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1. WO2006095735 - METHOD OF MANUFACTURING RUN-FLAT TIRE

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[ JA ]
明 細書

ランフラットタイヤの製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、ビード部のタイヤ幅方向外側に膨出した環状膨出部に第 2ビードを配し たサイド補強型のランフラットタイヤ、及びその製造方法に関するものである。

背景技術

[0002] ランフラットタイヤとは、パンク等の障害によりタイヤ内部の空気圧が低下した場合 であっても、ある程度の距離を安全に走行することができるタイヤを言う。このようなラ ンフラット走行を可能にするためのタイヤ構造の 1つとして、サイドウォール部に補強 ゴム層を備えたランフラットタイヤが知られている。係るランフラットタイヤによれば、タ ィャ内部の空気圧が低下した際、補強ゴム層がタイヤを支持して完全に偏平ィ匕する ことを防止し、ランフラット走行が可能となる。

[0003] ところが、タイヤ内部の空気圧が低下した状態では、ビード部のリムへの押圧が弱ま つているため、リムとの嵌合力が低下し、ビード部がリム力も外れ易くなるという問題が あった。そのため、リムのビードシート部外周側に配されるビードとは別に、ビード部 のタイヤ幅方向外側に膨出した環状膨出部にビードを配した、 V、わゆるダブルビード タイプのランフラットタイヤが提案されている(下記特許文献 1〜2参照)。係る構造に よれば、ビードにより高弾性を有する環状膨出部が、ランフラット走行時にリムフラン ジを抱持してリム外れを防止しうる。

[0004] 図 16は、従来のダブルビードタイプのランフラットタイヤを示すタイヤ子午線断面図 である。ビード部 1には、ビード laおよびビードフイラ一 12が設けられ、それらを挟み 込むようにカーカスプライ 14が内側力も外側に巻き上げられる。サイドウォール部 2に は、外側にサイドウォールゴム 11が配されるとともに、内側に断面略三日月状をなす 補強ゴム層 9が配される。環状膨出部 10は、ビード部 1のタイヤ幅方向外側に膨出し て形成され、環状の第 2ビード lbを有する。また、補強層 16は、環状膨出部 10の内 周面に沿って配され、リムストリップゴム 17は、リム 8に直接接触する部分に配される。

[0005] 係るランフラットタイヤにおいては、ランフラット走行時において、サイド補強部が橈 んでカーカスに張力が生じると、ビードトウが持ち上がり易くなり、そのためビードが外 れ易くなると言う問題があった。これを回避するために、ビードの締め付け力を増加さ せたり、タイヤの橈み量を減少させようとすると、過大な補強が必要となり、リム組みの 困難性や重量増加を伴う t ヽぅ問題があった。

[0006] また、下記の特許文献 3には、第 2ビード lbを有さないサイド補強型のランフラットタ ィャにおいて、上記の補強層 16を、一本又は複数本のコードの渦巻状(らせん状)卷 回構造としたタイヤが記載されている。但し、その製法に関する記載がないため、一 般的な補強層と同様に、シートを貼り付ける方法で作製したと理解できる。

[0007] 一方、図 16に示すようなランフラットタイヤは、以下の製造工程を経て製造していた 。即ち、図 17の(a)〜(c)に順次示すように、まず、成形ドラムの外周面を被形成面 2 0として、その外周側にインナーライナ一層 5となるインナーライナ一ゴム 19、および 補強ゴム層 9となる補強ゴム部材 18をそれぞれ配設する。そして、その外周側にカー カスプライ 14を配設し、所定の位置にビード laおよびビードフイラ一 12を外挿する。 続いて、カーカスプライ 14を巻き上げ、ビード laおよびビードフイラ一 12を挟み込む ように配設する。次に、成型ドラムの被形成面 20を僅かに拡張させる等の手段でビ ード la、ビードフイラ一 12およびカーカスプライ 14を垂直に近づける。そのカーカス プライ 14の外周側に、環状膨出部 10を構成するゴム部材 22、第 2ビード lbの他、補 強層、リムストリップゴムおよびサイドウォールゴムなどを配設する。この第 2ビード lb は、ビードワイヤを螺旋巻きにして、別途ビードワイヤの集合体として作製したものを 使用する。その後、当該成形物をタイヤ形状に沿って変形させ、トレッド部 3を形成し て加硫工程に移行する。

[0008] し力しながら、上記の製造方法では、円環状の第 2ビード lbを配設する際に、タイ ャ軸に対して偏心しないように貼り付ける機構が必要となる。また、予めビードワイヤ の集合体を作製する際に、卷回の支持機構や集合体を集束させる装置が大がかり になるという問題もあった。更に、成形物をタイヤ形状に拡張'変形させる前に、第 2 ビード lbを配設するため、成形物の拡張'変形の際に、第 2ビード lbの偏心や断面 形状の変形なども生じ易くなるという問題がある。

[0009] また、特許文献 3のように、コードの渦卷状卷回構造とした補強層を、成形物に貼り 付けて製造する場合も、上記の第 2ビード lbを貼り付ける場合と同様に、偏心による ュニフォミティや、設備及び工程上の問題が生じる。

[0010] 一方、ランフラットタイヤでない通常の空気入りタイヤでは、成形物上にビードワイヤ を螺旋巻きにして、ビード (第 1ビードに相当する)を形成するタイヤの製造方法が知 られている(例えば、特許文献 4〜5参照)。しかし、これらの製造方法は、タイヤの内 面形状と同じ外形の環状コアを使用して、これに構成部材を順次配設 (貼り付け)し ていく工法を採用しており、ランフラットタイヤの場合、このような工法は採用されてい ない。従って、ランフラットタイヤの製造方法では、成形物上にビードワイヤを螺旋卷 きにしてビードを形成する方法は、これまで知られて、なかった。

特許文献 1:特開昭 51— 116507号公報

特許文献 2:特開昭 53— 138106号公報

特許文献 3:特開 2001— 80318号公報

特許文献 4:特表 2004— 501815号公報

特許文献 5:特表 2003 - 514706号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0011] そこで、本発明の目的は、従来法と比較して第 2ビードの偏心が生じにくいため、ュ ニフォミティが良好なランフラットタイヤを、簡易な設備及び工程で製造することができ るランフラットタイヤの製造方法を提供することにある。

[0012] また、本発明の別の目的は、従来法と比較して補強層等の偏心が生じにくいため、 ュニフォミティが良好であり、簡易な設備及び工程で製造することができるランフラット タイヤ及びその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0013] 上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。

即ち、本発明のランフラットタイヤの製造方法は、成形ドラムの外周の所定位置にィ ンナーライナ一ゴムと両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材とカーカスプライ とを各々配設する工程と、一対の第 1ビードおよびビードフイラ一を配設して、その第 1ビードより内側をトロイド状に変形させる工程と、その変形の前又は後に前記カー力 スプライの端部を巻き上げて貼り付ける工程と、トロイド状の成形物の前記ビードフィ ラーの側方に環状膨出部を構成するゴム部材を貼り付ける工程と、貼り付け後の成 形物を軸心回りに回転させながら、前記ゴム部材にコードをらせん状に貼り付けて第

