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1. WO2006098087 - MARKER PROTEIN FOR USE IN DIAGNOSIS OF PANCREATIC CANCER

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[ JA ]
明 細書

脾臓癌診断用マーカータンパク質

関連出願

[0001] 本特許出願は、先に出願された日本国における特許出願である特願 2005— 070 512号(出願日: 2005年 3月 14日)に基づく優先権の主張を伴うものであり、かかる 先の特許出願における全開示内容は、引用することにより本明細書の一部とされる。 発明の背景

[0002] 発明の分野

本発明は、特定の分子量を有する複数の脾臓癌マーカータンパク質、およびこれ らを指標とする脾臓癌の検出方法に関する。

[0003] 昔景桉術

脾臓癌は難治性癌の一つであり、外科的手術以外の有効な治療法は確立されて いないため、早期治療が重要となる。脾臓癌の診断手法としては、既存の血清腫瘍 マーカーである CA19— 9が用いられることが知られて!/、る(腫瘍マーカー臨床マ- ュアル、大倉久直、医学書院、 p88〜89、 pl24〜127)。また、最近では、脾臓癌 の診断において、ヘリカル CT、磁気共鳴装置 (MRI)、内視鏡的超音波検査法 (EUS) などが用いられている。し力しながら、脾臓癌は、早期の段階においてその症状に乏 しぐ発見の時点では進行癌となっており、治療は困難となっていることが依然として 多い。したがって、脾臓癌を早期において、的確かつ簡易に発見することが可能な 診断技術の開発が望まれるといえる。

発明の概要

[0004] 本発明者らは、今般、脾臓癌患者の血液試料につ!、て、プロテインチップ法による 質量分析を行ったところ、特定の分子量の複数の血中タンパク質の発現レベルが、 健常者における発現レベルと有意に異なり、これら血中タンパク質を指標とすることに より脾臓癌の検出を的確かつ簡易に行うことができることを見出した。本発明はかか る知見に基づくのものである。

したがって、本発明は、脾臓癌の指標となる脾臓癌マーカータンパク質の提供を目 的としている。

また、本発明は、脾臓癌の検出方法の提供を目的としている。

[0005] そして、本発明による脾臓癌マーカータンパク質は、

分子量 28, 080± 15、 17, 272± 9、 17, 253± 9、 8, 766 ± 5 (mZz)または 14 , 779 ± 8 (mZz)の血中タンパク質である。

[0006] また、本発明による脾臓癌を検出する方法は、

被検者力ら得た血液試料における、 28, 080 ± 15、 17, 272 ± 9、 17, 253 ± 9、 8, 766± 5および 14, 779±8 (mZz)力もなる群力も選択される分子量の、少なくと も一つのタンパク質の発現レベルを測定し、

健常者の発現レベルと比較して、

28, 080± 15、 17, 272± 9、 17, 253± 9および 8, 766 ± 5 (m/z)力らなる群力 ら選択される分子量の、少なくとも一つの前記タンパク質の発現レベルが低い場合、 および Zまたは

14, 779 ± 8 (mZz)の分子量のタンパク質の発現レベルが高い場合、被検者にお ける脾臓癌が検出されたものとする、方法である。

[0007] 本発明によれば、特定の分子量の血中タンパク質を脾臓癌マーカーとして利用す ることにより脾臓癌の検出を的確かつ簡易に行うことが可能であり、これにより脾臓癌 を早期に発見 '治療することが可能となる。したがって、力かる血中タンパク質を脾臓 癌マーカーとして利用する本発明が提供されることは、極めて意義がある。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]は、陽イオン交換型プロテインチップ (C10、 pH4)によって捕捉された、分子量

17, 272± 9 (m/z)の血中タンパク質に関する、健常者または脾臓癌患者の質量 分析チャートである。

[図 2]は、陽イオン交換型プロテインチップ (C10、 pH4)によって捕捉された、分子量

17, 253± 9 (m/z)の血中タンパク質に関する、健常者または脾臓癌患者の質量 分析チャートである。

[図 3]は、逆相型プロテインチップ (H50)によって捕捉された、分子量 17, 253 ± 9 (m/z)である血中タンパク質に関する、健常者または脾臓癌患者の質量分析チヤ一

トである。

[図 4]は、実施例 1および実施例 2において、陽イオン交換型プロテインチップ (C10、 pH4)によって捕捉された、分子量 17, 272 ± 9 (m/z)であるタンパク質の質量ピ ークのイオン強度に関し、健常者群と脾臓癌患者群とを比較した U検定の結果であ る。

