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1. JP2013075926 - COMPOSITION FOR PREVENTING OCCURRENCE OF CARDIOVASCULAR EVENT IN MULTIPLE RISK PATIENT

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Description

Title of Invention 多重リスク患者の心血管イベント発症予防用組成物 JP 2006152740 20060531

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005  

Disclosure of Invention

Technical Problem

0006  

Technical Solution

0007  

Advantageous Effects

0008  

Brief Description of Drawings

0009  

Description of Embodiments

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029  

Examples

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8    

Drawings

1   2    

Description

多重リスク患者の心血管イベント発症予防用組成物

JP 2006152740 20060531

Technical Field

[0001]
本発明は、少なくともイコサペント酸エチルエステル(以下EPA−Eと略記する)を含有することを特徴とする多重リスク患者の心血管イベント発症を予防(一次予防)する為の組成物に関する。

Background Art

[0002]
食生活の欧米化により糖尿病、高脂血症や高血圧症などの生活習慣病患者が増加している。これらの疾患は最終的に、心筋梗塞、狭心症や脳梗塞など動脈硬化性疾患に至るものがある。生活習慣病の治療は生活習慣の改善、すなわち、食餌療法および運動療法が基本となる。しかしながら、いわゆる生活習慣病の患者群においては、食生活の改善や運動不足の解消は困難であることが多く、予後の好ましからざる状況、例えば、心筋梗塞や脳梗塞の発症を抑えるべく、薬物治療へと移行するのが現状である。
生活習慣病の改善作用を有する化合物の一例として、多価不飽和脂肪酸が知られている。多価不飽和脂肪酸は、分子内に複数の炭素−炭素二重結合を有する脂肪酸と定義され、二重結合の位置により、ω−3系、ω−6系などに分類される。ω−3系の多価不飽和脂肪酸としてはα−リノレン酸、イコサペント酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが、ω−6系の多価不飽和脂肪酸としてはリノール酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸などが知られている。多価不飽和脂肪酸は、天然物由来の成分であり、抗動脈硬化作用、血小板凝集抑制作用、血中脂質低下作用、抗炎症作用、抗癌作用、中枢作用など、多彩な作用を示し、安全性も高いことから各種食品に配合されたり、健康食品あるいは医薬品として市販されている。
[0003]
ω−3系多価不飽和脂肪酸であるEPAのエチルエステル(EPA−E)およびDHAのエチルエステル(DHA−E)の混合物を3.5年間服用することにより、心筋梗塞既往患者の死亡率が減少したとの報告がある(特許文献1参照)。しかしながら、これは、二次予防、すなわち、再発予防に関する結果である。二次予防に有効である薬物が、必ずしも一次予防に有効であるとは限らない。
近年、動物実験の結果や、小規模の臨床所見から、生活習慣病の改善効果を有する各種薬剤が、ヒトにおける動脈硬化性疾患を予防し得るものか確認することを目的として、多くの大規模臨床試験が計画され、実践されている。しかしながら、必ずしも期待通りの結果が得られていないのが現状であり、とりわけ、複数のリスクファクターを合併する場合の心血管イベント発症予防については、暗中模索状態が続いている。
[0004]
高純度EPA−Eはエパデール TMおよびエパデールS TM(持田製薬社製)の商品名で高脂血症治療薬として日本で市販されており、1回600mg、1日3回食直後、(ただし、TGの異常を呈する場合には、その程度により、1回900mg、1日3回まで増量して)経口投与することにより、血清T−Cho濃度を3〜6%、血清TGを14〜20%減少させる(非特許文献1参照)こと、およびこれら作用から高脂血症患者の心血管イベントに対する効果が期待され、大規模臨床試験を実施した結果、HMG−CoA RIとの併用により心イベント抑制効果を有することが2005年のアメリカ心臓病学会年会において発表された。当該大規模臨床試験(JELIS試験)においては、一次予防患者と二次予防患者の合算、および、二次予防患者においては、EPA−Eが統計学的に有意に心イベントを抑制することが確認された。一方、一次予防患者に限った解析においては、EPA−E群(EPA−EおよびHMG−CoA RI併用投与群)のほうが対照群(HMG−CoA RI単独投与群)よりもイベント発症率が低いという結果ではあったものの、統計学的に有意ではなかった。また、当該試験において、試験開始5年次の時点で、LDL−コレステロール値はEPA−E群、対照群とも26%減少したこと、両群間に有意差が認められなかったこと、HDL−コレステロール値の変動は両群とも僅かであったことが記載されている(非特許文献2参照)。また、当該試験において、EPA−E群、対照群とも、総コレステロールおよびLDL−コレステロールを有意に19%および25%低下したこと、トリグリセリドをEPA−E群は有意に9%、対照群は4%低下したこと、および、HDL−CについてはEPA−E群、対照群ともほとんど変化が認められなかったことが記載されている(非特許文献3参照)。なお、複数のリスクファクターを合併する場合の心血管イベント発症予防作用に着目して解析した報告はない。
[0005]
patcit 1 : 国際公開第00/48592号パンフレット(特表2002−537252号公報)
nplcit 1 : 医薬品インタビューフォーム EPA製剤エパデールカプセル300、2002年7月および2004年2月改訂、2004年12月発行第21版、p21−22
nplcit 2 : Medical Tribune、2005年11月17日発行、特別企画第3部、p75−76
nplcit 3 : Lancet、369巻、p1090−1098(2007)

