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1. (WO2007007565) RETARDATION FILM, POLARIZING PLATE, AND LIQUID CRYSTAL DISPLAY ELEMENT
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明 細書

位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置

技術分野

[0001] 本発明は位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。

背景技術

[0002] 液晶表示装置の視野角拡大を実現するために、位相差フィルムが用いられている 。位相差フィルムは偏光子と液晶セルの間に配置して用いられる。すなわちヨウ素を ドープした PVA (ポリビュルアルコール)を延伸して作製した偏光子を保護膜である T AC (トリアセチルセルロース)フィルムで両面ラミネートして得た偏光板と液晶セルと の間に配置して用いられる。必要とされる位相差の値、特性に応じて偏光板と液晶セ ルの間に様々な形態で配置される。例えば、片側 1枚で配置されることもあれば、両 側に各一枚ずつ配置される場合もある。また、そのうちの片側に何枚も複数の種類の フィルムが積層されて配置される場合もあれば、一枚のフィルム上に塗布により異な る光学異方性層を形成される場合もある。

[0003] これらの位相差フィルムは、特定の位相差値(リタ一デーシヨン値)をもつ。位相差 値は膜厚が薄いほど、製膜時にゲル化している部分が少なくなるため大きくなる。こ の値が変化すると特に斜め方向から見た場合の視野角や色味が変化する。位相差 フィルムには様々な構成を実現するために様々な素材が利用され、それらの素材は 環境 (特に湿度環境)の変動に対して可逆的に変化する場合がある。支持体フィルム に他の位相差を生じる層(光学異方性層)を積層した位相差フィルムの場合、例えば 液晶層を塗布する支持体として TACフィルムが使用される。し力、し、この TACフィノレ ムはそれ自身が位相差値 (特に厚み方向のリタ一デーシヨン)を持ち水分の吸脱着 に依存してリタ一デーシヨン値が変動する。特に水分の吸脱着はセルロースエステル の水酸基に依存しており、総置換度が低いほど水分の吸脱着は激しくなる。

[0004] また、最近我々は従来の TACフィルムの代わりにセルロース誘導体フィルムを延伸 により位相差を発現させ、これをけん化処理して PVA偏光子をラミネートすることによ り位相差フィルムの機能を併せ持つ偏光板保護フィルムを実現した (例えば、特許文 献 1参照。)。し力し、このフィルムも通常の TACフィルムよりも値は小さいが、湿度の 変動によりリタ一デーシヨン値が可逆的に変動する。

[0005] これらの点を考慮すると、偏光子から液晶セルの間の総リタ一デーシヨン値は、通 常偏光子の保護フィルムとして用いられる TACフィルムを含めて、位相差値の環境( 湿度)依存性を伴う層の存在により、湿度変化に連動して可逆的に変動することが避 けられなかった。

[0006] このようにリタデーシヨンが変化することで、液晶表示装置の表示品位 (視野角)が 変動することが問題であった。それを解決するために、ノルボルネン系フィルムを用 レ、るという方法もあるが、水系接着剤を用いた場合の乾燥性の悪さなど、生産性に問 題があった。

[0007] また位相差フィルムおよび液晶表示装置が輸送中に湿熱下におかれた場合もリタ 一デーシヨンが変化し、同様の問題があった。

[0008] また、液晶表示装置の表示品位 (視野角)はリタデーシヨン値によって決まるため、 たとえリタデーシヨンの変化が小さくても、リタデーシヨン値が適切でないと、液晶表示 装置の表示品位 (視野角)の変動が大きくなる場合もあった。

特許文献 1 :特開 2003— 270442号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のセルロース 系位相差フィルムの欠点である位相差値の変動を抑制して、更に、表示品位 (視野 角)が安定した位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置を提供することにある。 課題を解決するための手段

[0010] 本発明の上記目的は、下記構成により達成された。

[0011] 1.セルロース誘導体と可塑剤を含み、膜厚が 10 μ m以上、 50 μ m以下で下記式

(i)式で表される Roが 30nm以上、 lOOnm以下の範囲にあり、下記式(ii)で表される Rtが lOOnm以上、 300nm以下の範囲にあり、かつ下記式(iii)で表される Sが 0. 00 2以上、 0. 030以下であることを特徴とする位相差フィルム。

[0012] 式(i) Ro= (nx-ny) X d

式(ii) Rt = S X d

式 uuノ S= ( (nx+ny) / 2— nz)

(ただし、 nxはフィルム面内の最大屈折率、 nyは nxと直交方向の屈折率、 nzはフィ ルム厚み方向の屈折率、 dはフィルムの厚さ(nm)を表す。)

2.前記式(i)式で表される Roが 30nm以上、 65nm以下の範囲にあり、前記式(ii) で表される Rtが lOOnm以上、 150nm以下の範囲にあり、かつ前記式(iii)で表され る Sが 0. 002以上、 0. 015以下であることを特徴とする前記 1に記載の位相差フィル ム。

[0013] 3.前記セルロース誘導体の総ァシル基置換度が 2. 0以上、 2. 6以下であることを 特徴とする前記 1または 2記載の位相差フィルム。

[0014] 4.多価アルコールエステル系可塑剤と芳香族末端エステル系可塑剤とを含有する ことを特徴とする前記 1乃至 3のいずれか 1項に記載の位相差フィルム。

[0015] 5.陽電子消滅法により求められる自由体積半径力 0. 250nm以上、 0. 310nm 以下であることを特徴とする前記 1乃至 4のいずれ力 1項に記載の位相差フィルム。

[0016] 6.前記 1乃至 5のいずれか 1項に記載の位相差フィルムを少なくとも一方の面に有 することを特徴とする偏光板。

[0017] 7.前記 1乃至 5のいずれか 1項に記載の位相差フィルムと、膜厚が 5 μ m以上、 20

/i m以下で、エチレン単位の含有量が 1モル%以上、 4モル%以下で、重合度が 20

00以上、 4000以下で、力つけんィ匕度 99. 0モノレ0 /0以上、 99. 99モノレ0 /0以下のェチ レン変性ポリビュルアルコールからなる偏光子を有することを特徴とする偏光板。

[0018] 8.前記 6または 7に記載の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。

発明の効果

[0019] 本発明により、従来のセルロース系位相差フィルムの欠点である位相差値の変動を 抑制して、表示品位が安定した位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置を提供す ること力 Sできた。

発明を実施するための最良の形態

[0020] 以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこ れらに限定されるものではない。

[0021] 本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、セルロース誘導体と可塑剤を含 み、膜厚が ΙΟ μ ΐη以上、 50 111以下で下記式(1)式で表される1 0が3011111以上、 1 OOnm以下の範囲にあり、下記式(ii)で表される Rtが lOOnm以上、 300nm以下の 範囲にあり、かつ下記式(iii)で表される Sが 0. 002以上、 0. 030以下であることを特 徴とする位相差フィルム(本発明ではセルロースエステルフィルムともいう)によって、 位相差値の可逆変動および不可逆変動を抑制して、表示品位が極めて安定した位 相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置が得られることを見出し、本発明をなすに 至った次第である。下記式 (iii)で表される Sが 0. 002未満だと位相差値の変動が大 きくなり、表示装置の視野角劣化が起こりやすくなり、 0. 030を超えると、水分の影響 による表示装置の劣化が起こりやすくなる。

[0022] 式(i) Ro= (nx-ny) X d

式(ii) Rt = S X d

式(iii) S= ( (nx+ny) /2 -nz) (ただし、 nxはフィルム面内の最大屈折率、 ny は nxと直交方向の屈折率、 nzはフィルム厚み方向の屈折率、 dはフィルムの厚さ(n m)を表す。 )

尚、 Ro、 Rt、 Sは、アッベの屈折率計より試料の平均屈折率を求め、更に、自動複 屈折計 KOBRA— 21ADH (王子計測機器 (株)製)を用いて、 23°C、 55%RHの環 境下で、波長が 590nmにおいて、 3次元屈折率測定を行い、得られた位相差の測 定値と平均屈折率から計算により求めることが出来る。

[0023] 本発明において可逆変動とは、湿度変化における最初と最後の同一条件下での 測定結果で測定器の規格範囲内での変動であれば可逆変動と見なせ、本発明のリ タデーシヨン値の可逆変動はフィルムを 5時間調湿して当該環境と平衡状態になるこ とで変化が観察されるものと定義する。

[0024] 本発明における可逆変動の改善効果を確認するためには温度を一定の状態で湿 度を変化させて、位相差の測定あるいは視野角の測定などを行うことが好ましい。ま た、湿度変化条件にて測定する前後で、通常の環境 (例えば 23°C55%RHなど)の 測定を行い、可逆変動であることを確認することが出来る。

[0025] 本発明において不可逆変動とは、恒温槽を用いて 80°C90%RHの環境下で処理

前後での同一条件下での測定結果で測定器の規格範囲内での変動であれば不可 逆変動と見なせ、本発明のリタデーシヨン値の不可逆変動は処理前後のフィルムを 5 時間調湿して当該環境と平衡状態になることで変化が観察されるものと定義する。

[0026] 本発明における不可逆変動の改善効果を確認するためには耐久処理後の試料を 用いて、位相差の測定あるいは視野角の測定などを行うことが好ましレ、。

[0027] 本発明者らは、本発明の位相差フィルムを得るのに、特定の総ァシル基置換度を 有するセルロースエステル及び、多価アルコールエステル系可塑剤と芳香族末端ェ ステル系可塑剤を用レ、、更に後述する陽電子消滅法により求められる自由体積半径 が 0. 250-0. 310nmの範囲に入る製造方法を採用することにより達成出来ること を併せて見出したものである。

[0028] 以下、本発明の各要素を詳細に説明する。

[0029] 〈セルロース誘導体〉

本発明においては、液晶表示用フィルムとして好ましい有機材料として、低複屈折' 波長分散特性が正であるセルロース誘導体が用いられる。

[0030] 本発明に用いられるセルロース誘導体としては、メチルセルロース、ェチルセル口 ース、ヒドロキシェチノレセノレロース、ヒドロキシプロピノレセノレロース、シァノエチノレセノレ ロースなどのセルロースエーテル類と、トリァセチルセルロース(TAC)、ジァセチル セルロース(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースァセテ 一トブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリ テート、硝酸セルロース等のセルロースエステル類が挙げられる力好ましくはセル口 ースエステル類である。