2ビードを形成する工程と、を含むことを特徴とする。

[0014] 本発明のランフラットタイヤの製造方法によれば、トロイド状の成形物を軸心回りに 回転させながら、前記ゴム部材にコードをらせん状に貼り付けるため、円環状の第 2 ビードを配設する従来装置のような偏心防止機構が必要なくなる。また、従来法と比 較して、貼り付け時に偏心が生じにくぐ成形物の拡張'変形の際の偏心や断面形状 の変形なども生じにくぐュニフォミティが良好となる。また、予めビードワイヤの集合 体を作製する必要がなぐコードの貼り付け装置のみの追加で製造できるため、簡易 な設備及び工程でタイヤを製造することができる。

[0015] 上記において、成形ドラムの外周の所定位置にインナーライナ一ゴムと両側サイド ウォール部を補強する補強ゴム部材とを配設する共に、それぞれの補強ゴム部材の ドラム幅方向の外側端付近から更に外側にコードが幅方向に配列したカーカスブラ ィを各々配設する工程と、そのカーカスプライのドラム幅方向内側端よりやや外側に 一対の第 1ビードおよびビードフイラ一を配設する工程と、得られた成形物の前記第 1ビードより内側をトロイド状に変形させる工程と、この変形後の成形物の外周側に前 記各々のカーカスプライの外側端を巻き上げて貼り付ける工程とによって、前記トロイ ド状の成形物を形成することが好ましヽ。

[0016] この製造方法によると、補強ゴム部材の外側にカーカスプライを配設した後、その 内側端よりやや外側に一対の第 1ビードおよびビードフイラ一を配設してから、第 1ビ ードより内側をトロイド状に変形させるため、カーカスプライの内側巻き上げ部をビー ドの内側に容易に配設することができる。また、このようにして得られた成形物の外周 側にカーカスプライの外側端を巻き上げて貼り付けるため、シェービング後の補強ゴ ム部材に対してカーカスプライの圧着が容易になる。その結果、重量の増加を伴わ ずにビード外れ耐久性に優れるランフラットタイヤを、良好な生産性にて製造すること ができる。更に、カーカスプライの一端が第 1ビードの外側から内側に巻き上げられた タイヤとなるため、ランフラット走行時において、サイド補強部が橈んでカーカスに張 力が生じると、ビード回りにモーメントが生じてビードトウがリムのビードシートに押し付 けられるので、ビード外れが生じに《なる。

[0017] また、前記コードが未加硫ゴムを被覆したコードであり、そのコードを同一面にらせ ん状に貼り付けた後、続いてその上面にそのコードをらせん状に貼り付ける工程を繰 り返し行うことが好ましい。未加硫ゴムを被覆したコードを用いると、コード間の接着が 容易になり、上記工程の繰り返しにより、複数の層からなる第 2ビードを形成すること ができる。

[0018] 一方、本発明の別のランフラットタイヤの製造方法は、成形ドラムの外周の所定位 置にインナーライナ一ゴムと両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材とカー力 スプライとを各々配設する工程と、一対の第 1ビードおよびビードフイラ一を配設して 、その第 1ビードより内側をトロイド状に変形させる工程と、その変形の前又は後に前 記カーカスプライの端部を巻き上げて貼り付ける工程と、トロイド状の成形物の前記ビ ードフイラ一の側方に環状膨出部を構成するゴム部材を貼り付ける工程と、貼り付け 後の成形物を軸心回りに回転させながら、前記ゴム部材のリムフランジに対向する領 域にコードをらせん状に貼り付けて補強層を形成する工程と、を含むことを特徴とす る。

[0019] 本発明の別のランフラットタイヤの製造方法によれば、トロイド状の成形物を軸心回 りに回転させながら、ゴム部材のリムフランジに対向する領域にコードをらせん状に貼 り付けるため、円環状の補強層シートを配設する従来装置のような偏心防止機構が 必要なくなる。また、従来法と比較して、貼り付け時に偏心が生じにくぐ成形物の拡 張'変形の際の偏心や断面形状の変形なども生じにくぐュニフォミティが良好となる 。また、予めコードをらせん状に卷回した補強層シートを作製する必要がなぐコード の貼り付け装置のみの追加で製造できるため、簡易な設備及び工程でタイヤを製造 することができる。

[0020] 上記において、前記コードをタイヤ内周側から外周側へとらせん状に貼り付けて前 記補強層を形成し、その形成工程に引き続き、成形物を軸心回りに回転させながら、 前記補強層から連続するコードをらせん状に前記ゴム部材に貼り付けて第 2ビードを 形成する工程を含むことが好まヽ。

[0021] この製法によると、トロイド状の成形物を軸心回りに回転させながら、前記ゴム部材 にコードをらせん状に貼り付けるため、円環状の第 2ビードを配設する従来装置のよう な偏心防止機構が必要なくなる。また、従来法と比較して、貼り付け時に偏心が生じ にくぐ成形物の拡張'変形の際の偏心や断面形状の変形なども生じにくぐュニフォ ミティが良好となる。また、予めビードワイヤの集合体を作製する必要がなぐ補強層 のコードの貼り付け装置を利用して製造できるため、簡易な設備及び工程でタイヤを 製造することができる。

[0022] また、前記コードが未加硫ゴムを被覆したコードであり、前記第 2ビードを形成する 工程では、前記コードを同一面にらせん状に貼り付けた後、続いてその上面にその コードをらせん状に貼り付ける工程を繰り返し行うことが好ましい。未加硫ゴムを被覆 したコードを用いると、コード間の接着が容易になり、上記工程の繰り返しにより、複 数の層からなる第 2ビードを形成することができる。

[0023] 成形ドラムの外周の所定位置にインナーライナ一ゴムと両側サイドウォール部を補 強する補強ゴム部材とを配設する共に、それぞれの補強ゴム部材のドラム幅方向の 外側端付近から更に外側にコードが幅方向に配列したカーカスプライを各々配設す る工程と、そのカーカスプライのドラム幅方向内側端よりやや外側に一対の第 1ビード およびビードフイラ一を配設する工程と、得られた成形物の前記第 1ビードより内側を トロイド状に変形させる工程と、この変形後の成形物の外周側に前記各々のカーカス プライの外側端を巻き上げて貼り付ける工程とによって、前記トロイド状の成形物を形 成することが好ましい。

