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1. WO2006100816 - SUBSTRATE HAVING SELF-ASSEMBLY MATERIAL ARRANGED THEREON AND PROCESS FOR PRODUCTION OF THE SAME

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[ JA ]
明 細書

自己組織化材料を配列させた基板およびその作製方法

技術分野

[0001] 本発明は、自己組織ィ匕材料または微粒子を基板上に配列させる方法、および自己 組織ィ匕材料または微粒子を配列させた基板に関するものである。具体的には、本発 明は、核酸 (例えば、 DNAまたは RNA)または微粒子を基板上に配列させる方法、 および核酸 (例えば、 DNAまたは RNA)または微粒子を固定ィ匕した基板に関するも のである。

背景技術

[0002] DNAは、糖'リン酸骨格を有する二重らせん構造内部に π電子共役系をなす塩基 分子が互いに水素結合し、それらが互いに重なり合った構造を有する分子である。こ のことから、 DNA分子が電気伝導性を示すことが示唆されている。また、 DNAのサ ィズは非常に小さい(直径約 2nm)ので、分子デバイスの一素子として用いることを目 的に、 DNAの電気特性評価がこれまでに行われてヽる。

[0003] DNAの電気特性についてのこれまでの報告としては、 DNAが電気を通すという報 告も全く通さないという報告もあり、未だ見解が統一されていない (例えば、非特許文 献 1〜4を参照のこと)。これは、評価に用いられた DN Aの種類、サンプル調製法、 電極の設け方が異なるためであると考えられる。

[0004] 電極を設けるために DNA分子と電極とを接続させる際、 2つの方法力 Sこれまでに用 いられている。その 1つは、予め電極を作製した後で目的の DNA分子をその電極間 に固定する方法であり、ボトムコンタクト法と呼ばれている(非特許文献 1〜4を参照の こと)。もう一方は、基板上に DNA分子を展開した後に、その上から電極を作製する 方法であり、トップコンタクト法と呼ばれている(例えば、非特許文献 5を参照のこと)。 ボトムコンタクト法では、電極間に DNA分子が架橋した状態となり、電極端部での分 子構造の歪みが生じ得るが、トップコンタクト法では、基板上での DNA分子の構造が 維持されたまま電極を作製し得、そのため、電気特性をより正確に評価し得る。 〔非特許文献 1〕

Stormら、 Applied Physics Letters : 79^, 3881頁(2001)

〔非特許文献 2〕

Porath¾, Nature : 403^, 635頁(2000)

〔非特許文献 3〕

Yooら、 Physical Review Letters : 87^, 198102頁(2001)

〔非特許文献 4〕

Kasumovら、 Science : 291卷, 280頁(2001)

〔非特許文献 5〕

Otsukaら、 Nanotechnology: 15卷、 1639頁(2004)

DNAは非常に柔軟な分子であるので、電気特性を評価する際には DNAの構造を 維持することに注意を払う必要がある。しかし、 DNA分子が基板上でランダムに固定 化されて!/ヽると局所的な分子の曲がりが生じる。 DNA分子の電子特性を基板上で首 尾よく評価するためには、基板上で DNA分子が真っ直ぐに伸張した状態で固定ィ匕 されかつその状態が維持されることが必要である。

[0005] 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、 DNA分子の電子 特性を基板上で首尾よく評価するために、基板上で DNA分子を真っ直ぐに伸張し た状態で固定ィ匕しかつその状態が維持することである。本発明者らは、 DNA分子と 相互作用する親水性表面および DNA分子とほとんど相互作用しない疎水性表面に 基板表面を予めパターユングしておけば、上記課題を解決することができることを見 出した。

発明の開示

[0006] 本発明者らは、上記知見に基づいて、パターユング後の基板上に DNA分子を展 開し、次いで基板表面と DNA水溶液との間での表面張力を生じさせれば、この表面 張力により、 DNA分子を首尾よく伸張させることができることを見出し、本発明を完成 させた。

[0007] すなわち、本発明に係る基板上に自己組織化材料を配列させる方法は、

該基板上に疎水性部位を設ける工程;

該基板上に親水性部位を設ける工程;

該基板上に該自己組織ィ匕材料を含む溶液を提供する工程;および 該基板上に提供された溶液を乾燥させる工程

を包含することを特徴として、る。

[0008] 本発明に係る基板上に自己組織ィ匕材料を配列させる方法にぉヽて、上記自己組 織化材料は、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質または糖であることが好ましい。