Disclosure of Invention

Technical Problem

[0006]
本発明の目的は、心血管疾患死は依然として主要な死亡原因であり、HMG−CoA RIによる治療を行なっても予防できない心血管イベントが多数存在し問題となっている状況において、これらの心血管イベント発症を予防するための組成物を提供することにある。

Technical Solution

[0007]
本発明者は、上記の課題を解決すべく高コレステロール血症患者の治療について鋭意研究を行ったところ、EPA−Eが多重リスク患者、とりわけ男性患者の心血管イベントの発症を予防する作用を有することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
(1)少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防(一次予防)用組成物であって、当該患者が、
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、および
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
からなる群のリスクファクターの少なくとも一つを合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。
具体的に、
(2)上記患者が上記リスクファクターの二つ以上を合併する高コレステロール血症患者であることを特徴とする、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。
(3)患者が合併するリスクファクターに関し、肥満については、肥満度指数(BMI)25以上;高血圧または高血圧前症については、収縮期血圧(SBP)140mmHg以上または拡張期血圧(DBP)90mmHg以上;糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常については、空腹時血糖(FBS)126mg/dL以上またはヘモグロビンA1c(HbA1c)6.5%以上;高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症については、トリグリセリド(TG)150mg/dL以上および/またはHDL−C40mg/dL未満、で規定される少なくとも一つ以上のリスクファクターを合併する高コレステロール血症患者の心血管イベント発症を予防するための、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。
(4)全脂肪酸およびその誘導体中のEPA−E含量比が96.5質量%以上である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の組成物である。
(5)EPA−E0.3g/日〜6g/日で経口投与することを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の組成物である。
(6)HMG−CoA RIと併用することを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の組成物である。
(7)高コレステロール血症患者が男性である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の組成物である。
(8)高コレステロール血症患者が、高トリグリセリド血症および低HDL−C血症を合併する患者である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の組成物である。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物を投与する、高コレステロール血症患者の心血管イベントの発症を予防する方法。
(10)高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防剤を製造するための上記(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物の用途。

Advantageous Effects

[0008]
上記のような少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、本発明の組成物は、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防に有用である。特に、高コレステロール血症患者でHMG−CoA RIによる治療を行なったにもかかわらず発症する心血管イベント、あるいは特に、
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上をリスクファクターとして合併する高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防効果が期待される。
また、本発明の組成物はHMG−CoA RIと併用することによりその効果は相乗的に増強され、心血管イベント発症予防効果をさらに高めることが期待でき、臨床上有用である。

Brief Description of Drawings

[0009]
[fig. 1] リスクファクターの保有個数が2個以上の男性患者について、心血管イベントの発症率を縦軸に、試験開始後の時間経過を横軸にとり作成したグラフである。
[fig. 2] トリグリセリド(TG)150mg/dL以上およびHDL−C40mg/dL未満をリスクファクターとして共に保有する患者について、心血管イベントの発症率を縦軸に、試験開始後の時間経過を横軸にとり作成したグラフである。