[0024] この製造方法によると、補強ゴム部材の外側にカーカスプライを配設した後、その 内側端よりやや外側に一対の第 1ビードおよびビードフイラ一を配設してから、第 1ビ ードより内側をトロイド状に変形させるため、カーカスプライの内側巻き上げ部をビー ドの内側に容易に配設することができる。また、このようにして得られた成形物の外周 側にカーカスプライの外側端を巻き上げて貼り付けるため、シェービング後の補強ゴ ム部材に対してカーカスプライの圧着が容易になる。その結果、重量の増加を伴わ ずにビード外れ耐久性に優れるランフラットタイヤを、良好な生産性にて製造すること ができる。更に、カーカスプライの一端が第 1ビードの外側から内側に巻き上げられた タイヤとなるため、ランフラット走行時において、サイド補強部が橈んでカーカスに張 力が生じると、ビード回りにモーメントが生じてビードトウがリムのビードシートに押し付 けられるので、ビード外れが生じに《なる。

[0025] 一方、本発明のランフラットタイヤは、環状の第 1ビードおよび前記第 1ビードのタイ ャ外周側に配されるビードフイラ一を有する一対のビード部と、そのビード部力各々 タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部間に設けられ たトレッド部と、そのトレッド部のタイヤ内周側に設けられたベルト層と、前記第 1ビード にて巻き上げられたカーカスプライ力なるカーカス層と、前記サイドウォール部に配 された補強ゴム層と、前記ビード部よりタイヤ幅方向外側に膨出し、第 2ビードを有す る環状膨出部とを備えるランフラットタイヤにおいて、前記環状膨出部のリムフランジ に対向する領域にコードをらせん状に配した補強層を設けると共に、その補強層から 連続するコードをらせん状に卷回して前記第 2ビードを形成してあることを特徴とする

[0026] 本発明のランフラットタイヤによると、補強層と第 2ビードを形成するコードが連続し ており、かつらせん状に卷回されているため、同じコードの貼り付け装置を利用して 補強層と第 2ビードを形成することができ、簡易な設備及び工程でタイヤを製造する ことができる。また、補強層と第 2ビードの偏心が生じにくいため、ュニフォミティが良 好なランフラットタイヤとすることができる。

図面の簡単な説明

[0027] [図 1]第 1発明で得られるランフラットタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図

[図 2]第 1発明で得られるランフラットタイヤのビード部の一例を模式的に示した要部 断面図

[図 3]第 1発明のランフラットタイヤの製造方法の一例を示す工程図

[図 4]第 1発明に係るランフラットタイヤの製造方法の一例を示す工程図

[図 5]第 1発明に係るランフラットタイヤの製造方法の一例を示す工程図

[図 6]第 1発明で得られるランフラットタイヤの他の例を示すタイヤ子午線断面図

[図 7]第 1発明の製造方法の他の例を示す工程図

[図 8]第 1発明で得られるランフラットタイヤの他の例を示す要部図

圆 9]第 2発明で得られるランフラットタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図 圆 10]第 2発明で得られるランフラットタイヤのビード部の一例を模式的に示した要部 断面図

圆 11]第 2発明のランフラットタイヤの製造方法の一例を示す工程図

圆 12]第 2発明に係るランフラットタイヤの製造方法の一例を示す工程図

圆 13]第 2発明に係るランフラットタイヤの製造方法の一例を示す工程図

圆 14]第 2発明で得られるランフラットタイヤの他の例を示すタイヤ子午線断面図 圆 15]第 2発明の製造方法の他の例を示す工程図

圆 16]従来のランフラットタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図

圆 17]従来のランフラットタイヤの製造方法を説明する工程図

符号の説明

1 ビード部

la 第 1ビード

lb 第 2ビード

9 補強ゴム層

10 環状膨出部

11 サイドウォールゴム

12 ビードフイラ一

13 環状ゴム体

13a ゴム咅附

13b ゴム咅附

14 カーカスプライ

14a 一端(内側)

14b 他端 (外側)

16 補強層

18 サイドウォール部を補強する補強ゴム部材

19 インナーライナ一ゴム

20 成形ドラム

c タイヤ赤道線

BW =fード、

SC コード

発明を実施するための最良の形態

[0029] [第 1発明の実施形態]

以下、第 1発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図 1は、第 1 発明の製造方法で得られるランフラットタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図であ り、図 2は、そのビード部を模式的に示した要部断面図である。また、図 3〜図 5は、 第 1発明の製造方法の一例を示す工程図である。

[0030] 第 1発明のランフラットタイヤの製造方法は、成形ドラムの外周の所定位置にインナ 一ライナーゴムと両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材とカーカスプライとを 各々配設する工程と、一対の第 1ビードおよびビードフイラ一を配設して、その第 1ビ ードより内側をトロイド状に変形させる工程と、その変形の前又は後に前記カーカス プライの端部を巻き上げて貼り付ける工程とを含み、これによつてトロイド状の成形物 を得る。更に第 1発明は、このトロイド状の成形物の前記ビードフイラ一の側方に環状 膨出部を構成するゴム部材を貼り付ける工程と、貼り付け後の成形物を軸心回りに回 転させながら、前記ゴム部材にコードをらせん状に貼り付けて第 2ビードを形成する 工程とを含む。

[0031] 本実施形態は、図 3〜図 5に示すように、成形ドラム 20の外周の所定位置にインナ 一ライナーゴム 19と両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材 18とを配設する 共に、それぞれの補強ゴム部材 18のドラム幅方向の外側端付近から更に外側にコ 一ドが幅方向に配列したカーカスプライ 14を各々配設する工程と、そのカーカスブラ ィ 14のドラム幅方向内側端よりやや外側に一対の第 1ビード laおよびビードフイラ一 12を配設する工程と、得られた成形物の前記第 1ビード laより内側をトロイド状に変 形させる工程と、この変形後の成形物の外周側に前記各々のカーカスプライ 14の外 側端 14bを巻き上げて貼り付ける工程とによって、前記トロイド状の成形物を形成す る例を示す。

[0032] まず、この実施形態によって得られるランフラットタイヤについて説明する。

[0033] [本実施形態のランフラットタイヤ]

本実施形態のランフラットタイヤは、図 1〜図 2に示すように、一対のビード部 1と、ビ ード部 1から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部 2と、サイドウォール部 2 間に設けられたトレッド部 3とを備える。ビード部 1には、ビードワイヤの集束体がタイ ャ周方向に環状をなすビード la (前記第 1ビードに相当する。)が配されるとともに、 ビード laのタイヤ外周には、断面がタイヤ径方向に延びる三角形状をなすビードフィ ラー 12が配される。また、リム 8に直接接触する部分には、耐摩耗性に優れたリムスト リップゴム 17が配される。

[0034] カーカス層 4は、コードをタイヤ赤道線 Cに対して略 90° の角度で配列したカー力 スプライ 14からなり、一対のビード部 1に対して各々設けられる。カーカスプライ 14は 、その一端 14aが第 1ビード laの外側から内側に巻き上げられ、他端 14bがベルト層 6の内側に配置されている。

