系ま たは非水系の電解質が無溶媒で直接得られるという効果、 ( 7 ) 高分子電解質自体がスルホン酸基を有するため、 加水分解により 側鎖にイオン交換基を導入する操作が省略できる、 ( 8 ) 穿孔さ れた細孔径が小さいため、 高分子フィルム又は高分子シート基材 への親和性が高く 、高分子電解質膜として強度に優れているとの 効果も得られる。

又、本発明によれば、高分子フィルム又は高分子シート基材を 電解質膜の支持体と して用いるため、電解質膜の強度を補強する ことができる。固体高分子電解質膜は、電解質膜の厚さを高分子 フィルム又は高分子シー ト基材の厚さで調節することができるの で、従来のパーフルォロカーボンスルホン酸樹脂を膜状に成形し た電解質膜に比べて、 強度を補強することができる。これにより、 従来のパーフルォロカーボンスルホン酸樹脂を膜状に成形した電 解質に比べて厚さを薄く しても使用可能である。

図面の簡単な説明

図 1 は、本発明の無機有機複合多孔質膜、有機一有機複合多孔 質膜を用いた電解質膜の製造工程の一例を示す。 図 1 中、 1 :繊 維状フイラ一を含有する高分子フ ィルム又はシート、 2 :超短パ ルス レーザーによって穿孔された細孔、 3 :露出した繊維状フィ ラー、 4 :電解質生成モノマー、 5 :高分子電解質をそれぞれ示 す。

発明を実施するための最良の形態

' 図 1 に、本発明の複合多孔質膜を用いた電解質膜の製造工程の 一例を示す。 繊維状フイラ一を含有する高分子フィルム又はシー ト 1 に、パルス幅が 1 0— 9秒以下の超短パルスレーザーを照射さ せ、該繊維状フィラー含有高分子フィルム又はシー トに繊維状フ イラ一 3が露出した細孔 2を生じさせる (図 1 ( a ) ) 。複合多 孔質膜を電解質膜と して用いるために、繊維状フィラー 3が露出 した細孔 2に電解質生成モノマー 4を充填させる (図 1 ( b ) ) 。 次いで該電解質生成モノマーを光重合させ (図 1 ( c ) ) 、細孔 2内に高分子電解質 5を充填させる(図 1 ( d ) ) 。

本発明で用いられるパルス幅が 1 0 _ 9秒以下の超短パルスレ一 ザ一の具体例と しては、チタン · サファイア結晶を媒質とするレ 一ザ一や色素レーザーを再生 · 増幅して得られたパルス幅が 1 0一 9禾少以下のノノレスレーザー、エキシマレーザーや Y A Gレーザー ( N d— Y A G レーザー等)の倍波によるパルス幅が 1 0— 9秒以 下のパルスレーザーなどを用いるこ とができ、特に、チタン ' サ ファイア結晶を媒質とするレーザーや色素レーザーを再生 ' 増幅 して得られたパルス幅が 1 0— 1 2秒〜 1 0— 1 5秒のフェムト秒のォ ーダ一のパルス レーザー(フェムト秒、パノレスレーザー)を好適に 用いることができる。 もちろん、超短パルスレーザーにおけるパ ルス幅は、 1 0—9秒以下であれば特に制限されず、例えば、 1 0一

9秒力 ら 1 0— 1 2秒のピコ秒オーダーや、 1 0— 1 2秒力ら 1 0— 1 5 秒のフ ェムト秒のオーダーであり、通常は、 1 0 0 フェムト秒

( 1 0— 1 3秒)程度である。このようなチタン - サファイア結晶を 媒質とするレーザーや色素レーザーを再生 · 増幅して得られたパ ルス幅が 1 0— 9秒以下のパルスレーザーや、エキシマレーザーや Y A G レーザー(N d— Y A G レーザー等)の倍波によるパルス 幅が 1 0— 9秒以下のパルスレーザーなどの超短パルスレーザーを 用いると、パルスエネルギーが高いので、 多光子吸収過程を利用 したレーザー加工を行う ことができ、そのパワーにより波長より 狭い幅の微細加工を行う ことができるようになる。従って、超短 パルス レーザーを用いて多光子吸収過程を利用したレーザー加工 によ り、最小の径又は幅が 2 0 0 μ m以下である微小貫通孔を形 成することができるよ うになる。なお、断面形状は、円形、楕円 形に限らず、 長径が長い場合には直線状、曲線、折れ曲がり線等 の任意な形状であっても良い。

