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1. WO2020137770 - CONTACT RESISTANCE MEASUREMENT DEVICE

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明 細 書

発明の名称 接触抵抗測定装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

先行技術文献

特許文献

0011  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0012   0013  

課題を解決するための手段

0014   0015  

発明の効果

0016   0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094  

産業上の利用可能性

0095  

符号の説明

0096  

請求の範囲

1   2  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 接触抵抗測定装置

技術分野

[0001]
 本発明は、測定対象の一方の電極に接触させられる一対のプローブ(第1電流供給用プローブおよび第1電圧検出用プローブ)のそれぞれの接触抵抗、および測定対象の他方の電極に接触させられる他の一対のプローブ(第2電流供給用プローブおよび第2電圧検出用プローブ)のそれぞれの接触抵抗を個別に測定する接触抵抗測定装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 この種の接触抵抗測定装置の一例として、下記の特許文献1に開示された接触抵抗測定方法を実行する接触抵抗測定装置が知られている。この接触抵抗測定装置(測定装置)は、第1~第4コンタクトピン(4本のプローブ)と、定電流を供給する定電流源と、電圧を計測する直流電圧計と、リレー回路と、制御部とを含んで構成されている。
[0003]
 この場合、第1および第2コンタクトピンは、測定対象の一対のリード端子のうちの一方のリード端子(第1のリード端子)に接触し、第3および第4コンタクトピンは、測定対象の他方のリード端子(第2のリード端子)に接触する。
[0004]
 リレー回路は、第1~第9リレーを有して構成されて、第1~第4コンタクトピンと定電流源とを電気的に、導通および遮断すると共に、第1~第4コンタクトピンと直流電圧計とを電気的に、導通および遮断する。第1リレーは、定電流源の一方の端子と第1コンタクトピンとの間に介在する。第2リレーは、定電流源の一方の端子と第2コンタクトピンとの間に介在する。第3リレーは、定電流源の他方の端子と第3コンタクトピンとの間に介在する。第4リレーは、定電流源の他方の端子と第4コンタクトピンとの間に介在する。第5リレーは、直流電圧計の一方の端子と第1コンタクトピンとの間に介在する。第6リレーは、直流電圧計の一方の端子と第2コンタクトピンとの間に介在する。第7リレーは、直流電圧計の他方の端子と第3コンタクトピンとの間に介在する。第8リレーは、直流電圧計の他方の端子と第4コンタクトピンとの間に介在する。第9リレーは、第2および第6リレーと第2コンタクトピンとの接続点と、第3および第7リレーと第3コンタクトピンとの接続点との間に介在する。制御部は、CPUによって実現されて、リレー回路を制御すると共に、定電流源を制御する。また、制御部は、直流電圧計の計測値を取得する。
[0005]
 この接触抵抗測定装置では、制御部は、リレー回路を制御することにより、第1コンタクトピンから測定対象を経由して第4コンタクトピンに至る経路に定電流源から定電流Is1を供給し、この定電流の供給状態において第1コンタクトピンおよび第4コンタクトピン間に生じる電圧Vm1を直流電圧計で計測させる。この場合、第1~第4コンタクトピンについての接触抵抗をそれぞれ、符号r1,r2,r3,r4で表し、測定対象の抵抗を符号Rで表すと、これらと、定電流Is1と、電圧Vm1との間には、次の式が成り立つ。
 r1+R+r4=Vm1/Is1
[0006]
 同様にして、制御部は、第2コンタクトピンから測定対象を経由して第3コンタクトピンに至る経路に定電流源から定電流Is1を供給し、この定電流の供給状態において第2コンタクトピンおよび第3コンタクトピン間に生じる電圧Vm2を直流電圧計で計測させる。この場合、次の式が成り立つ。
 r2+R+r3=Vm2/Is1
[0007]
 また、制御部は、第2コンタクトピンから測定対象を経由して第4コンタクトピンに至る経路に定電流源から定電流Is1を供給し、この定電流の供給状態において第2コンタクトピンおよび第4コンタクトピン間に生じる電圧Vm3を直流電圧計で計測させる。この場合、次の式が成り立つ。
 r2+R+r4=Vm3/Is1
[0008]
 また、制御部は、第1コンタクトピンから第2コンタクトピンに至る経路に定電流源から定電流Is1を供給し、この定電流の供給状態において第1コンタクトピンおよび第2コンタクトピン間に生じる電圧Vm4を直流電圧計で計測させる。この場合、次の式が成り立つ。
 r1+r2=Vm4/Is1
[0009]
 また、制御部は、第3コンタクトピンから第4コンタクトピンに至る経路に定電流源から定電流Is1を供給し、この定電流の供給状態において第3コンタクトピンおよび第4コンタクトピン間に生じる電圧Vm5を直流電圧計で計測させる。この場合、次の式が成り立つ。
 r3+r4=Vm5/Is1
[0010]
 制御部は、上記した5つの式で構成される連立方程式から、第1~第4コンタクトピンについての4つの接触抵抗r1,r2,r3,r4を求める。

