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1. (WO2007004641) TWO-CYCLE ENGINE
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明 細書

2サイクルエンジン

技術分野

[0001] 本発明は 2サイクルエンジンに関するものである。

背景技術

[0002] 2サイクルエンジン 100は、例えば、図 13に示すように、シリンダ 101の側壁内にク ランク室 102の上部力も延びる掃気流路 103を形成すると共に、この掃気流路 103を シリンダ 101内の掃気ポート 104と連通させ、吸気ポート(図示省略)からクランク室 1 02内に供給された混合ガスをピストン 105の下降により掃気流路 103を経由して掃 気ポート 104からシリンダ 101内へ供給するようにした構造が知られている。斯かる 2 サイクルエンジン 100は、芝刈り機などの小型エンジンとして利用されている。

特許文献 1:特開 2000— 179346号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] しかしながら、斯かる 2サイクルエンジン 100の場合、シリンダ 101とクランク室 102 が連通しており、ピストン 105の下降により、クランク室 102から、エンジンオイルを含 む混合ガスを押し出し、掃気ポート 104からシリンダ 101内へ流入させて、エンジンォ ィルと燃料を一緒に燃やして、る。このためエンジンオイルを定期的に足すことが必 要であり不経済であり、またエンジンオイルが燃えることで白煙やススが生じるので環 境面でも問題がある。

[0004] また、ピストン 105の動きに応じて、シリンダ 101の掃気ポート 104と排気ポート 106 の開閉を行い、混合ガスの入れ替えを行なっている。しかし、掃気ポート 104と排気 ポート 106が同時に開いているタイミングがあることから、掃気ガスの一部が未燃焼の まま排気ガスと共に排気ポート 106から大気中に放出されてしまうことがある。このこと も自然環境に負荷を掛けるため、自然環境保護の面力課題とされている。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明に係る 2サイクルエンジンは、ピストンを往復動可能に収容したシリンダと、シ リンダの下部開口を密閉状態で覆った掃気ガス貯留室と、掃気ガス貯留室に設けた 吸気部と、掃気ガス貯留室とシリンダを連通する掃気流路と、ピストンに連結され、掃 気ガス貯留室を貫通したコンロッドと、コンロッドを直線往復動させるクランク機構と、 掃気ガス貯留室においてコンロッドが貫通した揷通孔に配設され、コンロッドの直線 往復動は許容するが、掃気ガス貯留室を密封するシール部とを備えてヽる。

[0006] また、吸気部は外気を掃気ガス貯留室に吸気する構造を備えており、かつ、シリン ダヘッドに燃料を噴霧する噴霧機構を設けた構造としてもよい。

発明の効果

[0007] 斯かる 2サイクルエンジンによれば、コンロッドを直線往復動させるクランク機構と、 掃気ガス貯留室においてコンロッドが貫通した揷通孔に配設され、コンロッドの直線 往復動は許容するが、掃気ガス貯留室を密封するシール部とを備えているので、クラ ンク機構に供給されたエンジンオイルが掃気ガス貯留室に流入せず、掃気流路を通 つて掃気ポートからシリンダ内に流入する流体にエンジンオイルが含まれない。これ により、クランク機構のエンジンオイルが減少するのを抑えることができるから経済的 であり、また、燃料と一緒にエンジンオイルを燃やすことがないので、エンジンオイル に起因する白煙やススが生じることもな、。

[0008] また、吸気部が外気を掃気ガス貯留室に吸気する構造を備えており、かつ、シリン ダヘッドに燃料を噴霧する噴霧機構を設けた構造としたものは、掃気ガスに燃料が 含まれないから、掃気ガスの一部が排気ガスと共に排気ポートから大気中に放出さ れる場合でも、未燃焼の燃料が大気中に放出されることがなヽ。

[0009] さらに、本発明の 2サイクルエンジンはコンロッドが直線往復動するのでロングスト口 ーク化ないし高圧縮比化が容易であり、必要に応じて過給装置と組み合わせることに より熱効率の大幅向上が可能である。また、ロングストローク化ないし高圧縮比化が 可能であること力オクタン価が高、例えばバイオマス燃料 (メタノール、エタノール、 メタンガスなど)の効率的燃焼を可能とする。

