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1. (WO2007011025) AGENT FOR CONTROLLING DISEASES OCCURRING IN THE STAGE OF RAISING RICE SEEDLINGS
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イネの育苗時期に発生する病害に対する防除剤

技術分野

[0001] 本発明は、イネの育苗時期に発生する病害に対する防除剤及びそれを用いたイネ の育苗時期に発生する病害の防除法に関する。

背景技術

[0002] イネの栽培にとって、健全で均質な苗を育成することは、最も重要な作業のひとつ であるが、育苗時期である発芽から幼苗の時期は様々な病害に冒され易ぐ通常、 化学薬剤により徹底的な防除が行われている。

[0003] 従来行われているイネの育苗時期における病害防除に用いられる化学合成薬剤と しては、例えば、糸状菌による種子伝染性の病害であるイネばか苗病、いもち病、ご ま葉枯病に対してはトリフミゾール等の DMI剤が一般的に使用され、細菌による種子 伝染性の病害であるイネもみ枯細菌病、苗立枯細菌病、褐条病に対してはォキソリ ニック酸等が広く用いられている。また、土壌感染性の病害であるイネ苗立枯病に対 しては、ヒドロキシイソキサゾール、べノミル等を含有する薬剤により防除が行われて いる。

[0004] し力しながら、上記化学合成薬剤に対して感受性の低!、、あるいは耐性を有する病 原菌が出現し、問題となっている。また、食品の安全性あるいは環境に対する影響へ の懸念から、作物の栽培において、化学合成薬剤の使用量や使用回数の低減が求 められている。さらに、食品の安全性等の要望の高まりとともに、作物の育苗時期に おいても化学合成薬剤の使用量や使用回数を低減することのできる技術 Z商品の 開発が求められている。このような技術として、具体的には、天然物、食品添加物等 として使用することができる安全性の高い化学品又は生物を利用した農薬等がある。

[0005] 生物を利用した病害防除技術として、微生物製剤による防除が知られている。例え ば、特許文献 1にはフザリウム属菌を含むイネ病害防除用の微生物製剤、特許文献 2にはシユードモナス属菌を含むイネ苗病害防除用の微生物製剤が記載されている [0006] また、糸状菌の 1種であるタラロマイセス ·フラバス(Talaromyces flavus)を有効成分 とする微生物殺菌剤バイオトラスト(出光興産株式会社)が、イチゴ炭そ病およびイチ ゴうどんこ病用の茎葉病害防除剤として使用されている。し力しながら、タラロマイセ ス菌が他の作物における病害防除に効果を有することは、これまで報告されていな かった。

[0007] 特許文献 1 :特開平 11 89562号公報

特許文献 2:特開 2002— 17343号公報

発明の開示

[0008] 本発明は、上記観点からなされたものであり、イネの育苗時期に発生する多くの病 害に対して防除効果に優れた、安全で環境に対する影響の少な!、微生物農薬を提 供することを課題とする。

[0009] 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、タラロマイセ ス属に属する糸状菌がイネの育苗時期に発生する多くの病害に対して防除効果を 有することを見出し、これらの知見に基づいて、本発明を完成するに至った。

[0010] すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。

[0011] (1)イネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌に対して、拮抗作用を有するタラロマ イセス属 (Talaromyces)に属する糸状菌を含有する、イネの育苗時期に発生する病 害の防除剤。

(2)イネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌が、イネ種子伝染性病原菌又は土壌 伝染性病原菌である、 (1)に記載のイネの育苗時期に発生する病害の防除剤。

(3)イネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌が、イネばか苗病菌(Gibberella lujik uroi);ネヽもち病菌 (Pyriculana oryzae ;ィ不こま桑枯病菌 (Cochliobolus miyabea nus);づネもみ枯糸田菌病菌 (Pseudomonas glumae);ィ不苗枯糸田菌病! ¾ (Pseudomon as plantarii);イネ褐条病菌(Pseudomonas avenae);イネ苗立枯病菌であるフザリウム

(Fusarium)属菌、ピシゥム(Pythium)属菌、リゾプス(Rhizopus)属菌、トリコデルマ(Tr ichoderma)属菌のうちの少なくとも 1つである、(2)に記載のイネの育苗時期に発生 する病害の防除剤。

