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1. (WO2007010878) POLYOLEFIN MULTILAYER MICROPOROUS MEMBRANE AND BATTERY SEPARATOR
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明 細書

ポリオレフイン多層微多孔膜及び電池用セパレータ

技術分野

[0001] 本発明は、ポリオレフイン多層微多孔膜及び電池用セパレータに関し、特にシャット ダウン特性及びメルトダウン特性のバランスに優れ、良好な成膜性を有するポリオレ フィン多層微多孔膜及び電池用セパレータに関する。

背景技術

[0002] ポリオレフイン微多孔膜は、リチウム電池用を始めとする電池用セパレータ、電解コ ンデンサ用隔膜、透湿防水衣料、各種濾過膜等の用途に広く用いられている。ポリ ォレフィン微多孔膜を電池用セパレータとして用いる場合、その性能は電池の特性、 生産性及び安全性に深く関わる。特にリチウムイオン電池用セパレータには、優れた 機械的特性及び透過性以外に、外部回路の短絡、過充電等により引き起こされる電 池の発熱、発火、破裂事故等を防止するため、異常時の発熱により細孔が閉塞して 電池反応を停止する性能 [シャットダウン (SD)特性]や、高温になっても形状を維持 して正極物質と負極物質が直接反応する危険な事態を防止する性能 (寸法安定性) 等も要求される。

[0003] そこで日本国特許第 3235669号は、寸法安定性及び SD特性に優れた電池用セパ レータとして、低密度ポリエチレン、エチレン'ブテン共重合体又はエチレン'へキセ ン共重合体力選択されたポリマーからなる少なくとも 1つの第一層と、高密度ポリエ チレン、超高分子量ポリエチレン又はポリプロピレン力選択されたポリマー力もなる 少なくとも 1つの第二層とを有する電池用セパレータを開示している。

[0004] 日本国特許第 3589778号は、ポリエチレンの溶融が起こると直ちに電流を遮断でき る程度まで高抵抗ィ匕する多孔質膜として、ポリプロピレン多孔質膜の両面に、ポリエ チレン及びポリプロピレンの混合物力なる多孔質膜を重ねた三層構造の積層多孔 質膜であって、これに電解液を含浸させ、両面に電極を配置して交流電圧を印加し 、電解液の抵抗発熱により 10〜50°CZ秒の速度で昇温した時の最高到達温度が(ポ リエチレンの融点 + 20°C)以下である多孔質膜を開示している。

[0005] WO 2004/089627は、透過性、高温時の膜強度、高温保存性及び安全性に優れ、 SD温度が低ぐショート温度が高いポリオレフイン微多孔膜として、ポリエチレン及び ポリプロピレンを必須成分として含み、二層以上の積層フィルムからなり、少なくとも片 側の表層のポリプロピレン混合比率が 50質量%超〜 95質量%以下であり、かつ膜全 体のポリエチレン含有率が 50質量%〜95質量%であるポリオレフイン微多孔膜を提 案している。

[0006] しかし少なくとも一面の表層にポリプロピレンを含む微多孔膜には、成膜性や膜厚 の均一性が悪いという問題がある。具体的には、微多孔膜をスリットした時にポリプロ ピレンが脱落し、それにより発生する粉の量が多ぐそのため微多孔膜製品にピンホ ールゃ黒点等の欠陥が生じることがある。膜厚均一性が悪いと、電池セパレータとし て用いた場合に短絡が発生し易、、耐圧縮性が低、と、つた安全上の問題が生じ 易いだけでなぐ歩留まりが悪いため電池の生産性にも劣る。表層にポリプロピレンを 含む微多孔膜には、 SD温度が高ぐ SD速度が遅いという問題もある。

[0007] そこでポリエチレンとポリプロピレンを含み、平滑性及び圧縮特性に優れたポリオレ フィン微多孔膜として、特開 2002-194132号は、 MFRが 2.0以下のポリプロピレンと、質 量平均分子量 Z数平均分子量が 8〜100のポリエチレンと力なり、力かるポリプロピ レンの含有量が 20質量0 /0以下であるポリオレフイン微多孔膜を提案している。

[0008] 膜厚均一性、機械的特性、透過性、寸法安定性、シャットダウン特性及びメルトダウ ン特性のバランスに優れたポリオレフイン微多孔膜として、特開 2004-196870号は、ポ リエチレンと、質量平均分子量が 5 X 105以上で、走査型示差熱量計により測定された 融解熱が 90 J/g以上のポリプロピレンと力なり、ポリプロピレンの含有量が 20質量0 /0 以下であるポリオレフイン微多孔膜を提案しており、特開 2004-196871号は、ポリェチ レンと、質量平均分子量が 5 X 105以上で、走査型示差熱量計により 3〜20°C/minの 昇温速度で測定された融点が 163°C以上のポリプロピレンと力なり、ポリプロピレン の含有量が 20質量%以下であるポリオレフイン微多孔膜を提案して、る。しかしこれ らの各文献のポリオレフイン微多孔膜は、 V、ずれも SD特性が十分に解決されたとは 言えない。

[0009] そこで特開 2002-321323号は、安全性及び強度に優れたポリオレフイン微多孔膜と して、ポリエチレン及びポリプロピレンを必須成分とする微多孔膜 Aと、ポリエチレン微 多孔膜 Bとを積層一体ィ匕してなり、膜 AZ膜 BZ膜 A又は膜 BZ膜 AZ膜 Bの 3層構造 を有するポリオレフイン微多孔膜を提案している。し力しこの文献の実施例は、いず れも膜 AZ膜 BZ膜 Aの 3層構造を有する微多孔膜の例であり、この文献には膜 BZ 膜 AZ膜 Bの 3層構造を有する微多孔膜の例が全くな、。し力もこのポリオレフイン微 多孔膜は、微多孔膜 A中のポリプロピレンの特性を最適化していないので、 SD特性 が必ずしも良くない場合がある。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] 従って、本発明の目的は、シャットダウン特性及びメルトダウン特性のバランスに優 れ、良好な成膜性を有するポリオレフイン多層微多孔膜及び電池用セパレータを提 供することである。

課題を解決するための手段

[0011] 上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、少なくとも三層力もなるポリオレ フィン多層微多孔膜において、両面の表層をポリエチレン系榭脂のみ力もなる層とし

、かつポリエチレン系榭脂と、走査型示差熱量計により測定した融解熱(Δ Η m )が 90 J

/g以上のポリプロピレンとを含み、これらの配合割合を調整した内層を、両ポリエチレ ン系榭脂層の間に介在させると、低いシャットダウン温度、高いシャットダウン速度及 び高、メルトダウン温度を示し、かつ成膜性に優れたポリオレフイン多層微多孔膜が 得られることを発見し、本発明に想到した。

[0012] すなわち、本発明のポリオレフイン多層微多孔膜は、少なくとも三層からなり、ポリエ チレン系榭脂からなり、少なくとも両面の表層を形成する第一の多孔質層と、ポリェチ レン系榭脂及びポリプロピレンを含み、両表層間に少なくとも一層介在する第二の多 孔質層とを有し、走査型示差熱量計により測定した前記ポリプロピレンの融解熱 ( Δ H m )が 90 J/g以上であり、前記ポリプロピレンの含有量力第二の多孔質層中のポリ エチレン系榭脂及びポリプロピレンの合計を 100質量%として 50質量%以下であるこ とを特徴とする。

[0013] 前記ポリプロピレンの融解熱は 95 J/g以上であるのが好ましい。前記ポリプロピレン の含有量は、第二の多孔質層中のポリエチレン系榭脂及びポリプロピレンの合計を 1 00質量%として 3〜45質量%であるのが好ましぐ 15〜45質量%であるのがより好ま しい。

[0014] 第一の多孔質層と第二の多孔質層の割合は、固形分質量比 (第一の多孔質層 Z 第二の多孔質層)が 90Z10〜10Z90であるのが好ましぐ 80Ζ20〜40Ζ60であるの 力 り好ましい。

[0015] 優れた特性を有するポリオレフイン多層微多孔膜を得るために、第一及び第二の多 孔質層のポリエチレン系榭脂は下記条件を満たすのが好ましい。

[0016] (1)上記ポリエチレン系榭脂は、 (a)超高分子量ポリエチレン、 (b)超高分子量ポリエ チレン以外のポリエチレン、(c)超高分子量ポリエチレンとそれ以外のポリエチレンと 力もなる組成物(ポリエチレン組成物)、又は (d) (a)〜(c)のいずれかと、ポリエチレン 及びポリプロピレン以外のポリオレフインと力もなる組成物が好ましぐ (c)ポリエチレン 組成物がより好ましい。

[0017] (2)上記 (1)に記載のポリエチレン組成物は、質量平均分子量が 5 X 105以上の超高 分子量ポリエチレンと、質量平均分子量が 1 X 104以上〜 5 X 105未満のポリエチレンと 力 なるのが好ましい。

[0018] (3)上記 (2)に記載のポリエチレン組成物中の超高分子量ポリエチレンの質量平均分 子量は 1 X 106〜15 X 106、特に 1 X 106〜5 X 106であるのが好ましい。

[0019] (4)上記 (1)に記載のポリエチレン組成物中の超高分子量ポリエチレンは、エチレン単 独重合体、又はエチレン以外の α -ォレフィンを少量含有するエチレン' α -ォレフィ ン共重合体であるのが好まし、。

[0020] (5)上記 (2)に記載のポリエチレン組成物中の質量平均分子量カ^ X 104以上〜 5 X 10 5未満のポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、分岐状低密度ポ リエチレン、及び鎖状低密度ポリエチレン力なる群力選ばれた少なくとも一種であ るのが好ましい。

[0021] (6)上記 (5)に記載のポリエチレン組成物中の質量平均分子量カ^ X 104以上〜 5 X 10

5未満のポリエチレンは、高密度ポリエチレンが好まし!/、。

[0022] (7)上記ポリエチレン系榭脂は、いずれの場合も、 1 X 104〜1 X 107の質量平均分子 量、及び 5〜300の Mw/Mnを有するのが好ましい。

[0023] 優れた特性を有するポリオレフイン多層微多孔膜を得るために、第二の多孔質層の ポリプロピレンは下記条件を満たすのが好ましい。

[0024] (1)上記ポリプロピレンの質量平均分子量は 1 X 104〜4 X 106の範囲内であるのが好 ましぐ 1 X 105〜9 X 105であるのがより好ましぐ 5 X 105〜9 X 105であるのが特に好ま しい。