発明を実施するための最良の形態

[0010] 以下、本発明の一実施形態に係る 2サイクルエンジンを図面に基づいて説明する。

なお、図面には同じ作用を奏する部材*部位に同じ符号を付している。

[0011] この 2サイクルエンジン 10Aは、図 1に示すように、シリンダ 11と、掃気ガス貯留室 1 2と、吸気部 13と、掃気流路 14と、コンロッド 15と、クランク機構 16と、シール部 17と を備えている。

[0012] シリンダ 11はピストン 21を往復動可能に収容している。この実施形態では、シリン ダ 11には、排気流路 22に連通した排気ポート 23と、掃気流路 14に連通した掃気ポ ート 24を形成している。排気ポート 23と掃気ポート 24は、それぞれシリンダ 11の内周 面でピストン 21が往復動する位置に形成され、排気ポート 23はシリンダ 11内におい て掃気ポート 24よりも上側に開口している。また、シリンダヘッド 25には、点火プラグ 26を取り付けている。シリンダ 11の下部には掃気ガス貯留室 12を設けている。

[0013] 掃気ガス貯留室 12はシリンダ 11の下部開口 27を覆い、下部開口 27を密閉してい る。掃気ガス貯留室 12には、シリンダ 11内に収容されたピストン 21の下面が露出し ている。掃気ガス貯留室 12には吸気部 13を設けている。この実施形態では、吸気部 13はキヤブレタ 31 (気化器)を備え、燃料を混合した混合ガスを掃気ガスとして吸気 している。また、吸気部 13には、掃気ガス貯留室 12内の掃気ガスの圧力が所定の圧 力より低くなると、バルブを開き、掃気ガス貯留室 12内に掃気ガスを吸気するリード バルブ 32を取り付け、適時に適量の混合ガスを吸気している。また、掃気流路 14は 掃気ガス貯留室 12とシリンダ 11を連通しており、シリンダ 11側で上述した掃気ポート 24に開口している。

[0014] コンロッド 15は、ピストン 21に連結され、ピストン 21の連結部 33から真下に延在し、 掃気ガス貯留室 12を貫通し、掃気ガス貯留室 12の下側に配設したクランク機構 16 に連結して、延在方向に直線往復動させている。クランク機構 16の具体的構成につ いては、後で詳述する。掃気ガス貯留室 12の底部 34には、コンロッド 15を挿通させ る揷通孔 35を形成しており、揷通孔 35には、コンロッド 15の直線往復動は許容する が、掃気ガス貯留室 12を密封するシール部 17を配設して、る。

[0015] 次に、この実施形態で用いられているクランク機構 16を説明する。

[0016] クランク機構 16は、図 2に示すように、クランクケース 41と、内周太陽歯車 42と、クラ ンク軸 43と、遊星軸 44と、遊星歯車 45を備えている。

[0017] クランクケース 41は、クランク機構 16の各構成部材を収容するとともに、内部にェン ジンオイルを貯留し、クランク機構 16の各部材の潤滑を確保している。この実施形態 では、クランクケース 41は、掃気ガス貯留室 12を貫通して延在するコンロッド 15の下 端を収容している。

[0018] 内周太陽歯車 42は、図 3に示すように、コンロッド 15が延在する軸線 Lに、そのピッ チ円の中心軸 Tを直交すると共に、コンロッド 15が延在する軸線 Lと平行になるように クランクケース 41に固定的に配設して、る。

[0019] クランク軸 43は、内周太陽歯車 42のピッチ円の中心軸回りに回転自在に配設した ものであり、クランク軸 43から半径方向に突出し、遊星歯車 45の自転軸を回転自在 に支持する腕部を備えて、る。

