Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. WO2009011166 - VACUUM PROCESSING DEVICE AND VACUUM PROCESSING METHOD

Document

明 細 書

発明の名称 真空処理装置および真空処理方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019   0020  

発明を実施するための最良の形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

真空処理装置および真空処理方法

技術分野

[0001]
 本発明は、予め加熱された被処理物に真空処理を施す真空処理装置および真空処理方法に関する。

背景技術

[0002]
 半導体膜、絶縁膜および金属膜等の成膜やエッチングに用いられる従来の真空処理装置は、一般的にロードロック室と真空処理室とを備えている。ロードロック室においては、基板が搬入された後に真空排気が行われて、該基板が予備加熱される。真空処理室においては、ロードロック室で加熱された基板が搬入されて、該基板に対して成膜またはエッチング処理が施される。このような真空処理装置においては、生産効率を向上させるために、真空処理室で連続して基板を処理する必要があり、予備加熱された基板を連続して供給する必要がある。そのため、真空処理室から基板が搬出されるアンロードロック室をさらに設けた真空処理装置が用いられている。
[0003]
 特開2001-239144号公報(特許文献1)では、ロードロック室とアンロードロック室とを兼用した真空予備加熱室を設けた真空処理装置が開示されている。このような構成では、真空処理装置の設置面積を低減できるという利点がある。また、特開2001-239144号公報(特許文献1)に記載された真空処理装置は、基板を予備加熱する真空予備加熱装置と、真空予備加熱装置から搬送された基板を処理する処理室とを備えるとともに、真空予備加熱装置内の複数の基板搬送手段のうち任意の基板搬送手段によって処理室で処理された基板を搬送するものである。これによって、処理室で基板を処理しているときに、真空予備加熱室で別の基板に対して予備加熱が可能となり、処理後の基板を処理室から取出すときに予備加熱された基板を処理室に取り込むことができる。つまり、この真空処理装置は、予備加熱のための待ち時間が少なくなって生産効率が向上する、という効果を有する。
[0004]
 具体的には、真空予備加熱装置に2組の基板搬送系が設けられており、リフタの昇降によってそれらの切換えが行われる。また、上側の基板搬送系の上方及び下側の基板搬送系の下方にヒータが設けられているため、処理室で真空処理が行われている間に、真空予備加熱装置の基板搬送系の何れかにおいて、次に処理されるべき基板に予備加熱を施すことができる。
特許文献1 : 特開2001-239144号公報
特許文献2 : 国際公開第2005-74020号パンフレット

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、特開2001-239144号公報(特許文献1)に記載された真空装置では、上側の基板搬送系に設置された基板は該基板の上面側から予備加熱され、下側の基板搬送系に設置された基板は該基板の下面側から予備加熱される。そのため、上側の基板搬送系から処置室に搬入される場合と、下側の基板搬送系から処置室に搬入される場合とでは、真空処理される前の基板の被処理面の温度分布が異なるという不具合が生じる。つまり、搬入経路に応じて真空処理される前の基板の被処理面の予備加熱温度が異なるため、真空処理される際の基板表面の温度条件に差異が生じる。その結果、均一な、真空処理後の被処理物を得ることが困難になっている。
[0006]
 特に、温度条件の差異は、熱容量が大きな基板を用いた場合に顕著なものとなる。つまり、基板の熱容量が小さければ、基板の表裏どちらから加熱した場合であっても基板の被処理面温度に差が生じ難いが、基板の熱容量が大きい場合は、基板の裏側から加熱すると基板の表面温度が上昇し難く基板の表裏に温度差が生じ易いのである。
[0007]
 本発明は問題点を解決するためになされたものであって、本発明の主たる目的は、それぞれの被処理物同士間における真空処理される前の被処理物の温度分布の差異を低減することができる真空処理装置および真空処理方法を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の1つの局面に従うと、被処理物に真空処理を施す真空処理装置が提供される。真空処理装置は、被処理物を収容して真空処理を施す第1の処理室を備える。第1の処理室は、被処理物を支持して真空処理を施す真空処理部を含む。真空処理装置は、真空処理される前の被処理物と、真空処理された後の被処理物と、を収容する真空排気可能な第2の処理室をさらに備える。第2の処理室は、真空処理される前の被処理物を支持する搬入部を含む。搬入部は、真空処理される前の被処理物を加熱する加熱装置を有する。第2の処理室は、真空処理された後の被処理物を支持する搬出部をさらに含む。真空処理装置は、第1の処理室と第2の処理室との間に介装されて第1の処理室と第2の処理室とを遮断および連通可能なゲート部と、ゲート部を通じて、真空処理される前の被処理物を搬入部から真空処理部へと搬入し、真空処理された後の被処理物を真空処理部から搬出部へと搬出する搬送機構とをさらに備える。
[0009]
 この局面によれば、被処理物は、第2の処理室から第1の処理室に搬入される前に搬入部において加熱され、第1の処理室から第2の処理室に搬出される際には搬出部へと搬出される。つまり、全ての被処理物が同一の経路を経由して真空処理を施される。これによって、被処理物の予備加熱温度や予備加熱温度分布が均一化し、それぞれの被処理物同士間における真空処理される前の被処理物の温度分布の差異を低減することができる。その結果、真空処理の精度や信頼度が向上する。
[0010]
 好ましくは、搬入部と搬出部とは、被処理物の搬入方向と略直交する配列方向に所定距離離れて配列される。搬入部および搬出部と、真空処理部とは、真空処理部を介して同一の被処理物を授受する一対の搬入部と搬出部の相対方向へ相対距離だけ相対移動可能である。
[0011]
 好ましくは、第1の処理室は、配列方向に並べて配置される複数の真空処理部を含む。第2の処理室は、配列方向に並べて配置される複数の搬入部と、配列方向に並べて配置される複数の搬出部とを含む。複数の搬入部の各々における、搬入部に支持される被処理物の被処理面と加熱装置との相対的な位置関係は互いに略同一である。
[0012]
 好ましくは、複数の搬入部の配列間隔と、複数の搬出部の配列間隔と、複数の真空処理部の配列間隔とは略同一である。
[0013]
 好ましくは、搬入部と搬出部とは、配列方向に交互に並べて配置される。
 好ましくは、第2の処理室は、被処理物が出し入れされるための扉をさらに含む。扉の配列方向の長さは、搬入部および搬出部の配列方向の長さよりも長い。
[0014]
 好ましくは、搬送機構は、真空処理部に配置される第1の搬送装置を含む。第1の搬送装置が真空処理される前の被処理物を支持する。搬送機構は、搬入部に配置される第2の搬送装置をさらに含む。第2の搬送装置が真空処理される被処理物を支持する。第1の搬送装置と第2の搬送装置とが、真空処理される前の被処理物を搬入部から真空処理部へと搬入する。搬送機構は、搬出部に配置される第3の搬送装置をさらに含む。第3の搬送装置は真空処理された後の被処理物を支持する。第1の搬送装置と第3の搬送装置とは、真空処理された後の被処理物を真空処理部から搬出部へと搬出する。
[0015]
 好ましくは、搬送機構は、各々の真空処理部に配置される第1の搬送装置を含む。各々の第1の搬送装置は真空処理される前の被処理物を支持する。搬送機構は、各々の搬入部に配置される第2の搬送装置をさらに含む。各々の第2の搬送装置は、真空処理される被処理物を支持する。各々の第1の搬送装置と各々の第2の搬送装置とは、真空処理される前の被処理物を搬入部から真空処理部へと同時に搬入する。搬送機構は、各々の搬出部が有する第3の搬送装置をさらに含む。各々の第3の搬送装置が真空処理された後の被処理物を支持する。各々の第1の搬送装置と各々の第2の搬送装置とは、真空処理された後の被処理物を真空処理部から搬出部へと同時に搬出する。
[0016]
 本発明の別の局面に従うと、第2の処理室内で被処理物を加熱した後に、第1の処理室内にて被処理物に真空処理を施す真空処理方法が提供される。第2の処理室は、その内部に配列方向に所定距離離れて配置される搬入部と搬出部とを含む。真空処理方法は、搬入部に真空処理される前の被処理物を配置するステップと、第2の処理室を真空排気するとともに、搬入部に支持された被処理物を加熱するステップと、真空処理される前の被処理物を、搬入部から第1の処理室内へ搬入するステップと、第1の処理室内において被処理物に真空処理を施すステップと、搬入部と搬出部とを、配列方向へ移動させるステップと、真空処理された後の被処理物を、第1の処理室内から搬出部へ搬出するステップと、第2の処理室を大気開放するステップと、真空処理された後の被処理物を、搬出部から取出すステップと、搬入部と搬出部とが、搬入部に対する搬出部の相対方向へ移動する第2の移動ステップとを備える。真空処理を施すステップ中に、大気開放するステップと取出すステップと移動させるステップと配置するステップと加熱するステップとが実行される。真空処理を施すステップ終了後に、搬出するステップと移動するステップと搬入するステップとが実行される。
[0017]
 本発明のさらに別の局面に従うと、第2の処理室内で被処理物に予備加熱を施し、第1の処理室内で被処理物に真空処理を施す真空処理装置を用いた真空処理方法が提供される。真空処理装置は、被処理物を収容して真空処理を施す第1の処理室を備える。第1の処理室は、被処理物を支持して真空処理を施す真空処理部を含む。真空処理装置は、真空処理される前の被処理物と、真空処理された後の被処理物と、を収容する真空排気可能な第2の処理室をさらに備える。第2の処理室は、真空処理される前の被処理物を支持する搬入部を含む。搬入部は、真空処理される前の被処理物を加熱する加熱装置を有する。第2の処理室は、真空処理された後の被処理物を支持する搬出部をさらに含む。真空処理装置は、真空処理される前の被処理物を搬入部から真空処理部へと搬入し、真空処理された後の被処理物を真空処理部から搬出部へと搬出する搬送機構をさらに備える。搬入部および搬出部と、真空処理部とは相対移動可能である。真空処理方法は、加熱装置が真空処理される前の被処理物を加熱するステップと、搬送機構が真空処理された後の被処理物を真空処理部から搬出部へ搬出するステップと、搬入部と搬出部とが搬入部に対する搬出部の相対方向へ移動するステップと、搬送機構が真空処理される前の被処理物を搬入部から真空処理部へ搬入するステップとを備える。