[0009] 本発明に係る基板上に自己組織ィ匕材料を配列させる方法にぉヽて、上記基板は 金属酸化物を含むことが好ましヽ。

[0010] 本発明に係る基板上に自己組織ィ匕材料を配列させる方法にぉヽて、上記金属酸 化物は、 Al 2 O 3、 ZnO、 TiO 2、 SiO 2、 ZrO 2、 SrTiO 2、 LaAlO 3、 Y 2 O 3、 MgO、 GGG

、 YIG、 LiTaO、 LiNbO、 KTaO 3、 KNbO 3または NdGaO 3であることが好ましい。

[0011] 本発明に係る基板上に自己組織ィ匕材料を配列させる方法において、上記疎水性 部位はシランカップリング剤によって設けられることが好ましい。

[0012] 本発明に係る基板上に自己組織ィ匕材料を配列させる方法にぉヽて、上記シラン力 ップリング剤は、トリメトキシプロビルシラン、ブチルトリメトキシシラン、へキシルトリメト キシシラン、ォクチルトリメトキシシラン、デカニルトリメトキシシラン、トリエトキシプロピ ルシラン、ブチルトリエトキシシラン、へキシルトリエトキシシラン、ォクチルトリエトキシ シランまたはデカニルトリエトキシシランであることが好ましい。

[0013] 本発明に係る基板上に自己組織ィ匕材料を配列させる方法にぉヽて、上記親水性 部位は光照射によって設けられることが好ましい。

[0014] 本発明に係る基板上に自己組織ィ匕材料を配列させる方法にぉヽて、上記光照射 を行う前に光透過性を有さな、物質を用いて上記疎水性部位を予め被覆することが 好ましい。

[0015] 本発明に係る基板上に自己組織ィ匕材料を配列させる方法にぉヽて、上記乾燥さ せる工程を、乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付けることによって行うことが好ま しい。

[0016] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法は、

該基板上に疎水性部位を設ける工程;

該基板上に親水性部位を設ける工程;

該基板上に自己組織化材料を含む溶液を提供する工程;

該基板上に提供された溶液を乾燥させる工程;

該基板上にさらに微粒子含有溶液を提供する工程;および

該基板上に提供された微粒子含有溶液を乾燥させる工程

を包含することを特徴として、る。

[0017] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法は、

該基板上に疎水性部位を設ける工程;

該基板上に親水性部位を設ける工程;

該微粒子を含む溶液を、自己組織化材料を含む溶液と混合して混合溶液を得る 工程;

該基板上に該混合溶液を提供する工程;および

該基板上に提供された混合溶液を乾燥させる工程

を包含することを特徴として、る。

[0018] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法にぉヽて、上記自己組織化材料 は、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質または糖であることが好ましい。

[0019] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法にぉヽて、上記基板は金属酸ィ匕 物を含むことが好ましい。

[0020] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法において、上記金属酸化物は、 A1

2 O 3、 ZnO、 TiO 2、 SiO 2、 ZrO 2、 SrTiO 2、 LaAlO 3、 Y 2 O 3、 MgO、 GGG、 YIG、 Li

TaO、 LiNbO、 KTaO 3、 KNbO 3または NdGaO 3であることが好ましい。

[0021] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法にぉ、て、上記疎水性部位はシラ ンカップリング剤によって設けられることが好ましい。

[0022] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法にぉ、て、上記シランカップリング 剤は、トリメトキシプロビルシラン、ブチルトリメトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン 、ォクチルトリメトキシシラン、デカニルトリメトキシシラン、トリエトキシプロビルシラン、 ブチルトリエトキシシラン、へキシルトリエトキシシラン、ォクチルトリエトキシシランまた はデカニルトリエトキシシランであることが好ましい。

[0023] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法にぉ、て、上記親水性部位は光

照射によって設けられることが好ま、。

[0024] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法において、上記光照射を行う前に 光透過性を有さな、物質を用いて上記疎水性部位を予め被覆することが好まし、。

[0025] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法にぉ、て、上記微粒子は、金、銀

、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、 インジウム、銅、 TiO 2、または BaTiO 3力なることが好ましい。

[0026] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法において、上記微粒子の粒経は、 lnm〜 lOOnmの範囲内であることが好まし!/、。