[0025] (2)上記ポリプロピレンの Mw/Mnは 1.01〜100であるのが好ましい。

[0026] (3)上記ポリプロピレンの融点は 155〜175°Cであるのが好ましぐ 163°C〜175°Cであ るのがより好ましい。

[0027] 上記特徴を有する本発明のポリオレフイン多層微多孔膜は、 25〜80%の空孔率、 2 0〜400秒 Z100 cm3の透気度(膜厚 20 μ mに換算)、 3,000 mN/20 μ m以上の突刺 強度、 100,000 kPa以上の引張破断強度、 100%以上の引張破断伸度、 10%以下の 熱収縮率(105°C '8時間暴露後)、 140°C以下のシャットダウン温度、 10秒以下のシャ ットダウン速度(135°C)、及び 160°C以上のメルトダウン温度を有するのが好ましい。

[0028] 本発明の電池用セパレータは上記ポリオレフイン多層微多孔膜により形成される。

発明の効果

[0029] 本発明のポリオレフイン多層微多孔膜は、低、シャットダウン温度、高、シャットダウ ン速度及び高いメルトダウン温度を示し、かつ成膜性、機械的特性、透過性及び寸 法安定性に優れて、る。力かるポリオレフイン多層微多孔膜を電池用セパレータとし て用いることにより、耐熱性、耐圧縮性等の安全性及び生産性に優れた電池が得ら れる。

図面の簡単な説明

[0030] [図 1]典型的な DSC曲線の例を示すグラフである。

発明を実施するための最良の形態

[0031] [1]ポリオレフイン多層微多孔膜

本発明のポリオレフイン多層微多孔膜 (以下単に「多層微多孔膜」とよぶことがある) は少なくとも三層からなり、ポリエチレン系榭脂からなり、少なくとも両面の表層を形成 する第一の多孔質層と、ポリエチレン系榭脂及びポリプロピレンを含み、両表層間に

少なくとも一層介在する第二の多孔質層とを有する。

[0032] (A)第一の多孔質層

(1)ポリエチレン系榭脂

第一の多孔質層を形成するポリエチレン系榭脂は、超高分子量ポリエチレンとそれ 以外のポリエチレンと力もなる組成物(ポリエチレン組成物)が好ましい。超高分子量 ポリエチレンは 5 X 105以上の質量平均分子量 (Mw)を有する。超高分子量ポリエチレ ンは、エチレンの単独重合体のみならず、他の α -ォレフィンを少量含有するェチレ ン' α -ォレフィン共重合体でもよい。エチレン以外の α -ォレフィンとしては、プロピレ ン、ブテン- 1、ペンテン- 1、へキセン- 1、 4-メチルペンテン- 1、オタテン- 1、酢酸ビ- ル、メタクリル酸メチル、及びスチレンが好ましい。超高分子量ポリエチレンの Mwは 1 X 106〜15 X 106が好ましぐ 1 X 106〜5 X 106がより好ましい。超高分子量ポリエチレン は単独物に限定されず、二種以上の超高分子量ポリエチレン同士の混合物であって もよい。混合物として、例えば Mwの異なる二種以上の超高分子量ポリエチレン同士 の混合物が挙げられる。

[0033] 超高分子量ポリエチレン以外のポリエチレンは 1 X 104以上〜 5 X 105未満の Mwを有 し、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン及び鎖状 低密度ポリエチレン力もなる群力も選ばれた少なくとも一種が好ましぐ高密度ポリエ チレンがより好ましい。 Mwが 1 X 104以上〜 5 X 105未満のポリエチレンは、エチレンの 単独重合体のみならず、プロピレン、ブテン- 1、へキセン- 1等の他の α -ォレフィンを 少量含有する共重合体でも良、。このような共重合体としてシングルサイト触媒により 製造されたものが好ましい。超高分子量ポリエチレン以外のポリエチレンは単独物に 限定されず、二種以上の超高分子量ポリエチレン以外のポリエチレンの混合物であ つてもよい。混合物として、例えば Mwの異なる二種以上の高密度ポリエチレン同士の 混合物、同様な中密度ポリエチレン同士の混合物、同様な低密度ポリエチレン同士 の混合物等が挙げられる。

[0034] ポリエチレン糸且成物中の超高分子量ポリエチレンの含有量は、ポリエチレン糸且成物 全体を 100質量%として、 1質量%以上であるのが好ましぐ 10〜80質量%であるのが より好まし、。

[0035] ポリエチレン系榭脂として、上記ポリエチレン糸且成物のみならず、必要に応じて、上 記超高分子量ポリエチレンのみ、又は上記超高分子量ポリエチレン以外のポリェチ レンのみを用いてもよい。

[0036] 必要に応じて、ポリエチレン系榭脂は、ポリエチレン及びポリプロピレン以外のポリ ォレフィン (以下特段の断りがない限り「その他のポリオレフイン」とよぶ)を含んでもよ い。その他のポリオレフインとしては、各々 Mwが 1 X 104〜4 X 106のポリブテン- 1、ポリ ペンテン- 1、ポリへキセン- 1、ポリオクテン- 1及びエチレン' α -ォレフィン共重合体、 並びに Mwが 1 X 103〜1 X 104のポリエチレンワックスからなる群から選ばれた少なくと も一種を用いることができる。ポリブテン- 1、ポリペンテン- 1、ポリへキセン- 1及びポリ オタテン- 1は単独重合体のみならず、他の α -ォレフィンを含有する共重合体であつ てもよい。その他のポリオレフインの含有量は、ポリエチレン系榭脂全体を 100質量0 /0 として 20質量%以下が好ましぐ 10質量%以下がより好ましい。

[0037] いずれの場合も、ポリエチレン系榭脂の Mwは特に制限されないが、好ましくは 1 X 1 04〜: L X 107であり、ょり好ましくは5 104〜15 106でぁり、特に好ましくは 1 X 105〜5 X 106である。ポリエチレン系榭脂の Mwが 15 X 106以下であると、溶融押出が容易で ある。

[0038] ポリエチレン系榭脂の Mw/Mnは限定的でないが、ポリエチレン系榭脂が上記ポリェ チレン組成物、超高分子量ポリエチレン、又は超高分子量ポリエチレン以外のポリエ チレンのいずれ力からなる場合、 5〜300が好ましぐ 10〜100がより好ましい。 Mw/Mn が 5未満だと高分子量成分が多過ぎて溶融押出が困難であり、また Mw/Mnが 300超 だと低分子量成分が多過ぎて積層微多孔膜の強度低下を招く。 Mw/Mnは分子量分 布の尺度であり、この値が大きいほど分子量分布の幅は大きい。ポリエチレン (単独 重合体及びエチレン' α -ォレフィン共重合体)の Mw/Mnは、多段重合により適宜調 整することができる。多段重合法としては、一段目で高分子量ポリマー成分を生成し 、二段目で低分子量ポリマー成分を生成する二段重合が好ましい。ポリエチレン組 成物の場合、 Mw/Mnが大き、ほど超高分子量ポリエチレンとそれ以外のポリエチレ ンとの Mwの差が大きぐまたその逆も真である。ポリエチレン組成物の Mw/Mnは、各 成分の分子量及び混合割合により適宜調整することができる。

[0039] (2)両表層の組成

両表層を形成する第一の多孔質層の組成は、各層で同じであっても、異なってい てもよいが、同じであるのが好ましい。

[0040] (3)層数

第一の多孔質層は、両面の表層にあればよいが、必要に応じて三層以上にしても よい。例えば両表層間に第二の多孔質層とともに、両表層と組成の異なる第一の多 孔質層を設けてもよい。

[0041] (4)第一の多孔質層の作用

ポリオレフイン多層微多孔膜の両表層を、以上のような第一の多孔質層により形成 すると、低、SD温度及び高、SD速度を示すポリオレフイン多層微多孔膜が得られる

[0042] (B)第二の多孔質層

(1)ポリオレフイン組成物

第二の多孔質層を形成するポリオレフイン組成物は、ポリエチレン系榭脂と、走査 型示差熱量計により測定した融解熱が 90 J/g以上のポリプロピレンとを必須成分とす る。

[0043] (a)ポリエチレン系榭脂

第二の多孔質層のポリエチレン系榭脂は上記と同じでよい。ただし第二の多孔質 層のポリエチレン系榭脂の組成は、第一の多孔質層のポリエチレン系榭脂の組成と 同じであっても、異なっていてもよぐ所望の物性に応じて適宜選択することができる

[0044] (b)ポリプロピレン

ポリプロピレンは JIS K7122に基づき走査型示差熱量計 (DSC)により測定した融解 熱 Δ Η mが 90 J/g以上である必要がある。融解熱測定時の昇温速度は 3〜20°CZ分と するのが好ましぐ通常は 10°CZ分である。ポリプロピレンの融解熱 Δ Η mが 90 J/g未 満であると、多層微多孔膜のメルトダウン特性及び突刺強度が低い。さらにシート形 成時にポリプロピレンの分散性が悪ィ匕することがあり、その場合第二の多孔質層表面 の微視的な凹凸が大きくなるため、多層微多孔膜の厚さの変動が大きくなる。融解熱 ( Δ Η m )は 95 J/g以上であるのがより好まし!/、。

[0045] 融解熱に関する上記要件を満たす限り、ポリプロピレンの種類は特に限定されず、 プロピレンの単独重合体、プロピレンと他の α -ォレフィン及び Z又はジォレフインと の共重合体、あるいはこれらの混合物のいずれでも良いが、単独重合体が好ましい 。共重合体としてはランダム共重合体又はブロック共重合体の、ずれも用いることが できる。 α -ォレフィンの炭素数は 8以下が好ましい。炭素数が 8以下の α -ォレフィン として、エチレン、ブテン- 1、ペンテン- 1、 4-メチルペンテン- 1、オタテン- 1、酢酸ビ- ル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。ジォレフインの炭素数は 4〜14が好 ましい。炭素数力〜14のジォレフインとして、例えばブタジエン、 1,5-へキサジェン、 1,7-ォクタジェン、 1,9-デカジエン等が挙げられる。他の α -ォレフィン又はジォレフィ ンの含有量は、プロピレン共重合体を 100モル0 /0として 10モル0 /0未満であるのが好ま しい。

[0046] ポリプロピレンの Mwは 1 X 104〜4 X 106が好ましぐ 1 X 105〜9 X 105がより好ましく、 5 X 105〜9 X 105が特に好ましい。 Mwが 1 X 104未満のポリプロピレンを用いると、メル トダウン特性が低下してしまう。一方 4 X 106超のポリプロピレンを用いると、ポリエチレ ン系榭脂との混練が困難になる。ポリプロピレンの分子量分布(Mw/Mn)は 1.01〜10 0が好ましぐ 1.1〜50がより好ましい。ポリプロピレンの融点は 155〜175°Cが好ましぐ 163°C〜175°Cがより好ましい。ここで融点は JIS K7121により測定することができる(以 下同じ)。

