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1. WO2013153596 - GROUND FAULT DETECTING CIRCUIT AND POWER CONVERSION DEVICE USING SAME

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明 細 書

発明の名称 地絡検出回路およびそれを用いた電力変換装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

非特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064  

符号の説明

0065  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 地絡検出回路およびそれを用いた電力変換装置

技術分野

[0001]
 この発明は地絡検出回路およびそれを用いた電力変換装置に関し、特に、地絡事故を検出する地絡検出回路と、それを用いた電力変換装置に関する。

背景技術

[0002]
 サイリスタ起動装置は、商用周波数の三相交流電力を直流電力に変換するコンバータと、直流電力を平滑化させる直流リアクトルと、コンバータから直流リアクトルを介して与えられた直流電力を所望の周波数の三相交流電力に変換し、第1~第3の交流ラインを介して同期電動機に与えるインバータとを備える。同期電動機に与える三相交流電力を制御することにより、停止状態の同期電動機を起動させて所定の回転速度で回転駆動させることができる(たとえば、特開2003-61380号公報(特許文献1)参照)。
[0003]
 また、このようなサイリスタ起動装置には、地絡事故を検出する地絡検出回路が設けられている。地絡検出回路によって地絡事故が検出されると、サイリスタ起動装置の運転が停止される。
[0004]
 従来の地絡検出回路としては、サイリスタ起動装置と同期電動機の間の第1~第3の交流ラインに三相変圧器を接続し、その三相変圧器の出力電圧に基づいて地絡事故の発生を検出するものがある(たとえば、特開2009-131048号公報(特許文献2)、特開2010-130704号公報(特許文献3)、特開2011-130634号公報(特許文献4)参照)。
[0005]
 また、第1および第2の抵抗素子の一方端子をインバータの2つの入力端子にそれぞれ接続し、第1および第2の抵抗素子の他方端子と接地電圧のラインとの間に第3の抵抗素子を接続し、第3の抵抗素子の端子間電圧に基づいて地絡事故の発生を検出するものがある(たとえば、「火力発電所用サイリスタ起動装置」、三菱電機技報、Vol.67、No.5、1993(非特許文献1)参照)。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2003-61380号公報
特許文献2 : 特開2009-131048号公報
特許文献3 : 特開2010-130704号公報
特許文献4 : 特開2011-130634号公報

非特許文献

[0007]
非特許文献1 : 「火力発電所用サイリスタ起動装置」、三菱電機技報、Vol.67、No.5、1993

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 しかし、特許文献2~4の地絡検出回路では、三相変圧器を使用するので、回路が大型で高価格になるという問題があった。また、非特許文献1の地絡検出回路には、検出精度が悪いという問題があった。
[0009]
 それゆえに、この発明の主たる目的は、小型で低価格で高精度の地絡検出回路と、それを用いた電力変換装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0010]
 この発明に係る地絡検出回路は、第1の三相交流電力を直流電力に変換し、直流電力を第2の三相交流電力に変換し、第1~第3の交流ラインを介して負荷に供給する電力変換装置において地絡事故を検出する地絡検出回路であって、第1~第4の抵抗素子を備えたものである。第1~第3の抵抗素子の一方端子はそれぞれ第1~第3の交流ラインに接続され、第1~第3の抵抗素子の他方端子はともに第4の抵抗素子の一方端子に接続され、第4の抵抗素子の他方端子は接地電圧を受ける。この地絡検出回路は、さらに、第4の抵抗素子の端子間電圧に基づいて、電力変換装置において地絡事故が発生したか否かを判別する判別回路を備える。
[0011]
 また、この発明に係る電力変換装置は、第1の三相交流電力を直流電力に変換するコンバータと、直流電力を平滑化させる直流リアクトルと、コンバータから直流リアクトルを介して与えられた直流電力を第2の三相交流電力に変換し、第1~第3の交流ラインを介して負荷に供給するインバータと、電力変換装置の地絡事故を検出する地絡検出回路と、地絡検出回路によって地絡事故が検出された場合に電力変換装置の運転を停止させる制御回路とを備えたものである。地絡検出回路は、第1~第4の抵抗素子を含む。第1~第3の抵抗素子の一方端子はそれぞれ第1~第3の交流ラインに接続され、第1~第3の抵抗素子の他方端子はともに第4の抵抗素子の一方端子に接続され、第4の抵抗素子の他方端子は接地電圧を受ける。地絡検出回路は、さらに、第4の抵抗素子の端子間電圧に基づいて、電力変換装置において地絡事故が発生したか否かを判別する判別回路を含む。
[0012]
 好ましくは、判別回路は、第4の抵抗素子の端子間電圧が予め定められた電圧を超えた場合に、電力変換装置において地絡事故が発生したと判別する。
[0013]
 また好ましくは、判別回路は、第4の抵抗素子の端子間電圧の絶対値を求める絶対値演算器と、絶対値演算器によって求められた第4の抵抗素子の端子間電圧の絶対値が予め定められた値を超えた場合に、電力変換装置において地絡事故が発生したことを示す信号を出力する比較器とを含む。
[0014]
 また好ましくは、第2の三相交流電力の周波数は変更可能になっていて、負荷は同期電動機であり、電力変換装置は、同期電動機を起動させるサイリスタ起動装置である。
[0015]
 また好ましくは、サイリスタ起動装置は、発電所の同期発電機を同期電動機として起動させる。

