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1. JP2019506498 - 結晶性セルロースの製造

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Description

Title of Invention 結晶性セルロースの製造 US 62/288,185 20160128 CA2017050096 20170127 WO2017127938 20170803 20180921

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

Summary of Invention

0009   0010   0011   0012   0013   0014  

Brief Description of Drawings

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

Description of Embodiments

0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19    

Drawings

1A   1B   2   3   4   5A   5B   6   7   8   9   10   11   12    

Description

結晶性セルロースの製造

US 62/288,185 20160128 CA2017050096 20170127 WO2017127938 20170803 20180921

Technical Field

[0001]
本発明は、遷移金属触媒による酸化反応を使用する結晶性セルロースの製造方法に関する。

Background Art

[0002]
セルロースを、元素塩素フリー(ECF)漂白及び完全塩素フリー(TCF)漂白を含めて様々なプロセス(例えば、クラフトパルプ化プロセス及び漂白プロセスなど)により得るためにバイオマス(例えば、木材及び他のリグノセルロース系材料など)を処理することが、当分野では広く知られている。木材チップが、パルプの残留リグニン含有量又は漂白性の目安であるカッパー価(K)が約25である褐色パルプを製造するためにクラフト蒸解釜で蒸解される。褐色パルプはふるい分けされ、その後、Kを約5未満に低下させ、かつ、クラフト漂白化パルプを製造するために、酸素脱リグニンプロセスに通され、続いて、通常の場合には、過酸化水素、塩素及び/又は二酸化塩素による漂白、並びにろ過及び乾燥の数工程に付される。
[0003]
微小繊維化セルロース(MFC)(これはまた、セルロースナノフィブリル及びセルロースミクロフィブリルとして知られている)が、機械的な層剥離を好適なセルロース源に加えることによって生じる。この処理はセルロースフィブリルの甚だしい層剥離を引き起こす。得られる生成物は、大きいアスペクト比を有するフィブリルから構成される。フィブリルの直径は約5nm〜60nmであり、長さが数ミクロンの長さであり得る。酸蒸解は行われず、これらのフィブリルは、結晶性が元の材料と比較して増大しておらず、結晶性セルロースであるとはみなされていない。セルロース繊維構造を機械的処理の前に分解するために供給源材料を化学的に処理することが一般的である。したがって、MFCにおける機械的な層剥離を、フィブリルの抵抗性を、遷移金属塩及び酸化剤(例えば、過酸化水素、過硫酸塩又はTEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルラジカル)など)を使用するセルロース繊維の酸化により低下させることによって高めることができる。MFC製造プロセスの1つの大きな欠点が、要求される物理的な層剥離を達成するためのその非常に大きいエネルギー要求である。
[0004]
微結晶セルロース(MCC)は、食品分野及び医薬品分野において、また、様々な産業用途で、例えば、石油、ガス及び鉱業などで使用される有益なバイオポリマーである。MCCを生成するための主な工業的プロセスが酸加水分解であり、このプロセスでは、高純度のセルロース(例えば、溶解等級のアルファセルロース又はクラフトパルプなど)が、強い鉱酸とともに蒸解され、続いて、物理的なサイズ縮小が行われる。塩酸又は硫酸を用いた蒸解により、セルロースフィブリル内の非晶質ドメインが除かれ、大きい結晶性を有するセルロースフィブリルのフラグメントが残る。しかしながら、工業的製造におけるセルロースからのMCCの収率が30%ほどの低い場合がある。MCC粒子はサイズが約30ミクロンから約100ミクロン又はそれ以上にまで及ぶ場合がある。MCCは通常、所望の用途に応じて、サイズ及び形態が特定の範囲となるように処理され、選別される。MCCはさらに、約1ミクロンにまで達するが、より小さいサイズを達成するために、例えば、磨砕(attriting)助剤とのブレンド、粉砕、均質化、マイクロ流動化、又は超音波による処理などにより処理することができ、これにより、MCCは、コロイド特性を有する懸濁物を生成するために水に懸濁される場合がある。
[0005]
酸加水分解を使用する主なMCC製造プロセスは、大きい資本コスト及び運転コストのために費用がかかり、また、腐食性鉱酸の使用が、安全性及び環境に関して問題となっている。加えて、硫酸濃度及び温度を厳密に制御しなければならないことにより、乾燥させたパルプをバイオマス源として使用することが必要となっている。
[0006]
セルロースナノ結晶(CNC)の製造はMCC製造の場合と同様であり、強い鉱酸(例えば、64%硫酸など)を用いた蒸解と、それに続いて、機械的なサイズ縮小とからなる(Klemm他、2011)。元となる多様な材料を使用することができ、しかし、木材パルプが主である。CNCフラグメント(これはまた、ウィスカー、ナノウィスカー又はナノ結晶性セルロースとして知られている)が、文献に報告される一定しないサイズ(5nm〜70nmの幅及び100nm〜約1000nmの長さ)を伴って生じる。CNCの物理的特性が、元となる材料の供給源、蒸解において使用される酸のタイプ(塩酸又は硫酸)、電荷及び大きさによって強く影響される。いくつかの機械的なサイズ縮小プロセスを酸蒸解後に使用することができ、例えば、超音波処理、極低温での破砕及び粉砕、並びに均質化(例えば、流動化など)を使用することができ、これらもまた、収率を増大させる場合がある。CNCはまた、強い鉱酸による加水分解と、それに続いて、分画遠心分離による分離とを使用してMCCから生じる場合があり、この場合には、CNCの狭いサイズ分布がもたらされる(Bai他、2009)。強い鉱酸による加水分解を、バイオマス源から、又はMCCからそのどちらであってもCNCを製造するために使用することは、MCCの製造の場合と同じ経済的制約、環境的制約及び安全上の制約に直面する。
[0007]
結晶性セルロースを、遷移金属触媒を伴って、改変されたフェントン反応又はハーバー・ワイス反応を伴う場合がある過酸化水素化学を使用して製造することもまた知られている。しかしながら、そのような反応は時間がかかる場合があり、また、典型的には、形態及びサイズが不均一な様々な画分の結晶性セルロースをもたらし、そのため、さらなる加工処理を必要とする場合がある。
[0008]
当分野では、結晶性セルロースを製造する改善された方法が求められている。