[0027] 本発明に係る基板上に微粒子を配列させる方法にぉヽて、上記乾燥させる工程を

、乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付けることによって行うことが好ま、。

[0028] 本発明に係る基板は、親水性部位および疎水性部位が表面上に設けられておりか つ自己組織ィ匕材料が該親水性部位または疎水性部位のいずれか一方を架橋して 配列されてヽることを特徴としてヽる。

[0029] 本発明に係る基板にぉヽて、上記自己組織化材料は、核酸、タンパク質、アミノ酸

、脂質または糖であることが好ましい。

[0030] 本発明に係る基板において、上記疎水性部位は飽和炭化水素基が導入された金 属酸ィ匕物であることが好まし、。

[0031] 本発明に係る基板にぉヽて、上記親水性部位は水酸基が導入された金属酸化物 であることが好ましい。

[0032] 本発明に係る基板において、上記金属酸化物は、 Al 2 O 3、 ZnO、 TiO 2、 SiO 2、 Zr

O 2、 SrTiO 2、 LaAlO 3、 Y 2 O 3、 MgO、 GGG、 YIG、 LiTaO、 LiNbO、 KTaO 3、 KN bO 3または NdGaO 3であることが好ましい。

[0033] 本発明に係る基板にぉヽて、上記自己組織化材料は微粒子を担持して!/、ることが 好ましい。

[0034] 本発明に係る基板において、上記微粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム 、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、 TiO 2、または

BaTiO 3力なることが好ましい。

[0035] 本発明に係る基板において、上記微粒子の粒経は、 Inn!〜 lOOnmの範囲内であ

ることが好ましい。

[0036] 本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十 分わ力るであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白にな るだろう。

図面の簡単な説明

[0037] [図 1]基板表面上に親水性部位および疎水性部位を設ける工程のスキームを示す図 である。

[図 2]本発明に従って作製した基板の表面上にてその親水性 Z疎水性を評価するた めに行った接触角測定の結果を示す写真である。

[図 3(a)]本発明に従って作製した基板の表面構造を、原子間力顕微鏡を用いて観察 した写真である。

[図 3(b)]本発明に従って作製した基板の表面構造を、原子間力顕微鏡を用いて観察 したとき、基板上の疎水性部位および親水性部位を示す写真である。

[図 3(c)]本発明に従って作製する際に用いた金属マスク部および非マスク部の表面 構造を、光学顕微鏡を用いて観察したときの、基板上の金属マスク部および非マスク 部を示す写真である。

[図 4]本発明に従って作製した基板上で DNAを固定ィ匕する工程のスキームを示す 図である。

[図 5(a)]本発明に従って作製した基板の表面に吸着する DNAを、原子間力顕微鏡 を用いて観察した写真である。

[図 5(b)]本発明に従って作製した基板の表面に吸着する DNAの状態を示す模式図 である。

[図 6(a)]本発明に従って作製した基板の表面に吸着する DNAを、原子間力顕微鏡 を用いて観察した写真である。

[図 6(b)]本発明に従って作製した基板の表面に吸着するバンドル DNAの高さ分布を 示すグラフである。

[図 7]本発明に従って作製した DNA固定ィ匕基板の表面上に電極を設け、原子間力 顕微鏡を用いて観察したその表面構造の写真である。

[図 8(a)]本発明に従って作製した DNA固定ィ匕基板を用いて測定した DNAの電流一 電圧特性を示すグラフである。

[図 8(b)]本発明に従って作製した DNA固定ィ匕基板を用いて測定した DNAの電流一 時間特性を示すグラフである。

[図 9(a)]本発明に従って作製した DNA固定ィ匕基板上に金微粒子含有溶液を展開し た際の金微粒子の分布を示す写真である。

[図 9(b)]図 9 (a)を拡大した写真である。

発明を実施するための最良の形態

[0038] 従来の DNA固定ィ匕基板 (例えば、 DNAチップ)では、核酸分子を基板上に固定 化する際に核酸分子と強く相互作用する部位を導入して、そこへ核酸分子を選択的 に吸着または結合させている。疎水性部位は核酸分子と相互作用しないため、核酸 分子を基板に吸着させることは困難である。よって、基板上に親水性部位 Z疎水性 部位をパターユングするだけでは核酸分子を親水性基板上のみならず疎水性基板 上に首尾よく吸着させることはできない。

