PATENTSCOPE will be unavailable a few hours for maintenance reason on Tuesday 19.11.2019 at 4:00 PM CET
Search International and National Patent Collections
Some content of this application is unavailable at the moment.
If this situation persists, please contact us atFeedback&Contact
1. (WO2007004644) TEMPERATURE MEASURING DEVICE, THERMAL TREATMENT DEVICE USING THE SAME, TEMPERATURE MEASURING METHOD
Note: Text based on automatic Optical Character Recognition processes. Please use the PDF version for legal matters
明 細書

温度測定装置及びこれを利用した熱処理装置、温度測定方法

技術分野

[0001] レーザを用いて温度を測定する温度測定装置及びこれを利用した熱処理装置、温 度測定方法に係り、特に半導体基板等の基板の熱処理のように基板内に高い温度 勾配を生ぜしめ短時間で熱処理が行われる場合の温度測定に好適に使用される温 度測定装置及びこれを利用した熱処理装置、温度測定方法に関する。

背景技術

[0002] 半導体基板等の基板の熱処理にお!、ては高!、精度でかつ効率的に熱処理を行う ために、非接触で基板の温度を測定する方法が求められている。非接触型の温度測 定装置として、従来より放射温度計が用いられているが、放射温度計は、基板の表 面状態によって放射率が変化し基板の正確な温度を測定することが困難なことから、 レーザによる基板の温度を測定する方法が提案されている。

[0003] 例えば、特許文献 1には、半導体レーザ力レーザ光を被測温体に照射するととも に参照用部材にも照射し、被測温体からの反射光と参照用部材からの反射光との合 成光を検出し、この合成光のスペクトルにおいて、被測温体の温度に対応して特異 的に強度変化を生じた光成分の周波数を求め、その周波数力前記被測温体の温 度を把握する方法が提案されて、る。

[0004] また、特許文献 2には、ワークの表面温度を測定する表面温度測定装置にお!/、て、 レーザ光を前記ワークの測定点に照射するレーザ光照射部と、このレーザ光照射部 力 照射されたレーザ光を分離して前記ワークの測定点及びこの測定点力所定距 離だけ隔てた位置の参照点に平行に照射するレーザ光分離部と、前記測定点にパ ルスレーザ光を照射し、前記測定点を間欠的に加熱するパルスレーザ光照射部と、 前記測定点及び参照点から反射した反射光を集めて干渉を検出する干渉計と、この 干渉計で得られた前記測定点の超音波振動の周波数に基づいて前記測定点の温 度を算出する演算部と、を備えている表面温度測定装置により温度を測定する方法 が提案されている。

[0005] 特許文献 1:特開 2000-162048号公報

特許文献 2:特開平 11-190670号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] しかし、これらの温度測定方法は、基板を炉内で加熱し基板全体の温度を一定に 保って熱処理を行う場合の基板の温度の測定方法であるから、高パワー密度の加熱 源により基板の表面から急速加熱を行って熱処理を行うような基板内に高い温度勾 配を生ぜしめ短時間で熱処理が行われる場合の温度測定には適して!/、な、。また、 特許文献 1による方法は、格子振動によるレーザ光の変調を利用しているので、基板 がガラスのような非晶質なものである場合は適用が困難である。さらに、微小なノイズ のスペクトル解析が必要であるから時間分解能が低ぐ急速な温度変化をする基板 の温度測定は困難であるという問題がある。このため、このような基板の熱処理のよう にミリ秒単位で急速に温度変化する基板表面や内部の温度を正確に測定することが できる温度測定装置又は方法が求められている。

[0007] 本発明は、このような要請に鑑み、高パワー密度の加熱源により基板の表面力急 速加熱を行って基板の熱処理を行うときの基板内の所定位置の所定時間における 温度を容易にかつ効率的に測定することができる温度測定装置及び温度測定方法 を提供することを目的とする。また、そのような温度測定装置を利用して正確な温度 制御のもとで熱処理を行うことができる熱処理装置を提供することを目的とする。 課題を解決するための手段

[0008] 本発明者は、干渉性の強いレーザ光により膜厚を測定しつつ成膜する際に膜厚制 御が不安定になる問題は、成膜中に成膜基板が加熱されるに伴い受光されるレーザ 光の光量が周期的に変動することに起因しているということに着目した。そして、ブラ ズマジェットにより基板の熱処理を行っている際に、基板にレーザ光を照射しつつ反 射レーザ光の強度を測定すると、そのとき得られたレーザ光の反射率の時間変化状 態は、基板の表面が急速加熱されて基板内に生じた温度分布に基づく屈折率の変 化状態に対応しているという知見を得たことから本発明を完成した。

[0009] 本発明に係る温度測定方法は、温度と屈折率が一義的な相関関係を有する被カロ 熱体にレーザ光を照射し、被加熱体内部において多重反射されるレーザ光の干渉 の結果生じる反射光又は透過光の光強度と時間との関係を示す光強度特性 Xを測 定する光強度測定部と、前記被加熱体と同等の形状、熱的及び光学的特性を有す る仮想被加熱体に前記被加熱体が加熱された条件と同等の熱負荷を与え、前記レ 一ザ光と同等の特性を有するレーザ光を照射したとき該仮想被加熱体力得られる 光強度特性が前記光強度特性 Xに最も一致する光強度特性 zを有する仮想被加熱 体を再現被加熱体として求める再現被加熱体取得のための演算部と、前記再現被 加熱体に基づ、て前記被加熱体の所定部位の所定時間における温度を求める温度 出力部と、を有する。

