Description
Technical Field
[0001]
本発明は、経絡を刺激して衛気を涵養する治療器に関し、特に所望の経絡のみを刺激する治療器に関する。
Background Art
[0002]
本発明に関する現時点での技術水準をより十分に説明する目的で、本願で引用され或いは特定される特許、特許出願、特許公報、科学論文等の全てを、ここに、参照することでそれらの全ての説明を組入れる。
[0003]
衛気学説は『黄帝内経』によって創案され、“天人合一”すなわち、“人と自然界とは相応しており、密接な関係がある”という思想を基礎に作り上げられた重要な理論である。その要旨は、人はどのようにして一年四気の気候変化に適応して生存するか、どのようにして体温の恒常性を保っているか、どのようにして気候異常による外来の六淫邪気の侵襲に抵抗しているか、どのようにして自然界の昼夜のリズムと同調しバイオリズムを調節しているかなどにある。すなわち衛気学説は外界環境との協調統一といった、整体の調節理論である。
[0004]
衛気は先天の下焦の腎の元気を来源とし、後天脾胃の水穀の悍気により栄養され、肺の宣布作用によって体表皮毛に到達する。これにより“分肉を温め、皮膚を充たし、膜理を肥やし、開合を司る”といった一連の生理機能を発揮することができる。
[0005]
『霊枢・営衛生会篇』では「営は中焦より出、衛は上焦より出る」、また「人は気を穀に受け、穀は胃に入り、以て肺に伝え五臓六腑、皆以て気を受く」と記載される。『素問・痺論』では「衛は水穀の悍気なり……腹膜を薫じ、胸腹に散ず」と記載される。『内経』のこれらの論述から、衛気の来源は下焦の腎の気(すなわち真気)にあり、中焦脾胃が化生した水穀の悍気によって栄養が充実され、上焦に上行して肺の宣散や調節・制御を受けることにより“五臓六腑は皆気を受ける”ことができる。このようなことから“衛気は下焦より生じて、中焦により滋生され、肺により総合統括される”と言われる。
[0006]
また、『黄帝内経』では営衛の循行形式には二種類あることを提示されている。
[0007]
一つは、営は脈中を循り、衛は脈外を循り、衛気は営気に伴って十二経脈を運行しており、陰(営)陽(衛)は相貫いて環のように端が無く、五十周してもとの手の太陰肺経にもどるというものである。
[0008]
二つ目は、衛気は独自に循行し、昼は陽経を二十五周循り、夜は陰経を二十五周巡り、昼夜を分けるというものである。
[0009]
『霊枢・本臓』では「衛気なる者は、分肉を温め、皮膚を充たし、
理を肥やし、開合司るゆえんの者なり」と記載されている。また、『霊枢・禁服篇』では「審らかに衛気を察し、百病治療の母となす」と述べられている。さらに『霊枢・営衛生会篇』では「衛は脈外に在り、営周して休まず、衛気は、陰を行くこと二十五度、陽を行くこと二十五度、分かちて昼夜を為す。故に陽気至りて起り、陰に至て止まる」と記載されている。
[0010]
以上の『黄帝内経』の衛気の機能に関する論述を総合すると、衛気の主要な機能は、次のような生体が外界気候環境と関係する致病要因(病邪)に対する抵抗能力および生体の内環境を安定維持させる調節能力を示している。すなわち、第一に衛外固表、抗御外邪などの防御機能(免疫機能)である。第二がエネルギー代謝・体温調節機能(自律神経・内分泌機能)である。第三が昼夜の周期リズムの調節機能(自律神経・内分泌機能)である。従って衛気の働きは、実質上現代医学でいうストレス反応システム中でも免疫調整機能と類似するものである。
[0011]
一方、五臓六腑に心包という臓器が加わって12の代表臓腑があるが、それぞれに関連する12の経脈が手足末端まで縦に支配している。その一部を図7に示し肺の経脈は臍とみぞおちの真ん中から起こり、下って大腸をまとい反転上向して横隔膜を貫いて肺に所属し、さらに上向して気管を巡り、左右に分かれて腋の下から上腕・前腕の前面を下って拇指端で終わる。途中、手首から枝脈出て人差し指の先端で大腸経に交わる。大腸経は、人差し指端から前腕・上腕の外側を上向して肩から鎖骨上部で体内に入り肺をまとい大腸に所属する。鎖骨上部から枝脈が出て首から頬・下歯を通って鼻の下で左右が交差し、鼻の脇で終わる。ここから胃経に繋がって下降し、脾胃等を巡り足先までの臓腑と、手足の連絡路となる。