[0020] この実施形態では、クランク軸 43は、その回転中心をクランク機構 16の中心線丁に 一致させて、ベアリング 46、 47を介してクランクケース 41内に回転自在に収容してい る。クランク軸 43は内周太陽歯車 42の内周歯面 42aに非接触状態であり、クランク軸 43の偏心位置に収容空間 48を設けて、遊星歯車 45の自転軸をなす遊星軸 44を収 容している。すなわち、この実施形態では、この収容空間 48は、図 3中、クランク軸 4 3から半径方向に突設した腕部 43aに相当して、る。

[0021] 収容空間 48には、ベアリング 49、 50を設置して遊星軸 44を軸支している。クランク 軸 43が遊星軸 44を軸支している位置は、クランク軸 43の中心(内周太陽歯車 42の ピッチ円の中心)から、内周太陽歯車 42のピッチ円半径 r2に対して 2分の 1の距離を 偏心させた位置である。

[0022] 遊星歯車 45は、上記のようにクランク軸 43に軸支され、内周太陽歯車 42のピッチ 円直径に対し二分の一のピッチ円直径を有し、嚙合して自転及び公転可能に配設し ている。そして、遊星歯車 45のピッチ円の円周上においてコンロッド 15をピン係合し ている。

[0023] この実施形態では、図 2に示すように、遊星軸 44のコンロッド 15側の側面にはカウ ンターパランサ 51を設けている。そして、このカウンターバランサ 51の側面において 、遊星歯車 45のピッチ円 45cとコンロッド 15が延在する軸線 Lとの公転に対応する位 置に軸受 52を介してコンロッド 15のクランクピン 53を連結している。

[0024] このクランク機構 16は、図 3に示すように、遊星歯車 45のピッチ円 45cの半径 rl と内周太陽歯車 42のピッチ円 42cの半径 r2との比は、 rl :r2= 1: 2の関係となって いる。これにより遊星歯車 45は内周太陽歯車 42と嚙合しながら公転及び自転し、 1 回公転する毎に 2回自転するようになっている。また、クランク軸 43は、遊星軸 44の 公転を受けてクランクピン 53の直線往復動と同周期で回転するようになる。このように クランク機構 16は、コンロッド 15を水平な状態で直線往復動させ、コンロッド 15の直 線往復動の幅は、内周太陽歯車 42のピッチ円直径に相当する。従って、このクラン ク機構 16は、 2サイクルエンジン 10Aでピストン 21を往復動させる幅に応じて、内周 太陽歯車 42、遊星歯車 45等の各部材の大きさを設計して、る。

[0025] このクランク機構 16によれば、コンロッド 15が直線往復動するので、上述した 2サイ クルエンジン 10Aの構成において、コンロッド 15が掃気ガス貯留室 12を貫通する揷 通孔 35で、コンロッド 15がほとんど振れ動かない。このため、例えばゴム製のシール 材等を用いることにより、掃気ガス貯留室 12を密封するのが容易であり、上述した 2 サイクルエンジン 10Aに用いるクランク機構 16として好適である。また、斯かるクラン ク機構 16によれば、コンロッド 15が直線往復動するので、ピストン 21のサイドスラスト などによる損失が少なぐ 2サイクルエンジン 10Aのエネルギ効率を向上させることが できる。

[0026] 以上、本発明の一実施形態に係る 2サイクルエンジン 10Aの構造を説明した。

[0027] この 2サイクルエンジン 10Aは、ピストン 21が上死点に到達し、燃料と空気の混合 ガスが圧縮された所定のタイミングで、点火プラグ 26から火花を飛ばして混合ガスを 燃焼 (爆発)させる。混合ガスの燃焼 (爆発)を受けてピストン 21が下降し、排気ポート 23が開くと、燃焼したガス力排気ポート 23から排出され、シリンダ 11内が減圧され る。そして、掃気ポート 24が開くと、ピストン 21の下降により、圧縮された掃気ガス貯 留室 12内の掃気ガスが掃気流路 14を通って、掃気ポート 24からシリンダ 11内に流 入する。そして、ピストン 21が下降し、再び上昇する間に、掃気ガスがシリンダ 11内 に流入するとともに、排気ガス力 S排気ポート 23から追い出される。そして、ピストン 21 の上昇過程で、掃気ポート 24、排気ポート 23の順に閉じられ、シリンダ 11内の気体 が掃気ガスに入れ替わるとともに、掃気ガスが圧縮され、上死点に来たタイミングで、 点火プラグ力も火花が飛ばされる。この 2サイクルエンジン 10Aは、このような一連の 行程を繰り返して、ピストン 21を直線往復動させ、コンロッド 15と、クランク機構 16を 介してクランク軸 43から回転動力を得て、る。