Summary of Invention

[0009]
1つの態様において、本発明は、結晶性セルロースをセルロース系材料から製造する方法であって、
(a)遷移金属触媒と、初期pHが約6.0超であり、かつ、最終pHが約9.0未満である次亜ハロゲン酸塩溶液とを含む水性スラリー中でセルロース系材料を反応させる工程、及び
(b)結晶性セルロース画分(fraction)を回収する工程
を含む方法を含む場合がある。
[0010]
1つの実施形態において、次亜ハロゲン酸塩は、ハロゲンを+1の酸化状態で含有するオキシアニオンを含み、かつ、次亜塩素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン又は次亜臭素酸イオンのナトリウム塩又はカルシウム塩を含む場合がある。
[0011]
1つの実施形態において、スラリーの初期pHが約7.0超であり、好ましくは約9.0〜約12.0の間であり、酸化還元電位が約500mV超である。ORPが、次亜ハロゲン酸塩が消費されたときには急激に低下することになり、pHは徐々に約9.0未満にまで低下することになり、好ましくは約8.0未満にまで低下することになり、より好ましくは約7.0未満にまでより低下することになる。1つの実施形態において、緩衝剤(buffer)が、pHを反応期間中に、又は反応完了時に制御するために使用される場合がある。
[0012]
1つの実施形態において、酸化反応を、酸化還元電位の有意な低下に基づいて完了するまで進行させることができ、その後、酸化反応が、結晶性セルロースを製造するために繰り返される。好ましくは、第1の酸化工程の後における得られたセルロース系材料は、その後の酸化工程に供される前にアルカリ溶液中で洗浄される。
[0013]
別の態様において、本発明は、セルロースナノ結晶(CNC)をセルロース系材料から製造する方法であって、
(a)遷移金属触媒と、次亜ハロゲン酸塩溶液とを含む水性スラリー中でセルロース系材料を反応させる工程、(b)セルロース系材料をアルカリ溶液中で洗浄する工程、(c)工程(a)を繰り返す工程、及び(d)CNC画分(fraction)を回収する工程
を含む方法を含む場合がある。
[0014]
図面において、類似の要素には、類似の参照番号が与えられる。図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに、本発明の原理が強調されている。加えて、示される実施形態のそれぞれが、本発明の基本的概念を利用する多数の可能な構成のほんの1つにすぎない。

Brief Description of Drawings

[0015]
[fig. 1A] 本発明の1つの方法の概略図を示す図である。
[0016]
[fig. 1B] 塩素、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンのpH駆動平衡を示すグラフである。
[0017]
[fig. 2] 本発明のレドックス反応の期間中におけるpH及び酸化還元電位(ORP)をプロットするグラフを示す。
[0018]
[fig. 3] アルカリ抽出反応の期間中におけるpH及び酸化還元電位(ORP)をプロットするグラフを示す。
[0019]
[fig. 4] 第1のレドックス反応及びアルカリ抽出の後での本発明の第2のレドックス反応の期間中におけるpH及び酸化還元電位(ORP)をプロットするグラフを示す。
[0020]
[fig. 5A] セルロース系材料の顕微鏡写真を第2のレドックス反応の前(左側)及び後(右側)において示す。
[0021]
[fig. 5B] セルロースナノ結晶(CNC)の顕微鏡写真を示す。
[0022]
[fig. 6] 動的光散乱によって測定される場合のCNCの粒子サイズ分布を示す図である。
[0023]
[fig. 7] 動的光散乱によって測定される場合の超音波処理後のCNCの粒子サイズ分布を示す図である。
[0024]
[fig. 8] 多数回の次亜塩素酸塩添加を伴う本発明のレドックス反応の期間中におけるpH及び酸化還元電位(ORP)をプロットするグラフを示す。
[0025]
[fig. 9] 最初のレドックス反応の後でのアルカリ抽出反応の期間中におけるpH及び酸化還元電位(ORP)をプロットするグラフを示す。
[0026]
[fig. 10] 動的光散乱によって測定される場合のCNC及びMCCの粒子サイズ分布を示す図である。
[0027]
[fig. 11] 第1のレドックス反応の温度と、完了までの時間との間の関係を示すグラフである。
[0028]
[fig. 12] 第2のレドックス反応の温度と、完了までの時間との間の関係を示すグラフである。

Description of Embodiments

[0029]
本発明は、結晶性セルロースをセルロース系材料から製造する方法に関する。
[0030]
1つの実施形態において、本発明は、セルロースナノ結晶(CNC)をリグノセルロース系バイオマスから生じさせる工程(その一例が図1Aに概略的に示される)を含む。本プロセスの初期工程は、第1のレドックス反応と、それに続いて、アルカリ抽出及び第2のレドックス反応とを含む。得られたものは、洗浄、濃縮及び/又は機械的処理に供される場合がある。本明細書中で使用される場合、「レドックス反応」は、1つの化学種が酸化され、一方で、別の化学種が還元される反応である。本発明では、次亜ハロゲン酸塩が、セルロース系材料を酸化するにつれて還元される。
[0031]
セルロース系材料には、実質的割合のセルロースを含むどのような材料も含まれる場合があり、リグノセルロース系バイオマス及び精製形態のセルロースが含まれる場合がある。リグノセルロース系バイオマスには、例えば、麦わら、亜麻わら、麻わら、籾殻、牧草、干し草、穀物及び粗びき粉、オートムギ殻、イネ籾殻、トウモロコシ茎葉、トウモロコシ皮、サトウキビバガス、雑草、水生植物、干し草、綿くず、動物又はヒトの排泄物などを加工処理することから得られる農作物、農業残渣及び農業副産物;木材(広葉樹又は針葉樹を含む)、木材パルプ、クラフトパルプ、熱機械的又は化学熱機械的なパルプ、クラフト褐色パルプ、パルプ化廃棄物及びパルプ化副産物(例えば、クラフト褐色パルプ結束繊維など)、紙製品及び紙廃棄物、損傷木材(例えば、アメリカマツノキクイムシ(Mountain Pine Beetle)被害木材など)を加工処理することから得られる林業産物、林業残渣及び林業副産物;並びに泥炭が含まれるが、これらに限定されない。精製形態のセルロースには、アルファ−セルロース又は溶解等級のパルプが含まれる場合がある。
[0032]
リグノセルロース系バイオマスの主要構成成分は、リグニン、ヘミセルロース及びセルロースである。セルロースは、D−グルコース単位を直鎖及び分枝鎖で含む多糖類である。直鎖部分は結晶性領域において平行構造で整列しており、しかしながら、そのような秩序及び構造を欠く準結晶領域及び非晶質領域が存在する。非晶質領域は酸加水分解をより受けやすく、したがって、結晶性セルロースが従来的には、非晶質領域を蒸解し、除くための酸加水分解によって製造されている。結晶性セルロースはセルロースを含むが、この場合、該セルロースのより大きな割合を結晶性形態で残したまま、セルロース系材料に存在する非晶質セルロースの少なくとも一部が除かれている。
[0033]
結晶性セルロースは、微結晶セルロースとして、又はナノ結晶として、又は両方を含む混合物としてそれらのいずれかで回収される場合がある。本明細書中で使用される場合、微結晶セルロース又はMCCは、少なくとも1つの次元の大きさが約1ミクロンを超え、しかし、約1mm未満である、好ましくは約500ミクロン未満である、又は300ミクロンである結晶性セルロース粒子を含む。MCC粒子は細長い場合があり、直径が1ミクロン未満であり、しかし、長さが1ミクロンよりもはるかに大きい場合がある。
[0034]
セルロースナノ結晶又はCNCは、すべての関連する次元の大きさが約1ミクロン未満である、結晶性セルロースを含む粒子である。CNC粒子は典型的には長い、大きいアスペクトの結晶であり、直径が約50nm未満であり、長さが約100nm超である。1つの好ましい実施形態において、CNCは平均長さが約100nm〜約150nmであり、平均直径が約10nmである。CNCは典型的には、MCCよりもはるかに大きいアスペクト比を有しており、約10〜約70の範囲である場合がある。
[0035]
1つの実施形態において、結晶性セルロースは、結晶化度(CI)が反応前のセルロース系材料のCIよりも少なくとも約10%大きい、好ましくは少なくとも20%大きい、25%大きい、又は30%大きいセルロースである(この場合、CIは、同じ方法がそれぞれの場合において使用されるという条件で、どのような方法であれ好適な方法によって測定される)。1つの実施形態において、結晶性セルロースはCIが少なくとも約50%であり、好ましくは約60%超、70%超、80%超、又は90%超である。結晶化度は、ピーク高さ法、ピークデコンボリューション法、非晶質サブトラクション法を使用してX線回折によって、又はNMR法によって測定される場合がある。(Park他、Cellulose crystallinity index:measurement techniques and their impact on interpreting cellulase performance、Biotechnol Biofuels、2010;3:10)。
[0036]
ピーク高さ法を使用するCI測定値は典型的には、他の方法を用いた場合よりも大きいCIをもたらす。下記の表1には、いくつかの知られているセルロース系材料及び市販のMCC製品の結晶化度で、上記で記載される様々な方法を使用するときの結晶化度が示される。
[Table 1]