先行技術文献

特許文献

[0011]
特許文献1 : 特開2006-337268号公報(第7-11頁、第1図)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0012]
 ところが、上記した接触抵抗測定装置には、以下のような解決すべき課題が存在している。すなわち、抵抗Rが印加電圧や温度の影響を受けるという特性を測定対象が有していたとしても、接触抵抗測定装置は、本来であれば測定対象の抵抗Rについての上記の特性の影響を受けることなく、接触抵抗r1,r2,r3,r4を正確に測定すべきである。しかしながら、上記した接触抵抗測定装置には、接触抵抗r1,r2,r3,r4を求めるための上記の5つの式に、測定対象の抵抗Rを含んで構成される式が含まれているため、測定対象の抵抗Rについての上記の特性の影響を受けて、接触抵抗r1,r2,r3,r4を正確に測定できないことがあるという課題が存在している。
[0013]
 本発明は、かかる解決すべき課題に鑑みてなされたものであり、測定対象の一対の電極のうちの少なくとも1つの電極に接触させられる2つのプローブの接触抵抗を個別に正確に測定し得る接触抵抗測定装置を提供することを主目的とする。

課題を解決するための手段

[0014]
 上記目的を達成すべく請求項1記載の接触抵抗測定装置は、測定対象の一方の電極に接触させられる第1電流供給用プローブおよび第1電圧検出用プローブで構成される第1プローブ群についての当該一方の電極との間の接触抵抗、並びに当該測定対象の他方の電極に接触させられる第2電流供給用プローブおよび第2電圧検出用プローブで構成される第2プローブ群についての当該他方の電極との間の接触抵抗のうちの少なくとも1つのプローブ群についての前記接触抵抗を個別に測定する接触抵抗測定装置であって、基準電位を基準とする固定電圧を出力する固定電源部と、前記基準電位を基準として出力する調整電圧を可変可能な可変電源部と、非反転入力端子が前記基準電位に規定されると共に反転入力端子と出力端子との間に帰還抵抗が接続された演算増幅器を有して構成されて、当該反転入力端子に供給される入力電流を電圧に変換して検出電圧として当該出力端子から出力する電流検出部と、前記固定電源部、前記可変電源部および前記電流検出部と4つの前記プローブとの間に配設された接続切替部と、処理部とを備え、前記処理部は、前記接続切替部に対する制御を実行して、前記第1プローブ群の一方のプローブが前記固定電源部に接続され、前記第1プローブ群の他方のプローブが前記可変電源部に接続され、前記第2プローブ群の一方のプローブが未接続となり、かつ前記第2プローブ群の他方のプローブが前記演算増幅器の前記反転入力端子に接続される第1接続状態に移行させる第1接続切替処理と、前記第1接続状態において、前記固定電源部に対して前記固定電圧を前記第1プローブ群の前記一方のプローブへ出力させると共に、前記可変電源部に対して前記調整電圧を前記第1プローブ群の前記他方のプローブへ出力させ、かつ前記測定対象に流れる電流を前記入力電流として前記電流検出部が出力する前記検出電圧に基づいて、当該測定対象に流れる当該電流がゼロになるように前記可変電源部に対する制御を実行して前記調整電圧を変更する第1調整処理と、前記基準電位と前記固定電圧と前記測定対象に流れる前記電流がゼロのときの前記第1調整処理での前記調整電圧とに基づいて、前記第1プローブ群の前記一方のプローブと前記一方の電極との間の第1接触抵抗と、前記第1プローブ群の前記他方のプローブと前記一方の電極との間の第2接触抵抗との比を算出する第1算出処理と、前記接続切替部に対する制御を実行して、前記第1プローブ群の前記一方のプローブが前記固定電源部に接続され、前記第1プローブ群の前記他方のプローブが前記演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、かつ前記第2プローブ群の各前記プローブが未接続となる第2接続状態に移行させる第2接続切替処理と、前記第2接続状態において、前記固定電源部に対して前記固定電圧を前記第1プローブ群の前記一方のプローブへ出力させると共に、当該第1プローブ群に流れる電流を前記入力電流として前記電流検出部が出力する前記検出電圧に基づいて、当該第1プローブ群に流れる電流を第1電流として測定する第1電流測定処理と、前記固定電圧と前記第1電流とに基づいて、前記第1接触抵抗と前記第2接触抵抗の和を算出する第2算出処理と、前記第1算出処理で算出した前記比および前記第2算出処理で算出した前記和に基づいて、前記第1接触抵抗と前記第2接触抵抗とを個別に算出する第1抵抗算出処理とを実行する。
[0015]
 また、請求項2記載の接触抵抗測定装置は、請求項1記載の接触抵抗測定装置において、前記処理部は、前記接続切替部に対する制御を実行して、前記第2プローブ群の前記一方のプローブが前記固定電源部に接続され、前記第2プローブ群の前記他方のプローブが前記可変電源部に接続され、前記第1プローブ群の前記一方のプローブが未接続となり、かつ前記第1プローブ群の前記他方のプローブが前記演算増幅器の前記反転入力端子に接続される第3接続状態に移行させる第3接続切替処理と、前記第3接続状態において、前記固定電源部に対して前記固定電圧を前記第2プローブ群の前記一方のプローブへ出力させると共に、前記可変電源部に対して前記調整電圧を前記第2プローブ群の前記他方のプローブへ出力させ、かつ前記測定対象に流れる電流を前記入力電流として前記電流検出部が出力する前記検出電圧に基づいて、当該測定対象に流れる当該電流がゼロになるように前記可変電源部に対する制御を実行して前記調整電圧を変更する第2調整処理と、前記基準電位と前記固定電圧と前記測定対象に流れる前記電流がゼロのときの前記第2調整処理での前記調整電圧とに基づいて、前記第2プローブ群の前記一方のプローブと前記他方の電極との間の第3接触抵抗と、前記第2プローブ群の前記他方のプローブと前記他方の電極との間の第4接触抵抗との比を算出する第3算出処理と、前記接続切替部に対する制御を実行して、前記第2プローブ群の前記一方のプローブが前記固定電源部に接続され、前記第2プローブ群の前記他方のプローブが前記演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、かつ前記第1プローブ群の各前記プローブが未接続となる第4接続状態に移行させる第4接続切替処理と、前記第4接続状態において、前記固定電源部に対して前記固定電圧を前記第2プローブ群の前記一方のプローブへ出力させると共に、当該第2プローブ群に流れる電流を前記入力電流として前記電流検出部が出力する前記検出電圧に基づいて、当該第2プローブ群に流れる電流を第2電流として測定する第2電流測定処理と、前記固定電圧と前記第2電流とに基づいて、前記第3接触抵抗と前記第4接触抵抗の和を算出する第4算出処理と、前記第3算出処理で算出した前記比および前記第4算出処理で算出した前記和に基づいて、前記第3接触抵抗と前記第4接触抵抗とを個別に算出する第2抵抗算出処理とを実行する。

