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1. WO2020138010 - FILTER PLEAT PACK AND AIR FILTER UNIT

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明 細 書

発明の名称 フィルタプリーツパック及びエアフィルタユニット

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056  

実施例

0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085  

産業上の利用可能性

0086  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1A   1B   2   3   4   5A   5B   5C  

明 細 書

発明の名称 : フィルタプリーツパック及びエアフィルタユニット

技術分野

[0001]
 本発明は、プリーツ状に折り畳まれたエアフィルタ濾材を備えるフィルタプリーツパックと、当該フィルタプリーツパックを備えるエアフィルタユニットとに関する。

背景技術

[0002]
 エアフィルタ濾材、特に半導体工業及び薬品工業等で利用されるクリーンルームのエアフィルタに使用される濾材、に、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と記載する)多孔質膜を用いた濾材がある。PTFE多孔質膜を用いたエアフィルタ濾材は、ガラス繊維を用いた濾材に比べて、自己発塵性が低く、耐薬品性が高い等の特長を有する。また、PTFE多孔質膜を用いたエアフィルタ濾材は、ULPA(ultra-low penetration air grade)フィルタとしたときに、ガラス繊維を用いた濾材に比べて同じ捕集効率で2/3~1/2程度の低い圧力損失を達成できる。特許文献1には、PTFE多孔質膜を用いたエアフィルタ濾材とその製造方法が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2001-170461号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 エアフィルタ濾材においてPTFE多孔質膜は、当該膜を補強して濾材としての形状を維持するために、通常、通気性を有する支持材(以下、「通気性支持材」と記載する)と積層されている。また、エアフィルタ濾材は、できるだけ大きな濾過面積を確保するために、ひだ折り加工(プリーツ加工)によって、側面から見て連続したW字状となるようにプリーツ状に折り畳まれていることが一般的である。プリーツ加工されたエアフィルタ濾材は、さらに枠体に組み込まれて、エアフィルタユニットとして使用される。なお、プリーツ加工されたエアフィルタ濾材は、一般に、「フィルタプリーツパック」と当業者に称されている。
[0005]
 PTFE多孔質膜は非常に薄い膜である。このため、通気性支持材と積層されていても、プリーツ加工時に当該膜に加わる応力によって、微小な欠陥がPTFE多孔質膜に生じることがある。PTFE多孔質膜に欠陥が生じると、フィルタプリーツパック及びこれを備えるエアフィルタユニットとしての捕集効率が低下する。特許文献1には、これらの現象及びその解決について何も示されていない。
[0006]
 本発明は、PTFE多孔質膜を用いたエアフィルタ濾材を備えるフィルタプリーツパックであって、プリーツ加工時における捕集効率の低下が抑制されたフィルタプリーツパックの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者は、試行錯誤を重ねた結果、遂にプリーツ加工時の応力に対する追従性が高いPTFE多孔質膜を得ることに成功し、本発明を完成させた。
[0008]
 本発明は、
 プリーツ状に折り畳まれたエアフィルタ濾材を備えるフィルタプリーツパックであって、
 前記エアフィルタ濾材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜と、通気性支持材との積層体を含み、
 式(d2-d1)/d2により求められる前記エアフィルタ濾材の収縮率が50%以上であるフィルタプリーツパック、
 を提供する。
 ただし、d1は、前記プリーツ状に折り畳まれたエアフィルタ濾材の折り返し領域における前記PTFE多孔質膜の最小の厚さである。d2は、前記エアフィルタ濾材の平坦領域における前記PTFE多孔質膜の厚さである。
[0009]
 別の側面において、本発明は、
 上記本発明のフィルタプリーツパックと、前記フィルタプリーツパックを支持する枠体と、を備えるエアフィルタユニット、
 を提供する。