発明の効果

[0018]
 以上のように、それぞれの被処理物同士間における真空処理される前の被処理物の温度分布の差異を低減することができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 実施の形態1に係る真空処理装置を示す概略平面図である。
[図2] 実施の形態1に係る真空処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
[図3] 被処理物および搬送機構を示す概略図である。
[図4] 実施の形態1に係る真空処理方法のフローチャートである。
[図5] 設置工程および設置・取出工程のフローチャートである。
[図6] 被処理物搬出工程終了後の真空処理装置を示す概略平面図である。
[図7] 被処理物搬入工程終了後の真空処理装置を示す概略平面図である。
[図8] 被処理物取出工程終了後の真空処理装置を示す概略平面図である。
[図9] 被処理物設置工程終了後の真空処理装置を示す概略平面図である。
[図10] 搬入部・搬出部移動工程終了後の真空処理装置を示す概略平面図である。
[図11] 実施の形態2に係る真空処理装置を示す概略平面断面図である。
[図12] 実施の形態3に係る真空処理装置を示す概略平面断面図である。
[図13] 実施の形態4に係る真空処理装置を示す概略平面断面図である。
[図14] 搬送機構の変形例1を示す概略正面図である。
[図15] 図14(d)におけるA-A矢視断面図である。
[図16] 搬送機構の変形例2を示す概略正面図である。

符号の説明

[0020]
 1A,1B,1C,1D,1E 真空処理装置、12a,12b レール、50 トレー、60 搬送アーム、63 アーム部、101 第1の処理室(真空処理室)、102 第2の処理室(予備真空室)、103 ゲートバルブ、104 真空処理部、107 被処理物、107a 被処理面、108 搬入部、111 加熱装置、114 設置取出扉、119 搬出部、202 搬送機構。

