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1. WO2021065939 - ENDOSCOPE SYSTEM AND METHOD FOR OPERATING SAME

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明 細 書

発明の名称 内視鏡システム及びその作動方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071  

符号の説明

0072  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 内視鏡システム及びその作動方法

技術分野

[0001]
 本発明は、観察対象の酸素飽和度を求める内視鏡システム及びその作動方法に関する。

背景技術

[0002]
 医療分野において、生体内の観察対象を撮影する内視鏡システムが広く利用されている。近年では、酸素飽和度と病変部との相関関係が知られていることから、酸素飽和度を用いた診断も行われつつある。酸素飽和度を用いる診断においては、酸素飽和度によって吸光係数が変化する酸素飽和度用照明光を患部に照射して得られる複数の分光画像に基づいて、観察対象の酸素飽和度を算出し、酸素飽和度を画像化した酸素飽和度画像をモニタに表示する。
[0003]
 酸素飽和度の算出に際しては、複数の分光画像に基づく演算処理により得られる演算値として、異なる分光画像間の信号比を用いている。入力となる信号比のわずかな変動が、出力となる酸素飽和度のノイズとなるため、ハード面で、酸素飽和度用照明光を発する光源部の発光量の厳密な制御が必要となるだけでなく、内視鏡や光源部の個体差に対する補正技術も重要となる。例えば、特許文献1では、酸素飽和度を算出するための本撮影の前にプレ撮影を行い、プレ撮影で得られた補正量を用いることで、酸素飽和度が正確に算出するようにしている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2014-76375号公報
特許文献2 : 国際公開第2015/194422号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 酸素飽和度の算出に用いる信号比に関しては、酸素飽和度用照明光を発する光源部の分光特性が個体別に異なることから、同じ観察対象を撮像しても、信号比に違いが生じることがある。更には、光源部を有する光源装置と観察対象を撮像する内視鏡の組み合わせによって、同じ観察対象に対して得られる信号比に違いが生じることがある。これに対して、ホワイトバランス補正処理(例えば、特許文献2)を行うことによって、信号比の違いを補正することが考えられる。しかしながら、ホワイトバランス補正処理は、白色部分について個体差が無くなるように補正するものであり、酸素飽和度算出においては、白色部分だけでなく、他の色の部分も使用するため、ホワイトバランス補正処理だけでは個体差により生ずる信号比の違いを十分に補正することが難しかった。
[0006]
 本発明は、酸素飽和度用照明光を発する光源部などの個体差によらず、酸素飽和度を正確に算出することができる内視鏡システム及びその作動方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の内視鏡システムは、複数の波長帯域の照明光を発する複数の半導体光源と、照明光に基づいて照明された観察対象を撮像して複数の分光画像を得る内視鏡と、半導体光源毎の分光特性の違いを補正するための第1補正パラメータを記憶する第1補正パラメータ記憶メモリと、ホワイトバランス補正データを記憶するホワイトバランス補正データ記憶メモリと、複数の前記分光画像、第1補正パラメータ、及びホワイトバランス補正データに基づいて、観察対象の酸素飽和度を算出する画像制御用プロセッサとを備える。
[0008]
 画像制御用プロセッサは、分光画像のうち、酸素飽和度の算出に必要となる特定分光画像に対して、ホワイトバランス補正データに基づくホワイトバランス補正処理を行うことによって、ホワイトバランス補正済みの特定分光画像を取得し、ホワイトバランス補正済みの特定分光画像に基づいて、酸素飽和度の算出用の演算値を算出し、演算値、及び、第1補正パラメータに基づく演算処理によって、演算値を補正するための補正量を算出し、補正量を用いて演算値を補正した補正後の演算値に基づいて、酸素飽和度を算出することが好ましい。
[0009]
 画像制御用プロセッサは、半導体光源と内視鏡の組み合わせによって生じる演算値の違いを補正するための第2補正パラメータを取得し、補正量を算出する場合には、演算値、及び、第1補正パラメータに加えて、第2補正パラメータに基づいて、補正量を算出することが好ましい。半導体光源は、第2補正パラメータを取得するための特定照明光を発することが好ましい。特定照明光は緑色光であることが好ましい。
[0010]
 半導体光源の光量を変化させることにより生じる照明光の波長特性の変化に基づく特定分光画像の違いを補正するための第3補正パラメータを取得する光源用プロセッサを備え、画像制御用プロセッサは、演算値、及び、第1補正パラメータに加えて、第3補正パラメータに基づいて、補正量を算出することが好ましい。第1補正パラメータは、各半導体光源のピーク波長と基準光源のピーク波長との差分値に基づいて得られることが好ましい。
[0011]
 複数の半導体光源には、中心波長に450nmを含む第1青色光を発するBS光源、中心波長に470nmを含む第2青色光を発するBL光源、緑色光を発する緑色光源、及び、赤色光を発する赤色光源を含むことが好ましい。複数の分光画像には、中心波長に450nmを含む第1青色光に対応するB1画像、中心波長に470nmを含む第2青色光に対応するB2光源、緑色光に対応するG1画像、及び、赤色光に対応するR1画像が含まれることが好ましい。
[0012]