発明の効果

[0010]
 本発明によるフィルタプリーツパックでは、プリーツ状に折り畳まれたエアフィルタ濾材の折り返し領域におけるPTFE多孔質膜の最小の厚さd1、及びエアフィルタ濾材における平坦領域(折り返し領域以外の領域)におけるPTFE多孔質膜の厚さd2から、式(d2-d1)/d2により求められる収縮率にして50%以上の高い収縮率をエアフィルタ濾材が有している。上記高い収縮率は、本発明によるフィルタプリーツパックが備えるエアフィルタ濾材が、プリーツ加工時に加わる応力に対する追従性が高いPTFE多孔質膜を含むことを意味している。したがって、本発明によれば、PTFE多孔質膜を用いたエアフィルタ濾材を備えるフィルタプリーツパックであって、プリーツ加工時における捕集効率の低下が抑制されたフィルタプリーツパックが達成される。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1A] 図1Aは、本発明のフィルタプリーツパックの一例を模式的に示す平面図である。
[図1B] 図1Bは、図1Aに示すフィルタプリーツパックの断面B-Bにおける領域Iを示す断面図である。
[図2] 図2は、エアフィルタ濾材における折り返し領域及び平坦領域を説明するための模式図である。
[図3] 図3は、本発明のフィルタプリーツパックが備えるエアフィルタ濾材の一例を模式的に示す断面図である。
[図4] 図4は、本発明のエアフィルタユニットの一例を模式的に示す斜視図である。
[図5A] 図5Aは、実施例3のフィルタプリーツパックにおける走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」と記載する)による断面の観察像である。
[図5B] 図5Bは、実施例3のフィルタプリーツパックにおけるSEMによる断面の観察像である。
[図5C] 図5Cは、図5Bに示す観察像の領域IVの拡大像である。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
[0013]
 [フィルタプリーツパック]
 本発明のフィルタプリーツパックの一例を図1A及び図1Bに示す。図1Bは、図1Aの断面B-Bにおける領域Iの拡大図である。図1A及び図1Bのフィルタプリーツパック1は、プリーツ状に折り畳まれたエアフィルタ濾材2から構成される。エアフィルタ濾材2は、PTFE多孔質膜3と通気性支持材4(4A,4B)との積層体5を含む。積層体5は、一対の通気性支持材4A,4BによってPTFE多孔質膜3を挟持した3層の積層構造を有している。PTFE多孔質膜3と通気性支持材4A,4Bとは互いに接合されている。エアフィルタ濾材2においてPTFE多孔質膜3は、被濾過気体に含まれる捕集対象物を捕集する機能を有する。捕集対象物は、典型的には、空気中の塵芥である。通気性支持材4A,4Bは、PTFE多孔質膜3を補強して、エアフィルタ濾材2としての形状を維持する機能を有する。いずれかの通気性支持材4A,4Bは、比較的大きなサイズの捕集対象物を捕集するプレフィルターとしての機能をさらに有しうる。また、通気性支持材4A,4Bによって、プリーツ加工に必要なコシがエアフィルタ濾材2に与えられる。
[0014]
 図1Bに示す断面は、プリーツ線6と垂直に交わる平面により切断したフィルタプリーツパック1の切断面7である。なお、プリーツ線6は、プリーツ加工によってエアフィルタ濾材2に形成された折り線である。プリーツ線6は、フィルタプリーツパック1をその一方の面から見たときに、山折り線及び谷折り線として観察される。
[0015]
 フィルタプリーツパック1では、プリーツ状に折り畳まれたエアフィルタ濾材2の折り返し領域におけるPTFE多孔質膜3の最小の厚さd1、及びエアフィルタ濾材2の平坦領域におけるPTFE多孔質膜3の厚さd2から、式(d2-d1)/d2により求められるエアフィルタ濾材2の収縮率が50%以上である。収縮率は、55%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、さらには90%以上であってもよい。収縮率の上限は、例えば100%未満、さらには98%以下である。なお、本明細書において折り返し領域IIは、エアフィルタ濾材2における折り返し部分の頂部14からエアフィルタ濾材2に沿った長さLにして1.5mm以内にある領域として定められる(図2参照)。長さLにして1.5mm以内にある領域は、プリーツ加工時の折り畳みによる影響をエアフィルタ濾材2が特に強く受ける領域に相当する。したがって、収縮率が大きいことは、PTFE多孔質膜3が柔軟であって、応力への追従性に優れていることを意味している。また、本明細書において平坦領域IIIは、エアフィルタ濾材2における折り返し領域II以外の領域として定められる。
[0016]
 PTFE多孔質膜3の厚さd1は、例えば1μm以上であり、この場合、フィルタプリーツパック1としての十分な特性を得ることができる。厚さd1は、1.5μm以上、2.0μm以上、2.5μm以上、さらには3.0μm以上であってもよい。厚さd1の上限は、例えば5.0μm以下である。
[0017]
 PTFE多孔質膜3の厚さd2は、例えば5μmを超え、6.0μm以上、7.0μm以上、8.0μm以上、9.0μm以上、さらには10.0μm以上であってもよい。PTFE多孔質膜3の厚さd2の上限は、例えば25.0μm以下である。
[0018]
 フィルタプリーツパック1に含まれた状態にあるPTFE多孔質膜3の厚さd1,d2は、例えば、以下のように評価できる。最初に、フィルタプリーツパック1をエポキシ樹脂に包埋した後、PTFE多孔質膜3を含む断面を露出させて研磨及び整面し、さらにイオンポリッシング加工する。断面は、通常、プリーツ線6と垂直に交わる平面により切断した面である。次に、SEM等の拡大観察装置を用いて、当該断面の拡大観察像を得る。拡大観察像の倍率は、例えば100~2500倍程度である。次に、拡大観察像を画像解析することで、折り返し領域IIにおけるPTFE多孔質膜3の最小の厚さd1、及び平坦領域IIIにおけるPTFE多孔質膜3の厚さd2を求めることができる。なお、厚さd2は、場所を変えながら少なくとも5か所の測定ポイントにおいて求めた厚さの平均値とする。
[0019]