Description of Embodiments

[0010]
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の第一の態様は、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防(一次予防)用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。あるいは、本発明の第一の態様は、少なくともEPA−Eおよび/またはDHA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防(一次予防)用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。
心血管イベントの発症予防、すなわち一次予防であればすべて含まれるが、特に心血管死、致死性心筋梗塞、突然心臓死、非致死性心筋梗塞、心血管再建術、安静狭心症および労作狭心症の新たな発症、狭心症の不安定化の予防が例示される。投与対象は、心血管イベント発症の予防が必要なヒトはすべて含まれるが、特に高コレステロール血症患者が例示される。
[0011]
本発明の第二の態様は、少なくともEPA−Eを含有することを特徴とするHMG−CoA RI治療を行っている高コレステロール血症患者の心血管イベントの発症予防用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。あるいは、本発明の第二の態様は、少なくともEPA−Eおよび/またはDHA−Eを含有することを特徴とするHMG−CoA RI治療を行っている高コレステロール血症患者の心血管イベントの発症予防用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。
[0012]
HMG−CoA RIは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害作用を有する物はすべて含まれるが、医薬投与可能なものが好ましい。具体的には、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンおよびこれらの塩、誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチンあるいはロスバスタチンが更に好ましく、プラバスタチンあるいはシンバスタチンが更に好ましい。塩としては、医薬投与可能なものであればすべて含まれるが、特にナトリウム塩あるいはカルシウム塩、例えば、プラバスタチンナトリウム、フルバスタチンナトリウム、セリバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム、ピタバスタチンカルシウムおよびロスバスタチンカルシウムが好ましい。本明細書においては、特に断らない限り、例えば「プラバスタチン」にはプラバスタチンの塩の態様も含まれる。
[0013]
本発明の第三の態様は、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の二つ以上、すなわち、肥満と高血圧または高血圧前症;肥満と糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常;肥満と高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症;高血圧または高血圧前症と糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常;高血圧または高血圧前症と高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症;糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常と高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症;肥満と高血圧または高血圧前症と糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常;肥満と高血圧または高血圧前症と高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症;肥満と糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常と高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症;高血圧または高血圧前症と糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常と高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症;肥満と高血圧または高血圧前症と糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常と高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。あるいは、本発明の第三の態様は、少なくともEPA−Eおよび/またはDHA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の二つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。
[0014]
本発明の第四の態様は、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症の患者の心血管イベント発症予防用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上、より好ましくは二つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。ここで、高コレステロール血症患者は男性患者であることが好ましい。あるいは、本発明の第四の態様は、少なくともEPA−Eおよび/またはDHA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症の患者の心血管イベント発症予防用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上、より好ましくは二つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。ここで、高コレステロール血症患者は男性患者であることが好ましい。
[0015]