[0035] 第 1発明において、カーカスプライ 14の他端 14bは、ベルト層 6のうち最も幅の広い 層(通常は最内層)の両外側の幅 60〜90%の範囲に配置されるのが好ましい。これ によって、ベルト層 6との協働によるタイヤ補強効果が維持できると共に、タイヤの軽 量ィ匕がはかれ、転がり抵抗と乗心地が良好になる。

[0036] カーカス層 4の内周側には、空気圧保持のためのインナーライナ一層 5が配され、ト レッド部 3のタイヤ内周側には、たが効果による補強を行うためのベルト層 6および必 要に応じてベルト補強層 7が配される。ベルト層 6は、コードをタイヤ赤道線 Cに対し て所定の角度で平行配列したベルトプライカゝら構成される。

[0037] なお、ビードワイヤとしては鋼線等が使用され、カーカス層 4やベルト層 6を構成す るコードとしては、スチールや、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ァラミド等の有機繊 維等が使用される。これらのコードは、いずれもゴムとの接着性を高めるベぐ通常、 表面処理や接着処理等がなされて!/、る。

[0038] サイドウォール部 2には、外側にサイドウォールゴム 11が配されるとともに、内側に 断面略三日月状をなす補強ゴム層 9が配される。これにより、タイヤ内部の空気圧が 低下した際、タイヤの橈み変形が抑制され、ランフラット走行が可能となる。補強ゴム 層 9は、例えば、ゴム硬度 (JISK6253のタイプ Aデュロメータ硬さ試験に準じて測定 したゴム硬度、以下同じ。)が 65〜90°のゴム層により構成される。なお、第 1発明の ランフラットタイヤが備える補強ゴム層 9は、従来のサイド補強タイプのランフラットタイ ャに用いられる補強ゴム層であれば、硬さや厚みなど特に制限されることなく何れも 適用することができる。補強ゴム層 9は、単一のゴム層力もなるものに限られず、硬さ 等の物性の異なる複数のゴム層力も構成されるものでもよい。

[0039] 本実施形態では、図 2に示すように、更に、少なくとも一方のビード部 1よりタイヤ幅 方向外側に膨出し、第 2ビード lbを有する環状膨出部 10を備える。この環状膨出部 10は、リムフランジ 8aよりもタイヤ幅方向外側に膨出するとともに、リムフランジ 8aの 外周側湾曲面に沿った内周面を有する。これにより、環状膨出部 10がリムフランジ 8 aを効果的に抱持して、リム外れを防止し得る。環状膨出部 10は、両側のビード部 1 にそれぞれ形成されてヽることが好まヽ。

[0040] 環状膨出部 10には、ビードワイヤがタイヤ周方向に環状をなすビード lb (前記第 2 ビードに相当する。)が配される。本実施形態のビード lbは、リム装着時に、その中心 位置がリムフランジ 8aの最外径点よりタイヤ外周側かつタイヤ幅方向外側に位置す るように配されている。なお、第 1発明において、ビード lbの配設位置は特に限定さ れるものではない。

[0041] 補強層 16は、環状膨出部 10の内周面に略沿って配設されており、これによつて環 状膨出部 10の内周面を補強して摩滅を抑制することができる。補強層 16としては、 スチールコードや、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ァラミド等の有機繊維力も構成 されるチェ一ファが例示される。

[0042] カーカスプライ 14は、図 2に示すように、ビード laにて外側から内側に巻き上げられ 、その一端 14aは、ビードフイラ一 12の底辺近傍に配置されている。ビードフイラ一 1 2の高さ Hは、例えば 15〜65mmの範囲で変動可能である力ビード laのタイヤ外 周側端を基準としたカーカスプライ 14の一端 14aの高さ Pは、 10〜20mmの範囲と するのが、ビード耐久力や軽量ィ匕の観点力好ま、。

[0043] なお、第 1発明によって得られるランフラットタイヤの環状膨出部 10、環状ゴム体 13 およびビードフイラ一 12の断面形状は、本実施形態で示した形状に限られるもので はない。

[0044] [ランフラットタイヤの製造方法]

次に、本実施形態のランフラットタイヤの製造方法について、図 3〜図 5を参照しな がら説明する。

[0045] まず、円筒状の成形ドラム 20を準備する。この成形ドラム 20は、従来公知の縮径' 拡径機構を有するものであり、中央部にはシェービングを行うためのブラダー又は同 様の機能を有する拡径機構を備えている。また、必要に応じて、カーカスの外側端を 巻き上げるためのブラダー機構を備える。

[0046] 次に、図 3 (a)に示すように、成形ドラム 20の外周の所定位置に、インナーライナ一 ゴム 19と、両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材 18と、カーカスプライ 14と を各々配設する工程を実施する。具体的には、成形ドラム 20の外周の中央に、イン ナーライナ一ゴム 19の中央が位置するように配設し、中央からトレッド幅の間隔をお いて両側に補強ゴム部材 18を配設する。また、それぞれの補強ゴム部材 18のドラム 幅方向の外側端付近から更に外側に、カーカスプライ 14を各々配設する。このとき力 一カスプライ 14を構成するコードがドラム幅方向に配列するようにする。

[0047] 本実施形態では、インナーライナ一ゴム 19の幅方向外側に、リムストリップゴム 17と 補強層 16とを配設する例を示す。リムストリップゴム 17は、インナーライナ一ゴム 19と 端面を突き合わせて、または端部が重なるように配設するのが好ましい。

[0048] 次いで、図 3 (b)に示すように、カーカスプライ 14のドラム幅方向内側端よりやや外 側に一対の第 1ビード laおよびビードフイラ一 12を配設する工程を実施する。第 1ビ ード laとビードフイラ一 12とは、順次外挿して配設してもよいが、両者を一体に形成 したものを配設するのが好ま U、。

[0049] 次いで、図 3 (c)に示すように、得られた成形物の第 1ビード laより内側をトロイド状 に変形させる工程を実施する。この変形は成形ドラム 20によって行うことができる。こ のとき、成形ドラム 20にビードロック機構を設けておき、リムストリップゴム 17および力 一カスプライ 14等を介して、ビード laをタイヤ内周側よりクランプしてもよい。これによ り、変形を精度良く行うことができる。この変形によって、カーカスプライ 14の一端 14a 1S インナーライナ一ゴム 19と第 1ビード laとの間に挟み込まれた状態となる。図 3 (c )には、成形ドラム 20の拡径部の両側面が略平面である例を示してある力拡径部の

両側面は、タイヤ内面形状のように外側へ凸の湾曲面に形成するのが好ましい。

[0050] 次いで、図 4 (a)に示すように、変形後の成形物の外周側に各々のカーカスプライ 1 4の外側端 (他端 14b)を巻き上げて貼り付ける工程を実施する。この工程によって、 トロイド状の成形物が形成される。

