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1. WO2020137786 - ANTI-REFLECTIVE FILM AND PRODUCTION METHOD FOR SAME

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明 細 書

発明の名称 反射防止フィルムおよびその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010  

発明の効果

0011   0012   0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103  

実施例

0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123  

符号の説明

0124  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 反射防止フィルムおよびその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、反射防止フィルムおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、カーナビゲーションシステムやスマートホンなどのタッチパネルのディスプレイ表面に用いられる反射防止フィルムおよびその製造方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 カーナビゲーションシステムなどの車載画像表示装置やスマートホンなどの画像表示装置において、画面上の表示に触れることで機器を操作することが可能な静電容量方式のタッチパネルが普及している。静電容量方式のタッチパネルでは、指で突く「タップ操作」に加え、指で押しつつ指をスライドさせる「ドラッグ操作」、指をはらうようにスライドさせながらすぐ離す「フリック操作」、2本の指で押しつつ指の間隔を狭めたり広げたりする「ピンチイン操作」「ピンチアウト操作」などの画面操作がある。静電容量方式のタッチパネルでは、操作性を高めるために、指が滑りやすいこと(指滑り性)が求められる。
[0003]
 例えば特許文献1には、タッチパネルの表面に設置される反射防止フィルムにおいて、(メタ)アクリル樹脂、中空状シリカ微粒子、反応性シリカ微粒子、フッ素系防汚剤、フッ素-シリコーン系防汚剤を含有する低屈折率層を有することが記載されている。特許文献1では、低屈折率層がフッ素-シリコーン系防汚剤を含むことにより、指滑り性に優れるものとしている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第6070195号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、特許文献1の反射防止フィルムは、低屈折率層に含まれる防汚剤によって指滑り性を良くすることから、指滑り性が十分に優れるとは言い難い。
[0006]
 また、タッチパネルのディスプレイ表面に配置される反射防止フィルムには、透明性も求められる。従来技術では、このような指滑り性と透明性を両立する技術が不十分であった。
[0007]
 本発明が解決しようとする課題は、指滑り性と透明性を両立できる反射防止フィルムおよびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記課題を解決するため本発明に係る反射防止フィルムは、タッチパネルのディスプレイ表面に配置されるタッチパネル用の反射防止フィルムであって、基材フィルムと、前記基材フィルムの面上に形成された第一樹脂層と、を有し、前記第一樹脂層が、前記第一樹脂層の表面に凸部を形成する大径粒子と、前記大径粒子よりも平均粒子径の小さい中空シリカ粒子と、バインダー樹脂と、を含むことを要旨とするものである。
[0009]
 前記大径粒子の含有量は、前記第一樹脂層の全量基準で、1.0~3.5質量%の範囲内であり、前記中空シリカ粒子の含有量は、前記第一樹脂層の全量基準で、30~70質量%の範囲内であることが好ましい。前記大径粒子は、中実粒子であることが好ましい。前記大径粒子は、無機酸化物粒子であることが好ましい。前記大径粒子の平均粒子径は前記第一樹脂層の平均厚み以上であり、前記中空シリカ粒子の平均粒子径は前記第一樹脂層の平均厚み未満であることが好ましい。前記第一樹脂層は、さらにポリシロキサンを含有することが好ましい。前記ポリシロキサンの含有量は、前記第一樹脂層の全量基準で、0.05~25質量%の範囲内であることが好ましい。前記基材フィルムと前記第一樹脂層の間に、さらにハードコート層を有してもよい。前記第一樹脂層の面上に、粘着剤層を介して保護フィルムを有してもよい。前記基材フィルムの前記第一樹脂層とは反対の面上に透明粘着層を有してもよい。
[0010]
 そして、本発明に係る反射防止フィルムの製造方法は、タッチパネルのディスプレイ表面に配置されるタッチパネル用の反射防止フィルムの製造方法であって、基材フィルムの面上に第一樹脂層を形成する工程を有し、前記第一樹脂層が、前記第一樹脂層の表面に凸部を形成する大径粒子と、前記大径粒子よりも平均粒子径の小さい中空シリカ粒子と、バインダー樹脂と、を含むことを要旨とするものである。

