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1. WO2007000901 - SURFACE MODIFIED MEMBER, SURFACE TREATING METHOD AND SURFACE TREATING SYSTEM

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明 細書

表面改質された部材、表面処理方法および表面処理装置

技術分野

[0001] 本発明は、例えば、気相法により基材又は基板を表面加工処理 (微細加工及び薄 膜加工など)する装置 (半導体製造装置、液晶表示装置などの表示デバイスなど)の 構成部材を表面処理 (又は表面改質)し、長期間にわたり帯電を抑制できるとともに 高い親水性を維持し、塵芥などの付着を防止するのに有用な方法、この表面処理方 法(又は表面改質方法)により得られた処理部材 (又は改質された処理部材)及び表 面処理装置 (又は表面改質装置)に関する。

背景技術

[0002] 半導体、液晶表示デバイスなどの微細加工及び薄膜化技術では、基材又は基板 を気相表面処理、例えば、物理気相成長、化学気相成長、エッチング処理などに供 している。これらの気相表面処理装置では、加速又はイオン化されていてもよい粒子 (蒸着粒子などの有機又は無機飛散粒子)が浮遊しており、装置内面に付着し汚染 する。例えば、石英ガラスなどの透明部材で構成された観察窓(終点検出用センサ 窓、終点検出用窓など)を有するドライエッチング装置では、ドライエッチングに伴つ て観察窓に浮遊粒子の膜 (塩化アルミニウム膜、レジスト膜、フッ素膜など)が付着し 、終点確認が遅れオーバーエッチングされてしまうとともに、内部の観察を困難にす る。そのため、装置の観察窓(石英ガラス)を定期的に洗浄し、研磨して表面粗さ及 び透過率を再生し、再利用している。従って、観察窓(石英ガラス)が汚染される毎に 、高精度に洗浄し再生するメンテナンス作業が必要であり、生産性を大きく低減させ ている。また、塩素ガスなどのエッチングガスを、金属プレート(例えば、アルマイトカロ ェなどの表面加工されたアルミニウムプレートなど)に形成された多数の微細な孔 (例 えば、直径 300〜750 μ ΐηの孔)を通じてドライエッチング処理空間に導入し、基板( ガラス基板など)をエッチングすると、金属プレートの孔に金属とエッチングガスとの反 応生成物が堆積し、ついには孔を閉塞する。金属プレートの孔が閉塞すると、多数の 孔の堆積物を除去して再生するか又は新品の金属プレートに交換する必要がある。

そのため、メンテナンス作業を頻繁に行う必要があるとともに、基板の生産性を大きく 低下させる。

[0003] 特開平 6— 86960号公報(特許文献 1)には、被洗浄物を収容する洗浄タンクと、 洗浄液を収容する洗浄液タンクと、過熱水蒸気を溜めた蒸気タンクと、洗浄タンク及 び洗浄液タンクを加圧するための加圧ガス供給手段とを備え、洗浄タンク内で被洗 浄物を洗浄液に浸漬して洗浄した後、過熱水蒸気を被洗浄物に噴射してすすぐ洗 浄装置が開示されている。この文献では、過熱水蒸気のみを噴射した場合にはでき な力、つた課題 (油付着した精密機器部品のミクロンオーダーの異物を除去する洗浄) を解決できることが記載されている。特開 2004— 79595号公報(特許文献 2)には、 レジストを基板から除去するため、レジストを表面に有する基板を、レジストを完全に 除去しない程度に 1分未満のプラズマアツシングした後、水蒸気からなる洗浄ガスを 基板表面に噴射する基体洗浄方法が開示され、水蒸気として、飽和水蒸気、過熱水 蒸気が使用できることも記載されている。さらに、特開 2004— 346427号公報(特許 文献 3)には、処理空間に金属ワークを配設し、この処理空間を真空状態にした後、 高圧過熱水蒸気を処理空間に導入して前記金属ワークの表面に酸化被膜を形成す る表面処理方法が開示され、金属ワークの表面に FeO, Fe 2 O 3ではなぐ Fe 3〇 4の酸 化被膜を形成することにより金属ワークは平滑性 (潤滑性)、耐久性 (耐摩耗性及び 耐食性)に優れたものになることも記載されている。

[0004] しかし、被処理部材に対する汚染物質の付着防止、特に被処理部材に高レ、親水 性及び/又は帯電防止性を付与し、長期間にわたり汚染物質の付着を防止すること は知られていない。

特許文献 1 :特開平 6— 86960号公報 (特許請求の範囲)

特許文献 2 :特開 2004— 79595号公報 (特許請求の範囲、 [発明の効果]の欄) 特許文献 3:特開 2004— 346427号公報(特許請求の範囲、段落番号 [0021] [0046 ] )

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 従って、本発明の目的は、長期間にわたり部材への汚染物質の付着を防止できる

表面処理方法(又は表面改質方法)及びそのための装置、並びに表面処理された処 理部材 (又は改質された処理部材)を提供することにある。

[0006] 本発明の他の目的は、被処理部材の帯電防止性(除電性)及び/又は親水性を 向上できる表面処理方法(又は表面改質方法)及びそのための装置、並びに表面処 理された処理部材 (又は改質された処理部材)を提供することにある。

[0007] 本発明のさらに他の目的は、気相表面処理法で生成する成分 (粒子成分など)が 表面処理装置 (例えば、チャンバ一)内面に付着するのを長期間にわたり防止できる 表面処理方法(又は表面改質方法)及びそのための装置、並びに表面処理された処 理部材 (又は改質された処理部材)を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、半導体製造装置や液 晶デバイス製造装置、例えば、気相法を利用した表面処理装置 (物理気相成長装置 、化学気相成長装置、エッチング装置など)において、装置の処理空間と接触する部 材(内壁を構成する部材ゃ処理空間内に配設される部材など)に対して過熱水蒸気 を噴霧又は噴射して処理すると、表面処理された部材に高レ、親水性及び帯電防止 性 (又は除電性)が付与され、長期間にわたり汚染物質 (装置内の浮遊粒子など)の 付着を防止できること、このような処理により構成部材及び装置を長寿命化でき、メン テナンスの頻度を軽減できるとともに、プロセス内部での粒子の付着 ·堆積を抑制で き、デバイスの歩留まりを向上させ、大幅な生産コストの削減ができることを見いだし、 本発明を完成した。

[0009] すなわち、本発明の表面改質された処理部材 (又は表面処理された処理部材)は、 非帯電性 (又は除電性)が高いという特色がある。例えば、表面改質された処理部材 はアッシュテストにおいてタバコの灰の付着がなレ、。また、本発明の表面改質された 処理部材は、 X線光電子分光分析により分析したとき、未処理部材に比べて、改質さ れた表面での炭素原子濃度が低減し、酸素原子濃度が増大しているという特色があ る。さらに、処理部材は反応ガスなどの活性成分や付着成分に対して不活性であり、 表面改質により汚染物質の付着を有効に防止できる。

[0010] 例えば、エッチング速度 5nm/分で X線光電子分光分析により深さ方向に分析し たとき、処理部材 (例えば、セラミックス又はアルマイト)の表面において、炭素原子濃 度は、エッチング時間 0秒で 10〜50%、 15秒で7〜35%、 30秒で 5〜30%、又は 6 0秒で 3〜25%のいずれかであり、酸素原子濃度は、エッチング時間 0秒で 30〜60 、 15禾少で35〜620/0、 30禾少で 43〜630/0、又 fま 60禾少で 45〜650/0のレヽずれ力、であ る。