[0031] 本発明に用いられるセルロース誘導体の原料のセルロースとしては、特に限定はな いが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。また、これらから 得られたセルロース誘導体は、それぞれを単独あるいは任意の割合で混合使用する ことが出来るが、綿花リンターを 50質量%以上使用することが好ましい。

[0032] セルロースエステルフィルムの分子量が大きいと弾性率が大きくなる力分子量を 上げすぎるとセルロースエステルの溶解液の粘度が高くなりすぎるため生産性が低 下する。セルロースエステルの分子量は数平均分子量(Mn)で 40000〜200000の

ものが好ましく、 100000〜200000のもの力 s更に好ましい。本発明で用いられるセ ルロースエステルは Mw/Mn比が 4· 0以下であることが好ましぐ更に好ましくは 1 · 4〜2· 3である。

[0033] セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィー を用い測定できるので、これを用いて数平均分子量 (Μη)、質量平均分子量 (Mw) を算出し、その比を計算することができる。

[0034] 測定条件は以下の通りである。

[0035] 溶媒:メチレンクロライド

カラム: Shodex K806, K805, K803G (昭和電工(株)製を 3本接続して使 用した)

カラム温度: 25°C

試料濃度: 0. 1質量%

検出器: RI Model 504 (GLサイエンス社製)

ポンプ: L6000 (日立製作所 (株)製)

流量: 1. Oml/min

校正曲線:標準ポリスチレン STK standard ポリスチレン(東ソ一(株)製) Mw = 1 , 000, 000〜500迄の 13サンプノレ【こよる校正曲 ϋを使用した。 13サンプノレ ίま、 ほぼ等間隔に用いることが好ましい。

[0036] 好ましいセルロースエステルは、炭素原子数 2〜4のァシル基を置換基として有し、 ァセチル基の置換度を Xとし、プロピオニル基またはプチリル基の置換度を Υとした 時、下記式 (I)及び (Π)を同時に満たすセルロースエステルである。

[0037] 式(I) 2. 0≤Χ+Υ≤2. 6

式(II) 0≤Χ≤2. 6

中でも 2. 4≤Χ + Υ≤2. 6、 1. 7≤Χ≤2. 3、 0. 1≤Υ≤0. 9のセノレロースァセテ ートプロピオネート(総ァシル基置換度 = Χ + Υ)が好ましレ、。なお、ァシル基の置換 度は、 ASTM— D817— 96に規定の方法に準じて測定することができる。アシノレ基 で置換されていない部分は、通常水酸基として存在している。これらのセルロースェ ステルは、公知の方法で合成することが出来る。

[0038] 〈溶媒〉

本発明のセルロース誘導体は溶媒に溶解させてドープを形成し、これを基材上に 流延しフィルムを形成させる。この際に押し出しあるいは流延後に溶媒を蒸発させる 必要性があるため、揮発性の溶媒を用いることが好ましい。

[0039] ここで、上記セルロース誘導体に対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒 といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主 (有機 )溶媒または主たる (有機)溶媒とレ、う。

[0040] 良溶媒の例としては、例えば、アセトン、メチルェチルケトン、シクロペンタノン、シク 口へキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、 1 , 4_ジォキサン、 1, 3—ジ ォキソラン、 1, 2—ジメトキシェタンなどのエーテル類、ぎ酸メチル、ぎ酸ェチル、酢 酸メチル、酢酸ェチル、酢酸ァミル、 y—ブチ口ラタトン等のエステル類の他、メチル セロソルブ、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルァセトアミド、ァセト 二トリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ニトロェタン、塩化メチレン、ァセト酢酸 メチルなどが挙げられる力 1 , 3—ジォキソラン、 THF、メチルェチルケトン、アセトン 、酢酸メチルおよび塩ィ匕メチレンが好ましい。

[0041] ドープには、上記有機溶媒の他に、:!〜 40質量%の炭素原子数 1〜4のアルコー ルを含有させることが好ましい。これらは、ドープを金属支持体に流延した後、溶媒が 蒸発し始めてアルコールの比率が多くなることでウェブ (支持体上にセルロース誘導 体のドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)をゲル化させ、ウェブ を丈夫にし金属支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり 、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロース誘導体の溶解を促進し たりする役割もある。

[0042] 炭素原子数 1〜4のアルコールとしては、例えば、メタノーノレ、エタノール、 n—プロ パノーノレ、 iso _プロパノーノレ、 n—ブタノーノレ、 sec—ブタノ一ノレ、 tert—ブタノ一ノレ、 プロピレングリコールモノメチルエーテルを挙げることが出来る。これらのうち、ドープ の安定性に優れ、沸点も比較的低ぐ乾燥性も良ぐ且つ毒性がないこと等からエタ ノールが好ましい。これらの有機溶媒は、単独ではセルロース誘導体に対して溶解 性を有しておらず、貧溶媒という。

[0043] このような条件を満たし好ましい高分子化合物であるセルロース誘導体を高濃度に 溶解する溶剤として最も好ましレ、溶剤は塩ィ匕メチレン:ェチルアルコールの比が 95: 5〜80 : 20の混合溶剤である。あるレ、は、酢酸メチル:エチルアルコール 60 : 40〜9 5: 5の混合溶媒も好ましく用いられる。

[0044] 〈添加剤〉

本発明の位相差フィルムには、フィルムに加ェ性 ·柔軟性 ·防湿性を付与する可塑 剤、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止 剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、フィルムのリタ一デーシヨンを調 整するリタ一デーシヨン調整剤等を含有させても良い。

[0045] 〈可塑剤〉

本発明に用いられる可塑剤としては特に限定はないが、フィルムにヘイズを発生さ せたりフィルムからブリードアウト或いは揮発しないように、セルロース誘導体と水素結 合などによって相互作用可能である官能基を有していることが好ましい。

[0046] このような官能基としては、例えば、水酸基、エーテル基、カルボニル基、エステル 基、カルボン酸残基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シァノ基、ニトロ基、スル ホニル基、スルホン酸残基、ホスホニル基、ホスホン酸残基等が挙げられる力 S、好まし くはカルボニル基、エステル基、ホスホニル基である。

[0047] このような可塑剤の例として、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤 、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、多価アルコール系可塑剤 、グリコレート系可塑剤、クェン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、力 ルボン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることが出来 るが、特に本発明の効果を得る上で、好ましくは多価アルコール系可塑剤、及びエス テル系可塑剤を使用することであり、特に多価アルコールエステル系可塑剤と後述 する芳香族末端エステル系可塑剤とを含有することが好ましい。

[0048] 多価アルコールエステルは、 2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸の エステルよりなり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。

[0049] 本発明に用いられる多価アルコールは、次の一般式(1)で表される。

[0050] 一般式(1)

R (OH) n

上記一般式(1)において、は n価の有機基、 nは 2以上の正の整数を表す。

[0051] 好ましい多価アルコールとしては、例えば、以下のようなものを挙げることができるが 、本発明はこれらに限定されるものではなレ、。アド二トール、ァラビトール、エチレング リコーノレ、ジエチレングリコーノレ、トリエチレングリコーノレ、テトラエチレングリコーノレ、 1

, 2 _プロパンジオール、 1 , 3 _プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロ ピレンダリコール、 1 , 2_ブタンジオール、 1, 3 _ブタンジオール、 1, 4_ブタンジォ ール、ジブチレングリコール、 1 , 2, 4_ブタントリオール、 1 , 5 _ペンタンジオール、 1 , 6—へキサンジオール、へキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、 3 メ チノレペンタン一 1, 3, 5 _トリオ一ノレ、ピナコーノレ、ソノレビトーノレ、トリメチローノレプロパ ン、トリメチロールェタン、キシリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールな どを挙げること力 S出来る。中でも、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ま しい。

[0052] 本発明に係る多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に 制限はなぐ公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカル ボン酸などを用いることが出来る。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を 用いると、透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。好ましいモノカルボン酸の例と しては、以下のようなものを挙げることが出来る力本発明はこれに限定されるもので はない。

[0053] 脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数 1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を 好ましく用いることが出来る。炭素数 1〜20であることが更に好ましぐ炭素数 1〜: 10 であることが特に好ましい。酢酸を用いるとセルロースエステルとの相溶性が増すた め好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。

[0054] 好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草 酸、カプロン酸、ェナント酸、力プリル酸、ペラルゴン酸、力プリン酸、 2_ェチル—へ キサンカルボン酸、ゥンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシ ル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ァラキン酸、ベへ ン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセノレ

酸などの飽和脂肪酸、ゥンデシレン酸、ォレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン 酸、ァラキドン酸などの不飽和脂肪酸などを挙げることが出来る。好ましい脂環族モノ カルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロへキサンカルボン酸、シク 口オクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることが出来る。好ましい芳香族 モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルィル酸などの安息香酸のベンゼン環に アルキル基を導入したもの、ビフエ二ルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリン カルボン酸などのベンゼン環を 2個以上持つ芳香族モノカルボン酸、またはそれらの 誘導体を挙げることが出来る。特に、安息香酸が好ましい。

[0055] 多価アルコールエステルの分子量 300〜 1500の範囲であることが好ましぐ 350 〜750の範囲であることが更に好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好 ましぐ透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。多価 アルコールエステルに用いられるカルボン酸は一種類でもよいし、二種以上の混合 であってもよい。また、多価アルコール中の OH基は全てエステル化してもよいし、一 部を OH基のままで残してもよレ、。以下に、多価アルコールエステルの具体的化合物 を示す。

[0056] [化 1]


CT] [8900]


^Z\ZI9miASIlDA S9S.00/.00Z OAV


3S


[0060] 本発明に係る多価アルコールエステルの含有量は、セルロースエステルフィルム中 に 1〜 15質量%含有することが好ましく、特に 3〜 10質量%含有することが好ましレヽ

[0061] (エステル系可塑剤)