(4)タラロマイセス属に属する糸状菌が、タラロマイセス 'フラバス(Talaromyces flavus )である(1)〜(3)の何れかに記載の病害の防除剤。

(5)タラロマイセス属に属する糸状菌カタラロマイセス 'フラバス Y— 9401株 (FER M BP- 10642)である (4)に記載の病害の防除剤。

(6) (1)〜(5)の何れかに記載の病害の防除剤により、イネの種子、苗、育苗土壌又 は育苗培地を処理する工程を含むことを特徴とする、イネの育苗時期に発生する病 害の防除法。

発明を実施するための最良の形態

[0012] 以下、本発明を詳細に説明する。

(本発明の病害防除剤)

本発明の病害防除剤は、イネの育苗時期に発生する病害の防除剤である。ここで「 苗」とはイネの定植までの幼植物体を意味する。また、「育苗」とは苗を育成することを 意味し、「育苗時期」とは苗を植え付ける前の栽培時期を意味する。育苗時期の苗は 、 1葉期、 2葉期、 3葉期等と苗が有する葉の数で、苗の生育時期を示すことがある。 苗の生育時期でいえば、育苗時期の苗とは、例えば、稚苗移植栽培における移植適 期である不完全葉を含めた 4葉期程度までの苗である。

[0013] 本発明の病害防除剤は、有効成分としてタラロマイセス属に属する糸状菌を含有 する。

(1)タラロマイセス属に属する糸状菌

本発明に用いるタラロマイセス属に属する糸状菌としては、イネの育苗時期に病害 を引き起こす病原菌に対して拮抗作用を有する菌であれば特に制限されな、。ここ で「拮抗作用」とは、対象となるイネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌の細胞数 を減少させる作用または増殖を抑制させる作用、すなわち、抗菌作用を意味する。ィ ネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌に対して拮抗作用を有する菌として、好ま しくはタラロマイセス属フラバス種に属する菌が挙げられ、更にその内でもタラ口マイ セス 'フラバス Y— 9401株が好ましく挙げられる。また、 Y— 9401株の変異株も、上 記拮抗作用を有する限り、用いることができる。本発明の病害防除剤には、上記の微 生物のうちの 1種を単独で、又は、病害防除効果に影響を及ぼさない限り、 2種以上 を組合せて用いることができる。

[0014] タラロマイセス'フラバス Y— 9401株は、平成 8年 9月 2日に通商産業省工業技術 院生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センター (現独立行政法人産業技術 総合研究所特許生物寄託センター (IPOD) (茨城県つくば巿東 1 - 1 - 1 中央第 6 ) )に、 FERM Ρ— 15816として寄託されている。そして、平成 18年 7月 18日に国際 寄託に移管され、 FERM BP— 10642として寄託されている。

[0015] イネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌に対する拮抗作用は、例えば、同一プ レート上に、供試菌とイネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌とを並べて、 15〜3 5°Cにおいて 3〜14日間、対畤培養した後、供試菌による、イネの育苗時期に病害を 引き起こす病原菌の生育抑制の状況を観察することにより、確認することができる。

[0016] 本発明に用いるタラロマイセス属に属する糸状菌は、通常の糸状菌と同様の方法 で培養することができる。例えば、液体培地中で培養する往復動式液体培養ゃジャ ーファメンター培養等の液体培養法や固体培地で培養する固体培養法により、タラ ロマイセス属に属する糸状菌を増殖させることができる。タラロマイセス属に属する糸 状菌の胞子を収率良く生産するには、固体培養法がより好適に用いられる。タラロマ イセス属に属する糸状菌の培養条件については、通気、攪拌、振とう等の方法により 好気的条件下で行うのが望ましぐ培養温度は 20〜40°Cが好ましい。培養期間は 3 〜60日間とするのが好ましぐ 3〜20日間とするのが特に好ましい。なお、本発明に 用いるタラロマイセス属に属する糸状菌の菌体は、病害防除剤の製品としての保存 性の観点から、胞子であることが好ましい。したがって、タラロマイセス属に属する糸 状菌を胞子化させるため、必要であれば培養の終期において、培地の組成、培地の pH、培養温度、培養湿度、培養する際の酸素濃度等の培養条件を、その胞子形成 条件に適合させるように調製することが好ましい。