 本発明は、複数の波長帯域の照明光を発する複数の半導体光源を備える内視鏡システムの作動方法において、内視鏡が、照明光に基づいて照明された観察対象を撮像して複数の分光画像を得るステップと、プロセッサが、複数の前記分光画像、半導体光源毎の分光特性の違いを補正するための第1補正パラメータ、及び、ホワイトバランス補正データに基づいて、観察対象の酸素飽和度を算出するステップとを有する。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、酸素飽和度用照明光を発する光源部などの個体差によらず、酸素飽和度を正確に算出することができる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 内視鏡システムの外観図である。
[図2] 内視鏡システムの機能を示すブロック図である。
[図3] 第1青色光、第2青色光、緑色光、及び、赤色光の発光スペクトルを示すグラフである。
[図4] 第3補正パラメータ取得部の機能を示すブロック図である。
[図5] 第1青色光と波長変動の変動量との関係を示すグラフである。
[図6] 第1実施形態の酸素飽和度観察モードにおける発光パターンを示す説明図である。
[図7] カラーフィルタの分光特性を示すグラフである。
[図8] 第1実施形態の特殊処理部の機能を示すブロック図である。
[図9] 酸素飽和度と信号比X、Yとの関係を示す説明図である。
[図10] キャリブレーションモードの流れを示すフローチャートである。
[図11] キャリブレーション装置を示す説明図である
[図12] 補正データ取得領域ARを示す説明図である。
[図13] 酸素飽和度観察モードの流れを示すフローチャートである。
[図14] 第2実施形態の酸素飽和度観察モードにおける発光パターンを示す説明図である。
[図15] 第2実施形態の特殊処理部の機能を示すブロック図である。
[図16] 第2補正パラメータ取得部の機能を示すブロック図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 [第1実施形態]
 図1に示すように、第1実施形態の内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16と、表示部であるモニタ18と、ユーザーインターフェース19とを有する。内視鏡12は、光源装置14と光学的に接続するとともに、プロセッサ装置16に電気的に接続する。内視鏡12は、被検体内に挿入する挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けられた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けられた湾曲部12cと、先端部12dとを有している。操作部12bのアングルノブ12eを操作することにより、湾曲部12cが湾曲する。この湾曲部12cが湾曲した結果、先端部12dが所望の方向に向く。なお、先端部12dには、観察対象に向けて空気や水等を噴射する噴射口(図示しない)が設けられている。
[0016]
 また、操作部12bには、アングルノブ12eの他、モード切替スイッチ13a、フリーズスイッチ13b、ズーム操作部13cが設けられている。モード切替スイッチ13aは、観察モードの切り替え操作に用いる。内視鏡システム10は、通常モード、特殊モード、及び、キャリブレーションモードを有する。通常モードは、照明光に白色光を用いて観察対象を撮影して得る自然な色合いの画像(以下、通常画像という)をモニタ18に表示する観察モードである。
[0017]
 特殊モードは、観察対象の酸素飽和度を算出して表示する酸素飽和度観察モードである。酸素飽和度観察モードでは、観察対象を撮像して得る複数の分光画像を用いて観察対象の酸素飽和度を算出し、算出した酸素飽和度の値を、疑似カラーを用いて示す画像(以下、酸素飽和度画像という)を生成してモニタ18に表示する。キャリブレーションモードでは、ホワイトバランス補正処理に用いるホワイトバランス補正データを取得する。
[0018]
 フリーズスイッチ13bは、プロセッサ装置16に対して静止画取得指示を行うためのスイッチであり、プロセッサ装置16は、静止画取得指示に従って、静止画画像を保存する。
[0019]
 プロセッサ装置16は、モニタ18及びユーザーインターフェース19と電気的に接続する。モニタ18は、各観察モードの画像や画像に付帯する画像情報等を出力表示する。ユーザーインターフェース19は、キーボードなどを有し、機能設定等の入力操作を受け付ける。ユーザーインターフェース19としては、キーボードの他に、マウスなどを設けてもよい。なお、プロセッサ装置16には、画像や画像情報等を記録する外付けの記録部(図示省略)を接続してもよい。
[0020]
 図2に示すように、光源装置14は、照明光を発光する光源部20と、光源部20の駆動を制御する光源制御部22と、を備えている。
[0021]
 光源部20は、BS光源20a、BL光源20b、G光源20c、及び、R光源20dの4個の半導体光源を備える。本実施形態においては、BS光源20a、BL光源20b、G光源20c、及び、R光源20dはいずれもLED(Light Emitting Diode)である。光源部20には、これらのLEDの代わりに、LD(Laser Diode)と蛍光体と帯域制限フィルタとの組み合わせや、キセノンランプ等のランプと帯域制限フィルタの組み合わせ等を用いることができる。
[0022]
 図3に示すように、BS光源20aは、中心波長(ピーク波長)が約450±10nm、波長帯域が約420nm~500nmの第1青色光BSを発光する青色光源である。BL光源20bは、中心波長(ピーク波長)及び波長帯域が約470nm±10nmであり、青色のいわゆる狭帯域光(以下、第2青色光BLという)を発光する青色光源である。G光源20cは、中心波長(ピーク波長)が約540±20nm、波長帯域が約480nm~600nmに及ぶ緑色光Gを発光する緑色光源である。R光源20dは、中心波長(ピーク波長)が約620±20nm、波長帯域が約600nm~650nmに及ぶ赤色光Rを発光する赤色光源である。
[0023]
 光源装置14には、酸素飽和度観察モードにて用いる第1補正パラメータを記憶する第1補正パラメータ記憶メモリ23が設けられている。第1補正パラメータは、演算値の補正値の算出に用いられるパラメータであって、BS光源20a、BL光源20b、G光源20c、及び、R光源20dの光学特性の個体ごとの違い(バラツキ)を補正するためのパラメータである。各光源20a~20dは、個体ごとに、ピーク波長値又は中心波長などの分光特性が異なっている(バラツキがある)。