[0012]
この他に横の連絡路として15絡脈、経脈・絡脈から溢れ出た衛気営血を処理する奇経等の路線があり、これらを総称して経絡と呼び、それぞれが密接な連絡を取り合っている。
[0013]
この経絡を衛気営血が流れ、全身の栄養や外邪からの防御、機能的アンバランス時の調整等の役割を果たしている。
[0014]
病気になると経絡を流れる衛気営血の乱れを生じるので、経絡上に配置されている「つぼ」を使ってその乱れを整えるのが鍼灸治療等に相当する。従来の鍼灸治療では、高温や針による刺激が用いられるが、いずれも「つぼ」である経穴を対象としている。
[0015]
これに対して、既に経穴を電気的に刺激する装置としては、例えば特許文献1において提案がなされている。すなわち、低周波発生器によりパルス電流を人体のつぼに供給して、電気的刺激を加える装置であって、発生器の出力端にリード線を介して接続した出力端子と、人体に接着テープ等により固定される接触電極とを磁力によって接続すると共に、装置ケーシングの背面に、耳穴に挿入保持しうる略きのこ型の装着部を突設する。このため、人体のあらゆる部分の他のつぼを容易かつ同時に複数箇所刺激でき、しかも、人体への接触電極の装着保持が容易であり、出力端子の接続も至極簡単で、取扱が容易である。
[0016]
また、特許文献2では、遠赤外線を放射するセラミックスを、経穴にあて、該遠赤外線が経穴を通して経路に働きかけることによって経穴、経路治療システムが働くように構成されている。
[0017]
patcit 1 : 特開平9−28812号公報
patcit 2 : 特開2001−54552号公報
Disclosure of Invention
Technical Problem
[0018]
しかし、衛気は経穴1点を通るのではなく経絡全体を流れるものであるから、より効果的に刺激するには、経穴1点に限定するのではなく、経絡全体を刺激することで衛気の流れ全体改善することができる。
[0019]
また、経穴は特定の1点に限定されるため、経穴を刺激する際に正確な位置の把握が困難である。このため、必ずしも適切な位置を刺激できない場合も生じている。この場合は正しい治療が行なえない場合も生じている。
[0020]
そこで、本発明の目的は、経穴1点を刺激するのではなく経絡全体に亘って刺激して、特に複数の経絡を特定して各経絡別に刺激が可能であり、また、経穴の位置や経絡の正確な位置を特定することなく刺激することが可能な治療器を提供することにある。
Technical Solution
[0021]
本発明の主旨の第1の側面は、低周波信号発生手段と、前記低周波信号発生手段に接続されて経絡に適合する周波数を選択する経絡周波数選択手段と、前記低周波信号発生手段の発生した信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段に接続される電極と、前記電極を固定するために環状に固定可能な帯部とを備えて、経絡の刺激に適合する周波数を選択して印加する。
[0022]
また電極は、帯部に設けた開口部を貫通する凸部からなり、この凸部と凹部の間に帯部を挿入し、凸部の頂部に導電剤が塗布されることを特徴とする。
[0023]
さらに、低周波信号発生手段は、PWM波を生成するPWM波生成回路とPWM波の低周波成分を濾波するローパスフィルタ回路と濾波されたPWM信号を変換するVCO回路とから構成されて三角波を生成することを特徴とする。
[0024]
次に、増幅手段は、三角波正弦波変換回路と振幅減衰回路から構成されて三角波を正弦波に変換してから減衰させることで経絡刺激信号を生成することを特徴とする。
Advantageous Effects
[0025]