[0017] タラロマイセス属に属する糸状菌を培養する際に用いる液体培地成分としては、ポ テトデキストロース培地やサブロー培地等が用いられる。固体培養を行う場合には、 米、麦、トウモロコシ、ダイズ等の穀物類、フスマ、大豆カス等の穀物由来の固体成分 や、栄養源を含む粘土鉱物等の固体担体等に必要に応じて糖類や窒素源等を含ま せた培地を用いることができる。

[0018] タラロマイセス属に属する糸状菌を含む培養物はそのまま用いても良いが、必要に 応じて培養物を破砕あるいは細断して用いても良ぐさら〖こ、この培養物から篩等に より胞子を主体に回収したものを用いても良い。また、水や油等の液体により培養物 から菌体を分離し、そのままある、は濃縮したものを用いても良、。

[0019] 本発明の病害防除剤は、タラロマイセス属に属する糸状菌を通常コロニー形成単 位として通常 1 X 106〜1 X 1012cfu/g,好ましくは 1 X 107〜1 X 10ucfuZg含む培 養物または培養物の粉砕物を、用途や使用方法に適した様々な種類の製剤に配合 させたものである。

[0020] 本発明の病害防除剤は、タラロマイセス属に属する糸状菌を含む培養物または培 養物の粉砕物の含有量が 0. 1-99. 9質量%であることが好ましぐ 1. 0-50. 0質 量%であることがより好まし!/、。

[0021] (2)任意成分

本発明の病害防除剤には、上記のタラロマイセス属に属する糸状菌の他に本発明 の効果を妨げないものであれば、任意成分として添加して使用することができる。こ のような任意成分は、製剤化、品質の安定ィ匕等を目的に必要に応じて含有させること ができる。

[0022] 本発明の病害防除剤に用いられる任意成分としては、例えば、以下のような成分の 1種又は 2種以上を組合せて用いることができる。

[0023] 例えば、増量剤として、固体担体ではカオリンクレー、パイ口フェライトクレー、ベント ナイト、モンモリロナイト、珪藻土、合成含水酸化ケィ素、酸性白土、タルク類、粘土、 セラミック、石英、セリサイト、バーミキユライト、パーライト、大谷石、アンスラ石、石灰 石、石炭石、ゼォライト等の鉱物質微粉末;食塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、尿素等 の無機化合物;籾殻、フスマ、力-殻、ェビ殻、ォキアミ微粉末、米粕、小麦粉、トウモ 口コシ穂軸、落花生殻、骨粉、魚粉、粕粉、木粉、炭、くん炭、バーク炭、籾殻くん炭 、草木炭、ピートモス、ァタパルジャイト、乾燥畜糞、活性炭、油粕、デンプンおよびそ の加水分解物等の有機物微粉末; D—ソルビトール、ラタトース、マルチトース、ダル コサミン、オリゴ糖類等の可溶性増量剤等を用いることができる。液体担体では、水、 植物油、動物油、鉱物油、合成水溶性高分子等を用いることができる。

[0024] さらに、必要に応じて補助剤としてカゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸、 セルロース類、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、キチン類、キトサン類 等の天然多糖類等;ポリビュルアルコール類;ポリアクリル酸類;ベントナイト等を増粘 、固着、分散等を目的として、必要に応じて含有させることができる。

[0025] また、エチレングリコール、プロピレングリコール等の二価アルコール等を、凍結防 止等を目的として、必要に応じて含有させることができる。

[0026] ァニオン型、カチオン型、両性型等の界面活性剤を分散安定、凝集防止、乳化等 を目的として、必要に応じて含有させることができる。

[0027] (本発明の病害防除剤の製造方法)

本発明のタラロマイセス属に属する糸状菌を含有する病害防除剤は、実際に使用 し易い形態に製剤化することができる。つまり、通常の製剤の製造方法に従って、必 要に応じて、各種任意成分とともに、水和剤、粉剤、粒剤、乳剤、フロアブル剤、塗布 剤等に製剤化することができる。