本発明の第五の態様は、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症の患者の心血管イベント発症予防用組成物であって、当該患者が、高トリグリセリド血症および低HDL−C血症、より詳細には、血清トリグリセリド(TG)濃度が150mg/dl以上、かつ、血清HDL−C濃度が40mg/dl未満をそれぞれリスクファクターとして合併する患者、あるいは、血清TG/HDL−比が3.75以上の患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。ここで、高コレステロール血症患者は男性患者であることが好ましい。あるいは、本発明の第五の態様は、少なくともEPA−Eおよび/またはDHA−Eを有効成分として含有する、高コレステロール血症の患者の心血管イベント発症予防用組成物であって、当該患者が、高トリグリセリド血症および低HDL−C血症、より詳細には、血清トリグリセリド(TG)濃度が150mg/dl以上、かつ、血清HDL−C濃度が40mg/dl未満をそれぞれリスクファクターとして合併する患者、あるいは、血清TG/HDL−C比が3.75以上の患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。ここで、高コレステロール血症患者は男性患者であることが好ましい。
[0016]
本発明の第六の態様は、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、投与開始から2年経過以降の多重リスク患者の心血管イベントの発症予防効果に優れる組成物である。あるいは、本発明の第六の態様は、少なくともEPA−Eおよび/またはDHA−Eを有効成分として含有する、投与開始から2年経過以降の多重リスク患者の心血管イベント再発予防効果に優れる組成物である。ここで、高コレステロール血症患者は男性患者であることが好ましい。
[0017]
本発明の第七の態様は、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する組成物を、多重リスク患者に2年以上継続して投与することを特徴とする、心血管イベントの発症を予防する方法である。あるいは、本発明の第七の態様は、少なくともEPA−Eおよび/またはDHA−Eを有効成分として含有する組成物を、多重リスク患者に2年以上継続して投与することを特徴とする、心血管イベントの発症を予防する方法である。ここで、高コレステロール血症患者は男性患者であることが好ましい。
[0018]
本発明の第八の態様は、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、脂質異常症患者の心血管イベント発症予防(一次予防)用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。あるいは、本発明の第八の態様は、少なくともEPA−Eおよび/またはDHA−Eを有効成分として含有する、脂質異常症患者の心血管イベント発症予防(一次予防)用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。
[0019]
本発明の第九の態様は、少なくともEPA−Eを有効成分として含有する、HMG−CoA RIが投与される高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防(一次予防)用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。あるいは、本発明の第九の態様は、少なくともEPA−Eおよび/またはDHA−Eを有効成分として含有する、HMG−CoA RIが投与される高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防(一次予防)用組成物であって、当該患者が、以下のリスクファクター
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
の少なくとも一つ以上を合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物である。
[0020]
本発明の効果が得られれば全脂肪酸中のEPA−E含量比および投与量は特に問わないが、EPA−Eは高純度のもの、例えば、全脂肪酸およびその誘導体中のEPA−E含量比が40質量%以上のものが好ましく、90質量%以上のものが更に好ましく、96.5質量%以上のものが更に好ましい。1日投与量はEPA−Eとして、0.3〜6g/日、好ましくは0.9〜3.6g/日、更に好ましくは1.8〜2.7g/日が例示される。別の好ましい1日投与量として、0.3〜2.7g/日、および、0.3〜1.8g/日が例示される。他に含有されるに好ましい脂肪酸としてはDHA−Eが挙げられる。本発明の効果が得られればEPA−E/DHA−Eの組成比、全脂肪酸中のEPA−EおよびDHA−E(以下、EPA−E+DHA−E)の含量比およびEPA−E+DHA−Eの投与量は特に問わないが、EPA−E+DHA−Eは高純度のもの、例えば、全脂肪酸およびその誘導体中のEPA−E+DHA−E含量比が40質量%以上のものが好ましく、80質量%以上のものが更に好ましく、90質量%以上のものが更に好ましい。1日投与量はEPA−E+DHA−Eとして、0.3〜10g/日、好ましくは0.5〜6g/日、更に好ましくは1〜4g/日が例示される。別の好ましい1日投与量として、0.3〜6g/日、0.3〜4g/日、および0.3〜1g/日が例示される。他の長鎖飽和脂肪酸含量は少ないことが好ましく、長鎖不飽和脂肪酸でもω6系、特にアラキドン酸含量は少ないことが望まれ、2質量%未満が好ましく、1質量%未満が更に好ましい。
[0021]
本発明の組成物は、EPA−Eおよび/またはDHA−Eを含有し、健常人あるいは高脂血症、糖尿病、高血圧等の危険因子を有するヒトに対して経口投与することにより心血管イベントの発症を予防する効果を有している。特に、高コレステロール血症患者でHMG−CoA RIによる治療を行なったにもかかわらず発症する心血管イベントの予防効果を有している。また、本発明の組成物はHMG−CoA RIとの併用効果を有し、併用することでさらに心血管イベントの発症を予防することが可能である。
[0022]
本発明の組成物は、他の薬剤、例えば、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル(clopidogrel)、プラスグレル、シロスタゾールなどの抗血小板薬;ワルファリン、ヘパリン、キシメラガトラン(ximelagatran)などの抗凝固薬;アンジオテンシンII受容体拮抗薬(カンデサルタン、ロサルタン、バルサルタン等)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、カルシウムチャネル拮抗薬(アムロジピン、シルニジピン、等)、α1遮断薬などの高血圧治療薬;αグルコシダーゼ阻害薬(ボグリボース、アカルボース、等)、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジンジオン系薬剤(ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、リボグリタゾン、等)、速効型インスリン分泌促進剤(ミチグリニド、ナテグリニド、等)などの糖尿病用薬または耐糖能異常改善薬;上述のHMG−CoA RI、フィブラート系薬剤、スクアレン合成酵素阻害剤(TAK−475等)、コレステロール吸収阻害剤(エゼチミブ等)、プロブコール、陰イオン交換樹脂、ニコチン酸系薬物、植物ステロール、エラスターゼ、デキストラン硫酸ナトリウムイオウ、パントテン酸、ポリエンホスファチジルコリンなどの抗高脂血症薬、抗動脈硬化薬、などとともに用いることができる。
