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1. WO1996041855 - METHOD OF CONTINUOUS EXTRACTION OF CRUDE WAX AND APPARATUS THEREFOR

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[ JA ]
明 細 書

粗ワックスの連続抽出方法およびそれに使用する装置

技術分野

本発明は、砂糖黍から粗ヮックスを製造するための抽出方法およびその実施に 使用する装置に関するものである。

背景技術

砂糖黍から砂糖を生産する際には、砂糖黍の茎を圧搾することにより樹液を絞 り出し、この絞汁を煮詰めて粗糖を得る。

砂糖黍の茎を圧搾して得られた絞汁は、砂糖分のほかに、粉砕された茎の外皮、 維管束、茎の髄の細片等を必然的に含み、更にワックス分や樹脂分を含有する。 そこで、絞汁に必要により凝集剤、濾過助剤などを加えて、ワックス分や樹脂分 を沈澱させて濾過し、同時に粉砕された茎の外皮、維管束、茎の髄の細片等も濾 過により除去する。得られた瀘液を煮つめることにより粗糖を生産し、一方、濾 過残渣 (フィルターケーキ、一般には「力チヤーサ」と呼ばれる)から粗ヮック スを製造する。この濾過残渣は、ワックス分や樹脂分、および粉砕された茎の外 皮、維管束、茎の髄の細片のほか、沈澱剤、泥なども含み、更に通常は水分を 7 0〜8 0重量%含むものであるが、見かけ上固形の物質である。

すなわち、はじめの圧搾作用により砂糖黍は破碎または粉碎されるので、その 絞汁のフィルターケーキは全体としては変形可能な固体であって、水を含む粉枠 物あるいは破砕物の集合体である。さらに集合体を構成する粉砕片や破砕片は、 形状が不定形であつたり一部が繊維状であることもあり、また水を含むため相互 に絡み合った集合体であるため塊状を呈しており、ある程度の形状保持性を示す。 正確には粘弾性体ではないが、見かけ上または部分的には粘弾性体類似の挙動を 示す集合体である。

特開平 6 - 1 2 2 8 9 2号公報には、あらかじめフィルタ一ケーキを乾燥する ことなく、疎水性有機溶媒により連続抽出を行う方法が提案されている。すなわ ち、フィルターケーキと疎水性有機溶剤とを捏和しながら抽出を行う方法であり、 そのための装置としてはスクリユー、リボン羽根、パドルなどを備えた攪拌加熱 移送機を用いることができるとしている。また部分的に塊状を呈しでいるフィル 夕—ケーキを細片に分散させるために、剪断力を付与しながら攪拌することが好 ましいとしている(同公報、第 4頁、第 5欄、段落 0 0 1 7 ) 。しかしながら、 処理対象は液体である溶剤と固体集合体であるフィルターケーキとの混合物であ るから、上記公報に記載された単軸のスクリユー式押出機どの簡単な移送攪拌 装置によって容易に抽出することはできない。

そのほか、アメリカ特許第 2 5 5 4 0 7 3号公報には、垂直型の連続抽出塔を 用いるフィルターケーキからのワックスの製造方法が開示されている。この方法 においては、塔内の各プレート上において回転するフィンガーや攪拌アームによ りフィルターケーキと抽出溶剤とを単に攪拌して向流抽出を行う。フィルタ一ケ ーキ中に含まれる水は、フィルターケーキを構成する粉砕片や破砕片の間やその 内部の間隙等に存在するものと考えられるが、このような水は特に疎水性溶剤の 場合に溶剤抽出を妨害する。単なる攪拌ではこの水による抽出妨害を防ぎ難く、 また攪拌を激しくすると、フィルタ一ケーキは溶剤中に細片となって分散する。 このような分散状態では、その後の輸送および処理に不都合であり、また輸送配 管等を閉塞する可能性もあるため好ましくない。

ここで、砂糖黍の絞汁を処理して得たフィルターケーキを溶剤抽出する場合に、 抽出の初期には主にヮックス分が多く抽出されるが、抽出時間が長くなると砂糖 黍繊維からリグニン分などが抽出され易くなり、リグニン分とワックス分とを更 に分離することは再結晶操作などの分離手段を用いても容易ではないことが本発 明者らの実験により判明した。従って、リグニン分を含まないワックス分を得る ためには、抽出装置内の滞留時間を適当な範囲に調節することが必要である。 回分(バッチ)式の溶剤抽出法は、抽出時間のバラツキが比較的小さい点で有 利であるが、回分操作では大量処理が困難であり、本質的に工業的製法としては 不適当である。

