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1. JP2015088566 - 圧電フィルム及びその製造方法

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Description

Title of Invention 圧電フィルム及びその製造方法

Technical Field

0001  

Background Art

0002  

Citation List

Patent Literature

0003  

Summary of Invention

Technical Problem

0004  

Technical Solution

0005   0006   0007  

Advantageous Effects

0008  

Description of Embodiments

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

Examples

0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8      

Description

圧電フィルム及びその製造方法

Technical Field

[0001]
本発明は、圧電フィルム及びその製造方法に関する。

Background Art

[0002]
従来、圧電性を有するフィルム又は膜として、種々の有機誘電体フィルム及び無機誘電体膜が知られている。
これらの中でも、分極化フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムは、透明性を有し、かつ無機誘電体膜とは異なり可撓性を有するという利点を有するので、様々な用途への適用が可能である。
例えば、特許文献1では、圧電フィルムとして、タッチパネル用又はタッチ圧検出用の分極化フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムが開示されている。

Citation List

Patent Literature

[0003]
patcit 1 : 特開2011−222679号公報

Summary of Invention

Technical Problem

[0004]
しかし、近年、タッチパネルに用いられる部材には、高度な透明性が求められており、特許文献1に記載の圧電フィルムは、透明性(特にヘイズ値)に改善の余地があった。しかも、圧電フィルムは、一旦極端な高温(例、85℃以上)に曝されると、透明性(特にヘイズ値)が著しく低下してしまう場合があった。
発明者の検討によれば、一旦極端な高温に曝されると透明性が著しく低下してしまう理由として、圧電フィルムの製造工程に問題があることを突き止めた。具体的には、圧電フィルムを製造する方法として、重合体成分を含む液状組成物を基材上に塗布(キャスティング)及び乾燥して非分極の重合体フィルムを形成する工程を経て製造する方法が挙げられるが、基材として通常使用されているポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)等の樹脂製基材に対してキャスティングを行うと、前記樹脂製基材のオリゴマーが析出及び/又は流出し、このオリゴマーが非分極の重合体フィルム表面や内部に浸透してしまう。この場合、キャスティング直後における前記非分極の重合体フィルムや分極処理直後の圧電フィルムのヘイズ値が低かったとしても、経時変化により前記ヘイズ値が高くなってしまい、特に加温すると短時間で前記ヘイズ値が高くなるという問題があることを突き止めた。
従って、本発明は、透明性(特にヘイズ値)が高く、高温下においても当該透明性が低下しにくい圧電フィルムの提供を目的とする。

Technical Solution

[0005]
本発明者らは、鋭意検討の結果、
全ヘイズ値が4.0%以下であって、
100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率が10%以内である、
圧電フィルム
によって、前記課題が解決出来ることを見出した。
更に、本発明者らは、重合体及び溶媒を含む液状組成物を、オリゴマーを生成しない基材上に流延することにより、上記特性を有する前記フィルムを製造できることを見出した。
これらの知見に基づき、本発明者らは、本発明を完成させた。
[0006]
本発明は、次の態様を含む。
[0007]
項1.
全ヘイズ値が4.0%以下であって、
100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率が10%以内である、
圧電フィルム。
項2.
全ヘイズ値が2.0%以下であって、100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率が10%以内である、項1に記載の圧電フィルム。
項3.
重合体及び溶媒を含む液状組成物を調製する工程A、
前記液状組成物を、オリゴマーを生成しない基材上に流延する工程B、
前記流延された液状組成物中の溶媒を気化させることにより、非分極の重合体フィルムを形成する工程C、
前記非分極の重合体フィルムを分極処理することにより、分極化重合体フィルムを得る工程D、並びに、
前記非分極の又は分極化重合体フィルムを熱処理する工程E、
を含む、項1又は2に記載の圧電フィルムの製造方法。
項4.
前記基材が単層からなり、
前記基材がスチール、銅及びアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種で形成されている、項3に記載の圧電フィルムの製造方法。
項5.
前記基材が支持材及び離型層を有する複数層からなり、
前記支持材がポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、フッ素樹脂、スチール、銅及びアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種で形成されており、
工程Bにおいて、前記基材の前記離型層上に前記液状組成物を流延する、項3に記載の圧電フィルムの製造方法。
項6.
項1又は2に記載の圧電フィルム、又は項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法により製造される圧電フィルムを有する、圧電パネル、フィルムコンデンサ、又はエレクトロウエッティングデバイス。
項7.
項1又は2に記載の圧電フィルム、又は項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法により製造される圧電フィルムを有する入力装置。
項8.
項7に記載の入力装置を有する電子機器。

Advantageous Effects

[0008]
本発明の圧電フィルムは、透明性が高く、高温下においても当該透明性が低下しにくい。また、本発明の圧電フィルムの製造方法は、透明性が高く、高温下においても当該透明性が低下しにくい圧電フィルムを製造することができる。