[0047] 成膜性向上のために、粉末状のポリプロピレンを用いてもよ!、。粉末状ポリプロピレ ンは平均粒径が 100〜2,000 μ mで、かつ粒径分布が 50〜3,000であるのが好ましい。 ここで平均粒径及び粒径分布は JIS K0069により測定することができる。

[0048] (c)その他の耐熱性榭脂

ポリオレフイン組成物は、必要に応じてポリプロピレン以外の耐熱性榭脂を含んでも よ!ヽ。ポリプロピレン以外の耐熱性榭脂(以下特段の断りがない限り単に「耐熱性榭 脂」とよぶ。)としては、融点が 150°C以上の結晶性榭脂 (部分的に結晶性である榭脂 を含む)、及び Z又は Tgが 150°C以上の非晶性榭脂が好ましい。ここで Tgは JIS K712 1により測定することができる(以下同じ)。

[0049] 耐熱性榭脂の具体例としては、ポリエステル、ポリメチルペンテン [PMP又は TPX (ト ランスパレントポリマー X)、融点:230〜245°C]、ポリアミド(PA、融点: 215〜265°C)、 ポリアリレンスルフイド(PAS)、フッ素榭脂、ポリスチレン(PS、融点: 230°C)、ポリビ- ルアルコール(PVA、融点: 220〜240°C)、ポリイミド(PI、 Tg: 280°C以上)、ポリアミドィ ミド(PAI、 Tg: 280°C)、ポリエーテルサルフォン(PES、 Tg: 223°C)、ポリエーテルエー テルケトン(PEEK、融点: 334°C)、ポリカーボネート(PC、融点: 220〜240°C)、セル口 ースアセテート(融点: 220°C)、セルローストリアセテート(融点: 300°C)、ポリスルホン (Tg: 190°C)、ポリエーテルイミド (融点: 216°C)等が挙げられる。耐熱性榭脂は、単 ー榭脂成分力もなるものに限定されず、複数の榭脂成分力もなるものでもよい。耐熱 性榭脂の好ましい Mwは、榭脂の種類により異なる力一般的に 1 X 103〜1 X 106であ り、ょり好ましくは1 104〜7 105でぁる。

[0050] ポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート(PBT、融点:約 160〜230°C)、ポリ エチレンテレフタレート(PET、融点:約 250〜270°C)、ポリエチレンナフタレート(PEN 、融点: 272°C)、ポリブチレンナフタレート(PBN、融点: 245°C)等が挙げられる力 PB Tが好まし!/、。 PBTの Mwは 2 X 104〜3 X 105が好まし!/、。

[0051] PMPは 4-メチル -1-ペンテンの単独重合体が好まし!/、。 PMPの Mwは 3 X 105〜7 X 1 05が好ましい。 PAとしてはポリアミド 6 (6-ナイロン)、ポリアミド 66 (6, 6-ナイロン)、ポリ アミド 12 (12-ナイロン)及びアモルファスポリアミドからなる群力も選ばれた少なくとも 一種が好ましい。 PASとしてはポリフエ-レンスルフイド(PPS、融点: 285°C)が好ましい

[0052] フッ素榭脂としては、ポリフッ化ビ-リデン(PVDF、融点: 171°C)、ポリテトラフルォロ エチレン(PTFE、融点: 327°C)、テトラフルォロエチレン 'ペルフルォロアルキルビ- ルエーテル共重合体(PFA、融点: 310°C)、テトラフルォロエチレン'へキサフルォロ プロピレン 'パーフルォロ(プロピルビュルエーテル)共重合体(EPE、融点: 295°C)、 テトラフルォロエチレン'へキサフルォロプロピレン共重合体(FEP、融点: 275°C)、ェ チレン 'テトラフルォロエチレン共重合体 (ETFE、融点: 270°C)等が挙げられる。中で も PVDFが好ましい。

[0053] (d)配合割合

ポリプロピレンの含有量は、ポリエチレン系榭脂及びポリプロピレンの合計を 100質 量%として 50質量%以下である。この含有量を 50質量%超とすると、 SD温度が高くな つたり、 SD速度が低下したり、成膜性が低下したりする。具体的には、 SD温度が 140 °Cを超えたり、多層微多孔膜をスリットした時にポリプロピレン脱落により発生する粉 の量が増加したりする。ポリプロピレン脱落による粉発生量が多いと、多層微多孔膜 製品にピンホールや黒点等の欠陥が生じる恐れがある。この含有量は 3〜45質量% が好ましぐ 15〜45質量%がより好ましい。この含有量を 3質量%未満とすると、メルト ダウン特性が低下する。耐熱性榭脂の含有量は、ポリエチレン系榭脂、ポリプロピレ ン及び耐熱性榭脂の合計を 100質量%として、 20質量%以下が好ま、。

[0054] (2)層数

第二の多孔質層は通常一層でよいが、必要に応じて多層にしてもよい。例えば組 成の異なる複数の第二の多孔質層を設けてもよい。

[0055] (3)第二の多孔質層の作用

両表層間に、少なくとも一層の第二の多孔質層が介在すると、ポリオレフイン多層 微多孔膜のメルトダウン特性が良好となる。

[0056] (C)層構成例並びに第一及び第二の多孔質層の割合

限定的ではないが、ポリオレフイン多層微多孔膜は、第一の多孔質層 Z第二の多 孔質層 Z第一の多孔質層の三層構成が好ましい。第一の多孔質層と第二の多孔質 層の割合は限定的ではないが、固形分質量比 (第一の多孔質層 Z第二の多孔質層 )が 90Z10〜10Z90であるのが好ましぐ 80Ζ20〜40Ζ60であるのがより好ましい。

[0057] [2]ポリオレフイン多層微多孔膜の製造方法

(Α)第一の製造方法

本発明のポリオレフイン多層微多孔膜を製造する第一の方法は、 (1)上記ポリェチ レン系榭脂及び成膜用溶剤を溶融混練して第一の溶融混練物 (第一のポリオレフィ ン溶液)を調製するとともに、上記ポリオレフイン組成物及び成膜用溶剤を溶融混練 して第二の溶融混練物 (第二のポリオレフイン溶液)を調製する工程、 (2)第一及び 第二のポリオレフイン溶液を個別にダイより押し出し、得られた各押出し成形体を冷 却してゲル状シートを形成する工程、 (3)各ゲル状シートを延伸する工程、 (4)成膜用 溶剤除去工程、 (5)乾燥工程、及び (6)得られた第一及び第二のポリオレフイン微多 孔膜を接合する工程を有する。工程 (6)の後に、必要に応じて (7)多層微多孔膜を延 伸する工程、 (8)熱処理工程、 (9)電離放射による架橋処理工程、 (10)親水化処理 工程等を行ってもよい。

[0058] (1)ポリオレフイン溶液の調製工程

(a)第一のポリオレフイン溶液の調製

ポリエチレン系榭脂に適当な成膜用溶剤を添加した後、溶融混練し、第一のポリオ レフイン溶液を調製する。第一のポリオレフイン溶液には必要に応じて酸ィ匕防止剤、 紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、無機充填材等の各種添加剤を 本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。例えば、孔形成剤として微 粉珪酸を添加できる。

[0059] 成膜用溶剤としては液体溶剤及び固体溶剤の!/ヽずれも使用できる。液体溶剤とし てはノナン、デカン、デカリン、パラキシレン、ゥンデカン、ドデカン、流動パラフィン等 の脂肪族又は環式の炭化水素、及び沸点がこれらに対応する鉱油留分が挙げられ る。溶剤含有量が安定したゲル状シートを得るためには、流動パラフィンのような不揮 発性の液体溶剤を用いるのが好ま、。固体溶剤は融点が 80°C以下のものが好まし く、このような固体溶剤としてパラフィンワックス、セリルアルコール、ステアリルアルコ ール、ジシクロへキシルフタレート等が挙げられる。液体溶剤と固体溶剤を併用しても よい。

[0060] 液体溶剤の粘度は 25°Cの温度において 30〜500 cStの範囲内であるのが好ましぐ 30〜200 cStの範囲内であるのがより好ましい。この粘度が 30 cSt未満ではポリエチレ ン溶液のダイリップからの吐出が不均一であり、かつ混練が困難である。一方 500 cSt 超では液体溶剤の除去が困難である。

[0061] 第一のポリオレフイン溶液の均一な溶融混練は特に限定されないが、二軸押出機 中で行うのが好ましい。二軸押出機中での溶融混練は高濃度のポリオレフイン溶液 を調製するのに適する。溶融混練温度は、ポリエチレン系榭脂がポリエチレン組成物 である場合、ポリエチレン組成物の融点 + 10°C〜 + 100°Cの範囲内であるのが好まし い。具体的には溶融混練温度は 140〜250°Cの範囲内であるのが好ましぐ 170〜240 °Cの範囲内であるのがより好ましい。成膜用溶剤は混練開始前に添加しても、混練 中に二軸押出機の途中から添加してもよいが、後者が好ましい。溶融混練にあたつ てはポリエチレン系榭脂の酸ィ匕を防止するために酸ィ匕防止剤を添加するのが好まし い。

[0062] 第一のポリオレフイン溶液中、ポリエチレン系榭脂と成膜用溶剤との配合割合は、 両者の合計を 100質量%として、ポリエチレン系榭脂が 10〜50質量%であり、好ましく は 20〜45質量%である。ポリエチレン系榭脂の割合を 10質量%未満にすると、第一 のポリオレフイン溶液を押し出す際にダイ出口でスゥエルやネックインが大きくなり、押 出し成形体 (ゲル状成形体)の成形性及び自己支持性が低下する。一方ポリェチレ ン系榭脂の割合が 50質量%を超えるとゲル状成形体の成形性が低下する。

[0063] (b)第二のポリオレフイン溶液の調製

第二のポリオレフイン溶液は、ポリオレフイン組成物に上記成膜用溶剤を添加した 後、溶融混練することにより調製する。第二のポリオレフイン溶液の調製方法は、ポリ ォレフィン組成物がポリエチレン系榭脂及びポリプロピレン力もなる場合、溶融混練 温度をポリプロピレンの融点〜融点 + 70°Cとするのが好ましい点、ポリオレフイン組成 物がポリエチレン系榭脂、ポリプロピレン及び耐熱性榭脂からなる場合、溶融混練温 度を耐熱性榭脂の種類に応じて結晶性耐熱性榭脂の融点又は非晶性耐熱性榭脂 の Tg以上とするのが好ましい点以外、第一のポリオレフイン溶液の調製方法と同じで ある。