エステル系可塑剤は、特に限定されないが、分子内に芳香環またはシクロアルキル 環を有するエステル系可塑剤を好ましく用いることが出来る。好ましレ、エステル系可 塑剤としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式 (2)で表せる芳香族末端 エステル系可塑剤が好ましレ、。

[0062] 一般式(2)

B— (G-A) n-G-B

上記一般式(2)において、 Bはベンゼンモノカルボン酸残基、 Gは炭素数 2〜: 12の アルキレングリコール残基、炭素数 6〜: 12のァリールグリコール残基または炭素数が 4〜 12のォキシアルキレングリコール残基、 Aは炭素数 4〜 12のアルキレンジカルボ ン酸残基または炭素数 6〜: 12のァリールジカルボン酸残基を表し、また nは 1以上の 整数を表す。

[0063] 一般式(2)中、 Bで示されるベンゼンモノカルボン酸残基と Gで示されるアルキレン グリコール残基、ォキシアルキレングリコール残基またはァリールグリコール残基、 A で示されるアルキレンジカルボン酸残基またはァリールジカルボン酸残基とから構成 されるものであり、通常のポリエステル系可塑剤と同様の反応により得られる。

[0064] 本発明で使用されるエステル系可塑剤のベンゼンモノカルボン酸成分としては、例 えば、安息香酸、パラターシヤリブチル安息香酸、オノレソトルィル酸、メタトルィル酸、 パラトルィル酸、ジメチル安息香酸、ェチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、 ァミノ安息香酸、ァセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ 1種または 2種以上 の混合物として使用することが出来る。

[0065] 本発明のエステル系可塑剤の炭素数 2〜: 12のアルキレングリコール成分としては、 例えば、エチレングリコール、 1, 2—プロピレングリコール、 1, 3—プロピレングリコー ノレ、 1 , 2 ブタンジオール、 1, 3 ブタンジオール、 1, 2 プロパンジオール、 2—メ チノレ 1 , 3 プロパンジオール、 1 , 4 ブタンジオール、 1, 5 ペンタンジオール、 2 , 2 ジメチルー 1 , 3 プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、 2, 2 ジェチ ノレ 1 , 3 プロパンジオール(3, 3 ジメチロールペンタン)、 2— n—ブチルー 2— ェチル一1 , 3プロパンジオール(3, 3 _ジメチロールヘプタン)、 3 _メチル _ 1, 5 - ペンタンジオール 1, 6—へキサンジオール、 2, 2, 4一トリメチノレ 1, 3 _ペンタンジォ ール、 2—ェチノレ 1, 3—へキサンジオール、 2—メチノレ 1 , 8 _オクタンジオール、 1, 9—ノナンジオール、 1 , 10—デカンジオール、 1, 12—ォクタデカンジオール等があ り、これらのグリコーノレは、 1種または 2種以上の混合物として使用される。特に炭素 数 2〜 12のアルキレングリコールがセルロースエステルとの相溶性に優れているため 、特に好ましい。

[0066] また、芳香族末端エステルの炭素数 4〜: 12のォキシアルキレングリコール成分とし ては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコーノレ、テトラエチレングリコー ノレ、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、 1種または 2種以上の混合物として使用できる。

[0067] 芳香族末端エステルの炭素数 4〜: 12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例 えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、ァゼライン酸、 セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ 1種または 2種以上 の混合物として使用される。炭素数 6〜: 12のァリーレンジカルボン酸成分としては、フ タノレ酸、テレフタル酸、イソフタル酸、 1, 5ナフタレンジカルボン酸、 1 , 4ナフタレンジ カルボン酸等がある。

[0068] 本発明で使用されるエステル系可塑剤は、数平均分子量が、好ましくは 300〜: 15 00、より好ましくは 400〜 1000の範囲が好適である。また、その酸価は、 0. 5mgKO H/g以下、水酸基価は 25mgK〇H/g以下、より好ましくは酸価 0. 3mgKOH/g 以下、水酸基価は 15mgK〇H/g以下のものが好適である。以下、本発明に係る芳 香族末端エステル系可塑剤の合成例を示す。

[0069] 〈サンプル 1 (芳香族末端エステルサンプル)〉

反応容器にフタル酸 410部、安息香酸 610部、ジプロピレングリコール 737部、及 び触媒としてテトライソプロピルチタネート 0. 40部を一括して仕込み窒素気流中で 攪拌下、還流凝縮器を付して過剰の 1価アルコールを還流させながら、酸価が 2以下 になるまで 130〜250°Cで加熱を続け生成する水を連続的に除去した。次いで 200 〜230°Cで 100〜最終的に 4. 0 X 102Pa以下の減圧下、留出分を除去し、この後濾 過して下記の性状を有する芳香族末端エステル系可塑剤を得た。

[0070] 粘度(25。C、 mPa' s) ; 43400

酸価 ;0. 2

〈サンプル 2 (芳香族末端エステルサンプル)〉

反応容器に、フタル酸 410部、安息香酸 610部、エチレングリコール 341部、及び 触媒としてテトライソプロピルチタネート 0. 35部を用いる以外はサンプル No. 1と全く 同様にして次の性状を有する芳香族末端エステルを得た。

[0071] 粘度(25°C、 mPa's) ;31000

酸価 ;0. 1

〈サンプル 3 (芳香族末端エステルサンプル)〉

反応容器に、フタル酸 410部、安息香酸 610部、 1, 2_プロパンジオール 418部、 及び触媒としてテトライソプロピルチタネート 0. 35部を用いる以外はサンプル No. 1 と全く同様にして次の性状を有する芳香族末端エステルを得た。

[0072] 粘度(25。C、 mPa's) ;38000

酸価 ;0.05

〈サンプル 4 (芳香族末端エステルサンプル)〉

反応容器に、フタル酸 410部、安息香酸 610部、 1, 3_プロパンジオール 418部、 及び触媒としてテトライソプロピルチタネート 0. 35部を用いる以外はサンプル No. 1 と全く同様にして次の性状を有する芳香族末端エステルを得た。

[0073] 粘度(25。C、 mPa's) ;37000

酸価 ;0.05

以下に、本発明に係る芳香族末端エステル系可塑剤の具体的化合物を示すが、 本発明はこれに限定されない。

[0074] [化 5]

〔〕〔〕0075

Mw: 74β : 830


t:

ί:

i Sき


[0076] これらの可塑剤は単独あるいは 2種以上混合して用いることができる。可塑剤の使 用量は、セルロース誘導体に対して 1質量%未満ではフィルムの透湿度を低減させ る効果が少ないため好ましくなぐ 20質量%を越えるとフィルムから可塑剤がブリード アウトし、フィルムの物性が劣化するため、 1〜20質量0 /0が好ましレ、。 6〜: 16質量0 /0 が更に好ましく、特に好ましくは 8〜: 13質量%である。

[0077] 〈紫外線吸収剤〉

紫外線吸収機能は、液晶の劣化防止の観点から、偏光板保護フィルム、位相差フ

イルム、光学補償フィルムなどの各種光学フィルムに付与されていることが好ましい。 このような紫外線吸収機能は、紫外線を吸収する材料をセルロース誘導体中に含ま せても良ぐセルロース誘導体からなるフィルム上に紫外線吸収機能のある層を設け てもよい。

[0078] このような紫外線吸収機能のある紫外線吸収剤としては、波長 370nm以下の紫外 線の吸収能に優れ、波長 400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用い られる。好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばトリアジン系化合 物、ォキシベンゾフヱノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステ ル系化合物、ベンゾフヱノン系化合物、シァノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系 化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。又、特開平 6— 148430号公報 に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。

[0079] 本発明に有用な紫外線吸収剤の具体例として、 2—(2' —ヒドロキシー 5' —メチ ノレ一フエニル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' , 5' —ジ一 tert ブ チル一フエニル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' — tert ブチル 5 ' —メチル一フエニル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' , 5' —ジ一 t ert ブチル一フエ二ル)一 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— {2' —ヒドロキシ一 3' — (3,, , 4,, , 5" , 6" —テトラヒドロフタルイミドメチル) 5, —メチノレ一フエニル) ベンゾトリァゾール、 2, 2—メチレンビス(4— (1, 1 , 3, 3 テトラメチルブチル) 6 — (2H ベンゾトリアゾール 2—ィル)フエノール)、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' t ert ブチル 5' —メチルフエ二ル)一 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— (2H ベ ンゾトリァゾールー 2 ィル) - 6 - (直鎖及び側鎖ドデシル)ー4ーメチルーフエノー ノレくくチヌビン(TINUVIN) 171 > >、 2—ォクチル一 3 _〔3— tert—ブチル _ 4 -ヒドロキシ一 5—(クロ口一 2H—ベンゾトリアゾール一 2—ィル)フエニル〕プロビオネ ートと 2_ェチルへキシル _ 3_〔3 _tert_ブチル _4—ヒドロキシ一 5 _ (5—クロ口 - 2H—ベンゾトリアゾール _ 2_ィル)フエニル〕プロピオネートの混合物くくチヌビ ン(TINUVIN) 109 > >、 2— (2H—ベンゾトリアゾール一2ィル)一4, 6—ビス(1— メチル _ 1 _フエ二ルェチノレ)フエノールくくチヌビン 234 > >、 2- (3 _t—ブチノレ —5—メチル一2—ヒドロキシフエニル)一5—クロ口一ベンゾトリアゾールくくチヌビン

326 > >等を挙げることが出来る力 S、これらに限定されない。また、上記のチヌビン 1 09、チヌビン 171、チヌビン 326等チヌビンは何れもチノく'スペシャルティ'ケミカルズ 社製の市販品で、好ましく使用出来る。

[0080] ベンゾフヱノン系化合物の具体例として、 2, 4—ジヒドロキシベンゾフヱノン、 2, 2' —ジヒドロキシ _4—メトキシベンゾフエノン、 2—ヒドロキシ _4—メトキシ一 5 _スルホ ベンゾフエノン、ビス(2—メトキシ一 4—ヒドロキシ一 5—ベンゾィルフエニルメタン)等 を挙げることが出来るが、これらに限定されない。