[0024]
 具体的には、第1補正パラメータには、BS光源20aの第1青色光BSのピーク波長CBSと基準光源のピーク波長との差分値に基づいて得られるパラメータΔ1(B450)が含まれる。その他に、BL光源20bの第2青色光BLのピーク波長CBLと基準光源のピーク波長との差分値に基づいて得られるパラメータΔ1(B470)、G光源20cの緑色光Gのピーク波長CGと基準光源のピーク波長との差分値に基づいて得られるパラメータΔ1(G)、及び、R光源20dの赤色光Rのピーク波長CRと基準波長のピーク波長との差分値に基づいて得られるパラメータΔ1(R)が、第1補正パラメータに含まれる。なお、第1補正パラメータは、工場出荷時に、光源装置14の個体ごとの分光特性を測定してパラメータ化することが好ましい。
[0025]
 また、光源装置14には、キャリブレーションモードにて用いる第3補正パラメータを取得する第3補正パラメータ取得部24(図2参照)が設けられている。第3補正パラメータは、BS光源20a、BL光源20b、G光源20c、及び、R光源20dの光量を変化させることにより生じる各照明光の波長特性の変化(主として、波長変動)に基づく特定分光画像(酸素飽和度算出用の分光画像)の違いに関するパラメータである。図4に示すように、第3補正パラメータ取得部24では、第3補正パラメータを取得するために光量及び波長変動関係テーブル24aと、第3補正パラメータ算出部24bとを備えている。なお、光源装置14には、各種処理に関するプログラムがプログラム用メモリに組み込まれている。光源用プロセッサから構成される光源用中央制御部(図示しない)によってプログラム用メモリ内のプログラムが動作することによって、第3補正パラメータ取得部の機能が実現する。
[0026]
 光量及び波長変動関係テーブル24aは、各照明光の光量と各照明光の波長変動との関係が記憶されている。光量及び波長変動関係テーブル24aは、BS光源20a、BL光源20b、G光源20c、及び、R光源20dのそれぞれに対してテーブルが設けられている。例えば、BS光源20aに用いられる光量及び波長変動関係テーブル24aについては、図5に示すように、第1青色光BSの光量LMBSと、第1青色光BSの光量を変化させることにより生じる第1青色光BSの波長変動(例えば、重心波長の変化量)の変動量Δλ(B450)との関係が記憶されている。第1青色光BSの光量が比較的大きい場合には、第1青色光BSの光量と波長変動の変動量Δλとの関係は線形的であるが、第1青色光BSの光量が比較的小さい場合には、第1青色光BSの光量と波長変動の変動量Δλとの関係は非線形である。
[0027]
 第3補正パラメータ算出部24bは、光源部20の光量が変化した場合には、変化した光源に対応する光量及び波長変動関係テーブル24aを参照し、波長変動の変動量Δλを特定する。そして、予め定められた波長変動の変動量Δλと第3補正パラメータとの関係に基づいて、波長変動の変動量Δλに対応する第3補正パラメータを算出する。第3補正パラメータは、BS光源20aの波長変動に対する第3補正パラメータΔ3(B450)、BL光源20bの波長変動に対する第3補正パラメータΔ3(B470)、G光源20cの波長変動に対する第3補正パラメータΔ3(G)、及び、R光源20dの波長変動に対する第3補正パラメータΔ3(R)の4つが含まれる。
[0028]
 光源制御部22は、光源部20を構成する各光源20a~20dの点灯や消灯のタイミング、及び点灯時の発光量等をそれぞれ独立に制御する。この光源制御部22の制御により、光源部20は、通常モードにおいて使用する通常観察用照明光と、酸素飽和度観察モードにおいて使用する酸素飽和度観察用照明光とを発光する。
[0029]
 通常モードの場合、光源制御部22は、BS光源20a、G光源20c、及びR光源20dを同時に点灯する。このため、通常観察用照明光は、第1青色光BSと、緑色光Gと、赤色光Rとを含む白色光である。本実施形態においては、通常モードの場合、光源部20は上記白色光を常時発光するが、観察対象の撮影タイミング(以下、撮影フレームという)に合わせて、白色光を発光しても良い。
[0030]
 酸素飽和度観察モード又はキャリブレーションモードの場合、光源制御部22は、第1パターンと第2パターンで各光源20a~20dの点灯または消灯を交互に繰り返す。第1パターンは、BS光源20aと、G光源20cと、R光源20dを同時に点灯するパターンである。第1パターンの際には、第1青色光BSと、緑色光Gと、赤色光Rとを含む白色光が照明光になる。一方、第2パターンは、BL光源20bと、G光源20cと、R光源20dを同時に点灯するパターンである。このため、第2パターンの際には、第2青色光BLと、緑色光Gと、赤色光Rとを含む酸素飽和度用照明光になる。酸素飽和度観察モードでは、図6に示すように、白色光と酸素飽和度用照明光とが撮影フレームに合わせて、例えば、1撮影フレーム毎に交互に繰り返し発光する。
[0031]
 図2に示すように、光源部20が発光した照明光は、ライトガイド41に入射する。ライトガイド41は、内視鏡12及びユニバーサルコード(内視鏡12と光源装置14及びプロセッサ装置16とを接続するコード)内に内蔵されており、照明光を内視鏡12の先端部12dまで伝搬する。なお、ライトガイド41としては、マルチモードファイバを使用できる。一例として、コア径105μm、クラッド径125μm、外皮となる保護層を含めた径がφ0.3~0.5mmの細径なファイバケーブルを使用できる。
[0032]
 内視鏡12の先端部12dには、照明光学系30aと撮影光学系30bが設けられている。照明光学系30aは、照明レンズ45を有しており、この照明レンズ45を介して照明光が観察対象に照射される。撮影光学系30bは、対物レンズ46、ズームレンズ47、及びイメージセンサ48を有している。イメージセンサ48は、対物レンズ46及びズームレンズ47を介して、観察対象から戻る照明光の反射光等(散乱光、観察対象が発する蛍光、または、観察対象に投与等した薬剤に起因した蛍光等を含む)を用いて観察対象を撮影する。なお、ズームレンズ47は、ズーム操作部13cの操作をすることで移動し、イメージセンサ48を用いて撮影する観察対象を拡大または縮小する。
[0033]