[0010] 上記発明において、演算部は、所定の入力データを入力するデータ入力部と、該 入力データに基づき仮想被加熱体の温度分布特性を求める熱伝導解析部と、求め られた温度分布特性を対応する屈折率分布特性に変換する変換部と、変換された 屈折率分布特性を有する仮想被加熱体の所定の光学特性 Yを求める光学解析部と 、前記光強度特性 Xから所定の光学特性 Xを抽出し、該光学特性 Xと Yとの差異を判 別し、その差異が最小になるまで補正された初期値をデータ入力部に再入力して前 記光学特性 Xに最も一致する光学特性 Zを求める判定部と、そのような光学特性 Zに 対応する光強度特性 z及び温度分布特性を有する仮想被加熱体を再現被加熱体と して出力する再現被加熱体出力部と、を有するものとすることができる。

[0011] また、上記発明において、光学特性は、被加熱体及び仮想被加熱体について得ら れる光強度特性に関する波形の振動数、位相、山の頂点と谷の最下点に関する特 性、または、仮想被加熱体について得られる光学厚み特性であるものとすることがで きる。

[0012] 判定部は、パターン ·マッチング法、特徴点法又は周波数解析法により光強度特性 Xと光強度特性 Yとの差異を判別するパターン認識部を有するものとすることができ、 また、光学厚み特性 Xと光学厚み特性 Yとの差異を平均二乗誤差法により判別する 平均二乗誤差計算部を有するものとすることができる。

[0013] 光強度測定部は、レーザ光源、光路分岐素子、レーザ集光レンズ及び光強度測定 機を有するものとすることができ、そのレーザ集光レンズは、その焦点距離被加熱 体の厚み dに対し f>2dなる関係を有するものであるのがよい。

[0014] 上記発明は、 1 μ s〜10sで室温〜 3000Κの範囲で変化する被加熱体の温度を求め る温度測定装置に好適に用いることができ、

[0015] 上記発明に係る温度測定装置をプラズマジェット発生装置に付設することによって

、半導体基板の熱処理等を高品質に行うことができる。そして、その熱処理装置には

、温度測定装置力の信号によりプラズマジェット発生装置の出力を制御する制御装 置を設けるのがよい。

[0016] 本発明に係る温度測定方法は、温度と屈折率が一義的な相関関係を有する被カロ 熱体にレーザ光を照射し、被加熱体内部において多重反射されるレーザ光の干渉 の結果生じる反射光又は透過光の光強度と時間との関係を示す光強度特性 Xを求 める段階と、まず、前記被加熱体と同等の形状、熱的、光学的特性を有する仮想被 加熱体に前記被加熱体が加熱された条件と同等の熱負荷を与えたときの温度分布 特性を求め、該温度分布特性に対応する屈折率分布特性を求めるともに、そのよう な屈折率分布特性を有する仮想被加熱体に、前記レーザ光と同等の特性を有する レーザ光を照射したとき得られる光強度特性 Yを求めて該光強度特性 Yと前記光強 度特性 Xとの差異を判別し、つぎに、前記仮想被加熱体に与える熱負荷条件のうち の所定の条件を補正して補正された光強度特性を求め、光強度特性 Xと最も差異の 小さい補正された光強度特性 Z及びそのような光強度特性 Zに対応する温度分布特 性を有する仮想被加熱体を再現被加熱体として求める段階と、前記再現被加熱体の 温度分布特性に基づき前記被加熱体の所定部位の所定時間における温度を求める 段階と、を有する。

[0017] 上記温度測定方法の発明において、熱負荷条件のうちの所定の条件は、パワー伝 達効率又は Z及び仮想被加熱体が投入されるパワーを有効に受ける領域の大きさと するのがよい。

[0018] また、本発明に係る温度測定プログラムは、温度と屈折率が一義的な相関関係を 有する被加熱体にレーザ光が照射されたとき、被加熱体内部において多重反射され るレーザ光の干渉の結果生じる反射光又は透過光の光強度と時間との関係を示す 光強度特性 Xを求めるプログラムと、前記被加熱体と同等の形状、熱的、光学的特性 を有する仮想被加熱体に前記被加熱体が加熱された条件と同等の熱負荷を与えた ときの温度分布特性を求める熱伝導解析プログラムと、前記温度分布特性に対応す る屈折率分布特性を求めるプログラムと、前記屈折率分布特性を有する仮想被加熱 体に、前記レーザ光と同等の特性を有するレーザ光を照射したとき得られる光強度 特性 Yを求める光学解析プログラムと、前記光強度特性 Xと前記光強度特性 Yとの差 異を判別し、その差異が最小になるまで熱負荷条件のうちの所定の条件を補正しつ っ該光強度特性 Xと最も差異の小さヽ光強度特性 zを求めるプログラムと、前記光強 度特性 zを有し、これに対応する温度分布特性を有する仮想被加熱体を再現被加熱 体として求めるプログラムと、前記再現被加熱体の温度分布特性に基づき前記被カロ 熱体の所定部位の所定時間における温度を求めるプログラムと、を有する。

[0019] また、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、温度と屈折率が一義 的な相関関係を有する被加熱体にレーザ光が照射されたとき、被加熱体内部におい て多重反射されるレーザ光の干渉の結果生じる反射光又は透過光の光強度と時間 との関係を示す光強度特性 Xを求めるプログラムと、前記被加熱体と同等の形状、熱 的、光学的特性を有する仮想被加熱体に前記被加熱体が加熱された条件と同等の 熱負荷を与えたときの温度分布特性を求める熱伝導解析プログラムと、前記温度分 布特性に対応する屈折率分布特性を求めるプログラムと、前記屈折率分布特性を有 する仮想被加熱体に、前記レーザ光と同等の特性を有するレーザ光を照射したとき 得られる光強度特性 Yを求める光学解析プログラムと、前記光強度特性 Xと前記光強 度特性 Yとの差異を判別し、その差異が最小になるまで熱負荷条件のうちの所定の 条件を補正しつつ該光強度特性 Xと最も差異の小さい光強度特性 zを求めるプログ ラムと、前記光強度特性 Zを有し、これに対応する温度分布特性を有する仮想被カロ 熱体を再現被加熱体として求めるプログラムと、前記再現被加熱体の温度分布特性 に基づき前記被加熱体の所定部位の所定時間における温度を求めるプログラムと、 を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。