[0028] 例えば、水和剤、粉剤は、上記したような固体担体に、必要に応じて上記したような 界面活性剤や品質を安定させる成分を混合または粉砕混合することにより製造する ことができる。

[0029] 例えば、粒剤は、上記したような固体担体に、必要に応じて上記したような界面活 性剤や品質を安定させる成分を混合または粉砕混合し、更に造粒することにより製 造することができる。

[0030] 例えば、乳剤は、植物油、動物油、鉱物油等の液状担体に、必要に応じて上記し たような界面活性剤を乳化、分散等を目的として、また、品質を安定させる成分を混 合または粉砕混合することにより製造することができる。

[0031] 例えば、フロアブル剤は、水に上記したような補助剤を増粘等を目的として、上記し たような二価アルコール等を凍結防止を目的として、上記したような界面活性剤を分 散等を目的として、また、品質を安定させる成分を混合または粉砕混合することにより 製造することができる。

[0032] 例えば、塗布剤は、水や油等の液体担体に補助剤を加え、混合し、ゾル状または ゲル状とすることにより製造することができる。

[0033] (本発明の病害防除剤の施用方法)

本発明の病害防除剤は、糸状菌、細菌、微生物媒介ウィルス等によってイネの育 苗時期に発生する病害の防除に有効に作用する。また、本発明の病害防除剤は、 例えば、イネ種子伝染性病菌あるヽは土壌伝染病菌により引き起こされる病害の防 除に有効に作用する。より具体的には、本発明の病害防除剤は、例えば、イネばか 苗 ^丙菌 (Gibberella lujikuroi)、ィ不ヽ ¾ち病 (Pyricularia oryzae 、づネま集 3 (し ochliobolus miyabeanus)、ィ不もみ f古糸田菌丙菌 (Pseudomonas glumae)、ィネ苗 枯糸田菌病菌 (Pseudomonas plantarn)、ィ不褐条;)丙^ KPseudomonas avenaeノ、 Ίネ 苗立枯病菌(フザリウム(Fusarium)属菌、ピシゥム(Pythium)属菌、リゾプス(Rhizopus )属菌、トリコデルマ (Trichoderma)属菌等)等により引き起こされる病害の防除に特 に有効に作用する。本発明の病害防除剤は、上記のような病原菌のうちの 1種又は 2 種以上に作用する。上記のようなイネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌のなか には、イネの育苗時期だけではなぐ育苗時期以外の時期にも病害を引き起こす病 原菌も存在するが、ここで「イネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌」とは、少なく ともイネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌を意味し、育苗時期以外の時期にも 病害を引き起こす病原菌及び育苗時期以外の時期に病害を引き起こさない病原菌 の何れをも含むものである。

[0034] 本発明のタラロマイセス属に属する糸状菌を含有する病害防除剤は、上記のような 各種病害を防除する目的で、イネの種子、苗、育苗土壌又は育苗培地に施用される 力 その方法は、剤型等の使用形態や病害によって適宜選択される。このような方法 として、例えば、種子浸漬処理、種子粉衣処理、種子塗布処理、種子散布 (噴霧を含 む)処理、土壌散布 (噴霧を含む)処理、土壌混和施用、土壌灌注施用、育苗箱灌 注施用、株元施用、地上部液散布、地上部固形散布等の方法を挙げることができる

[0035] また、イネへの病害防除剤の施用に際して、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤 、除草剤、植物生長調節剤、肥料、土壌改良資材等を混合施用、あるいは混合せず に交互施用、または同時施用することも可能である。

[0036] 本発明のタラロマイセス属に属する糸状菌を含有する病害防除剤の施用量は、病 害の種類等によって一概には規定できないが、例えば、種子浸漬処理する場合には

、種子浸漬液として製剤を 10〜: L000倍 (質量)に希釈して適用することが好ましぐ その菌体濃度は浸漬液 lmlあたり通常 1 X 103〜1 X 101Qcfu、好ましくは 1 X 104〜1 X 109cfuである。