このように、大量処理が可能であり、しかも溶剤抽出の際に抽出時間に実質的 にバラツキが生じないようにするためには、従来の方法は必ずしも満足すべきも

のではない。

本発明は、上記のような事情に鑑み、砂糖黍の絞汁から分離した固体残渣を原 料として溶剤抽出を行う際に、抽出時間に実質的にバラツキがなく、しかも高い 抽出効率で粗ワックスを製造することができる抽出装置を提供することを目的と する。

図面の簡単な説明

第 1図は二重リボン羽根式抽出装置の例の略示断面図、第 2図はニ軸パドル型 抽出装置の例の略示断面図、および第 3図は翼型ディスクの例の正面図および断 面図である。

発明の開示

本願の第 1発明は、砂糖黍の絞汁から分離した固体残澄と抽出用有機溶剤とを 剪断力を加えつつ混合し、その混合物の流れに垂直な方向においては十分な混練 を行うと共に、流れ方向には実質的に栓流を形成する攪拌流動状態下において、 固体残渣中に含まれるワックス分を溶剤により連続的に溶剤抽出する方法に関す るものである。

本願の第 2発明は、次の(1 ) から(3 ) の構成要素を具備することを特徴と する粗ワックスの横型連続有機溶剤抽出装置に関するものである。

( 1 ) 横型密閉容器の一方の端に開口し、砂糖黍の絞汁から分離した固体残渣と 抽出用有機溶剤とを連続的に供給するための供給口、

( 2 ) 前記容器内に設けられた二組の混練移送要素であって、混練機能は、いず れも固体残渣と有機溶剤との混合物に対して剪断力を加えつつ混練を行うもので あり、移送機能は、混合物に付与する移送駆動方向が互いに相反するが、混合物 全体としては前記容器の一方の端から他の端へ連続的に移送を行うものである二 組の混練移送要素、ならびに

( 3 ) 横型密閉容器の他方の端に開口し、前記固体残渣と抽出用有機溶剤との混 合物を連続的に押し出すための排出口。

本願の第 3発明は、前記二組の混練移送要素が、いずれも混合物の移送方向を 軸とする回転を行うことを特徴とする第 2発明の粗ヮックスの横型連続有機溶剤 抽出装置に関する。

本願の第 4発明は、二組のリボン羽根により混合物に互いに相反する方向の移 送駆動力を及ぼす二重リボン羽根式押出機型の構造を有することを特徴とする第 3発明の粗ワックスの横型連続有機溶剤抽出装置に関する。

本願の第 5発明は、前記二組のリボン羽根が、長径リボン羽根と短径リボン羽 根からなることを特徴とする第 4発明の粗ワックスの横型連続有機溶剤抽出装置 に関する。

本願の第 6発明は、二軸パドル型、二軸ディスク型および二軸スクリュー型の いずれかの構造を有する第 3発明の粗ワックスの横型連続有機溶剤抽出装置に関 する。

以下、本発明を詳細に説明する。

砂糖黍から砂糖を製造する際には、はじめに砂糖黍の茎を各種の圧搾機、例え ばシュガーミルなどのロール圧搾機により圧搾して樹液を絞り出す。砂糖黍はあ らかじめ細粉砕されることもある。得られた絞汁は糖分を含んでいるが、ヮック ス分ゃ樹脂分を含むために不透明な液体である。この絞汁からヮックス分ゃ樹脂 分を除去するには、必要により凝集剤あるいは濾過助剤など、例えば消石灰を 2 〜 1 0重量% (通常約 5重量%) 添加して凝集させ、凝集した固体成分を適宜の 方法、例えばフィルタープレスなどにより濾別する。ここでフィルタープレスに 残渣として残る絞りかす、すなわちフィルターケーキには、ワックス分や樹脂分 が大量に含まれている。フィルタープレス以外に限外濾過や遠心分離などの分離 方法によってワックスなどを除去することも可能である。