発明を実施するための最良の形態

[0021]
 以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお以下の説明では、同一の部品については同一の符号を付すものとし、部品の名称や機能が同一である場合には、部品についての詳細な説明は繰り返さない。
[0022]
 [実施の形態1]
 <真空処理装置>
 まず、実施の形態1に係る真空処理装置1Aについて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施の形態に係る真空処理装置1Aを示す概略平面図であり、図2は本実施の形態に係る真空処理装置1Aの機能構成を示す機能ブロック図である。
[0023]
 図1および図2に示すように、真空処理装置1Aは、真空処理が行われる真空処理室101と真空排気可能な予備真空室102とが、ゲートバルブ103を介して接続されている。真空処理室101には、真空処理室101内を排気する真空排気装置113aが接続されている。また、予備真空室102には、予備真空室102内を排気する排気装置113bが接続されている。排気装置113a,113bには、例えば真空ポンプ等が使用される。
[0024]
 真空処理室101内には、平行平板型の電極構造を有するカソード電極105とアノード電極106の対が設けられている。カソード電極105には交流電力が供給される。アノード電極106は接地されている。真空処理室101内には、真空処理部104のアノード電極106側に、被処理物107加熱用の真空処理側加熱装置110が設置されている。真空処理側加熱装置110には、一般的にランプヒータや抵抗体の発熱を利用したヒータが使用される。但し、真空処理側加熱装置110は、アノード電極106と一体である必要はなく、アノード電極106と分離して設けられていても良い。被処理物107はアノード電極106と平行に、かつ、電気的に接続されるように設置される。
[0025]
 また、真空処理室101には、プラズマ処理等の真空処理に使用するガスを導入するガス導入部112aが設けられている。排気装置113aと真空処理室101の間には、ガス導入部112aから導入されたガスの真空処理室101内における圧力を一定に保つための圧力調整バルブ118が設けられている。
[0026]
 本実施の形態においては、被処理物107が、カソード電極105とアノード電極106との間に発生するプラズマによってプラズマ処理(真空処理)される。すなわち、本実施の形態においては、真空処理部104は、カソード電極105とアノード電極106とを含む。真空処理としては、例えば、プラズマCVD(Chemical vapor deposition)による成膜が挙げられるが、これに限られず、スパッタ法や蒸着法等による成膜又はプラズマエッチング等でも良い。
[0027]
 予備真空室102内には、被処理物107を予備過熱するためのヒータ(搬入側加熱装置)111を含む搬入部108が設けられている。搬入部108には真空処理室101で真空処理される前の被処理物107が配置される。また、予備真空室102内には、真空処理室101で真空処理された後の被処理物107を収容するための搬出部119が設けられている。搬入部108および搬出部119は、被処理物107の搬送方向Xと垂直な方向(図1における上下方向Yであって、配列方向Yともいう。)に所定距離離れて配置されており、それらは配列方向Yに所定距離だけ移動可能に構成されている。
[0028]
 搬入部108と搬出部119とは、搬入部移動装置150aと搬出部移動装置150bとによって、それぞれが別々にY方向へ移動できる構成であっても良いし、それらが一体となってY方向へ移動できる構成であっても良い。真空処理装置1A自体の装置構成を簡略化するためには、搬入部移動装置150aと搬出部移動装置150bとが連動することによって、搬入部108と搬出部119とが一体となって移動できる構成であることが望ましい。具体的には、搬入部108と搬出部119とを同一のフレームによって支持し、そのフレームがY方向に敷かれたレール上を摺動(スライド)する構成が挙げられる。
[0029]
 詳しくは、搬入部108および搬出部119の移動方向Yは、被処理物107の搬送方向Xに対して直角な方向であることが好ましく、図1におけるY方向であっても良いし、図1における紙面に垂直な方向(搬送方向Xと図1におけるY方向とに対して共に直角な方向であって、以下Z方向とする。)であっても良い。つまり、被処理物107を後述する真空処理部104の搬送装置202Aに受け渡しし易い位置まで、搬入部108や搬出部119が移動できればよく、Y方向およびZ方向の少なくともいずれかの成分を含む方向に搬入部108と搬出部119とを並べて(配列して)、搬入部108と搬出部119とを当該方向へと移動できる構成とすることが好ましいのである。
[0030]
 また、本実施の形態においては、図1を平面図として、Z方向を垂直方向としているが、図1を側面図として、Y方向を垂直方向とした形態であってもよい。
[0031]
 予備真空室102には、予備真空室102内を大気開放する際に徐々にリーク用ガスを導入するためのガス導入部112bが設けられている。予備真空室102の外壁の一部には、外部から被処理物107を出し入れするための設置取出扉114が設けられている。
[0032]
 本実施の形態においては、設置取出扉114は、搬入部108および搬出部119を所定位置へと移動させることによって作業者等が被処理物107の出し入れができる位置や大きさに構成されている。ただし、後述するように、設置取出扉114は、搬入部108および搬出部119を移動することなく作業者等がそれらに収容されている被処理物107の出し入れができる位置や大きさであることが望ましい。つまり、設置取出扉114は、その配列方向Yの長さが、搬入部108および搬出部119の配列方向Yの長さよりも長くなるように、形成されていることが好ましい。この場合には、ユーザは、搬入部108へ被処理物107を載置した後に、搬入部108と搬出部119とを移動させることなく、搬出部119から被処理物107を取出すことが可能になる。
[0033]
 真空処理室101と予備真空室102の間に設けられたゲートバルブ103は開閉可能であり、ゲートバルブ103を開けることによって、真空処理室101内部と予備真空室102内部とが連通され、真空状態を維持したままで真空処理室101と予備真空室102との間で被処理物107を搬送できる。
[0034]
 真空処理室101及び予備真空室102には搬送機構が設けられている。搬送機構は、搬入部108から真空処理部104への被処理物107の搬送と、真空処理部104から搬出部119への被処理物107の搬送が出来れば良く、真空処理室101又は予備真空室102の何れか又は両方に設けられていれば良い。
[0035]
 本実施の形態においては、搬入部108と搬出部119とをそれらの相対方向(配列方向Y)に移動可能とし、真空処理部104と搬入部108とが、また真空処理部104と搬出部119とが、被処理物107の搬送方向Xに直線的に並び得るように構成されている。つまり、前述したように、真空処理装置1Aは搬入部108および搬出部119のための移動手段を装備しており、搬送機構によって被処理物107を直線的に搬送できる構成としている。
[0036]
 以下、本実施形態に係る搬送機構の構成について、図面を参照して説明する。図3(a)は被処理物107の被処理面107a側から見た被処理物107および搬送機構の側面図であり、図3(b)は図3(a)におけるIIIb-IIIb概略矢視断面図である。
[0037]
 図1および図2に示すように、本実施の形態における搬送機構は、搬入部108に設けられて真空処理前の被処理物107を保持する搬入側搬送装置202Bと、搬出部119に設けられて真空処理後の被処理物107を保持する搬出側搬送装置202Cと、真空処理部104に設けられて真空処理される被処理物107を保持する真空処理側搬送装置202Aとから構成されている。それぞれの搬送装置202A,202B,202Cの構成は略同一の構成となっているため、以下では真空処理部104に設けられた真空処理側搬送装置202Aについて説明する。
[0038]
 図3(a)および図3(b)に示すように、被処理物107は、水平方向に回動軸を有する駆動ローラ202c上に載置されている。被処理物107の側面は、従動ローラ202a及び従動ローラ202bにより側方から支持されている。駆動ローラ202cはモータ等によって回動されるものであって、被処理物107を直線的に搬送方向Xへと移動させるものである。
[0039]
 このような構成とすることにより、本実施の形態に係る真空処理装置1Aは、真空処理が施される前の被処理物107を真空処理部104に搬送して、被処理面107aに真空処理を施すことができ、真空処理が施された後の被処理物107を搬出部119に搬送することができる。詳しくは、搬入部108の搬送装置202Bと真空処理部104の搬送装置202Aとが、真空処理される前の被処理物107を搬入部108から真空処理部104へと搬入し、真空処理部104の搬送装置202Aと搬出部119の搬送装置202Cとが、真空処理された後の被処理物107を真空処理部104から搬出部119へと搬出する。被処理物107を搬送方向Xに沿って直線的に移動させる場合、このようにローラ202a,202bやガイドやレールや溝等を利用して、被処理物107にモータ等により推進力を与えるような簡易な構成の搬送系を採用することができる。
[0040]
 本実施の形態においては、被処理物107の設置方向を被処理面107aが水平面に対して垂直な方向としたが、前述したように、どのような角度で被処理物107を保持しても良いものとする。
[0041]
 以下、本実施の形態に係る真空処理装置1Aを用いた真空処理方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。図4は本実施形態に係る真空処理方法のフローチャートである。図5(a)は設置工程のフローチャートであり、図5(b)は設置・取出工程の示すフローチャートである。図2に示すように、真空処理装置1Aの各装置には、ケーブルやインタフェースを介して制御装置100が接続されており、以下の工程は主に制御装置100による操作によって行われるものである。具体的には、制御装置100には、真空処理装置1Aを制御するためのプログラムが記憶されているメモリー98や、当該プログラムを読み込んで真空処理装置1Aを制御するCPU99とが内蔵されている。本実施の形態においては、真空処理装置1Aによって行われる真空処理は、制御装置100上で実行されるソフトウェアによって制御されるものとする。
