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1. WO2007004674 - SHIELDED ELECTRICALLY CONDUCTIVE BODY

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明 細書

シールド導電体

技術分野

[0001] 本発明は、シールド導電体 (シールドされた導電体)に関するものである。

背景技術

[0002] 特許文献 1には、電線保護機能を有する金属製のシールドパイプと、金属素線を 筒状に編んだ編組線力なる可撓性シールド部材とが接続されており、複数本のノン シールド電線が前記シールドパイプと前記可撓性シールド部材に揷通されて一括し てシールドされて!/、るシールド導電体が記載されて、る。

[0003] このようなシールド導電体は、例えば、電気自動車の動力回路として用いられてお り、電気自動車の車体の床下に沿った配索経路では強度の高、シールドパイプがシ 一ルド手段として用いられており、スペースに余裕がなくて屈曲した配索経路 (例え ば車内の配索経路)では可撓性シールド部材がシールド手段として用いられて、る。 特許文献 1 :特開 2004— 171952号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 自動車に搭載されるシールド導電体では、走行性能向上等のために軽量ィ匕が優 先されるので、シールドパイプの材料としてはアルミニウムが好適に用いられる。一方 、可撓性シールド部材の材料については、配索長さが比較的短いために重量軽減 の必要性が少ないことと、変形のし易さが優先されることを考慮して、銅が好適に用 いられる。

[0005] ところが、アルミニウムと銅は、標準電極電位が異なるため、アルミニウム製のシー ルドパイプと銅製の可撓性シールド部材との接続部分に水分や電解質溶液等が介 在すると、両者の間に電位差が生じ、標準電極電位の低いアルミニウム製のシールド パイプに電食が発生するという問題がある。

[0006] 本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シールドパイプと 可撓性シールド部材との接続部分における電食を抑制することを目的とする。

課題を解決するための手段

上記した課題を解決するための手段は、以下の発明である。

(1)金属製のシールドパイプと、

前記シールドパイプの端部に接続された金属製の可撓性シールド部材と、 前記シールドパイプと前記可撓性シールド部材に揷通されることでシールドされる 電線と、を備えるシールド導電体であって、

前記シールドパイプと前記可撓性シールド部材は、互、の標準電極電位の差が 1.

50V以内の金属によりそれぞれ形成されている、シールド導電体。

(2)上記(1)に記載のシールド導電体であって、

前記シールドパイプは、ステンレス製、銅製、または銅合金製である、シールド導電 体。

(3)上記(1)に記載のシールド導電体であって、

前記シールドパイプはステンレス製であり、

前記可撓性シールド部材は、ステンレス製、銅製、または銅合金製である、シール ド導電体。

(4)上記(1)に記載のシールド導電体であって、

前記シールドパイプはステンレス製であり、

前記可撓性シールド部材の表面には、標準電極電位が銅よりも低く且つ鉄よりも高 V、材質のメツキ層が形成されて!、る、シールド導電体。

(5)上記 (4)に記載のシールド導電体であって、

前記可撓性シールド部材の表面には、錫のメツキ層が形成されている、シールド導 電体。

(6)上記(1)から (5)のうち、ずれかに記載のシールド導電体であって、

電気自動車の動力回路として用いられる、シールド導電体。

(7)上記(6)に記載のシールド導電体であって、

前記シールドパイプは、電気自動車の車体の底部に沿って配設されている、シー ルド導電体。

発明の効果

[0008] 本発明のシールド導電体によれば、シールドパイプと可撓性シールド部材は、互!ヽ の標準電極電位差が 1. 50V以内の金属によりそれぞれ形成されている。このため、 シールドパイプと可撓性シールド部材との接触部分にぉ、て電食が進行しにく!/、。こ こで、標準電極電位差が 1. 50V以内としたのは、標準電極電位差がこの範囲内に ある同種あるいは異種の金属間では、電食が進行しにくいからである。

[0009] 本発明のシールド導電体によれば、シールドパイプがステンレス製、銅製、または 銅合金製である。したがって、シールドパイプがアルミニウム製である従来のシールド 導電体と比較すると、シールドパイプと可撓性シールド部材との接触部分にぉ、て電 食が進行しにくい。

[0010] 本発明のシールド導電体によれば、シールドパイプはステンレス製であり、可撓性 シールド部材は、ステンレス製、銅製、または銅合金製である。したがって、標準電極 電位の差を 1. 50V以内あるいはゼロとすることが可能であり、シールドパイプと可撓 性シールド部材との接触部分にぉヽて電食が進行しにく!/、。