発明の効果

[0011]
 本発明に係る反射防止フィルムによれば、基材フィルムの面上に形成された第一樹脂層が、第一樹脂層の表面に凸部を形成する大径粒子とその大径粒子よりも平均粒子径の小さい中空シリカ粒子を含むことから、優れた指滑り性を有し、透明性にも優れる。また、第一樹脂層が中空シリカ粒子を含むため、第一樹脂層の屈折率が低く、優れた反射防止機能を有する。
[0012]
 そして、第一樹脂層がさらにポリシロキサンを含有することで、優れた透明性を維持しつつ、指滑り性を向上させることができる。そして、基材フィルムと第一樹脂層の間にさらにハードコート層を有することで、耐擦傷性を向上させることができる。そして、第一樹脂層の面上に粘着剤層を介して保護フィルムを有することで、取扱い時において、第一樹脂層に傷が付くのを抑えることができる。
[0013]
 そして、本発明に係る反射防止フィルムの製造方法によれば、第一樹脂層の表面に凸部を形成する大径粒子とその大径粒子よりも平均粒子径の小さい中空シリカ粒子を含む第一樹脂層を基材フィルムの面上に形成することから、得られた反射防止フィルムは、優れた指滑り性を有し、透明性にも優れる。また、第一樹脂層が中空シリカ粒子を含むため、第一樹脂層の屈折率が低く、優れた反射防止機能を有する。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 本発明の第一実施形態に係る反射防止フィルムの断面図である。
[図2] 本発明の第二実施形態に係る反射防止フィルムの断面図である。
[図3] 本発明の第三実施形態に係る反射防止フィルムの断面図である。
[図4] 本発明の第四実施形態に係る反射防止フィルムの断面図である。
[図5] 実施例1の第一樹脂層の表面のSEM写真(a)と、比較例3の第一樹脂層の表面のSEM写真(b)である。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本発明について詳細に説明する。
[0016]
 図1は、本発明の第一実施形態に係る反射防止フィルムの断面図である。図1に示すように、本発明の第一実施形態に係る反射防止フィルム10は、基材フィルム12と、基材フィルム12の面上に形成された第一樹脂層14と、基材フィルム12と第一樹脂層14の間に形成されたハードコート層16と、を有する。反射防止フィルム10は、基材フィルム12、ハードコート層16、第一樹脂層14をこの順に有する。
[0017]
 基材フィルム12は、透明性を有していれば、特に限定されるものではない。基材フィルム12としては、透明高分子フィルム、ガラスフィルムなどが挙げられる。透明性とは、可視光波長領域における全光線透過率が50%以上であることをいい、全光線透過率は、より好ましくは85%以上である。上記全光線透過率は、JIS K7361-1(1997)に準拠して測定することができる。基材フィルム12の厚みは、特に限定されるものではないが、取り扱い性に優れるなどの観点から、2~500μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは2~200μmの範囲内である。なお、「フィルム」とは、一般に厚さが0.25mm未満のものをいうが、厚さが0.25mm以上のものであってもロール状に巻くことが可能であれば、厚さが0.25mm以上のものであっても「フィルム」に含まれるものとする。
[0018]
 基材フィルム12の高分子材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂,ポリエチレンナフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリシクロオレフィン樹脂,シクロオレフィンコポリマー樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。基材フィルム12の高分子材料は、これらのうちの1種のみで構成されていてもよいし、2種以上の組み合わせで構成されていてもよい。これらのうちでは、光学特性や耐久性などの観点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、シクロオレフィンコポリマー樹脂がより好ましい。
[0019]
 基材フィルム12は、上記高分子材料の1種または2種以上を含む層からなる単層で構成されていてもよいし、上記高分子材料の1種または2種以上を含む層と、この層とは異なる高分子材料の1種または2種以上を含む層など、2層以上の層で構成されていてもよい。
[0020]
 ハードコート層16は、反射防止フィルム10の耐擦傷性の向上に寄与する。ハードコート層16は、鉛筆硬度H以上であることが好ましい。鉛筆硬度は、JIS K5600-5-4に準拠して測定することができる。ハードコート層16は、タッチパネルに設けられる反射防止フィルムなどのフィルムのハードコート層の材料として用いられる公知の材料を用いることができる。ハードコート層16は、耐擦傷性、生産性などの観点から、紫外線硬化性樹脂を含む硬化性組成物の硬化物で構成するとよい。
[0021]
 紫外線硬化性樹脂としては、紫外線反応性の反応性基を有するモノマー,オリゴマー,プレポリマーなどが挙げられる。紫外線反応性の反応性基としては、アクリロイル基,メタクリロイル基,アリル基,ビニル基等のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合型の反応性基やオキセタニル基などのカチオン重合型の反応性基などが挙げられる。これらのうちでは、アクリロイル基,メタクリロイル基,オキセタニル基がより好ましく、アクリロイル基,メタクリロイル基が特に好ましい。すなわち、(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよびメタクリレートの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイルおよびメタクリロイルの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリル」は「アクリルおよびメタクリルの少なくとも一方」をいう。
[0022]
 (メタ)アクリレートとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうちでは、柔軟性に優れるなどの観点から、ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。ハードコート層16を形成するための硬化性組成物が紫外線硬化性樹脂としてウレタン(メタ)アクリレートを含む場合には、例えば基材フィルム12がポリシクロオレフィンやシクロオレフィンコポリマーなどから形成され、比較的割れやすいものでも、基材フィルム12の割れを抑えやすい。
[0023]
 ハードコート層16を形成する硬化性組成物には、紫外線硬化性樹脂に加え、非紫外線硬化性樹脂が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。また、ハードコート層16を形成する硬化性組成物には、光重合開始剤が含まれていてもよい。また、必要に応じ、硬化性組成物に添加する添加剤などが含まれていてもよい。このような添加剤としては、分散剤、レベリング剤、消泡剤、搖変剤、防汚剤、抗菌剤、難燃剤、スリップ剤、無機粒子、樹脂粒子などが挙げられる。また、必要に応じ、溶剤が含まれていてもよい。
[0024]
 非紫外線硬化性樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
[0025]
 光重合開始剤としては、アルキルフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系、オキシムエステル系などの光重合開始剤が挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤としては、2,2’-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジルメチル-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-(4-メチルベンジル)-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤としては、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン-1-[9-エチルー6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾールー3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)などが挙げられる。光重合開始剤は、これらの1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わされて用いられてもよい。
[0026]
 光重合開始剤の含有量は、硬化性組成物の固形分全量基準で、0.1~10質量%の範囲とすることが好ましい。より好ましくは1~5質量%の範囲である。
[0027]
 無機粒子および樹脂粒子は、例えばハードコート層16にブロッキングを防止したり、第二樹脂層16を高屈折率に調整したりするなどの目的で添加される。また、樹脂粒子は、例えばハードコート層16にブロッキングを防止するなどの目的で添加される。ハードコート層16に微細な表面凹凸を形成することで、第一樹脂層14を形成する前の、基材フィルム12およびハードコート層16からなるハードコートフィルムをロール状に巻き付けた際に、表面と裏面が接着するブロッキングを抑えやすい。ハードコート層16を高屈折率にすることで、第一樹脂層14を積層したときに、反射防止機能をより高めることができる。高屈折率とは、測定波長589.3nmにおける屈折率が1.50以上をいい、好ましくは1.55~1.80の範囲内、より好ましくは1.60~1.70の範囲内である。
[0028]
 高屈折率に光学調整可能な無機粒子としては、チタン,ジルコニウム,スズ,亜鉛,ケイ素,ニオブ,アルミニウム,クロム,マグネシウム,ゲルマニウム,ガリウム,アンチモン,白金などの金属の酸化物からなる金属酸化物粒子が挙げられる。これらは、光学調整可能な無機粒子として1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。これらのうちでは、高屈折率と透明性の両立に優れるなどの観点から、チタン酸化物,ジルコニウム酸化物が特に好ましい。また、樹脂粒子としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、セルロースなどの樹脂からなる樹脂粒子が挙げられる。これらは、樹脂粒子として1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。