[0028] この 2サイクルエンジン 10Aによれば、掃気ガス貯留室 12は、クランク機構 16を収 容したクランクケース 41とは、シール部 17により仕切られているので、クランク機構 16 に供給されたエンジンオイルが掃気ガス貯留室 12に流入しない。このため、掃気流 路 14を通って掃気ポート 24からシリンダ 11内に流入する流体にエンジンオイルが含 まれず、クランク機構 16のエンジンオイルが減少するのを抑えることができ、経済的 であり、また、燃料と一緒にエンジンオイルを燃やすことがないので、エンジンオイル に起因する白煙やススが生じることもない。このように、この 2サイクルエンジン 10Aは 経済性及び環境面で優れた今までにな、2サイクルエンジンとなって、る。

[0029] 以上、本発明の一実施形態に係る 2サイクルエンジンを説明したが、本発明に係る 2サイクルエンジンは上述した実施形態に限定されるものではない。

[0030] 例えば、クランク機構は、上述した実施形態に係るものに限定されず、コンロッドを 直線往復動させるものであればよぐ上述した実施形態に係るクランク機構 16に代え て、斯カる作用を奏する公知のクランク機構を採用することができる。

[0031] また、他の実施形態として、 2サイクルエンジン 10Bの吸気部 13は、図 4に示すよう に、ピエゾインジェクタ 61とピエゾインジェクタ 61の噴霧動作を制御する制御部 62と を備えた構成とすることができる。この場合、ピエゾインジェクタ 61により燃料を噴霧し て外気に燃料を混合した混合ガスを適時に掃気ガス貯留室 12に吸気するとよい。ピ ェゾインジェクタ 61は、キヤブレタ 31 (図 1参照)に比べて、装置構成を小型化ができ 、また、燃料の噴霧量の微調整が容易であるから、 2サイクルエンジン 10Bの小型化 を図ることができ、芝刈り機などに用いる小型の 2サイクルエンジン 10Bなどに適用す るのに公的である。

[0032] また、他の形態に係る 2サイクルエンジン 10Cとして、図 5に示すように、吸気部 13 は外気を掃気ガス貯留室 12に吸気する構造を備えており、かつ、シリンダヘッド 25 に燃料を噴霧する噴霧機構 60を設けてもょヽ。

[0033] すなわち、この 2サイクルエンジン 10Cによれば、例えば、ピストン 21が上昇し、排 気ポート 23が閉じた後で噴霧機構 60から燃料を噴霧するようにするとよヽ。この場合 、掃気ガスに燃料が含まれないので、燃料が未燃焼のまま、排気ポート 23から排出さ れる不具合を防止できる。また、シリンダ 11内に、供給する燃料も制御し易ぐ 2サイ クルエンジン 10Cの出力調整を応答性良く行うことができる。従って、噴霧機構 60に は、斯かる燃料の噴霧量、噴霧タイミングを制御する制御部を設けるとよい。

[0034] 斯カる形態の 2サイクルエンジン 10Cにおいても、図示するように、噴霧機構 60に は、ピエゾ素子を用いたピエゾインジェクタ 61とピエゾインジェクタ 61の噴霧動作を 制御する制御部 62を備えた構成とすることにより、 2サイクルエンジン 10Cの小型化 を図ることができ、かつ、シリンダ 11に供給する燃料のタイミング、供給量を細かく設 定することができる。ピエゾインジェクタ 61に代えて、ソレノイド'機械式プランジャなど 他型式の噴霧機構 60を採用してもよい。