[0081] また、本発明の位相差フィルムに用いることのできる紫外線吸収剤は、各種塗布層 の塗布性にも優れる為、特開 2000— 187825に記載されている分配係数が 9. 2以 上の紫外線吸収剤を含むことが好ましぐ特に分配係数が 10. 1以上の紫外線吸収 剤を用いることが好ましい。

[0082] また、特開平 6— 148430号及び特開 2002— 47357号記載の高分子紫外線吸収 剤ほたは紫外線吸収性ポリマー)を好ましく用いることができる。特開平 6— 148430 号の一般式(1)、あるいは一般式(2)、あるいは特開 2002— 47357号の一般式(3) (6) (7)記載の高分子紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。

[0083] また、本発明の位相差フィルムの紫外線吸収剤として、 1, 3, 5—トリアジン環を有 する化合物を好ましく用いることが出来る。該化合物はリタ一デーシヨン調整剤として も用いることが出来る。

[0084] これらの化合物の添加量は、セルロース誘導体に対して質量割合で 0.:!〜 5. 0% が好ましく、 0. 5〜: ! · 5%が更に好ましい。

[0085] 〈酸化防止剤〉

酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に液晶画像表示装置な どがおかれた場合には、位相差フィルムの劣化が起こる場合がある。酸化防止剤は、 例えば、位相差フィルム中の残留溶媒量のハロゲンゃリン酸系可塑剤のリン酸等に より位相差フィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、前記 位相差フィルム中に含有させるのが好ましレ、。

[0086] このような酸化防止剤としては、ヒンダードフエノール系の化合物が好ましく用いら れ、例えば、 2, 6—ジ _t_ブチル _p _クレゾール、ペンタエリスリチルーテトラキス 〔3—(3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエニル)プロピオネート〕、トリエチレン グリコール一ビス〔 3— ( 3— t ブチル 5—メチル 4—ヒドロキシフエ二ノレ)プロピオ ネート〕、 1, 6—へキサンジオール一ビス〔3— (3, 5—ジ一 t ブチル 4—ヒドロキ シフエニル)プロピオネート〕、 2, 4—ビス一(n—ォクチルチオ) _6 _ (4—ヒドロキシ —3, 5_ジ一 t—ブチルァニリノ)_ 1 , 3, 5—トリアジン、 2, 2—チォ一ジエチレンビ ス〔3_ (3, 5—ジ _t_ブチル _4—ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕、ォクタデシ ノレ一 3— (3, 5—ジ一 t—ブチル一4—ヒドロキシフエニル)プロピオネート、 N, N' - へキサメチレンビス(3, 5—ジ _t_ブチル _4—ヒドロキシ一ヒドロシンナマミド)、 1, 3, 5_トリメチノレ一 2, 4, 6—トリス(3, 5—ジ _t_ブチル _4—ヒドロキシベンジル) ベンゼン、トリス一(3, 5—ジ _t_ブチル _4—ヒドロキシベンジル)一イソシァヌレイ ト等を挙げることが出来る。特に、 2, 6—ジ _t_ブチル _p_クレゾール、ペンタエリ スリチルーテトラキス〔3 _ (3, 5—ジ _t_ブチル _4—ヒドロキシフエニル)プロピオ ネート〕、トリエチレングリコールビス〔3—(3— t ブチルー 5—メチルー 4ーヒドロキ シフエ二ル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、 N, N' —ビス〔3— (3, 5 - ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ二ノレ)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の 金属不活性剤ゃトリス(2, 4—ジー t ブチルフエニル)フォスファイト等のリン系加工 安定剤を併用してもよい。

[0087] これらの化合物の添加量は、セルロース誘導体に対して質量割合で lppm〜l . 0 %が好ましく、 10〜: 1 OOOppmが更に好ましレ、。

[0088] 〈マット剤〉

本発明におけるセルロース誘導体には、滑り性を付与するためにマット剤等の微粒 子を添加することができる。微粒子としては、無機化合物の微粒子又は有機化合物 の微粒子が挙げられる。

[0089] 微粒子の添加量は、位相差フィルム lm2当たり 0. 01〜: 1. Og力好ましく、 0. 03〜0 . 5g力 Sより好ましく、 0. 08〜0. 3gが更に好ましい。これにより、位相差フィルム表面 に 0.:!〜 l x mの凸部が形成されることが好ましぐフィルムに滑り性が付与される。

[0090] 位相差フィルム中に添加される微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪 素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カル

シゥム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケィ酸カルシウム、 ケィ酸アルミニウム、ケィ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることが出来る。 中でもケィ素を含むものが濁度が低くなり、また、フィルムのヘイズを小さく出来るの で好ましぐ特に二酸化珪素が好ましい。

[0091] 二酸化珪素のような微粒子は有機物により表面処理されている場合が多いが、この ようなものはフィルムのヘイズを低下出来るため好ましレ、。表面処理で好ましい有機 物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどを挙げるこ とが出来る。

[0092] 二酸化珪素微粒子は、例えば、気化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを 1 000〜: 1200°Cにて空気中で燃焼させて得ることが出来る。

[0093] 二酸化珪素の微粒子は、 1次平均粒子径が 20nm以下、見掛比重が 70gZL以上 であるものが好ましレ、。 1次粒子の平均径が 5〜: 16nmであるのがより好ましぐ 5〜1 2nmであるのが更に好ましい。これらの微粒子はフィルム中で 2次凝集体を形成して フィルム表面に凹凸を形成することによって滑り性を付与している。 1次粒子の平均 径が小さい方がヘイズが低く好ましい。見掛比重は 90〜200g/L以上がより好まし ぐさらに 100〜200g/L以上がより好ましい。見掛比重が大きい程、高濃度の微粒 子分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、大きな凝集物の発生が少なく好ましい。な お、本発明において、リットノレを Lで表すこととする。

[0094] 好ましい二酸化珪素の微粒子としては、例えば、ァェロジノレ R972、 R972V、 R97 4、 R812、 200、 200V, 300、 R202、 0X50、 TT600 (以上、日本ァエロジル(株) 製)の商品名で市販されているものを挙げることが出来、ァエロジル 200V、 R972、 R 972V, R974、 R202、 R812、 TT600を好ましく用レヽること力 S出来る。酸ィ匕ジノレコニ ゥムの微粒子としては、例えば、ァェロジノレ R976及び R811 (以上、日本ァエロジル (株)製)の商品名で市販されており、何れも使用することが出来る。

[0095] これらの中でも、ァエロジノレ 200V、ァエロジル R972V、ァエロジル TT600力本 発明の位相差フィルムの濁度を低くし、且つ摩擦係数を下げる効果が大きいため特 に好ましい。

[0096] 有機化合物の微粒子の例としては、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂を

挙げることが出来る。これらのうちシリコーン樹脂が好ましぐ特に三次元の網状構造 を有するもの力 S好ましく、 ί列え ίま、トスノ、。一ノレ 103、同 105、同 108、同 120、同 145、 同 3120及び同 240 (東芝シリコーン (株)製)を挙げることが出来る。

[0097] 微粒子の一次平均粒子径の測定においては、透過型電子顕微鏡 (倍率 50万〜 2

00万倍)で粒子の観察を行レ、、粒子 100個を観察し、その平均値をもって、一次平 均粒子径とすることができる。

[0098] また、上記記載の見掛比重は、二酸化珪素微粒子を一定量メスシリンダーに採り、 この時の重さを測定し、下記式で算出することができる。

[0099] 見掛比重 (g/U =二酸化珪素質量 (g) /二酸化珪素の容積 (L)

ここで添加される無機微粒子は、フィルム表面に滑り性を付与することが出来る。

[0100] 〈製膜〉

以下、本発明の位相差フィルムの好ましい製膜方法について説明する。

[0101] 1)溶解工程

セルロース誘導体に対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中で該セルロー ス誘導体、添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程、あるいはセルロース 誘導体溶液に添加剤溶液を混合してドープを形成する工程である。

[0102] セルロース誘導体の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、 主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平 9— 95544号公報、特開平 9— 955 57号公報、または特開平 9— 95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、 特開平 11 21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用い ることが出来るが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。

[0103] ドープ中のセルロース誘導体の濃度は 10〜35質量%が好ましレ、。溶解中または 後のドープに添加剤を加えて溶解及び分散した後、濾材で濾過し、脱泡して送液ポ ンプで次工程に送る。

[0104] 2)流延工程

ドープを送液ポンプ (例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、 無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属 ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程

である。

[0105] ダイの口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好まし レ、。カロ圧ダイには、コートハンガーダイや Tダイ等があり、何れも好ましく用いられる。 金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支 持体上に 2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープ を同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。

[0106] 3)溶媒蒸発工程

ウェブを金属支持体上で加熱し、金属支持体からウェブが剥離可能になるまで溶 媒を蒸発させる工程である。

[0107] 溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び Zまたは金属支持体 の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等がある が、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率がよく好ましい。またそれらを組み合わせる方 法も好ましい。裏面液体伝熱の場合は、ドープ使用有機溶媒の主溶媒または最も低 い沸点を有する有機溶媒の沸点以下で加熱するのが好ましい。

[0108] 4)剥離工程

金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離 されたウェブは次工程に送られる。なお、剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下 記式)があまり大き過ぎると剥離し難力たり、逆に金属支持体上で充分に乾燥させ 過ぎてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。

[0109] ここで、製膜速度を上げる方法 (残留溶媒量が出来るだけ多いうちに剥離すること で製膜速度を上げることが出来る)としてゲル流延法 (ゲルキャスティング)がある。例 えば、ドープ中にセルロース誘導体に対する貧溶媒をカ卩えて、ドープ流延後、ゲル 化する方法、金属支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。金属支持体上 でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことによって、剥離を早め製膜速度を 上げることが出来る。

[0110] 金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持 体の長さ等により 5〜150質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量が より多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、

剥離張力によるッレゃ縦スジが発生し易いため、経済速度と品質との兼ね合いで剥 離時の残留溶媒量が決められる。本発明においては、該金属支持体上の剥離位置 における温度を 50〜40°Cとするのが好ましぐ 10〜40°C力 Sより好ましく、 15〜30 °Cとするのが最も好ましい。