[図 5]は、実施例 1および実施例 2において、陽イオン交換型プロテインチップ (C10、 pH4)によって捕捉された、分子量 17, 253 ± 9 (m/z)であるタンパク質の質量ピ ークのイオン強度に関し、健常者群と脾臓癌患者群とを比較した U検定の結果であ る。

[図 6]は、実施例 1および実施例 2において、逆相型プロテインチップ (H50)によって 捕捉された、分子量 17, 253 ± 9 (m/z)であるタンパク質の質量ピークのイオン強 度に関し、健常者群と脾臓癌患者群とを比較した U検定の結果である。

[図 7]は、実施例 4において、陽イオン交換型プロテインチップ (C10、 pH4)によって 捕捉された、分子量 17, 272± 9 (m/z)の血中タンパク質に関する、健常者または 脾臓癌患者の質量分析チャートである。

[図 8]は、実施例 4において、陽イオン交換型プロテインチップ (C10、 pH4)によって 捕捉された、分子量 8, 766± 5 (m/z)の血中タンパク質に関する、健常者または 脾臓癌患者の質量分析チャートである。

[図 9]は、実施例 4において、陽イオン交換型プロテインチップ (C10、 pH4)によって 捕捉された、分子量 28, 080± 15 (m/z)である血中タンパク質に関する、健常者 または脾臓癌患者の質量分析チャートである。

[図 10]は、実施例 4において、逆相型プロテインチップ (H50)によって捕捉された、 分子量 14, 799± 9 (m/z)である血中タンパク質に関する、健常者または脾臓癌 患者の質量分析チャートである。

[図 11]は、実施例 4において得られた、 ROC曲線およびその AUC値を示す図である

発明の具体的説明

本発明による脾臓癌マーカータンパク質は、 28, 080± 15、 17, 272± 9、 17, 25 3± 9、8, 766± 5 (mZz)または 14, 779 ± 8 (mZz)の分子量を有する複数の血 中タンパク質である。ここで、各血中タンパク質の分子量の値は、質量分析における 、質量分布中心の値を示す。そして、上記脾臓癌マーカータンパク質において、分 子量 28, 080± 15、 17, 272± 9、 17, 253± 9または 8, 766± 5 (mZz)の血中 タンパク質は、その脾臓癌患者における発現レベルが、健常者の発現レベルと比較 して低いことを特徴とする。また、上記脾臓癌マーカータンパク質において、分子量 14, 779±8 (mZz)の血中タンパク質は、その脾臓癌患者における発現レベルが、 健常者の発現レベルと比較して高、ことを特徴とする。

[0010] 本発明による脾臓癌マーカータンパク質は、それぞれを単独で脾臓癌の指標とし て用いてもよぐ組み合わせて用いてもよい。これらのマーカータンパク質は、単独で 使用しても精度の高い脾臓癌の検出を可能とする力組み合わせてマルチマーカー として使用する場合、より精度の高い検出が可能となる。また、本発明による脾臓癌 マーカータンパク質は、 CA19— 9などの公知の脾臓癌マーカーと組み合わせて脾 臓癌の検出に利用することもでき、本発明には力かる態様も包含される。

[0011] 上記脾臓癌マーカータンパク質の発現レベルの測定に用いられる手法は、脾臓癌 マーカータンパク質を定量できる手法であれば特に限定されないが、好ましくは質量 分析であり、より好ましくは飛行時間型質量分析である。力かる質量分析においては 、例えば、質量ピークのイオン強度を指標として脾臓癌マーカータンパク質を定量す ることがでさる。

[0012] また、上記方質量分析において用いられる装置としては、脾臓癌マーカータンパク 質の発現レベルを測定可能な装置またはシステムであれば、特に制限なく使用でき る。このような装置またはシステムとしては、例えば、四重極型質量分析計、飛行時間 型質量分析計、四重極イオントラップ質量分析計、フーリエ変換型イオンサイクロトロ ン型質量分析計などの装置、プロテインチップおよび飛行時間型質量分析計および 測定'解析に使用するソフトウェア力 Sインストールされたコンピュータが一体となったプ 口ティンチップシステムなどが挙げられる力好ましくは四重極型質量分析計、飛行 時間型質量分析計またはプロテインチップシステムである。