 エアフィルタ濾材2の目付は、例えば30~260g/m 2である。目付の下限は、40g/m 2以上、50g/m 2以上、さらには55g/m 2以上であってもよい。また、目付の上限は、200g/m 2以下、150g/m 2以下、120g/m 2以下、100g/m 2以下、90g/m 2以下、80g/m 2以下、さらには70g/m 2以下であってもよい。
[0020]
 エアフィルタ濾材2は、例えば、以下に示す特性を有する。
[0021]
 エアフィルタ濾材2のPF(Performance Factor)値は、例えば23以上であり、25以上、27以上、さらには30以上であってもよい。PF値は、エアフィルタ濾材の捕集性能の指標となる数値であり、PF値が大きいほどエアフィルタ濾材の捕集性能は高い。PF値23以上のエアフィルタ濾材2は、半導体工業、薬品工業等のクリーンルームで使用されるエアフィルタの濾材に使用可能である。
[0022]
 エアフィルタ濾材2のPF値は、透過流速5.3cm/秒(透過気体は空気)における濾材2の圧力損失PL 1(単位:mmH 2O)、及び粒子径0.10~0.20μmのポリアルファオレフィン粒子を用いて透過流速5.3cm/秒(透過気体は空気)において測定した濾材2の捕集効率CE 1(単位:%)から、以下の式(1)により求められる値である。
 PF値={-lоg[(100-CE 1)/100]/PL 1}×100   (1)
[0023]
 エアフィルタ濾材2の圧力損失PL 1は、例えば10~300Paであり、100~250Pa、さらには150~250Paであってもよい。
[0024]
 エアフィルタ濾材2の圧力損失PL 1は、次のように測定できる。通気口(円形、有効面積100cm 2)を有するホルダーに対して、評価対象物であるエアフィルタ濾材を当該濾材が通気口を塞ぐようにセットする。次に、通気口内の評価対象物を空気が透過するように、ホルダーの一方の面と他方の面との間に圧力差を発生させる。そして、評価対象物を透過する空気の線流速が流量計で測定して5.3cm/秒となったときの上記圧力差を圧力計(マノメータ)により測定する。1つの評価対象物について上記圧力差を8回測定し、その平均値を、評価対象物の圧力損失とする。
[0025]
 エアフィルタ濾材2の捕集効率CE 1は、例えば20~100%であり、90~100%、さらには99.9~100%であってもよい。また、捕集効率CE 1の下限は、99.9%以上、99.99%以上、さらには99.999%以上であってもよい。エアフィルタ濾材2は、日本工業規格(JIS)Z8122:2000に規定されたHEPA(high-efficiency particulate air grade)フィルタ用の濾材であってもよく、ULPA(ultra-low penetration air grade)フィルタ用の濾材であってもよい。
[0026]
 エアフィルタ濾材2の捕集効率CE 1は、次のように測定できる。通気口(円形、有効面積100cm 2)を有するホルダーに、評価対象物である濾材を当該濾材が通気口を塞ぐようにセットする。次に、通気口内の評価対象物を空気が透過するように、ホルダーの一方の面と他方の面との間に圧力差を発生させる。次に、評価対象物を透過する空気の線流速が流量計で測定して5.3cm/秒を保持するように上記圧力差を調整した後、粒子径0.10~0.20μm(平均粒子径0.15μm)のポリアルファオレフィン粒子を、4×10 8個/L以上の濃度で、評価対象物を透過する空気に含ませる。ここで、評価対象物の下流側に配置したパーティクルカウンタを用いて、評価対象物を透過した空気に含まれるポリアルファオレフィン粒子の濃度を測定し、以下の式(2)により、評価対象物の捕集効率を求める。
 捕集効率=[1-(下流側の粒子濃度)/(上流側の粒子濃度)]×100(%) (2)
[0027]
 PTFE多孔質膜3は、通常、微細な繊維状構造体である無数のPTFEフィブリルにより構成される。PTFE多孔質膜3は、フィブリルに接続されたPTFEのノード(結節部)をさらに有していてもよい。
[0028]
 PTFE多孔質膜3は、例えば、未焼成のPTFE粉末と液状潤滑剤との混和物を押出及び/又は圧延等の手法によりシートに成形し、得られた未焼成シートから液状潤滑剤を除去した後、延伸により多孔質化して得ることができる。延伸は、典型的には、PTFEシートのMD方向(長手方向)に対する延伸と、TD方向(幅方向)に対する延伸とを組み合わせた二軸延伸である。二軸延伸では、MD方向の延伸及びTD方向の延伸をこの順に実施することが好ましい。液状潤滑剤は、PTFE粒子の表面を濡らすことができるとともに、後に除去できるものであれば限定されず、例えば、ナフサ、ホワイトオイル、流動パラフィン等の炭化水素油である。応力に対する追従性の高いPTFE多孔質膜3を得るために、例えば、延伸に供する未焼成シートを薄くする一方でMD方向の延伸倍率を低く保つことで、必要な強度を膜に与えながらMD方向のみにPTFE粒子が強く結着することを抑制して、厚く、かつMD及びTDの双方の方向に強度バランスの取れたPTFE多孔質膜3とするとともに、MD及びTDの双方の方向への延伸時に融点(327℃)未満の雰囲気にPTFEを保持する方法、を採用できる。当該方法において延伸する未焼成シートの厚さは、例えば50~550μmであり、その上限は500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、さらには100μm以下であることが好ましい。当該方法においてMD方向の延伸は、例えば、延伸倍率2~23倍、延伸温度150~300℃の条件で実施すればよい。MD方向の延伸倍率は、22倍以下、20倍以下、15倍以下、10倍以下、さらには5倍以下であることが好ましい。当該方法においてTD方向の延伸は、例えば、延伸倍率10~60倍、延伸温度40~190℃の条件で実施すればよい。TD方向の延伸温度は、170℃以下、さらには150℃以下であることが好ましい。
[0029]
 PTFE多孔質膜3の気孔率は、例えば70~98%である。この高い気孔率は、PTFE多孔質膜3を備えるエアフィルタ濾材2の低い圧力損失及び高い捕集効率に寄与する。気孔率は、次のように測定できる。測定対象物であるPTFE多孔質膜を一定の寸法(例えば、直径6cmの円形)に切り出して、その体積及び質量を求める。得られた体積及び質量を以下の式(3)に代入して、PTFE多孔質膜の気孔率を算出できる。式(3)のV(単位:cm 3)は上記体積、W(単位:g)は上記質量、D(単位:g/cm 3)はPTFEの真密度である。
