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1. WO2004073566 - COATING MATERIAL FOR MEDICAL USE

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明 細 書

医療用被覆材

技術 分野

本発明は、医療用被覆材に係り、特に、骨折等における患部の固定、また、怪 我の防止や治療のために関節や筋肉等にテーピングを施したり、創傷部をカバー したりする際などに有利に用いられ得ると共に、被覆状態下において、人体の被 覆部位の目視観察が可能な医療用被覆材に関するものである。

背 景技術

従来より、人体の所定部位を被覆する医療用被覆材として、種々のタイプの包 帯が知られている。例えば、現在、一般的に使用されている包帯としては、錦等 の天然材料や、ナイ口ン、ポリエステル等の合成材料の糸から作られた織布ゃ不 織布、順応性合成ポリマーフィルム等からなるものが挙げられる力その他にも、 ゲル状を呈する包帯等も、実用化されるに到っている。また、骨折時の被覆材と しては、通常、ギプスが使用されており、その材料としては、一般に、石膏が用 いられてきている。

ところで、上述せる如き材料からなる包帯や、ギプスにあっては、その構成材 料の如何によつて、各種の問題が内在しているのである。具体的には、ガーゼ等 の織布製の包帯や、ギプスにあっては、不透明であるところから、患部を被覆し た状態下において観察することが出来ず、患部を観察する必要が生じる度に、包 帯等を除去乃至は剥離しなければならない。また、そのような包帯は、傷の癒合 を妨げること無く取り外すのが難しく、その取り外し作業によって、患部に損傷 等を与えるだけでなく、再び傷を癒して患部が完治するのに多くの時間を要する 等の問題を内在している。また、ゲル状の包帯にあっては、患部から除去乃至は 弓 Iき剥がす際に、'包帯自身が破断し易いといった欠点を有している。更に、それ ら織布製の包帯やゲル状の包帯は、何れも、空気感染を防ぐための創傷部の閉鎖 という点では、充分な効果を期待することが出来ないのである。

このため、上記した各種の問題を解消するべく、特開平 5— 1 2 3 3 5 3号公 報においては、透湿性 '水不透過性の裏打ちシートと、吸収性 *膨潤性'水溶性 物質を分散させたポリマー母材を含む吸収層と、創傷部周囲への接着用の接着コ 一ティングとを備えた半透明乃至は透明な閉鎖包帯が提案され、かかる吸収層に て、創傷部からの滲出液が吸収され、また、裏打ちシートを通じて湿気が透過さ れると共に、包帯を装着した状態において、創傷部の観察が可能となるように構 成されている。しかしながら、このような包帯は、感圧接着剤等の接着剤が塗布 されてなる接着コーティング層の接着力をもって、患部への固定が実現されてい るところから、そのような包帯を引き剥がす際に、接着コーティング層との接触 部分において、苦痛に因るストレスが生じる恐れがある。また、酸素透過性が低 、材料が用いられているところから、被覆部分の皮膚呼吸が困難となるといつた 欠点も内在している。

また、他のタイプの医療用被覆材として、所定長さの接着テープの中央部位に、 ガーゼ等の吸収パッドが配置されると共に、その接着面の全面がペーパーやライ ナ一等の剥離可能な層によつて覆われてなる構造の、自己接着性タィプの包帯が、 用いられている。このタイプの包帯としては、様々な形状や大きさの物が巿販さ れており、安価であると共に、貼用可能であるため、広く普及している。しかし ながら、この種の包帯は、ガーゼ部分が創傷渗出液で飽和され易く、創傷部が感 染を極めて受け易い状態となると共に、ガーゼ部分に吸収された創傷滲出液が乾 燥すると、ガーゼ部分と創傷部がくっつき、そのために、包帯を引き剥がす際に、 苦痛を伴うのみならず、創傷部に形成された新しい細胞組織までもが剥離されて、 治癒過程が阻害されることとなる。

このため、特開平 5— 1 8 4 6 2 1号公報には、創傷滲出液やその他の体液を 充分に吸収するヒドロゲル層を有する自己接着性タイプの包帯、更には、包帯を 取り除くことなく、包帯が貼着された状態で、創傷の目視検査が可能な包帯が提 案されているのである力その提案された包帯にあっては、創傷滲出液等の体液 を吸収する部位がヒドロゲル層に限定されてしまうこととなるところから、患部 の大きさによっては使用することが出来なくなるばかりでなく、非患部からの汗 等の体液によって、容易に剥れてしまう危険性も内在しているのである。

さらに、特表平 1 0— 5 0 8 5 2 0号公報には、透湿性裏材層とアタリレート 系ゴム弾性感圧接着剤微小球の粒状接着剤層とを有して構成される創傷用包帯が 提案され、そこでは、充分な初期接着力や、患部から外す際に皮膚に重大な損傷 を与えることのない、即ち、皮膚への負荷が少ない低外傷性が実現されているの であるが、この包帯にあっても、接着剤をコーティングして、包帯に接着' 1生を付 与しているところから、包帯を患部から剥離する際に、苦痛を伴う恐れが完全に は払拭されていないと共に、製造工程が煩雑となる等の問題を内在している。 更に、その他、医療用被覆材として、特開平 1 0— 2 6 3 0 0 6号公報には、 透明な水蒸気通気性弾性薄膜と、感圧接着剤層、保護剥離ライナ、多孔質背面層 を有して構成される包帯が提案され、また、特表平 8— 5 0 8 9 1 1号公報には、 整形外科用ギプスとして使用される、硬化性樹脂や充填剤を含む複合物品が提案 されている。

加えて、特表平 1一 5 0 3 0 7 2号公報には、(A) 少なくとも 1種のアミド アクリル、 (B ) 少なくとも 1種のビニルカルボン、 (C ) 所定の構造を有する メタタリ口キシ一 X—ポリシロキサン、 (D) 少なくとも 1種のフルオル化アル キルメタタリレート、 (E) 少なくとも 1種のアクリルアル力ノール、 (F) 少 なくとも 1種の性質改変剤である共重合し得るビュル単量体、(G) 架橋単量体 を、所定の配合割合において共重合して得られる材料からなる、火傷及び怪我の 包帯用の人工皮膚膜が提案され、また、特表平 6— 5 0 3 1 0 3号公報には、シ リコーン含有マクロモノマーを重合成分として用いた共重合体からなる含水性組 成物が提案され、その用途の一つとして、創傷包帯が指摘されている。し力しな がら、それら特表平 1—5 0 3 0 7 2号公報及ぴ特表平 6— 5 0 3 1 0 3号公報 の人工皮膚膜や創傷包帯は、含水性であるところから、材料自体に微生物が繁殖 する恐れがあった。また、何れも、コンタクトレンズの形成材料としても使用さ れ得る共重合体からなるものであるため、自己粘着性は全くなく、そのような人 ェ皮膚膜又は創傷包帯は、何等かの方法で固定されなければならないものであつ ナ— o

このように、従来より.提案されている医療用被覆材にあっては、それぞれ、長 所短所があり、創傷等の疾病の種類や程度、或いは使用目的等に応じて、適宜に 選択されて用いられているのである力近年においては、癒着が防止されて治癒 過程が阻害されず、また、被覆した状態においても、患部の目視観察が可能であ る、透明性に優れたものが、望まれてきているのである。

発 明の開示

ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、そ の解決課題とするところは、新規な材料からなる医療用被覆材を提供することに あり、中でも、皮膚呼吸が可能で、ムレの発生が抑制されると共に、外部からの 細菌等による感染が可及的に防止され、また、接着剤を塗布することなく、それ 自身で接着し得る自己粘着性を有し、更に、被覆状態下においても、人体の被覆 部位の目視観察が可能な透明性を有している医療用部材を提供することにある Q また、別の課題とするところは、上述せる如き材料に、吸水性を付与すること で、創傷部等の患部からの滲出液を充分に吸収することが可能な医療用被覆材を 提供することにある。

そして、本発明は、上述の如き課題を解決すべく、重合性不飽和結合と共に、 ポリシロキサン単位が導入されてなるシリコーン含有モノマ一を必須の重合成分 として結合含有し、且つ、含水率が 1 0 %未満となる実質的な非含水性と自己粘 着性とを有する重合体から形成された、透明な材料からなることを特徴とする医 療用被覆材を、その要旨とするものである。

すなわち、力べの如き本宪明に従う医療用被覆材にあっては、それを構成する 重合体の必須の重合成分として、従来よりプラスチック材料のガス透過性を向上 せしめるために用いられている有機シリコーン成分のうちの一つである、重合性 不飽和結合と共にポリシロキサン単位が導入されてなるシリコーン含有モノマー が採用されて、それが重合体中に結合,含有せしめられているところから、かか る重合成分に起因して、酸素や水蒸気を始めとする気体(ガス)の透過性が高く なっており、皮膚呼吸に必要な高い酸素透過性、及び、汗等によるムレを防止す るための透湿性が高度に確保されたものとなっているのである。