本発明において、 超短パルスレーザーの波長は、特に制限され ず、多光子吸収過程を利用しているので、 繊維状フイラ一を含有 する高分子フ ィルム又はシート基材の榭脂成分の吸収波長よりも 長い波長であってもよく 、繊維状フイラ一を含有する高分子フィ ルム又はシー ト基材の樹脂成分の種類又はその吸収波長に応じて 適宜選択するこ とができる。具体的には、超短パルスレーザーの 波長と しては、例えば、紫外線領域〜近赤外線領域の領域内の波 長であってもよく 、従つて、 2 0 0 n m力、ら l O O O n mの範囲 内から適宜選択するこ とができる。なお、超短パルスレーザーの 波長と しては、繊維状フイラ一を含有する高分子フィルム又はシ 一ト基材の樹脂成分の吸収波長 (吸収のピーク波長)の倍波( 2 倍波、 3倍波など)となる波長であることが好ましい。

また、超短パルスレーザーの繰り返しとしては、 1 H zから 1

0 0 MH z の範囲で、通常は 1 0 H z から 5 0 0 k H z程度であ る。

繊維状フイラ一を含有する高分子フィルム又はシー ト基材に対 して、内部における単位体積当たりに照射されるエネルギーは、 超短パルス レーザーの照射エネルギー、高分子フィルム又はシー ト基材に照射する際に用いられる対物レンズの開口数 (光源の絞 り込み)、被加工プラスチック基材への照射位置又は焦点の深さ、 レーザーの焦点の移動速度などに応じて適宜決めるこ とができる。 本発明では、超短パルスレーザーの平均出力又は照射エネルギ 一と しては、特に制限されず、目的とする細孔(特に微小貫通 孔)の大きさや形状等に応じて適宜選択することができ、例えば、 1 0 0 0 O mW以下、好ましくは 5〜 5 0 O mW、さらに好まし くは 1 0〜 3 0 0 mW程度の範囲から選択することができる。

また、超短パルスレーザーの照射スポット径としては、特に制 限されず、 目的の微小孔部の大きさやその形状、レンズの大きさ や開口数又は倍率などに応じて適宜選択するこ とができ、例えば、 0. :!〜 1 0 i m程度の範國から選択することができる。

本発明で用いられる、繊維状フイラ一を含有する前の高分子フ イルム又はシート基材としては、共重合体を含めた単一化学構造 のポリマー材料からなるものだけでなく 、異なる化学構造を有す る複数のポリ マー材料からなるポリマーァロイやポリマープレン ドも用いることができる。また、高分子フィルム又はシート基材 としては、無機化合物や金属などの他の材料を分散状態で含んだ 複合体であっても よく、異なるプラスチックや他の材料からなる 層を含んだ 2以上の層構造からなる積層体であってもよい。 例え ば、高分子フィルム又はシー トに導電性を付与するために、カー ボンブラ ックが分散された高分子フィルム又はシート基材を用い ると、レーザー光の吸収効率が上がり、加工しやすくなる効果も 発現する。

高分子フィルム又はシートの具体例としては、例えば、ポリメ チルメ タタリレート( P MMA) などのメタタリレート系樹脂; ポ リスチレン、アクリロニトリル一スチレン共重合体(A S樹 脂)、ァクリロ: ^ トリル一ブタジエン一スチレン共重合体(A B

S榭脂) などのスチレン系樹脂;ポリアミド;ポリイミド( P I ) ;ポリエーテルイミド( P E I ) ;ポリアミドイミド;ポリ エステルイ ミド;ポリカーボネート( P C ) ;ポ.リアセタール; ポリフエ二レンエーテル ( P P O) などのポリアリーレンエーテ ル ;ポリフエ二レンスルフイド( P P S ) ;ポリアリレート;ポ リアリール;ポリスルホン(ポリサルホン);ポリエーテルスル ホン ( P E S ) (ポリエーテルサルホン);ポリウレタン類;ポ リエチレンテレフタレート( P E T ) などのポリエステル系樹 脂 ;ポリエーテルエーテルケトン( P E E K) やポリエーテルケ トンケトン( P E K K) などのポリエーテルケトン類;ポリアク