 気孔率(%)=100×[V-(W/D)]/V   (3)
[0030]
 PTFE多孔質膜3の目付は、例えば0.05~10g/m 3であり、0.1~5g/m 3、0.3~3g/m 3であってもよい。
[0031]
 PTFE多孔質膜3の平均孔径は、例えば0.1~50μmである。
[0032]
 PTFE多孔質膜3のPF値、圧力損失及び捕集効率は、それぞれエアフィルタ濾材2の説明において上述したPF値、圧力損失及び捕集効率と同じ範囲をとりうる。PTFE多孔質膜3の圧力損失及び捕集効率は、評価対象物をPTFE多孔質膜として、エアフィルタ濾材2の圧力損失及び捕集効率を測定する方法と同じ方法により測定できる。
[0033]
 通気性支持材4は、PTFE多孔質膜2に比べて厚さ方向の通気性が高い層である。通気性支持材4は、例えば、短繊維及び長繊維等の繊維の不織布、織布、メッシュを備える。通気性、強度、柔軟性及び作業性に優れることから、不織布を備える通気性支持材4が好ましい。
[0034]
 通気性支持材4を構成しうる材料は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;芳香族ポリアミドを含むポリアミド;及びこれらの複合材料である。通気性支持材4は、2以上のこれら材料を含んでいてもよい。PTFE多孔質膜3との接合性が高いことから、当該材料はポリオレフィンが好ましく、PEがより好ましい。当該材料が複合材料である場合、ポリオレフィン、特にPE、が通気性支持材4におけるPTFE多孔質膜3との接合面に露出していることが好ましい。
[0035]
 通気性支持材4を構成しうる複合材料の一例は、互いに異なる材料からなる芯部と、芯部を被覆する鞘部との芯鞘構造を有する複合繊維である。この複合繊維において、芯部を構成する材料の融点に比べて鞘部を構成する材料の融点が低いことが好ましい。芯部を構成する材料は、例えばPET等のポリエステルである。鞘部を構成する材料は、例えばPE等のポリオレフィンである。
[0036]
 通気性支持材4を構成しうる繊維の平均繊維径は、例えば1~50μmであり、1~30μm、10~30μmであってもよい。
[0037]
 通気性支持材3の目付は、例えば20~70g/m 2である。目付の上限は、50g/m 2以下、40g/m 2以下、40g/m 2未満、さらには35g/m 2以下であってもよい。目付の下限は、例えば25g/m 2以上である。
[0038]
 エアフィルタ濾材2において、PTFE多孔質膜3と通気性支持材4とは互いに接合されている。接合方法は限定されず、例えば、熱ラミネート、接着剤によるラミネートである。接合部における圧力損失の上昇を抑制できることから、PTFE多孔質膜3及び通気性支持材4は熱ラミネートによって互いに接合されていることが好ましい。
[0039]
 図1Bに示すエアフィルタ濾材2は、1つのPTFE多孔質膜3と、これを挟持する2つの通気性支持材4A,4Bとの3層構造の積層体5を含む濾材である。ただし、エアフィルタ濾材2及び積層体5が含むPTFE多孔質膜3及び通気性支持材4の数は限定されない。エアフィルタ濾材2及び積層体5は、2以上のPTFE多孔質膜3を含んでいてもよい。エアフィルタ濾材2は、3層以上の多層構造を有する積層体5を含むことが好ましい。
[0040]
 エアフィルタ濾材2の別の一例を図3に示す。図3のエアフィルタ濾材2は、2つのPTFE多孔質膜3A,3Bと、3つの通気性支持材4A,4B,4Cとの5層構造の積層体5を含む。図3のエアフィルタ濾材2では、通気性支持材4A、PTFE多孔質膜3A、通気性支持材4C、PTFE多孔質膜3B及び通気性支持材4Bが順に積層されている。図1B及び図3に示すエアフィルタ濾材2では、いずれも、2以上の通気性支持材4を積層体5が含み、当該濾材2の双方の主面(双方の最外層)が通気性支持材4により構成されている。
[0041]
 エアフィルタ濾材2が2以上のPTFE多孔質膜3を含む場合、PTFE多孔質膜3が連続して積層されている部分があってもよい。また、当該2以上のPTFE多孔質膜3の構成は、同一であっても互いに異なっていてもよい。同様に、エアフィルタ濾材2が2以上の通気性支持材4を含む場合、通気性支持材4が連続して積層されている部分があってもよい。また、当該2以上の通気性支持材4の構成は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
[0042]
 エアフィルタ濾材2及び積層体5は、本発明の効果が得られる限り、PTFE多孔質膜3及び通気性支持材4以外の層及び/又は部材を含んでいてもよい。
[0043]
 エアフィルタ濾材2は、例えば、PTFE多孔質膜3と通気性支持材4とを、熱ラミネート、接着剤ラミネート等の各種のラミネート手法により積層及び接合して形成できる。
[0044]
 フィルタプリーツパック1は、例えば、以下に示す特性を有する。
[0045]
 フィルタプリーツパック1のPF(Performance Factor)値は、例えば40以上であり、45以上、50以上、55以上、さらには60以上であってもよい。PF値は、フィルタプリーツパックの捕集性能の指標となる数値であり、PF値が大きいほどフィルタプリーツパックの捕集性能は高い。PF値40以上のフィルタプリーツパック1は、半導体工業、薬品工業等のクリーンルームで使用されるエアフィルタに好ましく使用できる。
[0046]
 フィルタプリーツパック1のPF値は、フィルタプリーツパック1の圧力損失PL 2(単位:mmH 2O)及び捕集効率CE 2(単位:%)から、以下の式(4)により求められる値である。
 PF値={-lоg[(100-CE 2)/100]/PL 2}×100   (4)
[0047]
 フィルタプリーツパック1の圧力損失PL 2は、例えば5~125Paであり、40~100Pa、さらには60~100Paであってもよい。
[0048]
