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1. (JP2008546530) 改良したコーティング・ブレード
Document

Description

Title of Invention 改良したコーティング・ブレード SE 0501526-8 20050701 20130710 B05C 11/04 D21H 23/34 特許第3597870(JP,B2) 特開平07−331597(JP,A) 登録実用新案第3030836(JP,U) EP2006006299 20060629 WO2007003332 20070111 2008546530 20081225 20090619 土井 伸次

Technical Field

0001   0002   0003   0004   0005   0006   0007  

Disclosure of Invention

Technical Problem

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

Brief Description of Drawings

0049  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27  

Drawings

1a   1b   2   3   4    

Description

改良したコーティング・ブレード

SE 0501526-8 20050701 20130710 B05C 11/04 D21H 23/34 patcit 1 : 特許第3597870(JP,B2)
patcit 2 : 特開平07−331597(JP,A)
patcit 3 : 登録実用新案第3030836(JP,U)
EP2006006299 20060629 WO2007003332 20070111 2008546530 20081225 20090619 土井 伸次

Technical Field

[0001]
本発明は、層状コーティング・ブレード、特に、金属、炭化物、サーメットまたはそれらの組み合わせを含む耐磨耗性最上層被覆を有するコーティング・ブレードに関する。

技術背景

[0002]
コーティング・カラー薄層を移動している紙ウェブに塗布するのに高性能コーティング・ブレードを使用することが多い。コーティング・カラー内の顔料の無機質含量が高く、かつ最新のブレード・コーティング設備での速度が高いということと相俟って紙繊維が与える影響により、使用中にブレード刃先が激しく摩耗し易いという状況がある。
[0003]
セラミック刃付きブレードを使用してコーティング・ブレードの稼働寿命を延ばし、それによって、コーティング・プロセスでの生産性を改善するということを記載する最初の文献の1つは英国特許第2130924号である。
[0004]
文献WO98/26877には、軟質エラストマ刃先を備えるブレードを使用して、繊維被覆面積の改善に関する特定の利点を有する高性能コーティング・ブレードを得たことが記載されている。
[0005]
ごく最近になって、別の種類のコーティング・ブレードが開発され、市場に出回っている。そのようなブレードでは、耐摩耗性作業刃先は、金属または炭化物の被覆(バインダとして作用する金属マトリックスを有する炭化物)またはサーメット被覆を含む。これらのブレードは、主として、溶射によって製造してから研削して所望の幾何学的刃先特性を得ている。このような被覆は、セラミック被覆、酸化物配合物などを含む在来のブレードと比較して、ブレード・コーティングにおいては種々の利点を持つ。1つの利点として、このようなブレードは、セラミック刃先付きブレードと比較して、非常に優れた耐摩耗性を提供し、コーティング・ステーションにおいて生産性をさらにさらに高めるという利点を持つ。さらに、セラミック・ブレードには、常に固有の脆性から免れることができない欠点があり、ブレードの作業刃先のところに割れ、欠けが生じる可能性がある。このような割れ、欠けは、ブレードの製造中にも、ブレードの取り扱い中にも、さらにはコーティング作業でのブレードの使用中にさえ発生する可能性がある。作業刃先で欠けや割れが発生すると、コーティング製品に線状の欠陥、いわゆる筋(streak)がついたり、ウェブ破断や材料損失さえ生じたりする可能性がある。金属ベース、炭化物ベースの材料には高い靭性があるので、刃先割れが発生し難く、したがって、ブレードの製造中、取り扱い中の両方でも、またブレードの使用中でも重要な利点が得られる。この種のブレードのさらに別の利点は、セラミック・ブレードと比較して、紙ウェブの長手方向縁に隣接するコーティング・カラー限界のところで刃先摩耗が生じにくいということである。さらに、金属材料または炭化物材料は、HVOF(高速酸素燃料)溶射での溶着に良く適している。
[0006]
HVOFにおいては、プラズマ溶射(より高い熱エネルギーを使用する)と比較して、材料はより高い運動エネルギーで基材に吹き付けられる。したがって、非常に稠密な被覆(2%未満の気孔率を有する)を形成することができ、機械的特性が向上し、気孔内に外来の粒子が補足されるリスクを減少させることができる。
[0007]
従って、製紙工場での生産性を向上させ、また製造された製品の品質を向上させるために金属ベース、炭化物ベースまたはサーメット・ベースのコーティング・ブレードの使用を促す利点が数多くある。

