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1. WO2014162636 - POWER TRANSMISSION DEVICE

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明 細 書

発明の名称 動力伝達装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

0007   0008   0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 動力伝達装置

技術分野

[0001]
 本発明は、車両の変速機など歯車を備える動力伝達装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来の動力伝達装置として例えば特許文献1に開示された遊星歯車装置がある。
 これは、図4の(a)に示すように、第1軸2にサンギア5がスプライン結合し、第2軸4にキャリア10’がスプライン結合し、キャリア10’に支持されたピニオンシャフト40にピニオンギア7がニードルローラ18’によるベアリングを介して回転可能に支持されて、これらを囲んでリングギア9が配置される。そして、ピニオンギア7がリングギア9とサンギア5とに噛み合っている。各ギアはヘリカルギアとして形成されている。
 キャリア10’は軸方向に離間した主壁11と副壁12を有し、主壁11と副壁12にそれぞれピニオンシャフト支持用の支持孔15’,16’を備えている。
 ピニオンシャフト40は図4の(b)に示すように、スプライン軸41の中央部にスリーブ42を締り嵌めしてあり、スプライン軸41の両端をキャリア10’の支持孔15’,16’にルーズフィット状態で嵌入されて、回転可能に支持されている。
 ニードルローラ18’はピニオンギア7の内周面とスリーブ42の外周面との間に、保持器44により周方向所定間隔で配置してある。
[0003]
 しかしながら、上記従来の遊星歯車装置では、ピニオンシャフト40の支持がキャリア10’の支持孔15’,16’へのルーズフィットの嵌入であり、しかもピニオンシャフト40の嵌入部位がスプライン軸41で溝を有しているため円形断面と比較して支持孔15’,16’との隙間がさらに大きくなることから、がたつきの発生につながる。
 がたつきはスプライン軸41と支持孔15’,16’相互の嵌め合い面を磨耗させるとともに、ピニオンギア7とリングギア9およびサンギア5との適切な噛み合いを確保できず、各ギアの歯面の磨耗と騒音の発生を招く。
 また、ベアリングはニードルローラ18’を保持器44により周方向に所定のスペースをおいて配置する構成では、コストが高い上、リングギア9およびサンギア5から高負荷を受けるピニオンギア7の軸受としてニードルローラ18’の本数が十分でない。
[0004]
 そこで対策として、特には図示しないが、ピニオンシャフト40に代わる円形断面のピニオンシャフト20’をルーズフィットでなく、圧入などによりキャリア10’に固定結合し、またベアリングの保持器44を廃してニードルローラ18’を密に配置するいわゆる総ころ軸受けとすることが望ましい。これによりピニオンシャフト20’の外周面がニードルローラ18’の転動面となる。
 ところで、ピニオンギア7はリングギア9およびサンギア5との噛み合いにより、その軸方向に対して垂直な所定方向の付勢力を受けるとともに、ヘリカルギアであることから軸方向の付勢力も受ける。そして、同じくヘリカルギアであることから、総ころ軸受けとすることにより、ニードルローラ18’がその自転軸に対して傾くスキュー現象まで生じる。一方、ピニオンシャフト20’はキャリア10’に固定されるため、ニードルローラ18’のスキューおよびピニオンギア7からの付勢力による荷重は、ニードルローラ18’を介して、図5の(a)に示すように、ピニオンシャフト20’の周面の限定された領域Sに集中し、フレーキングによる偏磨耗を招く。
[0005]
 図5の(b),(c)は領域Sの磨耗による断面変化を示し、初期には(b)のように外周面から浅い磨耗であったものが、フレーキングが進むと(c)のように深い磨耗となる。磨耗度合いは軸方向一方側に偏っており、その方向はピニオンギア7の歯の捻じれ方向および主な回転方向によって決まる。
 図5の(b),(c)において、Dはニードルローラ18’の転動面幅である。
 このため、単純にピニオンシャフトを固定し、ニードルローラを密とした総ころ軸受けのベアリングにするだけでは、ピニオンシャフトまわりに磨耗と異音の発生を招くことになる。しかし磨耗に強くするためのピニオンシャフトの材質変更や特別な熱処理は大きなコストアップとなる。
 このような問題は、遊星歯車装置のピニオンシャフトにおいてだけでなく、歯車を軸に回転可能に支持する構成を持つ種々の動力伝達装置においても同様に生じる。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2004-108452号公報