[0037]
1つの態様において、本発明は、セルロース系材料(これは乾燥形態であってもよく、水和されていてもよく、又は水性懸濁物としてであってもよい)を、結晶性セルロースを製造するために、好ましくは実質的に純粋なCNCを製造するために次亜ハロゲン酸塩及び遷移金属触媒を使用して処理する方法を含む。本明細書中で使用される場合、「実質的に純粋なCNC」は、得られた結晶性セルロースの50%未満、40%未満、30%未満、20%未満又は10%未満がCNCでないことを意味する。CNCの均一性を明らかにする1つの方法が、粒子サイズ分布を求めることである。実質的に純粋なCNCは典型的には、サイズが1ミクロンよりも大きい粒子がほとんど存在しないことを伴って、約1ミクロン未満の単一ピークを明らかにするであろう。
[0038]
1つの実施形態において、バイオマスが解重合され、分画化される反応、及び、非晶質セルロースが蒸解され得る反応を促進させるために、触媒が次亜ハロゲン酸塩及びバイオマス供給原料と組み合わせる。残留セルロースが固体画分として回収される場合があり、一方で、分解リグニン画分及び分解ヘミセルロース画分は溶液中に留まる。一回のレドックス反応の後、セルロース画分は、大きい割合の結晶性セルロースを含み得る高品質のセルロースを含む場合がある。1つの好ましい実施形態において、また、特に第2のレドックス反応の後では、回収されたセルロースは、実質的に純粋で、かつ比較的均一なサイズであり得るセルロースナノ結晶(CNC)を含む。例えば、回収されたCNCは、平均粒子サイズが約300nm未満である、又は200nm未満である、又は100nm未満であるサイズ分布の単一ピークを有する場合がある。
[0039]
粒子サイズ及び分布は、どのような技術であれ公知の技術によって測定される場合がある。1つの実施形態において、動的光散乱又は準弾性光散乱が、粒子サイズ及び分布を測定するために使用される。
[0040]
1つの実施形態において、上記プロセスは、セルロースが(重量比で)少なくとも80%又は90%であるセルロース系材料を製造するためにリグノセルロース系バイオマス供給原料に適用される場合がある。このセルロース系材料はその後、結晶性セルロースを製造するために使用される場合がある。代替において、上記プロセスは、本発明の酸化工程によって、又はどのような他の手段によってでも製造される精製形態のセルロースを含むセルロース系材料(例えば、クラフトパルプ、溶解パルプ、アルファセルロース又はMCCなど)に適用される場合がある。1つの実施形態において、本方法は、MCCを処理してその平均粒子サイズを低下させるために、あるいはCNC粒子、又はCNC含有量が増大した結晶性セルロースを製造するために使用される場合がある。
[0041]
セルロース系材料は好ましくは細かく分割され、約1%(w/v)〜15%(w/v)の乾燥重量のセルロース系材料を含み得る、好ましくはセルロース系材料を約2%〜約10%の間で含み得る水スラリーに懸濁される場合がある。セルロース系材料はその後、分散され、かつ、実質的に水和されるまで撹拌されるはずである。
[0042]
次亜ハロゲン酸塩が、0.05M〜約1.0Mの濃度を達成するために、好ましくは約0.10M〜約0.5Mの間の濃度を達成するために添加される場合がある。次亜ハロゲン酸塩の量はセルロース系材料の量及び/又はセルロース系材料の純度に応じて調節される場合があり、1回の反応において塩素が1kgのセルロース系材料あたり約1molから約10mol/kg(乾燥重量)までの範囲である場合がある。反応が繰り返されるならば、塩素の添加総量が約2mol/kg〜約20mol/kgの間である場合がある。1つの好ましい実施形態において、次亜ハロゲン酸塩は、約3%(w:v)から約20%(w:v)にまで及ぶ取引濃度物で市販されている次亜塩素酸ナトリウムを含む。8%の取引濃度物は、約1.11の比重、約7.2%の有効塩素、及び7.6重量パーセントのNaOClを有する。12%の取引濃度物は、約1.17の比重、約10.4%の有効塩素を有し、約10.9重量パーセントのNaOClを含む。
[0043]
塩素は20℃において約7000ppmにまで水に可溶性であり、水と反応して、次亜塩素酸(HOCl)を形成する。アルカリ溶液では、次亜塩素酸は解離して、次亜塩素酸イオン(OCl−)となる。塩素、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンが、図1Bに示されるように、平衡状態で一緒に存在しており、その平衡はpH感受性である。
[0044]
1つの実施形態において、遷移金属触媒は、どのような遷移金属であれ好適な遷移金属(例えば、鉄、銅、マンガン、モリブデン、ロジウム又はコバルトなど)を含む場合がある。触媒は、溶液に溶解された塩として提供される場合があり、又は不溶性担体に担持されて提供される場合がある。遷移金属触媒は、第二鉄(Fe 3+)、第二銅(Cu 2+)イオン又は第一マンガン(Mn 2+)(例えば、硫酸第二鉄(Fe (SO )、硫酸第二銅(CuSO )又は硫酸第一マンガン(Mn SO )など)を含む場合があり、約0.01mMの最小濃度を達成するために添加される場合がある。触媒は好ましくは、濃度が約0.045mM〜0.67mMの間である。遷移金属イオン対セルロース系材料の比率は約0.1mg/g〜約5mg/gの範囲である場合があり、好ましくは約0.2mg/g〜約1.0mg/gの間である場合がある。
[0045]
1つの実施形態において、遷移金属触媒は、キレート化剤(例えば、EDTA又は多価有機酸(例えば、クエン酸など)など)とのキレートを形成する場合がある。鉄触媒及びマンガン触媒は、キレート化剤を伴ってより良好に機能するようであり、一方、銅触媒は、キレート化剤を伴わなくても十分に働くようである。
[0046]
1つの実施形態において、処理溶液は必要に応じて、pHを約4.0〜約8.0の間で、好ましくは約6.0〜約8.0の間で維持しようとする水性緩衝剤を用いて調製される。次亜ハロゲン酸塩溶液はpHが約12を超えるので、反応混合物の初期pHは、7.0を超え、約10〜約12の間の範囲である場合がある。次亜ハロゲン酸塩が消費され、反応の酸性副生成物が生じるにつれ、pHが徐々に9.0未満にまで、好ましくは約8.0未満にまで、より好ましくは約7.0未満にまで低下することになる。しかしながら、ハロゲンガスが発生する可能性があるため、pHが約4.0未満にまで低下しないことを保証することが好ましい。したがって、緩衝剤により、次亜ハロゲン酸塩が消費されるにつれて、混合物のpHが制御される場合がある。1つの実施形態において、緩衝剤(buffer)は、リン酸塩緩衝剤(例えば、リン酸三ナトリウムなど)、及び有機酸、好ましくは多価カルボン酸(例えば、クエン酸など)を含む場合がある。別の実施形態において、水酸化物が、終点の反応pHが所望の値よりも低く低下することを防止するために、最初に、又は反応が継続するにつれて徐々にそのどちらであれ反応液に添加される場合がある。