発明の効果

[0016]
 請求項1記載の接触抵抗測定装置によれば、測定対象の一方の電極に接触させられる第1プローブ群を構成する一対のプローブ、および測定対象の他方の電極に接触させられる第2プローブ群を構成する一対のプローブのうちの第1プローブ群を構成する一対のプローブについての第1接触抵抗および第2接触抵抗を、測定対象のインピーダンスの影響を受けることなく個別に正確に測定することができる。
[0017]
 また、請求項2記載の接触抵抗測定装置によれば、さらに、第2プローブ群を構成する一対のプローブについての第3接触抵抗および第4接触抵抗についても、測定対象のインピーダンスの影響を受けることなく個別に正確に測定することができる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 接触抵抗測定装置1,1Aの構成を示す構成図である。
[図2] 第1接触抵抗測定処理50(50A)のフローチャートである。
[図3] 第2接触抵抗測定処理60(60A)のフローチャートである。
[図4] 接触抵抗R1,R2の測定動作を説明するための説明図である。
[図5] 接触抵抗R1,R2の測定動作を説明するための他の説明図である。
[図6] 接触抵抗R3,R4の測定動作を説明するための説明図である。
[図7] 接触抵抗R3,R4の測定動作を説明するための他の説明図である。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下、接触抵抗測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
[0020]
 まず、接触抵抗測定装置としての接触抵抗測定装置1の構成について、図1を参照して説明する。
[0021]
 接触抵抗測定装置1は、図1に示すように、第1電流供給用プローブPLc1、第2電流供給用プローブPLc2、第1電圧検出用プローブPLp1、第2電圧検出用プローブPLp2、固定電源部2、可変電源部3、電流検出部4、A/D変換部5、接続切替部6、処理部7および出力部8を備えている。
[0022]
 また、接触抵抗測定装置1は、測定対象11の一方の電極(本例では測定対象11の一方の接続端子)11aに接触させられる第1電流供給用プローブPLc1および第1電圧検出用プローブPLp1で構成される第1プローブ群についてのこの一方の電極11aとの間の接触抵抗、および測定対象11の他方の電極(本例では測定対象11の他方の接続端子)11bに接触させられる第2電流供給用プローブPLc2および第2電圧検出用プローブPLp2で構成される第2プローブ群についてのこの他方の電極11bとの間の接触抵抗を、第1電流供給用プローブPLc1、第1電圧検出用プローブPLp1、第2電流供給用プローブPLc2および第2電圧検出用プローブPLp2について個別に測定する。つまり、接触抵抗測定装置1は、第1電流供給用プローブPLc1と一方の電極11aとの間の接触抵抗(第1接触抵抗)R1、第1電圧検出用プローブPLp1と一方の電極11aとの間の接触抵抗(第2接触抵抗)R2、第2電流供給用プローブPLc2と他方の電極11bとの間の接触抵抗(第3接触抵抗)R3、および第2電圧検出用プローブPLp2と他方の電極11bとの間の接触抵抗(第4接触抵抗)R4を個別に測定する。
[0023]
 この接触抵抗測定装置1は、図示はしないが、例えば、測定対象11のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置に組み込まれて使用される。この場合、第1電流供給用プローブPLc1は接続切替部6を介して固定電源部2に接続されて、Hi側のソース端子Hcとして機能し、第2電流供給用プローブPLc2は接続切替部6を介して電流検出部4に接続されて、Lo側のソース端子Lcとして機能する。また、第1電圧検出用プローブPLp1は、接続切替部6を介してインピーダンス測定装置を構成する不図示の電圧検出部の正側検出端子に接続されて、Hi側のセンス端子Hpとして機能し、第2電圧検出用プローブPLp2は接続切替部6を介して電圧検出部の負側検出端子に接続されて、Lo側のセンス端子Lpとして機能する。また、インピーダンス測定装置では、接触抵抗測定装置1で測定された各接触抵抗R1,R2,R3,R4を考慮しつつ、電流検出部4で検出される電流の電流値(測定対象11に流れる電流の電流値)と、電圧検出部で検出される電圧の電圧値(測定対象11の電極11a,11b間に生じる電圧値)とに基づいて、処理部7が上記のインピーダンスを測定する。