本発明において、砂糖黍の絞汁から分離した固体残渣とは、上記絞汁を、場合 により凝集剤などを添加した後、フィルタープレスあるいは限外濾過や遠心分離 など適宜の分離手段により分離して得た固体残渣を指す。代表的なものはフィル タ一ケーキである。前述のように、通常固体残渣は、ワックス分や樹脂分のほか に、粉砕された茎の外皮、維管束、茎の髄の細片および凝集剤、濾過助剤、沈澱 剤、泥なども含み、更に通常は水を多量に、例えば 5 0〜 9 0重量%、好ましく は 7 0〜 8 0重量%含む、見かけ上固形の物質である。本発明の方法によれば、 特に乾燥を行うことなく抽出することができるが、適宜の乾燥手段により乾燥を 行い、水分を低減させたものを使用してもよい。

抽出工程においては、上記固体残澄に有機溶剤を混合して剪断力を加えつつ攪 拌することにより、固体残渣からワックス分を連続的に溶剤抽出する。抽出用溶 剤としては、固体残渣中のワックス分を溶解抽出するために有機溶剤を使用する。 アルコールゃケトンなどの親水性の有機溶剤では、固体残渣中に多量に含まれる 水分も同時に抽出され、後に溶剤と水分との分離が容易でないため、抽出用溶剤 としては疎水性の有機溶剤を用いることが望ましい。

好ましい疎水性有機溶剤としては炭化水素溶剤が例示される。環境汚染、安全 性などの観点から、例えば、 C 5〜C 9の範囲の非芳香族炭化水素系溶剤、好まし くは C 5〜C 9の液状飽和炭化水素、例えばナフテン系またはパラフィン系炭化水 素、特に C 6〜C 9のィソパラフィンもしくは C 5〜C 8のノルマルパラフィンまた はこれらの混合物などが例示される。

抽出においては、砂糖黍ヮックスの方がリグニン分よりも一般の有機溶剤に溶 解し易いために、前述のようにワックス分が先に、その後にリグニン分が溶出す る。そして、これらに対する溶解能が低い有機溶剤の場合には、溶出における上 記の時間差は更に増大する。一方、ワックスやリグニンに対する溶解能が高い有 機溶剤の場合には、ヮックス分とリグニン分の溶出までの時間に余り大きな差が 生じないことがある。すなわち、溶解能が高いことにより、時間的に大差なくヮ ックス分とリグニン分が溶出することが起こり得るのである。この場合には、本 発明の方法は有効とはいい難い。このような観点からもまた、本発明の方法を適 用するには、ワックスやリグニンに対する溶解能が比較的低い有機溶剤、例えば 炭化水素などの疎水性有機溶媒が好ましい。

上記有機溶剤の配合量は、固体残渣の 0 . 0 5 ~ 1 0容量倍、好ましくは 0 . 5 〜 5容量倍である。溶剤の量が固体残渣の 0 . 0 5容量倍未満では抽出が不十分と なり、一方 1 0容量倍を越えるときは後段の溶剤回収などの効率が低下するので いずれも好ましくない。抽出の温度は適宜に定めることができ、用いる溶剤によ り異なるが、通常は操作圧力下における溶剤の沸点以下であれば特に限定されな い。例えば、常温〜 1 0 0。Cの範囲の温度から選択することができる。

具体的な抽出方法としては、固体残渣に剪断力を加えながら、固体残渣と上記 疎水性有機溶剤とを混練し連続的に抽出する。

フィルタ一ケーキに代表される固体残渣は、粉砕片や破砕片の集合体であり、 しかもその間隙にはワックスと溶剤との接触を妨害する水が存在する。このため、 固体残渣に対して剪断力を加えながら固体残渣と溶剤との混合物を混練すること により、上記集合体の各細片を離散させることなく、しかも水が存在する場合に おいても十分にワックスと溶剤とを接触させることが可能となる。固体残澄に対 して剪断力が作用しない場合、または作用しても十分でない場合、例えば適当な 攪拌速度による単なる攪拌のような場合には、介在する水により抽出が不十分と なり、また攪拌速度が極端に大きいときは、集合体の各細片が分離し離散するの でいずれも好ましくない。