[0051] その際、カーカスプライ 14の巻き上げは、必要によりビードロック機構を用いてビー ド laを固定した状態で、手作業で個別に又は一括に行うことができる。また、ブラダ 一と呼ばれるゴムバッグをセットして内圧をかけることにより、カーカスプライ 14を容易 に巻き上げることができる。このとき、補強層 16およびリムストリップゴム 17が同時に 巻き上げられるため、これらとカーカスプライ 14との間にセパレータを介在させておき 、補強層 16等を引き剥がして力も次の工程を実施してもよい。

[0052] 第 1発明は、図 4 (b)に示すように、トロイド状の成形物のビードフイラ一 12の側方に 環状膨出部を構成するゴム部材 13を貼り付ける工程を含む。環状ゴム体 13は、同一 又は 2種以上のゴム部材 13a, 13bなどで構成されている。環状ゴム体 13は、例えば 、ゴム硬度が 40〜75°であり、リム 8から反復して伝達される衝撃に耐え得る十分な 剛性および耐クラック性を有するものが好ましい。環状ゴム体 13は、ビードフイラ一 1 2のタイヤ幅方向外側に、カーカスプライ 14を介在させつつ貼り付ける。

[0053] 第 1発明は、図 4 (c)に示すように、貼り付け後の成形物を軸心回りに回転させなが ら、前記ゴム部材 13にコード BWをらせん状に貼り付けて第 2ビード lbを形成するェ 程を含む。この工程をより詳細に示したもの力図 5 (a)〜(b)である。図示した例で は、矢印のように、まず内周側力外周側へとコード BWをらせん状に貼り付けている 力 逆方向に貼り付けてもよい。

[0054] コード BWは 1本又は複数本を同時に貼り付けることも可能であるが、 1本で貼り付 けを行うのが、ュニフォミティや強度、生産性などの観点力も好ましい。コード BWの 材質としては、鋼線、スチールコードや、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ァラミド等 の有機繊維等が使用できる。つまり、従来法では、予め環状のビードを作製するため 、有機繊維では円環形状を維持するのが困難であつたが、第 1発明では貼り付けを 行うため、有機繊維を用いてもュニフォミティが良好になる。

[0055] また、コード間の接着を容易にする観点から、未加硫ゴムを被覆したコードを用いる のが好ましい。力かる未加硫ゴムとしては、第 1ビードを製造する際に使用されるもの が挙げられ、例えば、ゴム粘度が 50〜80のゴムが使用される。ここで、ゴム粘度は、 J IS K6300の『未加硫ゴム物理試験方法』のうち、『ム一二一粘度試験』に準拠して 測定される値である。

[0056] 第 1発明では、コード BWがらせん状に貼り付けてられていればよぐランダムにコー ド BWが周回するものでもよいが(これもらせん状に含む)、図 5 (a)に示すように、ま ず、コード BWを同一面にらせん状に貼り付けるのが好ましい。また、続いてその上面 にコード BWをらせん状に貼り付ける工程を繰り返し行うのが好ましヽ。

[0057] 本実施形態では、最初の面に 5周、次の面に 4周、更に、 3周、 2周と、コード BWが らせん状に貼り付けてある例を示す。このように徐々に周回数を減らすことによって、 第 2ビード lbの形状を加硫工程後に維持し易くなる。また、最上層の貼り付けを 2周 以上にすることによって、同様に第 2ビード lbの形状を加硫工程後に維持し易くなる 。なお、コード BWを同一面にらせん状に貼り付けた後、ターンさせてから上面にらせ ん状に貼り付けることによって、 2本のコードによって形成される凹部に沿って、コード BWをらせん状に貼り付けることができる。

[0058] 次いで、図 4 (c)に示すように、補強層 16およびリムストリップゴム 17を巻き上げて 所定の位置に貼り付ける。更に、サイドウォールゴム 11を、環状ゴム体 13の外周面に 沿って、環状膨出部 10からサイドウォール部 2に向けて配設する。その後、当該成形 体のタイヤ外周側にベルト層 6およびベルト補強層 7を形成し、更にその外周側にト レッドゴムを配してトレッド部 3を形成する。このようにして得られたグリーンタイヤは、 金型内に導入された後、加硫成型される。

[0059] [第 1発明の別実施形態]

(1)前述の実施形態では、 2枚のカーカスプライを用いて、前記各々のカーカスプ ライの外側端を巻き上げて貼り付けることによって、カーカスプライの他端が外側から 内側へ巻き上げられたトロイド状の成形物を形成する例を示したが、 1枚のカーカス プライを用いて、図 6に示すような、従来と同様のカーカス構造を有するランフラットタ ィャを製造することができる。この場合でも、前述の実施形態と同様にして、成形物を 軸心回りに回転させながら、ゴム部材 13にコード BWをらせん状に貼り付けて第 2ビ ード lbを形成する工程を実施することができる。

[0060] つまり、第 1発明は、図 7 (a)〜(c)に示すように、成形ドラム 20の外周の所定位置 にインナーライナ一ゴム 19と両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材 18と力 一カスプライ 14とを各々配設する工程と、一対の第 1ビード laおよびビードフイラ一 1 2を配設して、その第 1ビード laより内側をトロイド状に変形させる工程と、その変形の 前又は後に前記カーカスプライ 14の端部を巻き上げて貼り付ける工程と含むもので あればよい。

[0061] 具体的には、前記のような円筒状の成形ドラム 20を準備し、図 7 (a)に示すように、 成形ドラム 20の外周の所定位置に、インナーライナ一ゴム 19と、両側サイドウォール 部を補強する補強ゴム部材 18と、カーカスプライ 14を配設する。このとき、成形ドラム 20の外周の中央に、インナーライナ一ゴム 19の中央が位置するように配設し、中央 力もトレッド幅の間隔をおいて両側に補強ゴム部材 18を配設し、更に中央にカーカス プライ 14の中央が位置するように、カーカスプライ 14を配設する。このときカーカスプ ライ 14を構成するコードがドラム幅方向に配列するようにする。

[0062] 図示していないが、インナーライナ一ゴム 19の幅方向外側に、リムストリップゴム 17 と補強層 16とを配設してもよい。リムストリップゴム 17は、インナーライナ一ゴム 19と端 面を突き合わせて、または端部が重なるように配設するのが好ま、。

[0063] 次いで、カーカスプライ 14における第 1ビード laの配設位置に、一対の第 1ビード 1 aおよびビードフイラ一 12を配設する工程を実施する。第 1ビード laとビードフイラ一 1 2とは、順次外挿して配設してもよいが、両者を一体に形成したものを配設するのが 好ましい。

[0064] 次いで、図 7 (b)に示すように、カーカスプライ 14の端部を巻き上げて貼り付けるェ 程を実施するが、この工程は成形物をトロイド状に変形させる工程の後に行ってもよ い。この貼り付け工程によって、巻き上げたカーカスプライ 14で、第 1ビード laおよび ビードフイラ一 12が挟み込まれた形状となる。