[0029]
 ハードコート層16の厚みは、特に限定されるものではないが、十分な硬度を有するなどの観点から、0.5μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.75μm以上である。また、基材フィルム12との熱収縮差に起因するカールが抑えられやすいなどの観点から、10μm以下であることが好ましい。より好ましくは5μm以下である。ハードコート層16の厚みは、厚み方向において無機粒子や樹脂粒子に起因する凹凸のない部分における比較的平滑な部分の厚みである。
[0030]
 ハードコート層16の表面凹凸が形成されている表面の算術平均粗さRaは、ブロッキングなどの観点から、0.3~20nmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.5~10nmの範囲内である。
[0031]
 ハードコート層16を形成する硬化性組成物において用いられる溶剤としては、エタノール,イソプロピルアルコール(IPA),n-ブチルアルコール(NBA),エチレングリコールモノメチルエーテル(EGM),エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(IPG),プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM),ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルコール系溶剤や、メチルエチルケトン(MEK),メチルイソブチルケトン(MIBK),シクロヘキサノン,アセトンなどのケトン系溶剤、トルエン,キシレンなどの芳香族系溶剤、酢酸エチル(EtAc),酢酸プロピル,酢酸イソプロピル,酢酸ブチル(BuAc)などのエステル系溶剤、N-メチルピロリドン,アセトアミド,ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤などが挙げられる。これらは、溶剤として1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。
[0032]
 硬化性組成物の固形分濃度(溶剤以外の成分の濃度)は、塗工性、膜厚などを考慮して適宜定めればよい。例えば、1~90質量%、1.5~80質量%、2~70質量%などとすればよい。
[0033]
 第一樹脂層14は、大径粒子18、中空シリカ粒子22、バインダー樹脂を含む。
[0034]
 バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、第一樹脂層14の耐擦傷性などの観点から、熱硬化性化合物の硬化物や紫外線硬化性化合物の硬化物などが好ましい。また、生産性などの観点から、紫外線硬化性化合物の硬化物がより好ましい。
[0035]
 紫外線硬化性樹脂としては、紫外線反応性の反応性基を有するモノマー,オリゴマー,プレポリマーなどが挙げられる。紫外線反応性の反応性基としては、アクリロイル基,メタクリロイル基,アリル基,ビニル基等のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合型の反応性基やオキセタニル基などのカチオン重合型の反応性基などが挙げられる。これらのうちでは、アクリロイル基,メタクリロイル基,オキセタニル基がより好ましく、アクリロイル基,メタクリロイル基が特に好ましい。すなわち、(メタ)アクリレートが特に好ましい。
[0036]
 (メタ)アクリレートとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。(メタ)アクリレートは、単官能(メタ)アクリレートのみで構成されていてもよいし、多官能(メタ)アクリレートで構成されていてもよいし、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの組み合わせで構成されていてもよい。(メタ)アクリレートとしては、多官能(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。
[0037]
 単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1-ナフチルメチル(メタ)アクリレート、2-ナフチルメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ-2-メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-(2-フェニルフェニル)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
[0038]
 多官能(メタ)アクリレートとしては、二官能(メタ)アクリレート、三官能(メタ)アクリレート、四官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。より具体的には、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
[0039]
 大径粒子18は、第一樹脂層14に含まれることで、第一樹脂層14の表面に凸部を形成するものである。大径粒子18によって第一樹脂層14の表面に凸部が形成されることで、第一樹脂層14は良好な動摩擦係数(μk)を有することができる。
[0040]
 大径粒子18は、中実粒子であってもよいし、中空粒子であってもよい。中実粒子とは、粒子の内部に実質的に空洞を有していない粒子であり、空洞の割合が中実粒子の体積の5%未満である粒子をいう。中空粒子は、粒子の内部に空洞を有している粒子であり、空洞の割合が中空粒子の体積の5%以上である粒子をいう。大径粒子18が中空粒子であると、第一樹脂層14の屈折率を低くして、光の反射を低減することができる。中空粒子において、空洞の割合は、中空粒子の体積の10~80%であることが好ましい。より好ましくは20~60%、さらに好ましくは30~60%である。空洞の割合が10%以上であると、屈折率を低くして光の反射を低減することができる。空洞の割合が80%以下であると、大径粒子18の分散性の低下を抑えることができる。
[0041]
 大径粒子18は、無機粒子であってもよいし、有機粒子であってもよい。無機粒子としては、チタン、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム、カルシウムなどの金属の酸化物からなる金属酸化物粒子が挙げられる。これらは、無機粒子として1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。また、樹脂粒子としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、セルロースなどの樹脂からなる樹脂粒子が挙げられる。これらは、樹脂粒子として1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。これらのうちでは、無機粒子が好ましく、屈折率が低く透明性に優れるなどの観点から、シリカ粒子が特に好ましい。
[0042]
 大径粒子18の形状は、特に限定されるものではなく、球状、針状、鱗片状、棒状、繊維状、不定形などであってもよい。これらのうちでは、球状であることが好ましい。
[0043]
 大径粒子18は、第一樹脂層14の表面に凸部を形成しやすいなどの観点から、その平均粒子径は、第一樹脂層14の平均厚み以上であることが好ましい。一方、形成される凸部の高さを抑えて、透明性を維持するなどの観点から、その平均粒子径は、第一樹脂層14の平均厚みの1.2倍以下であることが好ましい。より好ましくは1.1倍以下である。そして、大径粒子18の平均粒子径は、第一樹脂層14の平均厚みによるが、60~400nmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは70~200nmの範囲内、さらに好ましくは80~160nmの範囲内である。平均粒子径は、JIS Z8825に従うレーザー回折・散乱法により得られる体積基準の平均算術値である。
[0044]
 大径粒子18の含有量は、第一樹脂層14の全量基準で、1.0~3.5質量%の範囲内であることが好ましい。大径粒子18の含有量が1.0質量%以上であると、特に動摩擦係数(μk)を抑えることができ、指滑り性を向上することができる。また、この観点から、大径粒子18の含有量は、第一樹脂層14の全量基準で、より好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは1.9質量%以上である。一方で、大径粒子18の含有量が3.5質量%以下であると、高い透明性を得ることができる。また、この観点から、大径粒子18の含有量は、第一樹脂層14の全量基準で、より好ましくは2.3質量%以下、さらに好ましくは2.2質量%以下である。
[0045]
 中空シリカ粒子22は、第一樹脂層14の表面に凸部を形成する大径粒子18よりも平均粒子径の小さい粒子である。中空シリカ粒子22は、第一樹脂層14の表面凹凸の形成に実質的に寄与しない粒子である。中空シリカ粒子22は、粒子の内部に空洞を有している粒子であり、空洞の割合が体積の5%以上である粒子をいう。中空とは、外殻とその内部の空洞からなるコアシェル構造のものや、多数の空洞を有する多孔質構造のものなどをいう。中空シリカ粒子22は、中空構造であることで、第一樹脂層14の屈折率を低くして、光の反射を低減させることができる。中空シリカ粒子22の形状は、特に限定されるものではないが、球状、紡錘状、卵状、平板状、立方体状、不定形などが好ましい。これらのうちでは、球状、平板状、立方体状などが特に好ましい。
[0046]
 中空シリカ粒子22は、大径粒子18とともに第一樹脂層14に含有することで、透明性を損なわずに、指をスライドさせる操作の滑り出しで引っかかり感を感じるおそれのある、静摩擦係数(μs)を低下させることができる。第一樹脂層14は、大径粒子18のみが含まれる場合、指滑り性には優れるが、透明性が不十分となる。第一樹脂層14は、大径粒子18よりも平均粒子径の小さい中空シリカ粒子22のみが含まれる場合、透明性は高いが、動摩擦係数(μk)および静摩擦係数(μs)が大きく、指滑り性が不十分である。例えば防汚剤などの成分を第一樹脂層14に添加しても、それほど指滑り性の改善効果が見られない。第一樹脂層14が大径粒子18とともに中空シリカ粒子22を所定の範囲で含有することにより、透明性と指滑り性を両立することができる。中空シリカ粒子22は、大径粒子18間に配置され、大径粒子18の凝集を抑える機能も有する。これにより、第一樹脂層14において、少ない配合量の大径粒子18の分散性の低下が抑えられることも、透明性と指滑り性を両立する要因の1つと考えられる。
