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1. (WO2007007686) COMPOSITION FOR PREVENTION OF OCCURRENCE OF CARDIOVASCULAR EVENT
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明 細書

心血管イベント発症予防用組成物

技術分野

[0001] 本発明は、少なくともィコサペント酸ェチルエステル (以下 EPA—Eと略記する)を 含有することを特徴とする心血管イベント発症および Zまたは再発を予防する為の組 成物に関する。

背景技術

[0002] 食生活の欧米化により糖尿病、高脂血症や高血圧症などの生活習慣病患者が増 カロしている。これらの疾患は最終的に、心筋梗塞、狭心症や脳梗塞など動脈硬化性 疾患に至るものがあり、場合によっては死に至る危険性もある。動脈硬化性疾患に対 する治療方法として、薬剤による治療、血管再建術など外科的治療方法などが一般 的に用いられる。

[0003] 動脈硬化性疾患の予防あるいは生活の質の向上には、高脂血症、糖尿病、高血 圧、喫煙習慣などの危険因子をできるだけ減らすことが重要である。高脂血症と冠動 脈疾患の発症率を検討した主な疫学調査の結果、血清総コレステロール (以下 T Choと略記する)濃度あるいは血清トリグリセリド (以下 TGと略記する)濃度と冠動脈 疾患の発症は正相関を示す。特に血清低密度リポ蛋白コレステロール (以下 LDL— Choと略記する)濃度とは、つそう強、正相関を、逆に血清高密度リポ蛋白コレステ ロール (以下 HDL— Choと略記する)濃度とは負の相関を示す。

[0004] 高脂血症はその薬物療法が比較的容易になり、 3 ヒドロキシー 3—メチルダルタリ ルコェンザィム A還元酵素阻害剤(以下 HMG— CoA RIと略記する)による強力な 高脂血症治療により冠動脈疾患の発症が抑制されたという成績が大規模臨床試験 で得られている。例えば、心筋梗塞の既往がない高脂血症の男性患者にプラバスタ チンナトリウムを平均 4. 9年間経口投与した場合、血清 T— Cho濃度は 20%低下し 、血清 LDL— Cho濃度は 26%低下し、血清 HDL— Cho濃度は 5%上昇し、血清 T Gは 12%低下し、その結果非致死性心筋梗塞および心血管死を合せると発症率は 31%低下した (非特許文献 1参照)。また、狭心症または心筋梗塞既往患者にシン パスタチンを平均 5. 4年間経口投与した場合、血清 T Cho濃度は 25%低下し、血 清 LDL— Cho濃度は 35%低下し、血清 HDL— Cho濃度は 8%上昇し、血清 TGは 10%低下し、その結果主要な心血管イベントの発症率は 34%低下した (非特許文 献 2参照)。

HMG-CoA RIを用いたその他の大規模臨床試験でもほぼ同様に、心血管ィべ ント発症低下率はおおよそ 20〜30%程度であり(例えば、非特許文献 3参照)必ず しも臨床上満足し得る状況にはない。

[0005] 急性心筋梗塞発症後 3ヶ月以内の患者に、 EPA— Eとドコサへキサェン酸ェチル エステル(以下 DHA—Eと略記する)とを合せて 850〜882mg含有する ω 3多価不 飽和脂肪酸組成物を 1日 1カプセル、 3. 5年間経口投与することにより、心血管死、 非致死性心筋梗塞および非致死性脳梗塞を合せると発症率は 20%減少し、そのう ち心血管死は 30%減少したのに対して非致死性の心血管イベントには効果がなか つたことが報告されている (非特許文献 4参照)。また、心筋梗塞既往患者に、 ΕΡΑ —Εと DHA—Eとを合せて 85%含有する必須脂肪酸を 1日 lg、 3. 5年投与すること により、死亡率が減少したことが報告されている (特許文献 1参照)。また、特許文献 2 には、 EP Aまたは DHAとコレステロール合成阻害剤の併用によって心血管イベント を抑制することが開示されている。

[0006] 高純度 EPA— Eはェパデ一ル1^およびエバデール S™ (持田製薬社製)の商品名 で高脂血症治療薬として日本で市販されており、 1回 600mg、 1日 3回食直後、(た だし、血清 TGの異常を呈する場合には、その程度により、 1回 900mg、 1日 3回まで 増量して)経口投与することにより、血清 T— Cho濃度を 3〜6%、血清 TGを 14〜20 %減少させる(非特許文献 5参照)こと、およびこれら作用から高脂血症患者の心血 管イベントに対する効果が期待されていることが報告されている (非特許文献 6参照)