本発明は上記のように低周波信号発生手段と、前記低周波信号発生手段に接続されて経絡に適合する周波数を選択する経絡周波数選択手段と、前記低周波信号発生手段の発生した信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段に接続される電極と、前記電極を固定するために環状に固定可能な帯部とを備えて、経絡の刺激に適合する周波数を選択して印加することで経穴1点を刺激するのではなく経絡全体に亘って刺激して、特に複数の経絡を特定して各経絡別に刺激が可能であり、また、経穴の位置や経絡の正確な位置を特定することなく刺激することが可能である。また、経絡を賦活することにより、衛気が養われ身体の諸機能を活生化させ、免疫機能を賦活させることにより、加齢による老化を防止することもできる。
Brief Description of Drawings
[0026]
[fig. 1] 本発明に係る治療器のブロックダイヤグラムである。
[fig. 2] 本発明に係る治療器の概略構成図である。
[fig. 3] 本発明に係る治療器の概略構成図である。
[fig. 4] 本発明に係る治療器の電極を装着する帯体の(a)接触部の構成図と(b)表面の構成図である。
[fig. 5] 本発明に係る治療器の電極を装着する帯体を装着させるために平面ファスナを装着した構成図である。
[fig. 6] 本発明に係る治療器を被治療者に装着した配置図である。
[fig. 7] 人体における経絡の位置を示す経絡図である。
[fig. 8] 本発明に係る第2の実施例における治療器のブロックダイヤグラムである。
[fig. 9] 本発明に係る第2の実施例における治療器の概略構成図である。
Best Mode for Carrying out the Invention
[0027]
以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明する。
(実施の形態1)
本発明に係る実施の形態1における治療器2のブロックダイヤグラムを図1に、治療器の概略構成図の正面図を図2に示し、前記治療器の概略構成図の前側面図(a)と後側面図(b)を図3に示す。本実施例は、特定の経絡に正弦波刺激を印加する装置である。
[0028]
治療器2は、経絡個別周波数切替手段4で設定された特定の経絡に適した周波数の信号を、可変周波数発生手段6で生成し、その生成した信号を可変周波数発生手段6と接続される増幅手段8で電気的に増幅して、増幅した信号を特定の電極12に伝達し、前記電極12はネジ部34に印加する。可変周波数発生手段6はさらに中央演算素子等からなる制御手段10と接続されて信号を発生させる時間を表示手段14に表示させる。また、全ての手段は、電源16と接続され、電源16には電源スイッチ18とヒューズボックス20と電源コネクタ22とアース端子48とが接続される。
[0029]
経絡個別周波数切替手段4は、図1においてスイッチSW24a〜24fである。このスイッチは各経穴に対応するスイッチ24d〜24fを14個設けて、特定の経穴を定めることができるように配置並びに接続される。なお、図面では14個全てのスイッチを記載せずにスイッチ24d〜24fに代表して記載させている。また、図面上で太線は複数の導線を纏めて記載したものである。
[0030]
経絡個別周波数切替手段4における経絡とは、具体的に経絡1−A、1−B〜7−Bに亘る14種類の経絡に対応する周波数一欄を表1に示す。ここで、肺経の経絡番号は1−A、大腸経の経絡番号は1−B、胃経の経絡番号は2−A、脾経の経絡番号は2−B、心経の経絡番号は3−A、小腸経の経絡番号は3−B、膀胱経の経絡番号は4−A、腎経の経絡番号は4−B、心包経の経絡番号は5−A、三焦経の経絡番号は5−B、胆経の経絡番号は6−A、肝経の経絡番号は6−B、督脈の経絡番号は7−A、任脈の経絡番号は7−Bである。なお、特に表1において最も効果の高い周波数を記載したが、更に数値を100倍した周波数と100分の1にした周波数についても各経絡に対して効果的な刺激を印加していることが判明している。
[0031]
[Table 1]
[0032]