また、そのような所定のシリコーン含有モノマーを少なくとも結合含有する重 合体は、実質的に非含水(含水率が 1 0 %未満)で、且つ、自己粘着性を有する ものでもあるところから、その非含水特性によって、全体が含水性を有する従来 のものに比して、細菌等の微生物が繁殖し難く、外界からの細菌の感染を防止乃 至は抑制する非感染性が向上せしめられると共に、適用面に感圧接着剤等の接着 剤をコーティングしなくても、自己粘着性によって、被覆材同士が重なり合うよ うに、指や腕等に卷回すれば、その重ね合わせ部分で被覆材同士を貼着せしめる ことが可能となるのである。尤も、かかる所定のシリコーン含有モノマーを少な くとも結合含有する重合体の自己粘着性は、皮膚に対する接着を実現するもので はないところから、そのような重合体からなる材料を、包帯等の医療用被覆材と して人体に適用しても、適用面が、創傷部や健全な皮膚に貼り付いてしまうよう なことは有利に回避され、従って被覆材を取り外す際の皮膚への負荷も可及的に 小さく為され得ることとなるのである。

加えて、本発明に従う医療用被覆材は、前記重合体を用いて、透明な材料とし て形成されているところから、被覆状態下においても、人体の被覆部位の目視観 察が可能となり、以て、創傷等の治癒過程で、被覆部の経過観察を行なう際に、 医療用部材を一々敢り外す必要がなくなつて、その取り外しによる手間や苦痛等 の低減が有利に図られ得る特徴も有している。

なお、力かる本発明に従う医療用被覆材の特に好ましい態様によれば、前記材 料は、フィルム状、シート状又はテープ状の形態を呈していることが望ましく、 このような形態にて医療用被覆材を構成すれば、優れた取扱性や成形性が実現さ れ得ることは勿論、被覆部への卷回数を増加すれば、高い強度や剛性も確保され 得るようになる。例えば、骨折等の治療において、患部を固定する場合には、上 記テープ状のものの中でも、比較的に厚手のものを用意し、患部への卷回数を増 加させることで充分な固定が可能となる。

また、本発明に従う医療用被覆材の好ましい態様の他の一つによれば、前記シ リコーン含有モノマーとして、少なくとも 1つ以上の重合性不飽和結合を有する、 数平均分子量が 2 0 0 0〜 1 0 0 0 0 0のシロキサンマクロモノマーが、有利に 採用され得るのであり、更に、そのようなシロキサンマクロモノマーは、前記重 合性不飽和結合が、 (メタ) アタリロイルォキシ基によって導入されるものが、 望ましい。このようなシロキサンマクロモノマー(シリコーン含有マクロモノマ 一)を採用すれば、自己粘着性がより一層向上せしめられ、それに伴って、医療 用被覆材のより強固な接着が可能となるのである。

さらに、本発明に従う医療用被覆材の別の好ましい態様の一つによれば、前記 重合体として、下記一般式(I ) にて示される脂肪酸ビュルエステルを共重合成 分として結合含有するものが、有利に用いられることとなる。

C H 2 = CH- 0 - C O - R ' ' 。(I )

[但し、式中、は、水素原子、炭素数 1〜1 5のアルキル基、又は水素 原子の一部若しくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数 1〜 1 5の ハロゲン化アルキル基を示す。 ]

加えて、本発明に従う医療用被覆材の更に別の好ましい態様によれば、前記材 料を構成する、前記シリコーン含有モノマーと前記脂肪酸ビュルエステルとを少 なくとも結合含有する前記重合体に対して、加水分解処理が施されているもの、 中でも、そのような加水分解処理により、前記材料が部分的に多孔質化せしめら れて、該材料内に多孔質層と非多孔質層とが形成されているものが、好適に採用 され得るのである。このように、加水分解処理によって多孔質化せしめられた材 料からなる医療用被覆材にあっては、多孔質層によって、材料に吸収性乃至は吸 水性が付与され得るところから、創傷部等の患部からの滲出液等を充分に吸収す ることが可能となるのである。中でも、同一材料内に多孔質層と非多孔質層とを 有するものにあっては、多孔質層によって、患部からの体液や創傷滲出液を充分 に吸収することが出来ると共に、非多孔質層によって、外部からの細菌等の感染 を効果的に防止することが出来るのである。

また、本発明の別の好ましい態様の他の一つによれば、前記加水分解処理に先 立って、 UV光又はエキシマ光が前記材料を構成する前記重合体に照射されて、 表面改質が行なわれていることが望ましい。このような光照射による表面改質に よって、材料の親水性が向上して水濡れ性が付与されると共に、かかる親水性の 向上により、改質した部分における加水分解反応が促進されるようになる。

なお、本明細書において採用した、 r (メタ)ァクリロイル · . ·」なる表記 は、 「アタリロイル* ♦ ·」及び「メタクリロイル' . ·」を含む総称として用 いられていることが、理解されるべきである。また、その他の (メタ) アクリル 誘導体についても同様である。

図面の簡単な説明

第 1図は、本幾明に従う医癡用被覆材の一例を示す斜視説明図である。

第 2図は、本発明に従う医療用被覆材の具体例を示す部分拡大断面説明図であ つて、 ( a ) は、非多孔質の透明な材料からなる医療用被覆材を示す一方、

( b ) は、加水分解処理により、材料が部分的に多孔質化せしめられて、多孔質 層と非多孔質層とが形成されている、透明な材料からなる医療用被覆材を示して いる。

第 3図は、本発明に従う医療用被覆材の別の具体例を示す部分拡大断面説明図 であって、多孔質層と非多孔質層が結合剤を介して積層された状態を示している。 第 4図は、本発明に従う医療用被覆材の更に別の一例を示す平面説明図である。

発明を実施するための最良の形態

ところで、第 1図には、本発明に従う医療用被覆材の一例を具体的に説明する ために、医療用被覆材の全体の斜視図が、概略的に示されている。そして、この 第 1図において、 1 0は、本発明に従う医療用被覆材のー具体例たる包帯であつ て、皮膚等を被覆するための長尺な薄肉のテープ 1 2が、厚紙等の形状保持性の ある比較的硬質な芯体 1 4に、多重に卷回せしめられてなる構造とされているの であり、ここでは、かかる包帯 1 0 (具体的には、薄肉のテープ 1 2 ) カ、本発 明に従って、医療用被覆材としては新規な材料を用いて、形成されているのであ る。

すなわち、そのようなテープ 1 2 (包帯 1 0 ) は、重合性不飽和結合と共に、 ポリシロキサン単位が導入されてなるシリコーン含有モノマーを必須の重合成分 として結合含有し、且つ、実質的に非含水(含水率: 1 0 %未満)で、自己粘着 性を有する重合体からなる、透明な材料にて形成されており、そこに、本発明の 大きな特徴が存しているのである。

具体的には、上述せる如き必須の重合成分であるシリコーン含有モノマーは、 ポリシロキサン単位を有しているところから、得られる材料に、酸素や水蒸気等 のガス透過'!1生を付与して、皮膚呼吸を行なうための酸素透過性や、汗等によるム レを防止するための透湿性が、何れも、高度に発現され医療用被観材において 望まれる特性を有利に実現し得るようになっているのである。

なお、そのようなシリコーン含有モノマーとしては、重合性不飽和結合と共に、 ポリシロキサン単位が導入されてなるものであれば、特に限定されるものではな いのであるが、医療用被覆材に必要とされる機械的強度や柔軟性、形状回復性等 の特性を良好に確保すること等を勘案して、少なくとも 1つ以上の重合性不飽和 結合を有し、且つ、数平均分子量が 2 0 0 0〜 1 0 0 0 0 0のシロキサンマクロ モノマーが、好適に用いられることとなる。何故なら、かかるシリコーン含有モ ノマーの数平均分子量が 2 0 0 0〜 1 0 0 0 0 0の範囲にあると、得られる材料 に優れた柔軟性が付与され、人体の被覆部位へのフイツティングに優れた被覆材 となるからである。加えて、このようなシロキサンマクロモノマーを採用すれば、 得られる材料に、材料同士が貼着可能な自己粘着性や、伸縮性、可撓性等の特性 も有利に付与されることとなる。

また、そのようなシロキサンマクロモノマーの中でも、重合性不飽和結合を 2 つ以上有するシロキサンマクロモノマーにあっては、重合操作を行なった後にお いて、未重合のまま残存するものが少なく、また、過度な粘着性が発現したり、 安全性に問題が生じたりするようなことも、極めて有利に防止され得るところか ら、より好適に用いられるのであり、更に、そのようなシロキサンマクロモノマ 一の中でも、 [一 NH— C O— O—] にて示されるウレタン結合(ウレタン基) を有するものが、好適に採用されることとなる。何故なら、シロキサンマクロモ ノマ一は、一般に、透湿を促進する特性たる水濡れ性に劣ると共に、そのような シロキサンマクロモノマーを単独で重合せしめた場合には、充分な伸縮性や可撓 性が得られなくなるといった傾向があるが、ウレタン結合を有する場合には、得 られる医療用被覆材に対して、所望とする伸縮性や可撓性を共に付与することが 出来るからである。