リル酸プチル、 ポリァクリル酸ェチルなどのポリァクリル酸エス テル類 ;ポリブトォキシメチレンなどのポリビニルエステル類; ポ リシロキサン類;ポリサルフアイド類;ポリフォスファゼン 類 ;ポリトリアジン類;ポリカーボラン類;ポリノルボルネン; エポキシ系樹脂 ;ポリビュルアルコール;ポリビニルピロリド ン ;ポリイソプレンやポリブタジエンなどのポリジェン類;ポリ イソプチレンなどのポリアルケン類;フッ化ビニリデン系樹脂、 へキサフルォロプロ ピレン系樹脂、へキサフルォロァセトン系樹 脂、ポリテトラフルォロェチレン樹脂などのフッ素系樹脂 ;ポリ エチ レン、ポリプロピレン、エチレン一プロピレン共重合体など のポリオレフイン樹脂などの樹脂(熱可塑性樹脂など)が挙げら れるが、これらに限定されるものではない。

これら高分子フ ィルム又はシート基材は、細孔を有する複合多 孔質膜の用途に応じて適宜選択するこ とができ、例えば、フィル ター、セパレータ等の用途では、化学安定性等を考慮して、フッ 素系樹脂またはォレフィ ン系樹脂を好適に用いることができる。

高分子フィルム又はシー ト基材としては、その厚みは特に制限 されず、細孔を有する複合多孔質膜の用途に応じて適宜選択する ことができ、例えば、 0 . 1 μ m以上(例えば、 0 . 1 μ π!〜 1 O m m ) であってもよい。なお、基材がプラスチックフィルムで ある場合、 多光子吸収過程を利用したレーザー加工により、細孔 を有するプラスチック フィルムが得られる。本発明では、被加工 基材が高分子フィルムであっても (すなわち、その厚みが薄くて も)、優れた精度でレーザー加工を行うことができる。被加工基 材が高分子フィルムである場合、 その厚みは、例えば、 0 . 1〜 5 0 0 m (好ましくは:!〜 3 0 0 ηι、さらに好ましくは 1 0 〜 1 5 0 μ πι ) であってもよレ、。

本発明において、 無機繊維状フイラ一としては、高分子組成物 の分野で公知の種々の無機繊維が用いられる。 例えば、ガラス繊 維、ガラスウール、炭素繊維、繊維状マグネシウムゥイスカー、 硼酸マグネシウムゥイ スカー、炭化珪素ウイスカー、窒化珪素ゥ イスカー、 グラフアイト、チタン酸カリウムゥイスカー、繊維状 酸化アルミ ニウム、針状酸化チタン、ウォラスナイト、セラミツ クファイバーが挙げられる。この中で、ガラス繊維が最も一般的 である。

本発明で用いられる電解質生成モノ マーとしては公知の種々の ものを用いる ことができる。例えば、化学構造中にスルホン酸等 の強酸基を有する化合物である、 ビニルスルホン酸、ビュルホス ホン酸、 ァリノレスルホン酸、ァリルホスホン酸、スチレンスルホ ン酸、 スチレンホスホン酸が好ましいが、本発明ではこれらに限 定されるものではない。

又、本発明では、上記のイオン性官能基を有するモノマー自体 だけでなく 、後工程の反応によりィオン性官能基に変換する基を

TJP2006/314711

有するモノマーも含まれる。例えば、本発明では、高分子フィル ム又はシー ト基材中に電解質生成モノマーを含浸させ、重合させ、 さらに、分子鎖内のスルホニルハライド基 [一 S O z X 1] 、スル ホン酸エステル基 [一 S O s R 1] 、又はハロゲン基 [— X 2] を スルホン酸基 [― S〇 3 H] とすることにより製造する。また、高 分子フィルム又はシート基材中に存在する電解質生成モノマー単 位に存在するフエニル基、 ケトン、エーテル基などはクロルスル ホン酸でスルホン酸基を導入して製造することができる。