[0023]
本発明の組成物は魚油あるいは魚油の濃縮物に比べ、飽和脂肪酸やアラキドン酸等の心血管イベントに対して好ましくない不純物が少なく、栄養過多やビタミンA過剰摂取の問題もなく作用効果を発揮することが可能である。また、エステル体のため主にトリグリセリド体である魚油等に比べて酸化安定性が高く、通常の酸化防止剤添加により十分安定な組成物を得ることが可能である。従って、EPA−Eを用いることで、初めて臨床上実用可能な心血管イベント発症予防用の組成物が得られた。
[0024]
本明細書において、「イコサペント酸」の語は、全−シス−5,8,11,14,17−イコサペント酸(all−cis−5,8,11,14,17−icosapentaenoic acid)である。
本明細書において、「高コレステロール血症患者」の語は、血清T−Cho濃度あるいは血清LDL−Cho濃度が増加した患者である。狭義には、高コレステロール血症(血清T−Cho濃度が約220mg/dl以上、更に狭義には250mg/dl以上)あるいは高LDL−Cho血症(血清LDL−Cho濃度が140mg/dl以上)患者を指す。
本明細書において、「脂質異常症」の語は、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版(日本動脈硬化学会編集・発行)における診断基準に従い、高LDLコレステロール血症、すなわち、空腹時採血による血清中LDLコレステロール値が140mg/dL以上、低HDLコレステロール血症、すなわち、空腹時採血による血清中HDLコレステロール値が40mg/dL未満、および高トリグリセライド(トリグリセリドと同義、以下同)血症、すなわち、空腹時採血による血清中トリグリセライド値が150mg/dL以上、の少なくとも一つに該当する状態を意味する。
本明細書におけるリスクファクターにおいて、肥満(または肥満症)とは、身体に脂肪が過剰に蓄積した状態を意味する。例えば、肥満度指数(BMI)25以上、ウエスト周囲径が男性で85cm以上、女性で90cm以上、等が肥満判定の基準として例示されるがこれらに限定されない。高血圧(または高血圧症)とは、大循環系の安静時動脈圧が異常に上昇した状態を意味する。例えば、本願出願時の日本高血圧学会の基準では、収縮期血圧(SBP)140mmHg以上、または、拡張期血圧(DBP)90mmHg以上が高血圧と定義されるがこれに限定されない。高血圧前症とは、血圧が、正常血圧(または至適血圧)と、高血圧症の中間に位置する状態を意味し、正常高値血圧や、境界域高血圧と言う場合もある。上記基準においては、例えば、収縮期血圧(SBP)120〜139mmHg、または、拡張期血圧(DBP)80〜89mmHgの領域に含まれる場合が例示されるがこれに限定されない。本明細書において「高血圧または高血圧前症」は、収縮期血圧(SBP)120mmHg以上または拡張期血圧(DBP)80mmHg以上、より狭義には、収縮期血圧(SBP)135mmHg以上または拡張期血圧(DBP)85mmHg以上、さらに狭義には、収縮期血圧(SBP)140mmHg以上または拡張期血圧(DBP)90mmHg以上を意味する。糖尿病とは、膵のインスリン産生細胞(β細胞)のインスリン分泌不全ないしインスリンの標的細胞での作用不全の結果生じる糖代謝異常を意味する。例えば、本願出願時の日本糖尿病学会の基準では、1)空腹時血糖126mg/dL以上、2)75g糖負荷試験2時間値200mg/dL以上、または3)随時血糖値200mg/dL以上のいずれか一項目を満たす場合、あるいは、ヘモグロビンA1c(HbA1c)6.5%以上、等が例示されるがこれらに限定されない。プレ糖尿病とは、血糖値が、正常値と糖尿病の中間に位置する状態を意味する。また、耐糖能異常とは、糖負荷試験において、血糖値が、正常値と糖尿病の中間に位置する状態を意味する。これらは、境界型糖尿病、糖尿病前症、糖尿病予備軍と言う場合もある。上記基準においては、例えば、空腹時血糖110〜125mg/dL、75g糖負荷試験2時間値140〜199mg/dL、ヘモグロビンA1c(HbA1c)5.6〜6.4%、等が例示されるがこれらに限定されない。本明細書において「糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常」は、空腹時血糖(FBS)110mg/dL以上またはヘモグロビンA1c(HbA1c)5.6%以上、より狭義には、空腹時血糖(FBS)110mg/dL以上またはヘモグロビンA1c(HbA1c)5.9%以上、さらに狭義には、空腹時血糖(FBS)126mg/dL以上またはヘモグロビンA1c(HbA1c)6.5%以上を意味する。高トリグリセリド血症は、血清トリグリセリド(TG)濃度が増加した状態を意味する。狭義には、血清TG濃度が150mg/dL以上を意味する。低HDL−C血症は、血清HDL−C濃度が低下した状態を意味する。狭義には、血清HDL−C濃度が40mg/dL未満を意味する。本明細書において、「高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症」は、血清TG濃度が150mg/dL以上および/または血清HDL−C濃度が40mg/dL未満の状態を意味する。高トリグリセリド血症および低HDL−C血症は、いずれも、脂質代謝異常の範疇に含まれる疾患概念であり、独立したリスクファクターであるが、両者が併存することにより、動脈硬化性疾患発症の危険度がより高まることが知られている。なお、本明細書においては、「高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症」を一つのリスクファクターとして扱う。
[0025]
本明細書において、「EPA−EとHMG−CoA RIとの併用」の語は、EPA−EとHMG−CoA RIとを同時に投与する態様と、別々に投与する態様が含まれる。同時に投与される場合、配合剤とすることも2剤とすることもできる。別々に投与される場合、EPA−EをHMG−CoA RIより先に投与することも後に投与することもできる。また、EPA−EとHMG−CoA RIの投与量および投与比率は任意に設定することができる。
本明細書において、「EPA−Eおよび/またはDHA−EとHMG−CoA RIとの併用」の語は、EPA−Eおよび/またはDHA−EとHMG−CoA RIとを同時に投与する態様と、別々に投与する態様が含まれる。同時に投与される場合、配合剤とすることも2剤とすることもできる。別々に投与される場合、EPA−Eおよび/またはDHA−EをHMG−CoA RIより先に投与することも後に投与することもできる。また、EPA−Eおよび/またはDHA−EとHMG−CoA RIの投与量および投与比率は任意に設定することができる。
[0026]
本発明の組成物は、単独投与で心血管イベントの発症予防作用を有し、特にHMG−CoA RI単独投与では予防できない心血管イベントの発症予防効果が期待される。また、EPA−Eは、血清T−Cho濃度および血清TG低下作用のほかに、アラキドン酸カスケード阻害に基づく血小板凝集抑制作用等のHMG−CoA RIとは異なる薬理作用を有しており、HMG−CoA RIとの併用投与で上記効果を発揮させることもできる。