Description of Embodiments

[0009]
用語の意味
本明細書中、「タッチ位置」の「検出」は、タッチ位置の決定を意味し、一方、「タッチ圧」の「検出」は、押圧の有無、速度、大きさ又はこれらの組み合わせの決定を意味する。
本明細書中、用語「タッチ」は、触れること、触れられること、押すこと、押されること、及び接触すること、を包含する。
本明細書中、用語「分極化」は、表面に電荷を付与されていることを意味する。すなわち、分極化フィルムは、エレクトレットであることができる。
本明細書中、用語「オリゴマー」は、ポリマー(高分子)中に含まれる低分子量の物質を意味し、ポリマー中に含まれる可塑剤も包含する。
[0010]
圧電フィルム
本発明の圧電フィルムは、
全ヘイズ値が4.0%以下であって、
100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率が10%以内である。
以下、本発明の圧電フィルムを詳細に説明する。
[0011]
本発明の圧電フィルムは、好ましくは、有機圧電フィルムである。当該「有機圧電フィルム」は、有機物である重合体から形成されるフィルム(重合体フィルム)である。当該「有機圧電フィルム」としては、例えば、分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルム、奇数鎖ナイロン圧電フィルム、及びポリ乳酸が挙げられる。当該「有機圧電フィルム」は、当該重合体以外の成分を含有してもよい。当該「有機圧電フィルム」は、当該重合体からなるフィルム、当該重合体中に無機物が分散されているフィルム、並びに当該重合体及び当該重合体以外の成分を含有するフィルム等を包含する。
本発明の圧電フィルムにおける当該重合体の含有量は、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%である。当該含有量の上限は特に制限されず、例えば、100質量%であってもよいし、99質量%であってもよい。
当該重合体は、好ましくは、フッ化ビニリデン系重合体である。
本発明の圧電フィルムは、好ましくは分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなる。
本明細書中、「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」の例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体フィルム、及びポリフッ化ビニリデンフィルムが挙げられる。
前記フッ化ビニリデン系重合体フィルムは、好ましくはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、樹脂フィルムに通常用いられる添加剤を含有してもよい。
[0012]
当該「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、フッ化ビニリデン系重合体から構成されるフィルムであり、フッ化ビニリデン系重合体を含有する。
[0013]
当該「フッ化ビニリデン系重合体」の例としては、
(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体;及び
(2)ポリフッ化ビニリデン
が挙げられる。
[0014]
当該「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」における「これと共重合可能なモノマー」の例としては、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、及びフッ化ビニルが挙げられる。
当該「これと共重合可能な1種以上のモノマー」又はそのうちの1種は、好ましくはテトラフルオロエチレンである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体」の好ましい例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体が挙げられる。
当該「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」は、本発明に関する性質が著しく損なわれない限りにおいて、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する繰り返し単位を含有してもよい。
前記「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」は、フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位を50モル%以上(好ましくは60モル%以上)含有する。
前記「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」における(テトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位)/(フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位)のモル比は、好ましくは5/95〜36/64の範囲内、より好ましくは15/85〜25/75の範囲内、更に好ましくは18/82〜22/78の範囲内である。
[0015]
前記「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」は、本発明に関する性質が著しく損なわれない限りにおいて、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する繰り返し単位を含有してもよい。通常、このような繰り返し単位の含有率は、10モル%以下である。このようなモノマーは、フッ化ビニリデンモノマー、テトラフルオロエチレンモノマーと共重合可能なものである限り限定されないが、その例としては、
(1)フルオロモノマー(例、ビニルフルオリド(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、1−クロロ−1−フルオロ−エチレン(1,1−CFE)、1−クロロ−2−フルオロ−エチレン(1,2−CFE)、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン(CDFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロビニルモノマー、1,1,2−トリフルオロブテン−4−ブロモ−1−ブテン、1,1,2−トリフルオロブテン−4−シラン−1−ブテン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロアクリラート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリラート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリラート);並びに
(2)炭化水素系モノマー(例、エチレン、プロピレン、無水マレイン酸、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノマー、酢酸ビニルが挙げられる。
[0016]
当該重合体以外の成分の一例として、ポリマーが挙げられる。当該重合体以外のポリマーの中でも、アクリル/メタクリル系ポリマー、セルロース誘導体系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、などが好ましい。特に、セルロース誘導体系ポリマーをフッ化ビニリデン系重合体と混合して用いる場合、キャストコーティングを行う際に塗料のチキソ性も改善するため、より好ましい。セルロース誘導体系ポリマーとしては、カルボキシブチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロースなどが好適な例として挙げられる。
[0017]
前記「無機物」の好適な例としては、無機酸化物粒子が挙げられる。当該「無機酸化物粒子」を含有することによって、本発明の圧電フィルムは、高い誘電率を有することができる。また、高い誘電率を維持したまま、体積抵抗率を大幅に向上させることができる。また、電気絶縁性を向上させることができる。
[0018]
当該「無機酸化物粒子」は、好ましくは、以下の無機酸化物粒子(B1)〜(B3)からなる群より選択される少なくとも1種である。
[0019]
[無機酸化物粒子(B1)]周期表の2族、3族、4族、12族又は13族の金属元素の無機酸化物の粒子、又はこれらの無機酸化物複合粒子
前記金属元素としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Ti、Zr、Zn、及びAl等が挙げられる。なかでも、Al、Mg、Y、及びZnの酸化物が汎用で安価であり、また体積抵抗率が高い点から好ましい。
なかでも、具体的には、Al 、MgO、ZrO 、Y 、BeO、及びMgO・Al からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の粒子が、体積抵抗率が高い点から好ましい。
なかでも、更に、結晶構造がγ型のAl が、比表面積が大きく、フッ化ビニリデン系重合体等の前記「重合体」、特にフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体への分散性が良好な点から好ましい。
[0020]
[無機酸化物粒子(B2)]式:M a1 b1c1(式中、M は2族金属元素;M は4族金属元素であり;a1は0.9〜1.1であり;b1は0.9〜1.1であり;c1は2.8〜3.2である;M 及びM はそれぞれ1種又は2種以上の金属元素であることができる)で表される無機複合酸化物の粒子