Disclosure of Invention

Technical Problem

[0008]
しかしながら、金属ベースもしくは炭化物ベースの刃先被覆またはサーメット刃先被覆を有するコーティング・ブレードは、該被覆が非常に高い熱伝導率を有するという重大な欠点を持つことが思い出された。このことは、後述するように、多数の実際上の制限を招くことがある。ブレードが移動しているウェブに押し付けられたとき(すなわち、ブレード・ホルダが閉じているとき)、ブレードとウェブの接触部には、或る初期期間中(一般的には数秒間)、いかなるコーティング・カラーも存在しないことになる。この間に、乾燥摩擦が生じ、これが局部的な大量の熱発生を引き起こすことがある。金属または炭化物を含むブレード刃先は、普通は、少しも耐摩耗性を失うことなく生じた温度に耐える。しかしながら、発生した熱は、ブレードの鋼ストリップ基材へ急速に伝達されることになる。ブレードは、普通、ブレード・ホルダ内にしっかり締め付けられているので、ブレードの加熱刃先部が、温度の上昇により自由に膨張することはない。その結果、ブレードは、作業刃先のところで波形になり始める。ブレードがウェブに押し付けられている間は、これを見るのは難しいかも知れないが、或る乾燥摩擦量を受けた後にクランプ留めを閉じたままブレード・ホルダを開いたならば、ブレード刃先が「ヘビのような」波形となっているのがわかる。初期乾燥摩擦が終了した(ブレード刃先にコーティング・カラーが達することにより)後、温度は低下し、この波形発生の程度が減少することになる。しかしながら、普通、ブレード刃先の或る程度の波形は残り、ブレードが「焼けた」と言われる状態となり、もはやそれ以上適切なコーティング作業に使用することはできない。「焼けた」波形のコーティング・ブレードを使用すると、波形の刃先によって生じる線形荷重の変化により、コーティング量に高低のある連続的領域が生じることになる。品質の観点から、これはもちろん容認できないことである。
[0009]
上記の熱発生、波形発生の問題は、一般的に、金属ベースまたは炭化物ベースのブレードを高速オンラインコーティング機(ここでブレードは全速で移動するウェブに押し付けられる)で使用する妨げとなる。なんらかの理由でカラー供給が急激に中断された場合に同様の問題が発生する可能性がある。また、コーティング・カラーの流れが止まった直後にブレード・ホルダを開かないと、乾燥摩擦が発生し、その後ウェブ破断が生じる可能性がある。
[0010]
ブレード刃先のこの種の過熱、その後の波形発生は、時期尚早のブレード交換の原因となり、ブレードの潜在的な完全寿命は決して達せられないことになる。したがって、上記の金属ベース、炭化物ベースのブレードの限界に対する新しいコスト効率の良い解決策を提供することに産業上の重要性が存在する。
[0011]
本発明によれば、他のすべての固有の利点を保ちながら金属ベース、炭化物ベースのブレードのこれらの限界を回避する解決策が提案される。比較的高い熱伝導率を有する最上層被覆を持つ他のタイプのコーティング・ブレードにも本明細書の教示を適用できることは当然ながら容易に理解されよう。
[0012]
一般的に言って、ブレード基材と耐摩耗性最上層被覆との間に中間層を設け、該中間層を鋼製基材への熱伝達を減少させる熱障壁として作用させることが提案される。刃先被覆のための全厚さが従来技術によるブレード(本発明の熱障壁を持たない)とほぼ同じに残るように熱障壁分だけ在来の被覆厚さと置き換えることが奨励される。たとえば、熱障壁厚さは、最上層被覆厚さのほぼ3分の1であってもよい。
[0013]
総じて、中間層は、耐摩耗性最上層被覆より低い熱伝導率を有するべきである。好ましくは、中間層は、最上層被覆の熱伝導率の0.5倍より低い、好ましくは0.2倍より低い熱伝導率を有する。
[0014]
中間熱障壁層は、好ましくはほぼ40W/(m・K)より低い、好ましくは15W/(m・K)より低い熱伝導率を有する。熱障壁は、好ましくは、耐摩耗性被覆の幅に等しいかまたはそれ以上、たとえば3〜20mm、より好ましくは1〜10mmの幅を有する。熱障壁は、好ましくは約10μm〜約100の範囲の厚さ、より好ましくは20〜80μmの厚さを有する。
[0015]
中間熱障壁層に適する材料としては、酸化物および酸化物配合物;セラミック材料;ポリマーバインダを染みこませたセラミック材料;或る量の金属バインダとセラミック材料の混合物;ジルコニア、チタニアまたはそれらの混合物;ポリマー材料;およびセラミック充填材を含有するポリマー材料がある。
[0016]
中間層は、基材側および最上層被覆側の両方に、ボンド・コートと共に安定化ジルコニアを含み、層状構造の機械的な一体性を確実にするものであってもよい。
[0017]
あるいは、中間熱障壁は、チタン酸化物(TiO 2)(場合によりクロミウムとの混合物として)から構成されていてもよい。
[0018]
本明細書の教示は、比較的高い熱伝導率の耐摩耗性最上層被覆を有するあらゆるタイプのコーティング・ブレードに適用することができ、下側の基材への熱伝達を低減しようとするものである。
[0019]