EPA−EおよびDHA−Eは高度に不飽和であるため、抗酸化剤たとえばブチレート化ヒドロキシトルエン、ブレチート化ヒドロキシアニソール、プロピルガレート、没食子酸、医薬として許容されうるキノンおよびα−トコフェロールを有効量含有させることが望ましい。
[0027]
製剤の剤形としては、錠剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、経口用液体製剤、シロップ剤、ゼリー剤の形で、経口で患者に投与されるが、とりわけカプセルたとえば、軟質カプセルやマイクロカプセルに封入しての経口投与が好ましい。
なお、高純度EPA−E含有軟カプセル剤であるエパデール TMおよびエパデールS TMは副作用の発現が少ない安全な閉塞性動脈硬化症および高脂血症治療薬として既に日本で市販されており、全脂肪酸中のEPA−E含量比は96.5質量%以上である。また、EPA−Eを約46質量%およびDHA−Eを約38質量%含有する軟質カプセル剤(オマコール、Omacor TM(ロスプロダクツ社、Ross Products;リライアント社、Reliant;プロノバ社、Pronova))が高TG血症治療薬等の適応で既にアメリカ、欧州等で市販されている。これらを入手して使用することもできる。
[0028]
本発明の心血管イベント発症予防用組成物の投与量および投与期間は対象となる作用を現すのに十分な量および期間とされるが、その剤形、投与方法、1日当たりの投与回数、症状の程度、体重、年齢等によって適宜増減することができる。経口投与する場合はEPA−Eとして0.3〜6g/日、好ましくは0.9〜3.6g/日、更に好ましくは1.8〜2.7g/日を3回に分けて投与するが、必要に応じて全量を1回あるいは数回に分けて投与してもよい。投与時間は食中ないし食後が好ましく、食直後(30分以内)投与が更に好ましい。上記投与量を経口投与する場合、投与期間は1年以上、好ましくは2年以上、更に好ましくは3年以上、とりわけ好ましくは5年以上であるが、心血管イベントの発症の危険度が高い状態が続いている間は投与を継続することが望ましい。場合により1日〜3ヵ月程度、好ましくは1週間〜1ヵ月程度の休薬期間を設けることもできる。
[0029]
HMG−CoA RIの投与量はその薬剤の用法・用量の範囲内が好ましいが、その種類、剤形、投与方法、1日当たりの投与回数、症状の程度、体重、性別、年齢等によって適宜増減することができる。経口投与する場合は0.05〜200mg/日、好ましくは0.1〜100mg/日を1回または2回に分けて投与するが、必要に応じて全量を数回に分けて投与してもよい。また、EPA−Eの投与量に応じて減量することも可能である。
なお、プラバスタチンナトリウム(メバロチン TM錠・細粒(第一三共))、シンバスタチン(リポバス TM錠(萬有製薬))、フルバスタチンナトリウム(ローコール TM錠(ノバルティスファーマおよび田辺製薬))、アトルバスタチンカルシウム水和物(リピトール TM錠(アステラス製薬およびファイザー製薬))、ピタバスタチンカルシウム(リバロ TM錠(興和および第一三共))、およびロスバスタチンカルシウム(クレストール TM錠(アストラゼネカおよび塩野義製薬))は高脂血症治療薬として既に日本で市販されており、また、ロバスタチン(メバコール TM錠(メルク))は高脂血症治療薬として既にアメリカで市販されており、これらを入手してそれぞれの用法に従って投与することができる。
なお、好ましい一日用量は、プラバスタチンナトリウムでは5〜60mg、好ましくは10〜20mg、シンバスタチンでは2.5〜60mg、好ましくは5〜20mg、フルバスタチンナトリウムでは10〜180mg、好ましくは20〜60mg、アトルバスタチンカルシウム水和物では5〜120mg、好ましくは10〜40mg、ピタバスタチンカルシウムでは0.5〜12mg、好ましくは1〜4mg、ロスバスタチンカルシウムでは1.25〜60mg、好ましくは2.5〜20mg、ロバスタチンでは5〜160mg、好ましくは10〜80mg、セリバスタチンナトリウムでは0.075〜0.9mg、好ましくは0.15〜0.3mgがそれぞれ例示されるが、これらに限定されない。
Examples
[0030]
以下に、本発明組成物の効果を実施例をもって示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0031]
実施例1(EPA−Eの多重リスク患者に対する心血管イベント発症予防作用)
試験方法
本試験は、2005年のアメリカ心臓病学会年会において発表された高純度EPA製剤に関する大規模臨床試験であるJELIS(Japan EPA Lipid Intervention Study)で得られた結果の一部を解析して得られたものである(JELISの概要についてはMedical Tribune、2005年11月17日発行、特別企画第3部、p75−76参照)。
すなわち、JELIS試験の対象患者18,645例(EPA−E群(9,326例)と対照群(9,319例))のうち、一次予防効果について検討したEPA−E群7503名、対照群7478名、について、投与開始から5年間の心血管イベント発症の有無を、登録時のリスクファクター、すなわち、
(1)肥満については、肥満度指数(BMI)25以上;
(2)高血圧または高血圧前症については、収縮期血圧(SBP)140mmHg以上または拡張期血圧(DBP)90mmHg以上;
(3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常については、空腹時血糖(FBS)126mg/dL以上またはヘモグロビンA1c(HbA1c)6.5%以上;
(4)高トリグリセリド血症または低HDL−C血症については、トリグリセリド(TG)150mg/dL以上またはHDL−C40mg/dL未満、で規定されるリスクファクターの保有個数毎に観察し、解析した。EPA−E群は、エパデール(持田製薬)を、通常、成人1回600mgを1日3回毎食直後に経口投与した。ただし、血清TGの異常を呈する場合は、その程度により1回900mg、1日3回まで増量できることとした。また、両群ともベース薬として、プラバスタチンナトリウム(メバロチン TM錠・細粒(第一三共))、シンバスタチン(リポバス TM錠(萬有製薬))あるいはアトルバスタチンカルシウム水和物(リピトール TM錠(アステラス製薬およびファイザー製薬))等を使用し、それぞれ定められた用法・用量の範囲、すなわち、プラバスタチンナトリウムについては1日10〜20mgを1回または2回に分け、シンバスタチンについては1日1回5〜20mgを、アトルバスタチンカルシウム水和物については1日1回10〜40mgを、それぞれ経口投与した。
[0032]
結果
リスクファクター保有個数毎の、観察期間5年における心血管イベントの発症例数、発症率(%)およびEPA−E群の対照群に対する心血管イベントの発症率の抑制率の集計結果を表1に示す。心血管イベントの発症率の抑制率は{(対照群の発症率−EPA−E群の発症率)/対照群の発症率}×100の計算式でそれぞれ算出した。
[0033]
[Table 1]