其々の周波数の正弦波に対して、特定の経絡のみが反応するため、例え周波数を混合させても他の経絡には影響を与えないが混合させた場合複数の高調波も発生するため他の周波数による影響が生じる場合もある。このため、上記の周波数の信号を単独で使用することが好ましい。
[0033]
また、経絡個別周波数切替手段4として信号を開始するスイッチ24aと、信号を一時停止させる一時停止スイッチ24bと、信号を停止させる停止スイッチ24cもまた設けられる。
[0034]
続いて、可変周波数発生手段6は、制御手段10でありPWM信号を生成する中央演算素子CPU26の信号発生部28と、生成したPWM信号をDC出力に変調するローパスフィルタ30と、DC電圧によって特定の周波数の三角波信号を生成するVCO32からなる。
[0035]
中央演算素子CPU26は、経路を刺激するための各種ソフトウエア処理に必要なプログラムを記憶した読み出し専用メモリ(ROM)34、信号発生時間を計時するタイマ36、信号をPWM信号として出力する信号発生部28と、演算処理部を主体として構成されている。
[0036]
専用メモリ(ROM)34は、さらに14の経穴に印加する信号を生成するための14の三角波を生成するためのPWM信号の最小単位の波形が記録される。
[0037]
さらに、増幅手段8は三角波信号をSIN波に変換して経絡刺激信号に増幅する機能を持ち、三角波SIN波変換器36と、可変抵抗38と、可変抵抗38を通過した信号を減衰させる減衰器40とから構成される。
[0038]
三角波SIN波変換器36は、三角波を入力してその周波数を変えることなく正弦波(SIN波)に変換する装置である。例えば、三角波SIN波変換器36としては周知のオペアンプ積分回路とウィーンブリッジ型発振回路とを結合させることで容易に実現できる。さらに、三角波SIN波変換器36の出力は可変抵抗VR38に接続される。
[0039]
可変抵抗VR38は、回転角度によって抵抗値が変化する回転型、スライダの位置を変化させることで抵抗が変化するスライド型、抵抗値を微調整可能なポテンショメータ型、また素材として、炭素被膜や、サーメット等の金属被膜や、巻線からなるもののいずれであってもよい。さらに、ボタンによって電子的に抵抗を変化させるデジタル形を採用することは設計変更の範囲内である。
[0040]
減衰器40は、固定抵抗をπ形またはT型に接続して構成される。抵抗値は予め定まっている場合は、固定値とするが必要に応じて複数組の抵抗列を並列に接続させておきロータリースイッチで選択可能に接続することで減衰度の調整が可能となる。
[0041]
電極12は、少なくとも2つ設けられて減衰器40に接続される。
[0042]
タイマ36を制御するのがサムロータリスイッチ44である。本実施例ではサムロータリスイッチ44がCPU26と接続される。サムロータリスイッチ44は、ステップ時間である一桁の数値をCPUに2進法で入力するよう構成される。
[0043]
タイマ36は、サムロータリスイッチ44が指定したステップ時間からカウントダウンして残時間を中央演算素子CPU26に送信する。中央演算素子CPU26は、残時間が0でない場合は、PWM信号の生成を継続する。また、残時間情報を随時7セグメントLED46を駆動するLEDドライバに残時間情報を送信する。
[0044]
さらに、表示手段14として、中央演算素子CPU26に3桁分の7セグメントLED46が図示しないLEDドライバを介して接続される。タイマ36で生成される残時間情報を前記LEDドライバが受信して、7セグメントLED46の各LED向けの駆動信号を生成する。7セグメントLED46は、残時間をデジタル数値として発光表示する。
[0045]
なお、図3に示されるように本体側面には信号出力用の同軸レセプタクルが2個設けられる。一方、本体裏側側面には、電源スイッチ18と、電源コネクタ22と、ヒューズボックス20と、アース端子23が突設される。
[0046]
電極12は、さらに図4(a),(b)並びに図5に示す。図4(a)は、電極12の生体への接触面を示し、図4(b)は(a)の背面を示す。