[0011] なお、銅の標準電極電位は + 0. 34Vであり、ステンレスに含まれる鉄の標準電極 電位は—0. 44Vであり、銅と鉄の標準電極電位差は 0. 78Vである。一方、アルミ- ゥムの標準電極電位は 1. 66Vであり、銅とアルミニウムの標準電極電位の差は 2. OOVである。したがって、シールドパイプの材質を従来のアルミニウム力ステンレス に変更することによって、標準電極電位の差を約 1. 22V小さくすることができるもの と予想される。

[0012] 本発明のシールド導電体によれば、シールドパイプを銅製又は銅合金製とした場 合には、シールドパイプと可撓性シールド部材との間の標準電極電位の差をゼロに することも可能であり、電食の発生を防止することができる。

[0013] 本発明のシールド導電体によれば、メツキ層と鉄との標準電極電位の差は、銅と鉄 との標準電極電位の差よりも小さくなるので、シールドパイプと可撓性シールド部材と の接触部分における電食の進行をより確実に防止することが可能である。

[0014] 本発明のシールド導電体によれば、信頼性に優れた電気自動車の動力回路を実 現することが可能である。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1]シールド導電体の縦断面図

[図 2]シールド導電体の横断面図

[図 3]シールド導電体の部分拡大縦断面図

符号の説明

[0016] A…シールド導電体

10…シールドパイプ

20…可撓性シールド部材

22· ··メツキ層

30…電線

発明を実施するための最良の形態

[0017] 以下、本発明の実施形態を、図 1〜図 3を参照しながら説明する。

本実施形態のシールド導電体 Aは、一括シールド機能と電線保護機能を兼ね備え るシールドパイプ 10と、一括シールド機能を有する可撓性シールド部材 20と、複数 本 (本実施形態では 3本)のノンシールドタイプの電線 30とを備えて構成されて、る。

[0018] シールドパイプ 10は、金属製であり、その断面形状は略円形をなしている。可撓性 シールド部材 20は、銅又は銅合金製の素線 21を網目状に編んだ筒状の編組線か らなり、自在に曲げ変形することができる。素線 21の表面には錫のメツキ層 22が形成 されている。可撓性シールド部材 20の後端部(図 1における右側の端部)は、シール ドバイプ 10の前端部の外周に被せられた状態である。可撓性シールド部材 20の後 端部は、銅合金製又はステンレス製のカシメリング 40によりシールドパイプ 10に対し て導通可能に固着されて、る。

[0019] 電線 30は、アルミニウム合金製の単芯線や銅製の撚り線等力もなる導電線 31の外 周を合成樹脂製の絶縁被覆 32で包囲した周知の形態のものであり、導電線 31と絶 縁被覆 32はいずれも可撓性を有しているので、電線 30は曲げ変形することができる 。複数本の電線 30はシールドパイプ 10内及び可撓性シールド部材 20内に揷通され 、このシールドパイプ 10と可撓性シールド部材 20によって一括してシールドされて!/ヽ る。

[0020] さて、上記のように可撓性シールド部材 20の素線 21とシールドパイプ 10は異なる 金属からなるため、双方の金属の標準電極電位の相違により、シールドパイプ 10と 可撓性シールド部材 20との接触部分に水分等の電解質溶液が介在すると、両者の 間に電位差が生じ、標準電極電位の低い方の金属に電食が発生する。この電食の 進行は、接触する両金属の標準電極電位の差が小さいほど遅くなる。この点に着目 して、本実施形態では、シールドパイプ 10の材料として、ステンレスを使用している。

[0021] 可撓性シールド部材 20の素線 21の表面に形成されて!、るメツキ層 22を構成して いる錫の標準電極電位は「— 0. 14V」であり、シールドパイプ 10の材料であるステン レスに含まれる鉄の標準電極電位は「— 0. 44V」であるから、可撓性シールド部材 2 0とシールドパイプ 10との接触部分における電位差は「0. 30V」と小さく抑えられて いる。これに対し、シールドパイプ 10を、標準電極電位が「—1. 66V」であるアルミ- ゥム製とした場合には、可撓性シールド部材 20とシールドパイプ 10との接触部分に おける電位差は「1. 52V」と大きくなる。したがって、本実施形態では、シールドパイ プ 10をアルミニウム製としたものと比較すると、可撓性シールド部材 20のメツキ層 22 とシールドパイプ 10との接触部分における電食の進行が遅い。

[0022] また、素線 21の表面にメツキ層 22が形成されていないために銅又は銅合金製の素 線 21がシールドパイプ 10の表面に直接接触する場合にも、メツキ層 22が形成されて いる場合と同様に、電食の進行が抑えられる。なぜなら、アルミニウム製のシールドパ イブ 10と銅又は銅合金製の可撓性シールド部材 20との標準電極電位の差(2. 00V )に比べると、ステンレス製のシールドパイプ 10と銅又は銅合金製の可撓性シールド 部材 20との標準電極電位の差は約 0. 78Vと小さ!/、からである。