[0007] 一方、虚血性心疾患の治療の選択肢のひとつとして、 PTCA,冠動脈ステント留置 術など、外科的治療方法である心血管再建術が、主に重症の患者に対して広く行わ れているが、その術後には心血管イベントが発症しやすい。例えば、 PTCA後の心 血管イベントは、 PTCA施行部位の再狭窄 (一般に PTCAによる拡大分の 50%以上 の狭窄進行をいう)や、新規病変の出現によることが多ぐ再狭窄率は 30〜40%前 後で 6ヶ月以内に認めることが多い。ステントを用いることで再狭窄率を軽減するが確 実なものとはいえない(非特許文献 7 p. 237)。

心血管再建術施行後の薬物療法には、抗血小板薬が用いられることが多い。例え ば、ステント挿入時にはアスピリンとチクロビジン (クロピドグレル)を併用投与すること が常識とされ、ステント血栓の予防にアスピリンとシロスタゾールの併用投与も行われ (非特許文献 7 p. 245〜246)、術後の管理は特に重要視される。

心血管再建術施行後の不安定期の再狭窄に対して、魚油、あるいは ω 3脂肪酸の 投与が試みられた例があるが、有効とする報告と無効とする報告があり、また、再建 術施行前からの投与が必要という見解もある。(非特許文献 8〜11)

PTCA後 2年間にわたり HMG— CoA RIであるプラバスタチンを投与し、再狭窄 率が減少し、イベント抑制に有効であったとする報告 (非特許文献 12)、経皮冠動脈 インターペンション直後から 3〜4年間フルパスタチンを投与し、心イベント発症を抑 制した報告があるが (非特許文献 13)、さらに一層の心血管イベント抑制を可能とす る治療法の改善が望まれて、る。

非特許文献 l :The New England Journal of the Medicine, 1995年、 333 卷、 pl301 - 1307

非特許文献 2 :The Lancet, 1994年、 344卷、 11月 9日号、 pl383- 1389 非特許文献 3 : Archives of Internal Medicine, 1999年、 159卷、 1号、 pl79

3- 1802

非特許文献 4:The Lancet, 1999年、 354卷、 8月 7日号、 p447-455 非特許文献 5:医薬品インタビューフォーム EPA製剤ェパデール TMカプセル 300

、 2002年 7月改訂、 2003年 1月、 p21— 22

非特許文献 6 : American Heart Journal, 2003年、 146卷、 4号、 p613— 620 非特許文献 7 :今日の治療指針、 2003年、医学書院、総編集、山ロ徹、北原光夫 p273、 p245- 246

非特許文献 8 :J Am Coll Cardiol、 2005年、 5月 17曰、 45 (10)、 pl723— 8 非特許文献 9 : Am Heart J、 2002年 6月、 143 (6) , E5

非特許文献 10 :J Am Coll Cardiol、 1999年 5月、 33 (6)、 pl619— 26 非特許文献 11 : Am J Cardiol 1996年、 77、 p31— 36

非特許文献 12 : Am J Cardiol, 2000年 10月 1曰、 86 (7)、 p742— 6

非特許文献 13 :JAMA、 2002年 6月 26日、 287 (24)、 p3215— 22

特許文献 1 :国際公開第 00Z48592号パンフレット(特表 2002— 537252号公報) 特許文献 2 :米国特許第 6159993号

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明の目的は、心血管疾患死は依然として主要な死亡原因であり、 HMG-Co A RIによる治療を行なっても予防できない心血管イベントが多数存在し問題となつ て 、る状況にぉ、て、これらの心血管イベント発症および/または再発を予防するた めの組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行ったところ、 EPA— Eが心血 管イベント発症および Zまたは再発の予防、特に心血管再建術施行後不安定期を 経過した後に起こる心血管イベント発症および Zまたは再発の予防作用を有すること を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、

(1)少なくとも EPA— Eを有効成分として含有する、心血管イベント発症および Zま たは再発を予防するための組成物である。

具体的に、

(2)少なくとも EPA— Eを有効成分として含有する、 HMG-Co A RI治療を行って いる高脂血症患者の心血管イベント発症および Zまたは再発を予防するための組成 物である。

(3)少なくとも EPA— Eを有効成分として含有する、急性心筋梗塞既往患者の心血 管イベント発症および Zまたは再発を予防するための組成物である。

(4)少なくとも EPA— Eを有効成分として含有する、心血管再建術施行後不安定期 を経過した後に起こる心血管イベントの発症および Zまたは再発を予防するための 組成物である。