[0037] 種子粉衣処理する場合には、種子質量に対して製剤を 1〜20質量%適用すること が好ましぐその菌体濃度は種子質量 lgあたり通常 1 X 103〜1 X 101Qcfu、好ましく は 1 X 104〜1 X 109cfuである。

[0038] 土壌散布施用する場合には、通常稚苗移植用として使用される育苗箱 (例えば、 面積 1800cm2程度)あたり散布が液体であれば、 50〜: LOOOml適用することが好ま しぐその菌体濃度は散布液体 lmlあたり通常 1 X 103〜1 X 101Qcfu、好ましくは 1 X 104〜l X 101()cfuである。

[0039] 土壌混和施用する場合には、通常稚苗移植用として使用される育苗箱 (例えば、 面積 1800cm2程度) 0. 1〜: LOOg適用することが好ましぐその菌体濃度は土壌 lml あたり 1 X 102〜1 X 109cfu、好ましくは 1 X 103〜1 X 108cfuである。

[0040] 育苗箱灌注施用する場合には、通常稚苗移植用として使用される育苗箱 (例えば 、面積 1800cm2程度)あたり散布が液体であれば 50〜: LOOOml適用することが好ま しぐその菌体濃度は散布液体 lmlあたり通常 1 X 103〜1 X 109cfu、好ましくは 1 X 104〜l X 108cfuである。

[0041] 本発明の病害防除剤の施用頻度に対しては特に制限はないが、イネの育苗時期 に病害を引き起こす病原菌に対して、イネの育苗時期に、例えば 1〜5回の頻度で使 用することで、イネの育苗時期に病害の発生を抑えることが可能となる。

[0042] 本発明の病害防除剤を使用する前及び後において、通常の方法でイネの苗及び イネを栽培することができる。

実施例

[0043] 以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が

、これら実施例にのみ、限定を受けないことは言うまでもない。

[0044] <製造例 1 >

(胞子の製造)

培地にフスマを用い、これにタラロマイセス 'フラバス Y— 9401 (FERM BP— 106 42)株の種菌を植菌し、 30°Cにおいて 10日間固体培養した。培養終了後、培養物 を乾燥し、その乾燥培養物を篩にかけ、フスマ残さを除去し、タラロマイセス 'フラバス Y- 9401胞子含有粉末 (4 X 109cfu/g)を得た。

[0045] <製剤例 1 >

(製剤の製造)

上記製造例 1で得られたタラロマイセス'フラバス Y— 9401胞子含有粉末を使用し 、この胞子含有粉末 10質量%、界面活性剤として SORPOL5082 (東邦化学工業 製)を 5質量%、増量剤として粘土鉱物 (Kクレー:勝光山鉱業所社製) 45質量%およ びダルコサミン (焼津水産化学社製) 40質量%の割合になるように原料を混合し、ミ ル粉砕機を用いて混合および粉砕し、製剤例 1の製剤 (4 X 108cfu/g)を得た。

[0046] <実施例 1 >

(イネばか苗病防除試験)

(1)感染種子の調製

本田にお、てばか苗病が多発して、る水稲からイネ(品種:あきたこまち)種子を収 穫した。この種子をばか苗病菌感染種子とした。

[0047] (2)薬剤処理

上記製剤例 1により製造した製剤を水で 200倍 (質量)に希釈し、この溶液 15ml中 にばか苗病菌感染種子 5gを投入し、暗中、 30°Cの人工気象器内にて 48時間浸漬 処理し、薬剤処理種子とした。また、ばか苗病菌感染種子を同様に水に浸漬処理し 、対象 (無処理種子)とした。

[0048] (3)試験植物の育成

上記浸漬処理後、ばか苗病菌感染種子を、水稲育苗用培土を充填した 100cm2の プラスチック製ポットに播種した。薬剤処理種子を播種した区域を薬剤処理区、無処 理種子を播種した区域を無処理区とした。薬剤処理区および無処理区ともに 3反復 とした。上記水稲育苗用培土で覆土した後、ガラス温室内において定法に従い栽培 管理した。

[0049] (4)防除効果調査

播種 2週間後、ばか苗病により引き起こされる極端な徒長病徴が発現している苗を 発病苗とし、各処理区における 3反復の発病苗数の平均値を用い、下記 (式 1)に基 づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率力も下記 (式 2)に基づき 防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。