当該「4族金属元素」としては、例えばTi、及びZrが好ましい。
当該「2族金属元素」としては、例えばMg、Ca、Sr、及びBaが好ましい。
当該「無機複合酸化物の粒子」のなかでも、具体的には、BaTiO 、SrTiO 、CaTiO 、MgTiO 、BaZrO 、SrZrO 、CaZrO 、及びMgZrO からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子が、体積抵抗率が高い点から好ましい。
[0021]
[無機酸化物粒子(B3)]周期表の2族、3族、4族、12族、又は13族の金属元素の酸化物、及び酸化ケイ素の無機酸化物複合粒子
当該「無機酸化物粒子(B3)」は、前記「無機酸化物粒子(B1)」の前記「無機酸化物」、及び酸化ケイ素の複合体粒子である。
当該「無機酸化物粒子(B3)」として具体的には、例えば、3A1 ・2SiO 、2MgO・SiO 、ZrO ・SiO 、及びMgO・SiO からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子が挙げられる。
[0022]
前記「無機酸化物粒子」は、必ずしも高誘電性である必要はなく、本発明の圧電フィルムの用途により適宜選択できる。例えば、汎用で安価な1種類の金属酸化物の粒子(B1)(特に、Al の粒子、及びMgOの粒子)を使用すると、体積抵抗率の向上を図ることができる。これら1種類の金属酸化物の粒子(B1)の比誘電率(1kHz、25℃)は、通常100未満、好ましくは10以下である。
[0023]
前記「無機酸化物粒子」としては、誘電率を向上させる目的で強誘電性(比誘電率(1kHz、25℃)が100以上)の無機酸化物粒子(例えば、無機酸化物粒子(B2)及び(B3))を用いてもよい。強誘電性の無機酸化物粒子(B2)及び(B3)を構成する無機材料としては、複合金属酸化物、その複合体、固溶体、及びゾルゲル体等が例示できるが、これらのみに限定されるものではない。
[0024]
本発明の圧電フィルムは、前記「重合体」100質量部に対し、前記「無機酸化物粒子」を、好ましくは0.01〜300質量部、より好ましくは0.1〜100質量部含有できる。前記「無機酸化物粒子」の含有量が多すぎると、前記「無機酸化物粒子」を前記「重合体」中に均一に分散させることが難しくなる虞があり、また、電気絶縁性(耐電圧)が低下する虞もある。また、当該含有量が300質量部以上になると、フィルムが脆くなり、及び引張り強度が低下する虞がある。この観点では、当該含有量の上限は、好ましくは200質量部、より好ましくは150質量部である。当該含有量が少なすぎると電気絶縁性の向上効果が得られにくい。この観点では、当該含有量の下限は、好ましくは0.1質量部、より好ましくは0.5質量部、更に好ましくは1質量部である。一方、本発明の圧電フィルムに、高い全光線透過率、及び低い全ヘイズ値が要求される場合は、当該含有量は、より小さい(少ない)ことが好ましく、更に、本発明の圧電フィルムに、特に高い全光線透過率、及び低い全ヘイズ値が要求される場合は、本発明の圧電フィルムは、好適に、前記「無機酸化物粒子」を含有しないことができる。このように本発明の圧電フィルムに高い全光線透過率、及び低い全ヘイズ値が要求される場合として、具体的には、本発明の圧電フィルムがタッチパネル等の圧電パネルに用いられる場合が挙げられる。
[0025]
前記「無機酸化物粒子」の平均一次粒子径は小さい方が好ましく、特に平均一次粒子径1μm以下のいわゆるナノ粒子が好ましい。このような無機酸化物ナノ粒子が均一分散することにより、少量の配合でフィルムの電気絶縁性を大幅に向上させることができる。当該平均一次粒子径は、好ましくは800nm以下、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは300nm以下である。当該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、製造の困難性や均一分散の困難性、価格の面から、当該平均一次粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは50nm以上である。ここで、本発明の圧電フィルムに高い全光線透過率、及び低い全ヘイズ値が要求される場合は、当該平均一次粒子径は、より小さいことが好ましい。前記「無機酸化物粒子」の平均一次粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置 LA−920(商品名)(堀場製作所社)又はその同等品を用いて算出される。
[0026]
前記「無機酸化物粒子」の比誘電率(25℃、1kHz)は、好ましくは10以上である。圧電フィルムの誘電率を高くする観点からは、当該比誘電率は、好ましくは100以上、より好ましくは300以上である。当該比誘電率の上限は特に制限されないが、通常3000程度である。当該「無機酸化物粒子」の比誘電率(ε)(25℃、1kHz)は、LCRメーターを用いて容量(C)を測定し、容量、電極面積(S)、焼結体の厚さ(d)から、式C=εε ×S/d(ε 真空の誘電率)で算出した値である。
[0027]
本発明の圧電フィルムは、必要に応じて、親和性向上剤等の、その他の成分を含有してもよい。
[0028]
前記「親和性向上剤」は、本発明の圧電フィルムが前記「無機酸化物粒子」が含有する場合に、本発明の圧電フィルムに含有される。
前記「親和性向上剤」は、前記「無機酸化物粒子」と前記「重合体」との間の親和性を高め、前記「無機酸化物粒子」を前記「重合体」に均一に分散させ、前記「無機酸化物粒子」と前記「重合体」をフィルム中でしっかり結合させ、ボイドの発生を抑制し、及び比誘電率を高めることができる。
[0029]
前記「親和性向上剤」としては、カップリング剤、界面活性剤、又はエポキシ基含有化合物が有効である。
[0030]
前記「カップリング剤」の例としては、有機チタン化合物、有機シラン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、及び有機リン化合物が挙げられる。
[0031]
前記「有機チタン化合物」の例としては、アルコキシチタニウム、チタニウムキレート、及びチタニウムアシレート等のカップリング剤が挙げられる。なかでも、前記「無機酸化物粒子」との親和性が良好な点から、好ましい例として、アルコキシチタニウム、及びチタニウムキレートが挙げられる。
[0032]
その具体例としては、テトライソプロピルチタネート、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロポキシチタンジイソステアレート、テトライソプロピルビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、及びイソプロピルトリ(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネートが挙げられる。
[0033]
前記「有機シラン化合物」は、高分子型であっても、低分子型であってもよく、その例として、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシラン等のアルコキシシランが挙げられる。また、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、メタクロキシシラン、及びメルカプトシラン等も好適に使用され得る。
[0034]
アルコキシシランを用いる場合、加水分解により、表面処理の効果である体積抵抗率のより一層の向上(電気絶縁性の向上)を図ることができる。
[0035]
前記「有機ジルコニウム化合物」の例としては、アルコキシジルコニウム、及びジルコニウムキレートが挙げられる。
[0036]
有機アルミニウム化合物の例としては、アルコキシアルミニウム、及びアルミニウムキレートが挙げられる。
[0037]
有機リン化合物の例としては、亜リン酸エステル、リン酸エステル、及びリン酸キレートが挙げられる。
[0038]
親和性向上剤としての前記「界面活性剤」は、高分子型であっても、低分子型であってもよく、その例としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。なかでも、熱安定性が良好な点から、高分子型の界面活性剤が好ましい。
[0039]
前記「非イオン性界面活性剤」の例としては、ポリエーテル誘導体、ポリビニルピロリドン誘導体、及びアルコール誘導体が挙げられ、なかでも、前記「無機酸化物粒子」との親和性が良好な点から、ポリエーテル誘導体が好ましい。
[0040]
前記「アニオン性界面活性剤」の例としては、スルホン酸、及びカルボン酸、及びそれらの塩を含有するポリマーが挙げられる。なかでも、前記「重合体」との親和性が良好な点から、好ましい例として、アクリル酸誘導体系ポリマー(poly(acrylic acid) derivative)、及びメタクリル酸誘導体系ポリマー(poly(methacrylic acid) derivative)が挙げられる。
[0041]
前記「カチオン性界面活性剤」の例としては、アミン化合物、及びイミダゾリン等の含窒素系複合環を有する化合物、及びそのハロゲン化塩が挙げられる。
[0042]
前記「親和性向上剤」としての「エポキシ基含有化合物」は、低分子量化合物であっても、高分子量化合物であってもよく、その例としては、エポキシ化合物、及びグリシジル化合物が挙げられる。なかでも、前記「重合体」との親和性が特に良好な点から、エポキシ基を1個有する低分子量の化合物が好ましい。
[0043]
前記「エポキシ基含有化合物」の好ましい例としては、特に前記「重合体」との親和性に優れている点から、式:
[0044]
[Chem. 1]