 フィルタプリーツパック1の圧力損失PL 2は、当該フィルタプリーツパック1を枠体と組み合わせてエアフィルタユニットを形成し、形成したエアフィルタユニットに対してJIS B9908:2011に定められた試験方法形式1の圧力損失試験を実施して求めることができる。枠体には、例えば、外寸が610mm×610mm、開口部の寸法が580mm×580mmであるアルミ製の枠体を使用できる。
[0049]
 フィルタプリーツパック1の捕集効率CE 2は、例えば99.9~99.9999%であり、99.9~99.99999%、さらには99.9~99.999999%であってもよい。また、捕集効率CE 2の下限は、99.99%以上、99.999%以上、さらには99.9999%以上であってもよい。フィルタプリーツパック1は、JIS Z8122:2000に規定されたHEPAフィルタ用であってもよく、ULPAフィルタ用であってもよい。
[0050]
 フィルタプリーツパック1の捕集効率(全体捕集効率)CE 2は、当該フィルタプリーツパック1を枠体と組み合わせてエアフィルタユニットを形成し、形成したエアフィルタユニットに対してEN(欧州規格)1822-1:2009に定められた方法に準拠した捕集効率の評価を実施して求めることができる。枠体には、例えば、外寸が610mm×610mm、開口部の寸法が580mm×580mmであるアルミ製の枠体を使用できる。また、評価は、以下の測定条件及び測定方法に従って実施するとともに、EN1822-1:2009に定められている最大透過粒子径(MPPS)に対する捕集効率ではなく、多分散(粒子径0.10~0.20μm、平均粒子径0.15μm)の試験粒子を使用して求めた捕集効率を、フィルタプリーツパックの全体捕集効率CE 2とする。
 ・試験粒子:PAO(ポリアルファオレフィン)
 ・試験粒子径:0.1μm以上
 ・上流側粒子濃度:1.0×10 8個/L以上
 ・面風速:0.4±0.1m/秒
[0051]
 フィルタプリーツパック1では、プリーツ加工時における捕集効率の低下が抑制される。このため、フィルタプリーツパック1では、低い圧力損失PL 2及び高い捕集効率CE 2の高いレベルでの両立が可能となる。この特性は、PF値及び捕集効率CE 2により表現することができ、フィルタプリーツパック1は、例えば、40以上、好ましくは45以上、より好ましくは50以上、さらに好ましくは55以上、特に好ましくは60以上のPF値と、99.9%以上、好ましくは99.99%以上、より好ましくは99.999%以上、さらに好ましくは99.9999%以上の捕集効率CE 2とを同時に有することができる。
[0052]
 フィルタプリーツパック1は、エアフィルタ濾材2以外の部材をさらに備えていてもよい。当該部材は、例えば、一般に「ビード」と称される樹脂の紐状体である。ビードは、プリーツ加工されたエアフィルタ濾材の形状を維持するスペーサーの一種である。ビードは、通常、エアフィルタ濾材2のプリーツ線6(山折り線及び/又は谷折り線)と交差する方向に沿って進むように、折り畳まれたエアフィルタ濾材2の表面に配置されている。ビードは、エアフィルタ濾材2の一方の面に配置されていても、双方の面に配置されていてもよい。ただし、ビードは、PTFE多孔質膜3ではなく通気性支持材4上に配置されていることが好ましい。フィルタプリーツパック1は、ビードが配置されたエアフィルタ濾材2の面を平面視したときに、プリーツ線6の方向に所定の間隔をあけて互いに平行に配置された複数のビードを備えていてもよい。ビードは、例えば、樹脂を溶融して紐状に塗布することにより形成できる。樹脂は限定されず、例えばポリアミド、ポリオレフィンである。
[0053]
 フィルタプリーツパック1は、エアフィルタ濾材2をプリーツ加工によってプリーツ状に折り畳んで形成できる。エアフィルタ濾材2は、プリーツ加工によって、その側面から見て連続したW字状となるように折り畳まれる。
[0054]
 エアフィルタ濾材2のプリーツ加工は、例えば、レシプロ式の加工機を用いて、表面に交互かつ平行に設定された山折り線及び谷折り線によりエアフィルタ濾材2を連続して折り畳むことにより実施できる。
[0055]
 [エアフィルタユニット]
 本発明のエアフィルタユニットの一例を図4に示す。図4に示すエアフィルタユニット21は、フィルタプリーツパック1と、フィルタプリーツパック1を支持する枠体22とを備える。エアフィルタユニット21では、フィルタプリーツパック1の周縁部が枠体(支持枠)22により支持されている。枠体22は、例えば、金属、樹脂及びこれらの複合材料から構成される。樹脂から構成される枠体22である場合は、枠体22の成形と同時にフィルタプリーツパック1を当該枠体22に組み合わせることも可能である。枠体22の構成は、従来のエアフィルタユニットが備える枠体の構成と同様でありうる。
[0056]
 フィルタプリーツパック1を備えるエアフィルタユニット21では、フィルタプリーツパック1を形成するためのプリーツ加工時における捕集効率の低下が抑制される。エアフィルタユニット21は、PF値、圧力損失及び捕集効率(全体捕集効率)について、好ましい範囲を含め、フィルタプリーツパック1の説明において上述した数値範囲をとることができる。
実施例
[0057]
 以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
[0058]
 最初に、実施例及び比較例において作製したPTFE多孔質膜、エアフィルタ濾材及びフィルタプリーツパックの評価方法を示す。
[0059]
 [厚さ]
 通気性支持材、通気性支持材と積層する前のPTFE多孔質膜、及びエアフィルタ濾材の厚さは、デジタルダイヤルゲージにより評価した。また、フィルタプリーツパックに含まれた状態にあるPTFE多孔質膜の厚さは、以下のように評価した。最初に、フィルタプリーツパックをエポキシ樹脂に包埋した後、PTFE多孔質膜を含む断面を露出させて研磨及び整面し、さらにイオンポリッシング加工した。断面は、フィルタプリーツパックにおけるプリーツ線と垂直に交わる平面により切断した面とした。次に、電解放出型SEM(FE-SEM;日本電子製JSM-7500F、加速電圧5kV、反射電子像)を用いて得た当該断面の拡大観察像(倍率500~2000倍)を画像解析して、折り返し領域IIにおけるPTFE多孔質膜の最小の厚さd1、及び平坦領域IIIにおけるPTFE多孔質膜の厚さd2を求めた。なお、厚さd2は、場所を変えながら5か所の測定ポイントにおいて求めた厚さの平均値とした。