 イメージセンサ48は、原色系のカラーセンサであり、青色カラーフィルタを有するB画素(青色画素)、緑色カラーフィルタを有するG画素(緑色画素)、及び、赤色カラーフィルタを有するR画素(赤色画素)の3種類の画素を備える。図7に示すように、青色カラーフィルタは、主として青色帯域の光、具体的には波長帯域が380~560nmの波長帯域の光を透過する。青色カラーフィルタBFの透過率は、波長460~470nm付近においてピークになる。緑色カラーフィルタはGF、主として緑色帯域の光、具体的には、460~470nmの波長帯域の光を透過する。赤色カラーフィルタRFは、主として赤色帯域の光、具体的には、580~760nmの波長帯域の光を透過する。
[0034]
 イメージセンサ48を用いて観察対象を撮影すると、1回の撮影において最大で、B画素において撮影して得るB画像(青色画像)、G画素において撮像して得るG画像(緑色画像)、及び、R画素において撮影して得るR画像(赤色画像)の3種類の分光画像を得ることができる。通常モードの場合、使用する通常観察用照明光は白色光なので、Bc画像、Gc画像、及びRc画像が得られる。Bc画像は、主に第1青色光BSの反射光等を用いて観察対象を撮影した画像であり、Gc画像は、主に緑色光Gの反射光等を用いて観察対象を撮影した画像である。同様に、Rc画像は、主に赤色光Rの反射光等を用いて観察対象を撮影した画像である。
[0035]
 一方、酸素飽和度観察モード又はキャリブレーションモードでは、白色光を発光するフレームにおいては、分光画像として、B1画像、G1画像、及びR1画像を取得し、酸素飽和度用照明光を発光するフレームにおいては、分光画像として、B2画像、G2画像、及びR2画像を取得する。B1画像、G1画像、及びR1画像は、上記のBc画像、Gc画像、及びRc画像と同様である。B2画像は、主に第2青色光BLの反射光等を用いて観察対象を撮影した画像である。G2画像は、主に緑色光Gの反射光等を用いて観察対象を撮影した画像である。同様に、R2画像は、主に赤色光Rの反射光等を用いて観察対象を撮影した画像である。
[0036]
 イメージセンサ48としては、CCD(Charge Coupled Device)センサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを利用可能である。また、本実施形態のイメージセンサ48は、原色系のカラーセンサであるが、補色系のカラーセンサを用いることもできる。補色系のカラーセンサは、例えば、シアンカラーフィルタが設けられたシアン画素、マゼンタカラーフィルタが設けられたマゼンタ画素、イエローカラーフィルタが設けられたイエロー画素、及び、グリーンカラーフィルタが設けられたグリーン画素を有する。補色系カラーセンサを用いる場合に上記各色の画素から得る画像は、補色-原色色変換をすれば、B画像、G画像、及びR画像に変換できる。また、カラーセンサの代わりに、カラーフィルタを設けていないモノクロセンサをイメージセンサ48として使用できる。この場合、BGR等各色の照明光を用いて観察対象を順次撮影することにより、上記各色の画像を得ることができる。
[0037]
 図2に示すように、プロセッサ装置16は、統括制御部52と、画像取得部54と、画像処理部61と、静止画保存制御部64と、静止画保存部65と、表示制御部66とを有する。
[0038]
 統括制御部52は、プロセッサ装置16内の各部を制御する。統括制御部52は、モード切替スイッチ13aからのモード切替信号に基づいて、各モードに対応する制御を行う。また、統括制御部52は、内視鏡12及び光源装置14を制御する。統括制御部52は、光源装置14の光源制御部22を制御することにより、照明光の照射タイミングを制御する。また、統括制御部52は、内視鏡12のイメージセンサ48を制御することにより、撮影のタイミングを制御する。
[0039]
 なお、プロセッサ装置16には、各種処理に関するプログラムがプログラム用メモリ内に組み込まれている。画像制御用プロセッサによって構成される統括制御部52によってプログラム用メモリ内のプログラムが動作することによって、画像取得部54、画像処理部61、静止画保存制御部64、静止画保存部65、及び表示制御部66の機能が実現する。
[0040]
 画像取得部54は、イメージセンサ48から観察対象の画像を取得する。通常モードの場合、画像取得部54は、撮影フレーム毎にBc画像、Gc画像、及びRc画像を取得する。酸素飽和度観察モード又はキャリブレーションモードの場合、画像取得部54は、照明光に白色光を使用する撮影フレームにおいては、B1画像、G1画像、及びR1画像を取得し、照明光に酸素飽和度用照明光を使用する撮影フレームにおいては、B2画像、G2画像、及びR2画像を取得する。
[0041]
 また、画像取得部54は、DSP(Digital Signal Processor)56と、ノイズ低減部58と、変換部59と、を有し、これらを用いて、取得した画像に各種処理を施す。
[0042]
 DSP56は、取得した画像に対し、必要に応じて欠陥補正処理、オフセット処理、ゲイン補正処理、マトリクス処理、ガンマ変換処理、デモザイク処理、及びYC変換処理等の各種処理を施す。
[0043]
 欠陥補正処理は、イメージセンサ48の欠陥画素に対応する画素の画素値を補正する処理である。オフセット処理は、欠陥補正処理を施した画像から暗電流成分を低減し、正確な零レベルを設定する処理である。ゲイン補正処理は、オフセット処理をした画像にゲインを乗じることにより各画像の信号レベルを整える処理である。マトリクス処理は、オフセット処理をした画像の色再現性を高める処理であり、ガンマ変換処理は、マトリクス処理後の画像の明るさや彩度を整える処理である。デモザイク処理(等方化処理や同時化処理とも言う)は、欠落した画素の画素値を補間する処理であり、ガンマ変換処理後の画像に対して施す。欠落した画素とは、カラーフィルタの配列のため、イメージセンサ48において他の色の画素を配置しているために、画素値がない画素である。例えば、B画像はB画素において観察対象を撮影して得る画像なので、イメージセンサ48のG画素やR画素に対応する位置の画素には画素値がない。デモザイク処理は、B画像を補間して、イメージセンサ48のG画素及びR画素の位置にある画素の画素値を生成する。YC変換処理は、デモザイク処理後の画像を、輝度チャンネルYと色差チャンネルCb及び色差チャンネルCrに変換する処理である。