[0111] また、該剥離位置におけるウェブの残留溶媒量を 10〜150質量%とすることが好ま しぐ更に 10〜: 120質量%とすることが好ましい。

[0112] 残留溶媒量は下記の式で表すことが出来る。

[0113] 残留溶媒量 (質量%) = { (M_N) /N} X 100

ここで、 Mはウェブの任意時点での質量、 Nは質量 Mのものを 110°Cで 3時間乾燥 させた時の質量である。

[0114] 5)乾燥及び延伸工程

剥離後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥 装置、及び/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用 いて、ウェブを乾燥する。

[0115] 本発明においては、クリップ間の幅手方向に対して 1. 0〜2. 0倍延伸する方法とし て、テンター装置を用いて延伸することが好ましい。更に好ましくは縦及び横方向に 2軸延伸されたものである。 2軸延伸の際に縦方向に 0. 8〜: 1. 0倍に緩和させて所 望のリタ一デーシヨン値を得ることも出来る。延伸倍率は目的の光学特性 (Ro、 Rt) に応じて設定される。又、本発明に係る位相差フィルムを製造する場合、長尺方向に 一軸延伸することもできる。延伸の際の温度は 80〜180°C、好ましくは 90〜: 160°C であり、延伸時の残留溶媒量は 5〜40質量%、好ましくは 10〜30質量%である。

[0116] これにより、位相差フィルムとして、湿度が変動する条件下でも Ro、 Rtの変動の少 ない耐久性に優れた位相差フィルムを提供することができることを見出した。

[0117] 乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的である力風の代わりに マイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィ ルムの平面性を損ね易い。全体を通して、通常乾燥温度は 40〜250°Cの範囲で行 われる。使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用 溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べばょレ、。

[0118] また、本発明の位相差フィルムは、陽電子消滅寿命法により求められる自由体積半 径カ SO. 250〜0. 310nmであること力 S好ましレヽ。

[0119] 本発明における自由体積は、セルロース樹脂分子鎖に占有されていない空隙部分 を表している。これは、陽電子消滅寿命法を用いて測定することが出来る。具体的に は、陽電子を試料に入射してから消滅するまでの時間を測定し、その消滅寿命から 原子空孔ゃ自由体積の大きさ、数濃度等に関する情報を非破壊的に観察することに より求めることが出来る。

[0120] 〈陽電子消滅寿命法による自由体積半径の測定〉

下記測定条件にて陽電子消滅寿命と相対強度を測定した。

[0121] (測定条件)

陽電子線源: 22NaCl (強度 1. 85MBq)

ガンマ線検出器:プラスチック製シンチレ一ター +光電子増倍管

装置時間分解能: 290ps

測定温度: 23°C

総カウント数: 100万カウント

試料サイズ: 20mm X 15mmにカットした切片を 20枚重ねて約 2mmの厚みにした 。試料は測定前に 24時間真空乾燥を行った。

[0122] 照射面積:約 10mm <ί>

1チャンネルあたりの時間: 23. 3ps/ch

上記の測定条件に従って、陽電子消滅寿命測定を実施し、非線形最小二乗法に より 3成分解析して、消滅寿命の小さいものから、 τ 1、 τ 2、 τ 3とし、それに応じた 強度を II, 12, 13 (II +12 + 13 = 100%)とした。最も寿命の長い平均消滅寿命 τ 3 から、下記式を用いて自由体積半径 R3 (nm)を求めた。て 3が空孔での陽電子消滅 に対応し、て 3が大きいほど空孔サイズが大きいと考えられている。

[0123] τ 3= (1/2) [1 - {R3/ (R3 + 0. 166) } + (1/2 π ) sin{ 2 π R3/ (R3 + 0. 16 6) }] - 1

ここで、 0. 166 (nm)は空孔の壁から浸出している電子層の厚さに相当する。

[0124] 以上の測定を 2回繰り返し、その平均値を求めた。

[0125] 陽電子消滅寿命法は、例えば MATERIAL STAGE vol. 4, No. 5 2004 p 21— 25、東レリサーチセンター THE TRC NEWS No. 80 Qui. 2002) p20 22、「ぶんせき, 1988, pp. 11— 20」に「陽電子消滅法による高分子の自由体積 の評価」が掲載されており、これらを参考にすることが出来る。

[0126] 本発明の位相差フィルムの自由体積半径は、 0. 250〜0. 310nmであることが好 ましく、更に好ましレヽ範囲 fま、 0. 270〜0. 305nmである。自由体積半径力 0. 250η m未満であるセルロース樹脂系位相差フィルムを製造するのは工業的に困難であつ たりすることがある。また、自由体積半径が 0. 310nmを超える従来の位相差フィルム では、本発明の目的を達成出来ず、高温高湿下でリタデーシヨン斑も起こりやすくな る。

[0127] 低揮発性可塑剤とセルロース樹脂を含有する位相差フィルムの自由体積半径を所 定の範囲にする方法は特に限定はされないが、下記の方法によってこれらを制御す ることが出来る。

[0128] 陽電子消滅寿命法により求められる自由体積半径が 0. 250-0. 310nmである位 相差フィルムは、少なくともセルロース誘導体と可塑剤を含有するドープを流延してゥ エブを作製し、溶媒を含んだ状態で延伸した後、残留溶媒量が 0. 3%未満となるま で乾燥させてセルロース樹脂フィルムを得て、これを更に、 105〜: 155°Cで、雰囲気 置換率 12回/時間以上、好ましくは 12〜45回/時間の雰囲気下で搬送しながら処 理することによって、所定の自由体積半径である位相差フィルムを得ることが出来る。

[0129] 雰囲気置換率は、熱処理室の雰囲気容量を V (m3)、 Fresh— air送風量を FA (m3 /hr)とした場合、下式によって求められる単位時間あたり熱処理室の雰囲気を Fres h_ airで置換する回数である。 Fresh_airは熱処理室に送風される風のうち、循環 再利用している風ではなぐ揮発した溶媒若しくは可塑剤などを含まない、若しくはそ れらが除去された新鮮な風のことを意味している。

[0130] 雰囲気置換率 = FAZV (回/時間)

更に温度が 155°Cを超えると、本発明の効果は得られ難ぐ 105°Cを下回っても本 発明の効果は得られ難レ、。処理温度としては、 110〜150°Cであることが更に好まし レ、。更に、該処理部において雰囲気置換率が 12回/時間以上の雰囲気置換率に

維持された雰囲気下で処理されることが好ましぐ 12回/時間未満では、本発明の 効果が得られ難い。

[0131] これは 12回/時間以上の雰囲気置換率では、位相差フィルムから揮発した可塑剤 による雰囲気中の可塑剤濃度を十分に低減することが出来、フィルムへの再付着が 低減される。これが本発明の効果を得ることに寄与しているものと推測している。通常 の乾燥工程では雰囲気置換率は 10回/時間以下で行われる。置換率を必要以上 に増加させるとコストが高くなるため好ましくなぐまた、熱処理工程内でウェブがばた つくことにより、面内リタデーシヨン斑が増加する傾向があるため、特に位相差フィノレ ムを製造する際は高くすることは好ましくないが、十分に乾燥が終了し、残留溶媒量 が低減した後であれば、雰囲気置換率を上げることが出来る。し力、しながら、 45回よ り多くなると空調装置コストが極端に増大するため実用的でない。この条件下におけ る処理時間は 1分〜 1時間が好ましい。 1分未満では自由体積半径を所定の範囲に することは難しく、 1時間以下ではこの処理によるリタデーシヨン値の変動が少ないた め好ましい。

[0132] 更に、この処理工程において、厚み方向に加圧処理することも自由体積半径をより 好ましい範囲に制御することが出来る。好ましい圧力は 0. 5〜10kPaである。圧力を 力 4ナる際の残留溶媒量は 0. 3%未満であることが望ましい。残留溶媒量の多いところ 、 0. 3%以上では平面性改善などには効果があるものの、本発明の効果は得られな レ、。

[0133] このような処理を行っていない従来の位相差フィルムは、自由体積半径が 0. 315η mより大きいものであった。

[0134] 本発明の位相差フィルムの膜厚は 10〜50 μ mである。 10 μ m未満であると薄膜で ある為機械的強度が不足し生産時の破断等の故障が起こり易ぐフィルム面状が悪く なる。 50 z m以内であると自由体積半径も好ましい範囲に入りやすい。

[0135] 本発明の位相差フィルムのフィルムの面内方向のリタ一デーシヨン Roとしては 30〜 lOOnmの範囲であり、更に好ましくは、 30〜65nmである。

[0136] また、本発明に位相差フィルムのフィルムの厚み方向のリタ一デーシヨン Rtとしては

、 100〜300nmの範囲であり、 110〜150nmの範囲であることカより好ましレヽ。 [0137] 前記式(iii)で表される Sは、単位厚み当たりの位相差を表している力 0. 002-0 . 030の範囲にあることが本発明では必要であり、更には、 Sが 0. 003〜0. 015であ ることが好ましい。 Sが 0. 002未満だと液晶表示装置の白抜けが起こりやすくなり、 0 . 030を超えると、水分の影響による表示装置の劣化が起こりやすくなる。

[0138] (偏光子)

偏光子としては、ポリビュルアルコール系フィルムを延伸、染色したものが好ましく 用レ、られる。特に、エチレン単位の含有量:!〜 4モノレ0 /0、重合度 2000〜4000、けん ィ匕度 99. 0〜99. 99モル0 /0のエチレン変性ポリビュルアルコールが好ましく用いられ る。中でも熱水切断温度が 66〜73°Cであるエチレン変性ポリビュルアルコールフィ ルムが好ましく用いられる。又、フィルムの TD方向に 5cm離れた二点間の熱水切断 温度の差が 1°C以下であることが、色斑を低減させるうえでさらに好ましぐさらにフィ ルムの TD方向に lcm離れた二点間の熱水切断温度の差が 0. 5°C以下であること 力 色斑を低減させるうえでさらに好ましい。

[0139] このエチレン変性ポリビニルアルコールフィルムを用いた偏光子は、偏光性能およ び耐久性能に優れているうえに、色斑が少なぐ大型液晶表示装置に特に好ましく 用いられる。