[0020] また、本発明に係る温度測定をする LSIは、温度と屈折率が一義的な相関関係を 有する被加熱体にレーザ光が照射されたとき、被加熱体内部において多重反射され るレーザ光の干渉の結果生じる反射光又は透過光の光強度と時間との関係を示す 光強度特性 Xを求めるプログラムと、前記被加熱体と同等の形状、熱的、光学的特性 を有する仮想被加熱体に前記被加熱体が加熱された条件と同等の熱負荷を与えた ときの温度分布特性を求める熱伝導解析プログラムと、前記温度分布特性に対応す る屈折率分布特性を求めるプログラムと、前記屈折率分布特性を有する仮想被加熱 体に、前記レーザ光と同等の特性を有するレーザ光を照射したとき得られる光強度 特性 Yを求める光学解析プログラムと、前記光強度特性 Xと前記光強度特性 Yとの差 異を判別し、その差異が最小になるまで熱負荷条件のうちの所定の条件を補正しつ っ該光強度特性 Xと最も差異の小さヽ光強度特性 zを求めるプログラムと、前記光強 度特性 zを有し、これに対応する温度分布特性を有する仮想被加熱体を再現被加熱 体として求めるプログラムと、前記再現被加熱体の温度分布特性に基づき前記被カロ 熱体の所定部位の所定時間における温度を求めるプログラムと、を実施して温度測 定をする LSIである。

[0021] 上記の温度測定装置又は方法は、被加熱体の光強度特性 Xの取得から再現被カロ 熱体の取得、さらには被加熱体の所定部位の所定時間における温度の取得は非常 に短時間になされるので、通常の温度測定方法と特に異ならないのである力予め 光強度特性 X及びこれに対応する再現被加熱体に関するデータを蓄積したデータ ベースを設けることにより、温度測定の高速化、温度測定装置のコンパクト化、簡略 化等を図ることができる。

[0022] すなわち、本発明に係るデータベースは、測定対象を選択するためのデータを入 力する入力部と、前記入力部に入力可能な対象に関する所定の初期値及びその初 期値のな力の特定の初期値を変化させた補正値に基づいて予め計算された光強度 特性に関するデータ群と、該データ群に対応する温度分布特性を有する再現被カロ 熱体に関するデータ群と、を蓄積した記録部と、前記光強度特性及び前記再現被加 熱体に関するデータ群の中から被加熱体より取得される光強度特性 Xに最も一致し た光強度特性 Z及びその光強度特性 Zに対応する再現被加熱体を検索する検索部 と、を有する。

[0023] このようなデータベースを利用してコンパクトで簡単な構造の温度測定装置を構成 することができる。すなわち、この温度測定装置は、温度と屈折率が一義的な相関関 係を有する被加熱体にレーザ光を照射し、被加熱体内部にぉヽて多重反射されるレ 一ザ光の干渉の結果生じる反射光又は透過光の光強度と時間との関係を示す光強 度特性 Xを測定する光強度測定部と、データベースと、前記再現被加熱体に基づい て前記被加熱体の所定部位の所定時間における温度を求める温度出力部と、を有 する温度測定装置であって、前記データベースは、測定対象を選択するためのデー タを入力する入力部と、前記入力部に入力可能な対象に関する所定の初期値及び その初期値のなかの特定の初期値を変化させた補正値に基づいて予め計算された 光強度特性に関するデータ群と、該データ群に対応する温度分布特性を有する再 現被加熱体に関するデータ群と、を蓄積した記録部と、前記光強度特性及び前記再 現被加熱体に関するデータ群の中から被加熱体より取得される光強度特性 Xに最も 一致した光強度特性 Z及びその光強度特性 Zに対応する再現被加熱体を検索する 検索部と、を有する温度測定装置である。

[0024] また、本発明に係る温度測定装置は以下のような構成にしてもよい。すなわち、任 意の部位の温度と屈折率とが一義的な相関関係を有する被加熱体に、所定のレー ザ光を照射して得られる、干渉波の光強度と時間との関係を示す第 1の光強度特性 を求める被加熱体光強度特性取得部と、前記被加熱体と同等な形状と熱的特性と 光学的特性とを備える第 1の仮想被加熱体にお!ヽて、該仮想被加熱体に前記被カロ 熱体が加熱された条件と同等の熱負荷を与えたときの温度分布特性を求める仮想被 加熱体温度特性取得部と、前記仮想被加熱体における、前記温度分布特性に対応 する屈折率特性を求める仮想被加熱体屈折率特性取得部と、前記仮想被加熱体と 同等な屈折率特性を有する第 2の仮想被加熱体に前記レーザ光を照射して得られる 、干渉波の光強度と時間の関係を示す第 2の光強度特性を取得する仮想加熱体光 強度特性取得部と、前記第 1の光強度特性と、前記第 2の光強度特性とを用いて、第 1の光強度特性に最も一致した第 3の光強度特性を有する再現被加熱体を特定する 再現被加熱体特定部と、前記再現被加熱体における、温度分布特性に基づき、前 記被加熱体の特定部位における温度を求める被加熱体温度取得部で構成してもよ い。

[0025] さらに、本発明に係る温度測定装置は、前記再現被加熱体特定部において、前記 第 1の光強度特性から求められる波形の振動数と、前記第 2の光強度特性から求め られる波形の振動数との差を最小にするように前記第 2の仮想加熱体の光学厚み特 性を調整することで、前記第 3の光強度特性求めてもょヽ。