[0045]
(式中、Rは、水素原子、メチル基、酸素原子若しくは窒素原子を介在してもよい炭素数2〜10の炭化水素基、又は置換されていてもよい芳香環基を表す。lは0又は1を表し、mは0又は1を表し、nは0〜10の整数を表す。)で表される化合物が挙げられる。
[0046]
その具体例としては、
[0047]
[Chem. 2]


[0048]
等の、ケトン基、又はエステル基を有する化合物が挙げられる。
[0049]
前記「親和性向上剤」は、本発明の効果が失われない範囲内の量で使用できるが、具体的には、均一な分散、及び得られるフィルムの比誘電率の高さの点から、その量は、「無機酸化物粒子」100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部の範囲内、より好ましくは0.1〜25質量部の範囲内、更に好ましくは1〜20質量部の範囲内である。
[0050]
更に、本発明の圧電フィルムは、本発明の効果が失われない範囲内で、これら以外の添加剤を含有してもよい。
[0051]
本発明の圧電フィルムは、全光線透過率が85%以上であることが好ましい。
本発明の圧電フィルムの全光線透過率は、より好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上、より更に好ましくは95%以上である。当該全光線透過率の上限は限定されないが、本発明の圧電フィルムの全光線透過率は、通常99%以下である。
本明細書中、「全光線透過率」は、ASTM D1003に基づき、ヘイズガードII(製品名、東洋精機製作所)又はその同等品を使用した光透過性試験によって得られる。
[0052]
本発明の圧電フィルムの全ヘイズ値は、4.0%以下である。
本発明の圧電フィルムの全ヘイズ値は、好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.0%以下、更に好ましくは1.5%以下、より更に好ましくは1.0%以下である。当該全ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明の圧電フィルムの全ヘイズ値は、通常0.2%以上である。
本明細書中、「全ヘイズ値」(total haze)は、ASTM D1003に準拠し、ヘイズガードII(製品名)(東洋精機製作所)又はその同等品を使用したヘイズ(HAZE、濁度)試験によって得られる。
[0053]
本発明の圧電フィルムの内部ヘイズ値は、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.2%以下、より更に好ましくは1.0%以下である。当該内部ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明の圧電フィルムの内部ヘイズ値は、通常0.1%以上である。
本明細書中、「内部ヘイズ値」(inner haze)は、前記全ヘイズ値の測定方法において、ガラス製セルの中に水を入れて、その中にフィルムを挿入し、ヘイズ値を測定することにより、得られる。
[0054]
本発明の圧電フィルムの外部ヘイズ値は、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下である。当該外部ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明の圧電フィルムの外部ヘイズ値は、通常0.1%以上である。
本明細書中、「外部ヘイズ値」(outer haze)は、フィルムの全ヘイズ値から内部へイズ値を差し引くことで算出される。
[0055]
本発明の圧電フィルムは、100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率が10%以内、好ましくは5%以内である。
当該「100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率」は、
(1)圧電フィルムの全ヘイズ値(加熱前の圧電フィルムの全ヘイズ値)を測定すること、
(2)圧電フィルムを、空気中で、100℃で24時間加熱すること、
(3)圧電フィルムを室温で放置して室温まで冷却すること、及び
(4)前記加熱及び前記冷却後の圧電フィルムの全ヘイズ値を測定すること、
を実施し、測定された「加熱前の圧電フィルムの全ヘイズ値(以下、加熱前全ヘイズ値とも称する)」及び「加熱後の圧電フィルムの全ヘイズ値(以下、加熱後全ヘイズ値とも称する)」を次式に算入することによって決定される。
100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率(%)=
((加熱後全ヘイズ値−加熱前全ヘイズ値)/加熱前全ヘイズ値)×100
本明細書中、「室温」は、15〜35℃の範囲内の温度である。
[0056]
本発明の圧電フィルムの厚さは、例えば、0.5〜100μmの範囲内、0.8〜50μmの範囲内、0.8〜40μmの範囲内、3〜100μmの範囲内、3〜50μmの範囲内、6〜50μmの範囲内、9〜40μmの範囲内、10〜40μmの範囲内、又は10〜30μmの範囲内である。好ましい厚さは、本発明の圧電フィルムの用途によって異なることができる。例えば、本発明の圧電フィルムがタッチパネル等の圧電パネルに用いられる場合は、本発明の圧電フィルムの厚さは好ましくは10〜40μmの範囲内であり、より好ましくは10〜30μmの範囲内であり、本発明の圧電フィルムがエレクトロウエッティングデバイスに用いられる場合は、本発明の圧電フィルムの厚さは好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは0.8〜2μmの範囲内であり、及び本発明の圧電フィルムがフィルムコンデンサに用いられる場合は、本発明の圧電フィルムの厚さは好ましくは1.5〜12μmの範囲内である。
[0057]
本発明の圧電フィルムは、100℃の温度で60分加熱して生じるカールが±10mm以内であることが好ましい。カールの程度を上述の範囲とすることにより、圧電フィルムの精度が要求される用途に用いるのに適したフィルムとすることができる。
上記カールは、以下の手法によって測定する。金属板上に、幅100mm、長さ100mmにカットしたフィルムの中心ラインをテープで貼り付けた後、当該フィルムを100℃で60分加熱する。当該加熱後、フィルム両端部が金属板から浮き上がるので、その浮き上がった長さをノギスで測定する。
[0058]
本発明の圧電フィルムのカールを±10mm以内とする方法としては、例えば、後述する本発明の圧電フィルムの製造方法において、基材と重合体フィルムとの剥離強度を0.1N/cm以下、溶媒を気化するための乾燥温度を200℃以下、並びに、溶媒中に重合体、及び所望による成分を溶解又は分散させて調製した液状組成物中の、重合体の固形分濃度を5質量%以上とする方法が挙げられる。
[0059]
圧電フィルムの製造方法
本発明の圧電フィルムは、例えば、
重合体及び溶媒を含む液状組成物を調製する工程A、
前記液状組成物を、オリゴマーを生成しない基材上に流延する工程B、
前記流延された液状組成物中の溶媒を気化させることにより、非分極の重合体フィルム(例、非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルム)を形成する工程C、
前記非分極の重合体フィルムを分極処理することにより、分極化重合体フィルムを得る工程D、並びに、
前記非分極の又は分極化重合体フィルムを熱処理する工程E、
を含む製造方法
によって製造できる。
[0060]
工程A(液状組成物の調製工程)
工程Aでは、重合体及び溶媒を含む液状組成物(塗料)を調製する。例えば、溶媒中に、重合体(例、フッ化ビニリデン系重合体)、並びに所望による成分(例、前記重合体以外のポリマー、無機酸化物粒子、及び親和性向上剤)を溶解又は分散させて液状組成物を調製する。
[0061]
液状組成物の調製における溶解温度は特に限定されないが、溶解温度を高くすると溶解を促進できるので好ましい。しかし、溶解温度が高すぎると、得られるフィルムが着色してしまう傾向があるので、溶解温度は、室温以上80℃以下であることが好ましい。