[0060]
 [エアフィルタ濾材の捕集効率]
 実施例及び比較例において作製したエアフィルタ濾材の捕集効率は、次のように測定した。最初に、通気口(円形、有効面積100cm 2)を有するホルダーに、評価対象物であるエアフィルタ濾材を、評価対象物が通気口を塞ぐようにセットした。次に、通気口内の評価対象物を空気が透過するように、ホルダーの一方の面と他方の面との間に圧力差を発生させた。次に、評価対象物を透過する空気の線流速が流量計で測定して5.3cm/秒を保持するように上記圧力差を調整した後、粒子径0.10~0.20μm(平均粒子径0.15μm)のポリアルファオレフィン粒子を、4×10 8個/L以上の濃度で、評価対象物を透過する空気に含ませた。評価対象物の下流に配置したパーティクルカウンタを用いて、評価対象物を透過した空気に含まれるポリアルファオレフィン粒子の濃度を測定し、以下の式(2)により、評価対象物の捕集効率を求めた。
 捕集効率=[1-(下流側の粒子濃度)/(上流側の粒子濃度)]×100(%) (2)
[0061]
 [エアフィルタ濾材の圧力損失]
 実施例及び比較例において作製したエアフィルタ濾材の圧力損失は、次のように評価した。最初に、通気口(円形、有効面積100cm 2)を有するホルダーに、評価対象物であるエアフィルタ濾材を、評価対象物が通気口を塞ぐようにセットした。次に、通気口内の評価対象物を空気が透過するように、ホルダーの一方の面と他方の面との間に圧力差を発生させた。そして、評価対象物を透過する空気の線流速が流量計で測定して5.3cm/秒となったときの上記圧力差を圧力計(マノメータ)により測定した。1つの評価対象物について上記圧力差を8回測定し、その平均値を、評価対象物の圧力損失とした。
[0062]
 [エアフィルタ濾材のPF値]
 実施例及び比較例において作製したエアフィルタ濾材のPF値は、上述のように求めた捕集効率(CE 1)及び圧力損失(PL 1)から、以下の式(1)により求めた。ただし、式(1)に代入する圧力損失(PL 1)の値は、単位Paのときの値を単位mmH 2Oのときの値に換算した換算値とした。
 PF値={-lоg[(100-CE 1)/100]/PL 1}×100   (1)
[0063]
 [フィルタプリーツパックの捕集効率(全体捕集効率)]
 実施例及び比較例において作製した各エアフィルタ濾材をプリーツ加工して得たフィルタプリーツパックの全体捕集効率は、当該プリーツパックを枠体に組み込んだエアフィルタユニットの全体捕集効率として、EN1822-1:2009に定められた方法に準拠して評価した。ただし、評価は、以下の測定条件及び測定方法に従って実施した。また、EN1822-1:2009に定められている最大透過粒子径(MPPS)に対する捕集効率ではなく、多分散(粒子径0.10~0.20μm、平均粒子径0.15μm)の試験粒子を使用して求めた捕集効率を、フィルタプリーツパックの全体捕集効率とした。
 ・試験粒子:PAO(ポリアルファオレフィン)
 ・試験粒子径:0.1μm以上
 ・上流側粒子濃度:1.0×10 8個/L以上
 ・面風速:0.4±0.1m/秒
 ・エアフィルタユニットのサイズ:外寸610mm×610mm、開口部の寸法580mm×580mm
 EN1822-1:2009に定められた方法に従い、エアフィルタユニットの下流側の面に沿って、50mm×10mmの測定用開口部を有するプローブを速度22m/秒でスキャンさせて、エアフィルタユニットの全領域において下流側に漏れ出たPAO粒子の総数を計測した。次に、計測したPAO粒子の総数から、下流側粒子濃度を求めた。求めた下流側粒子濃度及び上記上流側粒子濃度から、式:全体捕集効率=[1-(下流側粒子濃度/上流側粒子濃度)]×100(%)により、エアフィルタユニット(フィルタプリーツパック)の全体捕集効率を求めた。
[0064]
 [フィルタプリーツパックの圧力損失]
 実施例及び比較例において作製した各エアフィルタ濾材をプリーツ加工して得たフィルタプリーツパックの圧力損失は、当該フィルタプリーツパックを枠体に組み込んだエアフィルタユニットの圧力損失として、JIS B9908:2011に定められた試験方法形式1の圧力損失試験を実施して評価した。枠体には、外寸が610mm×610mm、開口部の寸法が580mm×580mmであるものを使用した。
[0065]
 [フィルタプリーツパックのPF値]
 実施例及び比較例において作製した各フィルタプリーツパックのPF値は、上述のように求めた捕集効率(CE 2)及び圧力損失(PL 2)から、以下の式(4)により求めた。ただし、式(4)に代入する圧力損失(PL 2)の値は、単位Paのときの値を単位mmH 2Oのときの値に換算した換算値とした。
 PF値={-lоg[(100-CE 2)/100]/PL 2}×100   (4)
[0066]
 (実施例1)
 PTFEファインパウダー(ダイキン製、ポリフロンF-104)100重量部と、液状潤滑剤としてドデカン20重量部とを均一に混合して混合物を得た。次に、得られた混合物を押出機を用いてシート状に押出成形して、帯状のPTFEシート(厚さ1.5mm、幅20cm)を得た。次に、形成したPTFEシートを1対の金属圧延ロールにより圧延した。圧延は、圧延の前後においてPTFEシートの幅が変化しないように、圧延ロールの下流に配置した別のロールを用いてPTFEシートを長手方向に引っ張りながら実施した。圧延後のPTFEシートの厚さは500μmであった。
[0067]
 次に、PTFEシートを150℃の雰囲気に保持して液状潤滑剤を除去した。次に、PTFEシートを、ロール延伸法により、長手方向に延伸温度280℃、延伸倍率22倍で延伸した後、テンター延伸法により、幅方向に延伸温度150℃、延伸倍率40倍で延伸した。さらに、延伸後のPTFEシートを、当該シートの寸法を固定した状態で500℃の熱風により加熱して、PTFE多孔質膜Aを得た。得られたPTFE多孔質膜Aの厚さは6.5μmであった。
[0068]