[0044]
 ノイズ低減部58は、輝度チャンネルY、色差チャンネルCb及び色差チャンネルCrに対して、例えば、移動平均法またはメディアンフィルタ法等を用いてノイズ低減処理を施す。変換部59は、ノイズ低減処理後の輝度チャンネルY、色差チャンネルCb及び色差チャンネルCrを再びBGRの各色の画像に再変換する。
[0045]
 画像処理部61は、通常処理部62と、特殊処理部63と、キャリブレーション処理部68とを有する。通常処理部62は、通常モード時に作動し、上記各種処理を施した1撮影フレーム分のBc画像、Gc画像、及びRc画像に対して、色変換処理、色彩強調処理、及び構造強調処理を施し、通常画像を生成する。色変換処理は、BGR各色の画像に対して3×3のマトリクス処理、階調変換処理、3次元LUT(ルックアップテーブル)処理等を行う。色彩強調処理は、画像の色彩を強調する処理であり、構造強調処理は、例えば、血管やピットパターン等の観察対象の組織や構造を強調する処理である。表示制御部66は、通常処理部62から通常画像を順次取得し、取得した通常画像を表示に適した形式に変換してモニタ18に順次出力表示する。これにより、通常モードの場合、医師等は、通常画像の動画を用いて観察対象を観察できる。
[0046]
 特殊処理部63は酸素飽和度モード時に作動し、酸素飽和度の算出に必要となる特定分光画像であるB1画像、G1画像、R1画像、B2画像に加えて、キャリブレーションモードにて取得した第1補正パラメータ、及び、ホワイトバランス補正データに基づいて、酸素飽和度を算出する。また、特殊処理部63は、算出された酸素飽和度に応じて色付け処理等が施した酸素飽和度画像を作成する。
[0047]
 特殊処理部63は、図8に示すように、ホワイトバランス補正処理部70、演算値算出部71、補正量算出部72、酸素飽和度算出部73、及び、画像作成部74を備える。ホワイトバランス補正処理部70は、ホワイトバランス補正データ記憶メモリ70aに記憶されたホワイトバランス補正データを用いて、特定分光画像であるB1画像、G1画像、R1画像、及びB2画像に対して、ホワイトバランス補正処理を行う。ホワイトバランス補正データは、基準白色板WPを撮像することにより得られ、内視鏡12と光源装置14との組み合わせによる分光画像の白色部分の違いを補正するためのデータである。ホワイトバランス補正データには、B1画像用のB1画像用ホワイトバランス補正データNB1、G1画像用のG2画像用ホワイトバランス補正データNG1、R1画像用のR1画像用ホワイトバランス補正データNR1、及び、B2画像用のB1画像用ホワイトバランス補正データNB2が含まれる。
[0048]
 ホワイトバランス補正処理部70では、B1画像をB1画像用ホワイトバランス補正データNB1で除することにより、ホワイトバランス補正済みのB1画像(B1 =B1/NB1)が得られる。同様にして、G1画像をG1画像用ホワイトバランス補正データNG1で除することにより、ホワイトバランス補正済みのG1画像(G1 =G1/NG1)が得られる。また、R1画像をR1画像用ホワイトバランス補正データNR1で除することにより、ホワイトバランス補正済みのR1画像(R1 =R1/NR1)が得られる。また、B2画像をB2画像用ホワイトバランス補正データNB2で除することにより、ホワイトバランス補正済みのB2画像(B2 =B2/NB2)が得られる。
[0049]
 なお、光源部20の各半導体光源の波長変動に基づく特定分光画像の違いを補正するために、ホワイトバランス補正処理部70では、第3補正パラメータΔ3(B450)、Δ3(B470)、Δ3(G)、Δ3(R)を用いて、ホワイトバランス補正済みのB1画像、G1画像、R1画像、B2画像(B1 、G1 、R1 、B2 )を更に補正することが好ましい。
[0050]
 具体的には、ホワイトバランス補正済みのB1画像に対して、第3補正パラメータΔ3(B450)、Δ3(B470)、Δ3(G)、Δ3(R)に基づくB1画像用補正係数α(B1)を掛け合わせることが好ましい(B1 ×α(B1))。同様にして、ホワイトバランス補正済みのG1画像に対して、第3補正パラメータΔ3(B450)、Δ3(B470)、Δ3(G)、Δ3(R)に基づくG1画像用補正係数α(G1)を掛け合わせることが好ましい(G1 ×α(G1))。また、ホワイトバランス補正済みのR1画像に対して、第3補正パラメータΔ3(B450)、Δ3(B470)、Δ3(G)、Δ3(R)に基づくR1画像用補正係数α(R1)を掛け合わせることが好ましい(R1 ×α(R1))。また、ホワイトバランス補正済みのB2画像に対して、第3補正パラメータΔ3(B450)、Δ3(B470)、Δ3(G)、Δ3(R)に基づくB2画像用補正係数α(B2)を掛け合わせることが好ましい(B2 ×α(B2))。
[0051]
 演算値算出部71は、ホワイトバランス補正済みの特定分光画像であるB1画像、G1画像、R1画像、B2画像(B1 、G1 、R1 、B2 、又は、B1 ×α(B1)、G1 ×α(G1)、R1 ×α(R1)、B2 ×α(B2))に基づく演算処理によって、酸素飽和度の算出用の演算値を算出する。具体的には、演算値算出部71は、演算処理として、ホワイトバランス補正済みのR1画像をホワイトバランス補正済みのG1画像で除して対数化する演算を行うことによって、演算値として、信号比X(=ln(R1 /G1 ))を算出する。また、演算値算出部71は、演算処理として、ホワイトバランス補正済みのB2画像をホワイトバランス補正済みのG1画像で除して対数化する演算を行うことによって、演算値として、信号比Y(=ln(B2 /G1 ))を算出する。
[0052]
 補正量算出部72は、演算値である信号比X,Y、及び、第1補正パラメータに基づいて、信号比X、Yを補正するための補正量を算出する。上記のようにホワイトバランス補正処理を行っているにも関わらず、信号比X、Yを補正するのは、以下の理由からある。第1信号比及び第2信号比は、ホワイトバランス補正処理によって、白色部分では、内視鏡12及び光源装置14との組み合わせに関わらず、同じ値(「0」)を示すが、白色部分以外の他の色の部分では補正されていない。他の色の部分で補正されていないと、酸素飽和度を正確に算出することが難しい。
[0053]