また、かかる着色を防止する意味から、前記溶媒の好ましい例としては、ケトン系溶媒(例、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン)、エステル系溶媒(例、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル)、エーテル系溶媒(例、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン)、及びアミド系溶媒(例、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP))が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。前記溶媒として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の溶解に汎用される溶媒であるアミド系溶媒を用いてもよいが、溶媒中のアミド系溶媒の含有率は50%以下であることが望ましい。
[0062]
工程B(基材上への流延工程)
工程Bでは、工程Aで得られた液状組成物を、オリゴマーを生成しない基材上に流延する。本明細書において、オリゴマーを生成しない基材とは、基材の主面上にオリゴマーを生成しない(オリゴマーが析出又は流出しない)基材をいう。本発明では、上記特定の基材上に非分極の重合体フィルムを形成するため、前記重合体フィルムから作製された圧電フィルムは透明性が高く、かつ100℃で24時間加熱を行っても透明性の低下が抑制されている。
[0063]
前記液状組成物の基材上への流延(塗布)は、ナイフコーティング方式、キャストコーティング方式、ロールコーティング方式、グラビアコーティング方式、ブレードコーティング方式、ロッドコーティング方式、エアドクタコーティング方式、またはスロットダイ方式等の慣用の方法に基づき行えばよい。なかでも、操作性が容易な点、得られるフィルム厚さのバラツキが少ない点、生産性に優れる点から、グラビアコーティング方式、又はスロットダイ方式が好ましい。
[0064]
オリゴマーを生成しない基材としては、(i)基材が支持材の単層からなり、前記支持材がスチール、銅及びアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種で形成されている基材、(ii)基材が支持材及び離型層を有する複数層からなり、前記支持材がポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、フッ素樹脂、スチール、銅及びアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種で形成されている基材、等を使用することができる。基材として上記(ii)の基材を使用する場合、工程Bでは液状組成物を基材の離型層上に流延する。
[0065]
支持材として前記フッ素樹脂を使用する場合、当該フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、等が挙げられる。
[0066]
離型層は、基材から非分極の重合体フィルムを剥離する工程を簡易化させる、という機能を有する。また、基材中の支持材がPP、PET、PC及びPIからなる群から選ばれた少なくとも1種で形成された樹脂製の支持材である場合、当該樹脂製支持材から生じるオリゴマーが前記重合体フィルム(ひいては圧電フィルム)に転写することを防止する機能も有する。
前記離型層としては、上記効果が奏される限り限定されないが、1)シリコーン樹脂を含有するシリコーン系離型層、2)フッ素樹脂を含有するフッ素系離型層、等が挙げられる。
[0067]
1)シリコーン系離型層中に含まれるシリコーン樹脂としては、一般的に離型剤として知られた硬化型シリコーン樹脂を用いることができる。硬化型シリコーン樹脂としては、熱縮合反応型、熱付加反応型、紫外線硬化型、電子線硬化型等のいずれの硬化反応タイプのものを用いることができる。硬化型シリコーン樹脂の一例として、基本骨格がポリジメチルシロキサンからなるポリマー(当該ポリマーの末端や側鎖にフェニル基やアルキル基を有するものも含む)が挙げられる。硬化型シリコーンの市販品としては、信越シリコーン株式会社製KS-774、KS-847、KS-776;東芝シリコーン株式会社製TPR-6700などが挙げられる。かかる硬化型シリコーン樹脂の形態としては、溶剤型、無溶剤型、エマルジョン型等のいずれの形態のものを用いることができる。
シリコーン系離型層には、シリコーン樹脂の他、必要に応じて、シラン化合物;ポリアルキレンオキサイド;アルキッド樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等の各種樹脂;紫外線吸収剤、顔料、消泡剤、ポットライフ延長剤、架橋剤等の各種添加剤などを配合してもよい。
シリコーン系離型層は、前記シリコーン系離型層形成用塗液を任意の塗工法によって支持材に塗布することにより形成することができる。例えば、ロールコーター法、ブレードコーター法等を挙げることができる。前記塗液は、有機溶剤を用いた塗液であってもよく、また水性塗液であってもよい。
[0068]
2)フッ素系離型層としては、含フッ素アクリレート重合体、含フッ素メタクリレート重合体、含フッ素ポリエーテル等の表面処理剤によって形成された層が好ましい。また、前記支持材がフッ素樹脂で形成されている場合は、フッ素系離型層中に含まれるフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、等が好ましい。
[0069]
基材中の支持材の厚さは、特に限定されないが、基材が樹脂の場合は通常12〜300μmの範囲内、好ましくは16〜200μmの範囲内である。また、基材中に離型層を有する場合、当該離型層の厚さは、通常0.01〜20μmの範囲内、好ましくは0.02〜10μmの範囲内である。スチールなど金属の場合は0.05mm〜10mm、好ましくは0.1mm〜5mmである。
[0070]
工程C(溶媒の気化工程)
工程Cでは、溶媒を気化させて、重合体フィルムを形成させる。
前記溶媒の気化は、加熱等の慣用の乾燥方法によって実施できる。
前記溶媒の気化における乾燥温度は溶媒の種類等に応じて適宜決定され得るが、通常、20℃〜200℃の範囲内であり、好ましくは40℃〜170℃の範囲内である。
当該乾燥温度は一定温度であってもよいが、変化させてもよい。乾燥温度を低温(例、40〜100℃)から高温(例、120〜200℃)へと変化させることにより、得られるフィルムのヘイズ値を下げることができる。これは、例えば、乾燥ゾーンを数ゾーンに分割し、フィルム(又はフィルム形成前の流延された溶液)が低温のゾーンへ入って高温のゾーンに移動することによって実現できる。
具体的には、例えば、乾燥ゾーンを50℃、80℃、120℃、及び150℃の4ゾーンに分割し、フィルムを50℃のゾーンから150℃のゾーンへ連続的に移動させればよい。
前記溶媒の気化における乾燥時間は、通常1〜600秒間の範囲内、好ましくは10〜300秒間の範囲内である。
工程Cで得られる非分極の重合体フィルム(以下、単に「非分極フィルム」と称する場合がある)は、好ましくは、延伸されていないものである。また、好ましくは、本発明の製造方法においても、当該非分極フィルムを、延伸しない。すなわち、本発明の圧電フィルムは、好ましくは、無延伸の圧電フィルムである。
このようにして得られる本発明の圧電フィルムは、その厚さの均一性が高い。具体的に好ましくは、本発明の圧電フィルムは、フィルム全体に渡って1cm四方毎に10箇所において測定した厚さの変動係数が、平均膜厚の±20%以下である。
[0071]
工程Bにおいて、基材として上記(ii)の基材を使用する場合、工程Cにおいて、前記重合体フィルムの少なくとも一方の主面と前記離型層とが隣接するように、基材上に前記重合体フィルムが形成される。
[0072]
工程D(分極処理工程)
工程Dでは、非分極の重合体フィルムを分極処理する。
[0073]
工程Dの分極処理は、コロナ放電処理等の慣用の方法によって行うことができる。
[0074]
工程Dの分極処理は、好ましくはコロナ放電によって行われる。
コロナ放電には、負コロナ及び正コロナのいずれを用いてもよいが、非分極樹脂フィルムの分極しやすさの観点から負コロナを用いることが望ましい。
[0075]
コロナ放電処理は、特に限定されないが、例えば、特開2011−181748号公報に記載のように非分極フィルムに対して線状電極を用いて印加を実施すること;又は非分極フィルムに対して針状電極を用いて印加を実施すること;により行うことができる。
[0076]