なお、そのようなウレタン結合は、シロキサンマク口モノマーの 1分子中に、 平均 2個以上、好ましくは平均 4個以上において、存在せしめられていることが 望ましい。またそのようなウレタン結合が導入され過ぎると得られる重合体 の柔軟性が低下する恐れがあるところから、ウレタン結合は、シロキサンマクロ モノマーの 1分子中に、平均 2 0個以下、好ましくは 1 4個以下において、存在 せしめられることが望ましい。

また、そのようなシロキサンマクロモノマーの具体例としては、特に、下記一' 般式 ( Π ) や一般式 (V) にて示される、重合性不飽和結合がウレタン結合を介 してシロキサン主鎖に結合しているものを例示することが出来る。

くシロキサンマク口モノマーの具体例 1 >

A 1 - (― U 1— S 1—) n— U 2— S 2— U 3— A 2 · · · ( Π) なお、かかる一般式(Π ) において、 A 1 及ぴ A 2 は、それぞれ独立して、 以下の如き重合性不飽和基(重合性不飽和結合を有する官能基)を示す。

すなわち、 A1 及び A2 にて示される重合性不飽和基としては、例えば、 (メタ)ァクリロイル基ゃビュル基、ァリル基、(メタ)アタリロイルォキシ基、 ビ ルカルパメート基等を挙げることが出来、これらの中でも、好ましくは、ァ クリロイルォキシ基ゃビュル基、更に好ましくは、アタリロイルォキシ基が望ま しい。なお、かかる A1 及ぴ A2 は、上記した(メタ)アタリロイル基ゃビニ ル基、ァリル基、(メタ)アタリロイルォキシ基、ビニルカルパメート基等の重 合性二重結合を有する官能基に、更に、炭素数が 1〜20、好ましくは 1〜10 のアルキレン基又は炭素数が 1〜20、好ましくは 1〜10のアルキレングリコ ール基が付加されたものであっても良い。

また、前記した一般式(Π) において、 nは、 0又は 1〜10、好ましくは 0 又は 1〜5の整数であり、 U1 は、両隣の A1 及ぴ S1 と、或いは、 S1 及び S1 とウレタン結合を形成するジゥレタン性基である一方、 U2 は、両隣の A1 及び S2 と、或いは、 S1 及び S2 とウレタン結合を形成するジウレタン性基 である。また、 U3 は、両隣の S 2 及ぴ A 2 とウレタン結合を形成するジウレ タン性基である。

さらに、前記した一般式(Π) において S1 及ぴ S2 はそれぞれ独立し て、下記一般式 (ΠΙ) にて表わされる基である。


[かかる一般式(ΙΠ) 中、 R1 及び R2 は、それぞれ独立して、炭素数 1〜 20、好ましくは炭素数 1〜 5のアルキレン基であり、また、 R3 , R4 , R5 , R6 , R7 及び R8 は、それぞれ独立して、直鎖状、分岐鎖状若し くは環状の炭素数 1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換された直鎖状、 分岐鎖状若しくは環状の炭素数 1〜 20のアルキル基又は下記一般式

(IV) にて表わされる基であり、中でも、炭素数 1〜 5のアルキル基が望 ましい。更に、 Xは、 1〜1500、好ましくは:!〜 500の整数、 yは、 0又は 1〜1499、 好ましくは 0又は 1〜499の整数であり、 x + y は、 1〜: I 500、好ましくは:!〜 500の整数である。 ]

A3— U4— Ri— O— R2— · · · (IV)

[かかる一般式(IV) 中、 A3 は、重合性不飽和基であり、そのような重合 性不飽和基としては、上記一般式(Π) の A1 や A2 と同様なものを例示 することが出来る。なお、かかる重合性不飽和基が、アルキレン基やアル キレンダリコール基を有する場合、アルキレン基やアルキレングリコール 基の炭素数は 1〜 20、特に、 1〜10であることが望ましい。また、 U4 は、両隣の A 3 及び R1 とウレタン結合を形成するジウレタン性基である。 更に、 R1 及び R2 は、それぞれ、上記一般式(正)の 1 及ぴ R2 と同 様である。 ]

くシロキサンマクロモノマーの具体例 2 >

B X-S 3-B2 . . · (V) なお、かかる一般式(V) において、 B1 及ぴ; B2 はそれぞれ独立して、 以下の如きゥレタン結合を有する重合性不飽和基を示す。

すなわち、 B1 及び B2 にて示されるゥレタン結合を有する重合性不飽和基 としては、例えば、 (メタ) ァクリロイルイソシァネート基や (メタ) アタリ口 ィルォキシィソシァネート基、了リルイソシァネート基、ビエルべンジルイソシ ァネート基等を挙げることが出来る。

また、前記した一般式(V) において、 S3 は、前記した一般式(Π) の S1 や S2 と同様に、上記一般式(ΙΠ) にて表わされる基である。

而して、本発明においては、上述せる如き一般式(Π) や一般式(V) にて示 されるポリシロキサンマクロモノマーを始めとするシリコーン含有モノマーのう ちの 1種或いは 2種以上が、適宜に選択されて、用いられることとなるが、それ らの中でも、得られる材料に対して、適度な柔軟性を実現して、形状回復性を付 与すると共に、機械的強度や伸縮性、可撓性等の特性の付与効果が大きいという 点から、好ましくは、上記一般式(Π) において、(一 U1— S 1—)の繰り返 し数が、 0又は 1〜4の整数である下記一般式(VI) 又は一般式 CVH) で示され るもの、更に好ましくは、下記一般式(VI) にて示されるシロキサンマクロモノ マーが、特に好適に採用されることとなる。

A1— U2— S 2— U3— A2 . · · (VI)

[但し、一般式(VI) 中の A1 , A2 , U2 , U3 及ぴ S 2 は、前記一般式 (Π) と同じ。 ]

A1— (-U'-S 1-) — U2— S 2_U3— A2 · « * CVn)

[但し、一般式(ΥΠ) 中の A1 , A2 , U1 , U2 , U3 , S 1 及ぴ S 2 は、 前記一般式 (Π) と同じであり、 n' は、 1〜4の整数を示す。 ]


[伹し、一般式()中、 aは、 20~50の整数を示す。 ]

また、そのようなシリコーン含有モノマーは、少なくとも全重合成分の 1 5重 量%以上の割合において、好適には、全重合成分の 20〜 80重量%となる割合 において用いられて、医療用被覆材たる包帯 1 0 (テープ 1 2) の材料を構成す る重合体中に結合含有せしめられること力望ましいのである。なお、かかるシ リコーン含有モノマーの配合割合が過小である場合には、所望とするガス透過性 が充分に確保され得なくなる恐れがあると共に、機械的強度の低下を招来する恐 れがある。また、 8 0重量%を超えるようになると、得られる材料の柔軟性が低 下する傾向がある。

ところで、本発明に従う医療用被覆材を与える重合体を得る場合には、上述せ るように、所定のシリコーン含有モノマーを少なくとも必須の重合成分として含 む原料組成物が、適宜に調製されることとなるのであるが、上記したシリコーン 含有モノマー以外に、かかる原料組成物には、前記一般式 ( I ) にて示される脂 肪酸ビニルエステルが、上述せる如きシリコーン含有モノマーの共重合成分とし て、含有せしめられることが望ましく、そのような脂肪酸ビエルエステルを重合 体中に結合含有せしめることによって、得られる重合体、ひいては、そのような 重合体から形成される材料に、形状回復性や親水性等の特性が付与されることと なる。また、所定の脂肪酸ビニルェステルを結合含有する重合体に対して、後述 する加水分解処理(ケン化処理)を施すことにより、脂肪酸ビュルエステル単位 中のエステル結合が加水分解せしめられて、ビュルアルコール単位 [一 C H 2 一 C H (OH) 一] が形成され、これにて、表面の親水性が更に向上されて、表 面水濡れ性及ぴ透湿性が向上され得るようになる。更に、加水分解処理の条件を 適宜に調整すれば、重合体の表面だけでなく、一定の深さまで加水分解が行なわ れて、エステル結合を形成していた脂肪酸が外れ、処理部分が多孔質化せしめら れるようになるのである(第 2図(b ) 参照)。

ここにおいて、上記した脂肪酸ビニルエステルとしては、前記一般式(I ) に おける Rが、水素原子、炭素数 1〜 1 5のアルキル基、又は水素原子の一部若し くは全部がハ口ゲン原子で置換された炭素数 1〜 1 5のハロゲン化アルキル基で あるものが採用され、例えば、ギ酸ビエルや、酢酸ビュル、プロピオン酸ビュル、 酪酸ビニノレ、ビバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニノレ、ス テアリン酸ビニル、モノクロ口酢酸ビニル、モノフルォ口酢酸ビニル、トリクロ 口酢酸ビニル、トリフルォロ酢酸ビニル等を例示することが出来るのであるが、 それらの中でも、加水分解処理の深さを制御,管理したり、得られる材料の自己 粘着性を調整することが可能である点から、好ましくは、酢酸ビュル、プロピオ ン酸ビュル、ビバリン酸ビュル、更に好ましくは、酢酸ビエルが採用されること となる。 '