[0047]
反応速度は少なくとも部分的に温度依存性である。温度が、ほぼ室温から95℃にまで及ぶ場合がある。100℃を超えることは望ましくなく、また、反応が室温ではかなりゆっくり進行する。したがって、1つの実施形態において、温度は約50℃〜95℃の間である場合があり、好ましくは約65℃〜約85℃の間である場合がある。
[0048]
反応の長さは少なくとも部分的には、反応速度及び次亜ハロゲン酸塩の初期量に依存するであろう。次亜塩素酸塩が反応によって消費され、消失するにつれ、反応混合物のORPが急激に低下するであろう。水溶液において、酸化還元電位(ORP)は、溶液が新しい化学種の導入による変化を受けやすいときに溶液が電子を獲得するか、又は失うかのどちらかである傾向の尺度である。新しい化学種よりも高いORPを有する溶液は、電子をこの新しい化学種から獲得する(すなわち、この新しい化学種を酸化することによって還元される)傾向を有することになり、より低い(より負側の)還元電位を有する溶液は、電子をこの新しい化学種に取られる(すなわち、この新しい化学種を還元することによって酸化される)傾向を有することになる。水溶液のORP値が、溶液と接触している不活性な検知電極と、塩橋によって溶液につながれる安定な参照電極との間における電位差を測定することによって求められる。初期ORPが約+500mV〜約+1000mVである場合があり、反応が進むにつれて、わずかに増加するであろうが、その範囲に留まっているであろう。次亜ハロゲン酸塩が消費されると、ORPが急激に約0.0又は負の値にまで低下することになる。この時点で、追加の次亜ハロゲン酸塩が、所望されるならば、反応を継続させるために添加される場合がある。
[0049]
図2及び図4に示されるように、本発明の1つの特徴が、ORPが同じままであるか、又はわずかに増大し、一方で、pHがゆっくり低下し続ける反応相である。1つの実施形態において、反応の終点が、ORPにおける突然かつ大きい低下、及びpHが約9.0未満で安定化すること、好ましくは約6.0〜6.5の間で安定化することによって示される。
[0050]
第1のレドックス反応が進行すると、セルロース画分は固体として留まり、一方で、リグニン画分及びヘミセルロース画分は大部分が水性スラリーに溶解してしまう。非晶質ドメインの一部もまた可溶化されている場合がある。したがって、固体セルロース画分が、どのような手段であれ好適な手段によって、例えば、遠心分離又はろ過などによって分離される場合があり、一方で、リグニン画分及びヘミセルロース画分は溶液中又はろ液中に留まっている。セルロース画分はその後、洗浄され、採取される場合がある。
[0051]
1つの実施形態において、レドックス反応の酸化生成物を除くことにより、より完全な反応と、より良好な品質の結晶性セルロース生成物とがもたらされる場合がある。したがって、1つの実施形態において、第1のレドックス反応から得られるフィルターケークが水に再懸濁され、NaOHが約12.0のpHにまで添加される場合がある。混合物はその後、pHが約10.0以下で安定化するまで、必要に応じて加熱を約50℃〜95℃の間で行いながら、好ましくは約65℃〜約85℃の間で行いながら撹拌される場合がある。pHの低下が、有機酸がアルカリ性懸濁物に溶解し、又は放出され、水酸化物イオンを中和することによって引き起こされる場合がある。液体の色が黄橙色から暗褐色に変化するであろう。アルカリ抽出後、懸濁物はろ過され、水により洗浄される場合がある。
[0052]
1つの実施形態において、レドックス反応プロセスは、所望の粒子サイズ又はサイズ範囲の結晶性セルロースを得るために、十分な長さの時間にわたって継続される場合があり、又は繰り返される場合がある。時間の長さ、繰り返し回数、及び反応条件の厳しさが、セルロース系供給原料及び所望の生成物の品質又は特性、並びに経済的要因の質又は特性を考慮して当業者によって選択される場合がある。一般には、反応プロセスが長いほど、繰り返し回数が多いほど、また、反応条件が厳しいほど、より小さい大きさの結晶性セルロースがもたらされるであろう。どのような所与の一組の反応条件であれそのための最小の長さの時間が、反応生成物を経験的にサンプリングし、所望の結晶性セルロース粒子が形成されているかどうかを明らかにすることにより当業者によって決定される場合がある。結晶性セルロース粒子の外観及び/又は品質が、粒子サイズ分析、顕微鏡画像化及び/又は結晶化度の測定によって容易に検出される場合がある。
[0053]
1つの実施形態において、また、特にただ1回のレドックス反応の後では、結晶性セルロースは、医薬等級のMCCに類似する、平均粒子サイズが約20ミクロン〜50ミクロンの範囲にある粒状MCCを含む場合がある。この生成物はさらに、コロイド懸濁物を生じさせるために水に懸濁し、主にMCCから構成されるより大きな画分を沈降させ、沈降物を容器の底に形成させることによって処理される場合がある。より小さい粒子の画分が懸濁状態で残る場合があり、この画分は、より小さい大きさを有する結晶性セルロースを含み、これもまたCNCを含む場合がある。
[0054]
粒状MCCもまた、物理的、物理化学的又は化学的なサイズ縮小処理を使用してさらに処理される場合があり、それにより、約10ミクロン〜20ミクロンの間の平均粒子サイズを有するコロイド状微結晶セルロースと、CNCとの混合物がもたらされる場合がある。例えば、MCCが、粒子サイズを小さくするために超音波により処理され(超音波処理)、マイクロ流動化され、ブレンドされ、均質化され、粉砕もしくは純化され、又は他の方法で処理される場合がある。コロイド状セルロース画分は、分析等級の微結晶セルロースの形態と実質的に類似する微視的形態を有する高純度の結晶を含み、これもまた、CNCを含む場合がある。
[0055]
粒状MCCが第2のレドックス反応によって処理されるならば、生成物は、実質的に純粋なCNCになる。このCNC生成物の品質が表2では下記要素に基づいて評価される場合がある。
[Table 2]