(5)心血管再建術施行後不安定期を経過した後に投与を開始する上記 (4)の組成 物。

(6)少なくとも EPA—Eを有効成分として含有する、心血管再建術施行後 6ヶ月を経 過した後の患者のための心血管イベント発症および Zまたは再発を予防するための 組成物である。

[0011] (7)心血管再建術施行後 6ヶ月を経過した後に投与を開始し、少なくとも 2年以上継 続して投与することを特徴とする上記 (4)な、し (6)の、ずれかの組成物。

(8)心血管再建術が、経皮的冠動脈内腔拡張術 (PTCA)、経皮的冠動脈内血栓溶 解術 (PTCR)、方向性冠動脈粥種切除術 (DCA)冠動脈ステント留置術、冠動脈バ ィパス術 (ACバイパス術)である上記 (4)な、し (7)の、ずれかの組成物。

(9)全脂肪酸およびその誘導体中の EPA— E含量比が 96. 5重量%以上である上 記( 1)な、し (8)の!、ずれかの組成物である。

(10) 0. 3gZ日〜 6. OgZ日で食直後経口投与することを特徴とする上記(1)ない し(9)の!、ずれかの組成物である。

(11) HMG CoA RIと併用することを特徴とする上記( 1)ないし( 10)の、ずれか の組成物である。

(12)患者が、高脂血症であることを特徴とする上記(1)な、し(11)の、ずれかの組 成物である。

( 13)他に含有される好ま、脂肪酸が DHA - Eである、上記( 1)ないし( 12)のい ずれかの組成物である。

( 14)上記( 1)ないし( 13)の、ずれかに記載の組成物を投与する、心血管イベントの 発症および Zまたは再発を予防する方法。

( 15)上記( 1)ないし( 13)の、ずれかに記載の組成物を製造するための EPA— Eの 使用。

発明の効果

[0012] EPAを含有する、すなわち少なくとも EPA—Eを有効成分として含有する、本発明 の組成物は、心血管イベント発症および Zまたは再発の予防に有用である。特に、 高脂血症患者、または高脂血症患者で HMG— CoA RIによる治療を行なったにも

かかわらず発症および zまたは再発する心血管イベントの発症および zまたは再発 の予防に有用である。

[0013] 本発明の組成物は、また、心血管再建術施行後不安定期を経過した後に起こる心 血管イベントの発症および zまたは再発の予防効果が期待される。

本発明の組成物は HMG— Co A RIと併用することによりその効果はさらに相乗的 に増強され、心血管イベント既往歴のある患者、特に心血管再建術施行後 6ヶ月を経 過した後の患者における心血管イベント発症および Zまたは再発の予防効果をさら に高めることが期待でき、臨床上有用である。

発明を実施するための最良の形態

[0014] 以下に本発明を詳細に説明する。

本発明の第一の態様は、 EPA— Eを有効成分として含有する、心血管イベント発 症および Zまたは再発を予防するための組成物である。

少なくとも EPA— Eを有効成分として含み、心血管イベントの発症および/または 再発予防のための組成物であればすべて本発明に含まれる力特に心血管死、致 死性心筋梗塞、突然心臓死、非致死性心筋梗塞、心血管再建術、安静狭心症およ び労作狭心症の新たな発症、狭心症の不安定化の予防のための組成物が例示され る。投与対象は、心血管イベント発症の予防が必要なヒトはすべて含まれるが、特に 高脂血症患者が例示される。本発明の効果が得られれば全脂肪酸中の EPA— E含 量比および投与量は特に問わないが、 EPA— Eは高純度のもの、例えば、全脂肪酸 およびその誘導体中の EPA— E含量比が 40重量%以上のものが好ましぐ 90重量 %以上のものが更に好ましぐ 96. 5重量%以上のものが更に好ましい。 1日投与量 は EPA— Eとして、 0. 3〜6g/曰、好ましくは 0. 9〜3. 6g/曰、更に好ましくは 1. 8〜2. 7gZ日が例示される。