発明の効果

[0016]
 この発明に係る地絡検出回路では、第1~第3の抵抗素子の一方端子がそれぞれ第1~第3の交流ラインに接続され、第1~第3の抵抗素子の他方端子がともに第4の抵抗素子の一方端子に接続され、第4の抵抗素子の他方端子が接地電圧を受ける。判別回路は、第4の抵抗素子の端子間電圧に基づいて地絡事故が発生したか否かを判別する。正常時は第4の抵抗素子に電流は流れず、地絡事故が発生すると第4の抵抗素子に電流が流れるので、地絡事故の発生を高精度で検出することができる。また、三相変圧器を使用しないので、装置の小型化、低価格化を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] この発明の一実施の形態によるサイリスタ起動装置の構成を示す回路ブロック図である。
[図2] 図1に示したコンバータおよびインバータの構成を示す回路図である。
[図3] 図1に示した地絡検出回路の構成を示す回路ブロック図である。
[図4] 実施の形態の比較例を示す回路ブロック図である。
[図5] 図2に示したR相ラインが地絡した場合における地絡前後の電圧変化を示すタイムチャートである。
[図6] 図2に示したインバータの高電圧側入力端子が地絡した場合における地絡前後の電圧変化を示すタイムチャートである。
[図7] 図2に示したインバータの低電圧側入力端子が地絡した場合における地絡前後の電圧変化を示すタイムチャートである。
[図8] 図2に示したコンバータの高電圧側出力端子が地絡した場合における地絡前後の電圧変化を示すタイムチャートである。
[図9] 図2に示したU相ラインが地絡した場合における地絡前後の電圧変化を示すタイムチャートである。
[図10] 実施の形態の変更例を示す回路ブロック図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 本発明の一実施の形態によるサイリスタ起動装置は、図1に示すように、交流電源1からの三相交流電力を受けて同期電動機8を起動させるものであり、三相変圧器2、コンバータ3、直流リアクトル4、インバータ5、地絡検出回路6、および制御回路7を備える。
[0019]
 三相変圧器2は、交流電源(電力系統)1からの商用周波数の三相交流電圧を所定の三相交流電圧に変換する。三相変圧器2で生成された三相交流電圧は、U相ラインUL、V相ラインVL、およびW相ラインWLを介してコンバータ3に与えられる。
[0020]
 コンバータ3は、三相変圧器2からの三相交流電力を直流電力に変換する。直流リアクトル4は、コンバータ3の高電圧側出力端子3aとインバータ5の高電圧側入力端子5aとの間に接続され、コンバータ3で生成された直流電力を平滑化させる。コンバータ3の低電圧側出力端子3bとインバータ5の低電圧側入力端子5bとは直接接続される。
[0021]
 なお、直流リアクトル4は、コンバータ3の低電圧側出力端子3bとインバータ5の低電圧側入力端子5bとの間の方に接続されていてもよい。また、直流リアクトル4は、コンバータ3の高電圧側出力端子3aとインバータ5の高電圧側入力端子5aとの間と、コンバータ3の低電圧側出力端子3bとインバータ5の低電圧側入力端子5bとの間との各々に接続されていてもよい。
[0022]
 インバータ5は、コンバータ3から直流リアクトル4を介して与えられた直流電力を所望の周波数の三相交流電力に変換し、その三相交流電力をR相ラインRL、S相ラインSL、およびT相ラインTLを介して同期電動機8に与える。同期電動機8は、インバータ5からの三相交流電力によって回転駆動される。三相交流電力を徐々に増大させると、同期電動機8の回転速度(回転数/分)が徐々に増大する。同期電動機8の回転速度に合わせて、インバータ5のスイッチング周波数を増大させる。これにより、同期電動機8の回転速度は0から所定値まで徐々に増大し、三相交流電力の周波数は0から所定値まで徐々に増大する。