固体残渣に対して剪断力を加えながら、固体残澄と溶剤との混合物を混練する には、適宜の混練機能を有する混練要素を採用することにより達成される。例え ば、回転する二重リボン羽根、二軸パドル(回転する二軸にそれぞれ複数のパド ルが設けられたもの)、二軸ディスク(回転する二軸にそれぞれ複数のディスク が設けられたもの)、二軸スクリユーなどの混練要素が挙げられる。スクリュー ゃリボンなどの混練要素の場合に、単軸の装置では剪断力が不足するため好まし くない。

なお、これらの混練要素は、混練と同時に固体残渣と溶剤との混合物を連続的 に移送する機能を有することが必要である。すなわち、このような混練要素によ り上記混合物に対して連続的に移送駆動力が作用し、連続的な抽出操作が行われ ることになる。以下、移送機能を伴う混練要素を「混練移送要素」という。

上記混練移送要素は、適宜の容器内に設けられる。容器は、溶剤の揮散防止の ために密閉構造とするのが好ましい。そして、前記移送機能により固体残渣と溶 剤の混合物は容器内の一方の端から他方の端へと連続的にほぼ水平方向に移送さ れ、この間に抽出操作が行われる。

前述のように、砂糖黍の絞汁からの固体残渣の抽出においては、余り長く抽出 を行うとリグニン分などの分離精製が容易でない成分が抽出され易い。従来の連 続抽出方法では、抽出時間のバラツキがかなり大きいために、必然的にリグニン 分もある程度同時に抽出され、これが純度の低下を招く。

従って、溶剤抽出の際に実質的に抽出時間にバラツキが生じないようにするた め、本発明の方法においては、流れに垂直な方向では十分な混合を行うと共に、 流れ方向には実質的に栓流を形成する攪拌流動状態下で、固体残渣中に含まれる ヮックス分を連続的に溶剤抽出する。

流れ方向に栓流またはそれに近い攪拌流動状態を実現することにより、抽出時 間にバラツキが全くないかまたは極めて少ない連続抽出を達成することができる。 完全な栓流状態が好ましいが、実質的に栓流の状態が得られればよい。

流れに垂直な方向には、十分な混練が必要である。この混練により、固体残渣 と有機溶剤が十分に接触混合し、有機溶剤による抽出が進行する。

例えば、前記要素として、二組の混練移送要素を採用し、各組の発揮する移送 機能は、混合物に対する移送駆動方向が互いに相反するように設定する。ただし、 混合物は一定方向へ連続的に移送される必要があるため、移送駆動力全体(各移 送駆動力の和)としては一定方向に作用させる。従って、二組の要素が発揮する 移送駆動方向は相反するものであるが、その大きさ(絶対値)は、いずれか一方 が僅かに大きくなるようにする。例えば、二重リボン羽根あるいはニ軸スクリュ 一などの混練要素では、二組のリボンゃスクリユーの回転方向を互いに反対にし たり、または両リボンの回転半径を変えるなどの方法により達成することができ る。二軸パドル、二軸ディスクなどの混練要素では、パドルやディスクの向き、 回転軸の回転方向などを適宜に変更することにより達成することができる。

ここで、前記の混練移送要素はいずれも回転を行うものである。すなわち、二 重リボン羽根のリボンや二軸スクリユーのフライ卜の動きは螺旋状態の回転であ り、移送方向を軸とする回転速度成分を有する。また二軸パドル、二軸ディスク などでは混合物の移送方向を軸として回転する。従って、各混練移送要素は、回 転体の周縁部において最大の線速度(末端回転線速度)を有する。

そこで、固体残澄の流れ方向(軸方向)の平均移動速度(m/分)を Aとし、二 組の混練移送要素の末端回転線速度(m/分)の大きい方を Bとするとき、 B Z A の値は 0 . 5 ~ 5 0が好ましく、より好ましくは 1〜3 5の範囲である。 0 . 5未 満の場合には、固体残渣の移動速度が速いか、回転が遅いかまたはその両方であ り、このような場合は固体残渣と溶剤との接触が不十分となり好ましくない。ま た B Z Aの値が 5 0を超える場合は、固体残渣の移動速度が遅いか、回転が早い かまたはその両方であり、このような場合は固体残渣が回転する要素の遠心力に より容器内壁側に遍在し、その結果やはり固体残渣と溶剤との接触が不十分とな るので好ましくない。

本発明の方法に使用する装置としては、流れに垂直な方向に十分な混練を行う と共に、流れ方向に実質的に栓流を形成する攪拌流動状態が実現されるものであ れば、いかなる装置も採用することができる。