本発明において、 電解質生成モ ノマーは、以下の( 1 ) 〜 ( 6 ) に示すモノマーが代表的である。

( 1 ) スルホニルハライド基を有するモノマーである、 C F 2 = C F ( S O 2 X 1 ) (式中、 X 1はハロゲン基で一 Fまたは一 C I で ある。以下同じ。)、 C H 2 = C F ( S O 2 X 1 ) 、及ぴ C F 2 = C F ( O C H 2 ( C F 2 ) m S O 2 X 1 ) (式中、 mは 1 〜 4である。 以下同じ。)からなる群から選択される 1種類以上のモノマー。

( 2 ) スルホン酸エステル基を有するモノマーである、 C F 2 = C F ( S O 3 R 1 ) (式中、 R 1はアルキル基で一 C H 3、 - C 2 H 5 または一 C ( C H 3) 3である。以下同じ。)、 C H 2 = C F ( S O 3 R 1 ) 、及び C F 2= C F ( O C H 2 ( C F 2 ) m S O 3 R 1 ) か らなる群から選択される 1種類以上のモノマー。

( 3 ) C F 2 = C F (O ( C H 2 ) m X 2 ) (式中、 X 2はハロゲン 基で一 B r 又は一 C 1 である。以下同じ。)、及び C F 2 = C F

(O C H 2 (C F 2) mX 2) からなる群から選択される 1種類以上 のモノマー。

( 4 ) アタリノレモノマーである、 C F 2 = C R 2 ( C O O R 3 ) (式中、 R 2は一 CH 3又は一 Fであり、 R 3は一 H、一 C H 3、一 C 2H 5又は一 C ( C H 3 ) 3である。以下同じ。)、及び C H 2 = C R 2 ( C O O R 3) からなる群から選択される 1種類以上のモノ マ一。

( 5 ) スチレン、スチレン誘導体モノマーである 2, 4 一ジメチ ルスチレン、 ビニルトルエン、及ぴ 4 一 t e r t ブチルスチレン からなる群から選択される 1種類以上のモノマー。

( 6 ) ァセチルナフチレン、ビニルケトン C H 2 = C H ( C O R 4 ) (式中、 R 4は一 C H 3、一 C 2 H 5又はフエ -ル基(一 C 6 H 5) である。)、及ぴビュルエーテル C H 2 = C H (O R 5 ) (式 中、 R 5は一 C n H 2 n + 1 ( n = l 〜 5 ) 、一 C H ( C H 3) 2、 '一 C ( C H 3 ) 3、又はフエニル基である。)からなる群から選択さ れる 1種類以上のモノマー。

所望によ り、本発明で用いられる電解質生成モノマーに対する 架橋剤の具体例と しては、ジビュルベンゼン、トリァリルシアヌ レー ト、トリアリルイソシァヌレート、 3 , 5 —ビス(トリフル ォロ ビニル)フエノール、及ぴ 3 , 5 —ビス(トリフルォロビニ 06 314711

口キシ) フエノールとうが挙げられる。これら 1種類以上の架橋 剤を、全モノマー基準で 3 0 モル%以下の量加えて架橋重合させ る。

本発明の細孔を有する無機有機複合多孔質膜、 有機一有機複合 多孔質膜は、 表面や内部に精密に制御された細孔を有しているの で、精密に制御して形成された細孔を利用した各種機能を効果的 に発揮することができる。 特に、細孔を有する複合多孔質膜は、 微小貫通孔を有している場合には、 フィルター機能、メンブレン 機能、セパレータ機能、霧化機能、ガス拡散化機能、ノズル機能 ゃ流路調整機能などを発揮することができる。

