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1. WO2013146682 - SWASH PLATE

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明 細 書

発明の名称 斜板

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

符号の説明

0017   0018  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 斜板

技術分野

[0001]
 本発明は斜板に関し、より詳しくは、斜板式コンプレッサの斜板であって、表面に摺動面となるコーティング層を備えた斜板に関する。

背景技術

[0002]
 従来、斜板式コンプレッサの斜板として、基材の表面に樹脂被膜層(コーティング層)を形成して、該樹脂被膜層を摺動面としたものが提案されている(例えば特許文献1~特許文献3)。
 こうした従来の斜板においては、回転軸によって斜板が回転される際に相手材となるシューと摺動するようになっており、斜板の内周部側から潤滑油が供給されて両部材の摺動部分が潤滑されるようになっている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2002-317759号公報
特許文献2 : 特開2003-42061号公報
特許文献3 : 特開2003-184743号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、上述したような樹脂被膜層を備えた従来の斜板においては、斜板の内周部側から摺動面に潤滑油を供給した際に、摺動面の全域に潤滑油が供給されにくいという問題があった。つまり、図4ないし図5に示すように、従来の斜板は、基材の表面に樹脂被膜層が形成されており、該樹脂被膜層の内周部よりも内方側は基材の端面が露出した状態となっている。しかも、樹脂被膜層の内周部は、その半径方向の断面が基材の端面に対して40°以上も立ち上がった段差となっていたものである。より詳細には、内周部における上記基材の端面との境界である内方縁と、内周部における摺動面との境界である外方縁とを結ぶ仮想の直線L1とすると、該仮想の直線L1が基材の端面となす角度θ1は40°以上になっていたものである。さらに、内周部の内方縁の隣接箇所である立上り部が基材の端面となす角度θ2は90°に近い角度となっていたものである。そのため、従来の斜板においては、内周部側から潤滑油が供給された際に、該潤滑油が露出した基材の端面に沿って円周方向外方の摺動面へ移動する際に、上記樹脂被膜層の内周部の段差によって跳ね返されやすくなる(図5参照)。そのために、従来の斜板においては、樹脂被膜層の内周部を乗り越えてその半径方向外方側の摺動面へ潤滑油が供給されにくいという問題があった。したがって、従来の斜板は潤滑が不十分となって焼付きが生じやすいという欠点が指摘されていたものである。

課題を解決するための手段

[0005]
 上述した事情に鑑み、本発明は、円板状の基材と、この基材の端面に施されたコーティング層とを備え、該コーティング層がシューと摺動する摺動面となる斜板にあって、
 上記コーティング層における内周部は、上記基材の端面との境界部となる内方縁に対して、上記摺動面の内周部側の縁部となる外方縁が半径方向外方に位置する傾斜面となっており、該傾斜面は、上記内方縁と外方縁とを結んだ仮想の直線が上記基材の端面と成す角度θ1が10°以下に設定されるとともに、上記内方縁に隣接する立上り部が端面と成す角度θ2が20°以下に設定されており、かつ、傾斜面のいずれの箇所においても上記基材の端面となす角度が90°未満となっていることを特徴とするものである。

発明の効果

[0006]
 このような構成によれば、コーティング層の内周部は上述した傾斜面となっている。そのため、斜板の内周部側(基材の内周部側)から潤滑油が供給された際に、上記傾斜面となっている内周部を潤滑油は支障なく乗り越えて、外方側の摺動面に供給される。そのため、摺動面における潤滑不足を防止することができ、従って斜板の焼付きを良好に防止することができる。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 本発明の一実施例を示す要部の正面図。
[図2] 図1に示した斜板の要部を示す断面図。
[図3] 図2の要部の拡大図。
[図4] 従来品の斜板の要部を示す断面図。
[図5] 図4の要部の拡大図。
[図6] 本発明の第2実施例を示す要部の断面図。
[図7] 本発明の第3実施例を示す要部の断面図。
[図8] 本発明の第4実施例を示す要部の断面図。
[図9] 本発明の第5実施例を示す要部の断面図。
[図10] 本発明の第6実施例を示す要部の断面図。