[0064] (2)ゲル状シートの形成工程

溶融混練した第一及び第二のポリオレフイン溶液を、直接に又は別の押出機を介 して、或いは一旦冷却してペレツトイ匕した後再度押出機を介してダイ力押し出す。 通常長方形の口金を有するシート用ダイを用いるが、二重円筒状の中空状ダイ、イン フレーシヨンダイ等も用いることができる。シート用ダイの場合、ダイのギャップは通常 0.1〜5mmであり、押し出し時には 140〜250°Cに加熱する。加熱溶液の押し出し速度 は 0.2〜15 mZ分であるのが好ましい。

[0065] ダイ力押し出した各ポリオレフイン溶液力なるゲル状成形体を冷却することによ り第一及び第二のゲル状シートが得られる。冷却は、少なくともゲルィヒ温度以下まで は 50°CZ分以上の速度で行うのが好まし、。また 25°C以下まで冷却するのが好まし い。このようにして榭脂相(第一のゲル状シート中のポリエチレン系榭脂相、及び第二 のゲル状シート中のポリオレフイン組成物相)が成膜用溶剤によってミクロに相分離さ れた構造を固定ィ匕することができる。一般に冷却速度が遅、と得られるゲル状シート の高次構造が粗くなり、それを形成する擬似細胞単位も大きくなるが、冷却速度が速 V、と密な細胞単位となる。冷却速度が 50°CZ分未満ではポリエチレンの結晶化度が 上昇し、延伸に適したゲル状シートとなりにくい。冷却方法としては冷風、冷却水、そ の他の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールに接触させる方法等 を用いることができる。

[0066] (3)ゲル状シートの延伸工程

得られた第一及び第二のゲル状シートを少なくとも一軸方向に延伸する。各ゲル状 シートは成膜用溶剤を含むので、均一に延伸できる。各ゲル状シートは、加熱後、テ ンタ一法、ロール法、インフレーション法、圧延法又はこれらの方法の組合せにより所 定の倍率で延伸する。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好まし い。二軸延伸の場合、同時二軸延伸、逐次延伸又は多段延伸(例えば同時ニ軸延 伸及び逐次延伸の組合せ)の、ずれでもよ!、が、特に同時二軸延伸が好ま、。

[0067] 延伸倍率は、一軸延伸の場合、 2倍以上が好ましぐ 3〜30倍がより好ましい。二軸 延伸ではいずれの方向でも少なくとも 3倍以上とし、面積倍率で 9倍以上とするのが 好ましぐ面積倍率で 25倍以上とするのがより好ましい。面積倍率が 9倍未満では延 伸が不十分であり、高弾性及び高強度の微多孔膜が得られない。一方面積倍率が 4 00倍を超えると、延伸装置、延伸操作等の点で制約が生じる。二軸延伸の場合、延 伸倍率の上限は、いずれの方向でも 10倍、すなわち面積倍率で 100倍にするのが好 ましい。

[0068] 第一及び第二のゲル状シートの各ポリエチレン系榭脂がポリエチレン糸且成物である 場合、延伸温度は、ポリエチレン組成物の融点 + 10°C以下にするのが好ましぐ結晶 分散温度力融点未満の範囲内にするのがより好ましい。この延伸温度が融点 + 10 °C超となると、延伸後の分子鎖の配向性が悪化する。一方結晶分散温度未満では 榭脂の軟ィ匕が不十分で、延伸により破膜しやすぐ高倍率の延伸ができない。ここで 結晶分散温度とは、 ASTM D 4065に基づいて動的粘弾性の温度特性測定により求 められる値を言う。超高分子量ポリエチレン及びそれ以外のポリエチレンは約 90〜10 0°Cの結晶分散温度を有し、約 130〜140°Cの融点を有する。よって延伸温度を通常 9 0〜140°Cの範囲内にし、好ましくは 100〜130°Cの範囲内にする。

[0069] 所望の物性に応じて、膜厚方向に温度分布を設けて延伸してもよぐこれにより一 層機械的強度に優れた微多孔膜が得られる。その方法は、具体的には、日本国特 許第 3347854号に記載されてヽる。

[0070] 以上のような延伸によりポリエチレン結晶ラメラ層間の開裂が起こり、ポリエチレン系 榭脂相が微細化し、多数のフィブリルが形成される。得られるフィブリルは三次元網 目構造 (三次元的に不規則に連結したネットワーク構造)を形成する。

[0071] (4)成膜用溶剤除去工程

液体溶剤の除去 (洗浄)には洗浄溶媒を用いる。榭脂相 (第一のゲル状シート中の ポリエチレン系榭脂相、及び第二のゲル状シート中のポリオレフイン糸且成物相)は成 膜用溶剤と相分離しているので、成膜用溶剤を除去すると多孔質の膜が得られる。 液体溶剤の除去 (洗浄)は公知の洗浄溶媒を用いて行うことができる。洗浄溶媒とし ては、例えばペンタン、へキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素、塩化メチレン、四塩 化炭素等の塩素化炭化水素、ジェチルエーテル、ジォキサン等のエーテル類、メチ ルェチルケトン等のケトン類、三フッ化工タン, C 6 F 14 , C 7 F 16等の鎖状フルォロカーボ ン、 C 5 H 3 F 7等の環状ハイド口フルォロカーボン、 C 4 F 9 OCH 3 , C 4 F 9 OC 2 H 5等のハイド口 フルォロエーテル、 C 4 F 9 OCF 3 , C 4 F 9 OC 2 F 5等のパーフルォロエーテル等の易揮発性 溶媒が挙げられる。これらの洗浄溶媒は低い表面張力(例えば 25°Cで 24 mNZm以 下)を有する。低表面張力の洗浄溶媒を用いることにより、微多孔を形成する網状組 織が洗浄後の乾燥時に気液界面の表面張力により収縮するのが抑制され、もって 高 ヽ空孔率及び透過性を有する微多孔膜が得られる。

[0072] 延伸後の各ゲル状シートの洗浄は、洗浄溶媒に浸漬する方法、洗浄溶媒をシャヮ 一する方法、又はこれらの組合せにより行うことができる。洗浄溶媒は、延伸後の膜 1 00質量部に対し、 300〜30,000質量部使用するのが好ましい。洗浄溶媒による洗浄 は、液体溶剤の残留量が当初の添加量の 1質量%未満になるまで行うのが好ましい

[0073] (5)膜の乾燥工程

延伸及び成膜用溶剤除去により得られた各ポリオレフイン微多孔膜を、加熱乾燥法 、風乾法等により乾燥する。各ポリオレフイン微多孔膜のポリエチレン系榭脂がポリェ チレン組成物である場合、乾燥温度は、ポリエチレン組成物の結晶分散温度以下で あるのが好ましぐ特に結晶分散温度より 5°C以上低いのが好ましい。乾燥は、微多 孔膜を 100質量% (乾燥質量)として、残存洗浄溶媒が 5質量%以下になるまで行うの が好ましぐ 3質量%以下になるまで行うのがより好ましい。乾燥が不十分であると、 後の熱接合で微多孔膜の空孔率が低下し、透過性が悪ィ匕するので好ましくな、。

[0074] (6)接合工程

乾燥後の第一及び第二のポリオレフイン微多孔膜を、少なくとも両表層が第一のポ リオレフイン微多孔膜となり、両表層間に第二のポリオレフイン微多孔膜が少なくとも 一層介在するように積層し、接合する。三層微多孔膜を製造する場合、乾燥後の第 一のポリオレフイン微多孔膜を第二のポリオレフイン微多孔膜の両面に接合する。

[0075] 接合方法は特に限定されないが、熱接合法が好ましい。熱接合法としては、ヒート シール法、インパルスシール法、超音波接合法等が挙げられるが、ヒートシール法が 好ましぐ熱ロール法がより好ましい。但し熱ロール法に限定されない。熱ロール法で は、一対の加熱ロール間、又は加熱ロール及び受台の間に、積層した第一及び第 二のポリオレフイン微多孔膜を通し、ヒートシールする。ヒートシール時の温度及び圧 力は、各ポリオレフイン微多孔膜が十分に接着し、かつ得られる多層微多孔膜の特 性が低下しない限り特に制限されず、適宜設定すればよい。ヒートシール温度は、例 えば 90〜135°Cとし、好ましくは 90〜115°Cとする。ヒートシール圧力は、限定的では ないが、 0.1〜50 MPaとするのが好ましい。

[0076] (7)多層微多孔膜の延伸工程

接合により得られた多層微多孔膜を、少なくとも一軸方向に延伸するのが好ま、 。多層微多孔膜の延伸は、多層微多孔膜を加熱しながら、上記と同様にロール法、 テンター法等により行うことができる。多層微多孔膜の延伸は一軸延伸でも二軸延伸 でもよい。二軸延伸の場合、同時二軸延伸又は逐次延伸のいずれでもよいが、同時

二軸延伸が好ましい。

[0077] 多層微多孔膜の第一の多孔質層のポリエチレン系榭脂がポリエチレン組成物であ る場合、延伸温度は、第一の多孔質層のポリエチレン組成物の融点以下にするのが 好ましぐ結晶分散温度力融点以下の範囲内にするのがより好ましい。この延伸温 度が融点を超えると耐圧縮性が低下したり、横手方向(TD)に延伸した場合にシート 幅方向にぉ、て物性 (特に透気度)のばらつきが大きくなつたりする。一方結晶分散 温度未満ではポリエチレン系榭脂の軟ィ匕が不十分で、延伸において破膜しやすぐ 均一に延伸できない。具体的には、延伸温度を通常 90〜135°Cの範囲内にし、好ま しくは 95〜130°Cの範囲内にする。

[0078] 多層微多孔膜の延伸の一軸方向への倍率は 1.1〜2.5倍にするのが好ましぐこれ により多層微多孔膜の耐圧縮性が一層向上する。例えば一軸延伸の場合、長手方 向(MD)又は TD方向に 1.1〜2.5倍にする。二軸延伸の場合、 MD方向及び TD方向 に各々 1.1〜2.5倍にする。二軸延伸の場合、 MD方向及び TD方向の各延伸倍率は 1 .1〜2.5倍である限り、 MD方向と TD方向で互いに異なってもよいが、同じであるのが 好ましい。この倍率が 1.1倍未満だと、耐圧縮性が十分に向上しない。一方この倍率 を 2.5倍超とすると、破膜する可能性が高くなつたり、寸法安定性が低下したりするの で、好ましくない。この延伸の倍率は 1.1〜2.0倍にするのがより好ましい。

[0079] (8)熱処理工程

接合後又は延伸後の多層微多孔膜を熱処理するのが好ま、。熱処理によって結 晶が安定ィ匕し、ラメラ層が均一化される。熱処理方法としては、熱固定処理及び Z又 は熱緩和処理を用いればよい。第一の多孔質層のポリエチレン系榭脂がポリェチレ ン組成物である場合、熱固定処理は、ポリエチレン組成物の融点 + 10°C以下、好ま しくは結晶分散温度以上〜融点以下の温度範囲内で行う。熱固定処理は、テンター 方式、ロール方式又は圧延方式により行う。