[0034]
リスクファクターの保有個数が増加するにつれて、心血管イベントの発症率の増加が認められた。対照群では、リスクファクター0の発症率1.1%に対し、同、リスクファクター4では発症率4.2であるのに対し、EPA−E群では、リスクファクター0の発症率0.8%、同、リスクファクター4で発症率2.5であった。表1から明らかなように、リスクファクターを1〜4個保有する各群のすべてにおいて、EPA−E投与群の心血管イベント発症率が低く、対照群に対し、心血管イベントが5〜40%抑制された。すなわち、EPA−E投与による、リスクファクターを有する高コレステロール血症患者の心血管イベントの発症予防効果が確認された。
また、上記試験結果から、リスクファクターの保有個数が2個以上の男性患者について、観察期間5年における心血管イベントの発症例数、発症率(%)およびEPA−E群の対照群に対する心血管イベントの発症率の抑制率の集計結果を表2に示す(算出方法は上記に同じ)。
[0035]
[Table 2]


また、心血管イベントの発症率を縦軸に、試験開始後の時間経過を横軸にとり作成したグラフを図1に示す。
[0036]
表2および図1から明らかなように、リスクファクターの保有個数が2個以上の男性患者において、EPA−Eは心血管イベントの発症を顕著に抑制した。特に、投与開始から2年経過以降において、心血管イベント発症率の減少が著しいことが確認された。試験終了時点での、対照群と比較した心血管イベント発症抑制率は56%(群間のばらつきを補正した後の値は55%;図1中に記載)であった。
[0037]
同様に、上記試験結果から、トリグリセリド(TG)150mg/dL以上およびHDL−C40mg/dL未満をリスクファクターとして共に保有する患者について、観察期間5年における心血管イベントの発症例数、発症率(%)およびEPA−E群の対照群に対する心血管イベントの発症率の抑制率の集計結果を表3に示す(算出方法は上記に同じ)。
[0038]
[Table 3]