[0050] [数 1]

発病苗率(%) =発病苗数/全調査苗数 X 1 0 0 (式 1 )

防除価 = [ (無処理区発病苗率一薬剤処理区発病苗率)無処理区発病苗率] X 1 0 0 (式 2 )

[0051] (5)結果

調査結果を第 1表に示す。第 1表より明らかなように本発明の病害防除剤は、イネ のばか苗病に対して著しく高い防除効果を示した。

[0052] [表 1]

第 1表


[0053] <実施例 2 >

(イネいもち病防除試験)

(1)感染種子の調製

本田におヽて、もち病が多発して、る水稲からイネ(品種:あきたこまち)種子を収 穫した。この種子をいもち病菌感染種子とした。

[0054] (2)薬剤処理

上記製剤例 1により製造した製剤を水で 200倍 (質量)に希釈し、この溶液 15ml中 にいもち病菌感染種子 4gを投入し、暗中、 30°Cの人工気象器内で 48時間浸漬処 理し、薬剤処理種子とした。いもち病菌感染種子を同様に水に浸漬処理し、対象 (無 処理種子)とした。

[0055] (3)試験植物の育成

上記浸漬処理後、いもち病菌感染種子を水稲育苗用培土を充填した 100cm2のプ ラスチック製ポットに播種した。薬剤処理種子を播種した区域を薬剤処理区、無処理 種子を播種した区域を無処理区とした。薬剤処理区および無処理区ともに 3反復とし た。上記水稲育苗用培土で覆土した後、ガラス温室内において定法に従い栽培管

理した。

[0056] (4)防除効果調査

播種 2週間後、いもち病病斑が葉面に発現している苗を発病苗とし、各処理区の 3 反復における発病苗数の平均値を用い、上記 (式 1)に基づき、発病苗率を算出した 。そして、この算出した発病苗率力も上記 (式 2)に基づき防除効果として薬剤処理区 の防除価を算出した。

[0057] (5)結果

調査結果を第 2表に示す。第 2表より明らかなように本発明の病害防除剤は、イネ のいもち病に対して著しく高い防除効果を示した。

[0058] [表 2]

第 2表


[0059] <実施例 3 >

(イネもみ枯細菌病防除試験)

(1)感染種子の調製

イネ(品種:ふさおとめ)種子を、もみ枯細菌病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件 下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種籾をもみ枯細菌病菌感染種子 とした。

[0060] (2)薬剤処理

上記製剤例 1により製造した製剤を、水で 200倍 (質量)に希釈し、この溶液 15ml 中にもみ枯細菌病菌感染種子 5gを投入し、暗中、 30°Cの人工気象器内で 48時間 浸漬処理し、薬剤処理種子とした。もみ枯細菌病菌感染種子を同様に水に浸漬処 理し、無処理種子とした。

[0061] (3)試験植物の育成

上記浸漬処理後、もみ枯細菌病菌感染種子を、水稲育苗用培土を充填した 100c m2のプラスチック製ポットに播種した。薬剤処理種子を播種した区域を薬剤処理区、 無処理種子を播種した区域を無処理区とした。薬剤処理区および無処理区ともに 3 反復とした。上記水稲育苗用培土で覆土した後、ガラス温室内において定法に従い 栽培管理した。

[0062] (4)防除効果調査

播種 2週間後、苗の腐敗、萎凋、白化等のもみ枯細菌病の病徴が発現している苗 を発病苗とし、各処理区の 3反復における発病苗数の平均値を用い、上記 (式 1)に 基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率力も上記 (式 2)に基づ き防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。

[0063] (5)結果

調査結果を第 3表に示す。第 3表より明らかなように本発明の病害防除剤は、もみ 枯細菌病に対して著しく高い防除効果を示した。

[0064] [表 3]

第 3表


[0065] <実施例 4>

(イネ苗立枯細菌病防除試験)

(1)感染種子の調製

イネ(品種:ふさおとめ)種子を苗立枯細菌病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件 下で強制的に種子中に接種した。風乾した後、この種籾を苗立枯細菌病病菌感染 種子とした。