本発明の細孔を有する無機有機複合多孔質膜、 有機一有機複合 多孔質膜の具体的用途と しては、精密な空間や流路などを形成す るスぺーサ一機能を利用したマイク ロマシーンやセンサー、バイ ォ機器、マイクロリアクターチップ、埋め込み型人工臓器の他、 マイクロフィルター、精密ろ過膜(マイクロメンブレン)、電池 用セパレータ (例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池 等の各種電池で利用される電池用セパレータ) 、燃料電池の部材 (例えば、ガス拡散層、集電層、透湿層、保湿層などの燃料電池 で用いられる各種部材) 、マイクロノズル(例えば、プリンター 用マイクロノ ズル、噴射用マイクロノズル、噴霧用マイクロノズ ル、隙間用マイクロノズルなど)、ディストリビュータ、ガス拡 散層、マイクロ流路などの各種機能部材に用いることができる。

本発明の細孔を有する無機有機複合多孔質膜、 有機一有機複合 多孔質膜を燃料電池に用いると、 固体高分子電解質膜の厚さを薄 くすることが可能であり、 また、高分子フィルム又は高分子シー ト基.材を電解質膜の支持体として用いるため、電解質膜の強度を 補強することができるので、 本発明に係る固体高分子電解質膜を 備えた燃料電池は、 高耐久性であるとともに、燃料ガスのクロス リーク量が少なく、電流一電圧特性を向上することができる。

以下、本発明の実施例を示す。

[実施例]

図 1 に示される工程で、超短パルスレーザを利用した膜加工を 用いた多孔質を支持体と した高機能な燃料電池用複合電解質膜を 製造した。 具体的な製法としては、加工しょうとする孔径より長 い繊維長を持つ繊維状材料 (導電性を持っていない方が好ま し レ、)を含んだ高分子フィルムに超短パルスレーザを照射すること で図 1 のような構造を持つ多孔質膜を形成する。

用いる繊維状材料は、 バルク抵抗値 1 0 — 5〜 1 0 — Q Z C HIの ものが好ましいが、 フィルム材料との混合により絶縁性は向上さ せられるので適用できる材料はこの限りではない。 繊維状材料は フィルム加工及び伝導率維持の観点から繊維超 1 !〜 1 Ο μ πι、 ァスぺク ト比(平均長さ ÷平均径) 1 0以上であるものが好ま

しい。

このフィラーを混合させたポリエーテルエーテルケトン( P E E K) フィルムにサファイアレーザよ り所定の光学系を通して形 成したパルス幅 1 2 0 f s 、出力 0 . 1 Wのフェムト秒パルスを 0 . 1秒照射し、直径 8 の細孔 (貫通孔)を複数形成した。 なお材料は P E E K以外にも P P S、 P E I 、 P P S U、 P I 、 P E S等のエンプラ系のほ力 、 P E、 P P、 P E T等の汎用プラ スチックでもよレ、。

また、この細孔に電解質を充填するため、以下のような組成の 電解質モノマー (A l d r 1 c h製 AT B S /アクリルアミド一 t 一プチルスルホン酸を使用)溶液を用意した。即ち、重量比純 水 :電解質モノマー = 9 5 : 5の溶液に、微量の架橋剤及び界面 活性剤を添加しこれに上記フィルムを浸潰させたあと、 浸透のた めに超音波洗浄及び脱泡処理を行った。 その後波長 3 6 5 n mの

U V ( 0. 3 W/ c m2) を 3分間照射し、フィルム細孔内で重合 させた。その結果、電解質材料が細孔内に充填され、複合電解質 膜が形成された。

産業上の利用可能性

本発明によ り、( 1 ) 所望の物性を有する高分子フィルム又は 高分子シー ト基材が補強材となる、( 2 ) 細孔の孔径を制御でき、 ばらつきのない細孔を形成できる、 ( 3 ) 電解質材料をフィルム 又はシー トに固定するために表面処理等の化学的処理を必要と し ない、等の効果が得られ、本発明の無機有機複合多孔質膜、有機 —有機複合多孔質膜は機能性膜と して種々の用途に適用される。 又、本発明によれば、複合多孔質膜、特に固体高分子電解質膜 の耐久性を向上させることが可能であり 、本発明に係る固体高分 子電解質膜を備えた燃料電池は、 高耐久性であるとともに、燃料 ガスのク ロスリーク量が少なく、電流一電圧特性を向上すること ができる。 これにより、燃料電池の耐久性と発電性能を高め、そ の実用化及び普及に貢献する。