本発明によるブレードで用いられる耐摩耗性最上層被覆の適切な材料としては、Ni合金、Co合金またはそれらの混合物;WC/Co材料、WC/CoCr材料またはWC/Ni材料;CrC/NiCr材料;金属バインダ内のWCおよびCrCの混合物;クロミウム・メッキ;および化学的に被覆させたNiPまたはNiBがある。総じて、耐摩耗性最上層被覆は、金属ベース、炭化物ベースもしくはサーメット・ベースの被覆またはそれらの混合物を含有する被覆であってもよい。
[0020]
材料科学の分野で知られているように、サーメットとは、セラミックと金属を含有する材料である。WC/CoおよびWC/Niはサーメットの例である。
[0021]
耐摩耗性被覆の厚さは、好ましくは約30μm〜約300μm、より好ましくは30〜150μmの範囲にある。
[0022]
中間層(断熱層)は、好ましくは、プラズマ溶射またはHVOFによって被覆する。最上層は、好ましくは、HVOFによって溶射する。
[0023]
以下、添付の図面を参照しながら詳細な説明を行う。
図1aは、ベント・モードで使用することを意図した本発明によるブレードの概略断面図である。
図1bは、スチフ・モードで用いることを意図した本発明によるブレードの概略断面図である。
図2は、本発明による改良したコーティング・ブレードのための種々の層の詳細な構造を示す概略図である。
図3は、本発明による改良したコーティング・ブレードを示す概略横断面図である。
図4は、乾燥摩擦比較テストの測定値を示すグラフである。
図面において、全体を通じて、同様の部分は同様の参照符号で示してある。
[0024]
プラズマ溶射により塗布されたアルミナまたはクロミアのようなセラミック酸化物を使用するコーティング・ブレードは、乾燥摩擦の場合でも、前述の波形発生の影響を受けない。このことは、それらの相対的に低い熱伝導率を考慮すれば容易に理解できる。文献の報告によれば、バルクアルミナについてのK値は、20〜200℃範囲内で約20〜35W/mKである。溶射層についての実際値は、そうしてできた被覆の固有の気孔率のために、かなり低い値を示す可能性がある。
[0025]
HVOFで塗布した反対側のWC/Co/Cr材料は、ある程度高い熱伝導率を有する被覆となる。バルク固結した炭化物についての文献のK値は、60〜80W/mkの範囲にある。HVOF被覆にはほとんど気孔が存在しないので、この範囲に非常に近いと考えられる。
[0026]
図1a、1bは、それぞれ、ベント・モード(図1a)とスチフ・モード(図1b)で用いるための本発明によるブレードを概略的に示している。一般的に、ブレードは、鋼製基材1と、たとえば金属炭化物またはサーメット・ベース材料から作った耐摩耗性最上層被覆2とからなる。最上層被覆2と鋼製基材1との間には中間層3が設けてあり、これは最上層被覆より低い熱伝導率を有する。中間層の機能は、最上層被覆2からブレード基材1までの熱伝導を減らし、それによりブレードの熱膨張と「波形発生」を減らすことにある。
[0027]
図2は、本発明によるブレードをより詳細に示しており、そこにおいて、中間層は、最上層被覆およびブレード基材に隣接してボンド・コートも含むように示してある。それ故、中間層3は、図2に示す実施例においては、中心層5と、内外のボンド・コート4、6とから構成される。
[0028]
図3は、ブレードの種々の層をどのように配置するかを断面で示している。この実施形態においては、前方面取り部は35度の角度を有するが、意図した用途に応じて他の前方面取り部も考えられることは勿論である。
[0029]
ブレードの鋼製基材へ伝達される熱量を制限し、したがって鋼の熱膨張を制限する目的で以下の実験を行った。
[0030]
実験1
この実験では、酸化物ベースのセラミック中間層を使用して改良コーティング・ブレードを作成する。図2に概略的に示すように、中間層3はプラズマ溶射で吹き付け形成したものであり、安定化ジルコニア層と、このジルコニア層の両面に2つのボンド・コート薄層とを包含する。
[0031]
このブレードは、以下の工程を経て作成した。
1.まず、0.381mm厚、100mm幅のコーティング・ブレード鋼基材の片縁を研削して35度で予め面取りした。
2.次いで、基材の研削済みの縁部分を、F100コランダムを用いて5mm幅にわたって「サンドブラスト」加工した。
3.マスキング・テープ、鋼マスキング・システムまたは或る種の他の同等のマスキング手段をブレード長さに沿って用いて続く溶着範囲を5mm幅に制限した。
4.10ミクロン厚のNiCr(80/20)層(図2で参照符号4)をプラズマ溶射で塗布した。HC.Starckから市販されているAmperit251.693が代表的な適切な製品である。
5.30ミクロン厚の安定化ジルコニア層(図2で参照符号5)をプラズマ溶射で塗布した。Sulzer Metco製のSM 6600が一般的な適した製品である。
6.10ミクロン厚のNiCr(80/20)層(図2で参照符号6)をプラズマ溶射で塗布した。HC. Starck製のAmperit251.693が一般的な適した製品である。
7.100ミクロン(仕上げ後)のWCCoCr(質量%で86/10/4)の最上層耐摩耗性被覆をHVOF溶射によって塗布した。Sulzer Metco製のDiamalloy 5844が一般的な適した製品である。
[0032]
以下の表1は、この実験に従ってブレードを作成するのに使用した溶射パラメータを示している。
[Table 1]