[0080] 熱緩和処理は、上記方式の他に、ベルトコンベア又はエアフローティング式加熱炉 を用いて行ってもよい。第一の多孔質層のポリエチレン系榭脂がポリエチレン組成物 である場合、熱緩和処理はポリエチレン組成物の融点以下の温度、好ましくは 60°C 以上〜融点 10°C以下の温度範囲内で行う。このような熱緩和処理により、透過性 の良好な高強度の多層微多孔膜が得られる。また熱固定処理及び熱緩和処理を多 数組み合せて行ってもょヽ。

[0081] (9)膜の架橋処理工程

接合後又は延伸後の多層微多孔膜に対して、 α線、)8線、 γ線、電子線等の電離 放射線の照射により架橋処理を施してもよい。電子線の照射の場合、 0.1〜100 Mrad の電子線量が好ましぐ 100〜300 kVの加速電圧が好ましい。架橋処理によりポリエ チレン多層微多孔膜のメルトダウン温度が上昇する。

[0082] (10)親水化処理工程

接合後又は延伸後の多層微多孔膜に親水化処理を施してもよ!、。親水化処理は、 モノマーグラフト、界面活性剤処理、コロナ放電等により行うことができる。モノマーグ ラフトは架橋処理後に行うのが好ましい。

[0083] 界面活性剤処理の場合、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ァニォ ン系界面活性剤又は両イオン系界面活性剤のいずれも使用できるが、ノ-オン系界 面活性剤が好ましい。界面活性剤を水又はメタノール、エタノール、イソプロピルアル コール等の低級アルコールに溶解してなる溶液中に多層微多孔膜を浸漬する力、多 層微多孔膜にドクターブレード法により溶液を塗布する。

[0084] (B)第二の製造方法

第二の製造方法は、第一の製造方法に対して、延伸後の第一のゲル状シート及び Z又は第二のゲル状シートを熱固定処理した後、成膜用溶剤を除去する点のみが 異なり、その他の工程については同じである。

[0085] (C)第三の製造方法

第三の製造方法は、第一の製造方法に対して、洗浄前の延伸した第一のゲル状シ ート及び Zもしくは第二のゲル状シート、並びに/又は洗浄後の第一のポリオレフィ ン微多孔膜及び Zもしくは第二のポリオレフイン微多孔膜を熱溶剤に接触させる点の みが異なり、その他の工程については同じである。従って、以下熱溶剤処理工程に ついてのみ説明する。

[0086] 熱溶剤処理は洗浄前の延伸した第一及び第二のゲル状シートに行うのが好まヽ 。加熱処理で使用する溶剤としては、上記液状の成膜用溶剤が好ましい。中でも流 動パラフィンがより好ま、。ただし加熱処理用溶剤は第一のポリオレフイン溶液や第 二のポリオレフイン溶液を製造する際に用いたものと同じであってもよいし、異なって ちょい。

[0087] 熱溶剤処理方法としては、延伸後のゲル状シート又は微多孔膜が熱溶剤と接触で きる方法であれば特に制限されないが、例えば延伸後のゲル状シート又は微多孔膜 を直接熱溶剤に接触させる方法 (以下特段の断りがない限り、単に「直接法」と呼ぶ。 )、延伸後のゲル状シート又は微多孔膜を冷溶剤に接触させた後加熱する方法 (以 下特段の断りがない限り、単に「間接法」と呼ぶ。)等が挙げられる。直接法としては、 延伸後のゲル状シート又は微多孔膜を熱溶剤中に浸漬する方法、熱溶剤を延伸後 のゲル状シート又は微多孔膜にスプレーする方法、熱溶剤を延伸後のゲル状シート 又は微多孔膜に塗布する方法等があるが、浸漬法が好ましぐこれにより均一な処理 が可能である。間接法としては、延伸後のゲル状シート又は微多孔膜を冷溶剤に浸 漬するか、冷溶剤を延伸後のゲル状シート又は微多孔膜にスプレーするカゝ、冷溶剤 を延伸後のゲル状シート又は微多孔膜に塗布した後、冷溶剤が付着したゲル状シー ト又は微多孔膜を熱ロールと接触させたり、オーブン中で加熱したり、熱溶剤に浸漬 したりする方法が挙げられる。

[0088] 熱溶剤処理工程の温度及び時間を変えることにより、膜の孔径ゃ空孔率を変化さ せることができる。延伸後のゲル状シート又は微多孔膜のポリエチレン系榭脂がポリ エチレン組成物である場合、熱溶剤の温度は、ポリエチレン組成物の結晶分散温度 以上〜融点 + 10°C以下の範囲が好ましい。具体的には、熱溶剤温度は、 110〜140 °Cが好ましぐ 115〜135°Cがより好ましい。接触時間は 0.1秒間〜 10分間が好ましぐ 1秒間〜 1分間がより好ましい。熱溶剤温度が結晶分散温度未満であったり、接触時 間が 0.1秒間未満であったりすると、熱溶剤処理の効果はほとんどなぐ透過性が向 上しない。一方熱溶剤温度を融点 + 10°C超にしたり、接触時間を 10分間超にしたり すると、微多孔膜の強度が低下したり、微多孔膜が破断したりするので好ましくない。

[0089] 延伸後のゲル状シート又は微多孔膜を熱溶剤処理した後、洗浄し、残留する加熱 処理用溶剤を除去する。洗净方法は、上記成膜用溶剤除去方法と同じでよいので、 説明を省略する。いうまでもないが、熱溶剤処理を延伸後のゲル状シートに行った場 合、上記成膜用溶剤除去処理を行えば加熱処理用溶剤も除去できる。

[0090] 以上のような熱溶剤処理により、延伸により形成されたフイブリルが葉脈状になり、 かつその幹となる繊維が比較的太くなる。そのため細孔径が大きぐ強度及び透過性 に優れた微多孔膜が得られる。ここで「葉脈状のフィブリル」とは、フィブリルが太い幹 の繊維とその外方に連なる細!ヽ繊維とからなり、細!ヽ繊維が複雑な網状構造を形成 している状態をいう。なお洗浄前の熱固定処理は、第二の製造方法にのみ限定され るものではなぐ第三の製造方法にあってもよい。すなわち、第三の製造方法におい て、熱溶剤処理の前及び Z又は後のゲル状シートに対して熱固定処理してもよい。

[0091] (D)第四の製造方法

第四の製造方法は、第一の製造方法に対して、第一及び第二のポリオレフイン溶 液をダイより同時に押し出し、層状の押し出し成形体を形成し、これを冷却してゲル 状多層シートを形成し、得られたゲル状多層シートを延伸し、成膜用溶剤を除去し、 得られた多層微多孔膜を乾燥する点のみが異なり、その他の工程については同じで ある。延伸方法、成膜用溶剤除去方法及び乾燥方法は上記と同じでよい。従って、 ゲル状多層シートの形成工程についてのみ説明する。

[0092] 溶融混練により得られた第一及び第二のポリオレフイン溶液を各押出機から直接に 又は各々別の押出機を介してダイから同時に押し出す力一旦冷却してペレット化し た後再度複数の押出機を介してダイから同時に押し出す。同時押出においては、第 一及び第二のポリオレフイン溶液を 1つのダイ内で層状に組み合せてシート状に押し 出すか (ダイ内接着)、別々のダイ力ゝら各溶液をシート状に押し出してダイ外で接合 ( ダイ外接着)すればよいが、前者が好ましい。

[0093] 同時押出にはフラットダイ法又はインフレーション法のいずれを用いてよい。いずれ の方法においても、ダイ内接着する場合、各溶液を多層用ダイの別々のマ-ホール ドに供給してダイリップ入口で層状に接合する方法 (多数マ-ホールド法)、又は各 溶液を予め層状に組み合せてダイに供給する方法 (ブロック法)の、ずれを用いてよ い。多数マ-ホールド法及びブロック法自体は公知であるので、その詳細な説明は 省略する。例えば多層用のフラットダイ及びインフレーションダイとしては公知のもの が使用できる。多層用フラットダイのギャップは通常 0.1〜5mmの範囲内であるのが好 ましい。フラットダイ法によりダイ外接着する場合、各ダイ力も押し出したシート状溶液 を、一対のロール間に通すことにより圧接する。上記いずれの方法においても、ダイ は押し出し時には 140〜250°Cの温度に加熱する。加熱溶液の押し出し速度は 0.2〜 15 mZ分の範囲内であるのが好ましい。このようにして得られた層状の押し出し成形 体を冷却することによりゲル状多層シートを形成する。層状押し出し成形体の冷却速 度、冷却温度及び冷却方法は!、ずれも第一の製造方法と同じでょ、。

[0094] (E)第五の製造方法

第五の製造方法は、第四の製造方法に対して、延伸後のゲル状多層シートを熱固 定処理した後、成膜用溶剤を除去する点のみが異なり、その他の工程については同 じである。

[0095] (F)第六の製造方法

第六の製造方法は、第四の製造方法に対して、洗浄前の延伸したゲル状多層シー ト、及び Z又は洗浄後の多層微多孔膜を熱溶剤に接触させる点のみが異なり、その 他の工程については同じである。熱溶剤処理方法は第三の製造方法と同じでよい。

[0096] [3]ポリオレフイン多層微多孔膜の特性

上記方法により得られたポリオレフイン多層微多孔膜は以下の物性を有する。

[0097] (1) 20〜400秒/ 100 cm3の透気度(膜厚 20 μ m換算)

透気度が 20〜400秒 Z100 cm3であると、多層微多孔膜を電池用セパレータとして 用いたとき、電池の容量が大きくなり、電池のサイクル特性も良好となる。透気度が 20 秒 Z100 cm3未満では電池内部の温度上昇時にシャットダウンが十分に行われな、

[0098] (2) 25〜80%の空孔率

空孔率が 25%未満では、多層微多孔膜は良好な透気度を有さない。一方 80%を 超えると、多層微多孔膜を電池用セパレータとして用いたとき、強度が不十分となり、 電極が短絡する危険が大きくなる。

[0099] (3) 3,000 mN/20 μ m以上の突刺強度

突刺強度が 3,000 πιΝΖ20 /ζ πι未満では、多層微多孔膜を電池用セパレータとして 電池に組み込んだ場合に、電極の短絡が発生する恐れがある。突刺強度は 3,500 m N/20 μ m以上であるのが好ましい。