[0013] また、本発明における質量分析において、使用されるエネルギー吸収分子としては 、本発明によるマーカータンパク質の質量分析に使用可能であれば特に限定されな いが、例えば、シナピン酸 (sinapinic acid)または oc— CHCA ( α— Cyano- 4- hydroxy cinnamic acid)などが挙げられる。

[0014] さらに、上記質量分析は、プロテインチップ法により行われることが好ましい。ここで 、プロテインチップ法とは、意図する試料をプロテインチップに添加し、プロテインチッ プにより捕捉された試料中のタンパク質の分子量を質量分析により測定する手法を いう。プロテインチップ法によれば、少量の試料を用いて短時間で複数のタンパク質 の精製 ·同定などを効率的かつ迅速に行うことが可能であり、したがって、脾臓癌の 検出において有利に使用することができる。

[0015] 本発明において用いられるプロテインチップは、脾臓癌マーカータンパク質を捕捉で きるものであれば特に限定されないが、好ましくは逆相型プロテインチップ、金属ィォ ン固定型プロテインチップまたは陽イオン交換型プロテインチップである。したがって 、本発明の一つの態様によれば、脾臓癌マーカータンパク質は、逆相型プロテイン チップ、金属イオン固定型プロテインチップ、および陽イオン交換型プロテインチップ 力もなる群力も選択される少なくとも一つのプロテインチップに捕捉されるものである

また、本発明のより好ましい態様によれば、上記プロテインチップは、逆相型プロティ ンチップおよび Zまたは陽イオン交換型プロテインチップである。

また、本発明の別の好ましい態様によれば、上記プロテインチップは、金属イオン 固定型プロテインチップおよび Zまたは陽イオン交換型プロテインチップである。 また、本発明による脾臓癌マーカータンパク質は、 pH4または 7において陽イオン 交換型プロテインチップに好適に捕捉される。したがって、本発明のより好ましい態 様によれば、上記陽イオン交換型プロテインチップは、 pH4または 7に調整されたも のである。

[0016] また、陽イオン交換型プロテインチップにおける陽イオン交換基は、好ましくはカル ボキシル基またはカルボキシアルキル基であり、より好ましくはカルボキシメチル基で ある。さらに、上記陽イオン交換型プロテインチップの好ましい具体例としては、 WCX 2または CM10 (いずれもサイファージェン 'バイオシステムズ(Ciphergen Biosystems, Inc.)社製:住所:日本国神奈川県横浜巿保土ケ谷区神戸町 134 横浜ビジネスパ ークイーストタワー 14F)が挙げられる力より好ましくは CM10である。また、逆相型 プロテインチップにおける官能基は、好ましくはアルキル基、ァラルキル基およびァリ 一ル基カも選択される少なくとも一つのものであり、より好ましくは炭素数 6〜 12であ り、かつアルキル基、ァラルキル基またはァリール基力選択される少なくとも一つの ものであり、さらに好ましくは炭素数 6〜 12のアルキル基である。上記官能基は置換 されていてもよいが、好ましくは無置換である。さらに、上記逆相型プロテインチップ の好ま 、具体例としては、 H4または H50 ( ヽづれもサイファージェン 'バイオシステ ムズ社製)が挙げられるが、より好ましくは H50である。また、金属イオン固定型プロ ティンチップにおいてプロテインチップに固定される金属イオンとしては、好ましくは 銅イオンまたは亜鉛イオンであり、より好ましくは銅イオンである。さらに、上記金属ィ オン固定型プロテインチップの好まし、具体例としては IMAC 30 (サイファージェン · バイオシステムズ社製)が挙げられる。

[0017] プロテインチップ法にあっては、試料をプロテインチップに添カ卩した後、試料中のタ ンパク質をプロテインチップへ捕捉させることを促し、かつ不純物を除去するため、所 望により、緩衝液などの溶液によってプロテインチップを処理し、洗浄する。この際に 使用される溶液としては、具体的には、酢酸ナトリウム緩衝溶液、トリス (ヒドロキシメチ ル)ァミノメタン/塩化水素緩衝溶液、リン酸緩衝溶液などが挙げられる。そして、陽ィ オン交換型プロテインチップを用いる場合、本発明による脾臓癌マーカータンパク質 は、陽イオン交換型プロテインチップに pH4または 7にお、て捕捉される性質を有す ることから、使用される溶液は、好ましくは pH4または 7である緩衝液である。したがつ て、本発明の好ましい態様によれば、陽イオン交換型プロテインチップは pH4または 7に調整されたものである。