[0023]
 図2は、コンバータ3およびインバータ5の構成を示す回路図である。図2において、コンバータ3は、サイリスタ11~16を含む。サイリスタ11~13のアノードはそれぞれU相ラインUL、V相ラインVL、およびW相ラインWLに接続され、それらのカソードはともに高電圧側出力端子3aに接続される。サイリスタ14~16のカソードはそれぞれU相ラインUL、V相ラインVL、およびW相ラインWLに接続され、それらのアノードはともに低電圧側出力端子3bに接続される。サイリスタ11~16は、制御回路7によって制御される。サイリスタ11~16を所定のタイミングでオンさせることにより、三相交流電力を直流電力に変換することができる。
[0024]
 また、インバータ5は、サイリスタ21~26を含む。サイリスタ21~23のアノードはともに高電圧側入力端子5aに接続され、それらのカソードはそれぞれR相ラインRL、S相ラインSL、およびT相ラインTLに接続される。サイリスタ24~26のアノードはそれぞれR相ラインRL、S相ラインSL、およびT相ラインTLに接続され、それらのカソードはともに低電圧側入力端子5bに接続される。サイリスタ21~26は、制御回路7によって制御される。サイリスタ21~26を所定のタイミングでオンさせることにより、直流電力を所望の周波数の三相交流電力に変換することができる。
[0025]
 図1に戻って、地絡検出回路6は、サイリスタ起動装置において地絡事故の発生を検出する回路である。地絡検出回路6は、図3に示すように、抵抗素子31~34、増幅器35、および比較器36を含む。
[0026]
 抵抗素子31~33の一方端子はそれぞれR相ラインRL、S相ラインSL、およびT相ラインTLに接続され、それらの他方端子はともにノードN31に接続される。抵抗素子34の一方端子はノードN31に接続され、抵抗素子34の他方端子は接地電圧GNDのラインに接続される。
[0027]
 増幅器35は、抵抗素子34の端子間電圧V31を増幅する。比較器36は、増幅器35の出力電圧V35と所定の参照電圧VRとを比較し、比較結果に応じたレベルの信号φDを出力する。増幅器35の出力電圧V35が参照電圧VRよりも小さい場合は(V35<VR)、信号φDは「L」レベルにされる。増幅器35の出力電圧V35が参照電圧VRよりも大きい場合は(VR<V35)、信号φDは「H」レベルにされる。
[0028]
 サイリスタ起動装置において地絡事故が発生していない場合は、R相、S相、およびT相の交流電圧の和は約0Vになり、抵抗素子34の端子間電圧V31は約0Vになる。この場合は、V35<VRとなり、信号φDは非活性化レベルの「L」レベルになる。
[0029]
 サイリスタ起動装置において地絡事故が発生した場合は、地絡した地点(たとえばR相ラインRL)が抵抗素子34の他方端子(接地電圧GNDのライン)に接続され、電流が流れるループができて、抵抗素子34の端子間に電圧V31が発生する。この場合は、VR<V35となり、信号φDは活性化レベルの「H」レベルになる。
[0030]
 制御回路7は、複数のセンサ(図示せず)からコンバータ3の入力電流、インバータ5の出力電圧、同期電動機8の回転速度などを示す信号を受け、受けた信号に基いてコンバータ3およびインバータ5を制御する。
[0031]
 また、制御回路7は、停止状態にある同期電動機8を起動させる場合は、同期電動機8の回転速度が0から所定値まで徐々に増大するのに応じて、インバータ5から出力される三相交流電力の周波数を0から所定値まで徐々に上昇させる。
[0032]