[0047]
電極12は頭部50が凸形状であり、頭部と凸部に嵌合される凹部52が設けられる。ゴム素材が織り込まれた布帯54の中心に開口部を設け、その開口部に電極12が挿入されて、凹部52と頭部50に布帯54を挿んで固定する。布帯54の電極12の側面に面ファスナ56を縫着する。布帯54の電極12の裏側面に先の素材の背面が縫着される。
[0048]
一方、布帯54の中央に前記凹部52が挿入され、その凸部58に凹部52が係り止めされて布帯54に固定される。
[0049]
この布帯54は凸部58が外側へ突設するように手首または足首等に巻き付けて、面ファスナ56を布帯54に圧着させて固定する。また、頭部50の表面には導電性のペーストを塗布する。塗布によって電極12と腕との接触抵抗を低下させる。
[0050]
本発明の作用について図1乃至7を用いて説明する。
[0051]
まず、電極12を備えた一組の布帯54を被治療者の身体の一方の手の手首及び同一側の足の足首に装着する(図6)。ここで、布帯54に装着した電極の頭部50に導電性のペーストを塗布して、被治療者の皮膚に接触するように配置する。布帯54は面ファスナ56を布帯54に圧着させて固定する。
[0052]
電源スイッチ18によって電源が投入されると電源16より、可変周波数発生手段6と増幅手段8と制御手段10と表示手段14とに電源が供給される。
[0053]
続いてスイッチ24である経絡選択スイッチとタイマ選択スイッチと信号発生スイッチにおいて刺激対象となる経絡が例えば胃経(2−A)であり、ステップ時間が5分である場合、スイッチ24d〜24fにおいて、(2−A)スイッチが選択される。さらに、サムロータリスイッチ44で+ボタンが選択されて数字5が表示されるように押される。この状態でスイッチ24aが選択されると、中央演算素子CPU26によってタイマ36が動作し5分を計時始める。タイマ36の減算が開始されて、残時間が7セグメントLED46に表示される。
[0054]
続いて、中央演算素子CPU26は専用メモリ(ROM)34から(2−A)に対応する20×1KHzの周波数の信号波形を意味するPWM波形を読み出して信号発生部28でデジタル波形を生成させてローパスフィルタ30へ送出する。ローパスフィルタ30は高周波成分をフィルタリングしてVCO32へ送出する。
[0055]
VCO32は、中央演算素子CPU26が生成してローパスフィルタ30を通過した信号波から三角波を生成する。
[0056]
三角波SIN波変換器36は、この三角波を正弦波に変換する。この正弦波を可変抵抗38と減衰器40によって適正な電流または電圧の信号に減衰させる。減衰された信号波は電極12に印加される。この電極から被治験者の手首から足首に印加されることで、経絡2−Aに対してのみ作用させることができる。
[0057]
以上のように構成することで任意の経絡に適切な強度周波数の信号を適切な時間間隔で容易に印加可能である。
[0058]
信号生成中に一時停止スイッチ24bが選択されると、残時間が表示された状態で停止するとともに信号生成も停止する。
[0059]
一方、停止スイッチ24cが選択された場合は、信号が停止されるとともに7セグメントLED46表示がリセットされる。
[0060]
これらのボタンの選択結果は、可変周波数発生手段6に対する電気信号の伝達となる。可変周波数発生手段6は、選択されたボタンに基づく低周波電流を生成する。
[0061]
低周波電流は、増幅手段8で増幅されて導線を通過して電極12へ印加される。一方、ボタンの選択結果は制御手段10へも伝達される。選択結果によって算出された選択した周波数を表示手段14に表示させる。
[0062]
選択されたボタンに基く低周波を印加された電極から被治験者の手首から足首に印加されることで、経絡2−Aに対してのみ作用させることができる。すなわち、周波数によって印加させる経絡を選択できるため、特定の疾病に対して特定のつぼではなく経絡に渡って作用させる必要がある場合に、経絡を構成する全てのつぼを刺激する必要が無いと言う効果がある。これは、刺激するための時間の短縮を図ることができる。また,つぼの正確な位置を知らない一般人でも容易に施行可能である。