[0065] 次いで、図 7 (c)に示すように、得られた成形物の第 1ビード laより内側をトロイド状 に変形させる工程を実施する。この工程によって、トロイド状の成形物が形成される。 この変形は成形ドラム 20によって行うことができる。このとき、成形ドラム 20にビードロ ック機構を設けておき、リムストリップゴム 17およびカーカスプライ 14等を介して、ビー ド laをタイヤ内周側よりクランプしてもよい。これにより、変形を精度良く行うことができ る。

[0066] 次いで、図 7 (c)に示すように、トロイド状の成形物のビードフイラ一 12の側方に環 状膨出部を構成するゴム部材 13を貼り付けるが、この工程は前述の実施形態と同様 にして行うことができる。

[0067] また、図 7 (d)に示すように、貼り付け後の成形物を軸心回りに回転させながら、前 記ゴム部材 13にコード BWをらせん状に貼り付けて第 2ビード lbを形成する力この 工程も前述の実施形態と同様にして行うことができる。

[0068] (2)前述の実施形態では、コードをらせん状に貼り付ける際に、最初の面に 5周、 次の面に 4周、更に、 3周、 2周と、貼り付ける例を示した力コード BWをらせん状に 貼り付けて、第 2ビード lbを形成する際には、図 8に示すように、種々の形態をとるこ とがでさる。

[0069] 図示した形状は、何れも上層ほど周回数が少なくなる形状 (台形又は三角形)であ るが、四角形のように、各層の周回数が等しい形状や、一端周回数を増加させた後 に減少させる形状 (6角形や 8角形)などでもよい。

[0070] 上記のうち、第 2ビードの形状として、特に好ましいのは、ビード外れを防止する観 点やリム組み性、加工性、軽量ィ匕の観点から、台形が最も優れている。

[0071] (3)前述の実施形態では、インナーライナ一ゴム、補強ゴム部材、リムストリップゴム 、サイドウォールゴム、トレッドゴム等として、 1枚のシート又は板状物を用いて成型を 行う例を示した力これらの部材は何れも、連続するゴム帯状材をスパイラル状に卷 き付けて所定の形状に得ることで、配設することが可能である(いわゆるストリップェ 法)。

[0072] 具体的には、成型ドラム又は成型物を軸心回りに回転させながら、ゴムの押出装置 力もゴム帯状材を吐出して貼り付けつつ貼り付け位置を移動させることで、ストリップ 工法による部材の配設が可能となる。このストリップ工法は、各種の方法が公知であり 、これらを何れち採用することがでさる。

[0073] (4)前述の実施形態では、成形ドラムのインナーライナ一ゴムの幅方向外側に、予

めリムストリップゴムと補強層とを配設する例を示したが、カーカスプライの巻き上げェ 程を実施した後に、環状膨出部を構成するゴム部材を貼り付けてから、リムストリップ ゴムと補強層とを配設した後、その巻き上げを行っても良い。

[0074] この製造方法によると、カーカスプライの巻き上げ工程と、リムストリップゴムと補強 層の巻き上げ工程とを、ブラダーと呼ばれるゴムバッグを用いて、順次行うことができ る。

[0075] [第 2発明の実施形態]

以下、第 2発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図 9は、第 2 発明のランフラットタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図であり、図 10は、そのビ ード部を模式的に示した要部断面図である。また、図 11〜図 13は、第 2発明の製造 方法の一例を示す工程図である。

[0076] 第 2発明のランフラットタイヤの製造方法は、成形ドラムの外周の所定位置にインナ 一ライナーゴムと両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材とカーカスプライとを 各々配設する工程と、一対の第 1ビードおよびビードフイラ一を配設して、その第 1ビ ードより内側をトロイド状に変形させる工程と、その変形の前又は後に前記カーカス プライの端部を巻き上げて貼り付ける工程とを含み、これによつてトロイド状の成形物 を得る。更に第 2発明の製造方法は、トロイド状の成形物の前記ビードフイラ一の側 方に環状膨出部を構成するゴム部材を貼り付ける工程と、貼り付け後の成形物を軸 心回りに回転させながら、前記ゴム部材のリムフランジに対向する領域にコードをらせ ん状に貼り付けて補強層を形成する工程とを含む。

[0077] 本実施形態は、図 11〜図 13に示すように、成形ドラム 20の外周の所定位置にイン ナーライナ一ゴム 19と両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材 18とを配設す る共に、それぞれの補強ゴム部材 18のドラム幅方向の外側端付近力も更に外側にコ 一ドが幅方向に配列したカーカスプライ 14を各々配設する工程と、そのカーカスブラ ィ 14のドラム幅方向内側端よりやや外側に一対の第 1ビード laおよびビードフイラ一 12を配設する工程と、得られた成形物の前記第 1ビード laより内側をトロイド状に変 形させる工程と、この変形後の成形物の外周側に前記各々のカーカスプライ 14の外 側端 14bを巻き上げて貼り付ける工程とによって、前記トロイド状の成形物を形成す る例を示す。

[0078] まず、この実施形態によって得られる第 2発明のランフラットタイヤについて説明す る。

[0079] [第 2発明のランフラットタイヤ]

第 2発明のランフラットタイヤは、図 9〜図 10に示すように、一対のビード部 1と、ビ ード部 1から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部 2と、サイドウォール部 2 間に設けられたトレッド部 3とを備える。ビード部 1には、ビードワイヤの集束体がタイ ャ周方向に環状をなすビード la (前記第 1ビードに相当する。)が配されるとともに、 ビード laのタイヤ外周には、断面がタイヤ径方向に延びる三角形状をなすビードフィ ラー 12が配される。また、リム 8に直接接触する部分には、耐摩耗性に優れたリムスト リップゴム 17が配されるのが好ましい。

[0080] カーカス層 4は、コードをタイヤ赤道線 Cに対して略 90° の角度で配列したカー力 スプライ 14からなり、一対のビード部 1に対して各々設けられる。本実施形態では、力 一カスプライ 14は、その一端 14aが第 1ビード laの外側から内側に巻き上げられ、他 端 14bがベルト層 6の内側に配置されている例を示す。

[0081] この実施形態において、カーカスプライ 14の他端 14bは、ベルト層 6のうち最も幅の 広い層(通常は最内層)の両外側の幅 60〜90%の範囲に配置されるのが好ましい。 これによつて、ベルト層 6との協働によるタイヤ補強効果が維持できると共に、タイヤ の軽量ィ匕がはかれ、転がり抵抗と乗心地が良好になる。

[0082] カーカス層 4の内周側には、空気圧保持のためのインナーライナ一層 5が配され、ト レッド部 3のタイヤ内周側には、たが効果による補強を行うためのベルト層 6および必 要に応じてベルト補強層 7が配される。ベルト層 6は、コードをタイヤ赤道線 Cに対し て所定の角度で平行配列したベルトプライカゝら構成される。