[0035] 次に、本発明の 2サイクルエンジンに過給装置を搭載した実施形態を図 6A、図 6B に基づき説明する。この実施形態は同図に示すようにベアリング 46から外部に延び るクランク軸 43に過給装置としてのエアコンプレッサ 70を取付けたものである。ェアコ ンプレッサ 70はクランク軸 43の回転力で駆動される。図示例ではクランク軸 43に直 結している力必要に応じて歯車方式、ベルト方式ないし CVT方式の変速機を組み 合わせてもよい。エアコンプレッサ 70のエア出口はエアリザーバ 71に接続される。ェ ァリザーバ 71はリリーフ弁 72を備え、内部にエアコンプレッサ 70で得られた圧縮空 気を一定圧で貯留する。エアリザーバ 71は図 6Bに示すようにエア噴射弁 73を介し てキヤブレタ 31の吸気口に接続される。エア噴射弁 73はピストン 21の上下動の所定 のタイミングに合わせて瞬間的に開くようになつている。エア噴射弁 73が開くと燃料を 混合した混合ガスが掃気ガス貯留室 12に所定の高圧で充満する。これによりピストン 21の上下動の所定のタイミングで大気圧以上の圧力の混合ガスがシリンダ 11に導 入されて過給効果が得られる。本発明の 2サイクルエンジンはコンロッドが直線往復 動するためロングストローク化ないし高圧縮比化が容易であり、このため過給装置と 組み合わせることによりオクタン価が高、例えばバイオマス燃料 (メタノール、エタノー ル、メタンガスなど)の効率的燃焼が可能である。

[0036] 次に、クランク室と掃気ガス貯留室 12との間に配設されるシール機構の変形例を図 7A、図 7Bにより説明する。図 7A、図 7Bにおいて 80はシールホルダ、 81はシールス ライドカップ、 82はシールスライドヮッシャ、 83、 84は Oリング、 85はロッドシールリン グである。シールホルダ 80は、コンロッド 15が貫通するハウジング上に、コンロッドの 貫通孔を取り囲むようにボルト等で固定される。シールホルダ 80の内径部とコンロッド 15との間に隙間が形成される。シールホルダ 80の内部にシールスライドカップ 81と シールスライドヮッシャ 82が上下に配設される。シールスライドカップ 81とシールスラ イドヮッシャ 82との間に Oリング 83が収納される。

[0037] シールスライドカップ 81、シールスライドヮッシャ 82およびロッドシールリング 85は共 にテフロン製(「テフロン」は米国デュポン社の登録商標)で、その内径部がコンロッド 15の外周面と摺接する。シールスライドカップ 81とシールスライドヮッシャ 82はシー ルホルダ 80内で半径方向に独立して偏位可能とされる。ロッドシールリング 85は両 側縁が斜外方に傾斜した断面形で、その周方向の一部が開いた C字状リングを成す 。ロッドシールリング 85の外周面に Oリング 83が嵌められる。 Oリング 83はゴム製であ つて、ロッドシールリング 85の外周面を適度の締め付け力で押圧する。 Oリング 83と ロッドシールリング 85は、コンロッド 15の上下動に合わせてシールスライドカップ 81と シールスライドヮッシャ 82の間を僅かなストロークで上下動する。別の Oリング 84はシ ールホルダ 80とハウジングとの間にあってシールホルダ 80の取付面の気密性を維 持する。

[0038] クランク室と掃気ガス貯留室 12との間に以上のようにシールスライドカップ 81、 Oリ ング 83、シールスライドヮッシャ 82およびロッドシールリング 85を配設することにより、 内周太陽歯車 42と遊星歯車 45との間のバックラッシュ等に起因してコンロッド 15が 微小角度傾斜しつつ上下動する場合、シールスライドカップ 81、 Oリング 83、シール スライドヮッシャ 82およびロッドシールリング 85がコンロッド 15の傾斜や半径方向の 偏位に追従して移動するので良好なシール作用が維持される。このため、掃気ガス 貯留室 12の圧力が維持されると共に、クランク室力ゝらのオイルが掃気ガス貯留室 12 に侵入するのを防止する。