 また、制御回路7は、地絡検出回路6の出力信号φDが「H」レベルにされた場合は、コンバータ3およびインバータ5の運転を停止させるとともに、複数の遮断器(図示せず)を遮断し、地絡事故によってサイリスタ起動装置や同期電動機8などが破壊されるのを防止する。
[0033]
 このようなサイリスタ起動装置は、たとえば発電所において、停止状態の同期発電機を同期電動機として起動させるために使用される。同期発電機を同期電動機として所定の回転数で回転駆動させた状態で、サイリスタ起動装置を同期発電機から切り離すとともに、ガスタービンなどによって同期発電機を回転駆動させて交流電力を生成する。
[0034]
 この実施の形態では、交流ラインRL,SL,TLとノードN31の間にそれぞれ抵抗素子31~33を接続し、ノードN31と接地電圧GNDのラインとの間に抵抗素子34を接続し、抵抗素子34の端子間電圧V31に基づいて地絡事故が発生したか否かを判別する。地絡事故が発生していない場合は電圧V31は約0Vになり、地絡事故が発生した場合は電圧V31が0Vよりも大幅に大きくなるので、地絡事故の発生を高精度で検出することができる。また、従来のように三相変圧器を使用しないので、装置の小型化、低価格化を図ることができる。
[0035]
 図4は、実施の形態の比較例となる地絡検出回路40の構成を示す回路ブロック図であって、図3と対比される図である。図4において、地絡検出回路40は、抵抗素子41~43、増幅器44、および比較器45を含む。
[0036]
 抵抗素子41,42の一方端子はそれぞれインバータ5の入力端子5a,5bに接続され、それらの他方端子はともにノードN41に接続される。抵抗素子43の一方端子はノードN41に接続され、抵抗素子43の他方端子は接地電圧GNDのラインに接続される。
[0037]
 増幅器44は、抵抗素子43の端子間電圧V41を増幅する。比較器45は、増幅器44の出力電圧V44と所定の電圧範囲VRL~VRH(VRL<VRH)とを比較し、比較結果に応じたレベルの信号φDを出力する。増幅器44の出力電圧V44が所定の電圧範囲内である場合は(VRL<V44<VRH)、信号φDは「L」レベルにされる。増幅器44の出力電圧V44が所定の電圧範囲外である場合は(V44<VRLまたはVRH<V44)、信号φDは「H」レベルにされる。
[0038]
 サイリスタ起動装置において地絡事故が発生していない場合は、インバータ5の入力端子5a,5b間の電圧を抵抗素子41,42で分圧した電圧がノードN41の電圧V41となる。この電圧V41は、ある幅で振幅する電圧である。この場合は、VRL<V44<VRHとなり、信号φDは非活性化レベルの「L」レベルになる。
[0039]
 サイリスタ起動装置において地絡事故が発生した場合は、地絡した地点(たとえばR相ラインRL)が抵抗素子43の他方端子(接地電圧GNDのライン)に接続され、電流が流れるループができて、抵抗素子43の端子間に電圧V41が発生する。この場合は、V44<VRLまたはVRH<V44となり、信号φDは活性化レベルの「H」レベルになる。
[0040]
 以下、実施の形態の地絡検出回路6の地絡検出精度と比較例の地絡検出回路40の地絡検出精度とを比較する。図5(a)~図9(a)は、図4(比較例)の増幅器44の出力電圧V44を示すタイムチャートである。図5(b)~図9(b)は、図3(実施の形態)の増幅器35の出力電圧V35を示すタイムチャートである。
[0041]
 また、図5(c)~図9(c)は、図2のR相ラインRLの電圧Vr、S相ラインSLの電圧Vs、およびT相ラインTLの電圧Vtを示すタイムチャートである。図5(d)~図9(d)は、図2のコンバータ3の低電圧側出力端子3b(インバータ5の低電圧側入力端子5b)の電圧Vn、コンバータ3の高電圧側出力端子3aの電圧Vp1、およびインバータ5の高電圧側入力端子5aの電圧Vp2を示すタイムチャートである。電圧Vr,Vs,Vt,Vn,Vp1,Vp2は、比較例と実施の形態で同じである。