[0083] なお、ビードワイヤとしては鋼線等が使用され、カーカス層 4やベルト層 6を構成す るコードとしては、スチールや、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ァラミド等の有機繊 維等が使用される。これらのコードは、いずれもゴムとの接着性を高めるベぐ通常、 表面処理や接着処理等がなされて!/、る。

[0084] サイドウォール部 2には、外側にサイドウォールゴム 11が配されるとともに、内側に 断面略三日月状をなす補強ゴム層 9が配される。これにより、タイヤ内部の空気圧が 低下した際、タイヤの橈み変形が抑制され、ランフラット走行が可能となる。補強ゴム 層 9は、例えば、ゴム硬度 (JISK6253のタイプ Aデュロメータ硬さ試験に準じて測定 したゴム硬度、以下同じ。)が 65〜90°のゴム層により構成される。なお、第 2発明の ランフラットタイヤが備える補強ゴム層 9は、従来のサイド補強タイプのランフラットタイ ャに用いられる補強ゴム層であれば、硬さや厚みなど特に制限されることなく何れも 適用することができる。補強ゴム層 9は、単一のゴム層力もなるものに限られず、硬さ 等の物性の異なる複数のゴム層力も構成されるものでもよい。

[0085] 第 2発明では、図 10に示すように、更に、少なくとも一方のビード部 1よりタイヤ幅方 向外側に膨出し、第 2ビード lbを有する環状膨出部 10を備える。この環状膨出部 10 は、リムフランジ 8aよりもタイヤ幅方向外側に膨出するとともに、リムフランジ 8aの外周 側湾曲面に沿った内周面を有する。これにより、環状膨出部 10がリムフランジ 8aを効 果的に抱持して、リム外れを防止し得る。環状膨出部 10は、両側のビード部 1にそれ ぞれ形成されて、ることが好ま U、。

[0086] 環状膨出部 10には、ビードワイヤがタイヤ周方向に環状をなすビード lb (前記第 2 ビードに相当する。)が配される。本実施形態のビード lbは、リム装着時に、その中心 位置がリムフランジ 8aの最外径点よりタイヤ外周側かつタイヤ幅方向外側に位置す るように配されている。なお、第 2発明において、ビード lbの配設位置は特に限定さ れるものではない。

[0087] 第 2発明のランフラットタイヤは、環状膨出部 10のリムフランジに対向する領域にコ ード SCをらせん状に配した補強層 16を設けると共に、その補強層 16から連続するコ ード SCをらせん状に卷回して第 2ビード lbを形成してあることを特徴とする。

[0088] 補強層 16は、環状膨出部 10の内周面に略沿って配設されており、これによつて環 状膨出部 10の内周面を補強して摩滅を抑制することができる。補強層 16及び第 2ビ ード lbを構成するコード SCとしては、スチールコードや、レーヨン、ナイロン、ポリエス テル、ァラミド等の有機繊維が例示される。

[0089] カーカスプライ 14は、図 10に示すように、ビード laにて外側から内側に巻き上げら れ、その一端 14aは、ビードフイラ一 12の底辺近傍に配置されている。ビードフイラ一 12の高さ Hは、例えば 15〜65mmの範囲で変動可能である力ビード laのタイヤ外 周側端を基準としたカーカスプライ 14の一端 14aの高さ Pは、 10〜20mmの範囲と するのが、ビード耐久力や軽量ィ匕の観点力好ま、。

[0090] なお、第 2発明によって得られるランフラットタイヤの環状膨出部 10、環状ゴム体 13 およびビードフイラ一 12の断面形状は、本実施形態で示した形状に限られるもので はない。

[0091] [第 2発明のランフラットタイヤの製造方法]

次に、第 2発明のランフラットタイヤの製造方法について、図 11〜図 13を参照しな 力 説明する。第 2発明の図 11 (a)〜図 12 (b)に示す工程と、第 1発明の図 3〜図 4 に示す工程との相違は、図 11 (a)〜図 12 (b)において、補強層 16を設けていない 点のみである。まず、第 1発明と同様の円筒状の成形ドラム 20を準備する。

[0092] 次に、図 11 (a)に示すように、成形ドラム 20の外周の所定位置に、インナーライナ 一ゴム 19と、両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材 18と、カーカスプライ 14 とを各々配設する工程を実施する。具体的には、第 1発明と同じ工程が採用できる。

次いで、図 11 (b)に示すように、カーカスプライ 14のドラム幅方向内側端よりやや 外側に一対の第 1ビード laおよびビードフイラ一 12を配設する工程を実施する。具 体的には、第 1発明と同じ工程が採用できる。

[0093] 次いで、図 11 (c)に示すように、得られた成形物の第 1ビード laより内側をトロイド 状に変形させる工程を実施する。具体的には、第 1発明と同じ工程が採用できる。

[0094] 次いで、図 12 (a)に示すように、変形後の成形物の外周側に各々のカーカスプライ 14の外側端 (他端 14b)を巻き上げて貼り付ける工程を実施する。この工程によって 、トロイド状の成形物が形成される。具体的には、第 1発明と同じ工程が採用できる。

[0095] その際、カーカスプライ 14の巻き上げは、必要によりビードロック機構を用いてビー ド laを固定した状態で、手作業で個別に又は一括に行うことができる。また、ブラダ 一と呼ばれるゴムバッグをセットして内圧をかけることにより、カーカスプライ 14を容易 に巻き上げることができる。このとき、リムストリップゴム 17が同時に巻き上げられるた め、これらとカーカスプライ 14との間にセパレータを介在させておき、リムストリップゴ ム 17を弓 Iき剥がして力も次の工程を実施してもよ!/、。

[0096] 第 2発明は、図 12 (b)に示すように、トロイド状の成形物のビードフイラ一 12の側方 に環状膨出部を構成するゴム部材 13を貼り付ける工程を含む。環状ゴム体 13は、同 一又は 2種以上のゴム部材 13a, 13bなどで構成されている。環状ゴム体 13は、例え ば、ゴム硬度力 0〜75°であり、リム 8から反復して伝達される衝撃に耐え得る十分 な剛性および耐クラック性を有するものが好ましい。環状ゴム体 13は、ビードフイラ一 12のタイヤ幅方向外側に、カーカスプライ 14を介在させつつ貼り付ける。

[0097] 第 2発明は、図 12 (c)に示すように、貼り付け後の成形物を軸心回りに回転させな がら、ゴム部材 13のリムフランジに対向する領域にコード SCをらせん状に貼り付けて 補強層 16を形成する工程を含む。本実施形態では、コード SCをタイヤ内周側から 外周側へとらせん状に貼り付けて前記補強層 16を形成し、その形成工程に引き続き 、成形物を軸心回りに回転させながら、前記補強層 16から連続するコード SCをらせ ん状にゴム部材 13に貼り付けて第 2ビード lbを形成する工程を含む例を示す。これ らの工程をより詳細に示したもの力図 13 (a)〜(c)である。