そして、そのような脂肪酸ビュルエステルの配合割合としては、全重合成分の 5〜5 0重量%となる割合が、好適に採用されることとなる。なお、かかる脂肪 酸ビニルエステルの配合割合が、 5重量%に満たない場合には、脂肪酸ビニルェ ステルによって付与される効果が充分に発揮されず、形状回復†生や親水性等の特 性の付与が期待できなくなる恐れがあり、また、 5 0重量%を超えるようになる と、柔軟性やガス透過性が低下すると共に、親水性が高くなり過ぎて、目的とす る非含水特性が確保され得なくなるのである。

また、医療用被覆材たる包帯 1 0 (テープ 1 2 ) の材料を構成する重合体には、 必須成分であるシリコーン含有モノマーや、上記の一般式 ( I ) にて表わされる 脂肪酸ビニルエステルの他にも、別の重合性モノマー(以下、任意重合成分と呼 称する)や架橋剤(架橋性モノマー)が結合含有せしめられても良く、そのよう な任意重合成分や橋剤が適宜に選択されて、重合体を与える原料組成物に配合 されることとなる。

ここにおいて、任意重合成分や架橋剤としては、前記シリコーン含有モノマー に共重合可能な重合成分であれば、特に限定されるものではないのであるが、任 意重合成分としては、ケィ素含有(メタ)アクリル系モノマーやケィ秦含有スチ レン誘導体等のケィ素含有モノマーや、フッ素含有 (メタ) アクリル系モノマー 等のフッ素贪有モノマー、ケィ素及びフッ素を含有しない炭素数が 1〜 1 5の (メタ) アクリル酸エステルを挙げることが出来る。

より具体的には、上例の任意重合成分のうち、ケィ素含有モノマーは、得られ る材料の酸素透過性や透湿性を更に向上せしめるために用いられる成分であり、 ケィ素含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、ペンタメチルジシロ キサニルメチル(メタ)ァクリレート、トリメチルシロキシジメチルシリルプロ ピル(メタ)アタリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル (メタ)アタリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ) アタリレート、モノ [メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ Ί ビス(トリ メチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)ァクリレート、トリス [メチルビス (トリメチルシロキシ)シロキシ] シリルプロピル(メタ)アタリレート、トリ メチルシリルメチル(メタ)ァクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ) アタリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルェチルテトラメチルジ シロキサニルメチル(メタ)アタリレート、テトラメチルトリイソプロピルシク ロテトラシロキサニルプロピル(メタ)アタリレート、テトラメチノレトリイソプ 口ピルシクロテトラシロキシビス (トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メ タ)アタリレート、トリメチルシロキシジメチルシリルプロピル(メタ)アタリ レート等のケィ素含有(メタ)アタリレートが挙げられる一方、ケィ素含有スチ レン誘導体としては、例えば、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、 メチノレビス(トリメチノレシ口キシ)シリルスチレン、ジメチノレシリノレスチレン、 トリメチ /レシリルスチレン、トリス(卜リメチルシ口キシ)シロキサニルジメチ ノレシリ /レスチレン、 [メチノレビス(トリメチノレシ口キシ)シロキサ二/レ] ジメチ ルシリルスチレン、ペンタメチノレジシロキサニルスチレン、ヘプタメチノレトリシ ロキサ二/レスチレン、ノナメチ /レテトラシロキサニルスチレン、ペンタデカメチ ルヘプタシ口キサニルスチレン、ヘンエイコサメチルデ力シロキサ二/レスチレン、 ヘプタコサメチルトリデカシロキサ-ルスチレン、ヘントリアコンタメチノレペン タデカシロキサュノレスチレン、トリメチノレシロキシペンタメチノレジシロキシメチ /レシリノレスチレン、トリス(ペンタメチジシロキシ)シリノレスチレン、 [トリ ス (トリメチルシ口キシ)シロキサ-ル] ビス(トリメチルシ口キシ)シリルス チレン、メチノレビス(ヘプタメチノレトリシ口キシ)シリノレスチレン、トリス [メ チルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ] シリルスチレン、トリメチルシロキ シビス [トリス(トリメチノレシ口キシ)シロキシ] シリノレスチレン、ヘプタキス (トリメチルシロキシ)トリシロキサニノレスチレン、トリス [トリス(トリメチ ルシロキシ)シロキシ] シリルスチレン、 [トリス(トリメチ /レシ口キシ)へキ サメチノレテトラシ口キシ] [トリス(トリメチノレシ口キシ)シロキシ] トリメチ レスヰレソ、ノナキス(トリメチノレシ口キシ)テトラシ口キサニ

ルスチレン、メチルビス(トリデカメチルへキサシ口キシ)シリルスチレン、へ プタメチノレシクロテトラシロキサニルスチレン、ヘプタメチルシクロテトラシロ キシビス(トリメチルシ口キシ)シリルスチレン、トリプロピルテトラメチルシ クロテトラシロキサニルスチレン等の下記一般式(K) にて表わされるものが挙 げられ、これらのケィ素含有モノマーを単独で、或いは 2種以上を組み合わせて 用いることが出来る。これらの中でも、好ましくは、ケィ素含有(メタ)アタリ レート、更に好ましくは、トリス(トリメチノレシ口キシ)シリルプロピルアタリ レートが採用され得る。

q … (IX)


[但し、—般式 (IX) 中、 pは 1〜 15の整数、 qは 0又は 1、 rは 1〜 15 の整数を示す。 ]

また、上例の任意重合成分のうち、フッ素含有モノマーは、得られる材^! 'の酸 素透過性や透湿性を向上せしめると共に、脂質等の汚れに対する耐污染性を付与 するために用いられる成分であり、例えば、フッ素含有(メタ)ァクリル系モノ マーとして、 2, 2, 2—トリフルォロェチル(メタ) アタリレート、 2, 2, 3, 3—テトラフルォロプロピル (メタ)アタリレート、 2, 2, 3, 3—テト ラフ/レオ口一 t—ペンチノレ(メタ)アタリレート、 2, 2, 3, 4, 4, 4—へ キサフルォロプチル(メタ)アタリレート、 2, 2, 3, 4, 4, 4—へキサフ ルォロ― t—へキシル (メタ)アタリレート、 2, 3, 4, 5, 5, 5—へキサ フルオロー 2, 4—ビス(トリフルォロメチル)ペンチル(メタ)アタリレート、 2, 2, 3, 3, 4, 4—へキサフルォロブチル(メタ)アタリレート、 2, 2, 2, 2' , 2' , 2' —へキサフルォロイソプロピル(メタ)アタリレート、 2, 2, 3, 3, 4, 4, 4一^ \プタフルォロプチル (メタ) アタリレート、 2, 2, 3 , 3, 4, 4 , 5, 5—ォクタフルォロペンチル(メタ)アタリレート等の他、 下記一般式(X) にて示される、 3—パーフルォロブチルー 2—ヒドロキシプロ ピル (メタ)アタリレート、 3—パーフルォ口へキシルー 2—ヒドロキシプロピ ル (メタ)アタリレート、 3—パーフルォロォクチルー 2—ヒドロキシプロピル (メタ)アタリレート、 3—(パーフルオロー 3—メチルプチル)一 2—ヒドロ キシプロピル(メタ)アタリレート、 3― (パーフルオロー 5—メチルへキシ ル)一 2—ヒドロキシプロピル (メタ)アタリレート、 3― (パーフルオロー 7 ーメチルォクチル)一 2—ヒドロキシプロピル (メタ)ァクリレート等の水酸基 を有するフルォロアルキル (メタ) アタリレートを挙げられる。

R12

CH2=C-C— 0— CH2-CH— CH2-Rn … (χ)

O OH

[但し、一般式 (X) 式中、 R 1 1は炭素数 3〜 1 5のフルォロアルキル基、 R 1 2は水素原子又はメチル基を示す。 ]

そして、これらのフッ秦含有モノマーの中でも酸素透過性や柔軟性、耐脂質 汚染性等の各種の特性を考慮すると、医療用被覆材に対して、柔軟性を付与する 効果が良好なフルオルアルキルァクリレート、その中でも、上記一般式 (X) に おいて、 R 1 1が、炭素数 3〜 1 5、好ましくは 3〜8、更に好ましくは 4〜6 のパーフルォロアルキル基であって、 R 1 2が水素原子である、水酸基を有する フルォロアルキルァクリレートが、好適に用いられることとなる。

さらに、上例の任意重合成分のうち、ケィ素及ぴフッ素を含有しない炭素数が 1〜1 5の (メタ)アクリル酸エステルは、得られる重合体の粘着性、機械的強 度等を調整するために用いられる成分であり、代表的には、メチル(メタ)ァク リレート、ェチル(メタ)了クリレー卜、イソプロピル(メタ)アタリレート、 n—プロピル (メタ) アタリレート、イソブチル (メタ) アタリレート、 n—ブ チル(メタ)ァクリレート、 2—ェチルへキシル (メタ) アタリレート、 n—ォ クチル(メタ)ァクリレート等を拳げることが出来る。