[0063]
また、周波数さえ間違えなければ「つぼ」に印加させる必要が無いため、「つぼ」の位置を誤って「つぼ」でない部分を刺激することもなくなるという効果を有する。
[0064]
(実施の形態2)
本発明に係る治療器2のブロックダイヤグラムを図8に示す。本実施例は、特定の経絡に正弦波刺激を印加する装置である。
[0065]
治療器2は、経絡個別周波数切替手段4で設定された特定の経絡に適した周波数の信号を、可変周波数発生手段6で生成し、その生成した信号を可変周波数発生手段6と接続される増幅手段8で電気的に増幅して、増幅した信号を特定の電極12に伝達し、前記電極12はネジ部34に印加する。可変周波数発生手段6はさらに中央演算素子等からなる制御手段10と接続されてその周波数や設定値を表示手段14に接続する。また、全ての手段は、電源16と接続され、電源16にはスイッチ18が接続される。
[0066]
経絡個別周波数切替手段4は、スイッチから構成される。スイッチは、図9に示されるように数値ボタン60と単位ボタン62から構成される。サイクルボタンは、2.5、4、5、8、10、16、20を示す数値ボタン60からなる。また、単位ボタン62は、1K、10Kボタン単位ボタン62から構成される。さらに、信号を減衰する利得ボタン64と、信号の形状を示すsinまたは、squが波形ボタン66に示される。
[0067]
さらに電源スイッチ18とボリューム24が設けられ、信号の振幅がこのボリューム24によって限定される。ボリュームのレンジは1.0〜5.0Vとなる。
[0068]
これらのボタンは、それぞれ発振周波数を選択するボタンや信号振幅や信号波形及び電源16のスイッチである。単位ボタン62は、複数の水晶発振子を有する場合は、水晶発振子の選択ボタンとなる。また、抵抗素子を含む発振回路である場合は、複数の抵抗値の抵抗素子を選択させても良い。また、分波回路を備える場合は、取り出し口を選択性にすることができる。
[0069]
可変周波数発生手段6は、ウィーンブリッジ発振回路、セラミック発振回路、水晶発振回路、LC発振回路、PLLシンセサイザ等の何れの回路であってもよい。
[0070]
増幅手段8は、オペアンプ等の差動増幅器を用いることが好ましい。
[0071]
本発明の作用について図8,9を用いて説明する。
[0072]
まず、電極12を備えた一組の布帯54を被治療者の身体の一方の手の手首及び同一側の足の足首に装着する(図6)。ここで、布帯54に装着した電極の頭部50に導電性のペーストを塗布して、被治療者の皮膚に接触するように配置する。布帯54は面ファスナ56を布帯54に圧着させて固定する。
[0073]
電極12は導線によって治療器2の筐体の内部にある増幅手段8と接続される。
[0074]
次に治療器2の表面に設けられる電源スイッチ18の操作によって、各手段と電源16とが接続される。続いて経絡個別周波数切替手段4である治療器2の表面に配置された1k、10k等の単位ボタン62と利得を示す利得ボタン64と、波形を選択する波形ボタン66と、周波数の数値を選択する数値ボタン60と、利得を連続的に変更するボリューム24とが設けられ、表1に従い所望の経絡に適切な周波数を選択する。例えば、経絡1−Aに対して低周波電流を印加する際は、単位ボタン62は1Kであり、波形ボタン66はsinが選択され、利得ボタン64は20dBが選択され、数値ボタン60は16が選択される。
[0075]
これらのボタンの選択結果は、可変周波数発生手段6に対する電気信号の伝達となる。可変周波数発生手段6は、選択されたボタンに基づく低周波電流を生成する。
[0076]
低周波電流は、増幅手段8で増幅されて導線を通過して電極12へ印加される。一方、ボタンの選択結果は制御手段10へも伝達される。選択結果によって算出された選択した周波数を表示手段14に表示させる。
[0077]