[0042]
 (被処理物設置工程)図4に示すように、まず、制御装置100は、ガス導入部112bを開放して予備真空室102内に窒素ガスを導入しリークする。予備真空室102内が大気圧になると、設置取出扉114が開放されて予備真空室102内部が大気開放される。この状態において、真空処理される前の被処理物107が搬入部108へと配置される。被処理物107が搬入部108に配置されると、設置取出扉114が密閉される(ステップ10、以下ステップをSと略す。)。
[0043]
 (加熱工程)次に、排気装置113bが稼動され、予備真空室102内の真空排気が行われる。同時に、ヒータ111の電源がONされ、被処理物107が加熱される(S20)。
[0044]
 (被処理物搬入工程)被処理物107の温度が所定の温度になり、予備真空室102内の真空度が所定の真空度に達した後、真空処理室101と予備真空室102とを連通および遮断するゲートバルブ103が開放される。そして、真空処理室101内と予備真空室102内とが真空に維持された状態において、搬送機構によって予備真空室102内の搬入部108から真空処理室101内の真空処理部104へと真空処理前の被処理物107が搬入される(S30)。被処理物107が真空処理部104へ搬入された後、ヒータ111の電源がOFFになり、ゲートバルブ103が遮断される。ここで、搬入部108が、被処理物を搬送するための所定位置(搬入部108と真空処理部104とが一直線上に並ぶ位置)まで移動されるタイミングについては、ゲートバルブ103が開放される前であっても後であっても開放中であっても良いものとする。
[0045]
 (真空処理工程)制御装置100は、カソード側に電圧を印加して、真空処理部104に搬入された被処理物107に対してプラズマCVD法等によりシリコン膜等を成膜する(S40-1)。真空処理室101内の真空処理側加熱装置110は、真空処理装置1Aの稼動中は常に電源が入れられており、被処理物107の温度を、たとえば170℃に保持するように、制御装置100によって出力制御されている。
[0046]
 詳しくは、ゲートバルブ103が遮断されると、まず水素ガスとシランガスからなる反応ガスがガス導入部112aから真空処理室101内へと導入される。圧力調整バルブ118が、真空処理室101内の圧力を所定の圧力に調整する。次に、カソード電極105に高周波電力(例えば13.56MHzの周波数)が給電され、カソード電極105とアノード電極106との間にプラズマが発生する。当該プラズマにより反応ガスが分解されて、被処理物107上にシリコン膜が成膜される。所望の膜厚のシリコン膜が成膜された後、制御装置100はカソード電極105への給電を停止する。制御装置100は、反応ガスの導入を止めて、真空処理室101内を真空排気する。
[0047]
 (被処理物設置工程)一方、図4および図5(a)に示すように、予備真空室102においては、制御装置100が、搬出部119の温度が所定の温度に下がった後に、ガス導入部112bから予備真空室102内へと窒素ガスを導入してリークする。予備真空室102内が大気圧になった後に、設置取出扉114が開放されて予備真空室102内が大気開放される。真空処理前の被処理物107が搬入部108に配置されると、設置取出扉114が密閉される(S41)。
[0048]
 ここで、被処理物設置工程(S41)と加熱工程(S42)と搬入部・搬出部移動工程(S43)とは(これらの工程をまとめて設置工程S40-2とする。)、図4に示す通り、真空処理工程(S40-1)の実施中に並行して実施されるものである。
[0049]
 (加熱工程)次に、制御装置100は、排気装置113bを稼動することによって予備真空室102内の真空排気を開始する。そして、制御装置100は、ヒータ111の電源をONして、真空処理される前の被処理物107を加熱する(S42)。
[0050]
 (搬入部・搬出部移動工程)次に、真空処理された後の被処理物107を真空処理部104から搬出部119に搬送方向Xに沿って直線的に搬出できるように、搬入部108及び搬出部119が被処理物107が搬送される方向と垂直な方向Yへと移動する(S43)。つまり、制御装置100は、真空処理部104と搬出部119とが搬送方向Xの軸線上に並ぶように設定する。但し、本工程は、被処理物設置工程(S41)の後に実施されればよく、ヒータ111による被処理物107の加熱中に実施される形態であってもよい。
[0051]
 (被処理物搬出工程)予備真空室102内の真空処理前の被処理物107の温度が所定の温度になり、予備真空室102内の真空度が所定の真空度に達し、真空処理室101内の真空処理工程が終了し、真空処理室101内の圧力が所望の圧力となった後に、真空処理室101と予備真空室102とを連通するゲートバルブ103を開放する。次に、搬送装置202Cと搬送装置202Bとが、真空処理された後の被処理物107を、真空処理部104から搬出部119へと直線的に搬出する(S50)。図6は被処理物搬出工程終了後の真空処理装置1Aを示す概略平面図である。
[0052]
 (搬入部・搬出部移動工程)次に、搬送装置202Aが搬入部108に収容されている真空処理前の被処理物107を真空処理部104まで直線的に移動させられるように、つまり、搬入部108と真空処理部104とが軸線上に並ぶように、制御装置100は搬入部108及び搬出部119を被処理物107が搬送される方向Xと直角の方向Yに移動させる(S60)。
[0053]
 (被処理物搬入工程)次に、真空処理側搬送装置202Aと搬入側搬送装置202Bとが、搬入部108から真空処理部104へ、真空処理される前の被処理物107を直線的に搬入する(S70)。図7は被処理物搬入工程終了後の真空処理装置1Aを示す概略平面図である。真空処理前の被処理物107が真空処理部104に搬入された後、ゲートバルブ103が密閉され、ヒータ111の電源がOFFされる。
[0054]
 (真空処理工程)前述同様、真空処理部104に搬入された真空処理前の被処理物107にプラズマCVD法によってシリコン膜が成膜される(S80-1)。本工程は前述した真空処理工程(S40-1)と同一の処理が行われるものである。図4および図5(b)に示すように、本工程(S40-1)を実施している間に、以下の搬入部・搬出部移動工程(S81)、被処理物取出工程(S82)、搬入部・搬出部移動工程(S83)、被処理物設置工程(S84)、加熱工程(S85)、搬入部・搬出部移動工程(S86)が並行して実施される。
[0055]
 (搬入部・搬出部移動工程)予備真空室102から真空処理後の被処理物107を外部に取出すことができるように、搬入部108および搬出部119とが被処理物107の搬送方向Xと直角の方向(図7におけるY1方向)に移動する。前述したように、搬入部108と搬出部119とが一体となってY1方向へ移動する構成としてもよいし、それぞれが別々にY1方向へ移動する構成としてもよい(S81)。
[0056]
 (被処理物取出工程)シリコン膜が成膜された真空処理後の被処理物107の温度が所定の温度に下がると、ガス導入部112bが予備真空室102内へと窒素ガスを導入してリークする。予備真空室102内が大気圧と略同一になると、設置取出扉114が開放されて予備真空室102が大気開放されて、真空処理された被処理物107が搬出部119から取出される(S82)。図8は被処理物取出工程終了後の真空処理装置1Aを示す概略平面図である。
[0057]
 (搬入部・搬出部移動工程)次に真空処理される前の被処理物107を外部から予備真空室102に設置することができるように、搬入部108と搬出部119とが被処理物107が搬送される方向と垂直な方向(図8におけるY2方向)に移動する(S83)。
[0058]
 (被処理物設置工程)そして、真空処理される前の被処理物107が搬入部108に配置されて、設置取出扉114が密閉される(S84)。図9は被処理物設置工程終了後の真空処理装置1Aを示す概略平面図である。
[0059]
 (加熱工程)次に、制御装置100は、予備真空室102内の真空排気を開始する。制御装置100は、ヒータ111の電源をONし、搬入部108において真空処理される前の被処理物107を加熱する(S85)。
[0060]
 (搬入部・搬出部移動工程)次に、真空処理された被処理物107を真空処理部104から搬出部119に直線的に搬出できるように、搬入部108と搬出部119とが被処理物107の搬送方向Xと直角の方向Y1に移動する。すなわち、制御装置100は、真空処理部104と搬出部119とを搬送方向Xの軸線上に並ぶように配置させる(S86)。図10は搬入部・搬出部移動工程終了後の真空処理装置1Aを示す概略平面図である。
[0061]
 以降、制御装置100は、被処理物搬出工程(S50)から搬入部・搬出部移動工程(S86)を繰り返し行う(図6から図10)。このような一連の工程を実施することにより、真空処理部104で真空処理される被処理物107の入替えを効率的に行うことができ、また、真空処理工程実施中に前に真空処理した被処理物107の冷却及び次に真空処理する被処理物107の加熱を行うことができ、真空処理装置1Aのタクトタイム(1個当たりの被処理物107に必要な工程作業時間)を短縮することができる。
[0062]
 さらに、本実施形態の真空処理装置及び真空処理方法では、真空処理が施される前の被処理物107が予備真空室102内の搬入部108で加熱された後、真空処理室101内の真空処理部104に搬入されて真空処理され、真空処理が施された後の被処理物107が真空処理室101内の真空処理部104から予備真空室102内の搬出部119に搬出される。これによって、被処理物107は同一の経路を経由しながら真空処理を施されるため、被処理物107毎にその温度条件が異なることがない。つまり、本実施の形態に係る真空処理装置1Aは、被処理物107に対し、真空処理部104において同一の温度条件の下に真空処理を施すことができる。
[0063]
 温度条件の差異を低減する効果は、被処理物107としてガラスや樹脂等の熱容量の大きな材料を使用した場合に特に顕著に表れる。すなわち、熱容量が小さい被処理物を裏面又は表面から加熱した場合には、被処理物の裏面及び表面の温度に差が生じ難いが、熱容量が大きい被処理物の場合は、裏面から加熱する場合と表面から加熱する場合で、被処理物の温度分布が異なり、被処理面の表面と裏面の温度に差が生じ易いからである。
[0064]