[0042]
 まず図5(a)~(d)では、時刻t0においてR相ラインRLが地絡した場合における地絡前後の電圧変化が示されている。図5(c)に示すように、正常時は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtはともに所定の振幅で変化している。時刻t0においてR相ラインRLの地絡事故が発生すると、R相電圧Vrが0Vになり、S相電圧VsおよびT相電圧Vtの振幅が増大する。
[0043]
 また、図5(d)に示すように、直流電圧Vn,Vp1,Vp2の各々は、正常時であっても一定値にはならず、ある振幅で変化している。時刻t0においてR相ラインRLの地絡事故が発生すると、直流電圧Vn,Vp1,Vp2の振幅が増大する。
[0044]
 比較例の増幅器44の出力電圧V44は、直流電圧(Vp2-Vn)を分圧した電圧に応じて変化する。このため図5(a)に示すように、電圧V44は正常時であってもある振幅で変化しており、時刻t0においてR相ラインRLの地絡事故が発生すると電圧V44の振幅が増大する。このように時刻t0の前後で電圧V44の振幅が変化するので、地絡事故の発生を検出することは可能である。しかし、時刻t0の前後の変化が小さいので、地絡事故の発生の有無を判定することは容易でない。
[0045]
 これに対して本実施の形態の増幅器35の出力電圧V35は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtを加算した電圧に応じて変化する。このため図5(b)に示すように、電圧V35は正常時は約0Vになり、時刻t0においてR相ラインRLの地絡事故が発生すると電圧V35の振幅が急に増大する。このように時刻t0の前後で電圧V35の振幅が大幅に変化するので、地絡事故の発生の有無を容易に判定することができる。
[0046]
 次に図6(a)~(d)では、時刻t0においてインバータ5の高電圧側入力端子5aが地絡した場合における地絡前後の電圧変化が示されている。図6(d)に示すように、直流電圧Vn,Vp1,Vp2の各々は、正常時であっても一定値にはならず、ある振幅で変化している。時刻t0においてインバータ5の高電圧側入力端子5aの地絡事故が発生すると、直流電圧Vp2が0Vになり、直流電圧Vn,Vp1がともに負電圧側にシフトする。
[0047]
 また図6(c)に示すように、正常時は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtはともに所定の振幅で変化している。時刻t0においてインバータ5の高電圧側入力端子5aの地絡事故が発生すると、三相交流電圧Vr,Vs,Vtはともに負電圧側にシフトする。
[0048]
 比較例の増幅器44の出力電圧V44は、直流電圧(Vp2-Vn)を分圧した電圧に応じて変化する。このため図6(a)に示すように、電圧V44は正常時であってもある振幅で変化しており、時刻t0においてインバータ5の高電圧側入力端子5aの地絡事故が発生すると電圧V44は負電圧側にシフトする。このように時刻t0の前後で電圧V44がシフトするので、地絡事故の発生を検出することは可能である。しかし、時刻t0の前後の変化が小さいので、地絡事故の発生の有無を判定することは容易でない。また、電圧V44の振幅は地絡事故によって減少するので、電圧V44の振幅の大小によって地絡事故の発生の有無を判別することはできない。
[0049]