[0033]
次いで、前面および頂面を研削して図3に示すように必要な形状寸法を達成した。
このブレードを約150ミクロン(仕上げ後)のDiamalloy 5844耐摩耗性最上層被覆で作った最先端の炭化物刃先ブレードと比較したところ、この実験によるブレードは、50ミクロンの高熱伝導性材料の代わりに熱障壁として作用する中間層を備えていた。
[0034]
実験2
この実験では、酸化セラミックをベースとして、HVOFによって塗布した中間層を作成する。選んだ材料は、安価で熱伝導率の低い酸化物であり、とりわけ最低融点の1つ(2090℃)を持つ酸化物でTiO 2である。このブレードは、以下の工程を経て作成した。
1.まず、0.381mm厚、100mm幅のコーティング・ブレード鋼基材の片縁を研削して35度で予め面取りした。
2.次いで、研削した縁をF100コランダムで5mm幅に「サンドブラスト加工」した。
3.マスキング・テープ、鋼マスキング・システムまたは或る種の他の同等のマスキング手段をブレード長さに沿って用いて続く溶着範囲を5mm幅に制限した。
4.表2に示されるパラメータで50ミクロンのTiO 2(HCStarck製のAmperit782.054)の層を溶射することを試みたが、成功しなかった。層がまったく形成されず、このHVOFプロセスがTiO 2粒子を溶融するのには適していないことが確認された。
[Table 2]