 さらに、この場合には、第1の搬送装置(真空処理側搬送装置202A)によって被処理物107を支持するため、真空処理部104に別途被処理物107を支持するための支持部材を設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、第2の搬送装置(搬入側搬送装置202B)によって被処理物107を支持するため、搬入部108に別途被処理物107を支持するための支持部材を設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、第3の搬送装置(搬出側搬送装置202C)によって被処理物107を支持するため、搬出部119に別途被処理物107を支持するための支持部材を設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。
[0065]
 また、真空処理部104と搬送機構との間や、搬入部108と搬送機構との間や、搬出部119と搬送機構との間で、被処理物107を受け渡す必要がなくなるので、被処理物107の搬送処理をより安定させ、より速やかにできる。
[0066]
 [実施の形態2]
 次に、実施の形態2に係る真空処理装置1Bを図面を参照して説明する。図11は本実施の形態に係る真空処理装置1Bを示した概略平面断面図である。本実施の形態に係る真空処理装置1Bは、実施の形態1の真空処理装置1Aと基本的な構成は同じであるが、真空処理室101内にカソード電極105及びアノード電極106の対により構成された真空処理部104が複数設けられている点、予備真空室102内に搬入部108及び搬出部119が複数設けられている点が異なる。
[0067]
 詳しくは、図11に示すように、真空処理室101内に、所定間隔の隔てられたカソード電極105とアノード電極106との対が、等間隔ごとに(所定距離離れて)平行に複数対並べて設けられている。本実施の形態においては、カソード電極105とアノード電極106との対が5対設けられている。それぞれのカソード電極105とそれぞれのアノード電極106とが真空処理部104a~104eを構成し、真空処理装置1Aは5枚の被処理物107を同時に真空処理することが可能である。
[0068]
 予備真空室102内には、複数の搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eが設けられる。搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eは、それぞれ真空処理部104a~104eの数以上設ければ良い。真空処理部104と搬入部108と搬出部119のそれぞれの配設個数は、予備真空室102における加熱に必要な時間や真空処理室101における真空処理に必要な時間等から最適な個数にすることが好ましい。
[0069]
 本実施の形態においては、搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eは、それぞれが真空処理部104a~104eと同数の5つずつ設置されており、それぞれが被処理物107の搬送方向Xと直角の方向Yに等間隔ごとに(所定間隔を空けて)並べて設置されている。ここで、前述同様、搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eは、被処理物107の搬送方向Xと直角の方向Yに移動可能であり、一体となって移動する構成とすることが望ましい。すなわち、搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eは、搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eの移動方向Yに沿って並べて配設されている。
[0070]
 搬入部108a~108eに設けられたヒータ111a~111eは、各搬入部108a~108eの搬送装置202Bに保持される被処理物107と各ヒータ111a~111eとの相対的な位置関係が(両者の間隔が)各搬入部108a~108e間において略同一となるように設けられる。すなわち、各々の搬入部108aに収納される被処理物107とヒータ111aの相対的な位置関係は、その他の搬入部108b~108eにおいても略同一である。
[0071]
 また、複数の搬入部108a~108e同士は、搬入部108a~108eに保持されるそれぞれの被処理物107の(被処理面107a同士の)間隔と複数の真空処理部104a~104eに保持されるそれぞれの被処理物107の(被処理面107a同士の)間隔とが略同一となるように並べて配置されている。同様に、複数の搬出部119a~119e同士も、搬出部119a~119eに保持される被処理物107の間隔と複数の真空処理部104a~104eに保持される被処理物107の間隔とが略同一となるように並べて配置されている。
[0072]
 以上の構成とすることにより、本実施形態に係る真空処理装置1Bでは、複数の被処理物107を、搬入部108a~108eから真空処理部104a~104eへ同時に搬送することができる。同様に、本実施の形態に係る真空処理装置1Bでは、複数の被処理物107を真空処理部104a~104eから搬出部119a~119eへ同時に搬送することができる。被処理物107の枚数が多い場合には、被処理物107を同時に搬送した方がタクトタイムを短縮することができて好ましい。
[0073]
 本実施の形態においては、被処理物107の設置方向(設置姿勢)を、その被処理面107aが水平面に対して垂直な方向となるようにしているが、実施の形態1と同様に、どのような角度で被処理物107を保持しても良いものとする。
[0074]
 本実施の形態に係る真空処理装置1Bを用いた真空処理方法は、図4のフローチャートにて示した実施形態1に係る真空処理方法と比較して、複数の被処理物107が同時に配置、搬入、搬出、取出しされる点、すなわち複数の被処理物107が同時に真空処理される点において異なるものであって、その他の構成は同様である。
[0075]
 本実施の形態の真空処理方法においては、複数の被処理物107を複数の搬送機構により搬送するものである。複数の被処理物107のそれぞれを別々のタイミングで搬送させる構成であっても良いし、複数の被処理物107を同時に搬送する構成の方がより好ましい。
[0076]
 本実施の形態に係る真空処理装置1Bにおいては、複数の被処理物107に対して予備加熱や真空処理を施すことができるため、真空処理を効率的に行うことができる。また、異なる搬入部108に支持される被処理物107も、略同一の温度条件にて真空処理部104により真空処理を施されるようになり、真空処理の精度や信頼度が向上する。
[0077]
 [実施の形態3]
 実施の形態3に係る真空処理装置1Cを図面を参照して説明する。図12は本実施の形態に係る真空処理装置1Cを示す概略平面断面図である。本実施の形態に係る真空処理装置1Cは、基本的に実施の形態2に係る真空処理装置1Bと同様であるが、予備真空室102内の搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eが、移動方向Yに沿って交互に並べて配置されている点において異なる。
[0078]
 すなわち、搬入部108a~108e及び搬出部119a~119eは、搬入部108a~108e及び搬出部119a~119eの移動方向Yに沿って、上から搬出部119a、搬入部108a、搬出部119b~搬入部108eの順に、並べて配設されている。
[0079]
 本実施の形態に係る真空処理装置1Cにおいても、実施の形態2に係る真空処理装置1Bと同様に、搬入部108a~108eに設けられたヒータ111a~111eは、各搬入部108a~108eの搬送装置202Bに保持される被処理物107とヒータ111a~111eとの相対的な位置関係が各搬入部108a~108e間において同一となるように設けられる。すなわち、搬入部108aに収納される被処理物107とヒータ111aとの相対的な位置関係は、その他の搬入部108b~108eにおいても同一である。
[0080]
 また、複数の搬入部108a~108eは、搬入部108a~108eに保持されるそれぞれの被処理物107の間隔と複数の真空処理部104a~104eに保持されるそれぞれの被処理物107の間隔とが略同一となるように並べて配置されている。同様に、複数の搬出部119a~119eも、搬出部119a~119eに保持されるそれぞれの被処理物107の間隔と複数の真空処理部104a~104eに保持されるそれぞれの被処理物107の間隔とが略同一となるように並べて配置されている。
[0081]
 本実施の形態における搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eの移動距離は、互いに隣り合う搬入部108aおよび搬出部119aに保持される被処理物107の被処理面107a同士の間隔と略等しい距離である。例えば、図12に示すように、搬入部108eに保持される被処理物107の被処理面107aと搬出部119eに保持される被処理物107の被処理面107aとの間隔(距離)117だけ移動可能である。
[0082]
 ここで、本実施の形態における搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eの移動距離は、実施の形態2の場合と比較して短い距離であり、実施の形態2に係る真空処理装置1Bよりも予備真空室102の大きさを小さくできる。また、搬入部108a~108e及び搬出部119a~119eの移動距離が短いためその機構が簡易化され、装置のコンパクト化が図られる。
[0083]
 本実施の形態に係る真空処理方法は、実施の形態2に係る真空処理方法と比較して、被処理物設置工程(S10、S41、S84)における被処理物107の設置位置と、搬入部・搬出部移動工程(S43、S60、S81、S83、S86)における搬入部108および搬出部119の移動距離117のみが異なるものであって、その他の構成は同様である。つまり、この場合には、搬入部108から搬出部119への移動距離が小さくなるので、搬入部108および搬出部119による被処理物107の保持がより安定する。また、搬入部108と搬出部119の移動時間が短くなるので、真空処理全体の作業時間をより短縮することができる。
[0084]
 [実施の形態4]
 次に、実施の形態4に係る真空処理装置1Dを図面を参照して説明する。図13は本実施の形態に係る真空処理装置1D示した概略平面断面図である。本実施の形態に係る真空処理装置1Dは、実施の形態1~3と同様の真空処理方法において使用されるが、設置取出扉114の大きさが真空処理装置1Cのそれよりも大きい点において実施の形態に係る真空処理装置1A,1B,1Cとは相違する。