[0047]
 中空シリカ粒子22において、空洞の割合は、体積の10~80%であることが好ましい。より好ましくは体積の20~60%、さらに好ましくは体積の30~60%である。空洞の割合が体積の10%以上であると、屈折率を低くして光の反射を低減することができる。空洞の割合が体積の80%以下であると、中空シリカ粒子22の分散性の低下を抑えることができる。
[0048]
 中空シリカ粒子22は、第一樹脂層14の表面凹凸の形成に実質的に寄与しないものとしての観点から、その平均粒子径は、第一樹脂層14の平均厚み未満であることが好ましい。そして、中空シリカ粒子22の平均粒子径は、第一樹脂層14の平均厚みによるが、5~100nmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは20~80nmの範囲内、さらに好ましくは40~70nmの範囲内である。中空シリカ粒子22の平均粒子径がこれら好ましい範囲内であると、第一樹脂層14の優れた反射防止効果と透明性を得ることができる。平均粒子径は、JIS Z8825に従うレーザー回折・散乱法により得られる体積基準の平均算術値である。
[0049]
 中空シリカ粒子22の屈折率は、1.01~1.45の範囲内であることが好ましい。より好ましくは1.15~1.38の範囲内、さらに好ましくは1.15~1.35の範囲内である。この範囲内であると、優れた反射防止効果が得られる。
[0050]
 中空シリカ粒子22の含有量は、第一樹脂層14の全量基準で、30~70質量%の範囲内であることが好ましい。中空シリカ粒子22の含有量が30質量%以上であると、静摩擦係数(μs)をより低下させることができ、指をスライドさせる操作の滑り出しで引っかかり感を感じにくくするとともに、ヘイズを低くすることができ、透明性が向上する。この観点から、中空シリカ粒子22の含有量は、第一樹脂層14の全量基準で、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。一方、中空シリカ粒子22の含有量が70質量%以下であると、第一樹脂層14の硬度低下を抑えることができる。また、この観点から、中空シリカ粒子22の含有量は、第一樹脂層14の全量基準で、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは62質量%以下である。
[0051]
 第一樹脂層14の平均厚みは、好ましくは40~160nmの範囲内、より好ましくは70~140nmの範囲内、さらに好ましくは80~120nmの範囲内である。この範囲内であると、良好な視感度反射率を得ることができ、光の反射を軽減することができる。第一樹脂層14の平均厚みは、厚み方向において大径粒子18が存在しない部分における比較的平滑な部分の厚みである。
[0052]
 第一樹脂層14は、さらにポリシロキサンを含有することが好ましい。第一樹脂層14がさらにポリシロキサンを含有することで、第一樹脂層14の指滑り性が向上する。ポリシロキサンは、指滑り性の向上の観点から、25℃において液状のものが好ましい。また、ポリシロキサンは、第一樹脂層14の表面側に析出しやすくして指滑り性の向上に寄与しやすいなどの観点から、重合によってバインダー樹脂に固定化されないよう、(メタ)アクリロイル基などの光重合性官能基を有していないものが好ましい。
[0053]
 ポリシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン(未変性のポリジメチルシロキサン)、ポリメチルアルキルシロキサン(未変性のポリメチルアルキルシロキサン)、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンなどのポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンなどのポリエステル変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサンなどのアミノ変性ポリシロキサン、フェニル変性ポリジメチルシロキサンなどのフェニル変性ポリシロキサン、炭素数4以上の長鎖アルキル変性ポリジメチルシロキサンなどの長鎖アルキル変性ポリシロキサン、フルオロアルキル変性ポリジメチルシロキサンなどのフルオロアルキル変性ポリシロキサンなどが挙げられる。これらは、ポリシロキサンとして1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、指滑り性の向上効果が特に優れるなどの観点から、ポリエーテル変性ポリシロキサンが特に好ましい。
[0054]
 ポリエーテル変性ポリシロキサンとしては、アイカ工業製「レベリング剤F」、東レ・ダウコーニング製「DOWSIL 11 Additive」「DOWSIL 14 Additive」「DOWSIL 29 Additive」「DOWSIL 54 Additive」、「XIAMETER OFX-0190 Fluid」「XIAMETER OFX-0193 Fluid」「DOWSIL 204SL」「DOWSIL 205SL」、楠本化成製「ディスパロンLS-460」「ディスパロンLS-480」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製「CoatOSil 2812」「CoatOSil 2816」「CoatOSil 3500」「CoatOSil 3501」「CoatOSil 3505」「CoatOSil 3575」などが挙げられる。
[0055]
 ポリシロキサンは、25℃における粘度が10~3000mPa・sであることが好ましい。より好ましくは80~1500Pa・sである。粘度がこの範囲内にあると、指滑り性の向上効果が特に優れる。粘度は、共軸円筒型粘度計で測定される。
[0056]
 ポリシロキサンの含有量は、指滑り性の向上効果に優れるなどの観点から、第一樹脂層14の全量基準で、0.05質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、1.0質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは9質量%以上である。また、ポリシロキサンの含有量は、反射防止性の低下が抑えられるなどの観点から、第一樹脂層14の全量基準で、25質量%以下であることが好ましい。より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
[0057]
 第一樹脂層14において、ポリシロキサンの含有量が、第一樹脂層14の全量基準で、5質量%以上と高濃度であっても、第一樹脂層14は、比較的高濃度の中空シリカ粒子22を含有しているため、べたつきを抑えることができる。これにより、指滑り性の低下を抑えることができる。
[0058]
 第一樹脂層14は、必要に応じて、硬化性組成物に添加する添加剤などが含まれていてもよい。このような添加剤としては、防汚剤、分散剤、レベリング剤、消泡剤、搖変剤、抗菌剤、難燃剤、スリップ剤、屈折率調整剤などが挙げられる。また、第一樹脂層14は、紫外線硬化性樹脂に加え、非紫外線硬化性樹脂が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
[0059]
 防汚剤としては、含フッ素化合物などが挙げられる。含フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このような化合物としては、信越化学製「KY-1203」、DIC製「メガファックRS-75」、ダイキン工業製「オプツールDAC-HP」、ネオス製「フタージェント601AD」などが挙げられる。このような含フッ素化合物により、汚れや指紋の付着を抑え、汚れや指紋の除去を容易にすることができる。
[0060]
 含フッ素化合物の含有量は、第一樹脂層14の全量基準で、0.01~15質量%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.05~10質量%の範囲内、さらに好ましくは0.2~5質量%の範囲内である。含フッ素化合物の含有量が好適範囲内であると、優れた防汚性、防指紋性を有するとともに、耐擦傷性の低下を抑えることができる。
[0061]
 非紫外線硬化性樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
[0062]
 第一樹脂層14は、大径粒子18、中空シリカ粒子22、バインダー樹脂を含む組成物を用いて形成することができる。第一樹脂層14の形成用組成物は、バインダー樹脂として紫外線硬化性樹脂を含む場合、光重合開始剤を含むことが好ましい。第一樹脂層14の形成用組成物は、必要に応じ、溶剤が含まれていてもよい。
[0063]
 光重合開始剤としては、アルキルフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系、オキシムエステル系などの光重合開始剤が挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤としては、2,2’-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジルメチル-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-(4-メチルベンジル)-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤としては、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン-1-[9-エチルー6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾールー3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)などが挙げられる。光重合開始剤は、これらの1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わされて用いられてもよい。
[0064]
 光重合開始剤の含有量は、第一樹脂層14の形成用組成物の固形分全量基準で、0.1~10質量%の範囲とすることが好ましい。より好ましくは1~5質量%の範囲である。
[0065]