発明の効果

[0026] 本発明に係る温度測定方法又は装置は、高パワー密度の加熱源により基板の表 面カゝら急速加熱を行って熱処理を行うときの基板内の所定位置の温度を容易にかつ 正確に測定することができる。また、本発明に係る熱処理装置は簡単な構造で、コン パクトであり、また、所用の基板内の微細な部分の温度を測定しその温度を基に熱処 理条件を制御することにより高い処理温度安定性をもって基板の熱処理を行うことが できる。

図面の簡単な説明

[0027] [図 1]本発明に係る温度測定装置の構成を示す説明図である。

[図 2]図 1の温度測定装置を付設した熱処理装置の概要を示すレイアウト図である。

[図 3]被加熱体に照射されるレーザ光の多重反射状態を示す説明図である。

[図 4]被加熱体にレーザ光を照射し、被加熱体内部において多重反射されるレーザ 光の干渉の結果生じる反射光の光強度と時間との関係を示す光強度特性 Xのグラフ である。

[図 5]図 4に示す光強度特性 Xと仮想被加熱体について得られた光強度特性 Yを重 ねて表示したグラフである。

[図 6]仮想被加熱体の光学厚み特性 Yを示すグラフである。

[図 7]仮想被加熱体及び再現被加熱体について得られた光学厚み特性 Y 1、 Y 2、 Zと

、図 4に示す光強度特性 Xから抽出された光学厚み特性をプロットしたグラフである。

[図 8]図 4に示す光強度特性 Xと再現被加熱体について得られた光強度特性 Zを重 ねて表示したグラフである。

[図 9]仮想被加熱体及び再現被加熱体の温度分布特性を示すグラフである。

[図 10]再現被加熱体の熱処理開始後 5msにおける温度分布特性を示すグラフである

[図 11]再現被加熱体の熱処理開始後 5msにおける屈折率分布特性を示すグラフで ある。

符号の説明

10 被加熱体

20 レーザ光

22 反射レーザ光

50 プラズマジェット発生装

51 プラズマジェット

100 光強度測定部

105 レーザ光源

106 光路分岐素子

107 レーザ集光レンズ

108 光強度測定機

109 フイノレタ

200 演算部

210 データ入力部

220 熱伝導解析部

230 変換部

240 光学解析部

250 判定部

270 再現被加熱体出力部

300 温度出力部

発明を実施するための最良の形態

本発明に係る温度測定装置の実施の形態を以下に説明する。本温度測定装置は 、図 1に示すように、光強度測定部 100、演算部 200及び温度出力部 300を有している 。光強度測定部 100は、温度と屈折率が一義的な相関関係を有する被加熱体にレー ザ光を照射し、被加熱体内部において多重反射されるレーザ光の干渉の結果生じる 反射光又は透過光の光強度と時間との関係を示す光強度特性 Xを測定する機能、 すなわち被加熱体光強度特性取得部としての機能を有する。演算部 200は、被加熱 体と同等の形状、熱的及び光学的特性を有する仮想被加熱体に前記被加熱体が加 熱された条件と同等の熱負荷を与え、前記レーザ光と同等の特性を有するレーザ光 を照射したとき該仮想被加熱体力ゝら得られる光強度特性が前記光強度特性 Xに最も 一致する光強度特性 zを有する仮想被加熱体を再現被加熱体として求める再現被 加熱体取得のための機能を有する。温度出力部 300は、再現被加熱体に基づいて 前記被加熱体の所定部位の所定時間における温度を求める機能を有する。なお、 本発明おいて各種特性を示す場合、記号 X、 Y又は Zは、それぞれ被加熱体、仮想 被加熱体又は再現被加熱体に関する特性であることを示す。

[0030] 光強度測定部 100は、例えば図 2に示す測定装置力構成される。この実施例は、 被加熱体 10をプラズマ発生装置 50のプラズマジェット 51により加熱して熱処理を行う 熱処理装置に上記温度測定装置を利用した場合の実施例であるが、光強度測定部 100は、レーザ光源 105、光路分岐素子 106、レーザ集光レンズ 107、フィルタ 109及び 光強度測定機 108から構成されてヽる。

[0031] この熱処理装置により被加熱体 10の熱処理を行う場合、レーザ光 20がレーザ光源 1 05から光路分岐素子 106及びレーザ集光レンズ 107を通して被加熱体 10の裏面に照 射されると、照射されたレーザ光 20は、図 3に示すように被加熱体 10の表裏面で多重 反射し、それらの干渉したレーザ光 22が光路分岐素子 106、フィルタ 109を介して光強 度測定機 108に入射される。光強度測定機 108により、図 4に示すような光強度と時間 との関係を示す光強度特性 Xが測定され、記録される。

[0032] なお、図 4は、厚さ 525 μ mの石英基板を投入電力 1.67kW、走査速度 700m/sのプラ ズマジェットで熱処理を行っている際に、石英基板の裏面から出力 10mW、波長 633η mの He-Neレーザ光を垂直照射し、その石英基板の表裏面で反射された反射レーザ 光(レーザ光 22)の光量を測定して求めたものである。図 4の横軸は熱処理開始後の 時間を示し、縦軸は反射レーザ光 22と入射レーザ光 20との光量比から求めた反射率 (相対的光強度)を示す。この場合、石英基板の表面側へ透過する透過光の光量か ら求めた透過率を使用することもできるが、装置の構成'操作性を考慮すると反射率 を使用する方が実用上好ましい。