[0039] 本発明は、親水性 Z疎水性に基づく観点力は不可能であった核酸分子の基板 への固定ィ匕を実現した画期的なものであり、表面張力を生じさせる工程を採用すると いう本発明者らの独自の発想によって初めてなし得たものである。本発明者らは、本 発明に係る方法を用いて所望の基板を作製した後、トップコンタクト法に従って微細 な電極を基板上に作製し、 DNA分子の電気特性の評価を行った。

[0040] 本発明は、基板上に自己組織化材料を配列させる方法を提供する。一実施形態に おいて、本発明に係る方法は、基板上に疎水性部位を設ける工程;基板上に親水性 部位を設ける工程;該基板上に該自己組織ィ匕材料を含む溶液を提供する工程;およ び該基板上に提供された溶液を乾燥させる工程、を包含することが好ましい。さらな る局面において、本実施形態において使用される基板は、金属酸化物を含むことが 好ましい。別の局面において、本実施形態において使用される基板は金属を含むこ とが好ましぐこの場合、本実施形態に係る方法は、金属を酸化して金属酸化物を得 る工程をさらに包含することが好ましい。このような構成を有する本発明の方法を用い れば、親水性部位に吸着した自己組織ィ匕材料が疎水性部位を首尾よく架橋し得る。 [0041] 本明細書中において使用される場合、用語「自己組織化材料」は、多数の分子が 自発的に集まって 1つの構造体を作る能力(すなわち、自己組織化能)を有する物質 が意図される。自己組織ィ匕材料としては、例えば、 DNA、 RNAなどの核酸、タンパク 質、アミノ酸、脂質、糖などの生体分子、細胞、組織切片などが挙げられ、核酸 (DN Aまたは RNA)であることが好ましい。自己組織化材料を基板上に提供するに際して 、自己組織化材料は水溶液形態であることが好ましい。

[0042] また、本明細書中にお!ヽて自己組織ィ匕材料が DNAである場合を例に挙げて本発 明を説明するが、自己組織ィ匕材料は DNAに限定されず、基板上に設けられた親水 性部位 Z疎水性部位の、ずれか一方に親和性が高く他方には親和性が低、材料 であれば本発明の範囲に入ることを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。

[0043] 本明細書中において使用される場合、「金属を酸化して金属酸化物を得る工程」は 、当該分野において公知の種々の方法を適用すればよい。

[0044] 本明細書中において使用される場合、「金属酸化物」は、安定な構造を有する酸化 物であれば特に限定されないが、好ましくは、 Al 2 O 3、 ZnO、 TiO 2、 SiO 2、 ZrO 2、 Sr

TiO 2、 LaAlO 3、 Y 2 O 3、 MgO、 GGG、 YIG、 LiTaO、 LiNbO、 KTaO 3、 KNbO 3お よび NdGaO 3力なる群より選択される。

[0045] 本実施形態にぉヽて、基板が金属酸化物を含む場合、基板表面上の疎水性部位 はシランカップリング反応によって設けられることが好ましぐ基板表面上の親水性部 位は光照射によって設けられることが好ましい。シランカップリング反応は公知のシラ ンカップリング剤を用いればよぐ特に限定されない。また、上記シランカップリング剤 は、アルキルシランであることが好ましい。上記アルキルシラン中のアルキル基は、飽 和炭化水素基を有する分子であればよく特に限定されない。例えば、上記アルキル 基は、環状構造、直鎖状構造、または分岐を有する構造であってもよい。また、上記 アルキル基中に含まれる炭素原子の数も特に限定されな、。シランカップリング剤と して、例えば、トリメトキシプロピノレシラン(Trimethoxypropylsilane ;TPS)、ブチノレ トリメトキシシラン(butyltrimethoxysilane)、へキシノレトリメトキシシラン(hexyltrim ethoxysilane)、ォクチノレトリメトキシシラン (octyltrimethoxysilane)、ァカニノレトリ メトキシシラン(decanyltrimethoxysilane)、トリエトキシプロピノレシラン(Triethoxy propylsilane)、ブチノレトリエトキシシラン (butyltriethoxysilane)、へキシノレトリエト キシシラン(hexyltriethoxysilane)、ォクチノレトリエトキシシラン(octyltriethoxysil ane)またはデ力-ルトリエトキシシラン(decanyltriethoxysilane)などが挙げられる 力 これらに限定されない。