そして、本発明においては、目的とする医療用被覆材に必要とされる特性に応 じて、上述せる如きケィ素含有(メタ)アクリル系モノマーやケィ素含有スチレ ン誘導体等のケィ素含有モノマーや、フッ素含有(メタ)アクリル系モノマー等 のフッ素含有モノマー、ケィ素及ぴフッ素を含有しない炭素数が 1〜1 5の(メ タ)アクリル酸エステル等、任意重合成分のうちの 1種又は 2種以上が適宜に選 択されて、用いられ得るのである。また、これらの任意重合成分が使用される場 合には、それらの合計量において、全重合成分の 7 0重量%以下、好ましくは 2 0〜6 0重量%となる割合において、有利に用いられ得るのである。何故ならば、 それらの任意重合成分のうち、ケィ素含有モノマーやフッ素含有モノマーの配合 割合が多くなり過ぎると、柔軟性や機械的強度が悪化する等の問題が惹起される 恐れがあり、また、それらの任意重合成分のうち、(メタ)アクリル酸エステル の配合割合が過大になると、ガス透過性が低下する恐れがあるからである。

一方、架橋剤は、よく知られているように、高分子材料に橋かけ結合を形成せ しめるための成分であって、得られる材料に、透明性等の光学特性を付与したり、 機械的強度を付与する等の作用を奏するものである。なお、そのような架橋剤と しては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アタリレート、ジエチレンダリ コールジ (メタ)アタリレート、トリエチレングリコー/レジ(メタ)アタリレー ト、プロピレングリコールジ(メタ)アタリレート、ジプロピレングリコールジ (メタ) アタリレート、ァリル (メタ) アタリレート、ビュル(メタ)ァクリレ 一卜、トリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレート、メタクリロイノレオキ シジェチルアタリレート、ジビエルベンゼン、ジァリルフタレート、アジピン酸 ジァリル、ジエチレングリコールジァリルエーテル、トリァリルイソシァヌレー ト、 "ーメチレン一 N—ビエルピロリドン、 4—ビュルべンジ /レ(メタ)アタリ レート、 3—ビニルベンジル(メタ)アタリレート、 2 , 2—ビス(p— (メ タ)ァクリロイルォキシフエニル)へキサフルォロプロパン、 2 , 2—ビス(m 一 (メタ)ァクリロイルォキシフエニル)へキサフルォロプロパン、 2 , 2—ビ ス (o—(メタ)ァクリロイルォキシフエニル)へキサフルォロプロパン、 1 , 4一ビス (2—(メタ)ァクリロイルォキシへキサフルォロイソプロピル)ベン ゼン、 1 , 3—ビス(2— (メタ)ァクリロイルォキシへキサフルォロイソプロ ピル)ベンゼン、 1, 2—ビス(2— (メタ)ァクリロイルォキシへキサフルォ 口イソプロピル)ベンゼン、 1 , 4—ビス(2— (メタ)アタリロイルォキシィ ソプロピル)ベンゼン、 1 , 3—ビス(2— (メタ)ァクリロイルォキシイソプ 口ピル)ベンゼン、 1, 2—ビス ( 2 - (メタ)ァクリロイルォキシイソプロピ ル)ベンゼン等を例示することが出来、これらのうちの 1種を単独で用いたり、 或いは、 2種以上を組み合わせて用いることが可能である。

また、上述せる如き架橋剤の中でも、エチレングリコールジ(メタ)アタリレ

—ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アタリレート、アジピン酸ジァリル、ジ エチレングリコールジァリルエーテル、また、それらの中でも、エチレングリコ ールジ (メタ)アタリレート、ジエチレングリコールジァリルエーテルにあって は、得られる材料に優れた透明性を実現し得ると共に、良好な機械的強度を付与 する等の作用を極めて効果的に発揮することが出来、また、取扱いが容易である ところ力ら、特に好適に揉用され得ることとなる。

さらに、上述せる如き架橋剤が使用される場合には、全重合成分の 1 0重量% 以下、好ましくは 0. 0 1〜 1 0重量%、更に好ましくは 0 . 0 5〜 1 0重量% となる配合割合が、好適に採用されることとなる。なぜならば、かかる配合割合 が 1 0重量%を超えると、得られる重合体が硬くなつて、柔軟性や強度が悪ィ匕す る等の問題が惹起される恐れがあるからであり、また、かかる配合割合が過小で ある場合には、架橋剤を添加することによって得られる効果が充分に確保され得 られなくなるからである。

そして、上述せる如き各種の重合成分を、目的とする医療用被覆材の用途等に 応じて、それぞれ、所期の含有割合となるように適宜に配合せしめ、更に、それ ら全重合成分に対して、所定の重合開始剤を適宜に添加して、従来から公知の各 種の手法にて重合させることにより、目的とする本発明に従う医療用被覆材を与 える重合体が得られるのである。

なお、本発明に従う医療用被覆材を与える重合体には、更に必要に応じて、各 種の添加剤、例えば、医療用被覆材に抗菌性や殺菌性等の特性を付与するために、 金属フタロシアニン化合物(金属フタロシアニンやその誘導体)、酸化チタン微 粒子等を、原料組成物中に添加せしめることにより、重合体中に導入し、構成成 分の一つとすることも可能である。伹し、それらの添加剤は、本発明の目的を阻 害しないものであり、また阻害しない量的範囲において、用いられることとなる ことは、勿論、言うまでもないところである。

ここにおいて、上記した金属フタロシアニン化合物は、酸化還元能を有する触 媒として作用することが知られており、この酸化力により、病原性微生物等の殺 菌乃至は消毒を行なうこと等が可能であることが知られている。このため、金属 フタロシアニン化合物を、医療用被覆材を構成する材料中に分散,含有せしめれ ば、被覆状態下において、医療用被覆材に対して、光を照射したり、又は単に太 陽光や照明光等の光の下に晒すことにより、優れた殺菌乃至は消毒効果を発現す ることが可能となるのである。また、かかる金属フタロシアニン化合物を材料全 体に均一に分散せしめれば、光の受光時に金属フタ口シァニン化合物の発揮する 酸化力に基づいて、殺菌乃至は消毒作用が、医療用被覆材の適用面全体に、効果 的に作用せしめられることとなる。尤も、かかる金属フタロシアニン化合物は、 それ自体が細菌等の微細物に直接作用するのではなく、触媒として機能するもの であるから、分解、消失するようなことはなく、このため、優れた殺菌乃至は消 毒効果が、長期に亘つて、永続的に確保され得るのであり、このような金属フタ 口シァニン化合物によって、抗菌性及び殺菌性を充分に且つ容易に実現すること が出来るのである。

ここにおいて、上記した金属フタロシア二ン化合物を材料中に含有せしめるに 際して、その濃度としては、使用する金属フタロシアニン化合物の種類に応じて、 適宜に決定されることとなるが、一般に、 l〜1 0 0 0 p p m、好ましくは 1 0 〜5 0 0 p p mとされる。なぜならば、金属フタロシアニン化合物の添加量が、 1 0 0 0 p p mを超えると、得られる材料に色が着き過ぎて、透明性等の光学的 特性の低下が惹起される恐れがあるからであり、 l p p m未満の場合には、金属 フタロシアニン化合物の添加による、殺菌乃至は消毒効果が充分に得られないか らである。

また一方、酸化チタン微粒子にあっても、酸ィ匕還元能を有する触媒として作用 することが知られており、上記金属フタロシアニン化合物と同様な理由から、医 療用被覆材を構成する材料中に分散,含有せしめることが出来る。そして、医療 用被覆材に光が照射せしめられると、光を受けた材料中の酸化チタンの発揮する 酸化力に基づく殺菌作用若しくは消毒作用が効果的に発揮されることとなる。こ の酸化チタン微粒子にあっても、それ自体が細菌等の微生物に直接作用するので はなく、触媒として機能するものであるところから、分解されたり消失したりす ることがなく、優れた殺菌乃至は消毒効果は長期間に亘り、永続的に持続され得 る。このため、医療用被覆材が、例えば、包帯である場合には、その包帯を繰り 返して使用することも可能となる。従って、酸化チタン微粒子を材料中に含有せ しめるだけで、人体の被覆部の殺菌乃至は消毒処理を充分に且つ容易に、また経 済的に実施することが出來るのである。

そして、そのような酸ィ匕チタン微粒子を材料中に含有せしめるに際して、その 添加量としては、殺菌乃至は消毒効果が得られるように適宜に設定されるが、一 般に、 1〜1 Ο 0 0 ρ ρ πι、好ましくは 1 0〜5 0 0 p p mの割合となる量が採 用される。なぜならば、酸化チタン微粒子の添加量が 1 p p m未満の場合には、 添加による効果が充分に得られないからであり、また、 1 0 0 0 p p mを超える 場合には、材料の透明度が低くなり、ひいては、殺菌乃至は消毒効果が低下する 傾向があるからである。

ところで、本発明に従う医療用被覆材を与える重合体の重合手法としては、従 来から公知の手法が採用され、特に限定されるものではないものの、一般に、重 合性不飽和基にラジカルを発生せしめて重合反応に供する、ラジカル重合法が採 用されることとなる。具体的には、ラジカル重合開始剤を重合成分に添カ卩した後、 該重合成分を室温〜約 1 3 0 °Cの温度範囲で徐々に或いは段階的に加熱して重合 せしめる熱重合法や、マイクロ波、紫外線、放射線線)等の電磁波を照射し て重合せしめる光重合法等が挙げられる。また、重合開始剤を添加することなく、 電子線(Ε Β ) による重合も可能である。更に、その他の各種の手法が採用され ても、何等差支えない。