また、逆相型プロテインチップの場合、使用される溶液としては、好ましくはァセトニ トリル溶液またはトリフルォロ酢酸溶液である。

また、金属イオン固定型プロテインチップの場合、使用される溶液としては、好ましく はリン酸ナトリウム溶液、塩ィ匕ナトリウム溶液または酢酸ナトリウム溶液である。

[0018] また、本発明の另 Uの態様によれば、 28, 080± 15、 17, 272± 9、 17, 253± 9、 8 , 766± 5および 14, 779±8 (mZz)力なる群力選択される分子量の、少なくとも 一つの血中タンパク質の、脾臓癌マーカータンパク質としての使用が提供される。ま た、本発明の別の好ましい態様によれば、 17, 272± 9および Zまたは 17, 253± 9 (m/z)の分子量の血中タンパク質の、脾臓癌マーカータンパク質としての使用が提 供される。また、本発明の別の好ましい態様によれば、分子量 28, 080± 15、 17, 2 72± 9、 14, 779±8 (mZz)および 8, 766 ± 5 (mZz)を有する血中タンパク質の、 脾臓癌マーカータンパク質としての使用が提供される。

[0019] また、本発明による脾臓癌マーカータンパク質は、上述の通り、脾臓癌の的確かつ 簡易な検出に用いられるものである。したがって、本発明の別の態様によれば、脾臓 癌を検出する方法であって、

被検者力ら得た血液試料における、 28, 080 ± 15、 17, 272 ± 9、 17, 253 ± 9、 8, 766± 5および 14, 779±8 (mZz)力もなる群力も選択される分子量の、少なくと も一つのタンパク質の発現レベルを測定し、

健常者の発現レベルと比較して、

28, 080± 15、 17, 272± 9、 17, 253± 9および 8, 766 ± 5 (mZz)力もなる群 力も選択される分子量の、少なくとも一つのタンパク質の発現レベルが低い場合、お よび Zまたは

14, 779 ± 8 (mZz)の分子量のタンパク質の発現レベルが高い場合、被検者に おける脾臓癌が検出されたものとする、方法が提供される。

[0020] また、本発明の別の好ま、態様によれば、上記方法にお!、て、上記タンパク質と して、 17, 272± 9および Zまたは 17, 253 ± 9 (mZz)の分子量を有するものを用 いる。また、本発明の別の好ましい態様によれば、上記方法において、上記タンパク 質として、分子量 28, 080± 15、 17, 272± 9、 14, 779±8 (mZz)および 8, 766 士 5 (m/z)を有するものを用いる。

[0021] 本発明による上記方法において、脾臓癌の検出されたことの判定は、上述の通り、 脾臓癌マーカータンパク質について、健常者における発現レベルと、被検者におけ る発現レベルとを比較することによって行われる。そして、健常者における発現レべ ルは、人種、性別、年齢などに応じて、予め閾値として設定される。そして、上記健常 者における発現レベルは、上述の手法により測定された健常者における脾臓癌マー カータンパク質の定量値を参照して公知の統計手法により設定することができる。上 記発現レベルの具体的な設定手法としては、例えば、(健常者における脾臓癌マー カータンパク質のレベルの平均値士標準偏差)または ROC (Receiver Operating Cha racteristic)分析などが挙げられ、好ましくは ROC分析である。なお、脾臓癌が検出さ れたことの判定は、上述のような統計手法により患者における脾臓癌マーカータンパ ク質の定量値を参照して予め設定された閾値と、被検者における発現レベルとを比 較することにより行ってもよぐ本発明には力かる態様も包含される。

[0022] また、本発明における血液試料は、通常はヒト由来のものとされる。さら〖こ、本発明 における血液試料は、好ましくは血漿である。血液試料の採取および調製手法は、 本発明によるマーカータンパク質の測定に影響を与えない限り特に限定されず、当 業者に公知の手法により行うことができる。

[0023] また、本発明による脾臓癌マーカータンパク質はまた、患者にお!、て、脾臓癌をモ 二タリングする方法に利用することができる。上述のようなモニタリング方法は、脾臓 癌の進行を正確に把握し、より適切な時期に、より適切な薬剤を投与したり、適切な 治療を施したりするのに有利に利用することができる。