 第一樹脂層14の形成用組成物において用いられる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル(EGM)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルコール系溶剤や、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、アセトンなどのケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、N-メチルピロリドン、アセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤などが挙げられる。これらは、溶剤として1種単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いられてもよい。
[0066]
 反射防止フィルム10は、基材フィルム12の面上にハードコート層16を形成する組成物を塗工し、必要に応じて乾燥後、紫外線照射により硬化させて、基材フィルム12の面上にハードコート層16を形成した後、ハードコート層16の面上に第一樹脂層14を形成する組成物を塗工し、必要に応じて乾燥後、紫外線照射により硬化させて、ハードコート層16の面上に第一樹脂層14を形成することにより製造することができる。この際、基材フィルム12とハードコート層16の密着性を向上させるために、基材フィルム12の表面には、塗工前に表面処理が施されてもよい。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理などが挙げられる。
[0067]
 ハードコート層16を形成する組成物や第一樹脂層14を形成する組成物の塗工には、例えば、リバースグラビアコート法,ダイレクトグラビアコート法,ダイコート法,バーコート法,ワイヤーバーコート法,ロールコート法,スピンコート法,ディップコート法,スプレーコート法,ナイフコート法,キスコート法などの各種コーティング法や、インクジェット法、オフセット印刷,スクリーン印刷,フレキソ印刷などの各種印刷法を用いて行うことができる。
[0068]
 乾燥工程は、塗工液に用いた溶剤等を除去できれば特に限定されるものではないが、50~150℃の温度で10秒~180秒程度行うことが好ましい。特に、乾燥温度は、50~120℃が好ましい。
[0069]
 紫外線照射には、高圧水銀ランプ、無電極(マイクロ波方式)ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、その他任意の紫外線照射装置を用いることができる。紫外線照射は、必要に応じて、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。紫外線照射量は、特に限定されるものではないが、50~800mJ/cm が好ましく、100~300mJ/cm がより好ましい。
[0070]
 第一樹脂層14の表面における動摩擦係数(μk)は、指をスライドさせているときの軽やかな滑りを維持する指滑り性の観点から、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.7以下である。また、第一樹脂層14の表面における静摩擦係数(μs)は、指をスライドさせる操作の滑り出しで引っかかりを感じさせない指滑り性の観点から、好ましくは1.4以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下である。
[0071]
 第一樹脂層14の表面における二次元での算術平均粗さRaは、良好な指滑り性の観点から、好ましくは3.0~30nm、より好ましくは6.0~20nm、さらに好ましくは12~20nmである。
[0072]
 反射防止フィルム10におけるヘイズは、良好な視認性などの観点から、好ましくは2.3以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。
[0073]
 以上の構成の反射防止フィルム10によれば、基材フィルム12の面上に形成された第一樹脂層14が、第一樹脂層14の表面に凸部を形成する大径粒子18とその大径粒子18よりも平均粒子径の小さい中空シリカ粒子22を含むことから、指をスライドさせる操作の滑り出しで引っかかりを感じることなく軽やかに操作でき、透明性にも優れる。また、第一樹脂層14が中空シリカ粒子22を含むため、第一樹脂層14の屈折率が低く、優れた反射防止機能を有する。また、第一樹脂層14がさらにポリシロキサンを含有することで、優れた透明性を維持しつつ、指滑り性を向上させることができる。そして、基材フィルム12と第一樹脂層14の間にさらにハードコート層16を有することで、耐擦傷性を向上させることができる。
[0074]
 本発明に係る反射防止フィルムは、第一実施形態に係る反射防止フィルム10の構成に限定されるものではない。以下に、本発明に係る反射防止フィルムの他の実施形態について説明する。
[0075]
 図2には、第二実施形態に係る反射防止フィルム20を示している。第二実施形態に係る反射防止フィルム20は、基材フィルム12と、基材フィルム12の面上に形成された第一樹脂層14と、を有する。反射防止フィルム20は、基材フィルム12側から順に、基材フィルム12、第一樹脂層14を有している。
[0076]
 第二実施形態に係る反射防止フィルム20は、第一実施形態に係る反射防止フィルム10と比較して、基材フィルム12と第一樹脂層14の間にハードコート層16を有していない点が相違し、これ以外については第一実施形態に係る反射防止フィルム10と同様であり、同様の構成についてはその説明を省略する。
[0077]
 図3には、第三実施形態に係る反射防止フィルム30を示している。第三実施形態に係る反射防止フィルム30は、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方の面上に形成された第一樹脂層14と、基材フィルム12と第一樹脂層14の間に形成されたハードコート層16と、を有する。また、基材フィルム12の他方の面上に透明粘着層24を有する。透明粘着層24の面上には、必要に応じて離型フィルム26が配置される。離型フィルム26は、使用前に透明粘着層24の保護層として機能し、使用時には、透明粘着層24から剥がされる。
[0078]
 第三実施形態に係る反射防止フィルム30は、第一実施形態に係る反射防止フィルム10と比較して、基材フィルム12の他方の面上に透明粘着層24を有する点が相違し、これ以外については第一実施形態に係る反射防止フィルム10と同様であり、同様の構成についてはその説明を省略する。
[0079]
 透明粘着層24は、反射防止フィルム30をタッチパネルのディスプレイ表面に密着性良く貼り付けるためのものである。また、反射防止フィルム30は、透明粘着層24を有することで、タッチパネルのディスプレイのガラスの飛散を防止する効果を有する。すなわち、反射防止フィルム30は、飛散防止フィルムとしての機能も有する。
[0080]
 透明粘着層24を形成する粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などの公知の粘着性樹脂を含有することができる。中でも、光学的な透明性や耐熱性の観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤組成物は、透明粘着層24の凝集力を高めるために、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、キレート系架橋剤などが挙げられる。
[0081]
 粘着剤組成物には、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、可塑剤、シランカップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、充填剤、硬化促進剤、硬化遅延剤などの公知の添加剤が挙げられる。また、生産性などの観点から、有機溶剤を使用して希釈してもよい。
[0082]
 粘着剤層22の厚みは、特に限定されるものではないが、5~100μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは10~50μmの範囲内である。
[0083]
 透明粘着層24は、基材フィルム12の他方の面上に粘着剤組成物を直接塗布して形成する方法、離型フィルム26の面上に粘着剤組成物を塗布して形成した後、基材フィルム12の他方の面上に転写する方法、第一の離型フィルムの面上に粘着剤組成物を塗布して形成した後、第二の離型フィルムを貼り合わせ、いずれか一方の離型フィルムを剥離して基材フィルム12の他方の面上に転写する方法などにより形成することができる。
[0084]
 透明粘着層24は、ガラスの飛散防止効果の観点から、ガラスに対する粘着力が、4N/25mm以上であることが好ましい。より好ましくは6N/25mm以上、さらに好ましくは10N/25mm以上である。
[0085]
 図4には、第四実施形態に係る反射防止フィルム40を示している。第四実施形態に係る反射防止フィルム40は、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方の面上に形成された第一樹脂層14と、基材フィルム12と第一樹脂層14の間に形成されたハードコート層16と、第一樹脂層14の面上に粘着剤層28を介して配置された保護フィルム32と、を有する。また、基材フィルム12の他方の面上に透明粘着層24を有する。透明粘着層24の面上には、必要に応じて離型フィルム26が配置される。
[0086]
 第四実施形態に係る反射防止フィルム40は、第三実施形態に係る反射防止フィルム30と比較して、第一樹脂層14の面上に粘着剤層28を介して保護フィルム32を有する点が相違し、これ以外については第三実施形態に係る反射防止フィルム30と同様であり、同様の構成についてはその説明を省略する。
[0087]
 保護フィルム32は、例えばロールプロセスなどで連続加工したりタッチパネルなどに貼り合わされたりするなどの取扱い時において、第一樹脂層14の表面に傷が付くのを抑えることができるものである。保護フィルム32は、粘着剤層28を介して第一樹脂層14の面に貼り付けられている。保護フィルム32は、加工後などにおいては、粘着剤層28とともに第一樹脂層14の面から剥がされる。このため、粘着剤層28は、第一樹脂層14と粘着剤層28の間の接着力よりも保護フィルム32と粘着剤層28の間の接着力のほうが強く、第一樹脂層14と粘着剤層28の間で界面剥離可能な接着力に調整される。
[0088]
 保護フィルム32を構成する材料は、基材フィルム12を構成する材料として例示したものなどを適宜選択することができる。保護フィルム24の厚みは、特に限定されるものではないが、2~500μmの範囲内、2~200μmの範囲内とすることができる。
[0089]
 粘着剤層22を形成する粘着剤は、特に限定されるものではなく、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などを好適に用いることができる。特に、アクリル系粘着剤は、透明性や耐熱性に優れるため、好適である。アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル重合体および架橋剤を含む粘着剤組成物から形成されることが好ましい。