なお、ラジカル重合開始剤としては、採用する重合手法に見合ったものを、適 宜選択すれば良く、一般に、熱重合の場合には、熱重合開始剤が使用される一方、 光重合の場合には、光重合開始剤や、必要に応じて、光増感剤が使用されること となる。

具体的には、熱重合開始剤としては、例えば、ァゾビスイソプチロニトリル、 ァゾビスジメチノレバレロニトリル、ベンゾィルパーオキサイド、 t一プチ/レハイ ドロパーォキサイド、クメンハイドロパーォキサイドが挙げられる一方、光重合 開始剤としては、例えば、メチルオルソベンゾィルベンゾエート、メチルベンゾ ィ /レフォ /レメート、ベンゾインメチノレエーテノレ、ベンゾインェチノレエーテノレ、ベ ンゾィンィソプロピルエーテル、ベンゾインイソプチ/レエーテゾレ、ベンゾイン一 n—ブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤; 2—ヒドロキシ一 2—メチ ルー 1一フエ-ノレプロパン一 1一オン、 p—ィソプロピノレー—ヒドロキシィソ プチ/レフェノン、 p— t—ブチノレトリクロロアセトフエノン、 2, 2—ジメトキ シ一 2—フエ二ルァセトフェノン、 a , α—ジクロロ一 4—フエノキシァセトフ ェノン、 Ν, Ν—テトラェチル一4, 4—ジァミノべンゾフエノン等のフエノン 系光重合開始剤; 1—ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン; 1—フエニル — 1, 2一プロパンジオン一 2― ( ο—ェトキシカノレボニノレ) 才キシム; 2—ク 口口チォキサントン、 2—メチルチオキサントン等のチォキサントン系光重合開 始剤;ジベンゾスパロン; 2—ェチノレアンスラキノン;ベンゾフエノンァクリレ ート;ベンゾフエノン;ベンジル等が挙げられる。更に、光増感剤としては、 1 , 2一べンゾアントラキノン、 η—プチルァミン、ジー η—プチルァミン、トリエ チルァミン等のァミン類;トリ一 η—プチルホスフイン;ァリルチオ尿素; s—

ペンジノレイソチウロニゥム一 p—トノレエンスノレフィネート;ジェチノレアミノエチ ルメタクリレート等が挙げられる。

そして、上述せる如きラジカル重合開始剤は、単独で又は 2種以上を混合して 用いることが出来、その添加量としては、充分な速度で重合反応を進行させるた めに、全重合成分の 1 0 0重量部に対して、 0 . 0 0 2重量部以上、より好適に は、 0 . 0 1重量部以上の割合となるように調節することが望ましく、また、得 られる医療用被覆材に気泡が発生するといつた問題を防止するために、重合開始 剤の添加量の上限としては、全重合成分の 1 0 0重量部に対して、通常、 1 0重 量部以下、より好ましくは、 2重量部以下の割合となるように調整することが望 ましい。

而して、上述せる如くして、原料組成物中の重合成分が重合せしめられること により、目的とする医療用被覆材を与える重合体が得られるのである。

なお、特に、このようにして得られた重合体中に、前記した脂肪酸ビニルエス テルが結合含有せしめられている場合には、かかる重合体に対して、加水分解処 理を施すことが望ましく、この加水分解処理によって、脂肪酸ビニルエステル単 位中のエステル結合が加水分解せしめられて、ビニルアルコール単位 [― C H 2

- C H (OH) ―] が形成され、これにて、親水性が更に向上されて、より一層 優れた表面水濡れ性及び透湿性が実現され得るようになるのである。

なお、加水分解処理としては、酸性化合物による加水分解処理と、アルカリ性 化合物による加水分解処理 (ケン化処理) が挙げられるが、前者の酸による加水 分解は、加水分解速度が遅く、また均一なものが得られ難く、副反応が惹起され る等といった欠点があるところから、本発明においては、後者のアルカリ性化合 物による加水分解処理が、好適に採用されることとなるのである。そして、その ような加水分解処理によって、医療用被覆材を構成する材料表面に、親水性を付 与するだけでなく、被処理部分の多孔質化を実現することが可能となって、透湿 性の向上、更には、創傷部等からの体液吸収性を付与せしめることが出来るよう になる。

なお、上述せる如きケン化処理に採用されるアルカリ性化合物としては、例え ば、アンモニア、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、具体的には、水 酸化アンモ-ゥム、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、水酸化カルシウム等を 例示することが出来、これらの中でも、水酸化ナトリウム力、特に好適に用いら れ得る。また、これらのアルカリ性化合物は、一般に、固体であるため、メタノ ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジェチルエー テル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、水等の溶媒に溶解せしめられ、アル カリ性溶液として用いられるのであり、そして、そのようなアルカリ性溶液中に、 重合体が浸漬されることによって、加水分解処理(ケン化処理)が施されるので ある。なお、かかるアルカリ性溶液の中でも、アルコール類を用いたアルカリア ルコール溶液が好ましく、加水分解処理をより一層有利に実施するためには、そ の中でも、メタノール水溶液、特に、メタノール/水 = 3 0 / 7 0〜9 0 / 1 0 (体積比) の溶液が好ましく、また、水酸化ナトリウムの濃度としては、 0 . 0 l〜1 0 m o 1 Lである溶液が、好適に用いられる。

また、加水分解処理の温度としては、特に限定はないものの、一般に、 1 0〜 8 0 °Cの範囲の温度に適宜に設定されるが加水分解処理の効率を上げるために は、 2 0〜 7 0 °C程度の温度範囲に設定することが好ましい。更に、加水分解処 理の時間にあっては、アル力リ性化合物や酸性化合物の種類、アル力リ性化合物 や酸性化合物の濃度、加水分解処理温度等に応じて、適宜に設定されることとな るが、医療用被覆材の親水性を効果的に向上せしめると共に、その表面を多孔質 化せしめるには、 5分以上、好ましくは 1 0分以上であることが望ましく、また、 上限としては、白濁する等して透明性が低下したり、機械的強度が低下する等し て、医療用被覆材として不適切な材料となる他、時間が掛かり過ぎて作業性が悪 くなる恐れを無くすために、 1 6時間以下、好ましくは 1 2時間以下であること が望ましい。

かくして、このようにして加水分解処理が施された重合体は、その表面や内部 に、アルカリ性化合物等が残留しているところから、加水分解処理後に、水や生 理食塩水で洗浄すること等によって、中和処理や滅菌処理が適宜に施されるので ある。

ところで、上述せる如き加水分解処理を行なうに際しては、そのような加水分 解処理に先立って、加水分解処理が施される面や部位等に、 UV光又はエキシマ 光等による光照射処理が施されることが望ましく、そのような光照射によって、 得られる医療用被覆材表面が改質せしめられ、水濡れ性がより一層向上せしめら れることとなり、これにより、医療用被覆材の創傷部等への過度な貼り付き乃至 は吸着を、極めて効果的に防止し得るのである。また、加水分解処理に先立って、 このような医療用被覆材の改質を行なえば、後の加水分解処理において、その反 応速度が高められて、加水分解処理をより短時間で行なうことが可能となったり、 多孔質化が促進せしめられるといった利点も享受されるようになる。

そして、上述せる如き重合体から、第 1図に示される如き長尺で透明なテープ 状の医療用被覆材(包帯 1 0 ) が形成されることとなるのであるが、そのような 形状や形態の医療用被覆材を成形する方法(加工方法)としては、従来から公知 の手法が何れも揉用され得るのである。中でも、得られる医療用被覆材を最大限 に活用することが可能であるという点から、重合後において重合体からの剥離が 可能なポリマーシート等の保持体上で、所定の厚さとなるように、前記した重合 成分を重合した後、所望の形状や大きさとなるようにカツティングを行なう手法 や、所望とする形状を与える錶型を用意し、この型内で前記した重合成分の重合 を行なって成形物を得る錄型(モールド)法、また、加熱延伸法等の手法が好適 に採用され得る。また、得られたテープ状の材料(テープ 1 2 ) は、芯体 1 4に 卷回されることにより、第 1図に示される如き円柱形状とされ、このようにして 製造された医療用被覆材(包帯 1 0 ) は、適用面が自己接着性を保持したまま、 使用に供されるまで、卷回状態で保管されることとなる。

尤も、本発明に従う医療用被覆材は、第 1図に示されるテープ状の包帯 1 0の 他にも、フィルム状やシート状等の形態のものであっても良く、また、そのよう な医療用被覆材の厚さや長さ、幅にあっても特に制限されるものではなく、テ一 ビングや創傷被覆、骨折等の患部固定等の使用目的や、創傷や火傷、骨折等の疾 患の種類、また、その大きさ等に応じて、適当な形態や形状、サイズのものが用 いられることとなるのである。特に、医療用被覆材の厚さ(第 1図では、テープ 1 2の厚さ)としては、一般に、 0. 05〜5. Omm程度、より好ましくは 0. 05〜1. 0mm程度が好適に採用されることとなる。何故なら、上述せる如き 重合体から形成される医療用被覆材の厚みが、 0. 05 mm未満の場合には、強 度を充分に維持することが出来なくなる恐れがあるからであり、また、厚くなり 過ぎると、人体に適用する際に、フィッティングが悪くなる傾向があると共に、 酸素透過性や透湿性が低下するようになるからである。なお、特に、骨折等の患 部固定を目的として使用する場合等においては、患部への巻回数の低減を図るた めに、上記した範囲の中でも、 1. 0〜5. Omm程度の厚さが好適に採用され、 かかる医療用被覆材の厚みが 5. Ommを超えると、卷回が困難となる。