[0140] 本発明において用いられるエチレン変性ポリビニルアルコール(以下、エチレン変 性 PVAともいう)としては、エチレンとビエルエステル系モノマーとを共重合して得ら れたエチレンビニルエステル系重合体をけん化し、ビニルエステル単位をビエルァ ルコール単位としたものを用いることができる。このビエルエステル系モノマーとして は、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビュル、プロピオン酸ビュル、バレリン酸ビュル、ラウリ ン酸ビュル、ステアリン酸ビュル、安息香酸ビュル、ピバリン酸ビュル、バーサティック 酸ビュル等を挙げることができ、これらのなかでも酢酸ビュルを用いるのが好ましい。

[0141] エチレン変性 PVAにおけるエチレン単位の含有量(エチレンの共重合量)は、:!〜 4モル0 /0であり、好ましくは 1. 5〜3モル0 /0であり、より好ましくは 2〜3モル0 /0である。

[0142] エチレン単位の含有量がこの範囲にあると、偏光性能および耐久性能が向上し、 色斑が低減されるため好ましレ、。

[0143] さらに、エチレン変性ポリビュルアルコールには、ビュルエステル系モノマーに下記

のモノマーを共重合させることもできる。ビエルエステル系モノマーに共重合させる場 合、好ましい範囲は 15モル0 /0以下、より好ましくは 5モル0 /0以下である。

[0144] このようなビニルエステル系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、プ ロピレン、 1—ブテン、イソブテン等の炭素数 3〜30のォレフィン類;アクリル酸および その塩;アクリル酸メチル、アクリル酸ェチル、アクリル酸 n—プロピル、アクリル酸 i_ プロピル、アクリル酸 n—ブチル、アクリル酸 i—ブチル、アクリル酸 t—ブチル、アタリ ル酸 2—ェチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ォクタデシル等のアタリノレ 酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ェチル、メ タクリル酸 n—プロピル、メタクリル酸 i—プロピル、メタクリル酸 n—ブチル、メタクリノレ 酸 i—ブチル、メタクリル酸 t—ブチル、メタクリル酸 2—ェチルへキシル、メタクリノレ酸ド デシル、メタクリル酸ォクタデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、 N—メ チルアクリルアミド、 N_ェチルアクリルアミド、 N, N—ジメチルアクリルアミド、ジァセ トンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロ ピルジメチルァミンおよびその塩、 N メチロールアクリルアミドおよびその誘導体等 のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、 N メチルメタクリルアミド、 N ェチルメタク リルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピル ジメチルァミンおよびその塩、 N メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体等のメ タクリルアミド誘導体; N—ビエルホルムアミド、 N ビニルァセトアミド、 N ビニルビ 口リドン等の N ビニルアミド類;メチルビニルエーテル、ェチルビニルエーテル、 n— プロピルビニルエーテル、 i—プロピルビエルエーテル、 n—ブチルビニルエーテル、 i ーブチルビニルエーテル、 t ブチルビュルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ス テアリルビュルエーテル等のビュルエーテル類;アクリロニトリル、メタタリロニトリル等 の二トリル類;塩化ビュル、塩化ビニリデン、フッ化ビュル、フッ化ビニリデン等のハロ ゲン化ビュル類;酢酸ァリル、塩化ァリル等のァリル化合物;マレイン酸およびその塩 またはそのエステル;ィタコン酸およびその塩またはそのエステル;ビュルトリメトキシ シラン等のビュルシリルィヒ合物;酢酸イソプロぺニル、 N ビュルホルムアミド、 N—ビ ニルァセトアミド、 N ビュルピロリドン等の N ビュルアミド類を挙げることができる。

[0145] 偏光子を構成するエチレン変性 PVAの重合度は、偏光性能と耐久性の点から 20

00〜4000であり、 2200〜3500力 S好ましく、 2500〜3000力 S特に好ましレヽ。重合度 が 2000より小さい場合には、偏光子の偏光性能や耐久性能が低下し、好ましくない 。また、重合度が 4000以下であることが偏光子の色斑が生じにくく好ましい。

[0146] エチレン変性 PVAの重合度は、 GPC測定から求めた重量平均重合度である。この 重量平均重合度は、単分散 PMMAを標品として移動相に 20ミリモル/リットルのトリ フルォロ酢酸ソーダを加えたへキサフルォロイソプロパノール(HFIP)を用い、 40°C で GPC測定を行って求めた値である。

[0147] 偏光子を構成するエチレン変性 PVAのけん化度は、偏光子の偏光性能および耐 久十生の; 力ら 99. 0〜99. 99モノレ0 /0であり、 99. 9〜99. 99モノレ0 /0力 Sより好ましく、 9 9. 95〜99. 99モノレ0 /0力 S特に好ましレ、。

[0148] エチレン変性 PVAフィルムを製造する方法としては特に限定されないが、流延製 膜法および溶融押出製膜法が、良好なエチレン変性 PVAフィルムを得る観点から好 ましレ、。又、得られたエチレン変性 PVAフィルムは、必要に応じて乾燥および熱処理 が施される。

[0149] エチレン変性 PVAフィルムを製造する際に使用されるエチレン変性 PVAを溶解す る溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルァセト アミド、 N—メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、 ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレンダリコール、トリメチロー ルプロパン、エチレンジァミン、ジエチレントリァミン、グリセリン、水などを挙げることが でき、これらのうち 1種または 2種以上を使用することができる。これらのなかでも、ジメ チルスルホキシド、水、またはグリセリンと水の混合溶媒が好ましく使用される。

[0150] エチレン変性 PVAフィルムを製造する際に使用されるエチレン変性 PVA溶液また は水を含むエチレン変性 PVAにおけるエチレン変性 PVAの割合はエチレン変性 P VAの重合度に応じて変化する力 20〜70質量%が好ましぐ 25〜60質量%がより 好ましぐ 30〜55質量%がさらに好ましぐ 35〜50質量%が最も好ましい。エチレン 変性 PVAの割合が 70質量%を超えるとエチレン変性 PVA溶液または水を含むェチ レン変性 PVAの粘度が高くなり過ぎて、フィルムの原液を調製する際に濾過や脱泡 が困難となり、異物や欠点のないフィルムを得ることが困難となる。また、エチレン変

性 PVAの割合が 20質量%より低いとエチレン変性 PVA溶液または水を含むェチレ ン変性 PVAの粘度が低くなり過ぎて、目的とする厚みを有する PVAフィルムを製造 すること力 S困難になる。また、このエチレン変性 PVA溶液または水を含むエチレン変 性 PVAには、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、二色性染料などを含有させてもよ レ、。

[0151] エチレン変性 PVAフィルムを製造する際に可塑剤として、多価アルコールを添カロ することが好ましレ、。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリ ン、プロピレングリコーノレ、ジエチレングリコーノレ、ジグリセリン、トリエチレングリコーノレ 、テトラエチレンダリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げることができ、これらのう ち 1種または 2種以上を使用することができる。これらの中でも延伸性向上効果からジ グリセリンやエチレングリコールやグリセリンが好ましく使用される。

[0152] 多価アルコールの添加量としてはエチレン変性 PVA100質量部に対し 1〜30質量 部が好ましぐ 3〜25質量部がさらに好ましぐ 5〜20質量部が最も好ましい。 1質量 部より少ないと、染色性や延伸性が低下する場合があり、 30質量部より多いと、ェチ レン変性 PVAフィルムが柔軟になりすぎて、取り扱い性が低下する場合がある。

[0153] エチレン変性 PVAフィルムを製造する際には、界面活性剤を添加することが好まし レ、。界面活性剤の種類としては特に限定はないが、ァニオン性またはノニオン性の 界面活性剤が好ましい。ァニオン性界面活性剤としては、たとえば、ラウリン酸力リウ ムなどのカルボン酸型、ォクチルサルフェートなどの硫酸エステル型、ドデシルペン ゼンスルホネートなどのスルホン酸型のァニオン性界面活性剤が好ましレ、。ノニオン 性界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンォレイルエーテルなどのアルキ ノレエーテル型、ポリオキシエチレンォクチルフエニルエーテルなどのアルキルフエ二 ルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレートなどのアルキルエステル型、ポリオキシ エチレンラウリルアミノエ一テルなどのアルキルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン 酸アミドなどのアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテルな どのポリプロピレングリコールエーテル型、ォレイン酸ジエタノールアミドなどのアル力 ノールアミド型、ポリオキシアルキレンァリルフエニルエーテルなどのァリルフエニルェ 一テル型などのノニオン性界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤の 1種または

2種以上の組み合わせで使用することができる。

[0154] 界面活性剤の添加量としては、エチレン変性 PVA100質量部に対して 0. 01〜1 質量部が好ましぐ 0. 02〜0. 5質量部がさらに好ましい。 0. 01質量部より少ないと 、製膜性や剥離性向上の効果が現れにくぐ 1質量部より多いと、界面活性剤がェチ レン変性 PVAフィルムの表面に溶出してブロッキングの原因になり、取り扱い性が低 下する場合がある。

[0155] 偏光子の作製に用いられる延伸前のエチレン変性 PVAフィルムは厚みが 10〜50 z mであることが好ましぐ 20〜40 x mであることがさらに好ましレ、。厚みが 10 x mよ り小さいと、フィルム強度が低すぎて均一な延伸が行いにくぐ偏光子の色斑が発生 しゃすい。厚みが 50 z mを超えると、エチレン変性 PVAフィルムを一軸延伸して偏 光子を作製した際に端部のネックインによる厚み変化が発生し易くなり、偏光子の色 斑が強調されやすいので好ましくない。

[0156] また、本発明のエチレン変性 PVAフィルムから偏光子を製造するには、例えばェチ レン変性 PVAフィルムを染色、一軸延伸、固定処理、乾燥処理をし、さらに必要に応 じて熱処理を行えばよぐ染色、一軸延伸、固定処理の操作の順番に特に制限はな レ、。また、一軸延伸を二回またはそれ以上行っても良い。