[0090]
 (メタ)アクリル重合体は、(メタ)アクリルモノマーの単独重合体もしくは共重合体である。(メタ)アクリルモノマーとしては、アルキル基含有(メタ)アクリルモノマー、カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマー、水酸基含有(メタ)アクリルモノマーなどが挙げられる。
[0091]
 アルキル基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、炭素数2~30のアルキル基を有する(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。炭素数2~30のアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよい。アルキル基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、より具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチルなどが挙げられる。
[0092]
 カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸カルボキシペンチルなどが挙げられる。カルボキシル基は、アルキル鎖の末端に位置していてもよいし、アルキル鎖の中間に位置していてもよい。
[0093]
 水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどが挙げられる。水酸基は、アルキル鎖の末端に位置していてもよいし、アルキル鎖の中間に位置していてもよい。
[0094]
 (メタ)アクリル重合体を形成する(メタ)アクリルモノマーは、上記のいずれか1種であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
[0095]
 架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤などが挙げられる。架橋剤は、これらの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0096]
 粘着剤組成物には、(メタ)アクリル重合体、架橋剤以外に、その他添加剤を含んでもよい。その他の添加剤としては、架橋促進剤、架橋遅延剤、粘着性付与樹脂(タッキファイヤー)、帯電防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、剥離助剤、顔料、染料、湿潤剤、増粘剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、金属不活性剤、アルキル化剤、難燃剤などが挙げられる。これらは粘着剤の用途や使用目的に応じて、適宜選択して使用される。
[0097]
 粘着剤層22の厚みは、特に限定されるものではないが、1~10μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは2~7μmの範囲内である。
[0098]
 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
[0099]
 例えば上記実施形態では、基材フィルム12の表面に表面処理を施してもよい記載をしているが、表面処理に代えて、基材フィルム12の表面に、易接着層を設ける構成であってもよい。
[0100]
 また、上記実施形態では、大径粒子18の平均粒子径が第一樹脂層14の平均厚み以上であり、大径粒子18によって第一樹脂層14に表面凹凸を形成することが記載されているが、例えば大径粒子18に表面処理を施したり界面活性剤を併用することで大径粒子18の表面自由エネルギーを小さくし、第一樹脂層14の表面に大径粒子18を偏在させ、大径粒子18によって第一樹脂層14に表面凹凸を形成するなど、大径粒子18の平均粒子径が第一樹脂層14の平均厚み未満であっても、大径粒子18によって第一樹脂層14に表面凹凸を形成することは可能である。
[0101]
 また、図1に示す第一実施形態の反射防止フィルム10は、基材フィルム12、ハードコート層16、第一樹脂層14をこの順に有する構成であるが、本発明に係る反射防止フィルムは、例えば、反射防止フィルム10のハードコート層16と第一樹脂層14の間に、ハードコート層16と第一樹脂層14の両方の層よりも屈折率の高い高屈折率層を有するものであってもよい。屈折率は、測定波長589.3nmにおける屈折率である。高屈折率層は、ハードコート層16に用いた材料と同様の材料を用いることができる。高屈折率層の測定波長589.3nmにおける屈折率は、好ましくは1.55~1.80の範囲内、より好ましくは1.60~1.70の範囲内である。高屈折率層の厚みは、屈折率に応じて異なるが、例えば50nm以上200nm以下の範囲内とすることで、反射防止機能をさらに高めることができる。
[0102]
 そして、上記保護フィルム32は、図4に示すように、図3に示す第三実施形態の反射防止フィルム30に追加する形で示しているが、図1に示す第一実施形態の反射防止フィルム10や、図2に示す第二実施形態の反射防止フィルム20に追加する形であってもよい。
[0103]
 そして、基材フィルム12の表面には、各層を形成する前に、ガスバリア性向上層、帯電防止層、オリゴマーブロック層などの各種機能層を予め設けてもよい。
実施例
[0104]
 以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
[0105]
<ハードコート層形成用組成物1の調製>
 紫外線硬化型樹脂組成物Z-735-3L(アイカ工業製、(メタ)アクリル樹脂、溶剤(MEK,EtAc)、固形分濃度50質量%)を、固形分濃度37質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)を加え、ハードコート層形成用組成物1を調製した。
[0106]
<ハードコート層形成用組成物2の調製>
 紫外線硬化型樹脂組成物Z-607-5HL(アイカ工業製、(メタ)アクリル樹脂、溶剤(MEK,酢酸ブチル,プロピレングリコールモノメチルエーテル)、固形分濃度40質量%)を、固形分濃度25質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)を加え、ハードコート層形成用組成物2を調製した。
[0107]
<ハードコート層Aの作製>
 基材フィルム(東洋紡製PETフィルム、「コスモシャインSRF」、厚み80μm)に#10のワイヤーバーを用いてハードコート層形成用組成物1を塗布し、80℃×60秒で乾燥後、無電極(マイクロ波方式)ランプを用いて光量80mJ/cm の紫外線を照射してハードコート層A(厚み4.3μm)を形成した。
[0108]
<ハードコート層Bの作製>
 基材フィルム(エスカーボシート製、PMMAとPCの二層からなる複合フィルム、「テクノロイC003」、厚み200μm)のPMMA層上に、#12のワイヤーバーを用いてハードコート層形成用組成物2を塗布し、110℃×60秒で乾燥後、160W高圧水銀ランプを用いて光量200mJ/cm の紫外線を照射してハードコート層B(厚み3.5μm)を形成した。
[0109]
<第一樹脂層形成用組成物の調製>
 表1に記載の配合組成(全固形分中の質量%)で各成分を配合し、溶剤を用いて固形分濃度3質量%に調整することにより、第一樹脂層形成用組成物を調製した。
[0110]
<反射防止フィルムの作製>
 ハードコート層の面上に、第一樹脂層形成用樹脂組成物を、#5のワイヤーバーを用いて塗布し、80℃×60秒で乾燥後、窒素雰囲気下、無電極(マイクロ波方式)ランプを用いて光量80mJ/cm の紫外線を照射して第一樹脂層(厚み0.1μm)を形成した。以上により、反射防止フィルムを作製した。
[0111]
 第一樹脂層形成用組成物の材料として用いた材料は以下の通りである。
・バインダー樹脂:多官能アクリレート(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
・光重合開始剤:BASFジャパン製「IRGACURE127」
・大径粒子(中実シリカ粒子):平均粒子径100nm
・中空シリカ粒子:日揮触媒化成工業製「スルーリア4320」、平均粒子径60nm
・ポリシロキサン:アイカ工業製「レベリング剤F」、エーテル変性ポリシロキサン
・含フッ素化合物:パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート(信越化学製「KY-1203」の含フッ素化合物)
[0112]
 作製した反射防止フィルムについて、第一樹脂層の表面の摩擦係数(μs、μk)、第一樹脂層の表面の算術平均粗さ(Ra)を測定し、反射防止フィルム全体のヘイズ(Hz)および視感反射率を測定した。測定方法は、以下に示す通りである。測定結果および第一樹脂層の組成を合わせて表1に示す。さらに、実施例1と比較例3について、第一樹脂層の表面のSEM写真を図5に示す。図5(a)は、実施例1のSEM写真であり、図5(b)は、比較例3のSEM写真である。
[0113]
(静摩擦係数及び動摩擦係数)
 静動摩擦測定機(トリニティーラボ製「トライボマスターTL201Ts」)を用いて、第一樹脂層の表面と触覚接触子との摩擦力から第一樹脂層の表面の静摩擦係数μsおよび動摩擦係数μsを得た。測定条件は、荷重50g重、速度10mm/s、距離30mmとした。
[0114]
(算術平均粗さRa)
 三菱ケミカルシステム製「非接触表面・層断面形状計測システムVertScan2.0(型式:R5300GL-L-A100-AC)」を用い、第一樹脂層の表面の算術平均粗さRaを測定した。
[0115]
(ヘイズ)
 日本電色工業製「Haze Meter NDH7000」を用い、JIS-K7136の方法で、反射防止フィルム全体のヘイズを測定した。
[0116]
(視感度反射率)
 作製した反射防止フィルムの裏面(第一樹脂層とは反対側の面)を#400のサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶし、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製「UV-3600」)を用いて、第一樹脂層の表面の5°正反射率を測定し、この測定値に比視感度値を乗じて視感度反射率を算出した。
[0117]
(層厚)
 ハードコート層、第一樹脂層の各厚みは、フィルメトリクス製「Filmetrics F20 膜厚測定システム」を用い、分光干渉法により測定した。
[0118]
[表1]