[0024]
 まず、第1実施の形態として、抵抗やインダクタなどの直流電流を流すことが可能な測定対象11のインピーダンス(抵抗値やインダクタンス)を測定するインピーダンス測定装置に組み込まれて使用される接触抵抗測定装置1を例に挙げて、各要素の構成を説明する。
[0025]
 固定電源部2は、基準電位Vr(既知の電位。本例では一例として、接触抵抗測定装置1の内部グランドGの電位(ゼロボルト))を基準とする固定電圧V1(直流電圧であって、その電圧値V1は一定で、かつ既知)を出力する。本例では、理解の容易のため、固定電圧V1とその電圧値V1の双方について同じ符号を使用するものとする。また、固定電源部2は、処理部7によって制御されて、固定電圧V1の出力、および固定電圧V1の出力の停止を実行する。
[0026]
 可変電源部3は、基準電位Vr(内部グランドGの電位)を基準とする調整電圧(直流電圧)V2を出力すると共に、この調整電圧V2の電圧値V2を可変可能に構成されている。本例では、理解の容易のため、調整電圧V2とその電圧値V2の双方について同じ符号を使用するものとする。また、可変電源部3は、処理部7によって制御されて、調整電圧V2の出力、および調整電圧V2の出力の停止を実行すると共に、電圧値V2を変更する(具体的には、処理部7で指示された電圧値に変更する)。
[0027]
 電流検出部4は、一例として、入力部4a、出力部4b、演算増幅器4cおよび帰還抵抗4d(抵抗値Rf)を備え、演算増幅器4cの反転入力端子が入力部4aに接続され、演算増幅器4cの非反転入力端子が基準電位Vr(内部グランドGの電位)に規定され、演算増幅器4cの出力端子が出力部4bに接続され、かつ演算増幅器4cの反転入力端子と出力端子との間に帰還抵抗4bが接続されて構成されている。この構成により、電流検出部4は、入力部4aに供給される(つまり、演算増幅器4cの反転入力端子に供給される)入力電流Iinを電圧に変換して、演算増幅器4cの出力端子(つまり、出力部4b)から検出電圧Vi(=-Iin×Rf)として出力する。
[0028]
 A/D変換部5は、検出電圧Viを入力して所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより、検出電圧Viの瞬時値を示す波形データ(電流検出部4に入力される入力電流Iinの瞬時値を示す波形データとも言えることから、以下では波形データDiと表記する)を出力する。なお、A/D変換部5は、本例のように処理部7とは別体とする構成に限定されるものではなく、図示はしないが、処理部7内に組み込む構成(処理部7と一体的に形成する構成)とすることもできる。
[0029]
 接続切替部6は、例えば、複数の第1ポート(第1電流供給用プローブPLc1が接続される第1ポート6 、第1電圧検出用プローブPLp1が接続される第1ポート6 、第2電流供給用プローブPLc2が接続される第1ポート6 、および第2電圧検出用プローブPLp2が接続される第1ポート6 )と、複数の第2ポート(固定電源部2が接続される第2ポート6 、可変電源部3が接続される第2ポート6 、電流検出部4が接続される第2ポート6 、および不図示の電圧検出部が接続される第2ポート6 ,6 )と、処理部7によって制御されて複数の第1ポートのうちの任意の第1ポートの任意の第2ポートへの一対一での接続、および任意の第1ポートの第2ポートからの切り離しを実行可能な不図示のマトリクススイッチ回路とを備えて構成されている。
[0030]
 処理部7は、CPUおよびメモリ(いずれも図示せず)を備えて、固定電源部2、可変電源部3および接続切替部6に対する制御を実行する。また、処理部7は、第1プローブ群についての測定対象11の一方の電極11aとの間の接触抵抗R1,R2を測定する第1接触抵抗測定処理、および第2プローブ群についての測定対象11の他方の電極11bとの間の接触抵抗R3,R4を測定する第2接触抵抗測定処理を実行する。また、処理部7は、測定した各接触抵抗R1~R4を出力部8に出力させる出力処理を実行する。
[0031]
 出力部8は、一例として、表示装置で構成されて、処理部7から出力される接触抵抗R1~R4を画面上に表示する(出力する)。なお、出力部8は、表示装置に代えて種々のインターフェース回路で構成することもでき、外部インターフェース回路で構成されたときには、外部インターフェース回路を介して伝送路で接続された外部装置にこの算出(測定)した接触抵抗R1~R4を出力し、また媒体用インターフェース回路で構成されたときには、この媒体用インターフェース回路に接続された記憶媒体にこの算出(測定)した接触抵抗R1~R4を記憶させる。