 次に、得られたPTFE多孔質膜Aと、PET/PE複合繊維の不織布(ユニチカ製、エルベスS0303WDO、目付30g/m 2、厚さ210μm)から構成される通気性支持材とを、一対の当該通気性支持材がPTFE多孔質膜Aを挟持するように熱ラミネートにより積層して、通気性支持材/PTFE多孔質膜A/通気性支持材の3層構造を有するエアフィルタ濾材Aを得た。得られたエアフィルタ濾材Aの厚さは320μm、圧力損失は220Pa、捕集効率は99.9995%、PF値は24であった。
[0069]
 次に、エアフィルタ濾材Aを、レシプロ式プリーツ加工機(ファルテック製)を用いて、山高さ(プリーツ高さ)35mm、プリーツ間隔8ppi(pleats per inch)でプリーツ加工して、フィルタプリーツパックAを得た。フィルタプリーツパックの形状を維持するためのビードには、ポリアミド樹脂を使用した。フィルタプリーツパックAにおけるPTFE多孔質膜Aの厚さd1は3.0μm、厚さd2は7.0μmであり、エアフィルタ濾材の収縮率は57%であった。
[0070]
 次に、プリーツ加工により得たフィルタプリーツパックAを、外寸が610mm×610mm、開口部の寸法が580mm×580mmであるアルミ製の枠体に、フィルタプリーツパックの四辺が枠体に密着するように接着剤により固定して、エアフィルタユニットを得た。得られたエアフィルタユニットの全体捕集効率(フィルタプリーツパックAの全体捕集効率)は99.9998%(5N8)であった。また、フィルタプリーツパックAの圧力損失は100Pa、PF値は55であった。
[0071]
 (実施例2)
 圧延後のPTFEシートの厚さが200μmとなるように圧延するとともに、長手方向の延伸倍率を10倍とした以外は実施例1と同様にして、PTFE多孔質膜Bを得た。得られたPTFE多孔質膜Bの厚さは10μmであった。
[0072]
 次に、PTFE多孔質膜Aの代わりにPTFE多孔質膜Bを用いた以外は実施例1と同様にして、通気性支持材/PTFE多孔質膜B/通気性支持材の3層構造を有するエアフィルタ濾材Bを得た。得られたエアフィルタ濾材Bの厚さは320μm、圧力損失は220Pa、捕集効率は99.9995%、PF値は24であった。
[0073]
 次に、エアフィルタ濾材Aの代わりにエアフィルタ濾材Bを用いた以外は実施例1と同様にして、フィルタプリーツパックBを得た。フィルタプリーツパックBにおけるPTFE多孔質膜Bの厚さd1は1.0μm、厚さd2は6.7μmであり、エアフィルタ濾材の収縮率は85%であった。
[0074]
 次に、プリーツ加工により得たフィルタプリーツパックBを、外寸が610mm×610mm、開口部の寸法が580mm×580mmであるアルミ製の枠体に、フィルタプリーツパックの四辺が枠体に密着するように接着剤により固定して、エアフィルタユニットを得た。得られたエアフィルタユニットの全体捕集効率(フィルタプリーツパックBの全体捕集効率)は99.99993%(6N3)であった。また、フィルタプリーツパックBの圧力損失は100Pa、PF値は60であった。
[0075]
 (実施例3)
 圧延後のPTFEシートの厚さが100μmとなるように圧延するとともに、長手方向の延伸倍率を5倍とした以外は実施例1と同様にして、PTFE多孔質膜Cを得た。得られたPTFE多孔質膜Cの厚さは12.5μmであった。
[0076]
 次に、PTFE多孔質膜Aの代わりにPTFE多孔質膜Cを用いた以外は実施例1と同様にして、通気性支持材/PTFE多孔質膜C/通気性支持材の3層構造を有するエアフィルタ濾材Cを得た。得られたエアフィルタ濾材Cの厚さは320μm、圧力損失は220Pa、捕集効率は99.9995%、PF値は24であった。
[0077]
 次に、エアフィルタ濾材Aの代わりにエアフィルタ濾材Cを用いた以外は実施例1と同様にして、フィルタプリーツパックCを得た。フィルタプリーツパックCにおけるPTFE多孔質膜Cの厚さd1は1.0μm、厚さd2は10.0μmであり、エアフィルタ濾材の収縮率は90%であった。厚さd1及びd2を求める際に画像解析した上記断面の拡大観察像を図5A~図5Cに示す。図5Aには、平坦領域に位置するPTFE多孔質膜が示されている。図5Bには、折り返し領域に位置するPTFE多孔質膜が示されており、図5Cには、図5Bの領域IVの拡大像が示されている。
[0078]
 次に、プリーツ加工により得たフィルタプリーツパックCを、外寸が610mm×610mm、開口部の寸法が580mm×580mmであるアルミ製の枠体に、フィルタプリーツパックの四辺が枠体に密着するように接着剤により固定して、エアフィルタユニットを得た。得られたエアフィルタユニットの全体捕集効率(フィルタプリーツパックCの全体捕集効率)は99.99998%(6N8)であった。また、フィルタプリーツパックCの圧力損失は100Pa、PF値は65であった。
[0079]
 (比較例1)
 圧延後のPTFEシートの厚さが600μmとなるように圧延するとともに、長手方向の延伸倍率を25倍とした以外は実施例1と同様にして、PTFE多孔質膜Dを得た。得られたPTFE多孔質膜Dの厚さは5.0μmであった。
[0080]
 次に、PTFE多孔質膜Aの代わりにPTFE多孔質膜Dを用いた以外は実施例1と同様にして、通気性支持材/PTFE多孔質膜D/通気性支持材の3層構造を有するエアフィルタ濾材Dを得た。得られたエアフィルタ濾材Dの厚さは320μm、圧力損失は220Pa、捕集効率は99.9995%、PF値は24であった。
[0081]
 次に、エアフィルタ濾材Aの代わりにエアフィルタ濾材Dを用いた以外は実施例1と同様にして、フィルタプリーツパックDを得た。フィルタプリーツパックDにおけるPTFE多孔質膜Dの厚さd1は3.0μm、厚さd2は5.0μmであり、エアフィルタ濾材の収縮率は40%であった。
[0082]
 次に、プリーツ加工により得たフィルタプリーツパックDを、外寸が610mm×610mm、開口部の寸法が580mm×580mmであるアルミ製の枠体に、フィルタプリーツパックの四辺が枠体に密着するように接着剤により固定して、エアフィルタユニットを得た。得られたエアフィルタユニットの全体捕集効率(フィルタプリーツパックDの全体捕集効率)は99.9995%(5N5)であった。また、フィルタプリーツパックDの圧力損失は100Pa、PF値は50であった。
[0083]
 評価結果を以下の表1にまとめる。
[0084]
[表1]