 これに対して本実施の形態の増幅器35の出力電圧V35は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtを加算した電圧に応じて変化する。このため図6(b)に示すように、電圧V35は正常時は約0Vになり、時刻t0においてインバータ5の高電圧側入力端子5aの地絡事故が発生すると電圧V35の振幅が急に増大する。このように時刻t0の前後で電圧V35の振幅が大幅に変化するので、地絡事故の発生の有無を容易に判定することができる。
[0050]
 また図7(a)~(d)では、時刻t0においてインバータ5の低電圧側入力端子5bが地絡した場合における地絡前後の電圧変化が示されている。図7(d)に示すように、直流電圧Vn,Vp1,Vp2の各々は、正常時であっても一定値にはならず、ある振幅で変化している。時刻t0においてインバータ5の低電圧側入力端子5bの地絡事故が発生すると、直流電圧Vnが0Vになり、直流電圧Vp1,Vp2がともに正電圧側にシフトする。
[0051]
 また図7(c)に示すように、正常時は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtはともに所定の振幅で変化している。時刻t0においてインバータ5の低電圧側入力端子5bの地絡事故が発生すると、三相交流電圧Vr,Vs,Vtはともに正電圧側にシフトする。
[0052]
 比較例の増幅器44の出力電圧V44は、直流電圧(Vp2-Vn)を分圧した電圧に応じて変化する。このため図7(a)に示すように、電圧V44は正常時であってもある振幅で変化しており、時刻t0においてインバータ5の低電圧側入力端子5bの地絡事故が発生すると電圧V44は正電圧側にシフトする。このように時刻t0の前後で電圧V44がシフトするので、地絡事故の発生を検出することは可能である。しかし、時刻t0の前後の変化が小さいので、地絡事故の発生の有無を判定することは容易でない。また、電圧V44の振幅は地絡事故によって減少するので、電圧V44の振幅の大小によって地絡事故の発生の有無を判別することはできない。
[0053]
 これに対して本実施の形態の増幅器35の出力電圧V35は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtを加算した電圧に応じて変化する。このため図7(b)に示すように、電圧V35は正常時は約0Vになり、時刻t0においてインバータ5の低電圧側入力端子5bの地絡事故が発生すると電圧V35の振幅が急に増大する。このように時刻t0の前後で電圧V35の振幅が大幅に変化するので、地絡事故の発生の有無を容易に判定することができる。
[0054]
 次に図8(a)~(d)では、時刻t0においてコンバータ3の高電圧側出力端子3aが地絡した場合における地絡前後の電圧変化が示されている。図8(d)に示すように、直流電圧Vn,Vp1,Vp2の各々は、正常時であっても一定値にはならず、ある振幅で変化している。時刻t0においてコンバータ3の高電圧側出力端子3aの地絡事故が発生すると、直流電圧Vp1が0Vになり、直流電圧Vn,Vp2がともに負電圧側にシフトする。
[0055]
 また図8(c)に示すように、正常時は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtはともに所定の振幅で変化している。時刻t0においてコンバータ3の高電圧側出力端子3aの地絡事故が発生すると、三相交流電圧Vr,Vs,Vtはともに負電圧側にシフトする。
[0056]
 比較例の増幅器44の出力電圧V44は、直流電圧(Vp2-Vn)を分圧した電圧に応じて変化する。このため図8(a)に示すように、電圧V44は正常時であってもある振幅で変化しており、時刻t0においてコンバータ3の高電圧側出力端子3aの地絡事故が発生すると電圧V44は負電圧側にシフトする。このように時刻t0の前後で電圧V44がシフトするので、地絡事故の発生を検出することは可能である。しかし、時刻t0の前後の変化が小さいので、地絡事故の発生の有無を判定することは容易でない。