[0011] また、金属で構成された処理部材(シリコンなど)の表面において、 5nmZ分のエツ チング速度で X線光電子分光分析により深さ方向に分析したとき、酸素原子濃度が エッチング時間 0秒で 32〜45%、 15秒で 28〜42%、 30秒で 22〜36%、又は 60 秒で 13〜25%のいずれかである。

[0012] さらに、 5nm/分のエッチング速度で X線光電子分光分析により深さ方向に分析し たとき、未処理部材に比べて、処理部材 (例えば、セラミックス又はアルマイト)の表面 において、炭素原子濃度の低減率は、エッチング時間 0秒で 10〜80%、 15秒で 15 〜90%、 30秒で 20〜90%、又は 60秒で 20〜90%のいずれかであり、酸素原子濃 度の増加率は、エッチング時間 0秒で 15〜120%、 15秒で 10〜: 150%、 30秒で 7 〜130%、又は 60秒で 5〜: 125%のいずれかである。

[0013] 本発明の表面改質された処理部材 (又は表面処理された処理部材)は、親水性が 高いという特色を有する。例えば、温度 15〜25°C及び湿度 55〜70%RH (例えば、 温度 20°C及び相対湿度 60%RH)で測定したとき、表面処理された部材 (処理部材 )の水に対する接触角は 10〜: 100° 程度であってもよい。このような部材は、通常、 未処理部材に比べて水に対する接触角が 15〜 70° 低下している。

[0014] 表面改質された処理部材は、周期表 4族元素、 5族元素、 13族元素および 14族元 素から選択された少なくとも一種の元素(例えば、ケィ素及びアルミニウムから選択さ れた少なくとも一種の元素)で構成された酸化物セラミックス類、酸化処理された金属 類又は金属類である場合が多レ、。このような処理部材の代表的な例としては、シリカ 又はガラス、ァノレミナ、アルマイト加工されたアルミニウム、シリコン、およびアルミユウ ムから選択された少なくとも一種が例示できる。

[0015] 本発明の表面処理方法 (又は表面改質方法)は、被処理部材への汚染物質の付 着を防止するための方法であり、被処理部材を過熱水蒸気で処理する。この方法で

は、被処理部材を、 300〜: 1000°C (例えば、 350〜1000°C)の過熱水蒸気で処理 してもよい。被処理部材は、非酸化性雰囲気中で処理してもよい。前記被処理部材 は、例えば、気相法による表面処理装置 (気相法により基材を表面処理するための 装置 (チャンバ一など) )内の処理空間(雰囲気、減圧処理空間、浮遊又は飛翔粒子 を含む処理空間など)と接触可能な部材、例えば、表面処理装置の少なくとも内面を 構成する部材、又は前記表面処理装置内に配設される部材であってもよい。被処理 部材は、通常、セラミックス類、および金属類から選択された少なくとも一種である場 合が多い。被処理部材は、気相法で処理される基材又は基板;又は電極部材、保持 又は支持部材、ボート、カバー部材 ·シールド部材又はキャップ部材、絶縁部材、吸 排気路又は流路の構成部材、内壁又は内装部材、プレート類、および連結又は固 定部材から選択された少なくとも一種であってもよい。さらに、被処理部材は、例えば 、気相表面処理装置内を観察するための窓部材、エッチングガスが通過可能な孔を 有する部材などであってもよい。被処理部材は、周期表 4族元素、 5族元素、 13族元 素および 14族元素から選択された少なくとも一種の元素(例えば、ケィ素及びアルミ ニゥムから選択された少なくとも一種の元素)で構成された酸化物セラミックス類、酸 化処理された金属類又は金属類である場合が多レ、。このような被処理部材の代表的 な例としては、シリカ又はガラス、アルミナ、アルマイト加工されたアルミニウム、シリコ ン、およびアルミニウムから選択された少なくとも一種が例示できる。気相法としては、 例えば、物理気相成長、化学気相成長、イオンビームミキシング法、エッチング法、 不純物ドープ法などが挙げられる。表面処理において、過熱水蒸気の使用量(噴霧 又は噴射量)は、被処理部材の種類に応じて、例えば、被処理部材の表面積 lm2に 対して過熱水蒸気の蒸気量 (又は流量) 100gZh〜 100kg/h程度であつてもよい このような方法では、被処理部材を過熱水蒸気で処理し、気相法による表面処理 工程で生成する粒子が被処理部材に付着するのを防止できる。さらに、この方法で は、過熱水蒸気で処理して被処理部材の親水性及び/又は帯電防止性を向上させ ることもでき、被処理部材を反応成分や付着成分に対して不活性化することもでき、 気相法による表面処理工程で生成する粒子が被処理部材に付着するのを防止でき る。

[0016] 本発明は、前記表面処理方法で表面処理された処理部材 (例えば、前記表面改質 された処理部材)も包含する。

[0017] さらに本発明は、被処理部材への汚染物質の付着を防止するための部材を製造 する装置であって、過熱水蒸気を発生させるためのユニットと、このユニットからの過 熱水蒸気を被処理部材に噴霧又は接触させるためのユニット(又はチャンバ一)とを 備えている表面処理装置も包含する。この装置は、被処理部材の帯電防止性及び /又は親水性を向上させるための装置と言うこともできる。

発明の効果

[0018] 本発明では、被処理部材を過熱水蒸気で表面処理するため、長期間にわたり部材 への汚染物質の付着を防止できる。また、被処理部材の帯電防止性及び/又は親 水性を向上できる。さらに、気相表面処理法で生成する成分 (粒子成分などの汚染 物質)が表面処理装置 (例えば、チャンバ一)内面に付着するのを長期間にわたり防 止できる。そのため、装置の構成部材及び装置自体を長寿命化でき、メンテナンスの 頻度を軽減できる。さらに、汚染物質の付着を防止できるため、表面処理プロセス内 部での粒子の付着 ·堆積を抑制でき、デバイスの歩留まりを向上させることができる。 従って、大幅な生産コストの削減が可能である。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1]図 1は本発明の表面処理装置を説明するための装置概略図である。

[図 2]図 2は実施例 5で得られた結果を示すグラフである。

[図 3]図 3は実施例 9 (アルミナ)での炭素原子濃度とエッチング時間との関係を示す グラフである。

[図 4]図 4は実施例 9 (アルミナ)での酸素原子濃度とエッチング時間との関係を示す グラフである。

[図 5]図 5は実施例 10 (石英ガラス)での炭素原子濃度とエッチング時間との関係を 示すグラフである。

[図 6]図 6は実施例 10 (石英ガラス)での酸素原子濃度とエッチング時間との関係を 示すグラフである。

[図 7]図 7は実施例 11 (アルマイト加工されたアルミニウム)での炭素原子濃度とエツ チング時間との関係を示すグラフである。

[図 8]図 8は実施例 11 (アルマイト加工されたアルミニウム)での酸素原子濃度とエツ チング時間との関係を示すグラフである。

[図 9]図 9は実施例 12 (シリコン)での酸素原子濃度とエッチング時間との関係を示す グラフである。

発明の詳細な説明

[0020] 以下に、添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。

[0021] 図 1は本発明の装置の一例を示す概略図である。この例では、表面処理装置は、 水を加熱して水蒸気 (飽和水蒸気)を生成させるための水蒸気発生ユニット 1と、この ユニットからの水蒸気を過熱して過熱水蒸気を発生させるための過熱ユニット 5と、こ の過熱ユニットからの過熱水蒸気を、非酸化性雰囲気中、被処理部材 14と接触させ て処理するための処理ユニット 11とを備えている。また、各ユニット 1, 5, 11間は供 給ラインで接続されており、水蒸気発生ユニット 1と過熱ユニット 5との間は水蒸気供 給ライン 4を構成し、過熱ユニット 5と処理ユニット 11との間は過熱水蒸気供給ライン 1 0を構成している。なお、この例では、ドライエッチング装置の窓部材を構成する石英 ガラス板を被処理部材として用いている。また、処理ユニット 11は、周囲に断熱材が 配された石英るつぼで構成されてレ、る。