コロナ放電処理の条件は、本発明が属する技術分野の常識に基づいて、適宜設定すればよい。コロナ放電処理の条件が弱すぎると、得られる圧電フィルムの圧電性が不充分になる虞があり、一方、コロナ放電処理の条件が強すぎると、得られる圧電フィルムが点状欠陥を有する虞がある。
例えば、線状電極を用いてロール・トゥ・ロールで連続印加を実施する場合は、線状電極と非分極フィルムの間の距離、フィルム膜厚等によって異なるが、例えば、−15〜−25kVの直流電界である。処理速度は、例えば、10〜500cm/分である。
別法として、分極処理は、コロナ放電の他に、例えば非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加することにより実施してもよい。具体的には、例えば、非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加を実施する場合、0〜400MV/m(好ましくは50〜400MV/m)の直流電界、及び0.1秒〜60分間の印加時間の条件を採用できる。
[0077]
工程Dで用いられる非分極フィルムの厚さの決定は、得ようとする圧電フィルムに応じて行えばよい。
[0078]
工程E(熱処理工程)
工程Eは、前記工程C又はDの後に実施される。即ち、工程Eでは、工程Cで得られた非分極の重合体フィルム、又は工程Dで得られた分極化重合体フィルム(以下、単に分極化フィルムと称する場合がある。)を熱処理する。工程Eは、工程Dの後に行うことが好ましい。
工程Eの熱処理は、前記分極化フィルム又は工程Dにおいて分極を完了した部分に対して行うことができる。すなわち、工程Dの分極処理を実施しながら、当該分極処理を終えた部分に対して工程Eの熱処理を実施してもよい。
熱処理の方法は、特に限定されないが、例えば、非分極又は分極化フィルムを2枚の金属板で挟み、当該金属板を加熱すること;前記フィルムのロールを恒温槽中で加熱すること;又はロール・ツー・ロール方式での前記フィルムの生産において、金属ローラーを加熱し、前記フィルムを、当該加熱した金属ローラーに接触させること;又は前記フィルムを加熱した炉の中にロール・ツー・ロールで通していくことにより行うことができる。この際、前記フィルムは単体で熱処理してもよいし、或いは別種のフィルム又は金属箔上に重ねて積層フィルムを作成し、これを熱処理してもよい。とりわけ、高温で熱処理する場合には後者の方法のほうが、前記フィルムにしわが入りにくいので好ましい。
前記熱処理の温度は、熱処理される前記フィルムの種類によって異なる場合があり、好ましくは(熱処理される前記フィルムの融点−100)℃〜(熱処理される前記フィルムの融点+40)℃の範囲内である。
前記熱処理の温度は、具体的には、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上、更に好ましくは90℃以上である。
また、前記熱処理の温度は、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
前記熱処理の時間は、通常、10秒間以上、好ましくは0.5分間以上、より好ましくは1分間以上、更に好ましくは2分間以上である。
また、前記熱処理の時間の上限は限定されないが、通常、前記熱処理の時間は60分間以下である。
前記熱処理の条件は、好ましくは90℃以上で1分間以上である。
本明細書中、フィルムの融点とは、示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、10℃/分の速度で昇温したときに得られる融解熱曲線における極大値である。
[0079]
熱処理後、非分極フィルム又は分極化フィルムを所定温度まで冷却する。当該温度は、好ましくは、0℃〜60℃の範囲であり、室温であることができる。冷却速度は、徐冷であっても急冷であってもよく、急冷であることが生産性の面から好ましい。急冷は、例えば送風等の手段によって実施できる。
[0080]
圧電フィルムのロール
本発明の圧電フィルムは、好ましくは、ロールとして保管及び出荷され得る。
本発明の圧電フィルムは、このようなロールの形態にする際のシワの発生の抑制の観点から、弾性率が500MPa以上であることが好ましい。弾性率は、フィルムの材質の選択等により調整できる。
本発明の圧電フィルムのロールは、本発明の圧電フィルムのみからなってもよく、本発明の圧電フィルムに保護フィルムなどを積層させて巻いた形態でもよく、紙管等の芯、及び当該芯に巻き付けられた本発明の圧電フィルムを備えてもよい。
本発明の圧電フィルムのロールは、好ましくは幅50mm以上、かつ長さ20m以上である。
本発明の圧電フィルムのロールは、例えば、本発明の圧電フィルムを、巻き出しローラーと巻き取りローラーを用いて巻き取ることにより、調製できる。
ここで、フィルムのたわみを抑制する観点で、通常行われるように、巻き出しローラーと巻き取りローラーを平行にすることが好ましい。
また、フィルムのたわみを抑制する観点で、本発明の圧電フィルムのなかでも、弾性率が500MPa以上のフィルムを用いてもよい。
ローラーとしては、本発明のフィルムの滑り性を良くするため、滑り性のよいローラー、具体的にはフッ素樹脂で被覆されたローラー、メッキされたローラー、又は離型剤を塗布したローラーを用いることが好ましい。
ここで、フィルムの厚さが不均一である場合は、いわゆるロールの耳立ち(ハイエッジ;ロールの軸方向の中心部に比べて、端部が太くなること;両端部が中心部より膜厚が低い場合に両端部が中心部に比べて凹むこと;又は一方の端部からもう一方の端部に傾斜的に厚さが変化していく場合に膜厚が薄い側の端部が凹むこと)等のロールの太さの不均一さが発生し、これはシワの発生の原因になり得る。また、これは、フィルムの捲き出しの際に、フィルムのたわみ(重力による張力以外の張力がかけられていない状態での湾曲)が発生する原因となり得る。
一般に、ロールの耳立ちを防止する目的で、ロールの端となるフィルム端をスリッター耳おとし(スリット)することが行われるが、フィルムの厚さの不均一がフィルム端から広い範囲にわたる場合、耳おとしのみでは、ロールの耳立ち及び凹みの防止が困難である。
また、一般に、フィルムの幅が広い(例、幅100mm以上)ほど、及びフィルムの長さが長い(例、50m以上)ほど、前記耳立ち、前記凹み及び前記たわみが生じやすい。
しかし、本発明の圧電フィルムは、厚さの均一性が高いので、そのまま、又はロールの端となるフィルム端をスリッター耳おとし(スリット)することのみで、フィルムの幅が広く(例、幅100mm以上)、かつフィルムの長さが長い(例、50m以上)場合でも、前記耳立ち、前記凹み及び前記たわみが抑制されたロールにすることができる。
スリットで除去された耳(フィルム端)は、回収して、本発明の圧電フィルムの原料として、リサイクルできる。
本発明の圧電フィルムのロールは、太さの均一性が高く、好ましくは、ロールの軸方向の中心部の太さに対する、より太いほうの端部の太さの比が70〜130%の範囲内である。
これにより、本発明の圧電フィルムのロールは、これから巻き出されたフィルムのたわみが抑制されている。
[0081]
本発明の圧電フィルム及びそのロールの製造に用いられるローラーの表面粗さRaは、1μm以下であることが好ましい。本明細書において、「表面粗さRa」は、JIS B0601:2001に規定されている、「算術平均高さ」である。
また、本発明の圧電フィルム及びそのロールの製造に用いられるローラーは、少なくともその表面の材質が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、クロムメッキ、又はステンレス鋼(SUS)であることが好ましい。
これらのことにより、フィルムのシワを抑制できる。
[0082]
適用
圧電パネル
本発明の圧電フィルムは、圧電パネル(例、タッチ圧を検出できるタッチパネル)等に使用できる。
本発明の圧電フィルムを有するタッチパネルは、タッチ位置及びタッチ圧の両方を検出でき、かつ極端な高温に曝された場合でもタッチ圧の検出性能が低下しにくく、かつ透明性が高い。
本発明の圧電フィルムは、抵抗膜方式、及び静電容量方式等の、あらゆる方式のタッチパネルに使用できる。
本発明の圧電フィルムは、タッチパネルに使用されるとき、必ずしも、タッチ位置及びタッチ圧の両方の検出のために使用される必要は無く、本発明の圧電フィルムは、タッチ位置又はタッチ圧のいずれかの検出にも使用されてもよい。
本発明の圧電フィルムを有する圧電パネルは、好ましくは、
第1の電極と、
透明圧電フィルムと、