[0046] このようなシランカップリング剤のうち、 TPSのような有機物を用いれば、特定の波 長の光線を照射することによって表面に露出した疎水基を親水基 (水酸基)に変化さ せることができる。この場合、光照射前に、光透過性を有さない物質を用いて基板を 部分的に被覆することによって、基板表面上に所望の親水性部位 Z疎水性部位を 形成させることができる。なお、上記疎水基および親水基は、表面に露出するように、 金属酸ィ匕物の最表面に形成されることが好ましい。また、疎水基と比較して、上記親 水基は自己組織化材料と強い相互作用を有する。

[0047] 光照射は、レーザ照射が好ましい。レーザ照射は標的分子内の結合エネルギーよ りも大きなエネルギーを供給することが目的であるので、照射に好ましい波長は、標 的分子に応じて設定すればよい。

[0048] また、本発明に係る方法における上記乾燥させる工程としては、遠心分離機を用い る方法、スピンコーターを用いる方法、および乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き 付ける方法が挙げられるが、表面張力を発生し得る方法であれば限定されない。発 生する表面張力を首尾よく制御するためには乾燥窒素ガスを吹き付けることによって 行うことが好ましい。本明細書中において使用される場合、用語「不活性ガス」は、窒 素ガス、 CO 2 (二酸ィ匕炭素)ガスまたは第 18族元素ガス (例えば、ヘリウムガス、ネオ ンガスまたはアルゴンガスなど)が意図される。

[0049] さらに本発明者らは、上述した方法に従って作製した基板上にさらに微粒子含有 溶液を提供するか、または上述した方法において、微粒子を含む溶液と自己組織化 材料を含む溶液とを混合して得た混合溶液を用いれば、微粒子を配列して担持した 基板を得ることができることを見出した。

[0050] 本発明は、基板上に微粒子を配列させる方法を提供する。一実施形態において、 本発明にかかる方法は、上述した方法に従って作製した基板上にさらに微粒子含有 溶液を提供する工程;および、該基板上に提供された微粒子含有溶液を乾燥させる

工程、をさらに包含することが好ましい。また別の実施形態において、本発明に係る 方法は、基板上に疎水性部位を設ける工程;基板上に親水性部位を設ける工程;微 粒子を含む溶液を、自己組織化材料を含む溶液と混合して混合溶液を得る工程;該 基板上に該混合溶液を提供する工程;および該基板上に提供された混合溶液を乾 燥させる工程、を包含することが好ましい。さらなる局面において、本実施形態にお いて使用される基板は、金属酸化物を含むことが好ましい。別の局面において、本実 施形態において使用される基板は金属を含むことが好ましぐこの場合、本実施形態 に係る方法は、金属を酸ィ匕して金属酸ィ匕物を得る工程をさらに包含することが好まし い。本実施形態に係る方法において、微粒子は、自己組織ィ匕材料を含む溶液と異な る電荷または中性電荷を有してもよいが、自己組織化材料を含む溶液と同じ電荷を 有することが好ましい。本発明を用いれば、自己組織化材料と微粒子とが同じ電荷を 有する場合であっても、両者を静電的に結合させることができる。

[0051] 本明細書中において使用される場合、用語「微粒子」は、「ナノ粒子」と置換可能に 使用され、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、二 ッケル、コノルト、インジウム、銅、 TiO 2、または BaTiO 3力なることが好ましぐコロイ ド溶液を形成し得る大きさ(すなわち、粒経が Inn!〜 lOOnmの範囲内)であることが 好ましい。

[0052] 本発明はまた、自己組織ィ匕材料が固定化された基板を提供する。一実施形態にお いて、本発明に係る基板は、親水性部位および疎水性部位が表面上に設けられて おりかつ自己組織ィヒ材料が該親水性部位または疎水性部位のいずれか一方を架橋 して配列されていることが好ましい。さらなる局面において、本実施形態に係る基板 において、自己組織ィ匕材料が微粒子を担持していることが好ましぐ該微粒子は、金 、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバ ルト、インジウム、銅、 TiO 2、または BaTiO 3力なることが好ましぐコロイド溶液を形 成し得る大きさ(すなわち、粒経が lnm〜100nmの範囲内)であることが好ましい。

[0053] 自己組織化材料が核酸 (DNAまたは RNA)である場合、本発明に係る基板を機 能性導電材料として利用することができる。核酸 (DNAまたは RNA)は、特徴的なェ ネルギー準位を有し、特有の物性を有する機能性導電材料である。また、特定種の