すなわち、本発明の方法に用いられる装置としては、二組の混練移送要素にお いて、その混練機能は、いずれも固体残渣と有機溶剤との混合物に対して剪断力 を加えつつ混練するものであり、その移送機能は、混合物に付与する移送駆動方 向が互いに相反するが、混合物全体としては容器の一方の端から他の端へ連続的 に移送を行うものである二組の混練移送要素を、横型抽出容器内に具備した粗ヮ ックスの橫型連続有機溶剤抽出装置が例示される。

横型抽出装置の流れ方向の各端には、固定残渣と有機溶剤とを連続的に供給す るための供給口と抽出操作後に混合物を連続的に抜き出す排出口がそれぞれ開口 している。

具体的には、例えば、それぞれ反対方向の螺旋からなる長径および短径のリボ ン羽根を有する二重リボン羽根式押出機や、逆回転する二組のパドル群を備えた ニ軸パドル型攪拌装置またはそのパドル群をディスク群に代えた装置などにより 固体残渣と有機溶剤とを混練する連続抽出装置がある。

第 1図は、二重リボン羽根式抽出装置の例の略示断面図である。二重リボン羽 根式抽出装置 1の入口開口部 2から固体残渣と有機溶剤、例えば脂肪族系炭化水 素溶剤などを連続的に投入する。回転軸 3に取り付けられた長径および短径の 2 本のリボン羽根 4 aおよび 4 bは互いに反対方向の螺旋を形成している。長径リ ボン羽根 4 aの螺旋の径は短径リボン羽根 4 bの螺旋の径よりも大きい。モータ 一 5により回転軸 3を回転させることにより、投入された固体残渣と溶剤は、剪 断力を受けながら混合されて軸方向に流動し、その間に溶剤抽出が連続的に行わ れる。その後、出口開口部 6を経て流出した抽出混合物から、適宜の分離手段 (図示せず)、例えば篩、プレス、遠心分離機などにより固体残渣を分離除去す ることにより、粗ワックスを溶解した抽出液が得られる。この抽出液から溶剤を 蒸発などにより適宜分離することにより粗ヮックスが得られる。

上記第 1図の装置において、長径リボン羽根 4 aの螺旋は、回転により軸方向 (流れ方向)に進行させる推進力(移送駆動力)を発生し、前向きの流動を生じ させようとする。一方、短怪リボン羽根 4 bは、螺旋の向きが長径リボン羽根 4 aと反対であるから、後退させるような推進力を発生し、後向きの流動を発生 させる。すなわち、長径リボン羽根によって生じる流れは、短径リボン羽根によ つて生じる流れにより部分的に減殺される。完全に相殺されれば出口方向への移 送が行われないが、長径リボン羽根の推進力を短径リボン羽根の推進力よりも大 きくすることにより、流れ全体として出口方向へ流動させることが可能となる。 ここで、リボン羽根の形状や螺旋のピッチなどを適宜に変更することにより、二 組のリボン羽根の推進力をそれぞれ独立に変更することができる。

上記のようにして、流れ全体として出口方向への実質的な栓流が形成される。 通常は長径リボン羽根の方が螺旋径が大きいため推進力も大きい。ほぼ同一の螺 旋ピッチを有する場合には、長径リボン羽根の螺旋径を 1としたときに、短径リ ボン羽根の螺旋怪は 0 . 1〜0 . 9、好ましくは 0 . 3〜0 . 7の範囲である。この 比が 0 . 1未満では、長径リボン羽根による流れを減殺する短径リボン羽根の作用 が低下し、その結果、流れ方向の流速分布が大きくなり、栓流を形成し難くなる ので好ましくない。一方、上記の比が 0 . 9よりも大きいときは、短径リボン羽根 の推進力が大きくなり過ぎ、抽出混合物が出口方向へ移送され難くなるので好ま しくない。

上記において、二組のリボン羽根が回転することにより、径方向には十分な攪 拌混合が行われる。

二組のリボン羽根の回転は、互いに同方向でも逆方向でもよい。第 1図の例は、 両螺旋の向きを反対方向として、二本のリボン羽根を同方向に回転させるもので ある。二本のリボン羽根を逆方向に回転させるときは、両者の螺旋の向きを同方 向とする。