他に含有されるに好ましい脂肪酸としては ω 3系長鎖不飽和脂肪酸、特に、 DHA —Εが挙げられる。 EPA—EZDHA—Eの組成比、全脂肪酸中の EPA—E + DHA —Eの含量比および EPA—E + DHA—Eの投与量は特に問わないが、好ましい組 成比として、 EPA—E/DHA— Eは、 0. 8以上であることが好ましぐ更に好ましくは、 1. 0以上、より好ましくは、 1. 2以上である。 EPA— E + DHA— Eは高純度のもの、 例えば、全脂肪酸およびその誘導体中の EPA -E + DHA E含量比が 40質量% 以上のものが好ましぐ 80質量%以上のものが更に好ましぐ 90質量%以上のもの が更に好ましい。 1日投与量は EPA— E + DHA— Eとして、 0. 3〜: LOgZ日、好まし くは 0. 5〜6gZ日、更に好ましくは l〜4gZ日が例示される。他の長鎖飽和脂肪酸 含量は少ないことが好ましぐ長鎖不飽和脂肪酸でも ω 6系、特にァラキドン酸含量 は少ないことが望まれ、 2重量%未満が好ましぐ 1重量%未満が更に好ましい。

[0015] 本発明の第二の態様は、少なくとも ΕΡΑ—Εを含有することを特徴とする HMG— CoA RI治療を行って!/ヽる高脂血症患者の心血管イベント発症および Zまたは再発 予防の為の組成物である。 HMG— CoA RIは、 3—ヒドロキシ一 3—メチルグルタリ ルコェンザィム A還元酵素阻害作用を有する物はすべて含まれるが、医薬投与可能 なものが好ましい。具体的には、プラバスタチン、シンパスタチン、口パスタチン、フル ノスタチン、セリバスタチン、アトノレパスタチン、ピタパスタチン、ロスパスタチンおよび これらの塩、誘導体力なる群力も選ばれる少なくとも 1つであることが好ましぐブラ ノスタチン、口パスタチン、シンパスタチン、フルパスタチン、アトノレパスタチン、ピタバ スタチンあるいはロスパスタチンが更に好ましぐプラバスタチンあるいはシンバスタチ ンが更に好ましい。

塩としては、医薬投与可能なものであればすべて含まれる力特にナトリウム塩ある いはカルシウム塩、例えば、プラバスタチンナトリウム、フルパスタチンナトリウム、セリ パスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム、ピタパスタチンカルシウムおよび口 スパスタチンカルシウムが好ましい。本明細書においては、特に断らない限り、例え ば「プラバスタチン」にはプラバスタチンの塩の態様も含まれる。

[0016] 本発明の第三の態様は、少なくとも EPA—Eを有効成分として含有する、急性心筋 梗塞既往患者の心血管イベント発症および Zまたは再発を予防するための組成物 である。

本発明の第二および第三の態様における、心血管イベントの種類、全脂肪酸中の EPA— E含量比、 1日投与量および他の長鎖脂肪酸含有比の好ましい態様は上記 の第一の態様と同様である。

[0017] 本発明の第四の態様は、少なくとも EPA— Eを有効成分として含有する、心血管再

建術施行後不安定期を経過した後に起こる心血管イベントの発症および zまたは再 発を予防するための組成物である。本発明において、心血管再建術施行後不安定 期とは、心血管再建術自体に起因する心血管イベントが起こりやす!/、時期を!、、、 術後 3ヶ月程度をいう。したがって、本発明の第四の態様は、好ましくは、心血管再建 術施行後、 6ヶ月を経過した後に起こる心血管イベントの発症および/または再発を 予防するための組成物である。すなわち、心血管再建術自体に起因する不安定期 の再狭窄等の心血管イベントは対象外である。本発明において心血管再建術は、特 に限定はされないが、特に経皮的冠動脈内腔拡張術 (以下 PTCAと略記する)、経 皮的冠動脈内血栓溶解術 (以下 PTCRと略記する)、方向性冠動脈粥腫切除術 (以 下 DCAと略記する)、冠動脈ステント留置術、冠動脈バイパス術 (以下 ACバイパス 術と略記する)が例示される。

本発明の第五の態様は、少なくとも EPA—Eを有効成分として含有する、心血管再 建術施行後不安定期を経過した患者ための心血管イベントの発症および Zまたは 再発を予防するための組成物であり、好ましくは、心血管再建術後 6ヶ月を経過した 後の患者における心血管イベントの発症および Zまたは再発を予防するための組成 物である。

本発明の第四、第五の態様の組成物は、 EPA— Eを有効成分として含み、心血管 再建術施行後不安定期を脱した患者、好ましくは、 6ヶ月を経過した患者に対して投 与される。

不安定期経過後に起こる心血管イベントは、血管再建術自体に起因する不安定期 の再狭窄等の心血管イベントとは異なる機序で発症すると考えられる力 S、心血管ィべ ントの発症率は高い。本発明の第四、第五の組成物は、心血管再建術施行後不安 定期以降に、具体的には、術後 6ヶ月経過後に投与を開始し、長期にわたり継続的 に投与することが好ましぐ特に 2年以上、好ましくは 3. 5年以上、より好ましくは 5年 以上の長期にわたり «続的に投与することにより、不安定期が経過した後に発症す る心血管イベントの発症および Zまたは再発の予防に特に有効である。