[0066] (2)薬剤処理

上記製剤例 1により製造した製剤を水に 200倍 (質量)に希釈し、この溶液 15ml中 に、 15°Cで 5日間吸水させた苗立枯細菌病菌感染種子 5gを投入、暗中、 30°Cの人 工気象器内に 24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。苗立枯細菌病菌感染種子 を同様に水に浸漬処理し、対象 (無処理種子)とした。

[0067] (3)試験植物の育成

上記浸漬処理後、苗立枯細菌病菌感染種子を水稲育苗用培土を充填した 100c m2のプラスチック製ポットに播種した。薬剤処理種子を播種した区域を薬剤処理区、 無処理種子を播種した区域を無処理区とした。薬剤処理区および無処理区ともに 3 反復とした。上記水稲育苗用培土で覆土した後、ガラス温室内において定法に従い 栽培管理した。

[0068] (4)防除効果調査

播種 2週間後、苗の腐敗、萎凋、白化等の苗立枯細菌病の病徴が発現している苗 を発病苗とし、各処理区の 3反復における発病苗数の平均値を用い、上記 (式 1)に 基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率力も上記 (式 2)に基づ き防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。

[0069] (5)結果

調査結果を第 4表に示す。第 4表より明らかなように本発明の病害防除剤は、イネ の苗立枯細菌病に対して著しく高い防除効果を示した。

[0070] [表 4]

第 4表


[0071] <実施例 5 >

(イネ褐条病防除試験)

(1)感染種子の調製

イネ(品種:ふさおとめ)種子を褐条病菌を含む溶液中に投入し、減圧条件下で強 制的に種子中に接種した。風乾した後、この種籾を褐条病菌感染種子とした。

[0072] (2)薬剤処理

上記により製造した製剤例 1を水に 200倍 (質量)に希釈し、この溶液 15ml中に 15 °Cで 5日間吸水させた褐条病菌感染種子 5gを投入し、暗中、 30°Cの人工気象器内 に 24時間浸漬処理し、薬剤処理種子とした。褐条病菌感染種子を同様に水に浸漬 処理し、対象 (無処理種子)とした。

[0073] (3)試験植物の育成

上記浸漬処理後、褐条病菌感染種子を水稲育苗用培土を充填した 100cm2のブラ スチック製ポットに播種した。薬剤処理種子を播種した区域を薬剤処理区、無処理種 子を播種した区域を無処理区とした。薬剤処理区および無処理区ともに 3反復とした 。上記水稲育苗用培土で覆土した後、ガラス温室内において定法に従い栽培管理し た。

[0074] (4)防除効果調査

播種 2週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等の褐条病の病徴が発現している苗を発病 苗とし、各処理区の 3反復における発病苗数の平均値を用い、上記 (式 1)に基づき、 発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率力も上記 (式 2)に基づき防除効 果として薬剤処理区の防除価を算出した。

[0075] (5)結果

調査結果を第 5表に示す。第 5表より明らかなように本発明の病害防除剤は、イネ の褐条病に対して著しく高い防除効果を示した。

[0076] [表 5]

第 5表


[0077] <実施例 6 >

(フザリウム菌によるイネ苗立枯病防除試験)

(1)病原菌の接種

水稲育苗用培土に、フスマおよび水稲育苗用培土で培養したフザリウム菌培養物 を均一に混和し、フザリウム菌によるイネ苗立枯病汚染土壌とした。

[0078] (2)薬剤処理

上記フザリウム菌による苗立枯病汚染土壌を充填した 100cm2のプラスチック製ポッ トにイネ(品種:コシヒカリ)を播種した。そして製剤例 1で製造した製剤を水で 1000倍 (質量)に希釈した溶液を、前記土壌表面に均一に噴霧処理(25ml)し、薬剤処理区

とした。また、前記薬剤溶液を水としたポットを作製し、対象 (無処理区)とした。薬剤 処理区および無処理区ともに 2反復とした。

[0079] (3)試験植物の育成

上記処理を実施したポットに水稲育苗用培土で覆土した後、ガラス温室内におい て定法に従い栽培管理した。

[0080] (4)防除効果調査

播種 2週間後、苗の腐敗、萎凋、褐変等のフザリウム菌による苗立枯病の病徴が発 現して、る苗を発病苗とし、各処理区の 2反復における発病苗数の平均値を用い、 上記 (式 1)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率から上記 (式 2)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。