[0057]
 これに対して本実施の形態の増幅器35の出力電圧V35は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtを加算した電圧に応じて変化する。このため図8(b)に示すように、電圧V35は正常時は約0Vになり、時刻t0においてコンバータ3の高電圧側出力端子3aの地絡事故が発生すると電圧V35の振幅が急に増大する。このように時刻t0の前後で電圧V35の振幅が大幅に変化するので、地絡事故の発生の有無を容易に判定することができる。
[0058]
 また図9(a)~(d)では、時刻t0においてU相ラインULが地絡した場合における地絡前後の電圧変化が示されている。図9(c)に示すように、正常時は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtはともに所定の振幅で変化している。時刻t0においてU相ラインULの地絡事故が発生すると、三相交流電圧Vr,Vs,Vtの振幅が増大する。
[0059]
 また、図9(d)に示すように、直流電圧Vn,Vp1,Vp2の各々は、正常時であっても一定値にはならず、ある振幅で変化している。時刻t0においてU相ラインULの地絡事故が発生すると、直流電圧Vn,Vp1,Vp2の振幅が増大する。
[0060]
 比較例の増幅器44の出力電圧V44は、直流電圧(Vp2-Vn)を分圧した電圧に応じて変化する。このため図9(a)に示すように、電圧V44は正常時であってもある振幅で変化しており、時刻t0においてU相ラインULの地絡事故が発生すると電圧V44の振幅が増大する。このように時刻t0の前後で電圧V44の振幅が変化するので、地絡事故の発生を検出することは可能である。しかし、時刻t0の前後の変化が小さいので、地絡事故の発生の有無を判定することは容易でない。
[0061]
 これに対して本実施の形態の増幅器35の出力電圧V35は、三相交流電圧Vr,Vs,Vtを加算した電圧に応じて変化する。このため図9(b)に示すように、電圧V35は正常時は約0Vになり、時刻t0においてU相ラインULの地絡事故が発生すると電圧V35の振幅が急に増大する。このように時刻t0の前後で電圧V35の振幅が大幅に変化するので、地絡事故の発生の有無を容易に判定することができる。
[0062]
 図10は、本実施の形態の変更例となる地絡検出回路50の構成を示す回路ブロック図であって、図3と対比される図である。図10を参照して、この変更例の地絡検出回路50は、図3の地絡検出回路6の増幅器35と比較器36の間に、絶対値演算器51およびフィルタ回路52を追加したものである。絶対値演算器51は、増幅器35の出力電圧V35の絶対値|V35|を求め、その絶対値|V35|に応じたレベルの電圧V51を出力する。フィルタ回路52は、絶対値演算器51の出力電圧V51から高周波成分を除去するローパスフィルタである。比較器36は、フィルタ回路52の出力電圧V52と所定の参照電圧VRとを比較し、比較結果に応じたレベルの信号φDを出力する。
[0063]
 フィルタ回路52の出力電圧V52が参照電圧VRよりも小さい場合は(V52<VR)、信号φDは「L」レベルにされる。フィルタ回路52の出力電圧V52が参照電圧VRよりも大きい場合は(VR<V52)、信号φDは「H」レベルにされる。この変更例では、地絡事故によって増幅器35の出力電圧V35が正電圧になる場合でも、負電圧になる場合でも、地絡事故の発生を容易かつ正確に検出することができる。
[0064]
 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