[0157] 染色は、一軸延伸前、一軸延伸時、一軸延伸後のいずれでも可能である。染色に 用いる染料としては、ヨウ素—ヨウ化カリウムや二色性染料などが、 1種または 2種以 上の混合物で使用できる。通常染色は、 PVAフィルムを上記染料を含有する溶液中 に浸漬させることにより行うことが一般的である力 S、 PVAフィルムに混ぜて製膜するな ど、その処理条件や処理方法は特に制限されるものではない。

[0158] 一軸延伸は、湿式延伸法または乾熱延伸法が使用でき、ホウ酸水溶液などの温水 中(前記染料を含有する溶液中や後記固定処理浴中でもよレ、)または吸水後のェチ レン変性 PVAフィルムを用いて空気中で行うことができる。延伸温度は、特に限定さ れず、エチレン変性 PVAフィルムを温水中で延伸(湿式延伸)する場合は 30〜90°C が好ましぐまた乾熱延伸する場合は 50〜: 180°Cが好ましい。また一軸延伸の延伸 倍率(多段の一軸延伸の場合には合計の延伸倍率)は、偏光子の偏光性能の点か ら 4倍以上が好ましぐ特に 5倍以上が最も好ましい。延伸倍率の上限は特に制限は

ないが、 8倍以下であると均一な延伸が得られやすいので好ましい。延伸後のフィル ムの厚さは、 5〜20 /1 111カ子ましく、 5〜: 15 μ ΐηがより好ましい。

[0159] エチレン変性 PVAフィルムへの上記染料の吸着を強固にすることを目的に、固定 処理を行うことが多レ、。固定処理に使用する処理浴には、通常、ホウ酸および/また はホウ素化合物が添加される。また、必要に応じて処理浴中にヨウ素化合物を添加し てもよい。

[0160] 得られた偏光子の乾燥処理は、 30〜: 150°Cで行うのが好ましぐ 50〜: 150°Cで行 うのがより好ましい。

[0161] 以上のようにして得られた偏光子は、通常、その両面または片面に偏光板保護フィ ルムが貼合されて偏光板として使用される。貼合する際に用いられる接着剤としては 、 PVA系の接着剤やウレタン系の接着剤などを挙げることができる力 S、なかでも PVA 系の接着剤が好ましく用レ、られる。

[0162] 〈偏光板及び液晶表示装置〉

本発明の位相差フィルムは、優れた視野角補償機能、視野角補償機能の湿度依 存性を向上させることが出来たことにより、偏光板保護フィルムであると同時に液晶表 示装置の視野角を拡大する光学補償フィルムとして安定した性能を維持して使用す ることが出来る。

[0163] 本発明の偏光板について説明する。

[0164] 本発明の偏光板は、一般的な方法で作製することが出来る。例えば、セルロースェ ステルフィルムをアルカリ鹼化処理した後に、偏光子の両面に、完全ケン化型ポリビ ニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ鹼化処理とは、水 系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルム を高温の強アルカリ液中に浸ける処理のことをいう。

[0165] このとき、セルロールエステルフィルムのうちの少なくとも一枚は、本発明の位相差 フィルムが用いられる。もう一方の面には、別のセルロースエステルフィルムを用いる ことが出来る。もう一方の面に本発明の位相差フィルム用に製造したセルロースエス テルフィルムを用いてもよいし、市販のセルロースエステルフィルム(KC8UX2M、 K C4UX2M、 KC5UN、 KC4UY、 KC8UY (以上、コニカミノルタォプト(株)製))を 表面側のもう一方の面の偏光板保護フィルムとして用いることが出来る。

[0166] 表示装置の表面側に用いられる偏光板保護フィルムには防眩層あるいはクリアハ ードコート層のほか、反射防止層、帯電防止層、防汚層を有することが好ましい。

[0167] 上記のようにして得られる、本発明の偏光板を、液晶セルの両面に配置して貼合し 、本発明の液晶表示装置を作製することが出来る。

[0168] また、偏光板の作製時には、本発明の位相差フィルムの面内遅相軸と偏光子の透 過軸が平行或いは直交するように貼合することが好ましい。この場合、特に長尺フィ ルムを用いてロールトウロールで貼合することが生産上好ましい。これによつて、黒 表示のときの光漏れが著しく改善され、 15型以上、好ましくは 19型以上の大画面の 液晶表示装置であっても、画面周辺部での白抜けなどもなぐその効果が湿度変動 が大きい環境下であっても、安定した視野角特性が長期間維持され、特に、 MVA( マルチドメインバーティカルァライメント)型液晶表示装置では顕著な効果が認められ る。また、 TN, VA, OCB, HAN等の各種駆動方式を採用した液晶表示装置の視 野角特性を最適化することが出来る。

実施例

[0169] 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され るものではない。

[0170] 実施例 1

最初に Ro、 Rt、 Sの測定方法を下記に示す。

[0171] アッベ屈折率計 (4T)を用いてフィルム構成材料の平均屈折率を測定した。また、 市販のマイクロメーターを用いてフィルムの厚さを測定した。

[0172] 自動複屈折計 KOBRA—21ADH (王子計測機器 (株)製)を用いて、 23°C、 55% RHの環境下 24時間放置したフィルムにおいて、同環境下、波長が 590nmにおい てフィルムのリタ一デーシヨン測定を行った。上述の平均屈折率と膜厚を下記式に入 力し、面内リタ一デーシヨン(Ro)、厚み方向のリタ一デーシヨン(Rt)、 Sの値を求め た。遅相軸の方向も同時に測定した。

[0173] 式(i) Ro= (nx-ny) X d

式(ii) Rt = S X d

式 (iii) S = ( (nx + ny) / 2— nz)

(ただし、 nxはフィルム面内の最大屈折率、 nyは nxと直交方向の屈折率、 nzはフィ ルム厚み方向の屈折率、 dはフィルムの厚さ(nm)を表す。)


〈微粒子分散液〉

微粒子(ァエロジル R972V (日本ァエロジル株式会社製) ) 11質量部 エタノーノレ 89質量部

以上をディゾルバーで 50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。

[0174] 〈微粒子添加液〉

メチレンクロライドを入れた溶解タンクに下記セルロースエステルを添加し、加熱し て完全に溶解させた後、これを安積濾紙 (株)製の安積濾紙 No. 244を使用して濾 過した。濾過後のセルロースエステル溶液を充分に攪拌しながら、ここに微粒子分散 液をゆっくりと添加した。更に、アトライターにて分散を行った。これを日本精線 (株) 製のファインメット NFで濾過し、微粒子添加液を調製した。

[0175] メチレンクロライド 99質量部

セルロースエステノレ(セルロースアセテートプロピオネート;ァセチル基置換度 1 · 5 、プロピオニル基置換度 0. 7) 4質量部

微粒子分散液 11質量部

下記組成の主ドープ液を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとェタノ ールを添カ卩した。溶剤の入つた加圧溶解タンクにセノレ口ースエステルを攪拌しながら 投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、更に可塑剤及び紫外線吸収 剤を添加、溶解させた。これを安積濾紙 (株)製の安積濾紙 No. 244を使用して濾過 し、主ドープ液を調製した。

[0176] 主ドープ液 100質量部と微粒子添加液 2質量部となるように加えて、インラインミキ サー(東レ静止型管内混合機 Hi -Mixer, SWJ)で十分に混合し、次いでベルト流 延装置を用い、幅 2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド 支持体上で、残留溶媒量が 110%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持 体から剥離した。剥離の際に張力をかけて縦 (MD)延伸倍率が 1. 0倍となるように

延伸し、次いで、テンターでウェブ両端部を把持し、延伸開始時の残留溶剤量 20質 量%、温度 130°Cにて幅手 (TD)方向の延伸倍率が 1. 3倍となるように延伸した。延 伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を 解放し、更に 125°Cに設定された第 3乾燥ゾーンで 30分間搬送させて乾燥を行い、 幅 1. 5m、かつ端部に幅 lcm、高さ 8 μ mのナーリングを有するセルロースエステル フィルム 101を作製した。

[0177] 〈主ドープ液の組成〉

メチレンクロライド 300質量部

エタノール 52質量部

セルロースエステノレ(セルロースアセテートプロピオネート;ァセチル基置換度 1. 5 、プロピオニル基置換度 0. 7) 100質量部

可塑剤 A (ペンタエリスリトールテトラべンゾエート(多価アルコールエステル))

5質量部

可塑剤 B (サンプノレ No. 3 (芳香族末端エステル) ) 5質量部 紫外線吸収剤(チヌビン 109 (チバ 'スペシャルティ'ケミカルズ (株)))

1. 3質量部

紫外線吸収剤(チヌビン 171 (チバ ·スペシャルティ ·ケミカルズ (株)))

0. 6質量部

《セルロースエステルフィルム 102〜 122の作製》

表 1記載のセルロースエステル、可塑剤、膜厚、延伸条件に変更した以外はセル口 ースエステルフィルム 101と同様にして、セル口ースエステルフィルム 102〜 122を作 製した。

[0178] なお、表 1に略称で記載の可塑剤の詳細は、以下の通りである。

[0179] a:ペンタエリスリトールテトラべンゾエート

b:トリフエ二ノレホスフェート

作製したセル口ースエステルフィルム 101〜 122を用レ、て以下の評価を実施した。

[0180] 《評価》

(湿度変化に対するリタ一デーシヨン値変動)

作製したセルロースエステルフィルムのリタ一デーシヨン値を各々求め、その値より

Rt (a)変動を求めた。

[0181] Rt (a)変動は、 Rt (b)は 23°C、 20%RHにて 5時間調湿した後、同環境で測定した Rt値を測定しこれを Rt(b)とし、 Rt(c)は同じフィルムを続けて 23。C、 80%RHにて 5 時間調湿した後、同環境で測定した Rt値を求めこれを Rt(c)とし、下記の式より Rt (a )を求めた。

[0182] Rt(a)= I Rt(b)-Rt(c) |

更に調湿後の試料を再度 23°C55%RHの環境にて測定を行レ、、この変動が可逆 変動であることを確認した。

[0183] [表 1]


表 1より、本発明のセルロースエステルフィルムは十分な位相差を有し、かつ湿度変 化に対するリタデーシヨン値変動が比較例に対し小さぐ位相差フィルムとして優れ た特性を有することが分かる。セルロースエステルフィルム 112に関しては、フィルム 面状が悪ぐ評価できなかった。