[0039] クランク室と掃気ガス貯留室 12との間に配設されるシール機構の別の変形例を図 7 Cにより説明する。この変形例は Oリング 83とロッドシールリング 85の組み合わせに代 えて、ロッドシールリング 86と止め輪 87を設けたものである。シールスライドカップ 81 とシールスライドヮッシャ 82は図 7A、図 7Bと同様である。ロッドシールリング 86はテフ ロン製または金属製であって、図 8A〜図 8Cに示す形状である。ロッドシールリング 8 6はその二つの開口端 86a、 86bを除く大半の部分が断面矩形を基本とし周方向の 一部が開いた C字状リングである。ただし、ロッドシールリング 86は自然状態で開口 端 86a、 86b同士が重なっている。

[0040] ロッドシールリング 86の外周面には平板リング状の止め輪 87が嵌合可能な浅い周 方向溝 88が形成される。ロッドシールリング 86の二つの開口端 86a、 86bの断面は、 互いに相補関係となる直角三角形に成形されている。すなわち、二つの開口端 86a 、 86bを重ねると図 7Cのように矩形断面となる。このような重ね合わせ構造としたのは 、リングの開、た部分におけるシール性低下を防止するためである。

[0041] ロッドシールリング 86はそれ自体の弾性復元力と止め輪 87の弹性的な縮径カによ り、二つの開口端 86a、 86bが互いに接近し重合しょうとする。このような縮径方向の 力によりロッドシールリング 86の内径面がコンロッド 15に密着する。ロッドシールリン グ 86によるシール機構を採用した場合、ロッドシールリング 86の面接触によりコンロッ ド 15の外周面に対するシール性が高い。したがって、掃気ガス貯留室 12とクランク室 との間のエア漏れ防止や油切りがより確実になる。

[0042] ロッドシールリング 86のさらに別の変形例を図 7Dに示す。この変形例は二つの開 口端 86a、 86bの断面形が図 7Cのものと異なり、外側の開口端 86bの方が内側の開 口端 86aよりも断面が大きくされている。このため、外側の開口端 86bの角部に平面 部 86c、 86d力形成され、一方の平面部 86cがコンロッド 15の周面に接する。他方の 平面部 86dはシールスライドヮッシャ 82に当接する。

[0043] クランク室と掃気ガス貯留室 12との間に配設されるシール機構のさらに別の変形例 を図 9Aにより説明する。この変形例はロッドシールリングを上下二段に配設したダブ ルリング型である。すなわち、下側に前述したロッドシールリング 86を配設し、上側に 反転タイプのロッドシールリング 89を配設する。ここで、「反転タイプ」というのは、ロッ ドシールリング 89の二つの開口端 89a、 89bの断面形力下側のロッドシールリング 8 6の二つの開口端 86a、 86bと上下反対となっていることをいう。それ以外は下側の口 ッドシールリング 86と同じである。なお、上側のロッドシールリング 89のためにシール スライドカップ 81が新たに 1つ追加される。図 9Aのシール機構は掃気ガス貯留室 12 力 の圧力とクランク室力の圧力の双方に対して良好なシール性を発揮する。すな わち、図 9Aで上側 (掃気ガス貯留室 12)からの圧力が高いほどロッドシールリング 89 の開口端 89bがその断面の傾斜面のテーパ作用で内径側に押圧される。また、下側 (クランク室)からの圧力が高いほどロッドシールリング 86の開口端 86aがその断面の 傾斜面のテーパ作用で内径側に押圧される。このため、上下双方の圧力に対して良 好なシール性を発揮する。

[0044] シール機構のさらに別の変形例を図 9Bにより説明する。この変形例は、図 7Dと同 様に、ロッドシールリング 86、 89の外側の開口端 86b、 89aの方が内側の開口端 86 a、 89bよりも断面が大きくされている。このため、外側の開口端 86b、 89aの角部に平 ®¾86c, 86d、 89c、 89d力 S形成される。そして一方の平面咅 86c、 89c力 S=fン Pッド、 15の周面に接する。他方の平面部 86d、 89dはシールスライドヮッシャ 82またはシー ルスライドカップ 81に当接する。