[0033] 図 4に示すように、反射率は熱処理の経過時間に従って増減を繰り返しており、光 強度特性 Xは振動波形を示している。本発明はこのような光強度特性 Xを利用して被 加熱体の温度分布、温度の変化状態を測定する。したがって、本発明においては、 被加熱体 10は温度と屈折率が一義的な相関関係を有するものであれば足りるが、入 射光と多重反射レーザ光が干渉し、その干渉波が振動波形を生ずる程度に干渉可 能なものでなければならない。このため、被加熱体 10は、ほぼ平行な 2つ以上の反射 面を有するのが望ましぐ平行度のずれは 5° 以内であるのがよい。また、被加熱体 は 50%以上のレーザ透過率を有するものがよい。この場合は、被加熱体の裏面と表面 力 反射する反射レーザ光の入射光に対する強度比が 1/4以上を確保できるから、 振幅が十分大きな反射率の時間変化曲線データを得ることができる。

[0034] また、被加熱体 10の形状に関し、被加熱体 10の面積はその厚さに比較して十分大 きいのがよい。これは、厚み方向に対して平面方向の熱拡散長が長くなり、加熱して いる間の蓄熱効果の影響が小さくなるので比較的高い精度で温度測定ができるとい う利点がある。また、同様の理由で被加熱体の厚みは、熱処理層の厚みに対し十分 大きいのがよい。

[0035] 本光強度測定部 100に用いるレーザ光 20は、干渉性を有するものであれば特に限 定されない。例えば、出力 10mW、波長 633nmの He-Neレーザ光、出力 50mW、波長 5 32應の YAG高調波レーザ光を使用することができる。測定温度誤差を小さくするた めには、照射レーザスポットが被加熱体 10の平面方向温度分布より十分小さくする必 要があるため、レンズ等で絞ることが望ましい。ただし、被加熱体厚み dに対してレン ズの焦点距離 く 2dとなるようなレンズを使用すると、被加熱体裏面からの反射光強 度が表面からの反射光強度に比して極端に弱くなり、反射光の干渉振幅が小さくな るという問題が発生する。よって、レンズは! 2dなる焦点距離のものを使用するのが望 ましい。

[0036] 被加熱体 10を加熱する加熱源は特に限定されなヽ。本温度測定装置は、基板等 の熱処理をどのような加熱源を使用して行う場合にも使用することができる。しかしな がら、本温度測定装置は、プラズマジェット、レーザあるいは Xeフラッシュランプゃハ ロゲンランプ等の高パワー密度の加熱源により SiO 2基板、 Si製の基板等をミリ秒単位 で急速に加熱して熱処理を行うときの温度測定に使用するのがよい。本温度測定装

置により、従来は困難であったミリ秒単位で急速に変化する温度を容易に測定するこ とができるカゝらである。

[0037] 本温度測定装置における演算部 200は、上述の再現被加熱体取得のための機能 を実現させる構成として、以下のような構成とすることができる。すなわち、演算部 200 は、図 1に示すように、データ入力部 210、熱伝導解析部 220、変換部 230、光学解析 部 240、判定部 250、再現被加熱体出力部 260を有するものとすることができる。

[0038] データ入力部 210は、演算のための初期値やそれらの補正値等、所定の入力デー タを入力するための機能を有する。初期値として、被加熱体に関する厚さ、面積、平 行度等の形状的条件と、初期温度、初期反射率、熱伝導度、密度、比熱、屈折率の 温度依存性等の熱的及び光学的条件と、加熱源に関する種類、投入パワー、投入 パワーの時間プロフィル、パワー伝達効率、仮想被加熱体が投入されるパワーを有 効に受ける領域の大きさ等の条件が入力される。

[0039] 熱伝導解析部 220は、入力データに基づき仮想被加熱体の温度分布特性を求める ための機能、すなわち仮想被加熱体温度特性取得部としての機能を有する。熱伝導 解析部 220は公知の熱伝導解析手法を応用したプログラム又はソフトを主体として構 成することができる。

[0040] 変換部 230は、熱伝導解析部 220により求められた温度分布特性を対応する屈折率 分布特性に変換する機能、すなわち仮想被加熱体屈折率特性取得部としての機能 を有する。仮想被加熱体は、温度と屈折率が一義的な相関関係を有しており、仮想 被加熱体に生じた温度分布、温度の時間変化は一義的に屈折率分布、屈折率の時 間変化に変換することができる。例えば、温度 T(°C)、レーザ光の波長力 ¾33應にお ける石英基板の場合は、その屈折率 n力 n=1.457+1.2 X 10— 5Tなる関係式で表され、 Si製の基板の場合は、屈折率 nが、 n=4.04+2.105 X 10— 4Tなる関係式で表されるから、 このような関係式に基づいて温度分布特性を屈折率分布特性に変換することができ る。

[0041] 光学解析部 240は、変換部 230により求められた変換された屈折率分布特性を有す る仮想被加熱体の所定の光学特性を求めるための機能、すなわち上記の屈折率分 布特性を有する仮想被加熱体 (光学構造体)の光学特性を求めるための機能を有す

る。例えば、光強度特性 Yを取得する光学構造体光強度特性取得部としての機能を 有する。この場合、光学特性 Υはレーザ光を照射する基板の厚さ dとその基板の屈折 率 nで定義される光学厚み (n X d)に関する光学厚み特性 Yとすることもできる。この ような光学特性を求めるには公知の光学解析手法を応用したプログラム又はソフトを 使用することができる。

[0042] 判定部 250は、光強度特性 Xから所定の光学特性 Xを抽出し、その光学特性 Xと光 学解析部 240により求められた光学特性 Yとの差異を判別する機能を有する。例えば 、対象とする光学特性が光強度特性である場合は、光強度測定部 100で求められた 光強度特性 Xと、光学解析部 240で求められた光強度特性 Yの差異を判別する。対 象とする光学特性が光学厚み特性である場合は、光強度測定部 100で求められた光 強度特性 Xから光学厚み特性を抽出した光学厚み特性 Xと、光学解析部 240で求め られた光学厚み特性 Yとの差異を判別する。