[0022] 前記水蒸気発生ユニット 1には、水を供給するための水供給ライン 2が接続されて レ、るとともに、供給された水を加熱するための加熱源(ヒータなど)を備えている。図に 示す例では、ヒータを加熱するため、電源に接続するためのコード 3が示されている。 加熱源は、ヒーターなどの電気による加熱源であってもよぐボイラーなどのように燃 焼熱を加熱源としてもょレヽ。

[0023] 過熱ユニット 5では、水蒸気供給ライン 4からの水蒸気 (飽和水蒸気)を過熱ゾーン 6 において、高周波の作用により飽和水蒸気を過熱するための過熱手段(高周波加熱 手段) 7と、過熱水蒸気の温度を検出するための検出手段(温度センサなど) 8と、こ の検出手段からの検出信号に基づいて、過熱手段(高周波加熱手段) 7による過熱 及び/又は冷却水供給ライン 9からの冷却水の水量をコントロールしている。

[0024] 処理ユニット 11では、過熱ユニット 5に接続された過熱水蒸気供給ライン 10からの 過熱水蒸気をノズル 12により被処理部材 14に噴霧又は噴射し、被処理部材 14を処 理している。また、被処理部材 14の両面を処理するため、被処理部材 14は、耐熱性 網状体(この例では、ステンレススチール製金網) 13で支持されている。さらに、処理 ユニット 11には、流量が調整可能であってもよレ、排出ライン 15が接続されてレ、る。

[0025] このような装置では、被処理部材 (石英ガラスなど) 14を過熱水蒸気で処理すること により、ドライエッチング装置の窓部材として用いた被処理部材 14への汚染物質の 付着を有効に防止できる。その原因は明確ではないが、実験の結果、上記の過熱水 蒸気による処理により、被処理部材 (石英ガラスなど) 14の帯電性が大きく低下し除 電性が向上しているとともに、被処理部材 (石英ガラスなど) 14の表面が親水性とな つていた。被処理部材 14への汚染物質の付着が防止されていたのは、これらの要因 によるものと思われる。このような装置は、帯電防止性(除電性)及び/又は親水性を 向上させるための装置と言うこともできる。そして、被処理部材を備えた装置 (エッチ ング装置など)において、汚染物質の付着を長期間にわたり防止できるとともに、汚 染物質が付着したとしても簡単な清浄化操作 (拭き取り、洗浄などの操作)により容易 に清浄化でき、装置の長寿命化を実現できる。また、ドライエッチング装置のメンテナ ンスの頻度を大幅に低減できるとともに、ドライエッチングプロセス内部での粒子の生 成を抑制でき、エッチング処理基板の歩留まりを向上させ、大幅な生産コストの削減 が可能である。

[0026] なお、上記装置において、水供給ラインからは精製水又は純水を供給してもよく水 道水を供給してもよい。また、水蒸気発生ユニットとの接続などにより過熱ユニットに 水蒸気を供給可能である限り、水蒸気発生ユニットは本発明の装置を構成しなくても よい。被処理部材の処理においては、過熱水蒸気は必ずしも噴霧又は噴射する必 要はなぐ過熱水蒸気を被処理部材に接触させればよい。また、水蒸気を過熱する ための手段は、高周波に限らず、種々の過熱手段、例えば、電磁波(マイクロ波)、バ 一ナーゃ電気ヒータなどの加熱手段などが利用できる。過熱水蒸気を効率よく生成 し、かつ精度よく温度コントロールするためには、通常、誘導加熱方式が利用される。 さらに、過熱ユニットにおいて、過熱水蒸気の温度コントロールは必ずしも必要では なぐ過熱手段により生成した過熱水蒸気をそのまま処理ユニットに供給してもよい。 また、処理ユニットは、耐熱性部材で構成でき、通常、断熱されている。被処理部材 の保持形態は、被処理面又は被処理部が露出している限り、特に制限されず、例え ば、被処理部材は脚部材で支持してもよくアームなどの保持手段で保持又は把持し てもよい。

[0027] 本発明において、被処理部材としては、汚染物質 (オイル、液状調味料 (醤油など) 、コーヒーなどの液状汚染成分、塵芥、飛翔粒子などの粒子状汚染成分、タレヨン、 絵の具などの固形汚染成分など)の付着防止が必要な種々の部材が使用でき、その 種類は特に制限されない。液状汚染成分と接触可能な被処理部材としては、例えば 、カップ、皿、グラスなどの食器類又は容器類、調理鍋などの鍋類、フライパン類、テ 一ブル、椅子などの家具類、配管類、塗工装置又はその部材、貯蔵タンク又は貯留 槽、液相での処理装置などが例示できる。粒子状汚染成分又は固形汚染成分と接 触可能な被処理部材としては、例えば、搬送路を構成するシュートやホッパー、貯留 槽、気相での処理装置内の部材などが例示できる。さらに、種々の汚染成分により汚 染される部材、例えば、外装又は内装部材(窓ガラス、タイルやほうろう系建材、調理 テーブルなどの建造物の構成部材;車体、フロントガラス、窓ガラス、ミラー、ランプ保 護カバー部材などの自動車などのべヒクルの構成部材など)、フェンス(高速道路の 防音フェンスなどの道路フェンスなど)、保護カバー部材(トンネル、家屋などの照明 ユニットやハロゲンランプなどの光源の保護カバー;時計、カメラなどの精密機器の保 護カバー部材;テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの映像又は画像表示 装置のフロントパネルなどのディスプレー保護カバー部材;太陽電池の保護カバー 部材;信号灯の保護カバー部材など)などに適用することもできる。さらには、クリーン ルーム内の部材(内壁部材、床材、クリーンルーム内の装置のケーシング部材又は 外装部材など)、成形用金型 (射出成形用金型など)、光学部材 (ピックアップレンズ を含むレンズ類、プリズム、反射板又はミラーなど)、画像形成装置や音響装置の構 成部材 (プリンタヘッド、磁気ヘッドなどのヘッド、トナーを被転写体に転写するため の転写ロールなど)、電子機器又は電気通信機器の構成部材 (CD, DVDなどの記 録媒体、データの記録又は読み取り部材など)にも有効に適用できる。