[0085]
 表1に示すように、収縮率が50%以上である実施例のフィルタプリーツパックでは、比較例のフィルタプリーツパックに比べて、エアフィルタ濾材としての圧力損失及び捕集効率は同等ながらも、フィルタプリーツパック及びこれを備えるエアフィルタユニットとしての捕集効率が向上した。

産業上の利用可能性

[0086]
 本発明のフィルタプリーツパックは、エアフィルタ濾材を備える従来のフィルタプリーツパックと同様の用途に使用できる。用途は、例えば、半導体工業、薬品工業等で利用されるクリーンルームのエアフィルタユニットである。

請求の範囲

[請求項1]
 プリーツ状に折り畳まれたエアフィルタ濾材を備えるフィルタプリーツパックであって、
 前記エアフィルタ濾材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜と、通気性支持材との積層体を含み、
 式(d2-d1)/d2により求められる前記エアフィルタ濾材の収縮率が50%以上であるフィルタプリーツパック。
 ただし、d1は、前記プリーツ状に折り畳まれたエアフィルタ濾材の折り返し領域における前記PTFE多孔質膜の最小の厚さである。d2は、前記エアフィルタ濾材の平坦領域における前記PTFE多孔質膜の厚さである。
[請求項2]
 前記厚さd1が1μm以上である請求項1に記載のフィルタプリーツパック。
[請求項3]
 前記厚さd2が5μmを超える請求項1又は2に記載のフィルタプリーツパック。
[請求項4]
 前記エアフィルタ濾材の目付が30~260g/m 2である請求項1~3のいずれかに記載のフィルタプリーツパック。
[請求項5]
 前記積層体が、2以上の前記通気性支持材を含み、
 前記濾材の双方の主面が前記通気性支持材により構成されている請求項1~4のいずれかに記載のフィルタプリーツパック。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれかに記載のフィルタプリーツパックと、前記フィルタプリーツパックを支持する枠体と、を備えるエアフィルタユニット。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]