本発明の第四、第五の態様の組成物は、 EPA— Eを有効成分として含み、本発明 の効果が得られれば全脂肪酸中の EPA— E含量比および投与量は特に問わないが

、 EPA— Eは高純度のもの、例えば、全脂肪酸およびその誘導体中の EPA— E含量 比が 40重量%以上のものが好ましぐ 90重量%以上のものが更に好ましぐ 96. 5重 量%以上のものが更に好ましい。 1日投与量は EPA—Eとして、 0. 3〜6gZ日、好ま しくは 0. 9〜3. 6gZ日、更に好ましくは 1. 8〜2. 7gZ日が例示される。

他に含有されるに好ましい脂肪酸としては ω 3系長鎖不飽和脂肪酸、特に、 DHA —Εが挙げられる。 EPA—EZDHA—Eの組成比、全脂肪酸中の EPA—E + DHA —Eの含量比および EPA—E + DHA—Eの投与量は特に問わないが、好ましい組 成比として、 EPA—E/DHA— Eは、 0. 8以上であることが好ましぐ更に好ましくは、 1. 0以上、より好ましくは、 1. 2以上である。 EPA— E + DHA— Eは高純度のもの、 例えば、全脂肪酸およびその誘導体中の EPA -E + DHA E含量比が 40質量% 以上のものが好ましぐ 80質量%以上のものが更に好ましぐ 90質量%以上のもの が更に好ましい。 1日投与量は EPA— E + DHA— Eとして、 0. 3〜: LOgZ日、好まし くは 0. 5〜6gZ日、更に好ましくは l〜4gZ日が例示される。他の長鎖飽和脂肪酸 含量は少ないことが好ましぐ長鎖不飽和脂肪酸でも ω 6系、特にァラキドン酸含量 は少ないことが望まれ、 2重量%未満が好ましぐ 1重量%未満が更に好ましい。 本発明の第一力第五の態様の組成物は、健常人あるいは高脂血症、糖尿病、高 血圧等の心血管イベントの危険因子を有するヒト、あるいは HMG— CoA RIによる 治療を行った患者に対して経口投与することにより心血管イベント発症および Zまた は再発を予防する効果を有しているが、これらの特定の患者に限定されない。また、 本発明の組成物は HMG— CoA RIとの併用効果を有し、併用することでさらに心 血管イベント発症および Zまたは再発を予防することが可能である。

本発明の組成物は魚油あるいは魚油の濃縮物に比べ、飽和脂肪酸やァラキドン酸 等の心血管イベントに対して好ましくない不純物が少なぐ栄養過多やビタミン A過 剰摂取の問題もなく作用効果を発揮することが可能である。また、エステル体のため 主にトリグリセリド体である魚油等に比べて酸ィ匕安定性が高ぐ通常の酸ィ匕防止剤添 加により十分安定な組成物を得ることが可能である。従って、 EPA— Eを用いることで 、初めて臨床上実用可能な心血管イベント発症および Zまたは再発の予防用の組 成物が得られた。

[0019] 本明細書において、「ィコサペント酸」の語は、全—シス 5, 8, 11, 14, 17—ィコ サペント酸 (all— cis— 5, 8, 11, 14, 17— icosapentaenoic acid)である。

本明細書において、「心血管イベント」の語は、心臓血管に起こる病的変化の総称 であり、心血管死 (致死性心筋梗塞、突然心臓死)、非致死性心筋梗塞、心血管再 建術 (PTCA、 PTCR、 DCA、冠動脈ステント留置術、 ACバイパス術)、安静狭心症 または労作狭心症の新たな発症、狭心症の不安定化 (入院、 PTCA、 PTCR、 DCA 、冠動脈ステント留置術、 ACバイノス術、その他の心血管再建術の実施)を含む。 本明細書において、「高脂血症患者」の語は、血清 T— Cho濃度増加、血清 LDL — Cho濃度増力!]、血清 HDL— Cho濃度低下あるいは血清 TGが増加した患者であ る。狭義には、高コレステロール血症(血清 T— Cho濃度が約 220mgZdl以上、更 に狭義には 250mgZdl以上)、高 LDL - Cho血症(血清 LDL - Cho濃度が 140m gZdl以上)、低 HDL— Cho血症(血清 HDL— Cho濃度が 40mgZdl未満)あるい は高 TG血症(血清 TGが 150mgZdl以上)の、ずれか 1つを満たす患者を指す。 本明細書において、「HMG— CoA RIとの併用」の語は、 EPA— Eを有効成分と する組成物と HMG— CoA RIとを同時に投与する態様と、別々に投与する態様が 含まれる。同時に投与される場合、配合剤とすることも 2剤とすることもできる。別々に 投与される場合、 EPA— Eを有効成分とする組成物を HMG— CoA RIより先に投 与することも後に投与することもできる。また、 EPA—Eを有効成分として含有する組 成物と HMG— CoA RIの投与量および投与比率は任意に設定することができる。 ここで、併用される HMG— CoA RIの好ましい例は、本発明第二の態様で例示した HMG-CoA RIと同様である。