[0056]
生成物に対して行われ得る他の測定には、塩酸及び水酸化ナトリウムを用いた電気伝導度滴定によるCNCの表面におけるカルボキシル含有量の量を測定することが含まれる。単位はmmol/gである。カルボキシル含有量及び電気伝導率は生成物純度についての尺度を与える場合がある。
[0057]
例−下記の例は、請求項に記載された発明の様々な態様を例示するために意図されており、しかし、限定として明示的に記載される場合を除き、いかなる様式においても限定であることは意図されない。
[0058]
例1−第1のレドックス反応
[0059]
一例において、第1のレドックス反応を、A96(96%のアルファセルロース)、クラフト漂白パルプ、褐色クラフトパルプ(乾燥されたことがない)、処理された麻パルプ(Pure Lignin Environmental Technology、米国特許出願公開第20050269048号(A1)に記載されるように処理されたもの)の1つと一緒に下記条件のもと、次亜塩素酸ナトリウムを使用して行った。触媒は、キレート化体又は非キレート化体のどちらであれ硫酸第二鉄又は硫酸第二銅のどちらかであり、53.7mmol/Lの溶液として加えた:
[Table 3]


[0060]
本例では、1kgのバイオマスあたり5.65molのNaOClが使用される。比重が1.19である12%のNaOClの60mLが提供される(NaOClの分子量は74.44g/molである)。
[0061]
図2には、反応の進行が経時的に示される。反応が進行するにつれ、pHが低下し、一方で、ORPが、ヒオクロリト(hyochlorite)が完全に消費されるまではわずかに増大し、しかし、そのような時点において、ORPが急激にゼロにまで低下する。
[0062]
第1のレドックス反応及び第2のレドックス反応における次亜塩素酸ナトリウム、銅触媒及びバイオマスの比率を下記において表4に示す。
[Table 4]


[0063]
第1のレドックス反応が終了したとき、バイオマスは、開始時と比較して実質的に分解されていた。このことは、通常の光学顕微鏡法によって認められるように、個々の繊維が短くなっていることだけでなく、懸濁物の粘度における低下によって認められるように見て明らかである。
[0064]
第1のレドックス反応の後、懸濁物を5μmのサイズのろ紙で真空ろ過する。懸濁物がほぼ乾いたとき、さらに500mLの逆浸透(RO)水を加え、得られたケークに通してろ過する。
[0065]
例2−アルカリ抽出
[0066]
1つの実施形態において、第1のレドックス反応の酸化生成物を除くことにより、より完全な反応と、より良好な品質の結晶性セルロース生成物とがもたらされる場合がある。第1のレドックス反応から得られるフィルターケークを1Lの水に再懸濁し、NaOHを12.0〜12.3のpHにまで加えた。混合物をその後、85℃で1.5時間、又はpHが約10.0未満になるまで撹拌した。pHの低下が、有機酸がアルカリ性懸濁物に溶解し、溶存する水酸化物イオンと反応することによって引き起こされる。経時的な反応状態が図3に示される。pHが約10.0未満で安定化し、かつ、ORPが約−500mVで安定化した後で、懸濁物を5μmのサイズのろ紙で真空ろ過する。懸濁物がほぼ乾いたとき、さらに500mLのRO水を加え、得られたケークに通してろ過する。
[0067]
例3−第2のレドックス
[0068]
第2のレドックスは、第1のレドックスにおいて設定される条件と類似している。アルカリ抽出工程から得られるケーキ(およそ16グラムの乾燥物)を水に再懸濁し、下記の処理に付す。
[Table 5]


[0069]
図5は反応内容物の顕微鏡写真を第2のレドックス反応の前(左側)及び後(右側)において示す。セルロース系材料はその元の繊維のサイズ及び形状を失っており、CNC粒子がDLSにより認められ得る。より大きい粒子はおそらくはCNCの凝集物である(この凝集物は超音波処理又は他の処理によって解体され得る)。
[0070]
例4−洗浄、脱水及びその他の材料取り扱い
[0071]
第2のレドックス反応から生じる懸濁状態のCNCには、除くことが好ましい塩及び有機酸化生成物が溶解している。懸濁物の電気伝導率が、洗浄の有効性を評価するために使用される場合がある。CNCを、懸濁液の電気伝導率(1%(w/w)のCNCにおいて)が約50μS/cm未満になるまで洗浄する。このCNCはこの時点では依然としてわずかに凝集していることがあり、したがって、超音波による短時間の処理(HielscherモデルUIP1000hd、100%振幅、5秒〜10秒)が、これらの凝集物を解体するために使用される場合がある。
[0072]
下記の表には、アルカリ抽出が第1のレドックス反応の後で伴う2回のレドックス反応によって生じた結晶性セルロース生成物の選択された回分物の生成物試験結果及びコメントが示される。Malvern Instruments Zetasizer Nano ZS(商標)を使用する動的光散乱から得られる結果は、CNC粒子が約450nm未満の平均粒子サイズを有し、ゼータ電位が約−38.0mVであることを示す。ゼータ電位は、コロイド粒子間の電位及び分散媒体とのコロイド粒子の相互作用の測定値である。ゼータ電位は、コロイド分散物の安定性の目安として使用される。低い値(ゼロに近い)は、粒子が凝集及び/又は沈降し得ることを示唆する。大きい絶対値(例えば、+30mVを超える値)は、コロイドの良好な電気的安定性を示している。
[Table 6]


[0073]
得られたCNCは、サイズが均一であるようである。図6に示されるように、平均粒子サイズが、試験#1からは212nmである。図7に示されるように、平均粒子サイズが、試験#4からは97nmである。試験#7からの得られたCNCの顕微鏡写真が図5Bに示される。
[0074]
例5−チキソトロピー
[0075]
チキソトロピー又は非ニュートン挙動が、均一なサイズ分布を有する高品質CNC懸濁物の特性である。すべてのサンプルが、約40〜50の範囲でのアスペクト比を示す一方で、チキソトロピー挙動を示した。
[0076]
例5−酸化剤の多数回添加
[0077]
一例において、結晶性セルロースを、次亜塩素酸塩を反応終了頃にさらに添加することを伴ってただ1回のレドックス反応によりA96セルロースから調製した。合計で1.0Lの体積において、10g(乾燥重量)のA96、120mlの12%のNaOCl、80mlの緩衝剤、及び3.9mlの銅触媒を用いた。60mlのNaOClを最初の混合物とともに加え、続いて、ORPが約0に低下するたびに、さらなる5mlのアリコートを12回加えた(図8を参照のこと)。反応温度が75℃であった。
[Table 7]