ところで、第 2図には、第 1図に示される包帯 10 (テープ 12) の部分拡大 断面説明図が、 2つの形態において示されている。即ち、第 2図(a) には、非 多孔質の透明な材料からなるテープ 12の断面図が、また、第 2図(b) には、 上述せる如き加水分解処理により、一方の表面が多孔質化せしめられ、多孔質層 16と非多孔質層 18を有する、透明な材料からなるテープ 12の断面図が示さ れている。

これら第 2図 (a) 及び (b) に示されるテープ 1 2は、何れも、本発明に従 つて、上述せる如き原料組成物を重合して得られる重合体から形成される、透明 な材料にて作製されているところから、被覆状態下においても、人体の被覆部位 の目視観察を容易に行なうことが出来、これにより、創傷等の治癒過程を、テー プ 1 2 (包帯 10) を取り除くことなく、観察することが可能となる。また、酸 素透過性に優れると共に、透湿性も改善されているところから、被覆部位におい て、皮膚呼吸が良好に行なわれ得るようになつていると共に、汗等によるムレの 発生も有利に防止され得るのである。

さらに、材料中の非多孔質な部位は、実質的に非含水(含水率が 10%未満) であるところから、含水性材料のみからなる従来の包帯等に比して、細菌等の繁 殖が抑制され、また、外部からの細菌の感染も有利に防止され、以て、優れた非 感染性が付与されているのである。

しかも、テープ 1 2は、自己粘着性を有しているところから、人体への適用面 に感圧接着剤等の接着剤からなる層を設けなくても、テープ 1 2同士を重なり合 うように卷回すれば、その重ね合わせ部分でテープ 1 2同士を接着せしめること が可能となり、また、その重ね合わせ部の面積に応じて、接着強度を適宜に調整 することが出来るのである。尤も、かかるテープ 1 2の自己粘着性は、皮膚に対 する貼着を実現するものではないところから、適用面が皮膚に貼りつくことはな く、取り外し時に、外傷や苦痛を惹起せしめたりするようなことも、有利に回避 され得るのである。

また、特に、第 2図の ( b ) に示されるテープ 1 2にあっては、一方の表面に、 複数の微細な孔が形成されてなる多孔質層 1 6が設けられているところから、そ のような多孔質層 1 6の形成された面を皮膚に適用すれば、かかる多孔質層 1 6 によって、テープ 1 2に吸水性が付与され、人体の被覆部位からの汗の他にも、 創傷や火傷等の患部からの渗出液が吸収され得るようになるのである。

なお、かかる多孔質層 1 6において、孔の大きさや数等は、人体の被覆部位か らの汗や滲出液等を吸収することが可能であれば、特に限定されるものではない ものの、孔の大きさとしては、 1 0 0 μ πιを超えるようになると、テープ 1 2の 透明性が著しく低下するようになるところから、一般に、 1 0 Ο μ πι以下、より 好ましくは 5 0 μ πι以下、更に好ましくは 1 0 ju m以下であることが望ましい。 また、孔は、汗や滲出液等の吸収能力を向上させるために、孔と孔とが離れず、 連続して形成されることが望ましい。更に、多孔質層 1 6の深さ乃至は厚さにあ つても、所望とする吸収能力乃至は吸水能力が実現され得るように、適宜に設定 されるものの、一般に、 3 0〜3 0 0 m程度が望ましい。

ここにおいて、上記した多孔質層 1 6の吸収能力としては、一般に、多孔質層 の重量の 1 0 0〜4 0 0 %程度の重量の汗や滲出液を吸収する吸収率を有してい

ることが望ましい。その理由は、 1 0 0 %未満の場合には、人体の被覆部位から 発せられる汗や滲出液を充分に吸収することが出来なくなる恐れがあるからであ り、また、 4 0 0 %を超えるように多孔質層 1 6を形成せしめると、テープ 1 2 が所望とする形状を保持し得なくなって、人体の被覆部を圧迫する等の問題が生 じる恐れを内在するからである。

そして、上述せる如き医療用被覆材(包帯 1 0 ) は、怪我の防止や治療のため に関節や筋肉等にテーピングを施したり、創傷部をカバーしたり、骨折部位を固 定したりする際などに有利に用いられ得るのであるが、その適用方法としては、 テープ 1 2が自己粘着性を有しているところから、テープ 1 2同士が重なり合う ように卷回し、その重ね合わせ部分で接着する手法が好適に採用され得る。例え ば、適用部が、指や腕の場合、テープ 1 2を 1周以上巻回した後、テープ 1 2同 士を重ね合わせて接着させるのである。この際、卷回数を少なくすれば、テープ 1 2の柔軟性が損なわれること無く、指や腕の動作に抗するストレスを低減させ ることが出来る一方、逆に、卷回数を多くすれば、指や腕を固定することが可能 となる。

以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまで も例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実形態に^ る具体的な 記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきで ある。

例えば、第 2図 ( b ) に示される実施形態では、非多孔質である重合体の一方 の表面を加水分解処理によって、所定の厚さで多孔質化せしめることにより、同 一材料内に、多孔質層 1 6と非多孔質層 1 8とが形成されていたが、それら多孔 質層と非多孔質層とを、異なる材料からそれぞれ作製し、それらを積層せしめて なる構造も有利に採用され、そのような構造の医療用被覆材にあっても、上記と 同様な種々の効果が享受され得ることとなる。なお、積層構造の医療用被覆材を 作製する手法としては、例えば、予め多孔質のフィルムを用意した後、その多孔 質フィルム上に、原料組成物を流延、重合することにより、多孔質層と非多孔質 層とを積層したり、或いは、第 3図に示されるように、多孔質フィルム 2 0と非 多孔質フィルム 2 2をそれぞれ別個に作製し、それらを、適当な結合剤(接着 剤) 2 4にて結合して、積層する手法等が挙げられる。

また、多孔質層は、人体への適用面の全面に設けられている必要はなく、例え ば、フィルム状の被覆材の場合には、第 4図に示されるように、創傷部等の血液 等が滲出する部位に位置せしめられるように、中央部のみに多孔質部 2 6が設け られ、その他の部位は非多孔質部 2 8とされていても良い。

さらに、第 2図(a ) に示されるテープ 1 2や、第 2図(b ) の非多孔質層 1 8等には、かゆみやムレの発生を最小限にすべく、必要に応じて、創傷等との接 触部位を除く部位に、厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられても良く、更には、 メッシュ状にすることも可能である。

加えて、医療用被覆材には、使用前に汚染物質が接触することを防止するため に、従来と同様に、少なくとも、創傷や火傷等の患部に適用する面に、剥離ライ ナ一が取り付けられていてもよい。例えば、人体への適用面に剥離ライナーを取 り付けて、第 1図に示されるように卷回すれば、重ね合わせ部分において、剥離 ライナーが医療用被覆材の両面に位置せしめられることとなる。なお、かかる剥 離ライナーとしては、医療用被覆材の使用時に、容易に剥離することが出来るも のであれば、脂肪族フルォロケミカルゃシリコーン等による表面加工の施された 紙製ラィナーゃ樹脂製フィルムライナー等、従来から公知のものが何れも採用さ れ得るのである。

その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる 変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、その ような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に 含まれるものであることは、言うまでもないところである。

実 施例

以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにする こととするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受 けるものでないことは、言うまでもないところである。

先ず、下記表 1に示される配合組成となるように、各種の重合成分や、架橋剤、 重合開始剤、金属フタロシアニン化合物、二酸ィヒチタン等を適宜に配合して、均 一に混合せしめ、実施例 1〜9に係る原料組成物(但し、実施例 4と実施例 9は、 同一の配合組成)を調製した。


SiUMA :—般式 (XI) にて示されるシロキサンマクロモノマ- SiA :トリス (トリメチンロキシ) シリル Pピルメタクリレート

6FPA :へキサ刀 ktロイソフ。 Pピルメタク!)レート

13FHPA : 3_ハ。一フルれへキシ;— 2—ヒに口キシ,卩ピルメタクリレ卜

BA : n-フ、、チルアタリレ- 1、

RAMA :ラウリルメタクリレ-ト

EDMA :エチレンク、'リコ—ルシ、、メタクリレト

TRIA :シ'、エチレンク"リコールシ"ァリルエーテル

D1173 : 2-ヒト、、口キシ— 2-メチル—1—フエ二ルフ。 Pハ。ン— 1—オン

銅フタ pシァニン 1 :テトラ- (4-メタク!);レアミド)銅フタ nシァニン

銅フタ p'ンァニン 2 :青色 404号(フタロシアニンフ"ル-)