[0028] 本発明は、長期間にわたり汚染物質の付着を防止できる。また、汚染物質が付着し たとしても簡単な操作 (拭き取り操作などの清浄化操作)で清浄化できる。そのため、 液相又は気相において、汚染物質が沈着又は付着する被処理部材に好適に適用さ れる。このような被処理部材は、水槽、水族館のガラス、プラントののぞき窓用透明部 材 (ガラスなど)などの液相に適用する部材 (又は液相が適用又は液相により基材又 は基板を表面処理するための装置など)であってもよい。被処理部材は、気相法によ り基材又は基板を表面処理するための装置(又はチャンバ一)の処理空間(または、 減圧処理空間又は雰囲気、浮遊又は飛翔粒子を含む処理空間又は雰囲気)と接触 可能な部材、例えば、前記表面処理装置の構成部材(特に、少なくとも内面を構成 する部材、又は前記表面処理装置内に配設される部材)であるのが好ましい。

[0029] 気相法による表面処理には、物理気相成長(physical vapor deposition, PVD)、化 学気相成長(chemical vapor exposition, CVD)、イオンビームミキシング、エッチング 、不純物ドープなどが含まれる。なお、これらの気相法による表面処理では、薄膜の 種類、加工方法などに応じて、セラミックス類、金属類、金属化合物、有機金属化合 物、有機物(フッ素樹脂、ポリイミド樹脂など)などの成分の他、酸素、窒素、アルゴン ガスなどの気体成分が利用できる。例えば、電極又は配線膜、抵抗膜、誘電体膜、 絶縁膜、磁性膜、導電膜、超伝導膜、半導体膜、保護膜、耐摩耗性コーティング膜、 高硬度膜、耐食膜、耐熱膜、装飾膜などを形成する成分などが利用できる。

[0030] 物理気相成長には、蒸着 (又は真空蒸着)、例えば、抵抗加熱、フラッシュ蒸発、ァ ーク蒸発、レーザ加熱、高周波加熱、電子ビーム加熱などの加熱手段による蒸着;ィ オンプレーティング(高周波、直流法、中空陰極放電 (HCD)などのイオン化法を利 用した方法、例えば、中空陰極放電(HCD)法、エレクトロン法、ビーム RF法、アーク 放電法など);スパッタリング(直流放電、 RF放電などを利用したスパッタリング、例え ば、グロ一放電スパッタリング、イオンビームスパッタリング、マグネトロンスパッタリング など);分子線エピタキシー法などが含まれる。スパッタリングには、反応ガス、例えば 、酸素源 (酸素など)、窒素源 (窒素、アンモニアなど)、炭素源 (メタン、エチレンなど )、硫黄源 (硫化水素など)などを用レ、てもよぐこれらの反応ガスは、アルゴンなどの 希ガスや水素などのスパッタリングガスと併用してもよい。

[0031] 化学気相成長としては、熱 CVD法、プラズマ CVD法、 MOCVD法(有機金属気相

成長法)、光 CVD法 (紫外線やレーザ光などの光線を用いる CVD法)、化学反応を 利用した CVD法などが例示できる。

[0032] エッチングには、ドライエッチング、例えば、プラズマエッチング、反応性イオンエツ チング、マイクロ波エッチングなどの気相エッチングが含まれる。ドライエッチングでの エッチングガス(反応性ガス)は、基材又は基板の種類に応じて、フッ素含有ガス(テ トラフルォロメタン、へキサフルォロェタン、トリフルォロメタン、 BF 3、 NF 3、 SiF 4、 SF 6 など)、塩素含有ガス (塩素、塩化水素、四塩化炭素、ジクロロジフルォロメタン、トリク ロロフノレォロメタン、 BC1 3、 PCI 3、 SiCl 4など)などであってもよぐ添加ガス(ヘリウム、 ネオン、アルゴン、水素、窒素、酸素などの単体ガス、メタン、ェタン、アンモニアなど の化合物ガスなど)を併用してもよい。エッチングガスは処理空間に供給すればよぐ 反応性エッチングのように電極間に供給してもよい。不純物ドープには、気相熱拡散 法、イオン打ち込み法 (イオン注入)、プラズマドーピング法などが含まれ、不純物源 は、ヒ素化合物 (AsH 3など)、ホウ素化合物(B 2 H 6、 BC13など)、リン化合物(PH 3な ど)などであってもよい。また、気相法による表面処理は、レーザや荷電ビームによる 表面溶融法も含む。

[0033] このような気相法を利用した基材又は基板の表面処理 (又は表面改質処理)として は、半導体製造装置、液晶表示装置、光学装置又は部品(CCD、シャドウマスクなど )、センサ(温度センサ、歪みセンサなど)などでの表面処理 (微細加工及び/又は薄 膜加工)、機能膜の形成処理 (磁気テープ、磁気ヘッドなどでの磁性膜形成処理、光 学膜の形成処理、導電膜の形成処理、絶縁膜の形成処理、磁気センサなどでのセ ンサの被膜形成処理など)、コーティング処理(自動車部品、工具又は精密機械部品 、光学部品、雑貨などでのコーティング、例えば、反射膜、耐熱コーティング膜、耐食 コーティング膜、耐摩耗コーティング膜、装飾膜などの機能膜の形成処理)などが例 示できる。好ましい表面処理は、微細加工及び Z又は薄膜加工処理である。

[0034] このような気相法で処理される基材又は基板は、表面処理の種類に応じて、例えば 、金属(アルミニウム、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムなど)、ダイヤモンド、セラミック ス [金属酸化物(ガラス、石英又はシリカ、アルミナ、サファイアなど)、金属ケィ化物( 炭化ケィ素、窒化ケィ素、シリサイドなど)、金属窒化物(窒化ホウ素、窒化アルミニゥ

ムなど)、ホウ化物(ホウ化チタンなど)など]、プラスチック又は樹脂類(フィルム又は シート状成型品、ケーシング、ハウジングなどの成型品など)などの種々の材料が使 用できる。

[0035] このような気相法による表面処理 (気相表面処理)では、加速又はイオン化されてレ、 るか否かに拘わらず、蒸着粒子、スパッタ粒子などの飛散粒子又は飛翔粒子の基材 又は基板に対する付着を利用している。そのため、気相表面処理装置の内面(又は 内壁)にも飛散又は飛翔粒子が付着又は沈着し、堆積して汚染する場合がある。こ のような場合、表面処理装置自体及びその構成部材を頻繁にメンテナンスして清浄 化する必要があるとともに、継続して装置を作動させると、内面に付着した成分が表 面処理プロセス内で粒子化し、表面処理した基材又は基板を汚染するおそれがある