[0024] したがって、本発明の別の態様によれば、患者において、脾臓癌をモニタリングす る方法であって、

唐、者力ら得た血液試料における、 28, 080 ± 15、 17, 272 ± 9、 17, 253 ± 9、 8, 766 ± 5および 14, 779 ± 8 (mZz)力なる群力選択される分子量の、少なくとも 一つのタンパク質の発現レベルを測定し、

28, 080± 15、 17, 272± 9、 17, 253 ± 9および 8, 766 ± 5 (mZz)力もなる群 力も選択される分子量の、少なくとも一つのタンパク質の発現レベルが経時的に低下 した場合、および Zまたは

14, 779 ± 8 (m/z)の分子量のタンパク質の発現レベルが経時的に上昇した場 合、脾臓癌が進行したものとする、方法が提供される。

[0025] また、本発明の別の好ましい態様によれば、上記モニタリング方法において、タン パク質として、 17, 272 ± 9および Zまたは 17, 253 ± 9 (mZz)の分子量を有するも のを用いる。また、本発明の別の好ましい態様によれば、上記モニタリング方法にお ヽて、タンノク質として、分子量 28, 080± 15、 17, 272± 9、 14, 779 ± 8 (m/z) および 8, 766 ± 5 (mZz)を有するものを用いる。

実施例

[0026] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に 限定されるものではない。

例 1

ピークの撰択

樑血

2002年 9月力ら 2003年 10月までの期間にお!/、て、国立がんセンター中央病院に おける治療前脾臓がん患者 104名および健常者 116名について、 EDTA採血管を 用いて採血を行、、得られた血漿を以下の実験に用いた。

[0027] プロテインチップ法による分析

上記血漿を 9M Urea, 2% CHAPS (3- [3- Cholamidoproppyl)dimethylammonio]prop anesulfonic acid)にて処理し、検体を調製した。この検体を、ワークステーションロボッ トバイオメック 2000 (Beckman Coulter社製)を用いて、 3種類のプロテインチップに 添加した。これらプロテインチップとしては、陽イオン交換型プロテインチップ CM10 ( サイファージヱン 'バイオシステムズ社製)、金属イオン固定型プロテインチップ IMAC 30 (サイファージェン ·バイオシステムズ社製)、または逆相型プロテインチップ H50 ( サイファージェン 'バイオシステムズ社製)を用いた。なお、 CM10については、サイフ ァージェン 'バイオシステムズ社の取扱説明書に記載の手順に従、、 pH7の緩衝液 を用いる厳密条件、または pH4の緩衝液を用いる緩和条件にて洗浄を行い、以下の 質量分析に用いた。

[0028] 皙畺分析

上記チップに、レーザー吸収体マトリックスであるシナピン酸を添加し、乾燥した。 次に、このチップを、飛行時間型質量分析機を搭載した四重極型ハイブリッド質量分 析機 Q- star XL (Applied Biosystems社)内に配置し、約 2— 40KD以下の低分子タン ノク質およびペプチドについて、質量およびイオン化量を測定した。質量分析器 Q- s

tar XLから得られた質量'イオン化情報は、解析用ソフトウェアー Analyst QS (Applied Biosystems社)を用い、質量'イオン化情報データに対する、ガウシアン窓関数によ るスム ~ンンクを行い、らには、 Improving protein identincation from peptide mass f ingerprinting through a parameterized multi-level scoring algorithm and an optimize d peak detection (Electrophoresis. 1999 Dec;20(18):3535- 50.の記載に準じてベース ラインおよびノイズレベルの調整を行い、ピーク情報へ変換した。なお、質量分析機 において許容される質量誤差は 0. 05%程度であるとして、データの解析を行った。

[0029] 機械学習

上記のようにして得られた 2,000〜35,000Daの範囲のピーク情報について、脾臓癌 患者 71例および健常者 71例を学習セットとして、 SVM (support vector machine :rbf ^radius basis functioa)および linear)、 NN (neural network;、および FNN (fuzzy neur al network)のアルゴリズムによる機械学習を行った。その結果、表 1に示される通りで あった。 3つのピーク、 CM10 (pH4)における 17, 272± 9 (m/z)および 17, 253士 9 (m/z)、並びに H50における 17, 253± 9 (m/z)力いずれのアルゴリズムによる 解析でも判別率約 80%以上を示した。

[0030] [表 1]