[0020] 本発明の第一力第五の態様の組成物は、単独投与で心血管イベント発症および Zまたは再発予防作用を有し、特に HMG— CoA RI投与では予防できない心血 管イベント発症および Zまたは再発の予防効果が期待される。また、 EPA— Eは、血 清 T— Cho濃度および血清 TG低下作用のほかに、ァラキドン酸カスケード阻害に基 づく血小板凝集抑制作用等の HMG— CoA RIとは異なる薬理作用を有しており、 HMG - CoA RIとの併用投与でさらなる予防効果を発揮させることもできる。

[0021] 本発明の第一力第五の態様の組成物は、有効成分に加え、薬学的に許容され

得る賦形剤を含むことができる。 EPA—Eおよび DHA—Eは高度に不飽和であるた め、抗酸化剤たとえばブチレートィ匕ヒドロキシトルエン、ブレチ一トイ匕ヒドロキシァ-ソ ール、プロピルガレート、没食子酸、医薬として許容されうるキノンおよび α—トコフエ ロールを有効量含有させることが望ま、。

製剤の剤形としては、錠剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散 剤、経口用液体製剤、シロップ剤、ゼリー剤の形で、経口で患者に投与される力とり わけカプセルたとえば、軟質カプセルやマイクロカプセルに封入しての経口投与が 好ましい。

なお、高純度 ΕΡΑ— Ε含有軟カプセル剤であるェパデ一ル1^およびェパデ一ル37 Μは副作用の発現が少ない安全な閉塞性動脈硬化症および高脂血症治療薬として 既に日本で市販されており、全脂肪酸中の ΕΡΑ— Ε含量比は 96. 5質量%以上で ある。また、 EPA— Εを約 46質量%および DHA— Εを約 38質量%含有する軟質力 プセル剤(ォマコーノレ、 Omacor'M (ロスプロダクツ、 Ross Products) )が高 TG血症 治療薬として既にアメリカ等で市販されている。これらを入手して使用することもできる

本発明の心血管イベント発症および Zまたは再発を予防するための組成物の投与 量および投与期間は対象となる作用を現すのに十分な量および期間とされるが、そ の剤形、投与方法、 1日当たりの投与回数、症状の程度、体重、年齢等によって適宜 増減することができる。経口投与する場合は EPA— Eとして 0. 3〜6gZ日、好ましく は 0. 9〜3. 6gZ日、更に好ましくは 1. 8〜2. 7gZ日を 3回に分けて投与するが、 必要に応じて全量を 1回あるいは数回に分けて投与してもよい。投与時間は食中な いし食後が好ましぐ食直後(30分以内)投与が更に好ましい。上記投与量を経口投 与する場合、投与期間は 1年以上、好ましくは 2年以上、より好ましくは 3. 5年以上、 更に好ましくは 5年以上である力心血管イベントの発症および Zまたは再発の危険 度が高い状態が続いている間は投与を継続することが望ましい。場合により 1日〜 3 力月程度、好ましくは 1週間〜 1力月程度の休薬期間を設けることもできる。

本発明の第一力も第五の態様の組成物と併用して用いられる HMG— CoA RIの 投与量は、その薬剤単独での用法 ·用量の範囲内で使用されることが好ましぐその

種類、剤形、投与方法、 1日当たりの投与回数は、症状の程度、体重、性別、年齢等 によって適宜増減することができる。経口投与する場合は 0. 05〜200mgZ日、好ま しくは 0. 1〜: LOOmgZ日を 1回または 2回に分けて投与する力必要に応じて全量 を数回に分けて投与してもよい。また、 EPA—Eの投与量に応じて減量することも可 能である。