。そのため、歩留まりが低下するとともに、生産コストが高くなる。

[0036] これに対して、チャンバ一などの前記表面処理装置の構成部材 (特に表面処理装 置内の処理空間と接触する部材、例えば、少なくとも内面又は内壁を構成する部材、 又は前記表面処理装置内に配設される部材)として過熱水蒸気で処理した部材を用 いると、飛散又は飛翔粒子を含む種々の汚染物質の付着、特に気相法による表面 処理工程で生成する粒子の付着を有効に防止できる。このような部材としては、表面 処理装置内に配設される種々の部材、例えば、前記気相法で処理 (例えば、前記微 細加工及び/又は薄膜カ卩ェ処理)される基材又は基板、電極部材 (エッチング装置 において、エッチングガス又は生成粒子と接触する前記電極部材など)、保持又は支 持部材 (被処理基材又は基板の保持部材、電極保持部材、ターゲット保持部材、サ セプター、支柱など)、ボート、カバー部材 'シールド部材又はキャップ部材 (インナー シールドカバー、固定ブロックカバー、ネジキャップ、支柱ブロックキャップなど)、絶 縁部材、吸排気路又は流路の構成部材 (バッフル部材、デフユーザーなど)、内壁又 は内装部材(内壁板などの内壁材、コーナー部材、内壁ゲート部材、内壁筒部材、 観察窓部材、例えば、気相法による処理検出ユニット(終点検出ユニットなど)のセン サ窓、コーナーフレームなどのフレーム類など)、プレート類(フェースプレート、ポン ピングプレート、ブロッカープレート、クーリングプレートなど)、連結又は固定部材(固 定ブロック、ボルト'ナットなどのネジ類、カップリング類、フランジ類、ジョイント類、リン グ類(クランプリング、セットリング、アースリング、インナーリングなど)、チューブ類な ど)などが例示できる。

[0037] 好ましい被処理部材は、通常、無機物質 (セラミックス類、金属類など)で構成され ている場合が多ぐ例えば、気相表面処理装置(チャンバ一)内を観察するための窓 部材 (ガラス、石英ガラスなどの透光性部材)、エッチングガス又は生成粒子と接触す る部材 (例えば、塩素ガスなどのエッチングガスが通過可能な孔を有する部材、例え ば、ドライエッチング装置の上部電極及び/又は下部電極)などを含む。

[0038] 前記被処理部材 (例えば、表面処理装置の構成部材、微細加工及び/又は薄膜 加工処理される基材又は基板など)は、少なくとも被処理面又は被処理部が無機材 料又は無機物質で構成されている。無機物質の被処理部材は、種々の元素、例え ば、周期表 4族元素(チタン、ジノレコニゥムなど)、 5族元素 (バナジウム、ニオブ、タン タルなど)、 6族元素(クロム、モリブデン、タングステンなど)、 7族元素(マンガンなど) 、 9族元素(コバルト、ロジウムなど)、 10族元素(ニッケル、パラジウム、白金など)、 1 1族元素 (銅、銀、金など)、 13族元素(ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムな ど)、 14族元素 (炭素、ケィ素、ゲルマニウムなど)などで構成できる。無機物質は、周 期表 15族元素(チッ素、リンなど)、 16族元素(酸素など)、 17族元素(フッ素などの ハロゲン)などを含んでいてもよい。無機物質の被処理部材は、通常、周期表 4族元 素(チタン、ジノレコニゥムなど)、 5族元素、 13族元素(アルミニウムなど)、 14族元素( ケィ素、ゲルマニウムなど)などの元素(特に、ケィ素及びアルミニウムから選択された 少なくとも一種の元素)で構成されてレ、る場合が多レ、。

[0039] 前記被処理部材としては、例えば、セラミックス類 [金属酸化物(ガラス類、石英又 はシリカ、アルミナ又は酸化アルミニウム、シリカ'ァノレミナ、サファイア、ジルコユア、 チタニア又は酸化チタン、ムライト、ベリリアなどの酸化物セラミックス類)、金属ケィ化 物 (炭化ケィ素、窒化ケィ素などのケィ化物セラミックス類)、金属窒化物(窒化ホウ素 、窒化炭素、窒化アルミニウム、窒化チタンなどの窒化物セラミックス類)、ホウ化物( 炭化ホウ素、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウムなどのホウ化物セラミックス類)、金属 炭化物 (炭化ケィ素、炭化チタン、炭化タングステンなどの炭化物セラミックス類)、ほ うろうなど]、金属類(単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリ コン、チタン、ァノレミニゥム、ゲルマニウムなどの金属単体;鉄系合金 (ステンレススチ ールなど)、チタン合金、ニッケル合金、アルミニウム合金などの合金など)、炭素材、 ダイヤモンドなどから選択された少なくとも一種で構成された部材が挙げられる。

[0040] さらに、上記部材は表面加工又は処理(例えば、酸化処理、窒化処理、ホウ化処理 など)されていてもよレ、。例えば、アルミニウム又はその合金などの金属部材では、ァ ルマイト加工(硫酸アルマイト、シユウ酸アルマイト、クロム酸アルマイト、リン酸アルマ イトなど)などの表面加工(陽極酸化処理など)又は酸化処理が施されていてもよい。 アルマイト加工されたアルミニウム又はその合金は、通常、封孔処理されている場合 が多い。これらの部材は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、被処 理部材は、導電性部材ゃ半導電性部材であってもよぐ電気絶縁性又は非導電性 部材であってもよレ、。また、被処理部材は、疎水性部材であってもよく親水性部材で あってもよレ、。さらに、被処理部材は、不透明、半透明又は透明部材であってもよい。

[0041] 被処理部材は、通常、気相法による製膜又は表面処理装置内の処理空間と接触 する構成する部材 (チャンバの構成部材など)、例えば、セラミックス類 (石英ガラスな どのシリカ又はガラス類、アルミナなどの酸化物セラミックス類など)、金属類(シリコン 、アルミニウムなどの金属、アルミニウム合金などの合金など)、酸化処理された金属 類(アルマイト加工されたアルミニウム又はその合金など)である場合が多い。

[0042] 過熱水蒸気としては、通常、 200°Cを超える水蒸気 (飽和水蒸気)、特に 300°C以 上 (例えば、 300〜1200°C)程度の過熱水蒸気が使用できる。過熱水蒸気は、通常 、 300。C以上(例えば、 300〜: 1000。C)、好ましぐは 330〜: 1000。C (例えば、 350〜 1000oC)、さら ίこ好ましく ίま 370〜900oC (f列免 ίま、 380〜800oC)、特 ίこ 400〜750 °C (例えば、 450〜700°C)程度の過熱飽和水蒸気が利用される。このような過熱水 蒸気は、慣用の方法、例えば、飽和水蒸気を生成するためのボイラーなどの水蒸気 発生ユニットと、この水蒸気発生ユニットからの水蒸気を高周波誘導加熱などの過熱 手段により所定温度に過熱するための過熱ユニットとを備えた過熱水蒸気発生装置 を用いて生成できる。この過熱水蒸気発生装置の過熱ユニットからの過熱水蒸気を、 噴霧又は噴射などにより被処理部材 (処理ユニット内に収容又は保持された被処理 部材)に接触させることにより被処理部材を表面処理することができる。なお、表面処

理においては、マスキングなどの手段を利用して、被処理部材の所定の部位だけを 処理することちできる。

[0043] 過熱水蒸気による処理量は、被処理部材の種類などに応じて、被処理部材の表面 積 lm2に対して過熱水蒸気の蒸気量 (又は流量) 50g〜200kgZh (例えば、 150g 〜150kgZh)程度の範囲から選択でき、例えば、被処理部材の表面積 lm2に対し て過熱水蒸気の蒸気量(又は流量) 100g〜100kgZh、好ましくは 250g〜80kgZ h、さらに好ましくは 500g〜60kg/h (f列えば、:!〜 50kg/h)程度であり、 5〜45kg /h (例えば、 10〜40kg/h)程度であってもよぐ通常、 10〜: 100kg/h程度である