[0031] ピークチャート

また、健常者および脾臓癌患者における、 CM10 (pH4)における 17, 272± 9 (m /z)に関するピークチャートは、図 1に示される通りであった。

また、 CM10 (pH4)における 17, 253± 9 (m/z)に関するピークチャートは、図 2に 示される通りであった。

また、 H50における 17, 253± 9 (m/z)に関するピークチャートは、図 3に示される 通りであった。

上記図 1〜図 3におけるピークチャートの縦軸は相対的なイオン強度を示す。 Vヽずれのピークも、健常者と比較して脾臓癌患者にぉ、て減少する傾向を示した。

[0032] 実施例 2

実施例 1とは異なる脾臓癌患者 33例および健常者 45例を検証セットとして、実施 例 1にて見出された 3つのそれぞれのピークについて実施例 1と同様の手法により質 量分析を行い、 C10 (pH4)における 17, 272± 9 (m/z)、 C10 (pH4)における 17, 253± 9 (m/z)および H50における 17, 253 ± 9 (m/z)について、脾臓癌の正答率 を解析した。

CM10 (pH4)における 17, 272 ± 9 (m/z)については、半 IJ另 IJ率 72. 2%、感度 58 . 8%、特異度 82. 2%であった。

CM10 (pH4)における 17, 253 ± 9 (m/z)については、半 IJ另 IJ率 79. 7%、感度 85 . 3%、特異度 75. 6%であった。

H50における 17, 253 ± 9 (m/z)については、半 IJ另 IJ率 79. 7%、感度 82. 4%、特 異度 77. 8%であった。

[0033] U枪定(Mann Whitney U test)による檢 tH

実施例 1および実施例 2についてそれぞれ、実施例 1で見出された三つの質量ピ ークのイオン強度に関し、健常者群と、脾臓癌患者群とを比較して U検定を行った。

CM10 (pH4)における 17, 272± 9 (m/z)に関する結果は、図 4に示される通りで めつに。

また、 CM10 (pH4)における 17, 253 ± 9 (m/z)に関する結果は、図 5に示される 通りであった。

また、 H50における 17, 253 ± 9 (m/z)に関する結果は、図 6に示される通りであつ た。

上記図 4〜図 6における縦軸は相対的なイオン強度を示す。

いずれのピークも、健常者群と比較して、脾臓癌患者群のイオン強度は有意に低

かった。

また、実施例 1および実施例 2の結果は同様の傾向を示して、た。

実施例 3

実施 f列 1における質量分析により検出された、 28, 080± 15、 17, 272± 9, 17, 2 53 ± 9、 8, 766± 5または 14, 779 ± 8 (mZz)の質量ピークのイオン強度に関し、 T 検定による統計解析を行った。結果は表 2に示される通りであった。

[表 2]


陽イオン交換型プロテインチップ(CM10、 pH4)を用いた場合、分子量 28, 080 ± 15、 17, 272± 9、 17, 253± 9および 8, 766 ± 5 (m/z)の質量ピーク【こつ!ヽて は、健常者群と比較して、脾臓癌患者群のイオン強度が有意に低力た。さらに、陽 イオン交換型プロテインチップ(CM10、 pH7)を用いた場合、 14, 779±8 (m/z) の質量ピークは、健常者群と比較して、脾臓癌患者群のイオン強度が有意に高かつ た。また、逆相型プロテインチップ (H50)を用いた場合、 17, 272± 9、 17, 253± 9 および 8, 766 ± 5 (mZz)の質量ピークについては、健常者群と比較して、脾臓癌患 者群のピーク強度が有意に低ぐ 14, 779±8 (mZz)の質量ピークは、健常者群と 比較して、脾臓癌患者群のピーク強度が有意に高力つた。また、金属イオン固定型 プロテインチップ (IMAC 30、銅イオン固定型)を用いた場合、 28, 080± 15および 8, 766± 5 (mZz)の質量ピークは、健常者群と比較して、脾臓癌患者群のピーク強

度が有意に低力つた。

[0036] 実施例 4

皙量分析

国立がんセンター中央病院における治療前脾臓がん患者 71名および健常者 71名 について、実施例 1と同様の手法により、サンプルを調製して質量分析を行った。プ 口ティンチップとしては、陽イオン交換チップ CM10 (サイファージェン 'バイオシステ ムズ社製)および逆相チップ H50 (サイファージェン 'バイオシステムズ社製)を用い た。なお、 CM10については、サイファージェン 'バイオシステムズ社の取扱説明書に 記載の手順に従!ヽ、 pH4の緩衝液を用いる緩和条件にて洗浄を行った。