[0043] 具体的に説明すると、光強度特性 Xと光強度特性 Yの差異を判別するには、それら の特性を示す波形が振動していることを利用する。例えば、図 5に示すように、実際 に光強度測定部 100により得られた実線で示す光強度特性 Xの波形と、初期値を使 用して光学解析部 240により求められた破線で示す光強度特性 Yの波形は、通常は その振動数と位相が異なっている。これらの点に着目して光強度特性 Xと光強度特 性 Yとの差異を判別する。

[0044] すなわち、判定部 250にパターン 'マッチング法、特徴点法又は周波数解析法を利 用したパターン認識部を設け、光強度特性 Xと光強度特性 Yとの振動数及び位相の 差異を抽出し、パターン認識部により解析することにより容易にその差異を判定する ことができる。振動数は、一般に、被加熱体の上昇温度が高いほど多ぐ上昇温度が 低いほど少ない。なお、図 5において横軸は熱処理開始後の時間を示し、縦軸は反 射率を示す。

[0045] このような光強度特性を利用する手法に対し、光学厚み特性を利用する場合は、 以下のようにして光学厚み特性 Xと光学厚み特性 Yとの差異を判別する。すなわち、 光学解析部 240により図 6の実線で示すような光学厚み特性 Yが得られる。図 6にお Vヽて横軸は熱処理開始後の時間を示し、縦軸は光学厚みを示す。

[0046] 一方、図 4に示す光強度特性 Xに着目すると、振動波形の山の頂点と次の谷の最 下点、あるいは谷の最下点と次の山の頂点は、光学構造体の光学厚みが (1/4) λ ( λ はレーザ光の波長)変化したときを示す。この光学厚みが λ /4ずつ変化する時間を 図 4に示す光強度特性 Xを示す波形から抽出し、図 6にプロットすると、図 6の丸印で 示すようになる。図 6において a〜gは、図 4において光強度特性 Xを示す波形が山の 頂点又は谷の最下点を示すときである。

[0047] 図 6から分力るように、光学厚み特性 Xと光学厚み特性 Yとの差異は、 a〜gの時間 における両者の光学厚みを比較することによって容易になされる。例えば、 a〜gにお ける両者の光学厚みの平均二乗誤差の差異を求めることによって判別することがで きる。

[0048] このような判定部 250による光学特性の差異の判別は、その差異が最小になるまで 繰り返される。すなわち、判定部 250は、光学特性 Xと Yとの差異を判別し、その差異 が最小になるまで補正された初期値をデータ入力部に再入力して光学特性 Xと Yと の差異が最も小さい、すなわち光学特性 Xに最も一致する光学特性 Zを求める。そし て、再現被加熱体出力部 260により、そのようにして得られた光学特性 Zを有する光 学構造体に対応する光強度特性 Z及び温度分布特性を有する仮想被加熱体を求め 、そのような特性を有する仮想被加熱体が再現被加熱体として温度出力部 300に出 力される。この再現被加熱体は、被加熱体の温度分布及び温度の時間変化に最も 近似した温度分布及び温度の時間変化をその内部に再現させたものである。

[0049] 温度出力部 300は、このような再現被加熱体に基づき、被加熱体の所定の位置及 び時間(熱処理開始後の時間)における温度を求め、被加熱体の測定温度として出 力する。

[0050] 以上本発明に係る温度測定装置について説明した。本温度測定装置は、以下の 温度測定方法を好適に実施することができる。すなわち、本発明に係る温度測定方 法は、温度と屈折率が一義的な相関関係を有する被加熱体にレーザ光を照射し、そ の入射光と反射光との干渉力得られる光強度と時間との関係を示す光強度特性 X を求める段階と、まず、前記被加熱体と同等の形状、熱的、光学的特性を有する仮 想被加熱体に前記被加熱体が加熱された条件と同等の熱負荷を与えたときの温度

分布特性を求め、該温度分布特性に対応する屈折率分布特性を求めるとともに、そ のような屈折率分布特性を有する仮想被加熱体に、前記レーザ光と同等の特性を有 するレーザ光を照射したとき得られる光強度特性 Yを求めて該光強度特性 Yと前記 光強度特性 Xとの差異を判別し、つぎに、前記仮想被加熱体に与える熱負荷条件の うちの所定の条件を補正して補正された光強度特性を求め、前記光強度特性 Xと最 も差異の小さい補正された光強度特性 Z及びそのような光強度特性 Zに対応する温 度分布特性を有する仮想被加熱体を再現被加熱体として求める段階と、前記再現 被加熱体の温度分布特性に基づき前記被加熱体の所定部位の所定時間における 温度を求める段階と、を有する。

[0051] この温度測定方法にお!、て、光強度特性 Xと最も差異の小さ!、補正された光強度 特性 Z、すなわち光強度特性 Xに最も一致する光強度特性 Zを求めるために補正す る熱負荷条件は、上述の初期値のうちパワー伝達効率又は Z及び仮想被加熱体が 投入されるパワーを有効に受ける領域 (受熱域)の大きさとするのがよい。例えば、パ ヮー伝達効率 εを ε + Δ ε、受熱域の大きさとしてプラズマジェットの幅 Wを W+ AWと して入力し、再計算をさせる。これにより効果的に光強度特性 Xと Yとの差異を小さく することができる。