[0032]
 次に、接触抵抗測定装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、図1に示すように、接触抵抗測定装置1の接続切替部6には、第1電流供給用プローブPLc1、第1電圧検出用プローブPLp1、第2電流供給用プローブPLc2および第2電圧検出用プローブPLp2が接続され、また接触抵抗測定装置1には、これらのプローブPLc1,PLp1,PLc2,PLp2を介して測定対象11が接続されているものとする。
[0033]
 この状態において、接触抵抗測定装置1では、処理部7が、図2に示す第1接触抵抗測定処理50を実行する。この第1接触抵抗測定処理50では、処理部7は、まず、第1接続切替処理を実行する(ステップ51)。この第1接続切替処理では、処理部7は、接続切替部6に対する制御を実行して、第1プローブ群の一方のプローブ(本例では、第1電流供給用プローブPLc1)が固定電源部2に接続され、第1プローブ群の他方のプローブ(本例では、第1電圧検出用プローブPLp1)が可変電源部3に接続され、第2プローブ群の一方のプローブ(本例では、第2電流供給用プローブPLc2)が未接続(接続切替部6のいずれの第2ポートにも接続されない状態)となり、かつ第2プローブ群の他方のプローブ(本例では、第2電圧検出用プローブPLp2)が電流検出部4の入力部4a(および演算増幅器4cの反転入力端子)に接続される第1接続状態(図4に示す等価回路で表される接続状態)に移行させる。
[0034]
 次いで、処理部7は、第1調整処理を実行する(ステップ52)。この第1調整処理では、処理部7は、第1接続状態において、固定電源部2に対して固定電圧V1を接続切替部6を介して第1プローブ群の一方のプローブ(第1電流供給用プローブPLc1)へ出力させると共に、可変電源部3に対して調整電圧V2を接続切替部6を介して第1プローブ群の他方のプローブ(第1電圧検出用プローブPLp1)へ出力させる。
[0035]
 この場合、処理部7が可変電源部3に対する制御を実行して調整電圧V2の電圧値V2を変更する前の状態(電圧値V2が未調整の状態)では、通常、測定対象11の一方の電極11aへの固定電圧V1等の印加に起因して、一方の電極11aから、測定対象11および他方の電極11bを経由して電流検出部4の入力部4aに至る経路に入力電流Iinが流れる。電流検出部4は、このようにして入力部4aに入力される入力電流Iinを電圧に変換して、出力部4bから検出電圧Viとして出力する。また、A/D変換部5は、検出電圧Viを波形データDiに変換して処理部7に出力する。処理部7は、この波形データDiに基づいて測定対象11に流れる電流(つまり、入力電流Iin)の電流値を算出しつつ、算出した入力電流Iinの電流値がゼロになるように、可変電源部3に対する制御を実行して調整電圧V2の電圧値V2を変更(調整)する。また、処理部7は、入力電流Iinの電流値がゼロになっているときの調整電圧V2の電圧値V2(調整済みの電圧値V2)を記憶する。これにより、第1調整処理が完了するため、処理部7は、固定電源部2および可変電源部3に対する制御を実行して、固定電圧V1および調整電圧V2の出力を停止させる。
[0036]
 続いて、処理部7は、第1算出処理を実行する(ステップ53)。この第1算出処理では、処理部7は、基準電位Vr(既知の電位。本例では、内部グランドGの電位(ゼロボルト))、固定電圧V1の既知の電圧値V1、および第1調整処理で記憶した調整電圧V2についての調整済みの電圧値V2に基づいて、第1プローブ群の一方のプローブ(第1電流供給用プローブPLc1)と一方の電極11aとの間の接触抵抗R1と、第1プローブ群の他方のプローブ(第1電圧検出用プローブPLp1)と一方の電極11aとの間の接触抵抗R2との比A1(R1/R2)を算出する。
[0037]
 第1調整処理において入力電流Iinの電流値がゼロになっているときの測定対象11の一方の電極11aの電圧をV0としたときには、第1プローブ群側の回路において、以下の式(1)が成り立つ。この式(1)は、測定対象11に流れる入力電流Iinがゼロのとき(つまり、測定対象11に電流が流れないとき)に成り立つ式であるため、測定対象11のインピーダンスの影響を受けない式である。
 R1/R2=(V1-V0)/(V0-V2) ・・・(1)
[0038]