発明の概要

[0007]
 本発明は、上述の問題にかんがみ、固定した軸にベアリングを介して歯車を回転可能に支持するとともに、ベアリングを総ころ軸受けとしながら、軸磨耗のおそれのない動力伝達装置を提供することを目的とする。
[0008]
 本発明は、互いに噛み合うヘリカルギアの少なくとも一方のギアが支持部材に保持された支持軸に支持される動力伝達装置において、支持軸が支持部材に固定され、支持軸に回転可能にスリーブが嵌め込まれ、上記一方のギアは総ころ軸受けを形成するニードルローラを介してスリーブ上に支持されているものとした。
[0009]
 本発明によれば、ギアの回転時には、スリーブも支持軸に対して回転する結果、ニードルローラによる特定部位に集中する磨耗が抑えられるとともに、支持軸もスリーブと広い面で接触するので磨耗から解放される。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 実施の形態を示す図である。
[図2] ピニオンシャフトに支持されたピニオンギアを示す断面図である。
[図3] スリーブを示す図である。
[図4] 従来例を示す図である。
[図5] 従来例の問題点を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 本発明を遊星歯車装置に適用した実施の形態について説明する。
 図1は実施の形態にかかる遊星歯車装置を示す図で、上半分を断面で示している。
 遊星歯車装置1は、第1軸2にスプライン結合したサンギア5、不図示の第3部材に接続するリングギア9、リングギア9とサンギア5とに噛み合うピニオンギア7、および第2軸4にスプライン結合してピニオンギア7を支持するキャリア10とを有している。
 サンギア5、ピニオンギア7およびリングギア9はそれぞれヘリカルギアをなしている。
 なお、ピニオンギア7はその主な回転方向時には図中右方向に軸力を受けるものとする。
[0012]
 キャリア10はその内径端で第2軸4にスプライン結合する主壁11と、主壁11に離間して対向する副壁12とを有している。主壁11と副壁12間にはそれぞれに設けた支持孔15,16に両端を圧入されたピニオンシャフト20が装着され、ピニオンシャフト20には滑りワッシャ27が主壁11と副壁12に接触させて嵌められている。
 ピニオンシャフト20の外周には、両側の滑りワッシャ27に挟まれてスリーブ30(第1スリーブ30a、第2スリーブ30b)が配置されている。
 同じく両側の滑りワッシャ27に挟まれてピニオンギア7が配置され、ピニオンギア7の内周面とスリーブ30の外周面との間に複数のニードルローラ18が互いに接触可能、かつそれぞれの軸をピニオンシャフト20の軸と平行に配置されて、総ころ軸受けBRを構成している。
 すなわち、ピニオンギア7は、具体的にはニードルローラ18、スリーブ30、そしてピニオンシャフト20を介してキャリア10に支持される。
 図2は図1のA-A断面からピニオンシャフト20に支持されたピニオンギア7を取り出して示す図である。
[0013]
 以下、ピニオンシャフト20まわりについて、より詳細に説明する。
 キャリア10の副壁12は支持孔16よりも内径側の端(内周面13)を第1軸2から離間させて、第1軸2の外周面との間に所定のスペースを形成している。副壁12の支持孔16の第1軸2を中心とする内径端(第1軸2に対する最近接位置)からは、第1軸2に向かって油導入路14が延び、副壁12の内周面13に開口している。
 第1軸2には、軸方向に延びるとともに径方向に折れて、副壁12の内周面13に対向して開口する油路3が設けてある。
[0014]
 ピニオンシャフト20にはその軸心に一端が閉じた孔を形成して油路21とし、他端もプラグ25を圧入して閉じてある。
 ピニオンシャフト20には副壁12の支持孔16への圧入部に位置して油導入路14に位置合わせされるとともに油路21に連通する油孔22が形成され、また、主壁11と副壁12の対向面間において第1軸2を中心とする外径端(第1軸2に対する最遠隔位置)には油路21と外周面を連通する2つの油孔23が形成されている。
[0015]