[0081] (5)結果

調査結果を第 6表に示す。第 6表より明らかなように本発明の病害防除剤は、フザリ ゥム菌によるイネ苗立枯病に対して著しく高、防除効果を示した。

[0082] [表 6]

第 6表


[0083] <実施例 7>

(リゾプス菌によるイネ苗立枯病防除試験)

(1)病原菌の接種

水稲育苗用培土に、フスマおよび水稲育苗用培土で培養したリゾプス菌培養物を 均一に混和し、リゾプス菌によるイネ苗立枯病汚染土壌とした。

[0084] (2)薬剤処理

上記リゾプス菌による苗立枯病汚染土壌を充填した 100cm2のプラスチック製ポット にイネ(品種:コシヒカリ)を播種した。そして製剤例 1を水で 1000倍 (質量)に希釈し た溶液を、前記土壌表面に均一に噴霧処理 (25ml)し、薬剤処理区とした。また、前 記薬剤溶液を水としたポットを作製し、対象 (無処理区)とした。薬剤処理区および無 処理区ともに 2反復とした。

[0085] (3)試験植物の育成

上記処理を実施したポットに水稲育苗用培土で覆土した後、ガラス温室内におい て定法に従い栽培管理した。

[0086] (4)防除効果調査

播種 2週間後、苗の腐敗、萎凋、根の生長阻害等のリゾプス菌による苗立枯病の病 徴が発現して、る苗を発病苗とし、各処理区の 2反復における発病苗数の平均値を 用い、上記 (式 1)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗率か ら上記 (式 2)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。

[0087] (5)結果

調査結果を第 7表に示す。第 7表より明らかなように本発明の病害防除剤は、リゾプ ス菌によるイネ苗立枯病に対して著しく高い防除効果を示した。

[0088] [表 7]

第 7表


[0089] <実施例 8 >

(トリコデルマ菌によるイネ苗立枯病防除試験)

(1)病原菌の接種

水稲育苗用培土に、フスマおよび水稲育苗用培土で培養したトリコデルマ菌培養 物を均一に混和し、トリコデルマ菌によるイネ苗立枯病汚染土壌とした。

[0090] (2)薬剤処理

上記トリコデルマ菌による苗立枯病汚染土壌を充填した 100cm2のプラスチック製 ポットにイネ(品種:コシヒカリ)を播種した。そして製剤例 1を水に 1000倍 (質量)に希 釈した溶液を、前記土壌表面に均一に噴霧処理 (25ml)し、薬剤処理区とした。また 、前記薬剤溶液を水としたポットを作製し、対象 (無処理区)とした。薬剤処理区およ び無処理区ともに 2反復とした。

[0091] (3)試験植物の育成

上記処理を実施したポットに水稲育苗用培土で覆土した後、ガラス温室内におい て定法に従い栽培管理した。

[0092] (4)防除効果調査

播種 2週間後、苗の腐敗、萎凋、根の生長阻害等のトリコデルマ菌による苗立枯病 の病徴が発現して、る苗を発病苗とし、各処理区の 2反復における発病苗数の平均 値を用い、上記 (式 1)に基づき、発病苗率を算出した。そして、この算出した発病苗 率から上記 (式 2)に基づき防除効果として薬剤処理区の防除価を算出した。

[0093] (5)結果

調査結果を第 8表に示す。第 8表より明らかなように本発明の病害防除剤は、トリコ デルマ菌によるイネ苗立枯病に対して著しく高い防除効果を示した。

[0094] [表 8]

第 8表


産業上の利用可能性

[0095] 本発明によれば、以下の特長を有する微生物製剤を提供することができる。

•イネの育苗時期に発生する種々の病害に対して、高い効果を発揮する。

•安全で環境に対する影響が少な、。

•一般的な化学合成農薬に比べて、使用回数に対する制限がな!、又は極めて少な い。