[0052] このような温度測定方法は、以下のプログラムにより好適に実施することができる。

すなわち、本発明に係る温度測定プログラムは、温度と屈折率が一義的な相関関係 を有する被加熱体にレーザ光が照射されたとき、その入射光と反射光との干渉から 得られる光強度と時間との関係を示す光強度特性 Xを求めるプログラムと、前記被加 熱体と同等の形状、熱的、光学的特性を有する仮想被加熱体に前記被加熱体が加 熱された条件と同等の熱負荷を与えたときの温度分布特性を求める熱伝導解析プロ グラムと、前記温度分布特性に対応する屈折率分布特性を求めるプログラムと、屈折 率分布特性を有する仮想被加熱体に、前記レーザ光と同等の特性を有するレーザ 光を照射したとき得られる光強度特性 Yを求める光学解析プログラムと、前記光強度 特性 Xと前記光強度特性 Yの差異を判別し、その差異が最小になるまで熱負荷条件 のうちの所定の条件を補正しつつ該光強度特性 Xと最も差異の小さい光強度特性 Z を求めるプログラムと、前記光強度特性 Zを有し、これに対応する温度分布特性を有 する仮想被加熱体を再現被加熱体として求めるプログラムと、前記再現被加熱体の 温度分布特性に基づき前記被加熱体の所定部位の所定時間における温度を求める プログラムと、を有する。

[0053] また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することがで きる。すなわち、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、温度と屈折 率が一義的な相関関係を有する被加熱体にレーザ光が照射されたとき、その入射光 と反射光との干渉力得られる光強度と時間との関係を示す光強度特性 Xを求める プログラムと、前記被加熱体と同等の形状、熱的、光学的特性を有する仮想被加熱 体に前記被加熱体が加熱された条件と同等の熱負荷を与えたときの温度分布特性 を求める熱伝導解析プログラムと、前記温度分布特性に対応する屈折率分布特性を 求めるプログラムと、屈折率分布特性を有する仮想被加熱体に、前記レーザ光と同 等の特性を有するレーザ光を照射したとき得られる干渉波の光強度特性 Yを求める 光学解析プログラムと、前記光強度特性 Xと前記光強度特性 Yの差異を判別し、その 差異が最小になるまで熱負荷条件のうちの所定の条件を補正しつつ該光強度特性 Xと最も差異の小さ、光強度特性 Zを求めるプログラムと、前記光強度特性 Zを有し、 これに対応する温度分布特性を有する仮想被加熱体を再現被加熱体として求める プログラムと、前記再現被加熱体の温度分布特性に基づき前記被加熱体の所定部 位の所定時間における温度を求めるプログラムと、を記録したものである。

[0054] また、以下のような温度測定をする LSIを構成することができる。すなわち、本発明 に係る温度測定をする LSIは、温度と屈折率が一義的な相関関係を有する被加熱体 にレーザ光が照射されたとき、その入射光と反射光との干渉力も得られる光強度と時 間との関係を示す光強度特性 Xを求めるプログラムと、前記被加熱体と同等の形状、 熱的、光学的特性を有する仮想被加熱体に前記被加熱体が加熱された条件と同等 の熱負荷を与えたときの温度分布特性を求める熱伝導解析プログラムと、前記温度 分布特性に対応する屈折率分布特性を求めるプログラムと、屈折率分布特性を有す る仮想被加熱体に、前記レーザ光と同等の特性を有するレーザ光を照射したとき得 られる光強度特性 Yを求める光学解析プログラムと、前記光強度特性 Xと前記光強度 特性 Yとの差異を判別し、その差異が最小になるまで熱負荷条件のうちの所定の条 件を補正しつつ該光強度特性 xと最も差異の小さい光強度特性 zを求めるプロダラ ムと、前記光強度特性 zを有し、これに対応する温度分布特性を有する仮想被加熱 体を再現被加熱体として求めるプログラムと、前記再現被加熱体の温度分布特性に 基づき前記被加熱体の所定部位の所定時間における温度を求めるプログラムと、を 実施して温度測定をする LSIである。

[0055] 以上本発明に係る温度測定装置及び温度測定方法につ!、て説明した。これらの 温度測定装置の構成又は温度測定方法の実施において、以下に説明するデータべ ースを設けるのがよい。これにより、被加熱体の光強度特性取得力その所定部位の 所定時間における温度を求めるまでの時間を一層短縮することができ、温度測定の 高速ィ匕を図ることができる。

[0056] すなわち、本データベースは、測定対象を選択するためのデータを入力する入力 部と、前記入力部に入力可能な対象に関する所定の初期値及びその初期値のなか の特定の初期値を変化させた補正値に基づいて予め計算された光強度特性に関す るデータ群と、該データ群に対応する温度分布特性を有する再現被加熱体に関する データ群と、を蓄積した記録部と、前記光強度特性及び前記再現被加熱体に関する データ群の中から被加熱体より取得される光強度特性 Xに最も一致した光強度特性

Z及びその光強度特性 Zに対応する再現被加熱体を検索する検索部と、を有する。

[0057] 上記データベースにお!/、て、所定の初期値とは、被加熱体に関する被加熱体の形 状、初期温度、初期反射率、熱伝導率、密度、比熱及び屈折率の温度依存性に関 するデータ等と、加熱源に関する加熱源の種類、投入パワー、投入パワーの時間プ 口フィル、パワー伝達効率及び受熱域の大きさに関するデータ等と、温度測定に用 いるレーザに関する出力及び波長に関するデータ等である。特定の初期値とは、パ ヮー伝達効率又は Z及びプラズマジェットの幅に関するデータである。また、測定対 象を選択するためのデータとは、具体的には、「石英基板」とか「Si製の基板」であり、 あるいは「石英基板及びプラズマジェット走査速度」である。測定対象を選択するため のデータの内容は、生産現場の必要性に応じて決められ、その測定対象を選択する ためのデータの大きさに応じてデータベースの大きさが決められる。