[0044] 過熱水蒸気による処理時間は、被処理部材の種類に応じて、例えば、 10秒〜 6時 間程度の範囲から選択でき、通常、 1分〜 2. 5時間(例えば、 2〜120分)、好ましく は 5分〜 2時間(例えば、 10分〜 90分)、さらに好ましくは 10分〜 1. 5時間(例えば、 15〜60分)程度であってもよレヽ。処理時間は、 20秒〜 50分、好ましくは 30秒〜 45 分 (例えば、 45秒〜 40分)、さらに好ましくは 1〜40分(例えば、 5〜30分)程度であ つてもよい。

[0045] 被処理部材の処理は、酸素又は酸素含有雰囲気中(例えば、空気中など)で行つ てもよいが、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの非酸化性雰囲気(又は不活 十生ガス)中で行うこともできる。

[0046] このような方法により、被処理部材に対する汚染物質の付着を有効に防止すること ができる。また、被処理部材の親水性及び/又は帯電防止性 (除電性)を向上させる ことができる。過熱水蒸気で処理した処理部材 (例えば、石英ガラスなどの電気絶縁 性部材)の表面電位は、例えば、温度 20°C及び湿度 40%RHの条件下、 JIS L- 1 094に規定する方法に従って、処理プレートを所定の速度(90cmZ分)で走查しつ つ帯電電位を測定すると、走查時間 0〜: 120秒において、 0〜土 75V、好ましくは 0 〜土 70V、さらに好ましくは 0〜± 60V、特に 0〜土 50V程度である。より具体的には 、過熱水蒸気で処理した処理部材は、走查時間 0秒で 0〜土 30V (例えば、 0〜± 2 5V、好ましくは 0〜土 20V)、 30秒で 0〜土 50V (例えば、 0〜土 40V、好ましくは 0 〜土 30V)、 60秒で 0〜土 70V (例えば、 0〜± 60V、好まし <は 0〜土 50V)、 90秒 で 0〜土 75V (例えば、 0〜土 70V、好ましくは 0〜土 60V)、 120秒で 0〜土 75V (例 えば、 0〜土 70V、好ましくは 0〜土 60V)程度である。

[0047] 過熱水蒸気で処理された被処理部材(改質された処理部材)は、温度 20°C及び湿 度 40%RHの条件下、容器 (シャーレなど)内に収容されたタバコの灰に l cmの距離 で近づけるアッシュテストにおいて、タバコの灰の付着がなぐ非帯電性又は除電性 が高い。このアッシュテストでは、処理部材 (試料)を乾燥した布帛(綿布帛)で 10秒 間擦った後、試験に供してもよぐ乾燥した布帛 (綿布帛)で擦ることなぐ試験に供し てもよく、いずれの場合でも非帯電性又は除電性が高い。

[0048] さらに、例えば、被処理部材 (例えば、石英ガラスなどの電気絶縁性部材)につレ、て 温度 500°Cの過熱水蒸気を蒸気量 (又は流量) 5kg/hで 10〜20分程度噴霧又は 噴射し、得られた処理部材 (表面改質された処理部材)を気相法による表面処理装 置内に配設すると、この表面処理装置内で基板などを微細加ェ又は薄膜加ェしても 、前記処理部材の表面電位が上昇することがなレ、。より具体的には、ドライエッチング 装置又はプラズマエッチング装置などの表面処理装置(又は真空チャンバ一)内で 複数の基板を繰り返し、微細加工又は薄膜加工した後、表面処理装置から前記処理 部材を外して表面電位を測定すると、温度 15〜25°C (例えば、 20°C)、湿度 55〜7 0%RH (例えば、 60%RH)で測定したとき、電気絶縁性部材 (例えば、石英ガラス) の表面電位は、例えば、 3〜 + 2kV (例えば、—2. 7〜 + 1 · 5kV、好ましくは一 2 . 5〜 + lkV、さらに好ましくは 2. 3〜+ 0. 7kV)程度であってもよレ、。なお、電気 絶縁性部材の種類によっては、過熱水蒸気での処理により、電気絶縁性部材の表面 電位は、正(プラス)であってもよく負(マイナス)であってもよレヽ。

[0049] また、過熱水蒸気で処理された被処理部材は高レ、親水性が付与されており、例え ば、過熱水蒸気による処理前の被処理部材に比べて、過熱水蒸気で処理された被 処理部材の水に対する接触角を大きく低減できる。温度 15〜25°C (例えば、 20°C) 、湿度 55〜70%RH (例えば、 60%RH)で測定したとき、過熱水蒸気で処理された 処理部材の水に対する接触角 X 2は、被処理部材の種類に応じて、例えば、 10〜10

0。、好ましくは 15〜95。、さらに好ましくは 20〜90° (列えば、 30〜85° )程度で あり、 40〜97° 程度であってもよレ、。より具体的には、酸化物セラミックス類又は酸 化処理された金属類では、水に対する接触角が、例えば、 30〜: 100° 、好ましくは 3 5〜95。、さらに好ましくは 40〜95° 程度であり、ァノレミナでは 30〜60。(f列えば、 35〜55° 、好ましくは 40〜50° )、石英では 80〜: 105° (f列免ば、 85〜: 100° 、さ らに好ましくは 90〜: 100° )、アルマイト加工及び封孔処理されたアルミニウムでは 3 0〜80。(ί列え ίΐ、 35〜70° 、好ましく fま 40〜60° )程度であってもよレヽ。また、シリ コンなどの金属では、 10〜25° 、好ましくは 10〜23° 、さらに好ましくは 10〜20° 程度であってもよい。

[0050] なお、過熱水蒸気で処理しなレ、場合、被処理部材の水に対する接触角は、アルミ ナでは 70〜80° 、石英では 110〜120° 、アルマイト加工及び封孔処理されたァ ノレミニゥムでは 100〜110° 程度であり、シリコンでは 40〜50° である。すなわち、 過熱水蒸気処理された処理部材は、未処理部材に比べて水に対する接触角が低下 してレ、る。より詳細には、処理前の被処理部材の水に対する接触角を X 1、過熱水蒸 気で処理された被処理部材の水に対する接触角を X 2とすると、温度 15〜25°C (例 えば、 20°C)、湿度 55〜70%RH (例えば、 60%RH)において、 Δ (Χ 1—X 2 ) = 15

〜70° 、好ましくは 18〜65° 、さらに好ましくは 20〜60° (列えば、 25〜55° )程 度であってもよレ、。しかも、このような親水性は長時間持続する。例えば、過酸化水素 水中で超音波を 3時間照射しても水に対する接触角が 5〜40% (好ましくは 10〜35 %)程度しか低下しなレ、。より具体的には、石英ガラスについて温度 500°Cの過熱水 蒸気を蒸気量 (又は流量) 5kg/hで 10〜20分程度噴霧又は噴射すると、温度 20 °C及び相対湿度 60%RHで、水に対する接触角を、例えば、 85〜: 100° 程度にで き、得られた石英ガラスを過酸化水素水中で超音波を 3時間照射しても水に対する 接触角が 60〜70° 程度にしか低下しない。なお、過熱水蒸気で処理する前の石英 ガラスを過酸化水素水中で超音波を 3時間照射処理すると、水に対する接触角が 10 〜20° 程度に低下する。