 そこで、補正量算出部72では、光源装置14から、光源部20の各半導体光源の分光特性の違いを補正するための第1補正パラメータΔ1(B450)、Δ1(B470)、Δ1(G)、及びΔ1(R)を取得し、これら第1補正パラメータΔ1(B450)、Δ1(B470)、Δ1(G)、及びΔ1(R)を用いて、信号比X,Yの補正量ΔX、ΔYを算出する。具体的には、下記式(1)に従って、補正量ΔX、ΔYを算出する。
式(1)ΔX=M11×X+M12×Y
    ΔY=M21×X+M22×Y
ただし、M_ijはマトリックス係数であり、M_ij=b450_ij×Δ1(B450)+b470_ij×Δ1(B470)+g_ij×Δ1(G)+r_ijΔ1(R)である。b450_ij、b470_ij、g_ij、r_ijは、任意の係数である。なお、添え字の「i」は1、2であり、添え字の「j」は1、2である。
[0054]
 酸素飽和度算出部73は、補正量ΔX、Yを用いて信号比X,Yを補正し、補正後の信号比X 、Y に基づいて、酸素飽和度を算出する。具体的には、酸素飽和度算出部73は、下記式(2)によって、補正後の信号比X 、Y を算出する。
式(2)X =X+ΔX
    Y =Y+ΔY
 酸素飽和度算出部73は、信号比X,Yと酸素飽和度との相関関係を記憶した酸素飽和度用データ記憶部73aを参照して、補正後のX 、Y に対応する酸素飽和度を画素毎に算出する。酸素飽和度用データ記憶部73aに記憶された相関関係は、図9に示すように、縦軸を信号比Yとし、横軸を信号比Xとする特徴空間では、酸素飽和度が同じ値の点を結ぶ等値線が、ほぼ横方向に沿って形成される。また、等値線は、酸素飽和度が大きくなるほど縦軸方向の下方に位置する。例えば、酸素飽和度が100%の等値線75は、酸素飽和度が0%の等値線76よりも下方に位置する。
[0055]
 例えば、補正後の信号比X 、Y に対応する酸素飽和度は、酸素飽和度用データ記憶部73aが記憶する相関関係を参照すると「40%」である。したがって、酸素飽和度算出部70は、補正後の信号比X 、Y に対応する画素の酸素飽和度を「40%」と算出する。
[0056]
 画像作成部74は、酸素飽和度を用いて、酸素飽和度画像を作成する。具体的には、画像作成部74は、B1画像、G1画像、及びR1画像に基づいて通常画像を作成し、通常画像の色調を酸素飽和度に応じて変化させる。例えば、通常画像において、酸素飽和度が70%を超える画素については色調を変化させずにそのまま表示する一方、酸素飽和度が70%以下の画素については色調を変化させて表示することが好ましい。色調を変化させる場合は、酸素飽和度が低くなる程、寒色系(例えば、青)の色に近づけることが好まし。なお、画像作成部74では、通常画像を作成せずに、酸素飽和度と特定の色画像を用いて、酸素飽和度画像を作成してもよい。この場合、輝度信号Yと色差信号Cr、Cbを用いて酸素飽和度画像を作成することが好ましい。例えば、輝度信号YをG1画像信号に割り当て、色差信号Cr、Cbについては、酸素飽和度に応じて割り当てることが好ましい。
[0057]
 ホワイトバランス補正データを取得するキャリブレーションモードの一連の流れについて、図10のフローチャートに沿って説明する。内視鏡システム10の設置先の施設(病院など)において、キャリブレーションモードは実行される。まず、内視鏡12のモード切替スイッチ13aを操作して、キャリブレーションモードに切り替える。キャリブレーションモードに切り替えられると、白色光と酸素飽和度用照明光が交互に発光する。そして、図11に示すように、基準白色板WPを有するキャリブレーション装置80に内視鏡12を挿入する。内視鏡の先端部12dを基準白色板WPに向けることによって、基準白色板WPの撮像を行い、基準白色板WPの撮影状態が一定条件を満たした場合に、基準白色板WPの静止画を自動又は手動(フリーズスイッチ13bの操作)で取得する。基準白色板WPの静止画は、キャリブレーション処理部68に送信される。
[0058]
 基準白色板WPの静止画には、白色光の分光画像であるB1p画像、G1p画像、R1p画像と、酸素飽和度用照明光の分光画像であるB2p画像、G2p画像、R2p画像とが含まれる。キャリブレーション処理部68では、基準白色板WPの静止画のうち、B1p画像、G1p画像、R1p画像、及びB2p画像について、図12に示す矩形の補正データ取得領域ARを設定し、補正データ取得領域ARの画素値の平均値をそれぞれ算出する。これら、B1p画像、G1p画像、R1p画像、及びB2p画像の補正データ取得領域ARの画素値の平均値を、ホワイトバランス補正データNB1、NG1、NR1、NB2とする。ホワイトバランス補正データは、ホワイトバランス補正データ記憶メモリ70aにそれぞれ格納される。なお、補正データ取得領域ARの形状については、矩形の他、円状であってもよい。
[0059]
 次に、酸素飽和度観察モードの一連の流れについて、図13のフローチャートに沿って説明する。内視鏡12のモード切替スイッチ13aを操作して、酸素飽和度観察モードに切り替える。酸素飽和度観察モードに切り替えられると、白色光と酸素飽和度用照明光が交互に発光する。白色光の撮像フレームの場合において、B1画像、G1画像、及びR1画像を取得する。酸素飽和度用照明光の撮像フレームにおいて、B2画像、G2画像、及びR2画像を取得する。B1画像、G1画像、R1画像、及び、B2画像が、酸素飽和度の算出に用いられる特定分光画像となる。
[0060]
 ホワイトバランス補正処理部70において、特定分光画像であるB1画像、G1画像、R1画像、及び、B2画像に対して、ホワイトバランス補正処理を行う。これにより、ホワイトバランス補正済みのB1画像、G1画像、R1画像、及び、B2画像が得られる。次に、演算値算出部71は、ホワイトバランス補正済みのB1画像、G1画像、R1画像、及び、B2画像に基づく演算処理によって、酸素飽和度算出用の演算値として、信号比X、Yを算出する。
[0061]
 補正量算出部72は、信号比X、Y、及び、光源部20の半導体光源毎の分光特性の違いを補正するための第1補正パラメータに基づいて、信号比X、Yを補正するための補正量ΔX、ΔYを算出する。酸素飽和度算出部73は、補正量ΔX、Yを用いて信号比X,Yを補正し、補正後の信号比X 、Y に基づいて、酸素飽和度を算出する。画像作成部74は、算出された酸素飽和度を用いて、酸素飽和度画像を作成する。作成された酸素飽和度画像は、モニタ18に表示される。