[0100] (4) 100,000 kPa以上の引張破断強度

引張破断強度が長手方向(MD)及び横手方向(TD)ともに 100,000 kPa以上である と、破膜の心配がない。

[0101] (5) 100%以上の引張破断伸度

引張破断伸度が長手方向(MD)及び横手方向(TD)ともに 100%以上であると、破 膜の心配がない。

[0102] (6) 10%以下の熱収縮率

105°Cに 8時間暴露した後の熱収縮率が長手方向(MD)及び横手方向(TD)ともに 1 0%を超えると、多層微多孔膜を電池用セパレータとして用いた場合、電池の発熱に よりセパレータが収縮し、その端部で短絡が発生する可能性が高くなる。熱収縮率は MD方向及び TD方向ともに 8%以下であるのが好ましい。

[0103] (7) 140°C以下のシャットダウン温度

シャットダウン温度が 140°Cを超えると、多層微多孔膜をリチウム電池用セパレータと して用いた場合、過熱時の遮断応答性が低下する。

[0104] (8) 10°C以内のシャットダウン温度差

第一の多孔質層と第二の多孔質層の SD温度の差が 10°C超であると、多層微多孔 膜をリチウム電池用セパレータとして用いた場合に、過熱時の遮断応答性が低下す る。この差は 7°C以内が好ましい。

[0105] (9) 10秒以下のシャットダウン速度

SD速度(135°C)が 10秒を超えると、多層微多孔膜をリチウム電池用セパレータとし て用いた場合に、過熱時の遮断応答性が低下する。 SD速度は 7秒以下が好ましい。

[0106] (10) 160°C以上のメルトダウン温度

メルトダウン温度は好ましくは 170°C以上である。

[0107] (11) 20 g/500 m以下のスリット時粉発生量

スリット時の粉発生量が 20 g/500 m超だと、多層微多孔膜製品にピンホールや黒点 等の欠陥が生じる恐れがある。

[0108] [4]電池用セパレータ

上記ポリオレフイン多層微多孔膜からなる電池用セパレータは、電池の種類に応じ て適宜選択しうる力 3〜200 mの膜厚を有するのが好ましぐ 5〜50 /ζ πιの膜厚を 有するのがより好ましぐ 10〜35 μ mの膜厚を有するのが特に好ましい。

[0109] [5]電池

本発明のポリオレフイン多層微多孔膜は、ニッケル一水素電池、ニッケル一力ドミゥ ム電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池、リチウム二次電池、リチウムポリマー二 次電池等の二次電池のセパレータとして好ましく用いることができる力特にリチウム 二次電池のセパレータとして用いるのが好ましい。以下リチウム二次電池を例にとつ て説明する。

[0110] リチウム二次電池は、正極と負極がセパレータを介して積層されており、セパレータ が電解液 (電解質)を含有している。電極の構造は特に限定されず、公知の構造でよ い。例えば、円盤状の正極及び負極が対向するように配設された電極構造 (コイン型 )、平板状の正極及び負極が交互に積層された電極構造 (積層型)、積層された帯 状の正極及び負極が卷回された電極構造 (捲回型)等にすることができる。

[0111] 正極は、通常集電体と、その表面に形成され、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正 極活物質を含む層とを有する。正極活物質としては、遷移金属酸化物、リチウムと遷 移金属との複合酸化物 (リチウム複合酸化物)、遷移金属硫化物等の無機化合物等 が挙げられ、遷移金属としては、 V、 Mn、 Fe、 Co、 Ni等が挙げられる。リチウム複合酸 化物の好ましい例としては、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチ ゥム、 α -NaFeO 2型構造を母体とする層状リチウム複合酸化物等が挙げられる。負極 は、集電体と、その表面に形成され、負極活物質を含む層とを有する。負極活物質と しては、天然黒鉛、人造黒鉛、コータス類、カーボンブラック等の炭素質材料が挙げ られる。

[0112] 電解液はリチウム塩を有機溶媒に溶解することにより得られる。リチウム塩としては、 LiCIO 、 LiPF、

6 LiAsF、

6 LiSbF、

6 LiBF、

4 LiCF 3 SO 、

3 LiN(CF 3 SO 2 ) 、

4 2 LiC(CF 3 SO 2) 、

3 Li 2

B 10 CI 、

10 LiN(C 、

2 F 5 SO 2 ) 2 LiPF 4 (CF 3 ) 、

2 LiPF 3 (C 2 F 5 ) 3、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩

、 LiAlCl 4等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、 2種以上の混合物として用 いてもよい。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ェチ ルメチルカーボネート、 γ -プチ口ラタトン等の高沸点及び高誘電率の有機溶媒や、 テトラヒドロフラン、 2-メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシェタン、ジォキソラン、ジメチ ルカーボネート、ジェチルカーボネート等の低沸点及び低粘度の有機溶媒が挙げら れる。これらは単独で用いてもよいし、 2種以上の混合物として用いてもよい。特に高 誘電率の有機溶媒は粘度が高ぐ低粘度の有機溶媒は誘電率が低いため、両者の 混合物を用いるのが好まし、。

[0113] 電池を組み立てる際、セパレータに電解液を含浸させる。これによりセパレータ(多 層微多孔膜)にイオン透過性を付与することができる。通常、含浸処理は多層微多孔 膜を常温で電解液に浸漬することにより行う。円筒型電池を組み立てる場合、例えば 正極シート、多層微多孔膜からなるセパレータ、及び負極シートをこの順に積層し、 得られた積層体を一端より巻き取って捲回型電極素子とする。得られた電極素子を 電池缶に挿入し、上記電解液を含浸させ、さらに安全弁を備えた正極端子を兼ねる 電池蓋を、ガスケットを介して力しめることにより電池を作製することができる。

実施例

[0114] 本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する力本発明はこれらの例に限 定されるものではない。

[0115] 実施例 1

(1)第一のポリオレフイン微多孔膜の作製

質量平均分子量(Mw)力 X 106の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE) 20質量% 、及び Mw力 ¾.5 X 105の高密度ポリエチレン(HDPE) 80質量0 /0力もなるポリエチレン組 成物 100質量部に、酸ィ匕防止剤としてテトラキス [メチレン- 3- (3,5-ジターシャリーブ チル -4-ヒドロキシフエ-ル) -プロピオネート]メタン 0.2質量部をドライブレンドし、混合 物を調製した。ただし、 UHMWPE及び HDPEからなるポリエチレン(PE)組成物につい て測定した融点は 135°Cであり、結晶分散温度は 100°Cであった。

[0116] UHMWPE及び HDPEの Mwは以下の条件でゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー

(GPC)法により求めた。

•測定装置: Waters Corporation製 GPC- 150C

•カラム:昭和電工株式会社製 Shodex UT806M

•カラム温度: 135°C

•溶媒 (移動相): 0-ジクロルベンゼン

•溶媒流速: l.O mlZ分

•試料濃度: 0.1 wt% (溶解条件:135°CZlh)

•インジェクション量: 500

'検出器: Waters Corporation製ディファレンシャルリフラタトメーター(RI検出器)

•検量線:単分散ポリスチレン標準試料を用いて得られた検量線から、所定の換算定 数を用いて作成した。

[0117] 得られた混合物 30質量部を強混練タイプの二軸押出機(内径 58 mm, L/D=42) に投入し、二軸押出機のサイドフィーダ一から流動パラフィン [35 cSt (40°C) ] 70質量 部を供給し、 230°C及び 250 rpmの条件で溶融混練して、第一のポリオレフイン溶液を 調製した。得られた第一のポリオレフイン溶液を、二軸押出機力も Tダイに供給し、押 し出し、 20°Cに温調された冷却ロールで引き取りながら冷却し (冷却速度: 10°CZ秒) 、ゲル状シートを形成した。

[0118] テンター延伸機を用いて、 115°Cで長手方向(MD)及び横手方向(TD)ともに 5倍と なるようにゲル状シートを同時二軸延伸した。得られた延伸膜を 20 cm X 20 cmのアル ミニゥム製の枠に固定し、 25°Cに温調された塩化メチレンに浸漬し、 100 rpmで 3分間 揺動しながら洗浄した。得られた膜を室温で風乾して第一のポリオレフイン微多孔膜 を作製した。

[0119] (2)第二のポリオレフイン微多孔膜の作製

UHMWPE15質量0 /0、 HDPE65質量0 /0、及び Mwが 5.3 X 105で、融解熱が 96 J/gのプ ロピレン単独重合体 (PP) 20質量%からなるポリオレフイン組成物 100質量部に、上記 酸ィ匕防止剤 0.2質量部をドライブレンドし、混合物を調製した。ただし、 UHMWPE及び HDPE力もなるポリエチレン (PE)組成物にっ、て測定した融点は 135°Cであり、結晶 分散温度は 100°Cであった。 PPの Mwは、上記と同様にして GPC法により求めた。

[0120] ポリプロピレン(PP)の融解熱 Δ Η mは JIS K7122に準じて以下の手順で測定した。す なわち、ポリプロピレンサンプルを走査型示差熱量計(Perkin Elmer, In 製、 DSC-Sy stem7型)のサンプルホルダー内に静置し、窒素雰囲気中で 190°Cで 10分間熱処理し

、 10°CZ分で 40°Cまで冷却し、 40°Cに 2分間保持し、 10°CZ分の速度で 190°Cまで 加熱した。図 1に示すように、昇温過程で得られた DSC曲線 (溶融曲線)上の 85°Cに おける点と 175°Cにおける点とを通る直線をベースラインとして引き、ベースラインと DS C曲線とで囲まれたハッチング部分の面積 Sから熱量を算出した。熱量 (単位: J)をサ ンプルの質量 (単位: g)で割ることにより、融解熱 Δ Η m (単位: J/g)を求めた。

[0121] 得られた混合物 25質量部を、上記と同タイプの別の二軸押出機に投入し、二軸押 出機のサイドフィーダ一力流動パラフィン [35 est (40°C) ] 75質量部を供給し、上記 と同条件で溶融混練して、第二のポリオレフイン溶液を調製した。得られた第二のポリ ォレフィン溶液力上記と同様にして第二のポリオレフイン微多孔膜を作製した。

[0122] (3)接合、延伸及び熱緩和処理

得られた第二のポリオレフイン微多孔膜の両面に、 2枚の第一のポリオレフイン微多 孔膜を積層し、 110°Cの温度に加熱した一対のロール間に通すことにより接合した( 圧力 0.5 MPa) G得られた多層微多孔膜を、多段加熱ロールにより 110°Cの温度で MD 方向に 1.6倍となるように延伸し、テンター延伸機により 110°Cの温度で TD方向に 1.6 倍となるように延伸した。次いでテンターに固定し、 125°Cの温度で 10分間熱緩和処 理して厚さ 24.9 μ mのポリオレフイン三層微多孔膜を作製した。