[0045] 図 7C〜図 9Bのシール機構の特徴を列挙すると以下の通りである。

1.弾性を有する矩形断面の C字状リング本体と、前記リング本体の両端部にあって 断面が直角三角形で互いに相補関係を成す二つの開口端とを有するロッドシールリ ングをロッドの外周面に摺動自在に装着してなるシール機構。

2.前記ロッドシールリングをロッドの外周面に複数段で摺動自在に装着してなるシー ル機構。

3.前記ロッドシールリングの外周面に止め輪を嵌合してなるシール機構。

4.前記ロッドシールリングをロッドの外周面に二段で摺動自在に装着してなるシール 機構であって、二段のロッドシールリングの一方の開口端が他方の開口端と当接する 傾斜面がロッドの半径方向外方に臨んで互いに開く方向に延在するシール機構。

5.弾性を有する矩形断面の C字状リング本体と、前記リング本体の両端部の二つの 開口端であって一方の開口端が他方の開口端よりも内径側に位置しその断面が直 角三角形を成し、他方の開口端の断面が前記直角三角形と相補関係を成し二つの 平面部を有するようにした前記二つの開口端とを有するロッドシールリングをロッドの 外周面に摺動自在に装着してなるシール機構。

[0046] 次に、本発明の他の実施形態に係る 2サイクルエンジンについて図 10A、図 10B に基づき説明する。この実施形態はいわゆるュニフロータイプと呼ばれるもので、シリ ンダ 11の下部の一部または周方向複数箇所に排気ポート 23を設け、シリンダ 11の 上部すなわちシリンダヘッド 25に掃気ポート 29を設けたものである。掃気ポート 29と 掃気ガス貯留室 12との間は連結パイプ 56で連結する。

[0047] 掃気ポート 29はバルブ 30によって開閉する。バルブ 30はばねの力で常時閉じる 方向に附勢される。このバルブ 30のステム 30a先端にカム 37の周面が当接する。力 ム 37の回転力は、図 10Bに示すように、クランク軸 43から第 1プーリ 38、タイミングべ ルト 39、第 2プーリ 40、カム軸 55を経由して伝達される。その他は図 5と同様である。

[0048] このように掃気ポート 29をシリンダヘッド 25に設けることにより、シリンダ 11内の排気 流れが上から下への一方向となり、掃気効率が格段に向上する。また、排気ポート 2 3はシリンダ 11の下部全周複数箇所に形成可能であるから、排気流路 22の排気抵 抗を極限まで低減することが可能である。さら〖こ、掃気ポート 29から吹き込む燃料と 空気の混合ガスの流れは、掃気ポート 29やバルブ 30の形状を変更することによって 、掃気効率が高、例えばスパイラル流などに最適化することができる。

[0049] 次に、図 11A、図 1 IBによりシリンダライナ 90について説明する。このシリンダライ ナ 90は図 1のシリンダ 11内周面に嵌合されるもので、シリンダライナ 90の内側にビス トン 21が挿入される。シリンダライナ 90には掃気ポート 91と排気ポート 92が形成され る。掃気ポート 91は図 11Aに示すようにシリンダライナの周方向 4等分位置の 3つの 位置を占める。各掃気ポート 91は左右一対のポート 9 la、 9 lbで構成され、左右のポ ート 91a、 91b間に縦方向に延びる補強リブ 93が形成される。

[0050] シリンダライナの周方向 4等分位置の残りひとつの位置に排気ポート 92が位置する o排気ポー卜 92も左右一対のポー卜 92a、 92bで構成され、左右のポー卜 92a、 92b間 に縦方向に延びる補強リブ 94が形成される。このように補強リブ 93、 94を左右のポ ート間に形成することにより掃気ポート 91と排気ポート 92の強度が高まる。特に排気 ポート 92は高温の排ガスに晒されるため補強リブ 94が重要な役割を果たす。

[0051] また、縦方向に延びる補強リブ 93、 94はピストン 21に装着されたピストンリング 28 ( 図 1、図 4、図 5参照)がピストン 21の上下動ストローク時に掃気ポート 91と気ポート 92に引っ掛力もずに両ポート 91、 92を円滑に通過できるようにする。