元素を DNAまたは RNAにドープすることによって、その元素の電気物性が大きく変 化する。

[0054] さらに、 DNAの塩基部分には、パイスタツキングによる色素のインターカレーシヨン が可能であり、 RNAの塩基部分には、色素を相互作用させることが可能である。その ため、色素がインター力レートされた DNAまたは色素と相互作用させた RNAにおい ては、光照射により色素が励起されて、 DNA鎖または RNA鎖が電気伝導性を示す

[0055] したがって、基板に固定ィ匕された DNAに色素をインター力レートすること、または、 基板に固定化された RNAに色素を相互作用させることにより、当該基板を機能性導 電材料として利用することができる。すなわち、基板上に配列した DNAもしくは RNA のパターンにしたがって発光する光スイッチング材料を構築することができる。

[0056] 色素については、特に限定されないが、 DNAまたは RNAと光励起された色素との エネルギー準位が互いに近接して、ると、う理由から、アタリジンオレンジを使用する ことが好ましい。また、代表的なインターカレーターとして、ェチジゥムブロマイド、オタ タデシルァクリジンオレンジ、フエ口セン化ナフタレンジミド、 13—カルボリン、アントラ キノン、ビスアタリジンビオローゲン誘導体、 Ru錯体などが挙げられる。

[0057] また、本発明に係る基板を用いれば、フォトマスクを作製することもできる。フォトマ スクとは、マスクブランクにパターン像を形成したものをいい CFIS工業用語大辞典第 5 版、 1954頁、日本規格協会を参照のこと)、クロムマスクに代表される無機 ·金属材 料が利用される。

[0058] ここで、本発明に係る基板をフォトマスクに用いる場合は、生体材料である自己組 織ィ匕材料 (例えば、 DNAまたは RNAなどの核酸)は、酸もしくはアルカリなどによる 薬品処理または熱処理によって、フォトマスクを一括して除去することができる。した がって、本発明に係る基板を用いたフォトマスクであれば、任意のパターンに固定し た DNAまたは RNAを微細加工に用いることができ、さらに、固定した DNAまたは R NAを加工終了後に分解除去することにより、プロセス全体の簡略ィ匕およびそれに伴 う歩留まりなどにおける改善を期待することができる。

〔実施例〕

本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限 定されるものではない。

[0059] (実施例 1:基板への親水性表面および疎水性表面のパターニング)

基板としてシリコン基板を用いて、その表面に酸ィ匕シリコン膜を形成した(図 1左上)

板と反応させた。これにより、酸ィ匕シリコン膜の最表面がプロピル基で覆われた状態 になる(図 1右上)。ここで、基板最表面は疎水性である。この疎水性表面上に金属を マスクし(図 1右下)、その上から ArF (アルゴンフッ素)エキシマレーザを照射した。そ の結果、金属マスクによって光透過が妨げられない部位は、光が照射されることによ り、プロピル基が除去されて水酸基を形成する(図 1左下)。より詳細には、 TPS分子 内の化学結合のエネルギー(Si— C結合、 C C結合: 88kcalZmol)よりも大きなェ ネルギーを有するレーザ(例えば、 λ = 193nmの場合は 147. 88kcalZmol)の照 射により TPS分子内の化学結合が切断され、その結果、水酸基が導入される。

[0060] 続、て、親水性および疎水性を、接触角測定を用いて確認した。シリコン基板、 TP S処理基板、レーザ照射基板に水を滴下したところ、基板と水との接触角がそれぞれ 31. 4° 、 61. 7° 、 27. 6° であった(図 2)。接触角が大きいほど疎水性であるので 、 TPS処理基板は疎水性であり、レーザ照射基板は親水性であることがわかる。

[0061] (実施例 2 :パターユングした基板の表面構造)

上述した方法に従って作製した基板の表面構造を、原子間力顕微鏡を用いて観察 した(図 3 (a)および図 3 (b) )。基板表面はほぼ均一な表面構造を有するにもかかわ らず(図 3 (a) )、基板表面上には 2種類の領域が形成されていることがわ力つた(図 3 (b) )。これらの領域は金属マスク部および非マスク部に相当し、それぞれが疎水性 部位および親水性部位であることがわ力つた(図 3 (c) )。

[0062] (実施例 3:パターユングした基板上での DNAの固定化)