符号の説明

[0065]
 1 交流電源、2 三相変圧器、3 コンバータ、3a 高電圧側出力端子、3b 低電圧側出力端子、4 直流リアクトル、5 インバータ、5a 高電圧側入力端子、5b 低電圧側入力端子、6,40,50 地絡検出回路、7 制御回路、8 同期電動機、11~16,21~26 サイリスタ、31~34,41~43 抵抗素子、35,44 増幅器、36,45 比較器、51 絶対値演算器、52 フィルタ回路、RL R相ライン、SL S相ライン、TL T相ライン、UL U相ライン、VL V相ライン、WL W相ライン。

請求の範囲

[請求項1]
 第1の三相交流電力を直流電力に変換し、前記直流電力を第2の三相交流電力に変換し、第1~第3の交流ライン(RL,SL,TL)を介して負荷(8)に供給する電力変換装置において地絡事故を検出する地絡検出回路(6)であって、
 第1~第4の抵抗素子(31~34)を備え、
 前記第1~第3の抵抗素子(31~33)の一方端子はそれぞれ前記第1~第3の交流ライン(RL,SL,TL)に接続され、前記第1~第3の抵抗素子(31~33)の他方端子はともに前記第4の抵抗素子(34)の一方端子に接続され、前記第4の抵抗素子(34)の他方端子は接地電圧を受け、
 さらに、前記第4の抵抗素子(34)の端子間電圧に基づいて、前記電力変換装置において前記地絡事故が発生したか否かを判別する判別回路(36)を備える、地絡検出回路。
[請求項2]
 前記判別回路(36)は、前記第4の抵抗素子(34)の端子間電圧が予め定められた電圧を超えた場合に、前記電力変換装置において前記地絡事故が発生したと判別する、請求項1に記載の地絡検出回路。
[請求項3]
 前記判別回路(36,51)は、
 前記第4の抵抗素子(34)の端子間電圧の絶対値を求める絶対値演算器(51)と、
 前記絶対値演算器(51)によって求められた前記第4の抵抗素子(34)の端子間電圧の絶対値が予め定められた値を超えた場合に、前記電力変換装置において前記地絡事故が発生したことを示す信号を出力する比較器(36)とを含む、請求項2に記載の地絡検出回路。
[請求項4]
 前記第2の三相交流電力の周波数は変更可能になっていて、
 前記負荷は同期電動機(8)であり、
 前記電力変換装置は、前記同期電動機(8)を起動させるサイリスタ起動装置である、請求項1に記載の地絡検出回路。
[請求項5]
 電力変換装置であって、
 第1の三相交流電力を直流電力に変換するコンバータ(3)と、
 前記直流電力を平滑化させる直流リアクトル(4)と、
 前記コンバータ(3)から前記直流リアクトル(4)を介して与えられた前記直流電力を第2の三相交流電力に変換し、第1~第3の交流ライン(RL,SL,TL)を介して負荷に供給するインバータ(5)と、
 前記電力変換装置の地絡事故を検出する地絡検出回路(6)と、
 前記地絡検出回路(6)によって前記地絡事故が検出された場合に前記電力変換装置の運転を停止させる制御回路(7)とを備え、
 前記地絡検出回路(6)は、
 第1~第4の抵抗素子(31~34)を含み、
 前記第1~第3の抵抗素子(31~33)の一方端子はそれぞれ前記第1~第3の交流ライン(RL,SL,TL)に接続され、前記第1~第3の抵抗素子(31~33)の他方端子はともに前記第4の抵抗素子(34)の一方端子に接続され、前記第4の抵抗素子(34)の他方端子は接地電圧を受け、
 さらに、前記第4の抵抗素子(34)の端子間電圧に基づいて、前記電力変換装置において前記地絡事故が発生したか否かを判別する判別回路(36)を含む、電力変換装置。
[請求項6]
 前記判別回路(36)は、前記第4の抵抗素子(34)の端子間電圧が予め定められた電圧を超えた場合に、前記電力変換装置において前記地絡事故が発生したと判別する、請求項5に記載の電力変換装置。
[請求項7]
 前記判別回路(36,51)は、
 前記第4の抵抗素子(34)の端子間電圧の絶対値を求める絶対値演算器(51)と、
 前記絶対値演算器(51)によって求められた前記第4の抵抗素子(34)の端子間電圧の絶対値が予め定められた値を超えた場合に、前記電力変換装置において前記地絡事故が発生したことを示す信号を出力する比較器(36)とを含む、請求項6に記載の地絡検出回路。
[請求項8]
 前記第2の三相交流電力の周波数は変更可能になっていて、
 前記負荷は同期電動機(8)であり、
 前記電力変換装置は、前記同期電動機(8)を起動させるサイリスタ起動装置である、請求項5に記載の電力変換装置。
[請求項9]
 前記サイリスタ起動装置は、発電所の同期発電機を前記同期電動機(8)として起動させる、請求項8に記載の電力変換装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]