[0085]
 本実施の形態に係る真空処理装置1Dでは、搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eを移動することなく、(作業者等が)予備真空室102の外部から搬入部108a~108eへ被処理物107を配置することが可能であって、かつ、搬出部119a~119eに保持されたそれぞれの被処理物107を予備真空室102外部へと取出すことが可能である大きさに設置取出扉114が形成されている。
[0086]
 実施の形態3で述べたように、本実施の形態に係る真空処理装置1Dにおいても、実施の形態2に係る真空処理装置1Bと比較して、搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eの移動距離117は短い。そのため、設置取出扉114のサイズを実施の形態3の場合より大きくすることにより、搬入部108a~108eおよび搬出部119a~119eを移動させることなく、作業者等が外部から設置取出扉114を通じて搬入部108a~108eに被処理物107を配置し、又は搬出部119a~119eから被処理物107を取出すことができる。
[0087]
 このような構成とすることにより、被処理物107の取替え工程を簡略化することができる。すなわち、搬入部・搬出部移動工程(S81、S83、S86)が不要となり、真空処理方法を簡略化することができる。つまり、搬入部108や搬出部119を移動させることなく、被処理物107を搬入部108に速やかに設置することが可能になる。また、搬入部108や搬出部119を移動させることなく、被処理物107を搬出部119から速やかに取出すことが可能になる。
[0088]
 [搬送機構の変形例1]
 上記実施の形態1~4においては、被処理物107の搬送を行う搬送機構や各々の搬送装置202A,202B,202Cをモータやローラ202a,202b,202c等から構成する例を示したが、搬送機構の形態は上記のような形態に限定するものではない。以下では、搬送機構の第1の変形例について説明する。
[0089]
 図14は搬送機構の変形例を示す概略正面図である。詳しくは、図14(a)は被処理物107が載置されるトレー50が搬入部108(または搬出部119)内に位置する状態を示す概略図であり、図14(b)(c)はトレー50が真空処理部104と搬入部108(または搬出部119)の間に位置する状態を示す概略図であり、図14(d)はトレー50が真空処理部104内に位置する状態を示す概略図である。
[0090]
 図15は、図14(d)におけるA-A矢視断面図である。詳しくは、図15(a)はトレー50を垂直に配置してスライドさせる変形例における側面断面図であって、図15(b)はトレー50を水平に配置してスライドさせる変形例における側面断面図である。
[0091]
 以下では、図14(a)~図14(d)の正面図と図15(a)の側面断面図とを参照して、トレー50を垂直に配置してスライドさせる場合について説明する。ただし、トレー50を水平に配置することも可能である。トレー50を水平に配置する場合については、図14(a)~図14(d)は搬送機構の変形例を示す概略平面図となり、図14(d)におけるA-A矢視断面図は図15(b)となる。また、以下では、搬送アーム60(搬送機構)が、被処理物107が載置されるトレー50を、搬入部108から真空処理部104へと搬送する際の動作について説明する。
[0092]
 図14(a)~図14(d)および図15(a)に示されるように、本変形例に係る真空処理部104は、トレー50のスライド(搬送)をガイドするための棒状のレール12aを備えている。搬入部108は、トレー50のスライドをガイドするための棒状のレール12bを備えている。搬出部119は、トレー50のスライドをガイドするための棒状のレール12bを備えている。上記の実施の形態と同様に、真空処理部104と、搬入部108および搬出部119とは、ゲートバルブ103を隔てて互いに隣接し、搬入部108はトレー50を搬入部108から真空処理部104へレール12a,12bに沿って移動させるための搬送アーム60を有している。
[0093]
 なお、本変形例においては、被処理物107はトレー50と共に搬入部108のレール12b上に配置され、トレー50と共に搬出部119のレール12bから取出される構成になっている。そして、後述するように、被処理物107がトレー50のどちらの面にも配置可能に構成されている。
[0094]
 本変形例に係るトレー50(被処理物107)の搬送は、ゲートバルブ103が開放されて真空処理室101と予備真空室102とが連通状態にあるときに、搬送アーム60が、搬入部108のレール12bから真空処理部104のレール12aへと、トレー50をレール12a,12bに沿って移動させることによって行われる。
[0095]
 図15(a)および図15(b)に示すように、レール12a,12bはステンレス製であり、側面断面視において略方形の形状を有し、表面に鏡面加工が施されている。上記の実施の形態1~4と同様に、真空処理部104のレール12aと、搬入部108(搬出部119)のレール12bとは、それらの長手方向に沿って互いに整列する位置まで垂直方向に移動可能に構成されている。真空処理部104のレール12aの端から、搬出部119のレール12bの端までの距離は1300mmで、この距離の範囲内でトレー50の移動が可能となっている。
[0096]
 トレー50もステンレス製であり、正面視において長方形の形状を有している。そして、トレー50のレール12a,12bとの対向面には、トレー50の滑らかな移動を実現するために鏡面加工が施されており、トレー50は幅605mm、長さ900mm、厚さ2mmの寸法を有している。トレー50には、その上端部および下端部に、搬送アーム60によって移動させられる際にレール12a,12bの長手方向と平行な2辺に係止するための係止部50aが形成されている。当該係止部50aは、トレー50の長手方向と平行な両縁が略直角に折り曲げられた形状を有している。つまり、トレー50は、側面断面視において略C字上に形成されており、レール12a,12bにガイドされながらスライド可能に形成されている。
[0097]
 トレー50には、側面に搬送アーム60と係合するための嵌合穴(係合部)52a,52bが形成されており、嵌合穴52a,52bはトレー50の搬送方向Xの先端近傍の側面と、トレー50の後尾近傍の側面にそれぞれ形成されている。このように、レール12a,12bによってトレー50を搬送する形態とし、かつ、嵌合穴52a,52bをトレー50の側面に形成したので、被処理物107がトレー50のどちらの面にも配置可能な構成となっている。
[0098]
 搬送アーム60は、図示しない駆動部によって搬送方向Xへ移動するワイヤー73と、ワイヤー73と締結されてワイヤー73と平行に移動するアーム部63と、を有している。アーム部63は先端がトレー50の嵌合穴52a,52bに挿抜されるように構成されている。搬送アーム60はステンレス製である。つまり、搬送アーム60はワイヤー73の移動距離と同距離分だけ移動する。
[0099]
 以下、上記構成からなる真空処理装置のトレー50の移動方法について図14(a)~図14(d)および図15(a)に基づいて説明する。図14(a)に示される状態は、搬入部108に被処理物107が載置された状態であり、被処理物107を搭載したトレー50は搬入部108のレール12b上のホームポジションにある。まず、搬送アーム60のアーム部63の先端部をトレー50の移動方向に向かって前側の側部に位置する嵌合穴52bに挿入する。この際、真空処理室101と予備真空室102を隔てていたゲートバルブ103が開放され、真空処理室101と予備真空室102とが連通状態となる。
[0100]
 次に、図14(a)および図14(b)に示すように、搬送アーム60を搬送方向Xに沿ってレール12a側(真空処理部104側)へと移動させる。そして、アーム部63をワイヤー73側へ移動させて、アーム部63の先端をトレー50の嵌合穴52bから抜く。
[0101]
 次に、図14(c)に示されるように、搬送アーム60を搬入部108内のホームポジションまで戻し、アーム部63をレール12b側へ移動させて、アーム部63の先端をトレー50の後尾に位置する嵌合穴52aに挿入する。
[0102]
 次に、図14(c)および図14(d)に示されるように、この2回目の移動によって、トレー50は真空処理部104のレール12a上のホームポジションまで搬送される。その後、アーム部63の先端をトレー50の嵌合穴52aから抜く。最後に、搬送アーム60を再び搬入部108内のホームポジションまで戻し、開放させていたゲートバルブ103を遮断して真空処理室101と予備真空室102とを再び隔離する。
[0103]
 トレー50を、真空処理部104から搬出部119へと搬出する際の動作については、上記動作と逆の動作を行えばよいため、説明は繰り返さない。
[0104]
 以上のように、図14(a)~図14(d)および図15(a)に示す本変形例(トレー50を垂直に配置する場合)においては、レール12a,12bが前後方向(図14における紙面に垂直な方向)に複数個設けられ、これらが真空処理部104および搬入部108(または搬出部119)に相当する。そして、アーム部63はそれぞれのレール12b毎に設けられている。
[0105]
 それぞれの搬入部108(またはそれぞれの搬出部119)に相当するそれぞれのレール12bは、図示しないフレームに固定されており、当該フレームごとレール12b同士が一体となって前後方向Yに移動する構成となっている。また、それぞれの真空処理部104に相当するそれぞれのレール12aが図示しないフレームに固定され、当該フレームごとレール12a同士が一体となって上下に移動する構成としてもよい。
[0106]
 そして、それぞれの搬入部108に相当するそれぞれのレール12bが固定されているフレームと、それぞれの搬出部119に相当するそれぞれのレール12bが固定されているフレームと、が一体となって搬送方向Xに直角な方向(前後方向Y)に移動する構成であってもよいし、両者が別々に前後方向Yに移動する構成であってもよい。
[0107]