[0078]
アルカリ抽出を上記のように行った(図9を参照のこと)。アルカリ抽出及び15秒の超音波処理の後での得られた生成物のサイズ分布(図10)は、サイズ分布グラフの右側ピークに示されるようなMCCと、平均粒子サイズが(超音波処理後に)約347nmであるCNCとが混合したものあった。CNCは、一部が1ミクロンをわずかに超える粒子サイズを有したが、1000nm未満の単一ピークによって証明されるように、かなり均一な粒子サイズ分布であった。
[0079]
本例では、妥当な品質のCNCが、さらなる次亜塩素酸塩の逐次添加を伴うただ1回のレドックス反応により製造され得ることが示される。
[0080]
例6−温度の影響
[0081]
すべての反応を、20gのA96、8.9gのNaOCl、40mLの0.625Mリン酸一ナトリウム(MSP)/リン酸三ナトリウム(TSP)緩衝液、及び52.3mgの硫酸銅五水和物を用いて行い、反応には、アルカリ洗浄が伴った。第1のレドックス反応及び第2のレドックス反応の温度を55℃から85℃まで5℃刻みで変化させた。3回の試験をそれぞれの温度で行った。図11及び図12並びに下記の表8に示されるように、反応時間が、温度が上昇するにつれて減少した。しかしながら、収率が、温度とともにわずかに低下するようである。サイズ、カルボキシル含有量及びゼータ電位は、温度によって影響を比較的受けなかった。
[0082]
[Table 8]


[0083]
反応速度は下記のアレニウスの式に従うようである:
[Math. 1]



式中、kは速度定数であり、Aは頻度因子であり、E は活性化エネルギーであり、Rは気体定数であり、Tはケルビン単位での温度である。
ln(1/時間)を1/温度に対してプロットしたとき、直線の切片がlnAであり、傾きが−E /Rである。両方の直線が、この関係に良好に当てはまることを示した。
[Table 9]


[0084]
例7−pH制御の影響
[0085]
反応を、20gのA96、8.9gのNaOCl及び52.3mgの硫酸銅五水和物を用いて75℃で行った。試験された緩衝剤が、クエン酸塩/TSP、MSP/TSP、リン酸/TSP、継続的に添加される水酸化ナトリウム(NaOH)、開始時でのNaOH、及び、緩衝剤なしであった。NaOHの継続的添加を、最終pHを約7.0で保つために行った。最も速い反応が、継続的に添加されるNaOH、及び緩衝剤なしにより生じることが見出された。収率、サイズ及びカルボキシル含有量は、これらの異なる緩衝剤によって影響を比較的受けていない。pH制御が行われない反応は、pHが制御された反応と同じくらい速く、かつ、pHが制御された反応と同じ品質のCNCをもたらした。様々な緩衝剤がNaOCl反応において使用され得るにもかかわらず、これらの緩衝剤は、反応が生じるために必要でない。
[Table 10]


[0086]
例7−触媒変化の影響
[0087]
2つの異なる標準物を、異なるタイプ及び変化する量の触媒の影響を確認するために使用した。実験を、8.9gのNaOClを伴って、緩衝剤を用いることなく、又は、20gのA96に継続的に添加されるNaOHを用いて行った。試験された異なるタイプの触媒は、硫酸銅(II)五水和物、硫酸第一鉄七水和物、硫酸マンガン一水和物、及び触媒なしであった。0.210mmolの触媒を加えた。
[Table 11]


[0088]
触媒量の影響を明らかにするために、標準反応を、触媒量を変化させて行った。結果が表12に示される。3つすべての触媒量がCNCをもたらし、しかし、プロセスは、より多くの量が添加されたときに最も速かった。収率、サイズ及びカルボキシル含有量は、触媒量によって影響されなかった。緩衝剤なしと、NaOHとの両方により、比較的同じ品質の生成物がもたらされた。
[Table 12]


[0089]
例8−酸化剤負荷量の影響
[0090]
異なる量のNaOClを、反応が効果的に進行するために要求される最小量を見出すために、また、NaOClの量が反応に及ぼす影響を明らかにするために試験した。それぞれの反応を、20gのA96、緩衝液なし、及び0.210mmolの硫酸銅五水和物を用いて75℃で行った。NaOClを、5.9g、7.4g、8.9g、11.9g及び14.9gの量で第1のレドックス及び第2のレドックスに開始時に添加した。5.9gのNaOClは、反応が完了するには十分でなかった。NaOClの量が増大するにつれ、第1のレドックスのために要求される時間が減少し、第2のレドックスのために要求される時間が増大し、収率が低下し、カルボキシル基の数が増大した。サイズ及びゼータ電位における差は無視できるほどであった。
[0091]
NaOClが第1のレドックスに8.9gで開始時に添加され、第2のレドックスに11.9g及び14.9gで開始時に添加されたとき、同様のパターンが認められた。より多くのNaOClを用いた場合、反応はより多くの時間を必要とし、収率がより低下し、カルボキシル基がより多くなった。サイズ及びゼータ電位における差もまた、これらの試験については無視できるほどであった。
[0092]
合計で8.9gのNaOClが、反応の開始時に添加される4.5g又は3.0gの初期用量の後で0.5gの増分で添加された試験では、4.5gのNaOCl及び3.0gでの試験からの類似した結果が認められた。開始時添加試験及び増分試験はともに比較的同じであった。このことは、NaOClの体積のみが反応に対する影響を有しており、添加方法は影響がないことを示している。
[0093]
例9−異なるバイオマスへの適用
[0094]
標準反応を、下記のバイオマスを用いて行った:A96、TeMCC、V91、広葉樹クラフト、針葉樹クラフト、及びYreka。各バイオマスの20gの固体を3.9mLのJS16とともに、緩衝剤を用いることなく75℃で反応させた。結果が表13に示される。
[0095]
A96は、Neucel社のPort Alice(BC)工場で製造される高純度(96%アルファセルロース)の溶解等級の木材パルプであり、V91(91%アルファセルロース)は、Neucel社のPort Alice(BC)工場で製造される高純の溶解等級の木材パルプである。A96は、酢酸セルロースを製造するための原料である。V91は、ビスコースを製造するための原料である。
[0096]
TeMCCは、MCCの製造者に供給される木材パルプ(Tembec社、Temiscaming、ケベック州)である。TeMCCもまた、高純度(91%アルファセルロース)である。
[0097]
広葉樹クラフトパルプは、Prince Albert(SK)で製造された典型的なクラフトパルプである。針葉樹クラフトパルプは、Prince Albert(SK)で製造された典型的なクラフトパルプである。クラフトパルプは、セルロースがより低い傾向があり(85%アルファセルロース)、しかし、溶解パルプよりも豊富かつ安価である。針葉樹木材の供給源が、ジャックパイン(Jack Pine)、ホワイトスプルース(White Spruce)及び/又はブラックスプルース(Black Spruce)である。針葉樹パルプと広葉樹パルプとの主な違いは、個々の繊維の長さである。針葉樹繊維の長さはおよそ2.5mmであり、一方、広葉樹繊維の長さは0.70mmである。この差が、針葉樹パルプを広葉樹パルプよりもはるかに強くしている原因となっている。針葉樹クラフトは、シート強度を増大させ、これにより、抄紙機の高速化及び紙の軽量化を可能にするために印刷用紙及び筆記用紙において使用される。
[0098]
Yrekaは、チップの高温純化によって中密度ファイバーボードに転換される木材チップを含む。得られる材料は繊維質であり、しかし、リグニンが多い。セルロース含量は木材と同じであり、すなわち、40%〜45%である。
[0099]
Chempolisは、ギ酸パルプ化技術(Chempolis、フィンランド)によって製造される麦わら繊維紙等級のパルプである。
[Table 13]