[0098] コード SCは 1本又は複数本を同時に貼り付けることも可能である力 1本で貼り付け を行うの力ュニフォミティや強度、生産性などの観点から好ましい。コード SCの材質 としては、鋼線、スチールコードや、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ァラミド等の有 機繊維等が使用できる。つまり、従来法では、予め環状のビードを作製するため、有 機繊維では円環形状を維持するのが困難であつたが、第 2発明では貼り付けを行う ため、有機繊維を用いてもュニフォミティが良好になる。

[0099] また、コード間の接着を容易にする観点から、未加硫ゴムを被覆したコードを用いる のが好ましい。力かる未加硫ゴムとしては、第 1ビードを製造する際に使用されるもの が挙げられ、例えば、ゴム粘度が 50〜80のゴムが使用される。ここで、ゴム粘度は、 J IS K6300の『未加硫ゴム物理試験方法』のうち、『ム一二一粘度試験』に準拠して 測定される値である。

[0100] 第 2発明では、補強層 16を形成する際、図 13 (a)に示すように、まず、コード SCを 同一面にらせん状に貼り付けるのが好ましい。図示した例では、矢印のように、まず 内周側から外周側へとコード SCをらせん状に貼り付けているが、補強層 16と第 2ビ ード lbとを連続させずに形成する場合、矢印と逆方向に貼り付けてもよい。

[0101] 第 2発明の製造方法において、補強層 16を形成する際にコード SCを貼り付ける領 域としては、リムフランジに対向する領域の一部又は全部を含む領域であればよぐ 例えば第 1ビード laの側方又は下方まで延設させたり、第 2ビード lbの側方まで延 設させてもよい。また、コード SCをらせん状に貼り付ける際、コード SCのピッチ(中心 間距離)は、 1. 5〜3mmが好ましい。ピッチがこれより大きいと、ビード外れの抗力の 効果が低下する傾向がある。

[0102] また、第 2ビード lbを形成する際には、コード SCがらせん状に貼り付けてられてい ればよぐランダムにコード SCが周回するものでもよいが(これもらせん状に含む)、 図 13 (b)に示すように、まず、コード SCを同一面にらせん状に貼り付けるのが好まし い。また、続いて図 13 (c)に示すように、その上面にコード SCをらせん状に貼り付け る工程を繰り返し行うのが好ましい。

[0103] 本実施形態では、第 2ビード lbを形成する際、最初の面に 5周、次の面に 4周、更 に、 3周、 2周と、コード SCがらせん状に貼り付けてある例を示す。このように徐々に 周回数を減らすことによって、第 2ビード lbの形状を加硫工程後に維持し易くなる。 また、最上層の貼り付けを 2周以上にすることによって、同様に第 2ビード lbの形状を 加硫工程後に維持し易くなる。なお、コード SCを同一面にらせん状に貼り付けた後、 ターンさせてから上面にらせん状に貼り付けることによって、 2本のコードによって形 成される凹部に沿って、コード SCをらせん状に貼り付けることができる。

[0104] 次いで、図 12 (c)に示すように、リムストリップゴム 17を巻き上げて所定の位置に貼 り付ける。更に、サイドウォールゴム 11を、環状ゴム体 13の外周面に沿って、環状膨 出部 10からサイドウォール部 2に向けて配設する。その後、当該成形体のタイヤ外周 側にベルト層 6およびベルト補強層 7を形成し、更にその外周側にトレッドゴムを配し てトレッド部 3を形成する。

[0105] [第 2発明の別実施形態]

(1)前述の実施形態では、 2枚のカーカスプライを用いて、前記各々のカーカスプ ライの外側端を巻き上げて貼り付けることによって、カーカスプライの他端が外側から 内側へ巻き上げられたトロイド状の成形物を形成する例を示したが、 1枚のカーカス プライを用いて、図 14に示すような、従来と同様のカーカス構造を有するランフラット タイヤを製造することができる。この場合でも、前述の実施形態と同様にして、成形物 を軸心回りに回転させながら、ゴム部材 13のリムフランジに対向する領域にコード SC をらせん状に貼り付けて補強層 16を形成する工程を実施することができる。

[0106] つまり、第 2発明は、図 15 (a)〜(c)に示すように、成形ドラム 20の外周の所定位置 にインナーライナ一ゴム 19と両側サイドウォール部を補強する補強ゴム部材 18と力 一カスプライ 14とを各々配設する工程と、一対の第 1ビード laおよびビードフイラ一 1 2を配設して、その第 1ビード laより内側をトロイド状に変形させる工程と、その変形の 前又は後に前記カーカスプライ 14の端部を巻き上げて貼り付ける工程と含むもので あればよい。

[0107] 図 15 (a)〜(c)に示す工程は、具体的には、第 1発明の図 7 (a)〜(c)に示す工程 と同じ工程が採用できる。

[0108] また、図 15 (d)に示すように、貼り付け後の成形物を軸心回りに回転させながら、ゴ ム部材 13のリムフランジに対向する領域にコード SCをらせん状に貼り付けて補強層

16を形成するが、この工程とそれ以後の工程も前述の実施形態と同様にして行うこと ができる。

[0109] (2)前述の実施形態では、連続するコードで補強層と第 2ビートとを引き続いて形 成する例を示したが、補強層と第 2ビートとを別のコードで形成してもよい。その場合 、第 2ビードについては、従来法と同様にビードワイヤを螺旋巻きにして、別途ビード ワイヤの集合体として作製したものを使用してもよ、。

[0110] (3)前述の実施形態では、第 2ビード lbを形成する際に、コードをらせん状に貼り 付ける際に、最初の面に 5周、次の面に 4周、更に、 3周、 2周と、貼り付ける例を示し たが、コード SCをらせん状に貼り付けて、第 2ビード lbを形成する際には、図 8に示 すように、種々の形態をとることができる。

[0111] (4)前述の実施形態では、インナーライナ一ゴム、補強ゴム部材、リムストリップゴム 、サイドウォールゴム、トレッドゴム等として、 1枚のシート又は板状物を用いて成型を 行う例を示した力これらの部材は何れも、連続するゴム帯状材をスパイラル状に卷 き付けて所定の形状に得ることで、配設することが可能である(いわゆるストリップェ 法)。具体的には、第 1発明の別実施形態と同じ工程が採用できる。

[0112] (5)前述の実施形態では、成形ドラムのインナーライナ一ゴムの幅方向外側に、予 めリムストリップゴムとを配設する例を示したが、カーカスプライの巻き上げ工程を実 施した後に、環状膨出部を構成するゴム部材を貼り付けてから、リムストリップゴムを 配設した後、その巻き上げを行っても良い。

[0113] この製造方法によると、カーカスプライの巻き上げ工程と、リムストリップゴムと補強 層の巻き上げ工程とを、ブラダーと呼ばれるゴムバッグを用いて、順次行うことができ る。