[0123] 施例 2

UHMWPE30質量0 /0及び HDPE70質量%カなるポリエチレン組成物(融点 135°C、 結晶分散温度 100°C)を用いて第一のポリオレフイン微多孔膜を作製した以外実施例 1と同様にして、ポリオレフイン三層微多孔膜を作製した。

[0124] 実施例 3

UHMWPE5質量0 /0、 HDPE55質量0 /0及び PP40質量0 /0からなるポリオレフイン組成 物(UHMWPE及び HDPEからなる PE組成物の融点 135°C、同結晶分散温度 100°C)を 用いて、濃度が 30質量%の第二のポリオレフイン溶液を調製し、得られた第二のポリ ォレフィン溶液を用いて第二のポリオレフイン微多孔膜を作製した以外実施例 2と同 様にして、ポリオレフイン三層微多孔膜を作製した。

[0125] 実施例 4

同時二軸延伸した第一及び第二のゲル状シートを、 123°Cの温度で 10分間熱固定

処理した後、洗浄した以外実施例 2と同様にして、ポリオレフイン三層微多孔膜を作 製した。

[0126] 実施例 5

実施例 1と同様にして第一及び第二のポリオレフイン溶液を個別の二軸押出機中 で調製し、これらを各二軸押出機力三層用 Tダイに供給し、第一の PO溶液 Z第二 の PO溶液 Z第一の PO溶液の順で積層した成形体となるように押し出した。押し出し た成形体を、 0°Cに温調した冷却ロールで引き取りながら冷却し、ゲル状三層シート を形成した。テンター延伸機を用いて、 115°Cで長手方向(MD)及び横手方向(TD) ともに 5倍となるようにゲル状三層シートを同時二軸延伸した。得られた延伸ゲル状三 層シートを上記と同様にして洗浄し、風乾した後、テンターに固定し、 125°Cで 10分間 熱緩和処理を行ヽ、ポリオレフイン三層微多孔膜 (厚さ: 24.8 μ m)を作製した。

[0127] 比較例 ί

(1)ポリオレフイン微多孔膜 Αの作製

濃度を 30質量%とした以外実施例 1と同様にして、 PO組成物(PO組成物 A: UHMW PE15質量%、 HDPE65質量%及び PP20質量%)を含む第二のポリオレフイン溶液を 調製した。得られた第二のポリオレフイン溶液から実施例 1と同様にして表層用のポリ ォレフィン微多孔膜 Aを作製した。

[0128] (2)ポリオレフイン微多孔膜 Bの作製

濃度を 25質量%とした以外実施例 1と同様にして、 PE組成物(PO組成物 B: UHMW PE20質量%及び HDPE80質量0 /0)を含む第一のポリオレフイン溶液を調製した。得ら れた第一のポリオレフイン溶液から実施例 1と同様にして内層用のポリオレフイン微多 孔膜 Bを作製した。

[0129] (3)三層微多孔膜の作製

得られた内層用ポリオレフイン微多孔膜 Bの両面に、 2枚の表層用ポリオレフイン微 多孔膜 Aを積層した以外実施例 1と同様にして、ポリオレフイン三層微多孔膜を作製 した。

[0130] 比較例 2

(1)ポリオレフイン微多孔膜 Aの作製

UHMWPE8質量0 /0、 HDPE32質量0 /0及び PP60質量0 /0力なるポリオレフイン組成 物(UHMWPE及び HDPEからなる PE組成物の融点 135°C、同結晶分散温度 100°C) A を用いた以外実施例 1と同様にして、濃度が 30質量%のポリオレフイン溶液を調製し た。得られたポリオレフイン溶液を用ヽて実施例 1と同様にしてポリオレフイン微多孔 膜 Aを作製した。

[0131] (2)ポリオレフイン微多孔膜 Bの作製

濃度を 25質量%とした以外実施例 1と同様にして、 PE組成物(PO組成物 B: UHMW PE20質量%及び HDPE80質量0 /0)を含む第一のポリオレフイン溶液を調製した。得ら れた第一のポリオレフイン溶液から実施例 1と同様にして内層用のポリオレフイン微多 孔膜 Bを作製した。

[0132] (3)三層微多孔膜の作製

得られた内層用ポリオレフイン微多孔膜 Bの両面に、 2枚の表層用ポリオレフイン微 多孔膜 Aを積層した以外実施例 1と同様にして、ポリオレフイン三層微多孔膜を作製 した。

[0133] 比較例 3

比較例 1と同様にしてポリオレフイン微多孔膜 A及び Bを作製した。得られたポリオレ フィン微多孔膜 A及び Bを 1枚ずつ接合した以外実施例 1と同様にして、ポリオレフィ ンニ層微多孔膜を作製した。

[0134] 比較例 4

(1)ポリオレフイン微多孔膜 Aの作製

実施例 1と同様にして、 PE組成物(PO組成物 A: UHMWPE20質量%及び HDPE80 質量0 /0)を含む第一のポリオレフイン溶液を調製した。得られた第一のポリオレフイン 溶液から、実施例 1と同様にして表層用のポリオレフイン微多孔膜 Aを作製した。

[0135] (2)ポリオレフイン微多孔膜 Bの作製

UHMWPE8質量0 /0、 HDPE32質量0 /0及び PP60質量0 /0力なるポリオレフイン組成 物(UHMWPE及び HDPEからなる PE組成物の融点 135°C、同結晶分散温度 100°C) B を用いた以外実施例 1と同様にして濃度が 25質量%のポリオレフイン溶液を調製した 。得られたポリオレフイン溶液を用いて実施例 1と同様にして内層用のポリオレフイン 微多孔膜 Bを作製した。

[0136] (3)三層微多孔膜の作製

得られた内層用ポリオレフイン微多孔膜 Bの両面に、 2枚の表層用ポリオレフイン微 多孔膜 Aを積層した以外実施例 1と同様にして、ポリオレフイン三層微多孔膜を作製 した。

[0137] 比較例 5

(1)ポリオレフイン微多孔膜 Aの作製

UHMWPE10質量0 /0、 HDPE40質量0 /0及び PP50質量0 /0からなるポリオレフイン組成 物(UHMWPE及び HDPEからなる PE組成物の融点 135°C、同結晶分散温度 100°C) A を用いた以外実施例 1と同様にして、濃度が 30質量%のポリオレフイン溶液を調製し た。得られたポリオレフイン溶液を用い、ゲル状シートに対する延伸倍率を 1.6倍 X I.

0倍 (MD X TD)とした以外実施例 1と同様にして、ポリオレフイン微多孔膜 Aを作製し た。

[0138] (2)ポリオレフイン微多孔膜 Bの作製

PPのみを用いた以外実施例 1と同様にして、濃度が 25質量%のポリオレフイン溶液 を調製した。得られたポリオレフイン溶液を用い、ゲル状シートに対する延伸倍率を 1. 6倍 X 1.0倍 (MD X TD)とした以外実施例 1と同様にして、ポリオレフイン微多孔膜 Bを 作製した。

[0139] (3)ニ層微多孔膜の作製

得られたポリオレフイン微多孔膜 A及び Bを 1枚ずつ接合した以外実施例 1と同様に して、ポリオレフインニ層微多孔膜を作製した。

[0140] 比較例 6

(1)ポリオレフイン微多孔膜 Aの作製

実施例 1と同様にして、 PE組成物(PO組成物 A: UHMWPE20質量%及び HDPE80 質量0 /0)を含む第一のポリオレフイン溶液を調製した。得られた第一のポリオレフイン 溶液から、実施例 1と同様にして表層用のポリオレフイン微多孔膜 Aを作製した。

[0141] (2)ポリオレフイン微多孔膜 Bの作製

UHMWPE15質量0 /0、 HDPE65質量0 /0、及び Mwが 4.9 X 105で、融解熱が 70 J/gの P P20質量0 /0力なるポリオレフイン組成物(UHMWPE及び HDPEからなる PE組成物の 融点 135°C、同結晶分散温度 100°C) Bを用いた以外実施例 1と同様にして、濃度が 2 5質量%のポリオレフイン溶液を調製した。得られたポリオレフイン溶液を用いて実施 例 1と同様にして内層用のポリオレフイン微多孔膜 Bを作製した。

[0142] (3)三層微多孔膜の作製

得られた内層用ポリオレフイン微多孔膜 Bの両面に、 2枚の表層用ポリオレフイン微 多孔膜 Aを積層した以外実施例 1と同様にして、ポリオレフイン三層微多孔膜を作製 した。

[0143] 実施例 1〜5及び比較例 1〜6で得られた各ポリオレフイン多層微多孔膜の物性を 以下の方法により測定した。シャットダウン温度は、多層微多孔膜のみならず、実施 例 1〜5の第一及び第二のポリオレフイン微多孔膜並びに比較例 1〜6のポリオレフィ ン微多孔膜 A及び Bにつ、ても測定した。結果を表 1及び 2に示す。

[0144] (1)平均膜厚 m)

多層微多孔膜の任意の長手方向位置において、横手方向(TD)に 30 cmの長さに わたって 5mm間隔で接触厚み計により膜厚を測定し、膜厚の測定値を平均した。

[0145] (2)透気度(secZlOO cmJ/20

膜厚 T 1の多層微多孔膜に対して JIS P8117に準拠して測定した透気度 P 1を、式: P 2

= (P 1 X 20) /T 1により、膜厚を 20 mとしたときの透気度 Ρ 2に換算した。

[0146] (3)空孔率(%)

質量法により測定した。

[0147] (4)突刺強度 (mNZ20 μ m)

先端が球面(曲率半径 R: 0.5 mm)の直径 lmmの針で、膜厚 T 1の多層微多孔膜を 2 mmZ秒の速度で突刺したときの最大荷重を測定した。最大荷重の測定値 L 1を、式:

L 2 = (L 1 X 20) /T1により、膜厚を 20 mとしたときの最大荷重 L 2に換算し、突刺強度 とした。

[0148] (5)引張破断強度及び引張破断伸度

幅 10 mmの短冊状試験片を用いて ASTM D882により測定した。

[0149] (6)熱収縮率(%)

多層微多孔膜を 105°Cに 8時間暴露したときの長手方向(MD)及び横手方向(TD) の収縮率をそれぞれ 3回ずつ測定し、平均値を算出することにより求めた。

[0150] (7)シャットダウン温度

熱 Z応力 Z歪測定装置 (セイコー電子工業株式会社製、 TMAZSS6000)を用い、 1 0 mm (TD) X 3mm (MD)の試験片を、荷重 2gで試験片の長手方向に引っ張りながら 、 5°CZminの速度で室温から昇温し、融点付近で観測された変局点の温度。