[0037] 機械学習

上記質量分析のピーク情報を学習セットとして、 rbf SVMのアルゴリズムによる機械 学習を行った。その結果、 CM10 (pH4)における 28, 080± 15、 17, 272± 9、 8, 766 ± 5 (m/z)および H50における 14, 779士 8 (m/z)とが検出された。

[0038] ピークチャート

また、実施例 3の結果、各ピークチャートは、図 7〜図 10に示される通りであった。こ こで、ピークチャートの縦軸は、相対的なイオン強度を示す。

図 7〜図 9に示される通り、 CM10 (pH4)における 17, 272± 9 (m/z)、 8, 766士 5 (m/z)および 28, 080± 15 (m/z)は、健常者と比較して脾臓癌患者において低 い傾向を示した。一方、図 10において示される通り、 H50における 14, 779 ± 8 (m/ z)は、健常者と比較して脾臓癌患者において高い傾向を示した。

[0039] ROC曲線

また、上記四つのピークに関する ROC曲線およびその AUC値は図 11に示される 通りであった。特に上記四つのピークのすべてが検出される場合 (4ピークコンビネー シヨン)、感度 97. 2%、特異度 94. 4%であり、その AUC値は 0. 978であった。な お、上記四つのピークについては、 LOO (leave- one- out) cross validationによっても 、識別能力を確認した。

[0040] 実施例 5

実施例 4とは異なる治療前脾臓癌患者 33例および健常者 45例を検証セットとして 、実施例 4と同様の手法により、検証試験を行った。その結果、実施例 4における四 つのピークのすべてが検出される場合、判別率 91. 0%、感度 90. 9%、特異度 91 . 1%であった。

[0041] U検定による検証

実施例 4および実施例 5につ、てそれぞれ、上記四つの質量ピークのピーク強度 に関し、健常者群と、脾臓癌患者群とを比較して U検定を行った。

実施例 4および実施例 5における結果は、表 3に示される通りであった。なお、各統 計結果の値は、ピークのイオン強度の平均値士 S. D.を示す。

[0042] [表 3]


[0043] U検定の結果、実施例 4および実施例 5は同様の傾向を示した。

CM10 (pH4)における 17, 272 ± 9 (m/z) , 8, 766 ± 5 (m/z)および 28, 080 ± 15 (m/z)についてはいずれも、健常者群と比較して、脾臓癌患者群のピーク強度 は有意に低かった。一方、 H50における 14, 779 ±8 (m/z)については、健常者と 比較して脾臓癌患者群のピーク強度は有意に高力つた。

[0044] 実施例 6

CA19— 9 皙量ピークを指標した、膝臓癌の枪出

東京医科大学病院における治療前脾臓癌患者 29名および健常者 39名について 、実施例 1と同様の手法により、サンプルの調製および質量分析を行い、 CM10 (pH 4)における 17, 272 ± 9 (m/z) , 8, 766 ± 5 (m/z)および 28, 080± 15 (m/z)並 びに H50における 14, 779 ±8 (m/z)を検出した。また、上記脾臓癌患者および健 常者の血漿中 CA19-9を、 CA19-9ィムノラジオアツセィキット(富士レビオネ土製)用い て検出した。なお、血漿中 CA19-9のカットオフ値は、 37UZmLとして脾臓癌の検出 を行った。

[0045] 結果は、表 3に示される通りであった。なお、表 3において、 SELDIとは、 CM10(p H4)における 17, 272±9(m/z)、 8, 766±5 (m/z)および 28, 080±15(m/z) 並びに H50における 14, 779 ±8 (m/z)がいずれも検出された場合を意味する。ま た、コンビネーションとは、 SELDIと、 CA19— 9とがいずれも検出された場合を意味 する。また、 nは検出された被検者の数を示す。なお、臨床段階は、日本脾臓病学会 編集 脾癌取扱い規約の記載に準じ、分類されている。

[表 4]


[0046] 上記 CM10(pH4)における 17, 272±9 (m/z)、 8, 766 ±5 (m/z)および 28, 0 80±15(m/z)並びに H50における 14, 779±8(m/z)と、 CA19— 9とを併せて指標 とすることにより、脾臓癌患者の 100%が検出された。