[0062]
 [第2実施形態]
 第2実施形態では、第1補正パラメータに加えて、光源部20の各半導体光源と内視鏡12の組み合わせによって生じる演算値の違いを補正するための第2補正パラメータを用いて、信号比X、Yの補正量を算出する。第2実施形態の酸素飽和度観察モードにおいては、白色光と酸素飽和度用照明光に加えて、第2補正パラメータを取得するための特定照明光を発光する。例えば、特定照明光としては、緑色光源20cから発する緑色光Gとすることが好ましい。この場合、図14に示すように、白色光、酸素飽和度用照明光、及び、緑色光を交互に発光することが好ましい。緑色光の撮像フレームにおいては、分光画像として、B3画像、G3画像、及び、R3画像が得られる。なお、B3画像、G3画像、及び、R3画像は、ホワイトバランス補正処理を行ってもよい。また、補正量の算出については、第1補正パラメータ、第2補正パラメータ、及び、第3補正パラメータに基づいて行ってもよい。また、補正量の算出については、第1補正パラメータ、第2補正パラメータ、及び、第3補正パラメータのうち少なくともいずれかに基づいて行ってもよい。
[0063]
 第2実施形態の特殊処理部63には、第2補正パラメータを取得する第2補正パラメータ取得部90が設けられている。第2補正パラメータ取得部90は、図15に示すように、信号比X、Yに関する基準の信号比Xs、Ysなどを予め記憶する基準信号比記憶部90aと、第2補正パラメータ算出用信号比算出部90bと、第2補正パラメータを算出する第2補正パラメータ算出部90cとを備えている。
[0064]
 第1基準信号比記憶部90aには、基準の信号比Xs、Ysの他に、B1画像をG1画像で除して得られる信号比Z1(=B1/G1)に関する基準の信号比Z1s、B3画像をG1画像で除して得られる信号比Z2(=B3/G1)に関する基準信号比Z2s、G3画像をG1画像で除して得られる信号比Z3(=G3/G1)に関する基準信号比Z3s、G2画像をG1画像で除して得られる信号比Z4(=G2/G1)に関する基準信号比Z4s、及び、R3画像をG1画像で除して得られる信号比Z5(=R3/G1)に関する基準信号比Z5sが含まれている。以上の信号比Z1~Z5は、第2補正パラメータの算出に用いられる第2補正パラメータ算出用信号比である。
[0065]
 第2補正パラメータ算出用信号比算出部90bは、第2補正パラメータ算出用信号比を算出する。即ち、第2補正パラメータ算出用信号比算出部90bは、第2補正パラメータ算出用信号比として、B1画像とG1画像に基づいて、信号比Z1を算出する。同様にして、第2補正パラメータ算出用信号比算出部90bは、B3画像とG1画像に基づいて、信号比Z2を算出する。また、第2補正パラメータ算出用信号比算出部90bは、G3画像とG1画像に基づいて、信号比Z3を算出する。また、第2補正パラメータ算出用信号比算出部90bは、G2画像とG1画像に基づいて、信号比Z4を算出する。第2補正パラメータ算出用信号比算出部90bは、R3画像とG1画像とに基づいて、信号比Z5を算出する。
[0066]
 第2補正パラメータ算出部90cは、信号比Xと基準信号比Xsとの差分により、第2補正パラメータΔ2(X)を算出する。同様にして、第2補正パラメータ算出部90cは、信号比Yと基準信号比Ysとの差分により、第2補正パラメータΔ2(Y)を算出する。また、第2補正パラメータ算出部90cは、信号比Z1と基準信号比Z1sとの差分により、第2補正パラメータΔ2(Z1)を算出する。また、第2補正パラメータ算出部90cは、信号比Z2と基準信号比Z2sとの差分により、第2補正パラメータΔ2(Z2)を算出する。また、第2補正パラメータ算出部90cは、信号比Z3と基準信号比Z3sとの差分により、第2補正パラメータΔ2(Z3)を算出する。また、第2補正パラメータ算出部90cは、信号比Z4と基準信号比Z4sとの差分により、第2補正パラメータΔ2(Z4)を算出する。また、第2補正パラメータ算出部90cは、信号比Z5と基準信号比Z5sとの差分により、第2補正パラメータΔ2(Z5)を算出する。
[0067]
 第2実施形態の補正量算出部72においても、第1実施形態と同様に、上記式(1)により、信号比X、Yの補正量ΔX、ΔYを算出する。ただし、第2実施形態では、上記式(1)のうち、マトリックス係数M_ijが第1実施形態と異なっている。第2実施形態のマトリックス係数M_ijは以下の通りである。なお、第1実施形態と同様、添え字の「i」は1、2であり、添え字の「j」は1、2である。
 M_ij=b450_ij×Δ1(B450)+b470_ij×Δ1(B470)+g_ij×Δ1(G)+r_ijΔ1(R)
+B1_ij×Δ2(Z1)+B2_ij×Δ2(Y)+B3_ij×Δ2(Z2)
+G2_ij×Δ2(X)+G3_ij×Δ2(Z3)
+R2_ij×Δ2(Z4)+R3_ij×Δ2(Z5)
ただし、B1、B2、B3、G2、R3、R2、R3は、任意の係数である。
[0068]
 なお、上記実施形態では、本発明の内視鏡システムとして、軟性鏡内視鏡である内視鏡12を用いる管腔用内視鏡システムの例を説明しているが、本発明の内視鏡システムは、外科用の硬性内視鏡を用いる腹腔用内視鏡システムに対しても適用が可能である。
[0069]
 上記において、第1補正パラメータ記憶メモリ23、第3補正パラメータ取得部24、画像取得部54、画像処理部61、通常処理部62、特殊処理部63、静止画取得制御部64、静止画保存部65、表示制御部66、キャリブレーション処理部68、ホワイトバランス補正処理部70、ホワイトバランス補正データ記憶メモリ70a、演算値算出部71、補正量算出部72、酸素飽和度算出部73、酸素飽和度用データ記憶部73a、画像作成部74、第2補正パラメータ取得部90、基準信号比記憶部90a、第2補正パラメータ算出用信号比算出部90b、第2補正パラメータ算出部90c等といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array) などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路(Graphical Processing Unit:GPU)などが含まれる。