 また、入力電流Iinの電流値がゼロということは、測定対象11の一方の電極11aは他方の電極11bの電位(つまり、既知の基準電位Vr(本例では内部グランドGの電位であるゼロボルト))と同電位となる。つまり、電圧V0は既知の基準電位Vr(本例では内部グランドGの電位であるゼロボルト)となる。したがって、処理部7は、既知の基準電位Vr(ゼロボルト)となるこの電圧V0と、既知の電圧値V1と、上記の調整済みの電圧値V2とを上記式(1)に代入することで、値(R1/R2)を比A1として算出して記憶する。
[0039]
 次いで、処理部7は、第2接続切替処理を実行する(ステップ54)。この第2接続切替処理では、処理部7は、接続切替部6に対する制御を実行して、第1プローブ群の一方のプローブ(本例では、第1電流供給用プローブPLc1)が固定電源部2に接続され、第1プローブ群の他方のプローブ(本例では、第1電圧検出用プローブPLp1)が電流検出部4の入力部4a(および演算増幅器4cの反転入力端子)に接続され、かつ第2プローブ群の各プローブ(第2電流供給用プローブPLc2および第2電圧検出用プローブPLp2)が未接続(接続切替部6のいずれの第2ポートにも接続されない状態)となる第2接続状態(図5に示す等価回路で表される接続状態)に移行させる。
[0040]
 続いて、処理部7は、第1電流測定処理を実行する(ステップ55)。この第1電流測定処理では、処理部7は、第2接続状態において、固定電源部2に対して固定電圧V1を第1プローブ群の一方のプローブ(第1電流供給用プローブPLc1)へ出力させると共に、この一方のプローブ(第1電流供給用プローブPLc1)および第1プローブ群の他方のプローブ(第1電圧検出用プローブPLp1)に流れる電流(つまり、第1プローブ群に流れる電流)を入力電流Iinとして電流検出部4が出力する検出電圧Viに基づいて、第1プローブ群に流れる電流(入力電流Iin)を第1電流I1としてその電流値I1(=|Vi/Rf|)を測定して記憶する。これにより、第1電流測定処理が完了するため、処理部7は、固定電源部2に対する制御を実行して、固定電圧V1の出力を停止させる。本例では、理解の容易のため、第1電流I1とその電流値I1の双方について同じ符号を使用するものとする。
[0041]
 次いで、処理部7は、第2算出処理を実行する(ステップ56)。この第2算出処理では、処理部7は、固定電圧V1の既知の電圧値V1と第1電流測定処理で測定した第1電流I1の電流値I1とに基づいて、接触抵抗R1と接触抵抗R2の和B1(R1+R2)を算出する。
[0042]
 この場合、第1電流測定処理において電流値I1を測定している状態では、第1プローブ群側の回路において、以下の式(2)が成り立つ。この式(2)は、測定対象11を含まない回路で成り立つ式であるため、測定対象11のインピーダンスの影響を受けない式である。
 R1+R2=V1/I1 ・・・(2)
 したがって、処理部7は、既知の電圧値V1と上記の測定した電流値I1とを上記式(2)に代入することで、値(R1+R2)を和B1として算出して記憶する。
[0043]
 続いて、処理部7は、第1抵抗算出処理を実行する(ステップ57)。この第1抵抗算出処理では、処理部7は、第1算出処理で算出した比A1、および第2算出処理で算出した和B1に基づいて、接触抵抗R1と接触抵抗R2とを個別に算出する。
[0044]
 この場合、比A1については、上記の式(1)に基づいて下記式(3)で表される。また、和B1については、上記の式(2)に基づいて下記式(4)で表される。また、この各式(3),(4)に基づいて、接触抵抗R1は下記の式(5)で表され、接触抵抗R2は下記の式(6)で表される。
 A1=R1/R2 ・・・(3)
 B1=R1+R2 ・・・(4)
 R1=A1×B1/(1+A1) ・・・(5)
 R2=B1/(1+A1) ・・・(6)
 したがって、処理部7は、算出した比A1および和B1を上記の式(5),(6)に代入することで、接触抵抗R1および接触抵抗R2(第1プローブ群を構成する各プローブPLc1,PLp1についての接触抵抗)を個別に算出して記憶する。これにより、第1接触抵抗測定処理50が完了する。なお、このようにして算出された各接触抵抗R1,R2は、上記したように測定対象11のインピーダンスの影響を受けない式(1),(2)に基づいて算出されたものであることから、測定対象11のインピーダンスの影響を受けることなく正確に算出された値である。
[0045]