Ti02 :酸化チタン

なお、重合成分としては、下記一般式(XI) にて示されるシロキサンマクロモ ノマー(数平均分子量: 5500〜 7000) 、酢酸ビニル、トリス(トリメチ ルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、へキサフルォロイソプロピルメタ クリレート、 3—パーフルォ口へキシルー 2—ヒドロキシプロピルメタクリレー ト、 η—ブチルアタリレート、ラウリルメタクリレート、エチレングリコールジ メタクリレート(架橋剤)、ジエチレングリコールジァリルエーテル(架橋剤) を準備した。


また、ラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤である、 2—ヒドロキシー 2—メチルー 1一フエニルプロパン一 1一オンを準備する一方、抗菌性を付与す るための添加剤として、金属フタロシアニン化合物である、テトラー(4一メタ クリルアミド)銅フタロシアニン及び青色 404号 (フタロシアニンブルー) と、 酸ィ匕チタンを準備した。

—方、長さ:約 10 OmmX幅:約 3 OmmX厚さ:約 0. 5 mmのフッ素榭 脂製シートの中央部を、長さ:約 9 OmmX幅:約 2 Ommの大きさとなるよう に、矩形状に切り取って除去し、この中央部に矩形状の穴が設けられたフッ素樹 脂製シートをスぺーサとし、この両側の面をポリエチレンテレフタレート製のシ 一トで挟持し、更にその外側をガラス板で挟んで固定すると共に、このスぺーサ 内に、上記で得られた各原料組成物を、それぞれ、流し込んだ。

次いで、原料組成物に対して、波長: 36011111の11¥光(5mW/cm2) を、約 10分間照射して、重合を行なって、実施例 1〜8については、厚さが約 0. 48mm, 実施例 9については、厚さが約 2. 0 namのフィルム状の各共重 合体を得た。そして、得られたフィルム状の各共重合体を切断することにより、 長さ:約 8mmX幅:約 15mmX厚さ:約 0. 48 mm又は約 2. Ommのテ ープ状に成形した。

また、そのようにして得られたテープ状の共重合体に、紫外線洗浄装置(ゥシ ォ電気 (株)製エキシマ光照射装置 UER— 1 72) を用いて、 5分間照射せし めることにより、共重合体表面の改質を行なった。次いで、共重合体中に含まれ る未重合成分等を除去するために、 UV光照射後の共重合体をメタノールに浸漬 した後、 3mo 1 ZLの水酸化ナトリウムのメタノール 60 %水溶液 ( 25 °C) 中に、テープ状の共重合体の一方の面が漬かるように、 2時間浸漬して、加水分 解処理を行なった。その後、加水分解処理の施された共重合体を、蒸留水に浸漬 した後、 121°Cで 20分間オートクレープ処理し、乾燥機で充分に乾燥させて、 供試用の実施例 1〜 9に係る材料 (試験片) を得た。

そして、得られた供試用材料について、以下の①〜⑧の評価を行ない、得られ た結果を下記表 2に併せ示した。

①透明性

分光光度計(島津製作所製、 UV-2200) を用いて、約 0. 48 mm又は 約 2. 0 mmでの 380〜 780n mにおける光線透過率を測定した。

G T G ( GAS to GAS ) ANALYZER (米国: REHDER DEVELOPMENT COMPANY製) を用いて、測定時間 3分にて測定し、その得られた測定値を、 I SO 9912— 2にて規格化されたメニコン EX (Dk = 64) を用いて換算 して、 Dk値を求めた。なお、 Dk値は、酸素透過係数の値 [ (c m2 s e c) · (mL02/mLXmmHg) ] を意味し、特に、酸素透過係数の値に 1 011を乗じた数値である。

③粘着力

2枚の試験片を貼り合わせて接触させた後、ピンセットで剥離した際の試験片 の状態を観察し、以下の評価基準に基づいて評価を行なった。なお、以下の評価 基準 A〜Fのうち、 C及び Dの評価の試験片が医療用被覆材として適している。

A:試験片同士が粘着しない。

B :試験片同士が僅かに粘着するが、容易に剥離する。

C:試験片同士が良好に粘着し、剥離の際に容易に剥離する。

D:試験片同士が粘着し、剥離に多少時間を要する。

E:試験片同士が強固に粘着し、剥離が極めて困難である。

F :試験片同士が完全に粘着してしまレ、、剥離が不可能である。

④透湿性

サンプル瓶に蒸留水を適量入れ、サンプノレ瓶の開口部を試験片で覆って密閉し た。そして、サンプル瓶を加熱し、瓶内を水蒸気にて飽和させて、一晚放置し、 フィルム状共重合体に水滴が付着したかどうかを、肉眼で観察し、以下のように 評価した。

〇:水滴の付着が確認されない。

△:僅かに水滴の付着が確認される。

X :水滴の付着が多数確認される。

⑤表面多孔性

S EM観察を実施し、表層における多孔構造を確認し、孔の大きさと、多孔質 層の深さを測定した。

⑥吸水率

加水分解処理によつて多孔質層が形成された供試用材料について、その全体の 吸水率を求めると共に、表面の多孔質層のみの吸水率を、以下のようにして求め た。

(1) 供試用材料全体の吸水率

乾燥機にて充分に乾燥せしめた供試用材料の重量: MD ( g ) を測定すると共 に、 2 5 °Cの蒸留水に 2 4時間浸漬した後、平衡状態にするために 2時間煮沸処 理を行なって吸水した供試用材料の重量: Mw ( g ) を測定し、それらの値を用 いて、次式により、供試用材料全体の吸水率: WAを算出した。

WA (%) = [ (Mw— MD) /MD] X 100

(2) 多孔質部の吸水率

予め、加水分解処理を実施する前の供試用材料全体の吸水率: WBを、上記 (1) と同様にして求めると共に、 SEM観察により多孔質層の厚さ(深さ)を求めて 多孔質層の体積百分率と非多孔質層の体積百分率を求め、それらの値を用いて、 次式により、多孔質部の吸水率(表面吸水率): Wsを算出した。

Ws (%) = (WA— WBX非多孔質層の体積百分率) /多孔質層の体積百分率

⑦伸び率

供試用材料を、幅: 2 mm X長さ: 15 mmとなるようにカツトして、短冊状 試験片とし、これを、インストロン製万能引張試験機を用いて、引張せしめて、 破断時の伸び率 (%) を測定した。

⑧抗菌性

金属フタロシアニン化合物若しくは酸化チタンが含有された実施例 3, 7, 8 に係る供試用材料に対して、約 106 c f uZmLの大腸菌 {Escherichia coliWO 3972) を 100 μ L接種し、 UV光(360 nm) 照射下で 4時間培養した。培 養後、供試用材料を S CD LP培地で洗浄し、洗浄培地中の生菌数を測定した。 そして、この生菌数から、菌減少数 (log reduction) を下記の式に従って求めた ( J I S-Z-2801) 。

菌減少数 (log reduction) = 1 o g (コント口ールの残存生菌数)

- l o g (培養後、供試用材料の残存生菌数)

表 2


上記表 2の結果から明らかなように、シロキサンマクロモノマーを結合含有す る重合体からなる、実施例 1〜9に係る供試用材料にあっては、光線透過率が高 く優れた透明性が確保されていると共に、酸素透過性(D k値)が高く、被覆部 においても皮膚呼吸が可能となる。また、粘着性の評価も C又は Dとなっており、 医療用被覆材に求められる自己粘着性が実現され得ている。更に、良好な透湿性 や伸縮性も付与されていることが分かる。加えて、重合体に加水分解処理を施す ことにより、材料表面が親水性化せしめられると共に、多孔質化せしめられ、以 て、吸水性が付与されることも、認められるのである。

また、金属フタ口シァニン化合物や酸化チタンが含有せしめられた実施例 3 , 7 , 8にあっては、菌減少数が 3 . 2 1より大きく、抗菌性が有利に付与されて いることが、分かる。

以上の説明から明らかなように、本発明に従う医療用被覆材にあっては、所定 のシリコーン含有モノマーを必須の重合成分として結合含有する重合体から形成 されているところから、酸素透過性が高く、皮膚呼吸が有利に実現され得ると共 に、達湿性が改善され、汗等によるムレの発生も有利に防止され得るのである。 また、医療用被覆材を与える重合体は、非含水性と自己粘着性をも有していると ころから、かかる非含水性によって、細菌等の繁殖が最小限に抑えられ得ると共 に、外部からの細菌等による感染も可及的に防止され、また、自己粘着 14によつ て、接着剤を用いなくても患部等を被覆して固定することが可能であると共に、 剥離する際には苦痛を惹起せしめることもない。し力も、本宪明に従う医療用被 覆材は、透明であるところから、被覆状態下においても、人体の被覆部位の目視 観察が可能となっているのである。

また、そのような医療用被覆材を与える重合体中に脂肪酸ビュルエステルを結 合含有せしめて、加水分解処理を実施すれば、同一材料内に多孔質層を形成せし めることが出来、これにて、医療用被覆材に対して、吸水性を、更に付与するこ とが可能となる。