[0035]
この表から明らかなように、実験2は、TiO 2からなる被覆を塗布するのにHVOFを使用するのは適切なアプローチではないかも知れないことを示している。換言すれば、TiO 2は、HVOFで溶射することができないように思える。この成功しない実験後、さらなる実験を行ってHVOFプロセスで改良コーティング・ブレードを作成する適切な方法を見出そうということを決めた。
[0036]
このために、HVOFによる純粋なTiO 2を溶射する試みが不成功であったので、実験3は、酸化物粒子を閉じ込める能力を有する可能性があり、HVOFで溶射可能な金属マトリックスを発見するという作業に当てた。それ故、TiO 2のような酸化物粒子はHVOFで溶射するのは難しいか、もしくは不可能でさえあるけれども、このような酸化物粒子は、それ自体がHVOF溶着に良く適している金属マトリックス内に閉じ込めたならば、溶着させることができるであろうと予想した。
[0037]
最終的に、実験4において、HVOFで溶射可能なセラミック金属複合材からなる中間層を作成した。この実験では、酸化物材料は金属マトリックス内の閉じ込められた粒子として溶着させた。
[0038]
実験3
この実験では、金属ベースの中間層を使用して改良コーティング・ブレードを作成する。中間層3はNi/Cr (80/20)で作った。この場合、中間層、耐摩耗性最上層被覆の両方をHVOFで塗布する。
[0039]
このブレードは、以下の工程を経て作成した。
1.まず、0.381mm厚、100mm幅のコーティング・ブレード鋼基材の片縁を研削して35度で予め面取りした。
2.次いで、研削した縁をF100コランダムで5mm幅に「サンドブラスト加工」した。
3.マスキング・テープ、鋼マスキング・システムまたは或る種の他の同等のマスキング手段をブレード長さに沿って用いて続く溶着範囲を5mm幅に制限した。
4.50ミクロンのNiCr (80/20)層(図2の参照符号3)をHVOF溶射で塗布した。HCStarck製のAmperit 251.090が典型的な適した製品である。
5.100ミクロン(仕上げ後)のWC/Co/Cr被覆(質量%で86/10/4)の最上層耐摩耗性をHVOF溶射によって塗布した。Sulzer Metco製のDiamalloy 5844が典型的な適した製品である。
[0040]
以下の表3は、この実験3に従ってブレードを作成するのに使用した溶射パラメータを示している。
[Table 3]


[0041]
実験4
この実験では、セラミック/金属複合材中間層を使用して改良コーティング・ブレードを作成する。この場合、中間層、耐摩耗性最上層被覆の両方をHVOFで塗布した。
このブレードは、以下の工程を経て作成した。
1.まず、0.381mm厚、100mm幅のコーティング・ブレード鋼基材の片縁を研削して35度で予め面取りした。
2.次いで、研削した縁をF100コランダムで5mm幅に「サンドブラスト加工」した。
3.マスキング・テープ、鋼マスキング・システムまたは或る種の他の同等のマスキング手段をブレード長さに沿って用いて続く溶着範囲を5mm幅に制限した。
4.2/3質量 NiCr (80/20)(Sulzer Metco製のAmdry 4532)と1/3質量 TiO 2(Amperit 782.084)の配合物からなる50ミクロンの層をHVOF溶射によって塗布した。
5.WC/Co/Cr(質量%で86/10/4)の100ミクロン(仕上げ後)の最上層耐摩耗性被覆をHVOF溶射によって塗布した。Sulzer MetcoからのDiamalloy 5844が典型的な適切な製品である。
[0042]
以下の表4は、この実験4に従ってブレードを作成するのに使用した溶射パラメータを示している。
[Table 4]