 そして、それぞれのアーム部63が、それぞれのレール12bに対して上下方向に相対的に移動することがないように、搬入部108および搬出部119に相当するそれぞれのレール12bに対応する位置(前後位置)に設けられる構成としている。すなわち、搬送アーム60は、搬入部108(または搬出部119)と相対的な位置関係が変わらないように、搬入部108(または搬出部119)と一体となって移動する。
[0108]
 だだし、真空処理部104のレール12aと、搬入部108(または搬出部119)のレール12bとが、それらの長手方向に沿って互いに整列した位置にある場合に、それぞれのレール12aとレール12bとの間をトレー50が移動できるように、予備真空室102内に搬送アーム60を固定する構成としてもよい。この場合には、搬送アーム60は、予備真空室102内に固定されており、搬入部108(または搬出部119)は搬送アーム60とは別に移動可能な構成となっている。
[0109]
 この場合には、搬送アーム60は、レール12aとレール12bとの間をトレー50が移動できるように、予備真空室102内に固定されていればよいため、搬入部108(または搬出部119)のレール12bのみ前後方向に移動させて、搬送アーム60を移動させる必要がなく、レール12bが固定されたフレームなどの移動負荷が軽減される。
[0110]
 図14(a)~図14(d)および図15(a)に示すように、本変形例においては、トレー50の上面ではなく側面に嵌合穴52a,52bが設けられて、アーム部63(搬送アーム60)が垂直方向に動く構成となっており、アーム部63がトレー50の上方から嵌合穴52a,52bに挿入される構成となっている。そして、搬送アーム60の駆動系(ワイヤー73やモータ等)は、レール12a毎に設ける必要はなく、これらの駆動系は真空処理室101内において共通とし、アーム部63のみを分岐させて複数の被処理物107を同時に搬送する構成とすることができる。
[0111]
 また、本変形例においては、搬送アーム60はトレー50の片側(図14における上側)にのみ配置する構成としているが、搬送アーム60をトレー50の両側(図14における上側および下側)に配置する構成としてもよい。トレー50の両側に搬送アーム60を設けることによって、トレー50および被処理物107の搬送をより安定化させることが可能になる。
[0112]
 一方、図14(a)~図14(d)および図15(b)に示す変形例(トレー50を水平に配置する場合)においては、レール12a,12bが垂直方向(図14における紙面に垂直な方向)に複数個設けられ、これらが真空処理部104および搬入部108(または搬出部119)に相当する。そして、アーム部63はそれぞれのレール12a毎に設けられている。
[0113]
 そして、それぞれのアーム部63が、それぞれのレール12aに対して垂直方向に相対的に移動することがないように、真空処理部104に相当するそれぞれのレール12aに対応する水平位置に設けられていてもよいし、真空処理部104のレール12aと、搬入部108(または搬出部119)のレール12bとが、それらの長手方向に沿って互いに整列した位置にある場合に、レール12aとレール12bとの間をトレー50が移動できるように、予備真空室102内に搬送アーム60を固定する構成であってもよい。
[0114]
 以上の構成により、本変形例においては以下のような効果が生じる。搬送アーム60が予備真空室102内に設けられているため、真空処理室101内には真空処理に必要な装置のみを配置することが可能になり、真空処理室101内への不純物の混入量を低減することができる。
[0115]
 そして、1つの駆動系(ワイヤー73やモータ等)を設けて当該駆動系から複数のアーム部63を分岐させることにより、簡素な駆動系によって複数の被処理物107を同時に搬送することができる。換言すれば、搬送アーム60の駆動機構が簡易であるため、搬送アーム60自体を省スペース化できるため、被処理物107の設置間隔を小さくすることができ、同じ大きさの真空処理室101や予備真空室102を用いた場合でも、より多くの被処理物107を収納することができる。
[0116]
 [搬送機構の変形例2]
 以下では、搬送機構のさらに別の変形例について説明する。
[0117]
 図16は搬送機構の変形例を示す概略正面図である。詳しくは、図16(a)は被処理物107が載置されるトレー50が真空処理部104内に位置する状態を示す概略図であり、図16(b)(c)はトレー50が真空処理部104と搬入部108(または搬出部119)の間に位置する状態を示す概略図であり、図16(d)はトレー50が搬入部108(または搬出部119)内に位置する状態を示す概略図である。
[0118]
 図16(d)におけるA-A矢視断面図は、図15に示すものと同様である。以下では、図16の正面図と図15(a)の側面断面図とを参照して、トレー50を垂直に配置してスライドさせる場合について説明するが、トレー50を水平に配置する場合には、図16は搬送機構を示す概略正面図となり、図16(d)におけるA-A矢視断面図は図15(b)となる。以下では、搬送アーム60が、被処理物107が載置されるトレー50を、真空処理部104から搬出部119へと搬送する際の動作について説明する。
[0119]
 なお、本変形例においても、被処理物107はトレー50と共に搬入部108のレール12b上に配置され、トレー50と共に搬出部119のレール12bから取出される構成になっている。そして、後述するように、被処理物107がトレー50のどちらの面にも配置可能に構成されている。
[0120]
 そして、本変形例に係るトレー50(被処理物107)の搬送も、ゲートバルブ103が開放されて真空処理室101と予備真空室102とが連通状態にあるときに、搬送アーム60が、トレー50を真空処理部104のレール12aから搬出部119のレール12bへと、レール12a,12bに沿って移動させることによって行われる。
[0121]
 本変形例に係る搬送機構は、搬送アーム60が真空処理部104側に配置される点において上述の変形例と異なるが、レール12a,12b、トレー50、搬送アーム60、それら自体の構成については上述した変形例と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
[0122]
 以下、上記構成からなる真空処理装置のトレー50の移動方法について図16(a)~図16(d)および図15(a)に基づいて説明する。図16(a)に示される状態は、真空処理部104における真空処理が完了した状態であり、被処理物107を搭載したトレー50は真空処理部104のレール12a上のホームポジションにある。まず、搬送アーム60のアーム部63を、その先端部がトレー50の移動方向に向かって前側の側部に位置する嵌合穴52aに挿入する。この際、真空処理室101と予備真空室102を隔てていたゲートバルブ103が開放され、真空処理室101と予備真空室102とが連通状態となる。
[0123]
 次に、図16(a)および図16(b)に示すように、搬送アーム60を搬送方向Xに沿ってレール12b側へと移動させる。そして、アーム部63をワイヤー73側へ移動させて、アーム部63の先端をトレー50の嵌合穴52aから抜く。
[0124]
 次に、図16(c)に示されるように、搬送アーム60を真空処理部104内のホームポジションまで戻し、アーム部63をレール12a側へ移動させて、アーム部63の先端をトレー50の後尾に位置する嵌合穴52bに挿入する。
[0125]
 次に、図16(c)および図16(d)に示されるように、この2回目の移動によって、トレー50は搬出部119のレール12b上のホームポジションまで搬送される。その後、アーム部63の先端をトレー50の嵌合穴52bから抜く。最後に、搬送アーム60を再び真空処理部104内のホームポジションまで戻し、開放させていたゲートバルブ103を遮断して真空処理室101と予備真空室102とを再び隔離する。
[0126]
 トレー50を、搬入部108から真空処理部104へと搬送する際の動作については、上記動作と逆の動作を行えばよいため、説明は繰り返さない。
[0127]
 図16(a)~図16(d)および図15(b)に示す変形例(トレー50を水平に配置する場合)においては、レール12a,12bが垂直方向(図14における紙面に垂直な方向)に複数個設けられ、これらが真空処理部104および搬入部108(または搬出部119)に相当する。そして、アーム部63はそれぞれのレール12a毎に設けられている。それぞれのアーム部63は、それぞれのレール12aに対して垂直方向に相対的に移動することがないように、真空処理部104に相当するそれぞれのレール12aに対応する位置に設けられている。
[0128]
 以上の構成により、本変形例においても以下のような効果が生じる。すなわち、それぞれの真空処理部104に相当する箇所だけに搬送アーム60を設ければよく、搬入部108および搬出部119のみを移動する形態の場合において、搬送アーム60を移動させる必要がない。そのため、搬入部108および搬出部119に相当するレール12bが固定されたフレームの移動負荷が軽減される。
[0129]
 <まとめ>
 第1の処理室(真空処理室101)内において真空処理部104が被処理物107に真空処理を施している間に、次に処理されるべき被処理物107が第2の処理室(予備真空室102)の搬入部108において加熱される。真空処理終了後には、真空処理された後の被処理物107が第2の処理室(予備真空室102)の搬出部119に搬出され、搬入部108および搬出部119は搬送機構による被処理物107の搬入および搬送方向Xと垂直な方向Yへと移動し、搬入部108にて支持されている被処理物107が真空処理室101内の真空処理部104に搬入される。そして、被処理物107に真空処理が施されている間に、新たな被処理物107が搬入部108に支持されて、搬出部119に支持されている被処理物107が第2の真空室(予備真空室102)から取出され、新たな被処理物107が予備加熱される。つまり、第1の処理室(真空処理室101)で真空処理が施される被処理物107の取替えを効率的に行うことにより、真空処理装置1A,1B,1C,1Dのタクトタイムを短縮しつつ、それぞれの被処理物107同士間における真空処理される前の温度分布の差異を低減することができる。
[0130]
 上記に示す実施の形態(変形例)は、その本質を変容させることなく、互いに組み合わせ可能であり、他の実施の形態にも適用することができる。
[0131]
 そして、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内においてのすべての変更が含まれることが意図される。