[0119]
 実施例および比較例から、基材フィルムの面上に形成された第一樹脂層が、第一樹脂層の表面に凸部を形成する大径粒子(中実シリカ粒子)とその大径粒子よりも平均粒子径の小さい中空シリカ粒子を含むことで、指をスライドさせる操作の滑り出しで引っかかりを感じることなく軽やかに操作でき、透明性にも優れる。また、第一樹脂層が中空シリカ粒子を含むため、第一樹脂層の屈折率が低く、優れた反射防止機能を有することがわかる。
[0120]
 比較例1は、第一樹脂層に大径粒子(中実シリカ粒子)と中空シリカ粒子の両方が含まれていないため、ポリシロキサンを含有していても、μk、μsともに値が高く、指滑り性に劣る。比較例2は、第一樹脂層に大径粒子(中実シリカ粒子)が含まれていないため、μsの値とμkの値がともに高く、指滑り性に劣る。比較例3は、第一樹脂層に中空シリカ粒子が含まれていないため、ヘイズが高く、透明性に劣る。
[0121]
 そして、実施例1,8,10の比較では、第一樹脂層がさらにポリシロキサンを含有することで、μsの値が向上し、指滑り性が向上することがわかる。
[0122]
 そして、図5(a)(b)から、第一樹脂層における大径粒子(中実シリカ粒子)の含有量が同じである実施例1と比較例3のSEM写真を比較すると、中空シリカ粒子とともに大径粒子(中実シリカ粒子)を有する実施例1では、SEM写真において輝点として観測される大径粒子(中実シリカ粒子)の輝点が少なく見えており、SEM写真において微小な粒子として観測される中空シリカ粒子によって、大径粒子(中実シリカ粒子)の凝集が抑えられているためと推察される。一方、中空シリカ粒子を含まない比較例3では、SEM写真において輝点が大きく観測されており、凝集した大径粒子(中実シリカ粒子)がさらに集団を形成している。このことから、中空シリカ粒子は、大径粒子(中実シリカ粒子)の分散性の向上にも寄与していることがわかる。
[0123]
 以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。