 ピニオンシャフト20には、主壁11と副壁12の各対向面に接して滑りワッシャ27(27a、27b)が嵌め込まれ、両側の滑りワッシャ27の間にスリーブ30(第1スリーブ30a、第2スリーブ30b)が軸方向に並んで回転可能に嵌め込まれている。
 なお、後述のように、ピニオンギア7、ニードルローラ18およびスリーブ30は滑りワッシャ27,27に挟まれてピニオンシャフト20外周を回転する。滑りワッシャ27は、主壁11(副壁12)側が鉄製ワッシャ27a、ピニオンギア7側が銅製ワッシャ27bの2枚組である。
[0016]
 図3はスリーブ30を示し、(a)は斜視図、(b)は内周面の展開図、(c)はピニオンシャフト20に嵌め込まれた状態を示す側面図である。
 (a)に示すように、第1スリーブ30aは単純な円筒形をなして、両端縁(面)はそれぞれ軸に垂直な平面上にある。また、第2スリーブ30bは円筒形の一方の端縁(面)が軸に垂直な平面上にあり、他方の端縁(面)は径方向外方から見たとき周方向に沿って波形をなしている。軸に垂直な平面上にある端縁をストレート端縁31、波形をなす端縁を波形端縁32とする。
 第1スリーブ30aと第2スリーブ30bの軸方向長さは略同等である。
[0017]
 図3の(b)に示すように、第1スリーブ30aと第2スリーブ30bそれぞれの内周面には軸方向略中央に周方向のリング状溝33が形成されるとともに、軸方向溝34が周方向等間隔に複数、例えば4本形成され、軸方向溝34とリング状溝33とは連通している。
 図3の(c)に示すように、第1スリーブ30aと第2スリーブ30bは、第2スリーブ30bの波形端縁32を第1スリーブ30aのストレート端縁31に突き合わせてピニオンシャフト20上に配置される。
 上述のピニオンシャフト20の油孔23は第1スリーブ30aと第2スリーブ30bそれぞれの軸方向中間位置に、好ましくは各スリーブのリング状溝33と連通する位置に設けられている。なお、図1にはスリーブのリング状溝33と軸方向溝34は省略している。
[0018]
 回転する第1軸2の油路3から遠心力により放出され副壁12の内周面13に捕捉された潤滑油は、副壁12の油導入路14から油孔22を通ってピニオンシャフト20の油路21に導かれ、2つの油孔23からピニオンシャフト20の外周面とスリーブ30との摺動面間隙に供給される。
 摺動面間隙に供給された潤滑油はスリーブ30のリング状溝33および軸方向溝34に一時保持されてピニオンシャフト20とスリーブ30の摺動面を潤滑するとともに、第1スリーブ30aのストレート端縁31と第2スリーブの波形端縁32との間隙から流れ出てスリーブ30の外周面、すなわちニードルローラ18の転動面を潤滑する。また、潤滑油は第1スリーブ30aと第2スリーブ30bのそれぞれのストレート端縁側からも流れ出て転動面の潤滑に寄与する。
[0019]
 ピニオンギア7の回転時にはスリーブ30の外周面上をニードルローラ18が転動するが、スリーブ30自体も、ニードルローラ18のピニオンシャフト20周りの公転およびスキューによる摩擦力を受けて、ピニオンシャフト20に対して回転する。
 このため、ニードルローラ18が直接接触するスリーブ30の外周面はその周方向特定部位のみに負荷が集中することなく、したがって磨耗が抑えられる。そして、ピニオンシャフト20はニードルローラ18と直接接触せず、スリーブ30の内周面と広い面で接触するので、スリーブ30の外周面と同じく、磨耗から解放される。
 ここで、スリーブ30が軸方向に分割されているので、スキュー等により負荷状態が軸方向に偏っても、その過度状態では軸方向で異なる負荷に応じて各スリーブ30a、30bが相対回転可能となるので、より効果的にスリーブ外周面の磨耗が防止される。同じくスリーブ30の軸方向に偏って部分的に大負荷が印加されても、ピニオンシャフト20とスリーブ30間の潤滑油の流れる距離が分割で短かくなるから、潤滑油の入れ替わりが容易で、この面からも耐久性が向上する。
[0020]
 本実施の形態では、ピニオンギア7が発明における一方のギアに該当し、キャリア10が支持部材に、そしてピニオンシャフト20が支持軸に該当する。