同方向および逆方向のいずれの回転の場合においても、二本のリボン羽根の回 転数は互いに独立して設定することができる。両リボン羽根の螺旋の向きを反対

として、同じ方向に同じ回転数で回転させる方法を用いれば、機械的構造が簡単 となり、製作費が安価になる。

なお、回転数は 1〜5 0 O R . P . M .の範囲から選ばれる。

第 2図は、二軸パドル型抽出装置の例の略示断面図である。二軸パドル型抽出 装置 1 1には、入口開口部 1 2、二本の回転軸 1 3、両回転軸に取り付けられた それぞれ複数個のパドル 1 4、回転軸を駆動するモーター 1 5および出口開口部 1 6が設けられている。

第 2図では、 2個のモーターによりそれぞれ回転軸を駆動させているが、適宜 の伝達装置を用い複数の回転軸を一個のモーターにより駆動させることも可能で ある。

パドル 1 4は、図に示すように二本の回転軸 1 3の上に交互に設置されている。 両回転軸は、同一方向に回転させることもできるが、通常は互いに逆方向に回転 させることが好ましい。回転数は 1〜5 0 O R . P . M .の範囲から選ばれる。なお、 パドルの数は複数であればよく、通常は各軸にそれぞれ 2〜2 0個である。パド ルの寸法およびその間隔も特に制限されない。

パドル 1 4の形状は、投入された固体残澄と有機溶剤との混合物を出口方向へ 移送することができるように適宜変形することができる。例えば、第 2図に示す ように、同一軸上のパドルについて 1つおきに相反する方向に傾斜を付与して推 進力を発生させ、出口方向へ前進させるパドルの傾斜を、後退させるパドルの傾 斜よりも大きくすることによって、流れ全体として出口方向へ移動させることが できる。また、前進パドルの長さを後退パドルの長さよりも大きくすれば、傾斜 の大きさが同一であっても、同様の効果が得られる。

第 2図に示すニ軸パドル型抽出装置においては、各段のパドルの代わりにディ スクを設置することができる。

ディスク型の場合には、両回転軸のディスクが回転すると、その摩擦抵抗によ り、投入された固体残澄と溶剤とは、剪断力を受けつつ回転軸に対し垂直の方向 に十分に混練される。一方、ディスクは板状の平面構造を有するものであるから、 流れ方向に対してはいわば隔壁の作用を示し、流れ全体としては実質的に栓流が 形成される。その結果、流速分布が小さい、すなわち抽出時間のバラツキが小さ

い連続的溶剤抽出操作を行うことができる。

ディスクとして単なる円盤を用いる場合には、装置全体を適宜の角度、例えば

1〜3 0 ° の範囲に傾斜させて、重力の作用で流下させることにより、軸方向の 流動を確保することができる。

また、ディスクに翼片を設けて軸方向に推進力を付与することもできる。第 3 図は、翼型ディスクの例の正面図および側面図であり、翼型ディスク 1 7は複数 の翼片 1 8を設けた円盤からなる。

第 2図に示す二軸パドル型抽出装置を使用した場合にも、出口開口部 1 6を経 て流出した混合物から、篩その他の装置により固体残渣を分離除去すれば、粗ヮ ックスを溶解した抽出液が得られる。この抽出液から溶剤を蒸発分離することに より粗ヮックスが得られる。

第 1図および第 2図のいずれの抽出装置においても、抽出時間は、リグニン分 の抽出量が少なくなるように設定すればよく、通常は 1〜1 8 0分、好ましくは

5〜6 0分の範囲から選択される。なお、第 1図や第 2図のような押出型抽出装 置を用いる場合には、抽出時間として平均滞留時間(被処理物の通過所要時間) を用いる。

抽出の際の圧力は常圧でもよいが、発生する溶剤の蒸気圧に基づく自圧により、 あるいは不活性ガスの圧入などにより適宜に加圧することができる。加圧を行う ことにより抽出時間を短縮することが可能である。加圧の際の圧力は、設備の耐 圧強度によっても異なるが、通常 5 kg/cm2以下である。