符号の説明

[0124]
10,20,30,40 反射防止フィルム
12 基材フィルム
14 第一樹脂層
16 ハードコート層
18 大径粒子
22 中空シリカ粒子
24 透明粘着層
26 剥離フィルム
28 粘着剤層
32 保護フィルム

請求の範囲

[請求項1]
 タッチパネルのディスプレイ表面に配置されるタッチパネル用の反射防止フィルムであって、
 基材フィルムと、前記基材フィルムの面上に形成された第一樹脂層と、を有し、
 前記第一樹脂層が、前記第一樹脂層の表面に凸部を形成する大径粒子と、前記大径粒子よりも平均粒子径の小さい中空シリカ粒子と、バインダー樹脂と、を含むことを特徴とする反射防止フィルム。
[請求項2]
 前記大径粒子の含有量が、前記第一樹脂層の全量基準で、1.0~3.5質量%の範囲内であり、
 前記中空シリカ粒子の含有量が、前記第一樹脂層の全量基準で、30~70質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
[請求項3]
 前記大径粒子は、中実粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
[請求項4]
 前記大径粒子は、無機酸化物粒子であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[請求項5]
 前記大径粒子の平均粒子径が前記第一樹脂層の平均厚み以上であり、前記中空シリカ粒子の平均粒子径が前記第一樹脂層の平均厚み未満であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[請求項6]
 前記第一樹脂層が、さらにポリシロキサンを含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[請求項7]
 前記ポリシロキサンの含有量が、前記第一樹脂層の全量基準で、0.05~25質量%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の反射防止フィルム。
[請求項8]
 前記基材フィルムと前記第一樹脂層の間に、さらにハードコート層を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[請求項9]
 前記第一樹脂層の面上に、粘着剤層を介して保護フィルムを有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[請求項10]
 前記基材フィルムの前記第一樹脂層とは反対の面上に透明粘着層を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
[請求項11]
 タッチパネルのディスプレイ表面に配置されるタッチパネル用の反射防止フィルムの製造方法であって、
 基材フィルムの面上に第一樹脂層を形成する工程を有し、
 前記第一樹脂層が、前記第一樹脂層の表面に凸部を形成する大径粒子と、前記大径粒子よりも平均粒子径の小さい中空シリカ粒子と、バインダー樹脂と、を含むことを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]