請求の範囲

[1]
 被処理物(107)に真空処理を施す真空処理装置(1A)であって、
 前記被処理物を収容して真空処理を施す第1の処理室(101)を備え、
 前記第1の処理室は、前記被処理物を支持して真空処理を施す真空処理部(104)を含み、
 真空処理される前の被処理物と、真空処理された後の被処理物と、を収容する真空排気可能な第2の処理室(102)をさらに備え、
 前記第2の処理室は、前記真空処理される前の被処理物を支持する搬入部(108)を含み、
 前記搬入部は、前記真空処理される前の被処理物を加熱する加熱装置(111)を有し、
 前記第2の処理室は、前記真空処理された後の被処理物を支持する搬出部(119)をさらに含み、
 前記第1の処理室と第2の処理室との間に介装されて前記第1の処理室と第2の処理室とを遮断および連通可能なゲート部(103)と、
 前記ゲート部を通じて、前記真空処理される前の被処理物を前記搬入部から前記真空処理部へと搬入し、前記真空処理された後の被処理物を前記真空処理部から前記搬出部へと搬出する搬送機構(202A)とをさらに備える、真空処理装置。
[2]
 前記搬入部と搬出部とは、前記被処理物の搬入方向と略直交する配列方向に所定距離離れて配列され、
 前記搬入部および搬出部と、前記真空処理部とは、
 前記真空処理部を介して同一の被処理物を授受する一対の前記搬入部と前記搬出部の相対方向へ相対距離だけ相対移動可能である、請求の範囲第1項に記載の真空処理装置。
[3]
 前記第1の処理室は、前記配列方向に並べて配置される複数の前記真空処理部を含み、
 前記第2の処理室は、
 前記配列方向に並べて配置される複数の前記搬入部と、
 前記配列方向に並べて配置される複数の前記搬出部と、を含み、
 前記複数の搬入部の各々における、前記搬入部に支持される前記被処理物の被処理面と前記加熱装置との相対的な位置関係が互いに略同一である、請求の範囲第1項に記載の真空処理装置。
[4]
 前記複数の搬入部の配列間隔と、前記複数の搬出部の配列間隔と、前記複数の真空処理部の配列間隔と、が略同一である、請求の範囲第3項に記載の真空処理装置。
[5]
 前記搬入部と搬出部とは、前記配列方向に交互に並べて配置される、請求の範囲第3項に記載の真空処理装置。
[6]
 前記第2の処理室は、前記被処理物が出し入れされるための扉(114)をさらに含み、
 前記扉の前記配列方向の長さが、前記搬入部および搬出部の前記配列方向の長さよりも長い、請求の範囲第1項から第5項のいずれか1項に記載の真空処理装置。
[7]
 前記搬送機構は、前記真空処理部に配置される第1の搬送装置を含み、
 前記第1の搬送装置が前記真空処理される前の被処理物を支持し、
 前記搬送機構は、前記搬入部に配置される第2の搬送装置をさらに含み、
 前記第2の搬送装置が真空処理される被処理物を支持し、
 前記第1の搬送装置と第2の搬送装置とが、前記真空処理される前の被処理物を前記搬入部から真空処理部へと搬入し、
 前記搬送機構は、前記搬出部に配置される第3の搬送装置をさらに含み、
 前記第3の搬送装置が前記真空処理された後の被処理物を支持し、
 前記第1の搬送装置と前記第3の搬送装置とが、前記真空処理された後の被処理物を真空処理部から搬出部へと搬出する、請求の範囲第1項または第2項に記載の真空処理装置。
[8]
 前記搬送機構は、各々の真空処理部に配置される第1の搬送装置を含み、
 各々の前記第1の搬送装置が前記真空処理される前の被処理物を支持し、
 前記搬送機構は、各々の搬入部に配置される第2の搬送装置をさらに含み、
 各々の前記第2の搬送装置が真空処理される被処理物を支持し、
 各々の前記第1の搬送装置と各々の前記第2の搬送装置とが、前記真空処理される前の被処理物を搬入部から真空処理部へと同時に搬入し、
 前記搬送機構は、各々の搬出部が有する第3の搬送装置をさらに含み、
 各々の前記第3の搬送装置が真空処理された後の被処理物を支持し、
 各々の前記第1の搬送装置と各々の前記第2の搬送装置とが、前記真空処理された後の被処理物を真空処理部から搬出部へと同時に搬出する、請求の範囲第3項から第5項のいずれか1項に記載の真空処理装置。
[9]
 第2の処理室内で被処理物を加熱した後に、第1の処理室内にて前記被処理物に真空処理を施すための真空処理方法であって、
 前記第2の処理室は、その内部に配列方向に所定距離離れて配置される搬入部と搬出部とを含み、
 前記搬入部に真空処理される前の被処理物を配置するステップと、
 前記第2の処理室を真空排気するとともに、前記搬入部に支持された前記被処理物を加熱するステップと、
 真空処理される前の被処理物を、前記搬入部から前記第1の処理室内へ搬入するステップと、
 前記第1の処理室内において前記被処理物に真空処理を施すステップと、
 前記搬入部と前記搬出部とを、前記配列方向へ移動させるステップと、
 真空処理された後の被処理物を、前記第1の処理室内から前記搬出部へ搬出するステップと、
 前記第2の処理室を大気開放するステップと、
 真空処理された後の被処理物を、前記搬出部から取出すステップと、
 前記搬入部と前記搬出部とが、前記搬入部に対する搬出部の相対方向へ移動する第2の移動ステップとを備え、
 前記真空処理を施すステップ中に、大気開放するステップと取出すステップと移動させるステップと配置するステップと加熱するステップとが実行され、
 前記真空処理を施すステップ終了後に、搬出するステップと移動するステップと搬入するステップとが実行される、真空処理方法。
[10]
 第2の処理室内で被処理物に予備加熱を施し、第1の処理室内で前記被処理物に真空処理を施す真空処理装置を用いた真空処理方法であって、
 前記真空処理装置は、
 前記被処理物を収容して真空処理を施す第1の処理室を備え、
 前記第1の処理室は、前記被処理物を支持して真空処理を施す真空処理部を含み、
 真空処理される前の被処理物と、真空処理された後の被処理物と、を収容する真空排気可能な第2の処理室をさらに備え、
 前記第2の処理室は、前記真空処理される前の被処理物を支持する搬入部を含み、
 前記搬入部は、前記真空処理される前の被処理物を加熱する加熱装置を有し、
 前記第2の処理室は、前記真空処理された後の被処理物を支持する搬出部をさらに含み、
 前記真空処理される前の被処理物を前記搬入部から前記真空処理部へと搬入し、前記真空処理された後の被処理物を前記真空処理部から前記搬出部へと搬出する搬送機構をさらに備え、
 前記搬入部および搬出部と、前記真空処理部と、が相対移動可能であり、
 前記真空処理方法は、
 前記加熱装置が、前記真空処理される前の被処理物を加熱するステップと、
 前記搬送機構が、真空処理された後の被処理物を前記真空処理部から前記搬出部へ搬出するステップと、
 前記搬入部と前記搬出部とが、前記搬入部に対する搬出部の相対方向へ移動するステップと、
 前記搬送機構が、真空処理される前の被処理物を前記搬入部から前記真空処理部へ搬入するステップとを備える、真空処理方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]