なお、プラバスタチンナトリウム (メバロチン "^錠'細粒 (三共))、シンパスタチン (リポ バス錠 (萬有製薬) )、フルパスタチンナトリウム(ローコール™錠 (ノノレティスファー マおよび田辺製薬) )、アトルバスタチンカルシウム水和物(リピトール™錠 (ァステラス 製薬およびフアイザ一製薬) )、ピタパスタチンカルシウム (リバ錠 (興和および三 共))、およびロスパスタチンカルシウム (クレストール™錠 (ァストラゼネ力および塩野 義製薬))は高脂血症治療薬として既に日本で市販されており、また、口パスタチン (メ バコール™錠 (メルク))は高脂血症治療薬として既にアメリカで市販されており、これ らの薬剤力少なくとも 1つを入手し、それぞれの用法に従って適宜組み合わせて投 与することができる。

それぞれの、好ましい一日用量は、プラバスタチンナトリウムでは 5〜60mg、好まし くは 10〜20mg、シンパスタチンでは 2. 5〜60mg、好ましくは 5〜20mg、フルバス タチンナトリウムでは 10〜180mg、好ましくは 20〜60mg、アトルバスタチンカルシゥ ム水和物では 5〜120mg、好ましくは 10〜40mg、ピタパスタチンカルシウムでは 0. 5〜12mg、好ましくは l〜4mg、ロスパスタチンカルシウムでは 1. 25〜60mg、好ま しくは 2. 5〜20mg、口パスタチンでは 5〜160mg、好ましくは 10〜80mg、セリバス タチンナトリウムでは 0. 075〜0. 9mg、好ましくは 0. 15〜0. 3mgがそれぞれ例示 される力これらに限定されない。

本発明の第一力も第五の態様の組成物は、患者の状態に合わせて、他の薬剤、例 えば、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル(clopidogrel)、シロスタゾールなどの 抗血小板薬;ヮルフアリン、へパリン、キシメラガトラン(ximelagatran)などの抗凝固 薬;アンジォテンシン Π受容体拮抗薬 (カンデサルタン、口サルタン、等)、アンジォテ ンシン変換酵素阻害薬、カルシウムチャネル拮抗薬 (アムロジピン、シル-ジピン、等 ) , a 1遮断薬などの高血圧治療薬; αダルコシダーゼ阻害薬 (ボダリボース、ァカル

ボース、等)、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジンジオン系薬剤(ピオダリタゾン、ロシグ リタゾン、リボグリタゾン、等)、速効型インスリン分泌促進剤(ミチグリニド、ナテグリニド 、等)などの糖尿病用薬または耐糖能異常改善薬;上述の HMG— CoA RI、フイブ ラート系薬剤、スクアレン合成酵素阻害剤 (TAK— 475等)、コレステロール吸収阻 害剤 (ェゼチミブ等)などの抗高脂血症薬、など力選ばれる少なくとも 1つと適宜組 み合わせて用いることができる。本発明第一から第五の態様の組成物は、利便性を 高めるために上記 HMG— CoA RIおよび Zまたはその他の少なくとも 1種の薬剤と ともに 1つの包装体に包装されて使用することもできる。

実施例

[0023] 以下に、本発明組成物の効果を実験例および実施例をもって示すが、本発明はこ れらに限定されるものではない。

[0024] 実験例 1 (EPA— Eの長期心血管イベント発症予防作用)

試験方法

血清 T— Cho濃度が 250mgZdl以上である男性は 40〜75歳、女性は閉経後〜 7 5歳の高脂血症患者における EPA— Eの心血管イベント発症および Zまたは再発の 予防作用を 5年間の長期に渡り観察した。 EPA— E群(9, 326例)と対照群(9, 319 例)の大規模な無作為化非盲検化比較試験とし、試験開始時の対照群および EPA E群の患者背景因子、すなわち年齢、男女比率、既往合併症、 HMG— CoA RI の種類の比率および血清脂質濃度等に差異がない様にランダム化して群の割り付 けを行った。なお、両群に食事指導およびベース薬として HMG— CoA RIを投与し た。

データは参加施設数約 2、 900施設、参加医師数約 4、 900名および参カ卩患者数 1 8, 465名により、十分な例数、ランダム化、比較試験としての厳密性をもって行われ た。例えば、参カ卩患者選定においては、血清 T— Cho濃度の確認は、 2〜4週間の 間隔で 2回測定で判定した。なお、十分な食事指導遵守後および抗高脂血症薬休 薬後の空腹時採血による測定の場合は 1回でも可とした。また、未治療患者が好まし いが、試験開始前 6ヶ月以上前に抗高脂血症薬が投与されている場合には、 4週間( プロブコール™の場合は 8週間)の休薬期間を置くこととした。試験開始前 6ヶ月以内