[0051] さらに、過熱水蒸気で処理することにより、被処理部材が不活性化され、反応成分( 反応性ガスなど)との反応性や汚染物質との親和性が低下しているようである。また、 X線光電子分光分析 (XPS)で分析すると、過熱水蒸気で処理することにより、被処 理部材の表面では炭素原子濃度が低減し、酸素原子濃度が増大してレ、る。

[0052] X線光電子分光分析により深さ方向に分析したとき、過熱水蒸気で処理した処理部 材 (又は表面改質された処理部材)は、未処理部材に比べて、炭素原子濃度 (原子 %)が低減し、酸素原子濃度 (原子%)が増大している。 X線光電子分光分析 (装置 名「ESCA3300」、(株)島津製作所製)により深さ方向に分析したとき、過熱水蒸気 で処理した処理部材 (又は表面改質された処理部材)において、炭素原子濃度と、 エッチング時間(エッチング速度 5nm/分)との関係は、エッチング時間 0秒で 10 〜50。/。(例えば、 15〜45%)、エッチング時間 15秒で 5〜35。 /。(例えば、 7〜30%) 、エッチング時間 30秒で 5〜30% (例えば、 7〜25。/0)、エッチング時間 60秒で 3〜 25% (例えば、 5〜20%)程度である。また、酸素原子濃度と、エッチング時間(エツ チング速度 5nm/分)との関係は、エッチング時間 0秒で 30〜60% (例えば、 33〜5 5%)、エッチング時間 15秒で 35〜62% (例えば、 40〜60。/。)、エッチング時間 30 秒で 43〜63。/。(例えば、 45〜60%)、エッチング時間 60秒で 45〜65。/。(例えば、 5 0〜60%)程度である。

[0053] より具体的には、酸化物セラミックス類、酸化処理された金属類、及び金属類にお いて、炭素原子濃度及び酸素原子濃度とエッチング時間との関係は次の通りである

[0054] (A)セラミックス(酸化物セラミックスなど)又はアルマイトで構成された処理部材:

[0055] [表 1]

( 1 ) 炭素原子濃度(原子1 ½)

代表的な部材において、炭素原子溏度(原子%) は以下の通りである。 アルミナ:


石英又はガラス:


アルマイト加工されたアルミニウム:


2]

( 2 ) 酸素原子濃度(原子 ¾)


さらに、過熱水蒸気で処理した処理部材 (又は表面改質された処理部材)の炭素 原子濃度の低減率は、未処理部材に比べて、エッチング時間 0秒で 10〜80% (例え ば、 15〜75%、好ましくは 17〜70%)、 15秒で 15〜90% (例えば、 20〜85%、好 ましぐは 25〜80%)、 30禾少で 20〜90% (f到; ば、 22〜85%、好ましぐは 25〜80%) 、 60秒で 20〜90% (例えば、 22〜85%、好ましぐは 25〜80%)程度である。

[0057] また、過熱水蒸気で処理した処理部材 (又は表面改質された処理部材)の酸素原 子濃度の増加率は、未処理部材に比べて、エッチング時間 0秒で 15〜: 120% (例え ば、 17〜: 110%、好ましくは 20〜: 100%)、 15秒で 10〜: 150% (例えば、 12〜: 140 %、好ましくは 13〜: 135%、さらに好ましくは 15〜: 120%)、 30秒で 7〜: 130% (例え ば、 8〜: 120%、好ましくは 10〜: 110%)、 60秒で 5〜: 125% (例えば、 7〜: 120%、 好ましくは 8〜: 110%、さらに好ましくは 10〜: 100%)程度である。

[0058] 本発明の表面改質された処理部材は、いずれかの前記エッチング時間で、前記炭 素原子濃度及びその低減率、酸素原子濃度及びその増加率を示せばよぐすべて のエッチング時間で上記値を満たしてもよぐ複数のエッチング時間(例えば、 0秒、 1

3秒、及び 30秒)で上記値を満たしてもよレ、。

産業上の利用可能性

[0059] このように、過熱水蒸気で表面処理すると、被処理部材 (得られた処理部材)への 汚染物質の付着を有効に防止できる。また、帯電防止性又は除電性を高めることが できるとともに、表面張力も低減でき親水性も付与できる。そのため、本発明は種々 の用途、特に気相法を利用した表面処理装置(PVD、 CVD、イオンビームミキシン グ、エッチング、不純物ドープ装置など)の処理ユニット(チャンバ一など)の構成部材 を処理するのに有用である。また、このような表面処理装置(プラズマ装置の真空チ ヤンバーなど)に表面改質された処理部材を用いると、堆積物の付着を防止できるた め、異常放電も防止できる。

実施例

[0060] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実 施例によって限定されるものではない。

[0061] 実施例:!〜 4及び比較例:!〜 4

石英ガラス(116mm X 116mm X 8mm) 4枚に対して、それぞれ過熱水蒸気(温 度 500°C、流量 5kg/h)を 10〜20分間噴霧し表面処理した。表面処理された石英 ガラスを、それぞれ 4つのドライエッチング装置のエッチング終点検出センサ窓に取り

付け、各装置で所定枚数の基板 (ガラス基板)をドライエッチング処理した後、センサ 窓から取り外し、石英ガラスの汚染の程度を観察した。また、比較例として未処理の 石英ガラスを用レ、、上記と同様にして汚染の程度を観察した。なお、ドライエッチング 装置としては、主にレジスト、フッ素膜、アルミニウム膜が生成する装置を用いた。

[0062] そして、温度 21°C、湿度 62%RHでセンサ窓に装着前の石英ガラスの表面電位又 は帯電電位 (測定器: FMX—002型、シムコジャパン (株)製)を測定するとともに、以 下の基準で汚染の程度を目視で評価した。

[0063] ◎:非常にきれいであり、当初と変わらない

〇:きれいであり、当初に比べるとわずかに透明性が低下している △:少し汚れており、透明性が低下している

X:汚れがひどぐ半透明又は不透明となる

結果を表 3に示す。

[0064] [表 3]

表 3


なお、比較例 1では石英ガラスの四隅にレジスト汚れがあり、比較例 2では石英ガラ スの中央部に顕著なレジスト汚れがあり、比較例 3では石英ガラスの全体にレジスト 汚れがあり、半透明化しており、比較例 4では石英ガラス全体がレジスト及びアルミ二 ゥム膜で汚れていた。また、これらの汚れは溶剤を含む布で拭いても除去できなかつ た。これに対して、実施例 1〜4ではドライエッチングのセンサ窓に装着しても汚れを 顕著に低減できた。さらに、実施例 1で用いた石英ガラスをドライエッチング装置のセ ンサ窓に取り付け、さらに約 5000枚の基板をドライエッチング処理しても、上記と同 様に、汚れの付着がなかった。また、実施例 2で用いた石英ガラスをドライエッチング 装置のセンサ窓に取り付け、さらに約 5000枚の基板をドライエッチング処理した後、 センサ窓から取り外したところ、透明性が低下していたが、溶剤を含む布で拭いたと ころ、簡単に清浄化でき透明となった。