発明を実施するための最良の形態

以下、実施例により本発明を詳述する。

<実施例 1および 2 >

砂糖黍の絞汁を濾過して得たフィルターケーキ(固形分 2 0重量%) を第 1図 に示す二重リボン羽根式抽出装置に供給し、抽出用有機溶剤としてアイソゾ一ル 2 0 0 (商品名、日本石油化学 (株)製; C 6〜C 9のイソパラフィン系炭化水素溶 剤)を所定割合(表 1に示す)で用い、表 1に示す温度でワックス分の抽出を行 つた。加熱には適宜に外部加熱装置を利用した。

なお、第 1図に示す装置の仕様は以下の通りである。

出口方向へ移送効果を有する長径リボン羽根の直径 1 7 . 0 c m

入口方向へ移送効果を有する短径リボン羽根の直径 9 . 0 c m

入口開口部から出口開口部までの長さ 5 3 . 2 c m

回転数(両リボン羽根は同一方向、同一回転数) 5 O R . P . M .

上記のように、第 1図に示す装置において、二本のリボン羽根にそれぞれ反対 方向の推進力を発生させ、互いにその移送効果を減殺させて出口方向への移送効 果が勝るようにしたところ、軸方向に栓流またはそれに近い攪拌流動状態が実現 された。なお、このような流動状態は、攪拌混合時に内部を観察すると複数個の 渦の発生が認められることにより確認された。連続抽出の結果を表 1に示す。 実施例 1と 2は、抽出温度を変えて行ったものであり、その固体残澄の流れ方 向 (軸方向)の平均移動速度(m/分) Aと、混練および移送要素の末端回転線速 度 (m/分) Bとの比 B ZAの値は 2 . 7であった。

ぐ実施例 3 >

実施例 1と同じフィルターケーキを第 2図に示す二軸パドル型抽出装置に供給 し、抽出用有機溶剤としてアイソゾール 2 0 0を所定割合(表 1に示す)で用い、 表 1に示す温度でワックス分の抽出を行った。加熱には外部加熱装置を利用した。 結果を表 1に示す。

<比較例 1 >

抽出装置として一重リボン羽根式抽出装置(第 1図に示す装置から短径リボン 羽根を除いたもの)を用いたほかは、実施例 1と同様にしてフィルターケーキの アイソゾ一ル 2 0 0による溶剤抽出を行った。表 1に示す温度で行い、加熱には 外部加熱装置を利用した。

本比較例の装置は、単軸のリボン羽根式であるために、径方向における十分な 混練や軸方向に実質的に栓流を形成する攪拌流動状態は実現されず、従って軸方 向にも攪拌作用が生じて、抽出時間にある程度バラツキが生じたと考えれられる。 その結果を表 1に示す。


注(1) フィルタ一ケーキ中の固形分は 2 0重量% (残余は水)

(2) フィルターケーキ中の固形分について、リグニンなどの樹脂分

を含まない粗ヮックス分を別途の分析により求めて算出した。

産業上の利用可能性

本発明による効果およびその利用可能性は以下の通りである。

( 1 ) 流れ全体としては流れ方向に栓流に近い状態を形成しつつワックス分の抽 出を行うために、抽出時間のバラツキが小さく、従ってリグニン分などの分離困 難な不純物の混入が少ない。

( 2 ) 砂糖黍の絞汁から分離した含水率の高い固体残渣を、そのまま原料として 用いることが可能である。

( 3 ) 本発明の装置は、混練効果が良好であるため抽出効率が高い。

( 4 ) 本発明の装置は、連続運転が可能であり、従来の装置に比べて溶剤の使用 量が少なく、抽出設備の容積を小さくすることができ、処理能力が高い。

( 5 ) 二組のリボン羽根により互いに相反する流動が行われる二重リボン羽根式 押出型構造を有する粗ヮックスの連続的有機溶剤抽出装置は、リボン羽根の羽根 の形状や螺旋のピッチなどを適宜に変更することにより、内部の流動状態を任意 に容易に変更することができる。

( 6 ) 二軸パドル型の構造を有する粗ワックスの連続的有機溶剤抽出装置は、ほ ぼ完全な栓流状態を形成することが可能である。

( 7 ) フィルターケーキに代表される水を含む固体残渣は、見かけ上または部分 的には疑似粘弾性体としての挙動を示し、そのため常温で液状の抽出溶剤とは粘 度、比重等の物理性状が大きく相違するが、本発明の方法および装置を用いれば、 このような抽出環境においても固体残渣と溶剤とを効率的に接触させて良好な連 続抽出を達成することが可能である。