第2の電極と、
をこの順で有する。
第1の電極は透明圧電フィルムの一方の主面上に直接又は間接的に配置され、及び
第2の電極は透明圧電フィルムの他方の主面上に直接又は間接的に配置される。
[0083]
本発明の圧電フィルムを有するタッチパネルは、入力装置に用いることができる。当該タッチパネルを有する入力装置(すなわち、本発明の圧電フィルムを有する入力装置)は、タッチ位置、タッチ圧、又はその両方に基づく入力が可能である。当該タッチパネルを有する入力装置は、位置検出部及び圧力検出部を有することが出来る。
[0084]
当該入力装置は、電子機器(例、携帯電話(例、スマートフォン)、携帯情報端末(PDA)、タブレットPC、ATM、自動券売機、及びカーナビゲーションシステム)に用いることができる。当該入力装置を有する電子機器は、タッチ位置、タッチ圧又はその両方に基づく操作及び動作が可能である。
[0085]
エレクトロウエッティングデバイス
本発明の圧電フィルムは、エレクトロウエッティングの性質を有し、エレクトロウエッティングデバイスに使用できる。ここで、当該「エレクトロウエッティング」とは、電界を用いて、フィルムの表面の濡れ性(wettability)を疎水性(撥水性)から親水性の間で変化させることを意味する。当該「エレクトロウエッティングデバイス」とは、当該「エレクトロウエッティング」を利用したデバイスを意味する。
本発明の圧電フィルムは、光学素子、表示装置(ディスプレイ)、可変焦点レンズ、光変調装置、光ピックアップ装置、光記録再生装置、現像装置、液滴操作装置、分析機器(例、試料の分析のため微小の導電性液体を移動させる必要がある、化学、生化学、および生物学的分析機器)などにおけるエレクトロウエッティングデバイスに好適に用いることができる。
本発明の圧電フィルムは、高い比誘電率及び低い誘電正接を有し得る。これにより、低い電圧で導電性液体を駆動できる。
[0086]
フィルムコンデンサ
また、本発明の圧電フィルムは、高い比誘電率及び低い誘電正接を有し得るので、フィルムコンデンサ用のフィルムとしても好適に使用可能である。また、重合体としてフッ化ビニリデン系樹脂を使用する場合に、電圧を長時間印加してもフッ化ビニリデン系樹脂の特徴である高誘電性が損なわれない点でもフィルムコンデンサ用のフィルムとして有利である。
[0087]
透明カバーフィルム
本発明の圧電フィルムは透明性が非常に高いことから、透明カバーフィルムとしても用いることができる。この場合、例えば、ポリカーボネート又はPETフィルムを本発明の圧電フィルムに積層することで、これらのフィルムに耐候性を付与できる。また、本発明の圧電フィルムがフッ化ビニリデン系樹脂からなる場合、耐候性にも優れる。
[0088]
本発明の圧電フィルムは、可撓性を有するので、種々の用途に好適に用いることができる。
Examples
[0089]
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体における、テトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位/フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位のモル比を“TFE/VDF”で表す場合がある。
[0090]
実施例1
(1) フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(TFE/VDF=20/80)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させて固形分25wt%の塗料を調製し、その後、当該塗料を孔径3μmのデプスブリーツタイプのフィルターで濾過することにより濾液を得た。
(2) 次に、PETフィルム上にシリコーン離型剤(KS-774、信越シリコーン株式会社製)を塗工した後、乾燥を行うことによって、PETフィルム上にシリコーン系離型層(離型層の層厚:0.5μm)が積層された基材を得た。この際、前記乾燥は、4つのゾーン(1ゾーンあたり2m)の乾燥温度をそれぞれ50℃/80℃/120℃/150℃に設定した乾燥炉において、周速8m/minで行った。
(3) 次いで、前記離型層上に前記濾液をダイコーターで塗布し、さらに乾燥を行うことによって、PETフィルム上にシリコーン系離型層及びフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム(共重合体フィルムの膜厚:25μm)が積層された積層体を得た。この際、前記乾燥は、前記離型剤を塗工した後における乾燥と同じ条件で行った。
(4) その後、前記共重合体フィルムを前記基材から剥がし、金属電極を用いて前記共重合体フィルムを上下から挟み、300kV/cmの条件で直流電圧を室温で5分間印加することにより、前記共重合体フィルムを分極させた。
(5) 次いで、分極化した前記共重合体フィルムを90℃の熱風乾燥機中で5分間熱処理(アニール処理)を行うことにより、実施例1の圧電フィルムを得た。
(6) 実施例1の圧電フィルムの全ヘイズ値を測定した。
(7) その後、実施例1の圧電フィルムにはテンションをかけない状態で、当該圧電フィルムを空気中で100℃24時間加熱した。なお、加熱は、加熱炉を用いて行った。
(8) 前記(7)で加熱した後の圧電フィルムを室温で放置して室温まで冷却した。
(9) 前記(8)で冷却した圧電フィルムの全ヘイズ値を測定した。また、当該100℃で24時間加熱前及び加熱後の全ヘイズ値の測定値を基に、100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率(%)を算出した。なお、全ヘイズ値は、ASTM D1003に基づき、ヘイズガードII(製品名)(東洋精機製作所)を使用した光透過性試験によって得た。
[0091]
実施例2
シリコーン離型剤KS-774に代えて、フッ素系離型剤(ダイフリーGF-500、ダイキン工業株式会社製)を使用する以外は実施例1と同様にして、実施例2の圧電フィルムを得た。なお、PETフィルム上にフッ素系離型剤を塗工及び乾燥を行うことによって得られた基材中のフッ素系離型層の膜厚は0.5μmであった。
[0092]
実施例3
PETフィルムに代えて、PPフィルムを使用する以外は実施例1と同様にして、実施例3の圧電フィルムを得た。
[0093]
実施例4
PETフィルムに代えて、PCフィルムを使用する以外は実施例1と同様にして、実施例4の圧電フィルムを得た。
[0094]
実施例5
PETフィルム上にシリコーン系離型層が積層された基材に代えて、スチールからなる基材を使用する以外は実施例1と同様にして、実施例5の圧電フィルムを得た。
[0095]
実施例6
PETフィルムに代えて、スチールを使用する以外は実施例2と同様にして、実施例6の圧電フィルムを得た。
[0096]
実施例7
PETフィルム上にシリコーン系離型層が積層された基材に代えて、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体フィルム(FEPフィルム、フッ素樹脂)からなる基材を使用する以外は実施例1と同様にして、実施例7の圧電フィルムを得た。
[0097]
比較例1
PETフィルム上にシリコーン系離型層が積層された基材に代えて、PETフィルムからなる基材を使用する以外は実施例1と同様にして、比較例1の圧電フィルムを得た。
[0098]
比較例2
PETフィルム上にシリコーン系離型層が積層された基材に代えて、PPフィルムからなる基材を使用する以外は実施例1と同様にして、比較例2の圧電フィルムを得た。
[0099]
比較例3
PETフィルム上にシリコーン系離型層が積層された基材に代えて、PCフィルムからなる基材を使用する以外は実施例1と同様にして、比較例3の圧電フィルムを得た。
[0100]
上記実施例2〜7及び比較例1〜3の各圧電フィルムに対して、100℃で24時間加熱前及び加熱後の全ヘイズ値を測定し、当該測定値から加熱後の全ヘイズ値変化率を算出した。なお、上記全ヘイズ値の測定方法及び上記全ヘイズ値変化率の算出方法は、上記実施例1と同様である。結果を以下の表に示す。なお、本明細書において、PETはポリエチレンテレフタレート、PPはポリプロピレン、PCはポリカーボネート、FEPはテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体を示す。
[0101]
[Table 1]