[0043]
このように溶射した中間層のSEM断面解析による検査を実施した。驚くべきことには、EDXセミ定量分析では、初期混合原料の量と同じレベルで中間層にTiO 2量があることがわかった。
初期混合粉末: TiO 233% NiCr67%
EDXで測定したときの中間層: TiO 230% NiCr70%
したがって、金属マトリックス内にTiO 2の「ほぼ完全な」閉じ込め度を得ることができるとは予想もしなかった。このような格別な中間層は、熱障壁適用範囲に関して有利に作用することが予想される。
[0044]
乾燥摩擦研究室テスト
先の実験に従って作成した種々の中間層の可能性を評価するために、乾燥摩擦テストを行った。このテストには以下の工程を含む。
−ブレード・コーティングにおいて、バッキング・ロールをシミュレーションするために、150mm直径、80mm幅のゴム・コーティングしたロールを使用し、閉ループ速度制御器を有するモータ駆動システムによってこのロールを予め設定した速度で回転させた。
−ロール上でゴム・ベース材料上へ紙を貼り付け、テスト毎に交換した。使用した紙はコート紙(100g.m -2)であり、その滑らかな面に対して摩擦テストを実施した。
−ABCタイプ(BTG UMV/Sweden)のブレード・ホルダを使用した。これは、乾燥条件において、紙に対して100mm長ブレード・サンプルの刃先をあてがう空気圧負荷システムを含む。
−ブレード幅の中央で各ブレードの背面に取り付けた高反応熱電対を用いてブレードにおける温度上昇を測定した。
−熱電対の反応ならびに乾燥摩擦テスト時間にわたるモータ負荷を取得、保存、表示するためにデータ収集システムを用いた。
[0045]
実際の条件は以下の通りであった。
モータ駆動部周波数:17.5 Hz
アクチュエータ圧力:1.6/1.0バール
テスト所要時間:20秒
各ブレード・サンプルを2回ずつテストした。1回目のテストでは、新しい紙に対してその全幅にわたって接触子を適合させ、2回目のテストでは、温度上昇およびブレード負荷を測定した。図4は、なんら中間層のない最新式ブレードについて得た、このテストの結果の典型的な例である。これからわかるように、鋼製ブレード基材の反対側の温度は、乾燥摩擦20秒直後に約176℃に達した。12×10 -6/℃の熱線膨張係数を想定すると、このような条件での1mのブレードの刃先の熱膨張は以下によって与えられる。
長さ増大分=1m長×12×10 -6/℃×(176−20)℃=1.85mm
[0046]
結果は以下の表5に示す。ここで、最新式のWCCoCrブレードの状態について得た結果を、先に説明した実験1、3、4によるブレードについて得た結果と比較した。さらなる比較のために、先行技術のセラミック・ブレードに関する結果も示す。
[Table 5]


[0047]
予想通りに、上記の実験1によるブレードは、先行技術の参照WC/Co/Crと比較して、乾燥摩擦20秒後に達した刃先温度がかなり低いことを示した。実験4は、チタニア粒子の埋め込み程度に関する限り、驚くべきものであり、ピークの温度およびそれに続く熱膨張がかなり低下することを示した。実験4の対応するマトリックスのみを使用する実験3が同様に非常に興味深い結果を示すという事実はさらに驚くべきものであった。溶射コミュニティにおいて熱障壁用の材料としてNiCrが考慮されていないことと同じ位、これは全く予想外であった。革新的な手法で2つのよく知られた溶射材料を組み合わせることにより、改善されたブレードの熱特性が得られた。この特性は上記の限界を劇的に超えることができるものであり、一方ブレードの製造に一つのシングルプロセスを使用することの簡単さを保持できる。
[0048]
結論
改良コーティング・ブレードならびにこのようなブレードを製作するプロセスをここに開示してきた。本発明のブレードは、耐摩耗性最上層被覆からブレード基材への熱伝達を減少させるのに有効な中間刃先被覆を有する。一実施形態において、中間層はNiCr、場合により埋め込み酸化物粒子を有するNiCrから構成される。適切には、中間層および最上層被覆はHVOFプロセスによって、塗布される。また、中間層はプラズマ溶射によっても、溶着し得ることが想定される。中間層は安定化ジルコニアを含んでいてもよい。

Brief Description of Drawings

[0049]
[fig. 1a] ベント・モードで使用することを意図した本発明によるブレードの概略断面図である。
[fig. 1b] スチフ・モードで用いることを意図した本発明によるブレードの概略断面図である。
[fig. 2] 本発明による改良したコーティング・ブレードのための種々の層の詳細な構造を示す概略図である。
[fig. 3] 本発明による改良したコーティング・ブレードを示す概略横断面図である。
[fig. 4] 乾燥摩擦比較テストの測定値を示すグラフである。