 また、第1スリーブ30aおよび第2スリーブ30bがそれぞれ分割スリーブに該当し、軸方向溝34が軸方向に延びる溝に該当する。
[0021]
 実施の形態は以上のように構成され、サンギア5およびリングギア9と噛み合うヘリカルギアのピニオンギア7がキャリア10に保持されたピニオンシャフト20に支持される遊星歯車装置1において、ピニオンシャフト20がキャリア10に固定され、ピニオンシャフト20には回転可能にスリーブ30が嵌め込まれ、ピニオンギア7は総ころ軸受けを形成するニードルローラ18を介してスリーブ30上に支持されているものとしたので、ピニオンギア7の回転時には、スリーブ30もピニオンシャフト20に対して回転する結果、ニードルローラ18による特定部位に集中する磨耗が抑えられるとともに、ピニオンシャフト20もスリーブ30と広い面で接触することになって磨耗から解放される(請求項1に対応する効果)。
[0022]
 さらに、スリーブ30は軸方向に分離した第1スリーブ30aと第2スリーブ30bからなるので、スキュー等による負荷状態の偏りに対応する個別回転が可能になるとともに、ピニオンシャフト20とスリーブ30間の潤滑油の流れる距離が短かくなって潤滑油の入れ替わりが容易となる(請求項2に対応する効果)。
 特に、第1スリーブ30aと第2スリーブ30bの互いに対向する端縁の一方をストレート端縁31とし、他方を波形端縁32としたので、対向部に波形による間隙が形成されて潤滑油が流れ出やすい(請求項3に対応する効果)。
[0023]
 第1スリーブ30aおよび第2スリーブ30bのそれぞれの内周面にはリング状溝33が形成されており、ピニオンシャフト20はその内部の油路21とリング状溝33とを連通する油孔23を有しているので、ピニオンシャフト20とスリーブ30間の全周にわたって滑らかに潤滑油が供給される(請求項4に対応する効果)。
 そして、第1スリーブ30aおよび第2スリーブ30bのそれぞれの内周面にはさらに軸方向溝34が形成されているので、前述した潤滑油の入れ替わりを一層容易として、耐久性が向上する(請求項5に対応する効果)。
[0024]
 なお、スリーブの波形端縁はピニオンギアが軸方向に付勢される側(図5の(a)では上側)に配置される第2スリーブ30bが備えるものとしたが、これに限定されず、第1スリーブ30aが備えるものとしてもよい。
 また、スリーブ30は軸方向に2分割としたが、3以上の分割としてもよい。
[0025]
 実施の形態は、互いに噛み合う一方のギアとしてサンギア5およびリングギア9の2つのギアと噛み合うピニオンギア7を備える遊星歯車装置を例として説明したが、本発明はこれに限定されず、遊星歯車装置以外の種々の動力伝達装置に適用できるとともに、発明に係るギアの支持構造は1つのギアとのみ噛み合うギアについてもそのまま適用可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 互いに噛み合うヘリカルギアの少なくとも一方のギアが支持部材に保持された支持軸に支持される動力伝達装置において、
 前記支持軸が前記支持部材に固定され、
 前記支持軸に回転可能にスリーブが嵌め込まれ、
 前記一方のギアは総ころ軸受けを形成するニードルローラを介して前記スリーブ上に支持されている動力伝達装置。
[請求項2]
 前記スリーブが軸方向に分離した複数の分割スリーブからなるものである請求項1に記載の動力伝達装置。
[請求項3]
 軸方向に隣接する前記分割スリーブの互いに対向する端縁の一方はストレートとし、他方は波形としてある請求項2に記載の動力伝達装置。
[請求項4]
 前記分割スリーブのそれぞれの内周面には周方向に延びるリング状溝が形成されており、
 前記支持軸はその内部の油路と前記リング状溝とを連通する油孔を有している請求項2または3に記載の動力伝達装置。
[請求項5]
 前記分割スリーブのそれぞれの内周面には軸方向に延びる溝が形成されている請求項2~4のいずれか一つに記載の動力伝達装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]