 次いで、処理部7は、図3に示す第2接触抵抗測定処理60を実行する。この第2接触抵抗測定処理60では、処理部7は、第1プローブ群を構成する各プローブPLc1,PLp1に対して実行した上記のステップ51~ステップ57までの各処理(第1接続切替処理、第1調整処理、第1算出処理、第2接続切替処理、第1電流測定処理、第2算出処理および第1抵抗算出処理)と同等の後述するステップ61~ステップ67までの各処理(第3接続切替処理、第2調整処理、第3算出処理、第4接続切替処理、第2電流測定処理、第4算出処理および第2抵抗算出処理)を、第2プローブ群を構成する第2電流供給用プローブPLc2および第2電圧検出用プローブPLp2に対して実行して、各プローブPLc2,PLp2についての接触抵抗R3,R4を測定する。
[0046]
 具体的には、まず、処理部7は、第1接続切替処理に対応する第3接続切替処理を実行する(ステップ61)。この第3接続切替処理では、処理部7は、接続切替部6に対する制御を実行して、第2プローブ群の一方のプローブ(本例では、第2電流供給用プローブPLc2)が固定電源部2に接続され、第2プローブ群の他方のプローブ(本例では、第2電圧検出用プローブPLp2)が可変電源部3に接続され、第1プローブ群の一方のプローブ(本例では、第1電流供給用プローブPLc1)が未接続(接続切替部6のいずれの第2ポートにも接続されない状態)となり、かつ第1プローブ群の他方のプローブ(本例では、第1電圧検出用プローブPLp1)が電流検出部4の入力部4a(および演算増幅器4cの反転入力端子)に接続される第3接続状態(図6に示す等価回路で表される接続状態)に移行させる。
[0047]
 次いで、処理部7は、第1調整処理に対応する第2調整処理を実行する(ステップ62)。この第2調整処理では、処理部7は、第3接続状態において、固定電源部2に対して固定電圧V1を接続切替部6を介して第2プローブ群の一方のプローブ(第2電流供給用プローブPLc2)へ出力させると共に、可変電源部3に対して調整電圧V2を接続切替部6を介して第2プローブ群の他方のプローブ(第2電圧検出用プローブPLp2)へ出力させる。
[0048]
 この場合、第1調整処理のときと同様に、電圧値V2が未調整の状態では、測定対象11の他方の電極11bへの固定電圧V1等の印加に起因して、他方の電極11bから、測定対象11および一方の電極11aを経由して電流検出部4の入力部4aに至る経路に入力電流Iinが流れる。電流検出部4は、この入力電流Iinを電圧に変換して、出力部4bから検出電圧Viとして出力する。また、A/D変換部5は、検出電圧Viを波形データDiに変換して処理部7に出力する。処理部7は、この波形データDiに基づいて測定対象11に流れる電流(つまり、入力電流Iin)の電流値を算出しつつ、算出した入力電流Iinの電流値がゼロになるように、可変電源部3に対する制御を実行して調整電圧V2の電圧値V2を変更(調整)する。また、処理部7は、入力電流Iinの電流値がゼロになっているときの調整電圧V2の電圧値V2(調整済みの電圧値V2)を記憶する。これにより、第2調整処理が完了するため、処理部7は、固定電源部2および可変電源部3に対する制御を実行して、固定電圧V1および調整電圧V2の出力を停止させる。
[0049]
 続いて、処理部7は、第1算出処理に対応する第3算出処理を実行する(ステップ63)。この第3算出処理では、処理部7は、基準電位Vr(既知の電位。内部グランドGの電位(ゼロボルト))、固定電圧V1の既知の電圧値V1、および第2調整処理で記憶した調整電圧V2についての調整済みの電圧値V2に基づいて、第2プローブ群の一方のプローブ(第2電流供給用プローブPLc2)と他方の電極11bとの間の接触抵抗R3と、第2プローブ群の他方のプローブ(第2電圧検出用プローブPLp2)と他方の電極11bとの間の接触抵抗R4との比A2(R3/R4)を算出する。
[0050]
 第3調整処理において入力電流Iinの電流値がゼロになっているときの測定対象11の他方の電極11bの電圧をV0としたときには、第2プローブ群側の回路において、以下の式(7)が成り立つ。この式(7)は、測定対象11に流れる入力電流Iinがゼロのとき(つまり、測定対象11に電流が流れないとき)に成り立つ式であるため、測定対象11のインピーダンスの影響を受けない式である。
 R3/R4=(V1-V0)/(V0-V2) ・・・(7)
[0051]