[0100]
CNCを製造するためのバイオマスについて要求されるNaOClの量が、バイオマスにおけるリグニン及び廃棄物の量を反映する。上記バイオマスのすべてが、比較的同じ量の時間を反応のために必要とした。A96、V91及びTeMCCは、収率及びサイズが類似していた。広葉樹クラフト、針葉樹クラフト、及びYrekaは、おそらくはより多くのNaOClを必要とし、また、より多くの廃棄物を伴って始まるために、収率がより低かった。広葉樹クラフト及び針葉樹クラフトの品質もまた、他のバイオマスよりも低かった。カルボキシル基の数及びゼータ電位がNaOClの添加量を反映していた。すなわち、多量のNaOClは、多数のカルボキシル基と、非常に負のゼータ電位とをもたらした。試験されたバイオマスのすべてで、許容され得るCNCが得られた。
[0101]
例10−追加試験及び所見
[0102]
追加の試験を、本特許についてのより多くの理解及び情報を提供するために行った。別の標準反応を、逆浸透(RO)水の代わりに水道水を用いて行った。最初の温度試験が緩衝剤とともに行われたので、試験を、反応がより低い温度において緩衝剤を伴わない場合にはどれくらいの時間を要するであろうかを調べるために行った。この試験を、60℃での20gのA96、0.210mmolの硫酸銅(II)五水和物、及び8.6gのNaOClを用いて行った。60℃での反応は、緩衝剤を用いた場合と同様の結果を示し、しかし、より大きい速度であった。
[Table 14]


[0103]
典型的な反応を、高品質のCNCが依然として作製され得るかを調べるために、洗浄を反応間において行うことなく行った。表15は、収率及び平均粒子サイズが増大したことを示しており、このことは、完了に至らなかった反応を示唆している。バイオマスから普通の場合には洗い流される酸化生成物が酸化についてバイオマスと競合していると考えられるようである。このことにより、所望の反応の程度が制限される可能性がある。このことは、より多くの酸化剤を反応に加えることによって克服される場合がある。
[0104]
研究を、アルカリ抽出工程が省略されるならば、元のプロトコルと同じ品質のCNCを生じさせるために酸化剤がどのくらい要求されるかを明らかにするために行った。結果は、標準プロトコルの2.5倍もの多くの酸化剤を必要とし、その結果、生成物収率が10%低下することを示す。
[0105]
上記レドックスプロセスでは好ましくは、逆浸透水が希釈及び水洗のために使用される。結果は、水道水(サスカトゥーン(Saskatoon)市)を使用するときには、収率が増大し、反応が遅くなることを示す。最終洗浄がRO水により行われ、かつ、最終生成物がRO水に再懸濁される限り、この反応は成功していた。このことは、洗浄が、水道水を用いた場合には同様に効率的でないことがあり、あるいは、水道水ではときには、触媒又は他の反応成分を妨害し得ることを示唆する。
[0106]
固体負荷量の影響を明らかにするために、実験を、水を加えることなく行った。A96を直接に12%次亜塩素酸ナトリウムに加え、その後、加熱した。83gのA96を250mLの12%次亜塩素酸ナトリウムにおいて処理した。0.210mmolの硫酸銅(II)五水和物を両方のレドックス反応において使用した。表15は、このプロトコルでは、結晶性セルロースが生じたが、より少ない固体負荷量及びより多い希薄溶液を使用するプロセスと同じ品質及び収率が得られなかったことを示す。
[Table 15]