[0065] なお、ドライエッチング装置のセンサ窓から取り外した実施例 1及び実施例 4の石英 ガラスを、濃度 5重量%の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄処理した後、光透過率及び 表面粗度( z m)を測定したところ、光透過率は 69〜70%、 Ra (算術平均粗さ) =0. 01〜0. 02 x m、 Rz (十点平均粗さ) =0. 09〜0. Rp (最大山高さ) =0. 0 5 z m、 Rv (最大高さ) =0. 05〜0. 06 μ mであり、新品の石英ガラス(光透過率 = 7 0%、 Ra = 0. 01 x m、 Rz = 0. 08 μ πι、 Rp = 0. 04 μ πι、 Rv = 0. 05 z m)と木目違 がなかった。

[0066] 実施例 5及び比較例 5

石英ガラス( 116mm X I I 6mm X 8mm)を実施例 1と同様にして過熱水蒸気で処 理した。一方、比較例として未処理の石英ガラスを用いた。そして、過酸化水素水溶 液に各石英ガラスプレートを入れ、超音波(周波数 5kHz)で 3時間処理し、温度 20 °C及び相対湿度 60%RHで水に対する接触角の変化を時系列的に調べた。結果を 図 2に示す。

[0067] 図 2から明らかなように、実施例では、過酸化水素で 3時間処理しても当初の接触 角 93° と同様に高い接触角 62° を維持していた。

[0068] 実施例 6及び比較例 6

アルミナ(アルミナセラミックス)製プレート、石英ガラス製プレート、硫酸アルマイト加 ェ及び封孔処理されたアルミニウムプレート、多結晶シリコン製プレートに、それぞれ 過熱水蒸気(温度 420°C、流量 60kgZh)を 40分間噴霧し表面処理した。アルマイト 加工されたアルミニウムプレートでは、過熱水蒸気処理により、プレート表面の光沢が 増した。そして、過熱水蒸気で処理されたプレートについて、温度 20°C及び相対湿 度 60%RHで水に対する接触角を測定した。また、比較例 6として、未処理の各プレ ートについても水に対する接触角を測定し、過熱水蒸気処理による接触角の低減の 程度を算出した。結果を下表に示す。

[0069] [表 4]

表 4


表から明ら力なように、過熱水蒸気で処理すると、水に対する接触角が小さくなり、 プレート表面が親水化していると思われる。

[0070] 実施例 7

液晶表示用ガラス基板(680mm X 780mm)を長手方向に等間隔に区画して 4つ の四角形ゾーン A, B, C, Dを形成し、ゾーン Bだけを露出し、ゾーン A, C, Dをマス キングし、過熱水蒸気(温度 400°C、流量 5kg/h)を 3分間噴霧し表面処理した。そ して、表面電位測定計(FMX—002型、シムコジャパン (株)製)を用レ、、温度 21°C、 湿度 62%RHで、表面処理前のガラスの静電気の帯電電位を測定するとともに、表 面処理後のガラスについて、次のようにして帯電電位を測定した。

[0071] I:過熱水蒸気で処理した後、 3分経過後に測定

II:ゾーン Aから D方向にガラス板をティッシュで表面を擦った後で測定

III:ゾーン Dから A方向にガラス板をティッシュで表面を擦った後で測定 IV:過熱水蒸気で処理した後、 60分経過後で測定

V:ゾーン Aから D方向にガラス板をティッシュで表面を擦った後で測定

VI:ゾーン Aから D方向にガラス板をポリエステル繊維の布帛で表面を擦った後で 測定

VII : 24時間放置後に測定

VIII: 24時間放置後、ゾーン Aから D方向にガラス板をポリエステル繊維の布帛で 表面を擦った後で測定

結果を下表に示す。

[0072] [表 5]

表 5


表から明ら力、なように、過熱水蒸気で処理された Bゾーンは負に帯電しやすい傾向 を示すとともに、摩擦による帯電を抑制でき、長時間にわたり帯電電位が小さい。

[0073] 実施例 8及び比較例 7

石英ガラスプレート(120mm X 120mm X 3mm)に、過熱水蒸気(温度 420°C、流 量 60kg/h)を 30分間噴霧し表面処理した。そして、温度 20°C及び湿度 40%RH の条件下、 JIS L— 1094に規定する試験方法に従って、処理プレートを所定の速 度(90cm/分)で走査しつつ帯電電位を測定した。

[0074] また、帯電性を定性的に評価するため、温度 20°C及び湿度 40%RHの条件下、処 理プレートを乾燥した布帛(綿布帛)で擦ることなぐタバコの灰を収容する容器に lc mの距離で処理プレートを近づけ、タバコの灰がプレートに付着するか否かを調べた (アッシュテスト)。

[0075] なお、比較例 7として、過熱水蒸気で処理しない石英ガラス製プレートについても上 記と同様に帯電電位を測定するとともにアッシュテストを行った。結果を表に示す。

[0076] [表 6]

表 6

走査時間 比較例 7 実施例 8

0秒 - 3 7 - 3

3 0秒 - 9 2 - 8

*電電位 6 0秒 — 1 1 フ - 2 8

( v ) 9 0秒 - 1 2 2 - 3 0

1 2 0秒 - 9 7 - 3 2

アッシュ サイズの大きな灰が 1 2個付着全く付着なし テスト 無数の微細な灰が付着

表から、過熱水蒸気で処理することにより、プレートの帯電防止性が発現し、塵芥な どの付着を防止できることが分かる。

[0077] 実施例 9〜: 12及び比較例 8〜: 11

アルミナ(アルミナセラミックス)プレート(実施例 9)、石英ガラスプレート(実施例 10) 、硫酸アルマイト加工及び封孔処理されたアルミニウムプレート(実施例 11)、多結晶 シリコンプレート(実施例 12)に、それぞれ過熱水蒸気(温度 420°C、流量 60kgZh) を噴霧し表面処理した。過熱水蒸気による処理時間は 20分間又は 40分間とした(な お、シリコンについては 30分間とした)。そして、過熱水蒸気で処理されたプレートの 表面をアルゴンイオンでスパッタしながらスパッタ表面を X線光電子分光 [XPS (X_ra y photoelectron spectroscopy) ]分析(装置「ESCA3300」、(株)島津製作所製)に より、プレート表面の炭素原子濃度(%)及び酸素原子濃度(%)を分析した。また、 比較例 8〜: 11として、未処理の各プレートについても同様にして分析した。なお、各 プレートのサイズは、 120mm X 120mm X 3mmである。試料の各プレートの表面は 、いずれも気流を吹き付けて付着物を除去した後、分析に供した。また、スパッタによ りプレートは 5nm/分の速度で浸食される。結果を原子濃度(単位:%)として図 3〜 図 9に示す。

[0078] 図 3〜図 9から明らかなように、過熱水蒸気で酸化物セラミックスなどの無機質部材 を処理すると、無機部材の表層部で炭素原子の濃度が減少するとともに、酸素原子 の濃度が高くなる。また、シリコンなどの金属を過熱水蒸気で処理すると、金属部材 の表層部で酸素原子の濃度が高くなる。過熱水蒸気処理により無機質部材がこのよ うな挙動を示すため、帯電防止性及び親水性が向上するものと思われる。

[0079] 実施例 13

平均口径 570 z mの多数の微細孔が形成され、かつ硫酸アルマイト加工及び封孔 処理されたアルミニウムプレート(ドライエッチング装置の上部電極)に対して、過熱水 蒸気(温度 350°C、流量 5kgZh)を 15分間噴霧し表面処理した。この処理によりプ レート表面の光沢が増した。