[0151] (8)シャットダウン速度

135°Cに温調したプレート上に、多層微多孔膜が面接触するように固定し、接触時 間を種々変えて熱処理した複数のサンプルの透気度を測定した。得られたデータか ら、透気度が 100,000秒 Z100 cm3 (膜厚 20 μ m換算)以上になるのに要した時間(秒) を求め、それを SD速度とした。

[0152] (9)メルトダウン温度 (°C)

上記熱 Z応力 Z歪測定装置を用い、 10 mm(TD) X 3mm (MD)の試験片を、荷重 2 gで試験片の長手方向に引っ張りながら、 5°CZminの速度で室温から昇温し、溶融 により破膜した温度を測定した。

[0153] (10)成膜性

多層微多孔膜 (長さ 500 m)を巻いたリールをスリット機にセットし、これを 50 m/min の速度で巻き戻しながら走行方向に半分に裁断し、得られた各スリットシート (長さ 50 0 m)を、固定バーに摺接させた後、リールに巻き取った。固定バーに付着した粉を 回収し、その質量を測定した。

[0154] [表 1]

例 No. 実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 4 樹脂組成

ポリエチレン組成物

UHMWPE Mw(i) 2.0 X 106 2.0 X 106 2.0 X 106 2.0 X 106 wt% 20 30 30 30

HDPE Mw(" 3.5 X 105 3.5 X 105 3.5 X 105 3.5 X 105 wt% 80 70 70 70 ポリオレフィン組成物

UHMWPE Mw(i) 2.0 X 106 2.0 X 106 2.0 X 106 2.0 X 106 wt% 15 15 5 15

HDPE Mw(i) 3.5 X 105 3.5 X 105 3.5 X 105 3.5 X 105 wt% 65 65 55 65

PP Mw(i) 5.3 X 106 5.3 X 108 5.3 X 105 5.3 X 105 wt% 20 20 40 20 融解熱(J/g) 96 96 96 96 製造条件

ポリエチレン組成物濃度 (wt%) 30 30 30 30 ポリオレフィン組成物濃度 (wt%) 25 25 30 25 同時押出

層構成 (2) ― - - ― 質量比 (表層/内層/表層) )一 ― 一 - ゲル状シートの延伸

倍率 (MD X TD)")/温度 (°C) 5 X 5/115 5 X 5/115 5 X 5/115 5 X 5/115 ゲル状シートの熱固定処理

温度 (で)/時間 (分) 123/10 接合

温度(°C) 110 110 110 110 圧力(MPa) 0.5 0.5 0.5 0.5 層構成 (5) (I)/(II)/(I) (I)/(II)/(I) (I)/(II)/(I) (Ι)/(Π)/(Ι) 質量比 (表層/内層/表層) (6) 33.5/33/33.5 33.5/33/33.5 33.5/33/33.5 33.5/33/33.5 多層微多孔膜の延伸

倍率 (MD X TD)")/温度 (°C) 1.6 X 1.6/110 1.6 X 1.6/110 1.6 X 1.6/110 1.6 X 1.6/110 多層微多孔膜の熱緩和処理

温度 CC)/時間 (分) 125/10 125/10 125/10 125/10 物性

平均膜厚(μ ιη) 24.9 24.8 25.0 24.9 透気度(sec/100 cm 20 m) 300 300 310 280 空孔率(%) 44 43 40 48 突刺強度 (g/SO /z m) 410 450 400 440

(ιηΝ/20 μ m) 4,018 4,410 3,920 4,312 引張破断強度 (kg/cm2) MD 1,350 1,400 1,320 1,370

(kPa) MD 132,300 137,200 129,360 134,260

(kg/cm2) TD 1,220 1,290 1,210 1,260

(kPa) TD 119,560 126,420 118,580 123,480 引張破断伸度 (%) MD 170 200 160 180

(%) TD 210 250 200 210 熱収縮率 (%) MD 2 3 3 2

(%) TD 3 4 4 3

SD温度 (°C) 多層微多孔膜 135 135 136 135

0C) 第一の PO微多孔膜 132 132 132 132

(°C) 第二の PO微多孔膜 135 135 136 135

SD速度 (sec) 3 4 5 3

MD温度 (°C) 175 178 180 175 成膜性

付着粉 (g) trace trace trace trace ( き)


:(l) Mwは質量平均分子量を表す。

(2) (I)は第一のポリオレフイン溶液を表し、(II)は第二のポリオレフイン溶液を表す, (3)固形分の質量比を表す。

(4) MDは長手方向を表し、 TDは横手方向を表す。

(5) (I)は第一のポリオレフイン微多孔膜を表し、(II)は第二のポリオレフイン微多孔 膜を表す。

(6)各膜の質量比を表す。

[表 2]

例 No. 比較例 1 比較例 2 比較例 3 比較例 4 樹脂組成

PO組成物 A

UHMWPE Mw") 2.0X 106 2.0X 106 2.0 106 2.0X 106 wt% 15 8 15 20

HDPE Mw(1) 3.5X 105 3.5X 105 3.5 105 3.5X 10s wt% 65 32 65 80

PP Mw") 5.3X 105 5.3 X 106 5.3X 105 ― wt% 20 60 20 ― 融解熱(J/g) 96 96 96 - PO (組成物) B

UHMWPE Mw(" 2.0X 106 2.0X 106 2. Ox 10s 2.0X 106 wt% 20 20 20 8

HDPE Mw(» 3.5X 105 3.5X 10B 3.5X 10B 3.5X 105 wt% 80 80 80 32

PP Mw") ― ― ― 5.3x 105 wt% ― ― ― 60 融解熱(J/s) ― - - 96 製造条件

PO組成物 A濃度 (wt%) 30 30 30 30

PO (組成物) B濃度 (wt%) 25 25 25 25 ゲル状シートの延伸

倍率 (MD X TD)(2)/温度 (°C) 5x5/115 5X5/115 5X5/115 5X5/115 ゲル状シートの熱固) i'処理

温度 (て:)/時間 (分)一/一一/一

接 A 一/一

温度(で) 110 110 110 110 圧力 (MPa) 0.5 0.5 0.5 0.5 層構成 (3) A/B/A A/B/A AB A/B/A 質量比 (表層/內層/表層) (4> 33.5/33/33.5 33.5/33/33.5 50/50 33.5/33/33.5 多層微多孔膜の延伸

倍率 (MDXTD)(2)/温度 (°C) 1.6X 1.6/110 1.6X 1.6/110 1.6X 1.6/110 1.6X 1.6/110 多層微多孔膜の熱緩和処理

温度 (°C)/時間 (分) 125/10 125/10 125/10 125/10 物性

平均膜厚 m) 24.8 25.0 24.9 24.9 透気度(sec/100 cm3/20M m) 350 400 340 380 空孔率 (%) 38 36 39 38 突刺強度 (g/20/i m) 350 320 370 360

(mN/20 μ m) 3,430 3,136 3,626 3,528 引張破断強度 (kg m2) MD 1,250 1,200 1,230 1,260

(kPa) MD 122,500 117,600 120,540 123,480

(kg/cm2) TD 1,170 1,110 1,150 1.170

(kPa) TD 114,660 108,780 112,700 114.660 引張破断伸度 (%) MD 145 120 130 110

(%) TD 190 180 170 150 熱収縮率 (%) MD 6 8 6 7

(%) TD 4 7 4 8

SD温度 CC) 多層微多孔膜 140 170 140 165

(°C) PO微多孔膜 A 140 170 140 132

(°C) PO微多孔膜 B 133 132 132 165

SD速度 (sec) 15 45 11 42

MD温度 (°C) 175 180 175 180 成膜性

付着粉 (g) 46 50 30 trace

(


(l) Mwは質量平均分子量を表す。

(2) MDは長手方向を表し、 TDは横手方向を表す。

(3) Aはポリオレフイン微多孔膜 Aを表し、 Bはポリオレフイン微多孔膜 Bを表す。

(4)各膜の質量比を表す。

[0158] 表 1から、実施例 1〜5のポリオレフイン多層微多孔膜は、内層がポリエチレン系榭 脂及びポリプロピレンを含み、ポリプロピレンの含有量が内層中のポリエチレン系榭 脂及びポリプロピレンの合計を 100質量%として 50質量%以下であり、かつポリプロピ レンの融解熱(Δ Η m )が 90 J/g以上であり、内層を形成する膜の両面にポリエチレン 系榭脂層を設けているので、 136°C以下の低い SD温度を示し、表層と内層の SD温度 の差力 °C以内であり、 5秒以下の SD速度を示し、 175°C以上の高いメルトダウン温度 を示し、かつスリット時のポリプロピレンの脱落が非常に少なぐ良好な成膜性を示し 、かつ機械的特性、透過性及び寸法安定性にも優れていた。

[0159] これに対して比較例 1及び 2の膜は、ポリプロピレンを内層でなく外層に含むので、 実施例 1〜5に比べて、 SD温度が高ぐ SD速度が遅ぐポリプロピレンの脱落による粉 発生が多いだけでなぐ機械的強度及び寸法安定性にも劣っていた。比較例 2の膜 は、外層のポリプロピレン含有量が特に多いので、 SD温度力 170°Cと高ぐ SD速度が 45秒と遅ぐ表層と内層の SD温度の差が 38°Cと大きぐ透過性にも劣っていた。

[0160] 比較例 3の二層膜は、一方の層がポリプロピレンを含むので、実施例 1〜5に比べ て、 SD温度が高ぐ SD速度が遅ぐポリプロピレンの脱落による粉発生が多い。さらに 機械的強度及び寸法安定性も実施例 1〜5の膜に及ばない。比較例 4の膜は、内層 のみにポリプロピレンを含むために成膜性には問題がないものの、ポリプロピレンの 含有量が内層中のポリエチレン系榭脂及びポリプロピレンの合計を 100質量%として 50質量%超であるので、 SD温度が 165°Cと高ぐ SD速度が 42秒と遅ぐ表層と内層の SD温度の差が 33°Cと大きい。さらに機械的強度及び寸法安定性も実施例 1〜5の膜 に及ばない。

[0161] 比較例 5の二層膜は、一方の層がポリプロピレンからなるので、実施例 1〜5に比べ て、 SD温度力 70°Cと高ぐ SD速度が 75秒と非常に遅ぐ表層と内層の SD温度の差 が 25°Cと大きぐポリプロピレンの脱落による粉発生が多い。さらに透過性、機械的強 度及び寸法安定性も実施例 1〜5の膜に比べて劣っていた。比較例 6の膜は、内層 中のポリプロピレンの融解熱( Δ H m )が 90 J/g未満であるので、メルトダウン温度が 159

°Cと実施例 1〜5の膜 (メルトダウン温度: 175〜180°C)に比べて低力つた。