[0185] 実施例 2

下記の加熱処理を実施した以外は実施例 1のセル口ースエステルフィルム 102と同 様にして、セルロースエステルフィルム 201を作製した。

[0186] 〈加熱処理〉

テンターでの延伸の後、ウェブを上下に複数配置したロールによる搬送乾燥工程 で 105°Cの乾燥風にて乾燥させ、残留溶媒量 0. 3質量%まで乾燥させてフィルムを 得た後、さらに得られたフィルムを 110°C及び雰囲気置換率 25回/時間とした雰囲 気内で 20分間熱処理する際に多段に設けたニップロールでフィルムの厚み方向に 1

OkPaの圧力で加圧処理を加えた後、室温まで冷却して卷き取り、セルロースエステ ノレフイノレム 201を作製した。

[0187] 加熱処理温度、雰囲気置換率、加圧処理の有無などを表 2に記載した条件となる ように変更し、自由体積半径を制御した以外は同様にして、セルロースエステルフィ ノレム 202、 203を作製した。

[0188] 上記加熱熱処理工程の雰囲気置換率は、熱処理室の雰囲気容量を V(m3)、 Fres h— air送風量を FA(m3/hr)とした場合、下式によって求められる単位時間あたり雰 囲気を Fresh— airで置換される回数である。

[0189] 雰囲気置換率 = FA/V (回/時間)

〈陽電子消滅寿命法により求められる自由体積半径の測定〉

各セルロースエステルフィルムの自由体積半径を前記陽電子消滅寿命法により測 定した。

[0190] 《評価》

作製したセルロースエステルフィルム 201〜203について、実施例 1の(湿度変化 に対するリタ一デーシヨン値変動)及び下記の評価を実施した。

[0191] (高温高湿処理前後のリタ一デーシヨン値変化)

作製したセルロースエステルフィルムのリタ一デーシヨン値を各々求め、その値より Rt (ar )変動を求めた。

[0192] Rt (ar )変動は、 Rt O )は 23°C、 55%RHにて 5時間調湿した後、同環境で測 定した Rt値を測定しこれを Rt ( )とし、 Rt ( )は同じフィルムを 80°C90%RHの 環境下で 50時間処理したものを 23°C、 55%RHにて 5時間調湿した後、同環境で測 定した Rt値を求めこれを)とし、下記の式より Rt (a' )を求めた。

[0193] Rt (a7 ) = I Rt (b7 )— Rt ( ) |

以上の評価結果を下記表に示す。

[0194] [表 2]


[0195] 本発明のセルロースエステルフィルムは、上記加熱、加圧処理により自由体積半径 を本発明の好ましい範囲(0. 250-0. 310nm)に調整することによって、更に湿度 変動に対するリタデーシヨン値の変化が少なく優れていることが分かる。

[0196] 実施例 3

《偏光板の作製》

上記作製したセルロースエステルフィルムの原反試料を使って、下記に記載するァ ルカリケン化処理、偏光板の作製を行った。

[0197] 〈アルカリケン化処理〉

ケン化工程 2M_NaOH 50°C 90秒

水洗工程 水 30°C 45秒

中和工程 10質量%^¾ 1 30°C 45秒

水洗工程 水 30°C 45秒

ケン化処理後、水洗、中和、水洗の順に行レ、、次いで 80°Cで乾燥を行った。

[0198] 〈偏光子の作製〉

(偏光子 A:ポリビュルアルコール)

厚さ、 120 /i mのポリビニノレアルコーノレフィルムを、一軸延伸(温度 110°C、延伸倍 率 5倍)した。これをヨウ素 0· 075g、ヨウィ匕カリウム 5g、水 lOOgからなる水溶液に 60 秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム 6g、ホウ酸 7· 5g、水 lOOgからなる 68°Cの水溶液 に浸漬した。これを水洗、乾燥し膜厚 24 μ ΐηの偏光子を得た。

[0199] (偏光子 Β:エチレン変性ポリビュルアルコール偏光子)

エチレン単位の含有量 2. 1モル0 /0、けんィ匕度 99. 92モノレ0 /0、重合度 3000のェチ レン変性ポリビュルアルコール 100質量部に、グリセリン 10質量部、水 200質量部を 含浸させ、これを溶融混練し、脱泡した後、 Τダイから金属ロールに溶融押出し、乾 燥させて膜厚 40 μ mのエチレン変性ポリビュルアルコールフィルムを得た。

[0200] このようにして得られたエチレン変性ポリビュルアルコールフィルムを予備膨潤、染 色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順番で連続的に処理して偏光子を作製し た。すなわち、前記エチレン変性ポリビュルアルコールフィルムを 30°Cの水中に 60 秒間浸して予備膨潤し、ホウ酸濃度 40g/リットル、ヨウ素濃度 0. 4g/リットル、ヨウ 化カリウム濃度 60g/リットルの 35°Cの水溶液中に 2分間浸した。続いて、ホウ酸濃 度 4%の 55°Cの水溶液中で 6倍に一軸延伸を行レ、、ヨウ化カリウム濃度 60g/リット ノレ、ホウ酸濃度 40g/リットル、塩化亜鉛濃度 10g/リットルの 30°Cの水溶液中に 5 分間浸漬して固定処理を行った。この後、エチレン変性ポリビニルアルコールフィノレ ムを取り出し、定長下、 40°Cで熱風乾燥し、さらに 100°Cで 5分間熱処理を行った。

[0201] 得られた偏光子は膜厚が 15 /i m、透過率は 43%、偏光度は 99. 9%であった。

[0202] 上記偏光子 Aの片面にアルカリケン化処理したセルロースエステルフィルム 122を 、反対佃 Jに ίま前記セノレロースエステノレフイノレム 102〜: 104、 107〜108、 114、 117、 118、 122、 201〜203を完全ゲンィ匕型ポリビニノレレーノレ 5%7 溶夜を接着斉 IJと して、各貝占り合わせ、乾燥して偏光板 P102〜P104、 P107〜P108、 P114、 Pl l 7、 P118、 P122、 P201〜P203を作製した。

[0203] また同様にしてエチレン変性ポリビュルアルコールからなる偏光子 Bを用いた以外 fま同様 (こして偏光板 P302〜P304、 P307〜P308、 P314、 P317、 P318、 P322、 P401〜P403を作製した。

[0204] さらに偏光子 Aを用レ、、前記セルロースエステルフィルム 102〜104、 107〜108、 114、 117、 118、 201〜203を 80。C90%RHの環境下で 50時間処理したものを用

レヽた以外 ίま同様にして偏光板 P502〜P504、 P507、 P508、 P514、 P517、 P518 、 P601〜P603を作製した。

[0205] さらに偏光子 Bを用レ、、前記セルロースエステルフィルム 102〜104、 107〜108、 114、 117、 118、 201〜203を 80。C90%RHの環境下で 50時間処理したものを用 レヽた以外 ίま同様 ίこして偏光板 P702〜P704、 P707〜P708、 P714、 P717、 P718 、 P801〜P803を作製した。

[0206] 《液晶表示装置の作製》

富士通製 15型ディスプレイ VL—150SDの予め貼合されていた両面の偏光板を剥 力 Sして、上上記作製した偏光板 P102〜P104、 P107〜P108、 PI 14、 PI 17、 Pl l 8、 P122、 P201〜P203、 P302〜P304、 P307〜P308、 P314、 P317、 P318、 P322、 P401〜P403、 P502〜P504、 P507〜P508、 P514、 P517、 P518、 P6 01〜P603、 P702〜P704、 P707〜P708、 P714、 P717、 P718、 P801〜P803 をそれぞれ液晶セル (VA型)のガラス面に貼合し、その際その偏光板の貼合の向き は本発明の位相差フィルムが貼合されている面が液晶セル側となるように、かつ予め 貼合されていた偏光板と同一方向に吸収軸が向くように行い、下記表記載の組み合 わせで液晶表示装置 102〜: 104、 107、 108、 114、 117、 118、 201〜203、 302 〜304、 307、 308、 314、 317、 318、 401〜403、 502〜504、 507、 508、 514、 517、 518、 601〜603、 702〜704、 707、 708、 714、 717、 718、 801〜803を 各々作製した。

[0207] 〈視野角変動〉

23°C55%RHの環境で ELDIM社製 EZ— Contrastl60Dを用いて作製した液晶 表示装置 102〜104、 107、 108、 114、 117、 118、 201〜203、 302〜304、 307 、 308、 314、 317、 318、 401〜403の視野角測定を行った。続レヽて 23。C20%RH 、さらに 23°C80%RHの環境下で、視野角を測定し下記基準にて評価した。最後に 23°C 55 %RHの環境でもう一度視野角測定を行レ、、前記測定の際の変化が可逆変 動であることを確認した。尚、これらの測定は、液晶表示装置を当該環境に 5時間置 いてから測定を行った。

[0208] さらに 23°C55%RHの環境で ELDIM社製 EZ_Contrastl60Dを用いて作製し

た液晶表示装置 502〜504、 507、 508、 514、 517、 518、 601—603, 702〜70 4、 707、 708、 714、 717、 801〜803の視野角測定を行レヽ、 ί夜晶表示装置 102〜 104、 107、 108、 114、 117、 201〜203、 302〜304、 307、 308、 314、 317、 31 8、 401〜403の視野角測定結果と比較した。

[0209] ◎: 視野角変動がない

〇:視野角変動がわずかに認められる

Δ : 視野角変動が認められる

X:視野角変動が非常に大きい

以上の評価結果を、表 3、表 4に示す

[0210] [表 3]


氺 1 : 80° (:、 90 RHの環境下で 50時間の処理


が明らかである。特に、エチレン変性ポリビュルアルコール偏光子を用いた液晶表示 装置の方が安定性に優れていた。なお、セルロースエステルフィルム 117、 118を使 用した ί夜晶表示装置 117、 118、 317、 318、 517、 518、 717、 718は、 A Rtは/ J、さ いが、位相差値が液晶表示装置と合っていないために、視野角変動が大きかった。