発明を実施するための形態

[0008]
 以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1は斜板式コンプレッサの要部を示したものである。この斜板式コンプレッサは、回転軸1の外周部に傾斜させて取り付けられた円板状の斜板2と、一端の切り欠き部3Aにより斜板2の外周部を包み込んで上記回転軸1に沿って配置された複数のピストン3と、各ピストン3の切り欠き部3A内に形成された一対の半球状の凹部3B、3Bと斜板2の表面2A、裏面2Bとの間に配置された複数の半球状のシュー4とを備えている。
 シュー4は、ピストン3の凹部3Bに嵌合される半球面4Aと、斜板2の摺動面である表面2A又は裏面2Bと摺動する平坦な端面4Bとを備えている。シュー4はSUJ2からなり、半球面4Aおよび端面4Bに焼入れとその後の仕上げ加工がなされている。
 回転軸1の回転に伴って斜板2が回転されると、斜板2の摺動面である表面2A又は裏面2Bと一対のシュー4の端面4Bとが摺動するとともに、一対のシュー4の半球面4Aとピストン3の凹部3B、3Bとが摺動することにより、各ピストン3が回転軸1の軸方向に沿って往復動されるようになっている。
 また、回転軸1および斜板2が回転される際には、回転軸1が貫通した斜板2の内周部から潤滑油が供給されるようになっており、潤滑油は斜板2の回転に伴って摺動面である表面2Aと裏面2Bに供給されるようになっている。
[0009]
 図2ないし図3に示すように、本実施例の斜板2は、中心部に上記回転軸1が貫通する貫通孔11Aが穿設された円板状の基材11と、この基材11の両方の端面11Bに施されたコーティング層としての樹脂被膜層12とから構成されている。なお、図2、図3においては、表面2A側となる端面11Bとそこに施した樹脂被膜層12のみを示してあり、裏面2Bは省略して表示している。
 基材11は鉄系の材料からなり、全域にわたって同一の厚さに設定されている。この基材11の貫通孔11Aが斜板2の内周部となっている。
 コーティング層としての樹脂被膜層12は、端面11Bの外周部(斜板2の外周部2C)から貫通孔11Aよりも外方にわたる領域を被覆して設けられている。そのため、貫通孔11Aの隣接外方部分となる端面11Bは、円周方向全域にわたって環状に露出している。
[0010]
 しかして、本実施例は上述した構成の斜板2を前提として、樹脂被膜層12の内周部12Aを潤滑油が乗り越えやすい傾斜面としたものであり、それによって摺動面である表面2Aと裏面2Bに潤滑油が供給されやすいようにしたものである。より詳細には、本実施例の樹脂被覆層12は、内周部12Aと外周部以外の箇所の肉厚は同一厚さに設定されており、具体的には肉厚は2~50μmに設定されている。内周部12Aは、基材11の露出した端面11Bとの境界となる内方縁12Bに対して、上記表面2A(摺動面)の内周部側の縁部となる外方縁12Cが半径方向外方に位置する傾斜面となっている。そして、内周部12Aの内方縁12Bと外方縁12Cとを結んだ仮想の直線L1が上記基材11の端面11Bと成す角度θ1は10°以下に設定されている。また、内方縁12Bの隣接箇所となる立上り部12Dが端面11Bとなす角度θ2は20°以下に設定されており、かつ、傾斜面である内周部12Aのいずれの箇所においても端面11Bとなす角度は90°未満に設定されている。より好ましい効果を得るためには、上記角度θ1は5°以下に設定されるとともに上記角度θ2は15°以下に設定される。
 また、基材11の端面11Bに樹脂被膜層12を形成する方法としては、次のような方法を用いることができる。つまり、スプレー塗装、ロール塗装、スタンプ塗装を採用することができる。さらに、より好適には、スピン塗装によって樹脂被膜層12を形成するのが良い。スピン塗装による場合には、先ず基材11の両方の端面11Bに樹脂塗料をロール塗装で塗布し、その後に基材11を回転機構に保持した状態で適切な回転数で所要時間回転させればよい。それにより、遠心力によって樹脂塗料が基材11の端面の内周側から外周側へ流動することで、上述した構成の樹脂被膜層12を有する斜板2を製造することができる。
[0011]
 本実施例の斜板2は以上のように構成されている。このような本実施例の斜板2においては、樹脂皮膜層12の内周部12Aは潤滑油が乗り越えやすい傾斜面となっている。そのため、基材11の貫通孔11A(斜板2の内周部)から潤滑油が供給された際に、上記緩やかな傾斜面となっている樹脂被膜層12の内周部12Aを潤滑油は支障なく乗り越えて、その外方側となる表面2A、裏面2B(摺動面)に供給される。そのため、摺動面である表面2A、裏面2Bにおける潤滑不足を防止することができ、従って潤滑不足による斜板2の焼付きを良好に防止することができる。
[0012]
 次に、図6は本発明の第2実施例となる斜板2の要部を示したものである。この第2実施例においては、上記第1実施例と比較して立上り部12Dの半径方向寸法を小さくするとともに、内周部12Aの半径方向の断面が略円弧状となる傾斜面としたものである。この他の構成は、上記図3に示した第1実施例のものと変わりは無く、上記第1実施例と対応する各部材には同一番号を付している。このような第2実施例の斜板2であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
[0013]
 次に、図7は本発明の第3実施例としての斜板2の要部を示したものである。この第3実施例は、上記図6に示した第2実施例のものと比較して樹脂被膜層12の内周部12Aの膨出量を3倍程度に大きくしたものである。そのため、傾斜面である断面の曲率は、第2実施例よりも大きな略円弧状となっている。この他の構成は、上記第1実施例のものと変わりは無く、第1実施例と対応する各部材には同一番号を付している。このような第3実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
[0014]
 次に、図8は本発明の第4実施例としての斜板2の要部を示したものである。この第4実施例においては、樹脂被膜層12の内周部12Aを、半径方向の断面が下方へ窪む略円弧状の傾斜面としたものである。そのため、この第4実施例においては、立上り部12Dの角度θ2は、仮想の直線L1が端面11Bと成す角度θ1よりも小さくなっている。この他の構成は、上記図3に示した第1実施例のものと変わりは無く、第1実施例と対応する各部材には同一番号を付している。このような第4実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
[0015]
 次に、図9は本発明の第5実施例としての斜板2の要部を示したものである。この第5実施例においては、基材11の端面11Bにおける樹脂被膜層12の内周部12Aの隣接位置に円周方向の環状溝11Cが形成されている。この環状溝11Cの底部は平坦面となっているが、両方の側壁の断面は円弧状となっている。そして、樹脂被膜層12の内周部12Aは、環状溝11Cの一方の側壁を越えて環状溝11Cの内部まで入り込んで形成されている。この第5実施例においては上記環状溝11Cが形成されている関係で、上記角度θ1、θ2は上述した各実施例のものよりも大きくなっている。この他の構成は、上記図3に示した第1実施例のものと変わりは無く、第1実施例と対応する各部材には同一番号を付している。このような第5実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
[0016]
 次に、図10は本発明の第6実施例としての斜板2の要部を示したものである。この第6実施例は図9に示した第5実施例に類似した実施例であって、上記第5実施例における環状溝11Cの断面形状を全体として円弧状に形成したものである。そして、樹脂被膜層12の内周部12Aは、環状溝11C内の略中央位置まで入り込んで形成されている。その他の構成は第5実施例と同じであり、第5実施例と対応する各部材には同一番号を付している。このような第6実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
 なお、上記各実施例においては、コーティング層として樹脂被膜層12を想定しているが、コーティング層として樹脂被膜層以外のものを用いても良い。