選択されたボタンに基く低周波を印加された電極から被治験者の手首から足首に印加されることで、経絡1−Aに対してのみ作用させることができる。すなわち、周波数によって印加させる経絡を選択できるため、特定の疾病に対して特定のつぼではなく経絡に渡って作用させる必要がある場合に、経絡を構成する全てのつぼを刺激する必要が無いと言う効果がある。これは、刺激するための時間の短縮を図ることができる。また,つぼの正確な位置を知らない一般人でも容易に施行可能である。
[0078]
また、周波数さえ間違えなければ「つぼ」に印加させる必要が無いため、「つぼ」の位置を誤って「つぼ」でない部分を刺激することもなくなるという効果を有する。
[0079]
次に本発明による臨床例について説明する。
[0080]
臨床例I:難治性腰筋痛・適用経絡:腎経、三焦経、膀胱経
XXXの患者に腎経、三焦経、膀胱経に対応する三つの周波数の低周波を5分ずつ印加し、1週間に二度印加し、経過をみたところ効果は表2のように得られた。
[Table 2]
[0081]
臨床例II:肩関節周囲炎・適用経絡:大腸経、肺経、腎経
YYYの患者に大腸経、肺経、腎経に対応する三つの周波数の低周波を5分ずつ印加し、1週間に二度印加し、経過をみたところ効果は表3のように得られた。
[Table 3]
[0082]
以上の臨床例から、本発明装置が特定の経絡のみを、選択的に刺激することができ、経絡に依存し、過半数が有効であり、本発明装置の有効性が確認された。この経絡を衛気営血が流れ、全身の栄養や外邪からの防御、機能的アンバランス時の調整等の役割を果たすことによって、加齢による老化を防止するアンチエイジング効果が生じる。
[0083]
さらに、周波数を10倍、100倍、10分の1、100分の1にした周波数を前記経絡に同様に印加したところ、特に100倍の周波数と100分の1の周波数において同様の結果が得られた。
[0084]
本発明によれば、特定の経絡のみに作用する周波数の信号を用いるため、つぼ等の位置を把握することなく、特定の経絡に対して信号を印加することができる。このため、従来は、東洋医学の専門医のみが行なうことのできた経絡への刺激が、一般家庭で自らの経絡に自らの操作で可能になる。
[0085]
幾つかの好適な実施の形態及び実施例に関連付けして本発明を説明したが、これら実施の形態及び実施例は単に実例を挙げて発明を説明するためのものであって、限定することを意味するものではないことが理解できる。本明細書を読んだ後であれば、当業者にとって等価な構成要素や技術による数多くの変更および置換が容易であることが明白であるが、このような変更および置換は、添付の請求項の真の範囲及び精神に該当するものであることは明白である。
Claims
[1]
低周波信号発生手段と、前記低周波信号発生手段に接続されて経絡に適合する周波数を選択する経絡周波数選択手段と、前記低周波信号発生手段の発生した信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段に接続される電極と、前記電極を固定するために環状に固定可能な帯部とを備えて、経絡の刺激に適合する周波数を選択して印加する治療器。
[2]
電極は、帯部に設けた開口部を貫通する凸部からなり、この凸部と凹部の間に帯部を挿入し、凸部の頂部に導電剤が塗布されることを特徴とする請求項1記載の治療器。
[3]
低周波信号発生手段は、PWM波を生成するPWM波生成回路とPWM波の低周波成分を濾波するローパスフィルタ回路と濾波されたPWM信号を変換するVCO回路とから構成されて三角波を生成することを特徴とする請求項1記載の治療器。
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増幅手段は、三角波正弦波変換回路と振幅減衰回路から構成されて三角波を正弦波に変換してから減衰させることで経絡刺激信号を生成することを特徴とする請求項3記載の治療器。
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