[0058] このようなベータベースを設けた温度測定装置は、上述した温度測定装置の演算 部 200をこのベータベースで置き換えた構成にすることができる。この温度測定装置 により、以下のように温度測定がなされる。すなわち、被加熱体が急速加熱され、光 強度特性 Xに関するデータが光強度測定部 100から取得され始めると、検索部はデ ータ部カゝら取得される光強度特性 Xに最も一致した光強度特性 Zを検索する。そして 、この光強度特性 Zに対応する温度分布特性を有する再現被加熱体が検索される。 この再現被加熱体に関する出力は、ほとんどタイムラグがなく出力されるので、本温 度測定装置により、被加熱体の加熱後の瞬間瞬間における温度を測定することがで き、また、被加熱体の任意の位置における温度の変化状態を測定することができる。 また、このようなベータベースを設けることにより、コンパクト、簡単な構造の温度測定 装置を構成することができる。

[0059] 以上説明したように本温度測定装置は、半導体基板等を高パワー密度の加熱源で 熱処理を行うようなミリ秒単位で急速に温度変化する基板表面や内部の温度を正確 に測定することができる。このため、本温度測定装置を熱処理装置に付設することに よって品質の高い熱処理を行うことができる。また、本温度測定装置からの信号により プラズマジェット発生装置の出力を制御する制御装置を設けた熱処理装置によれば 、さらに高品質の熱処理を行うことができる。また、そのような熱処理装置に、プラズマ ジェット発生装置のプラズマジェットと半導体基板等とを相対的に移動させる駆動装 置を設けることができる。

実施例 1

[0060] 図 2に示す温度測定装置を用いて、厚さ 525 μ mの石英基板をプラズマジェットで熱 処理するときの石英基板の温度測定試験を行った。プラズマジェットの投入電力は 1. 67kW、走査速度は 700m/sであった。熱処理を行っている際に、この石英基板の裏 面から出力 10mW、波長 633nmの He-Neレーザ光を垂直照射し、被加熱体内部にお いて多重反射されるレーザ光の干渉の結果生じる反射光の光強度と時間との関係を 示す光強度特性を測定した。再現被加熱体の取得は上述の光学厚み特性を利用す る方法を用いた。

[0061] 試験結果を図 7〜 11に示す。図 7は、光学厚み特性を示すグラフであり、上述の光 学厚み特性を利用して再現被加熱体を求める場合の実施例を示す。図 7の横軸は

熱処理開始後の時間を示し、縦軸は光学厚みを示す。図 8は光強度特性を示すダラ フであり、横軸は熱処理開始後の時間を示し、縦軸は反射率を示す。図 9は石英基 板の表面温度を示すグラフであり、横軸は熱処理開始後の時間を示し、縦軸は表面 温度を示す。図 10は、再現被加熱体の熱処理開始後 5msにおける温度分布特性を 示すグラフであり、横軸は再現被加熱体の位置を示し、縦軸は再現被加熱体の表面 力 の深さ位置を示す。図中の数字は温度を示し、矢印はプラズマジェットの照射位 置を示す。なお、プラズマジェットは図の左力も右の方に走査されている。図 11は、 図 10に示す各温度を石英基板の温度と屈折率の関係式、 n=1.457+1.2 X 10— 5Tに基 づ ヽて屈折率に変換した場合の光学構造体 (再現被加熱体)の屈折率分布特性を 示すグラフである。図 11の横軸は再現被加熱体の位置を示し、縦軸は再現被加熱 体の表面力ゝらの深さ位置を示す。図中の数値は屈折率を示し、矢印はプラズマジェ ットの照射位置を示す。

[0062] 図 7から 9において、記号 Xは被加熱体、すなわち石英基板に関する特性を示す。

記号 Υ(Υ 1、 Υ 2 )は仮想被加熱体に関する特性を示し、記号 Ζは再現被加熱体に関 する特性を示す。また、図 7に示す丸印は、図 8の被加熱体に関する光強度特性 Xか ら抽出される光学厚み特性 (波形の山の頂点と谷の最下点を示す時間とそのときの 光学厚み)をそれぞれプロットしたものである。

[0063] 図 7において、光学厚み特性 Υ 1曲線はパワー伝達効率を定格値の 45%として求め たものである。図 7に示すように、丸印は光学厚み特性 Υ 1曲線より上部にある。このた め、パワー伝達効率を定格値の 90%として再入力 '再計算して光学厚み特性 Υ 2曲線 が得られた。しかし、求められた光学厚み特性 Υ 2曲線は丸印の上部にあるので、 ヮー伝達効率を定格値の 64.5%として再入力'再計算して求められたの力光学厚み 特性 Ζである。

[0064] 図 7によると、 2番目から 6番目の丸印について、それぞれ隣り合う丸印間の光学厚 み差が等しい(え /4)ことがわかる。これは、図 8において、光強度特性 Xが明瞭な山 又は谷波形を示すことと関係している。また、図 7によると、図 8の光強度特性から 抽出した丸印が、再現被加熱体に関する光学厚み特性 Ζ曲線上によく一致している ことち分力ゝる。

図 8によると、被加熱体に関する光強度特性 Xと、再現被加熱体に関する光強度特 性 Zの波形 (振動数、位相)がよく一致していることが分かる。図 9に示された温度分 布特性によると、再現被加熱体 (石英基板)の表面の温度は 5ms後に 1300° Kに達し ていることが分かる。また、図 10によると、温度分布はプラズマジェットの照射部を中 心にして年輪状の形状をしていることが分かる。そして、表面力も 20 mを超える深さ まで 1000K以上の温度になっており、本例の条件において石英基板は充分に熱処 理されることが分かる。実際に石英基板の組織を光学顕微鏡で観察すると、充分に 熱処理がされていることが分力つた。図 10と図 11を比較すると、石英基板の温度と 屈折率の関係が直線的比例関係を有することから分力るように、温度分布形状と屈 折率分布形状は相似形(同等)になって、ることが分かる。