Claims

[1]
金属ストリップの形状をした基材と、移動する紙ウェブとの接触用のブレードの作業刃先を覆っている耐摩耗性最上層被覆とを含むコーティング・ブレードであって、基材と最上層被覆との間に中間層が設けてあり、
耐摩耗性最上層被覆が、金属材料、または金属マトリックスを有する炭化物、またはサーメットを含む、および、
間層が最上層被覆よりも低い熱伝導率を有することを特徴とするコーティング・ブレード。
[2]
中間層の熱伝導率が、最上層被覆物の熱伝導率の0.5倍未 満である、請求項1に記載のコーティング・ブレード。
[3]
中間層の熱伝導率が、最上層被覆物の熱伝導率の0.2倍未満である、請求項2に記載のコーティング・ブレード。
[4]
中間層が、10μm〜100μmの範 囲内の厚さを有する、請求項 1〜3のいずれか1項に記載のコーティング・ブレード。
[5]
中間層が、20μm〜80μmの範囲内の厚さを有する、請求項4に記載のコーティング・ブレード。
[6]
中間層が、最上層被覆の厚さ の50%の厚さを有する、請求項 1〜5のいずれか1項に記載のコーティング・ブレード。
[7]
中間層が、内側ボンド・コート層と、中央セラミック酸化物層と、 外側ボンド・コート層を含み、中央セラミック酸化物層が、ジルコニア、チタニアまたはそれらの混合物から選ばれた材料を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコーティング・ブレード。
[8]
中央層が安定化ジルコニアを含む、請求項 に記載のコーティング・ブレード。
[9]
中間層がNiCrを含む、請求項1〜 のいずれか1項に記載のコーティング・ブレード。
[10]
中間層が、さらにNiCr金属マトリックスに埋め込まれたセラミック酸化物粒子を含む、請求項 に記載のコーティング・ブレード。
[11]
埋め込み粒子がチタニアを含む、請求項 10に記載のコーティング・ブレード。
[12]
中間層がNiCr80/20から構成される、請求項 に記載のコーティング・ブレード。
[13]
中間層が、セラミック材料、ジルコニア、チタニア、ポリマー材料またはそれらの混合物の中から選ばれた材料を含む、請求項1〜 12のいずれか1項に記載のコーティング・ブレード。
[14]
中間層が、クロミウム(Cr)との混合物内のチタニアを含む、請求項5に記載のコーティング・ブレード。
[15]
耐摩耗性最上層被覆が、Ni合金およびCo合金;WC/Co材料、WC/CoCr材料またはWC/Ni材料;CrC/NiCr材料;金属バインダ内のWCおよびCrC;クロミウム・メッキ;および化学的に溶着したNiPまたはNiBから選ばれた、請求項1〜12のいずれか1項に記載のコーティング・ブレード。
[16]
耐摩耗性最上層被覆が、30μm〜300μ mの範囲内の厚さを有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載のコーティング・ブレード。
[17]
耐摩耗性最上層被覆が、30μm〜150μmの範囲内の厚さを有する、請求項16に記載のコーティング・ブレード。
[18]
(i)鋼製基材上に第1層を溶着する工程と、(ii)第1層の上に第2層を溶着する工程とを含むコーティング・ブレードを製造する方法であって、第2層が、金属 材料、または金属マトリックスを有する炭化物またはサーメットを含む耐摩耗性最上層被覆物を構成すること、および、第1層が、第2層から基材への熱伝達を減少させるのに有効な中間層を構成することを特徴とする方法。
[19]
第1層、第2層の両方をHVOF溶射プロセスで溶着する請求項 18に記載の方法。
[20]
第1層を溶着する工程が、金属マトリックス内に閉じ込められた酸化物粒子を含有する層を溶着することを含む、請求項 19に記載の方法。
[21]
第1層を溶着する工程が、純粋な金属マトリックスを溶着することを含む、請求項19に記載の方法。
[22]
金属マトリックスがNiCr、好ましくは80重量パーセントのNiおよび20重量パーセントのCrとの関係でNiCr溶着する、請求項 20または 21に記載の方法。
[23]
金属マトリックスが80重量パーセントのNiおよび20重量パーセントのCrとの関係でNiCr溶着する、請求項22に記載の方法。
[24]
第1層をプラズマ溶射で溶着し、第2層をHVOF溶射で溶着する、請求項 18に記載
の方法。
[25]
第1層を溶着する工程が、安定化ジルコニアの層を溶着することを含む、請求項 24に記載の方法。
[26]
さらに、基材と第1層との間に位置させようとする内側ボンド・コートを溶着する工程、および第1層と第2層との間に位置させようとする外側ボンド・コートを溶着する工程を含む、請求項 24または 25に記載の方法。
[27]
内外のボンド・コートがNiCrから構成される、請求項 26に記載の方法。

Drawings

[ Fig. 1a]

[ Fig. 1b]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]