[0070]
 1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ、GPUとCPUの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
[0071]
 さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。また、記憶部のハードウェア的な構造はHDD(hard disc drive)やSSD(solid state drive)等の記憶装置である。

符号の説明

[0072]
10 内視鏡システム
12 内視鏡
12a 挿入部
12b 操作部
12c 湾曲部
12d 先端部
12e アングルノブ
13a モード切替スイッチ
13b フリーズスイッチ
13c ズーム操作部
14 光源装置
16 プロセッサ装置
18 モニタ
19 ユーザーインターフェース
20 光源部
20a BS光源
20b BL光源
20c G光源
20d R光源
22 光源制御部
23 第1補正パラメータ記憶メモリ
24 第3補正パラメータ取得部
24a 光量及び波長変動関係テーブル
24b 第3補正パラメータ算出部
30a 照明光学系
30b 撮像光学系
41 ライトガイド
45 照明レンズ
46 対物レンズ
47 ズームレンズ
48 イメージセンサ
52 制御部
54 画像取得部
56 DSP
58 ノイズ低減部
59 変換部
61 画像処理部
62 通常処理部
63 特殊処理部
64 静止画保存制御部
65 静止画保存部
66 表示制御部
68 キャリブレーション処理部
70 ホワイトバランス補正処理部
70a ホワイトバランス補正データ記憶メモリ
71 演算値算出部
72 補正量算出部
73 酸素飽和度算出部
73a 酸素飽和度用データ記憶部
74 画像作成部
75 100%の等値線
76 0%の等値線
80 キャリブレーション装置
90 第2補正パラメータ取得部
90a 基準信号比記憶部
90b 第2補正パラメータ用信号比算出部
90c 第2補正パラメータ算出部
CBS 第1青色光のピーク波長
CBL 第2青色光のピーク波長
CG 緑色光のピーク波長
CR 赤色光のピーク波長
BF 青色カラーフィルタ
GF 緑色カラーフィルタ
RF 赤色カラーフィルタ
WP 基準白色板
AR 補正データ取得領域

請求の範囲

[請求項1]
 複数の波長帯域の照明光を発する複数の半導体光源と、
 前記照明光に基づいて照明された観察対象を撮像して複数の分光画像を得る内視鏡と、
 前記半導体光源毎の分光特性の違いを補正するための第1補正パラメータを記憶する第1補正パラメータ記憶メモリと、
 ホワイトバランス補正データを記憶するホワイトバランス補正データ記憶メモリと、
 複数の前記分光画像、前記第1補正パラメータ、及び前記ホワイトバランス補正データに基づいて、前記観察対象の酸素飽和度を算出する画像制御用プロセッサとを備える内視鏡システム。
[請求項2]
 前記画像制御用プロセッサは、
 前記分光画像のうち、前記酸素飽和度の算出に必要となる特定分光画像に対して、ホワイトバランス補正データに基づくホワイトバランス補正処理を行うことによって、ホワイトバランス補正済みの特定分光画像を取得し、
 前記ホワイトバランス補正済みの特定分光画像に基づいて、前記酸素飽和度の算出用の演算値を算出し、
 前記演算値、及び、前記第1補正パラメータに基づく演算処理によって、前記演算値を補正するための補正量を算出し、
 前記補正量を用いて前記演算値を補正した補正後の演算値に基づいて、前記酸素飽和度を算出する請求項1記載の内視鏡システム。
[請求項3]
 前記画像制御用プロセッサは、
 前記半導体光源と前記内視鏡の組み合わせによって生じる前記演算値の違いを補正するための第2補正パラメータを取得し、
 前記補正量を算出する場合には、前記演算値、及び、前記第1補正パラメータに加えて、前記第2補正パラメータに基づいて、前記補正量を算出する請求項2記載の内視鏡システム。
[請求項4]
 前記半導体光源は、前記第2補正パラメータを取得するための特定照明光を発する請求項3記載の内視鏡システム。
[請求項5]
 前記特定照明光は緑色光である請求項4記載の内視鏡システム。
[請求項6]
 前記半導体光源の光量を変化させることにより生じる前記照明光の波長特性の変化に基づく前記特定分光画像の違いを補正するための第3補正パラメータを取得する光源用プロセッサを備え、
 前記画像制御用プロセッサは、
 前記演算値、及び、前記第1補正パラメータに加えて、前記第3補正パラメータに基づいて、前記補正量を算出する請求項2記載の内視鏡システム。
[請求項7]
 前記第1補正パラメータは、各半導体光源のピーク波長と基準光源のピーク波長との差分値に基づいて得られる請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡システム。
[請求項8]
 前記複数の半導体光源には、中心波長に450nmを含む第1青色光を発するBS光源、中心波長に470nmを含む第2青色光を発するBL光源、緑色光を発する緑色光源、及び、赤色光を発する赤色光源を含む請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡システム。
[請求項9]
 前記複数の分光画像には、中心波長に450nmを含む第1青色光に対応するB1画像、中心波長に470nmを含む第2青色光に対応するB2光源、緑色光に対応するG1画像、及び、赤色光に対応するR1画像が含まれる請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡システム。
[請求項10]
 複数の波長帯域の照明光を発する複数の半導体光源を備える内視鏡システムの作動方法において、
 内視鏡が、前記照明光に基づいて照明された観察対象を撮像して複数の分光画像を得るステップと、
 プロセッサが、複数の前記分光画像、前記半導体光源毎の分光特性の違いを補正するための第1補正パラメータ、及び、ホワイトバランス補正データに基づいて、前記観察対象の酸素飽和度を算出するステップとを有する内視鏡システムの作動方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]