[0052] ここで、ピストンリング 28は通常は鋼製である力本発明の 2サイクルエンジンでは 榭脂製のものを採用する。榭脂製のピストンリング 28は自己潤滑性があり、燃料に潤 滑油を混入しな、オイルレスでも焼付き防止が可能である。このような榭脂材料として はテフロングラフアイトが好適であり、このテフロングラフアイトに亜鈴粒子を充填物と して混練することにより耐焼付き性がさらに向上する。ピストンリング 28はテフロン以 外の榭脂材料で構成することも可能であり、このような榭脂材料としては、例えば高圧 に耐え高!、摺動性能を有し耐磨耗性を有するポリイミド榭脂 (PI)、充填物を混合した ポリイミド榭脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、充填物を混合したポリエ 一テルエーテルケトン榭脂等を使用可能である。

[0053] 図 11A、図 1 IBのシリンダライナ 90は、図 10A、図 10Bのようにシリンダヘッド 25に 掃気ポート 29を有するタイプには適用できない。このようなュ-フロータイプの 2サイ クルエンジンには、シリンダライナ 90の掃気ポート 91を廃止して排気ポート 92のみと する。

[0054] 次に、本発明の実施形態に係る 2サイクルディーゼルエンジンを図 12に示す。この 2サイクルディーゼルエンジンは図 10Aから点火プラグ 26を除いたものであり、その 他は図 5ないし図 10Aと同様である。この 2サイクルディーゼルエンジンは本発明の口 ングストロークの特長を利用し、掃気ポート 29からシリンダ 11内に吸、込んだ空気を 高圧縮し、噴霧機構 60から噴射した燃料としての軽油を自己着火させる。

図面の簡単な説明

[0055] [図 1]本発明の一実施形態に係る 2サイクルエンジンを示す縦断正面図。

[図 2]クランク機構の構造を示す縦断側面図。

[図 3]クランク機構の概略図。

[図 4]本発明の他の実施形態に係る 2サイクルエンジンを示す縦断正面図。

[図 5]本発明の他の実施形態に係る 2サイクルエンジンを示す縦断正面図。

[図 6A]本発明の他の実施形態に係る 2サイクルエンジンを示す縦断正面図。

[図 6B]図 6Aの 2サイクルエンジンの縦断側面図。

[図 7A]掃気ガス貯留室のシール構造の断面図。

[図 7B]掃気ガス貯留室のシール構造の拡大断面図。

[図 7C]掃気ガス貯留室のシール構造の変形例の拡大断面図。

[図 7D]掃気ガス貯留室のシール構造の変形例の拡大断面図。

[図 8A]ロッドシールリングの斜視図

[図 8B]ロッドシールリングの重ね合わせた開口端の平面図。

[図 8C]ロッドシールリングの重ね合わせた開口端の側面図。

[図 9A]掃気ガス貯留室のシール構造の別の変形例の拡大断面図。

[図 9B]掃気ガス貯留室のシール構造の別の変形例の拡大断面図。

[図 10A]本発明の他の実施形態に係る 2サイクルエンジンを示す縦断正面図。

[図 10B]図 11Aの 2サイクルエンジンの縦断側面図。

[図 11A]シリンダライナの横断面図。

[図 11B]シリンダライナの縦断面図。

[図 12]本発明の実施形態に係る 2サイクルディーゼルエンジンを示す縦断正面図。

[図 13]従来の 2サイクルエンジンを示す図。

符号の説明

10A 2サイクノレエンジン

10B 2サイクルエンジン

10C 2サイクノレエンジン

11 シリンダ

12 掃気ガス貯留室

13 吸気部

14 蹄流路

15 コンロッド、

16 クランク機構

17 シーノレ部

21 ピストン

22 排気流路

23 排気ポート

愤 ポート シリンダヘッド 下部開口

連結部

底部

揷通孔

クランクケース 噴霧機構

ピエゾインジェクタ 制御部

エアコンプレッサ エアリザーバ

9 ロッドシールリング 止め輪