[0023] 本実施形態によれば、シールドパイプ 10をステンレス製としたので、シールドパイプ 10をアルミニウム製としたものに比べると、可撓性シールド部材 20とシールドパイプ 1 0との接触部分における電位差力 S小さくなつて電食の進行が抑えられる。

具体的には、 JISで規定されて、る自動車部品の耐湿及び耐水試験方法、塩水噴 霧試験方法等を行っても、自動車用ワイヤーハーネスで一般的に実施されているテ 一プ卷き等の簡便な防水処理を施すことによって、接触部分の電気的特性を満足す ることがでさる。

[0024] また、可撓性シールド部材 20の素線 21の表面には、標準電極電位が素線 21の銅 よりも低く且つステンレスに含まれる鉄よりも高い材質である錫のメツキ層 22が形成さ れているので、メツキ層 22と鉄との電位差は、銅と鉄との電位差よりも小さくなる。した がって、メツキ層 22が形成されていない場合に比べると、電食の進行がより確実に抑 えられる。

[0025] シールドパイプ 10と可撓性シールド部材 20は、互いの標準電極電位の差が 1. 50 V以内の金属によりそれぞれ形成されている。これにより、シールドパイプ 10と可撓 性シールド部材 20との接触部分における電食の進行を抑制することが可能である。

[0026] 例えば、シールドパイプ 10をステンレス製、銅製、または銅合金製とし、可撓性シー ルド部材 20をステンレス製、銅製、または銅合金製とすることができる。これにより、シ 一ルドパイプ 10を形成して、る金属と、可撓性シールド部材 20を形成して、る金属 との標準電極電位の差を 1. 50V以下とすることができる。

[0027] 例えば、シールドパイプ 10をステンレス製とし、可撓性シールド部材 20をステンレス 製、銅製、または銅合金製とすることができる。これにより、シールドパイプ 10を形成 して、る金属と、可撓性シールド部材 20を形成して、る金属との標準電極電位の差 を 1. 50V以下とすることができる。

[0028] また、シールドパイプ 10と可撓性シールド部材 20を同種の金属により形成すること によって、標準電極電位の差をゼロにすることも可能である。例えば、シールドパイプ 10を銅または銅合金製とし、可撓性シールド部材 20を銅又は銅合金製とすること〖こ よって、標準電極電位の差をゼロにすることも可能である。この場合、シールドパイプ 10と可撓性シールド部材 20との接触部分における電食の進行をより確実に防止す ることが可能である。

[0029] 本実施形態のシールド導電体 Aは、例えば電気自動車の動力回路として用いるこ とができる。例えば、車体の底部に沿った配索経路では強度の高いシールドパイプ 1 0をシールド手段として使用し、スペースに余裕がなくて屈曲した配索経路 (例えば車 内の配索経路)では可撓性シールド部材 20をシールド手段として使用することができ る。このため、シールドパイプ 10は、電気自動車の車体の底部に沿って配設するの が好ましい。

[0030] <他の実施形態 >

本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく 、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも 要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。

(1)上記実施形態では、シールドパイプと可撓性シールド部材とを接続した状態に 保持する手段として、シールドパイプ及び可撓性シールド部材とは別体のカシメリン グを用いたが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、シールド パイプの一部を外周側へ折り返すように屈曲させて、その屈曲させた部分に可撓性 シールド部材を挟むようにしてもよい。これにより、可撓性シールド部材をシールドパ イブに対して固着することが可能である。

(2)上記実施形態では、可撓性シールド部材をシールドパイプの外周面に接触さ せる例を示した力本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、可 橈性シールド部材をシールドパイプの内周面に接触させるようにしてこれら両部材を 接続してちょい。

(3)上記実施形態では、シールドパイプの断面形状が略円形である例を示したが、 本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、シールドパイプの断面 形状は非円形 (楕円形、長円形等)でもよい。

(4)上記実施形態では、可撓性シールド部材を編組線としたが、本発明はこのよう な態様に限定されるものではない。例えば、可撓性シールド部材は、銅又は銅合金 製のシート材等であってもよ、。

(5)上記実施形態では、 1本のシールドパイプに 3本の電線を挿通させる例を示し た力本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、 1本のシールドパ イブに 2本以下あるいは 4本以上の電線を揷通させてもよ、。

(6)上記実施形態では、可撓性シールド部材の表面にメツキ層を形成した例を示し たが、メツキ層を形成しな、場合であっても本発明に含まれる。

(7)上記実施形態では、可撓性シールド部材の表面に形成するメツキ層の材質を 錫としたが、標準電極電位が銅よりも低く且つ鉄よりも高い材質であれば、錫以外の 金属であってもよい。

産業上の利用可能性

本発明は、例えば電気自動車の動力回路等に用いられるシールド導電体に関する ものであり、産業上の利用可能性を有する。