[0102]
以上の結果から明らかなように、基材として一般的に使用されているPP、PET、PC、PI等の樹脂製基材を使用する場合、離型層を形成しないと100℃で24時間加熱した後に全ヘイズ値が増大する。

Claims

[1]
全ヘイズ値が4.0%以下であって、
100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率が10%以内である、
圧電フィルム。
[2]
全ヘイズ値が2.0%以下であって、100℃で24時間加熱後の全ヘイズ値変化率が10%以内である、請求項1に記載の圧電フィルム。
[3]
重合体及び溶媒を含む液状組成物を調製する工程A、
前記液状組成物を、オリゴマーを生成しない基材上に流延する工程B、
前記流延された液状組成物中の溶媒を気化させることにより、非分極の重合体フィルムを形成する工程C、
前記非分極の重合体フィルムを分極処理することにより、分極化重合体フィルムを得る工程D、並びに、
前記非分極の又は分極化重合体フィルムを熱処理する工程E、
を含む、請求項1又は2に記載の圧電フィルムの製造方法。
[4]
前記基材が単層からなり、
前記基材がスチール、銅及びアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種で形成されている、請求項3に記載の圧電フィルムの製造方法。
[5]
前記基材が支持材及び離型層を有する複数層からなり、
前記支持材がポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、フッ素樹脂、スチール、銅及びアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種で形成されており、
工程Bにおいて、前記基材の前記離型層上に前記液状組成物を流延する、請求項3に記載の圧電フィルムの製造方法。
[6]
請求項1又は2に記載の圧電フィルム、又は請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法により製造される圧電フィルムを有する、圧電パネル、フィルムコンデンサ、又はエレクトロウエッティングデバイス。
[7]
請求項1又は2に記載の圧電フィルム、又は請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法により製造される圧電フィルムを有する入力装置。
[8]
請求項7に記載の入力装置を有する電子機器。