また、心血管イベントの発症率を縦軸に、試験開始後の時間経過を横軸にとり作成したグラフを図2に示す。
[0039]
表3および図2から明らかなように、トリグリセリド(TG)150mg/dL以上およびHDL−C40mg/dL未満をリスクファクターとして共に保有する患者において、EPA−Eは心血管イベントの発症を顕著に抑制した。特に、投与開始から2年経過以降において、心血管イベント発症率の減少が著しいことが確認された。試験終了時点での、対照群と比較した心血管イベント発症抑制率は48%(群間のばらつきを補正した後の値は53%;図2中に記載)であった。このことは、EPA−Eを有効成分として含有する組成物は、血清TG/HDL−C比が3.75以上の患者における心血管イベント発症を有効に抑制することを示唆している。なお、対照群で発症したイベントが致死性心筋梗塞、非致死性心筋梗塞、狭心症の新たな発症および心血管再建術であったのに対し、EPA−E群のそれは非致死性心筋梗塞および狭心症の新たな発症のいずれかであり、EPA−E群において致死性のイベントの発症は認められなかった。
また、トリグリセリド150mg/dL以上をリスクファクターとして保有する患者群においては、EPA−E群は対照群に比し心血管イベントの発症を15%抑制し、HDL−C40mg/dL未満をリスクファクターとして保有する患者群においては、EPA−E群は対照群に比し心血管イベントの発症を35%抑制した(いずれも未補正値)。
以上より、リスクファクターを有する高コレステロール血症患者においてEPA−E投与による著明な心血管イベント発症予防効果が確認された。

Claims

[1]
イコサペント酸エチルエステルを有効成分として含有する、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物であって、当該患者が、
1)肥満、
2)高血圧または高血圧前症、
3)糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常、および、
4)高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症、
からなる群のリスクファクターの少なくとも一つを合併する患者であることを特徴とする、高コレステロール血症患者の心血管イベント発症予防用組成物。
[2]
前記高コレステロール血症患者が、前記リスクファクターの二つ以上を合併する患者であることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
[3]
肥満が、肥満度指数(BMI)25以上;高血圧または高血圧前症が、収縮期血圧(SBP)140mmHg以上または拡張期血圧(DBP)90mmHg以上;糖尿病、プレ糖尿病または耐糖能異常が、空腹時血糖(FBS)126mg/dL以上またはヘモグロビンA1c(HbA1c)6.5%以上;高トリグリセリド血症および/または低HDL−C血症が、トリグリセリド(TG)150mg/dL以上および/またはHDL−C40mg/dL未満、で規定される、請求項1または2記載の組成物。
[4]
全脂肪酸およびその誘導体中のイコサペント酸エチルエステル含量比が96.5質量%以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
[5]
イコサペント酸エチルエステル0.3g/日〜6g/日で経口投与することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
[6]
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤と併用することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
[7]
前記高コレステロール血症患者が男性であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
[8]
前記高コレステロール血症患者が、高トリグリセリド血症および低HDL−C血症を合併する患者であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]