に抗高脂血症薬が投与されている場合には、休薬せずに参加可能とし、 HMG-Co A RIの場合は継続し、その他は HMG— CoA RIに切替えた。

心筋梗塞発症後不安定期の心血管イベントおよび心血管再建術後不安定期の再 建術自体に起因すると考えられる不安定期の再狭窄等の心血管イベントを対象外と するために、急性心筋梗塞後 6ヶ月以内の患者および心血管再建術後 6ヶ月以内の 患者は試験対象力除外し、安定期に入ったと考えられる両イベントから 6ヶ月以上 経過した患者を対象とした。その他にも、不安定狭心症の患者、重篤な心疾患の既 往,合併のある患者 (重症不整脈、心不全、心筋症、弁膜症、先天性心疾患等)、脳 血管障害発症後 6ヶ月以内の患者、重篤な肝疾患または腎疾患を合併している患者 等、本試験の目的である長期心血管イベント発症予防作用の検討に不適当な患者 および主治医が不適当と判断した患者は除外した。

EPA— Eとしてェパデ一ル1^ (持田製薬)を、通常、成人 1回 600mgを 1日 3回毎食 直後に経口投与した。ただし、血清 TGの異常を呈する場合は、その程度により 1回 9 00mg、 1曰 3回まで増量できることとした。

HMG-CoA RIとしてプラバスタチンナトリウム (メバロチン™錠'細粒 (三共))、シ ンパスタチン (リポバス™錠(萬有製薬) )あるヽはァトルパスタチンカルシウム水和物( リピトール1^錠 (ァステラス製薬およびフアイザ一製薬))を使用し、それぞれ定められ た用法 ·用量の範囲で経口投与した。

試験開始前力試験終了時までの 5年間定期的に血清脂質 (T Cho、HDL— C hoおよび TG)濃度を測定し、 LDL— Choを T— Cho— HDL— Cho— (TGZ5)の 計算式で算出した。また、心血管イベント (心血管死 (致死性心筋梗塞、突然心臓死 )、非致死性心筋梗塞、心血管再建術、安静狭心症 ·労作狭心症の新たな発症、狭 心症の不安定化 (入院、心血管再建術実施) )発症を観察した。

なお、本試験は、「医薬品の市販後調査の実施に関する基準 (GPMSP)」に則り、 かつ、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準 (GCP)」に準じ、試験統括者を置い た試験組織の下に行われた。また、試験の実施前に、患者本人に試験内容を説明し て、試験への自由意思による参加の同意を得た。

結果

観察期間 5年において両群の血清 T— Cho、LDL— Choおよび TG濃度は減少し 、血清 HDL— Cho濃度は変化な力つた。特に血清 TG濃度は EPA— E群でより減少 した。

観察期間 5年における心血管イベント発症例数、発症率(%)および EPA— E群の 対照群に対するォッズ比の集計結果を表 1に示す。ォッズ比は EPA— E群の発症率 Z対照群の発症率の計算式で、心血管イベント発症率の抑制率は { (対照群の心血 管イベント発症率 EPA— E群の心血管イベント発症率) Z対照群の心血管ィベン ト発症率 }X 100の計算式でそれぞれ算出した。

[表 1]


EPA— E投与により、全例の 5年間に渡る心血管イベント発症率は 2. 81%と対照 群の心血管イベント発症率の 3. 48%に比べて減少した。ォッズ比は 0. 808であり、 心血管イベント発症率は EPA— E投与により対照群に比べて約 19 %減少した。 すなわち、 EPA— E投与による心血管イベント発症および Zまたは再発予防効果 が確認された。

また、心筋梗塞既往患者および心血管再建術施行患者においては、対照群の心 血管イベント発症率が 20. 12%および 21. 54%と心筋梗塞非既往患者および心血 管再建術非施行患者での心血管イベント発症率の 2. 53%および 2. 44%に比して 著明に高力つた。一方、ォッズ比は EPA— E投与により、心筋梗塞既往患者で 0. 74 4および心血管再建術施行患者で 0. 671と心筋梗塞非既往患者の 0. 811および 心血管再建術非施行患者の 0. 862に比して著明に小さぐ心血管イベント発症率は 対照群に比べて EPA— E投与により心筋梗塞既往患者で約 26%および心血管再 建術施行患者で約 33%減少した。

以上より、心筋梗塞既往患者および心血管再建術施行患者にぉ、て EPA 与による著明な心血管イベント発症予防効果が確認された。