[0107]
定義及び解釈
本発明の記述は例示及び説明のために示されており、しかし、網羅的であること、又は、開示された形態での発明に限定されることは意図されない。多くの改変及び変更が、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者には明らかであろう。様々な実施形態が、本発明の原理と、実用的な応用とを最もよく説明するために、また、意図される特定の用途に適するような様々な改変を伴う様々な実施形態について当業者が本発明を理解することを可能にするために選ばれ、記載された。
[0108]
本明細書に添付される請求項における、機能要素に加えてのすべての手段又は工程の対応する構成、材料、行為及び均等物は、具体的に主張されるような他の主張された要素との組合せで機能を成し遂げるための構成、材料又は行為をどのようなものであっても包含することが意図される。
[0109]
本明細書中における、「one embodiment」(1つの実施形態)、「an embodiment」(ある1つの実施形態)などに対する参照は、記載される実施形態が特定の態様、特徴、構成又は特性を含むことがあり、しかし、必ずしもどの実施形態も、その態様、特徴、構成又は特性を含むとは限らないことを示す。そのうえ、そのような表現は、必ずしも示すとは限らないが、本明細書の他の部分において言及される同じ実施形態を示すことがある。さらに、特定の態様、特徴、構成又は特性が、ある1つの実施形態に関連して記載されるときには、そのような態様、特徴、構成又は特性が他の実施形態により影響を受けること、あるいは、他の実施形態と関係づけられることは、明示的に記載されているか否かによらず、当業者の知識の範囲内である。言い換えれば、明白な不適合性もしくは本来的な不適合性が2つの実施形態の間に存在する場合、又は組み合わせることが具体的に除外される場合を除いて、要素又は特徴はどれも、異なる実施形態におけるどのような他の要素又は特徴とでも組み合わされることがある。
[0110]
請求項は、随意的な要素をどのようなものであれ排除するように起草されることがあることにはさらに留意される。そのようなものとして、この表明は、請求項要素の列挙又は「否定的」限定の使用に関連して、排他的用語(例えば、「solely」(もっぱら)、「only」(のみ)など)の使用のための前提として役立つことが意図される。用語「preferably」(好ましくは)、用語「preferred」(好ましい)、用語「prefer」(好ましい)、用語「optionally」(随意的に、必要に応じて)、用語「may」(・・・場合がある、・・・ことがある)、及び同様の用語は、示される項目、条件又は工程が本発明の随意的な(必須でない)特徴であることを示すために使用される。
[0111]
「a」、「an」及び「the」の単数形は、文脈が明確に反することを規定する場合を除き、参照物が複数であることを包含する。用語「及び/又は」は、項目のいずれか1つ、項目の任意の組合せ、又はこの用語が関係する項目のすべてを意味する。
[0112]
当業者によって理解されるであろうように、試薬又は成分の量、性質(例えば、分子量など)、及び反応条件などを表す数字を含めて、すべての数字が近似値であり、すべての場合において用語「約」によって随意的に修飾されるとして理解される。これらの値は、本明細書中の記載の教示を利用して当業者によって得られることが求められる所望の特性に依存して変化し得る。そのような値は、それらのそれぞれの試験測定値において見出される標準偏差から必然的に生じる変動性を本質的に含むこともまた理解される。
[0113]
用語「約」は、指定される値の±5%、±10%、±20%、又は±25%の変動を示し得る。例えば、「約50」パーセントは、いくつかの実施形態では、45パーセントから55パーセントまでの変動を伴い得る。整数範囲については、用語「約」は、範囲のそれぞれの端部における列挙された整数よりも大きい1つもしくは2つの整数、及び/又は範囲のそれぞれの端部における列挙された整数よりも小さい1つもしくは2つの整数を含み得る。本明細書中に別途示される場合を除き、用語「約」は、組成物又は実施形態の機能性に関して同等である列挙された範囲に近似している値及び範囲を含むことが意図される。
[0114]
当業者によって理解されるであろうように、ありとあらゆる目的のために、特に文書による説明を提供することに関して、本明細書中に列挙されるすべての範囲はまた、そのありとあらゆる可能な部分範囲、及びその部分範囲のありとあらゆる可能な組合せを、当該範囲を構成する個々の値(特に整数値)と同様に包含する。列挙された範囲(例えば、重量パーセント又は炭素群)には、当該範囲に含まれるそれぞれの特定の値、整数、小数、又は同一性が含まれる。記載された範囲はどれも、同じ範囲が少なくとも2等分、3等分、4等分、5等分又は10等分されることを十分に記述しており、かつ、可能にしているとして容易に認識され得る。限定されない一例として、本明細書中で議論されるそれぞれの範囲が、下位側3分の1、中位3分の1、及び上位側3分の1などに容易に分けられ得る。
[0115]
当業者によって同様に理解されるであろうように、例えば、「up to」(にまで)、「at least」(少なくとも)、「greater than」(超、を超える)、「less than」(未満)、「more than」(超、よりも多い)、「or more」(以上)などのすべての言い回しは、列挙される数字を含んでおり、そのような用語は、上記で議論されるように続いて部分範囲に分けることができる範囲を示す。同じように、本明細書中に列挙されるすべての比率もまた、より広い比率に含まれるすべての下位比率(sub−ratio)を含む。したがって、基、置換基及び範囲について列挙される具体的な値は、例示のみのためである。すなわち、基、置換基及び範囲について列挙される具体的な値は、他の定義された値、又は基及び置換基についての定義された範囲に含まれる他の値を除外しない。
[0116]
当業者はまた、構成要素が、一般的な様式において、例えば、マーカッシュ群などにおいてまとめてグループ化される場合、本発明は、列挙される群全体を全体としてだけでなく、当該群のそれぞれの構成要素もまた個々に、そのうえ、主群のすべての可能な部分群もまた包含することを容易に認識するであろう。加えて、すべての目的のために、本発明は、主群だけでなく、群構成要素の1つ又は複数を欠く主群もまた包含する。したがって、本発明では、列挙された群の構成要素のいずれか1つ又は複数を明示的に除外することが想定される。それによれば、但し書きが、開示されたカテゴリー又は実施形態のいずれかに当てはまる場合があり、それにより、列挙された要素、種又は実施形態のいずれか1つ又は複数が、例えば、明示的な否定的限定で使用されるように、そのようなカテゴリー又は実施形態から除外される場合がある。

Claims

[1]
結晶性セルロースをセルロース系材料から製造する方法であって、
(a)遷移金属触媒と、初期pHが約6.0超であり、かつ、最終pHが約9.0未満である次亜ハロゲン酸塩溶液とを含む水性スラリー中で前記セルロース系材料を反応させる工程、及び
(b)結晶性セルロース画分を回収する工程
を含む、方法。
[2]
前記次亜ハロゲン酸塩が、次亜塩素酸塩、次亜ヨウ素酸塩又は次亜臭素酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
[3]
前記スラリーの初期pHが約9.0〜約12.0の間である、請求項1又は2に記載の方法。
[4]
前記スラリーの最終pHが約8.0未満である、請求項1、2又は3に記載の方法。
[5]
前記スラリーの最終pHが約7.0未満である、請求項4に記載の方法。
[6]
前記スラリーが、約500mVを超える初期の酸化還元電位(ORP)を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
[7]
前記スラリーが約0.0mV未満の最終ORPを有する、請求項6に記載の方法。
[8]
前記スラリーがさらに緩衝剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
[9]
前記緩衝剤がリン酸塩及び多価有機酸を含む、請求項8に記載の方法。
[10]
前記スラリー中の次亜ハロゲン酸塩対セルロース系材料の比率が約1mol/kg〜約10mol/kg(乾燥重量基準)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
[11]
前記スラリーが約50℃〜約85℃の間に加熱される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の反応。
[12]
工程(a)の前記反応が、結晶性セルロースの出現が認められるまで継続され、又は繰り返される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
[13]
工程(a)の反応を酸化還元電位の有意な低下が認められるまで進行させ、生じたセルロース系材料を回収し、アルカリ溶液中で洗浄し、工程(a)を繰り返して前記結晶性セルロースを生じさせる、請求項12に記載の方法。
[14]
前記アルカリ溶液が、約12.0のpHを有するNaOHの溶液を含む、請求項13に記載の方法。
[15]
前記アルカリ溶液が約30℃〜約90℃の間に加熱される、請求項13に記載の方法。
[16]
前記反応が、少なくとも1回のさらなる量の次亜ハロゲン酸塩を加えることによって継続される、請求項12に記載の方法。
[17]
さらなる次亜ハロゲン酸塩が酸化還元電位の低下の後で添加され、そのような添加工程が少なくとも2回繰り返される、請求項16に記載の方法。
[18]
添加される次亜ハロゲン酸塩の総量が約1mol/kgセルロース系材料〜約20mol/kg(乾燥重量)の間である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
[19]
セルロースナノ結晶(CNC)をセルロース系材料から製造する方法であって、
(a)遷移金属触媒と、次亜ハロゲン酸塩溶液とを含む水性スラリー中で前記セルロース系材料を反応させる工程、
(b)前記セルロース系材料をアルカリ溶液中で洗浄する工程、
(c)工程(a)を繰り返す工程、及び
(d)CNC画分を回収する工程
を含む、方法。

Drawings

[ Fig. 1A]

[ Fig. 1B]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5A]

[ Fig. 5B]

[ Fig. 6]

[ Fig. 7]

[ Fig. 8]

[ Fig. 9]

[ Fig. 10]

[ Fig. 11]

[ Fig. 12]