リン酸緩衝液に λ DNAおよび塩ィ匕マグネシウムを混合した後、 4°Cにて一昼夜放 置した DNA水溶液を、パターユングした基板上に滴下した。 20〜30分放置した後 に、基板上に乾燥窒素ガスを吹き付けて、余分な溶液を除去した。この際、基板と水 溶液の界面が、親水性→疎水性→親水性の方向に移動していくようにガスを吹き付

けた。続いて、基板上に残留する余分な緩衝液および塩ィ匕マグネシウムを除去する ために、超純水で 2回洗浄した。この洗浄の際にも、超純水を滴下した後にガスを吹 き付けた (図 4)。

[0063] 固定ィ匕した DNAを、原子間力顕微鏡を用いて観察した。親水性部位では DNAが 多数吸着しており、疎水性部位では縦方向に伸びた構造が観察された(図 5 (a) )。こ のような構造は、まず親水性部位では基板上のシラノール基がマグネシウムイオンを 介して DNAと静電的に結合しており、一部分が親水性部位に固定ィ匕された DNAが 、ガス吹き付け時に基板と水溶液の界面で生じた表面張力によって伸張し、対向す る親水部にて再び基板に吸着することによって DNAが疎水性部位を橋渡しした状 況になり、疎水性部位では DNAと基板との相互作用が非常に少ないため、近くに存 在する DNA同士が互いにくつっきあ!、、束状態(バンドル DNA)で安定化して!/、る ものと考えられる(図 5 (b) )。

[0064] また、バンドル DNAの高さの分布を測定したところ、ほぼ一様な高さ分布を示して おり、本手法による DNA固定ィ匕を用いればほぼ均一なバンドル DNAを形成するこ とができることがわかった(図 6 (a)および図 6 (b) )。

[0065] (実施例 4:固定化 DNAの電気特性の評価)

上述したように基板上に固定化した DNAの電気特性を評価するために、トップコン タクト法に従って基板上に電極を作製し、その表面構造を原子間力顕微鏡を用いて 観察した(図 7)。図 7中、上が電極の全体像、下が示した領域の拡大像である。図 7 に示すように、 DNAのパターンが観察され、電極近傍においてバンドル DNAが存 在していることがわかった。このことは、ナノスケールのギャップ部にもバンドル DNA が存在していること、すなわち、電極間にバンドル DNAが存在していることを示す。

[0066] 次、で、この基板および別途作製した DNAが存在しな、基板を用いて DNAの電 気特性を評価した(図 8 (a)および図 8 (b) )。図 8 (a)が電流電圧特性、図 8 (b)が 電流一時間特性を示す。それぞれの測定結果を比較すると、 DNAが存在する場合 にのみ電流値を検出した。また、電極間に電圧が印加されているときにのみ、一定の 電流値を測定した。この結果より、構造を保持した状態の DNAは電気を流すというこ とがわかった。

[0067] (実施例 5:固定ィ匕 DNAの金微粒子との結合)

上述したように DNAを固定ィ匕した基板に、金微粒子 (粒径 5nm)を含有する水溶 液を展開した後、乾燥窒素ガスを吹き付け、超純水で 2回洗浄した。このサンプルを 原子間力顕微鏡で観察した結果を図 9 (a)および図 9 (b)に示す。

[0068] 親水性部位で金微粒子の吸着が観察され、疎水性部位での DNAバンドルにも金 微粒子の吸着が観察された DNAバンドルが存在しない部分では微粒子がほとんど 吸着しておらず、金微粒子が DNAに選択的に吸着して、ることが確認された。

[0069] なお、実施例にお!、て、基板がシリコンであり自己組織ィ匕材料が DNAである場合 を用いて本発明を実証しているが、本発明の効果を奏するためには用いる基板がシ リコンである場合または自己組織ィ匕材料力 ¾NAである場合に限定されないことを、 当業者は容易に理解する。

[0070] なお、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様ま たは実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのよう な具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなぐ本発明の精神と次に 記載する請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。

[0071] また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中に ぉ ヽて参考として援用される。

産業上の利用の可能性

[0072] 本発明を用いることによって疎水性部位に核酸分子を固定ィ匕することが可能になり

、その結果、金属ナノ粒子などの材料を基板上の非常に微細な部位にバックグラウン ド (非特異的吸着)を低く抑えて固定ィ匕することができる。

[0073] それゆえ本発明は、構造解析および DNAエレクトロニクスのような適用に非常に有 用である。また、本発明は、ナノスケールの回路の構築、機能性導電材料、フォトマス クなどに適用することができる。