符号の説明

[0017]
2‥斜板
2A‥表面(摺動面)
2B‥裏面(摺動面)
12‥樹脂被膜層(コーティング層)
12A‥内周部
12B‥内方縁
12C‥外方縁
12D‥立上り部

産業上の利用分野

[0018]
 本発明は、斜板式コンプレッサの斜板であって、表面に摺動面となるコーティング層を備えた斜板に利用可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 円板状の基材と、この基材の端面に施されたコーティング層とを備え、該コーティング層がシューと摺動する摺動面となる斜板にあって、
 上記コーティング層における内周部は、上記基材の端面との境界部となる内方縁に対して、上記摺動面の内周部側の縁部となる外方縁が半径方向外方に位置する傾斜面となっており、該傾斜面は、上記内方縁と外方縁とを結んだ仮想の直線が上記基材の端面と成す角度θ1が10°以下に設定されるとともに、上記内方縁に隣接する立上り部が端面と成す角度θ2が20°以下に設定されており、かつ、傾斜面のいずれの箇所においても上記基材の端面となす角度が90°未満となっていることを特徴とする斜板。
[請求項2]
 上記コーティング層は樹脂被膜層からなり、上記角度θ1は5°以下に設定されるとともに、上記角度θ2は15°以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の斜板。
[請求項3]
 上記傾斜面は、半径方向の断面が上方に向けて略円弧状に膨出する傾斜面、或いは、半径方向の断面が下方へ窪んだ略円弧状の傾斜面であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の斜板。
[請求項4]
 上記コーティング層の隣接内方位置となる端面に円周方向の環状溝が形成されており、上記コーティング層の内周部は上記環状溝内に入り込んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の斜板。
[請求項5]
 上記コーティング層の厚さは2~50μmに設定されていることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の斜板。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]