 また、入力電流Iinの電流値がゼロということは、測定対象11の他方の電極11bは一方の電極11aの電位(つまり、既知の基準電位Vr(本例では内部グランドGの電位であるゼロボルト))と同電位となる。つまり、電圧V0は既知の基準電位Vr(本例では内部グランドGの電位であるゼロボルト)となる。したがって、処理部7は、既知の基準電位Vr(ゼロボルト)となるこの電圧V0と、既知の電圧値V1と、上記の調整済みの電圧値V2とを上記式(1)に代入することで、値(R3/R4)を比A2として算出して記憶する。
[0052]
 次いで、処理部7は、第2接続切替処理に対応する第4接続切替処理を実行する(ステップ64)。この第4接続切替処理では、処理部7は、接続切替部6に対する制御を実行して、第2プローブ群の一方のプローブ(本例では、第2電流供給用プローブPLc2)が固定電源部2に接続され、第2プローブ群の他方のプローブ(本例では、第2電圧検出用プローブPLp2)が電流検出部4の入力部4a(および演算増幅器4cの反転入力端子)に接続され、かつ第1プローブ群の各プローブ(第1電流供給用プローブPLc1および第1電圧検出用プローブPLp1)が未接続(接続切替部6のいずれの第2ポートにも接続されない状態)となる第4接続状態(図7に示す等価回路で表される接続状態)に移行させる。
[0053]
 続いて、処理部7は、第1電流測定処理に対応する第2電流測定処理を実行する(ステップ65)。この第2電流測定処理では、処理部7は、第4接続状態において、固定電源部2に対して固定電圧V1を第2プローブ群の一方のプローブ(第2電流供給用プローブPLc2)へ出力させると共に、この一方のプローブ(第2電流供給用プローブPLc2)および第2プローブ群の他方のプローブ(第2電圧検出用プローブPLp2)に流れる電流(つまり、第2プローブ群に流れる電流)を入力電流Iinとして電流検出部4が出力する検出電圧Viに基づいて、第2プローブ群に流れる電流(入力電流Iin)を第2電流I2)としてその電流値I2(=|Vi/Rf|)を測定して記憶する。これにより、第2電流測定処理が完了するため、処理部7は、固定電源部2に対する制御を実行して、固定電圧V1の出力を停止させる。
[0054]
 次いで、処理部7は、第2算出処理に対応する第4算出処理を実行する(ステップ66)。この第4算出処理では、処理部7は、固定電圧V1の既知の電圧値V1と第2電流測定処理で測定した第2電流I2の電流値I2とに基づいて、接触抵抗R3と接触抵抗R4の和B2(R3+R4)を算出する。
[0055]
 この場合、第2電流測定処理において電流値I2を測定している状態では、第2プローブ群側の回路において、以下の式(8)が成り立つ。この式(8)は、測定対象11を含まない回路で成り立つ式であるため、測定対象11のインピーダンスの影響を受けない式である。
 R3+R4=V1/I2 ・・・(8)
 したがって、処理部7は、既知の電圧値V1と上記の測定した電流値I2とを上記式(8)に代入することで、値(R3+R4)を和B2として算出して記憶する。
[0056]
 続いて、処理部7は、第1抵抗算出処理に対応する第2抵抗算出処理を実行する(ステップ67)。この第2抵抗算出処理では、処理部7は、第3算出処理で算出した比A2、および第4算出処理で算出した和B2に基づいて、接触抵抗R3と接触抵抗R4とを個別に算出する。
[0057]
 この場合、比A2については、上記の式(7)に基づいて下記式(9)で表される。また、和B2については、上記の式(8)に基づいて下記式(10)で表される。また、この各式(9),(10)に基づいて、接触抵抗R4は下記の式(11)で表され、接触抵抗R3は下記の式(12)で表される。
 A2=R3/R4 ・・・(9)
 B2=R3+R4 ・・・(10)
 R3=A2×B2/(1+A2) ・・・(11)
 R4=B2/(1+A2) ・・・(12)
[0058]
 したがって、処理部7は、算出した比A2および和B2を上記の式(11),(12)に代入することで、接触抵抗R3および接触抵抗R4(第2プローブ群を構成する各プローブPLc2,PLp2についての接触抵抗)を個別に算出して記憶する。これにより、第2接触抵抗測定処理60が完了する。最後に、処理部7は、出力処理を実行して、測定した各接触抵抗R1~R4を出力部8に出力させる。これにより、各接触抵抗R1~R4の測定が完了する。なお、このようにして算出された各接触抵抗R3,R4は、上記したように測定対象11のインピーダンスの影響を受けない式(7),(8)に基づいて算出されたものであることから、測定対象11のインピーダンスの影響を受けることなく正確に算出された値である。
[0059]
 このように、この接触抵抗測定装置1によれば、測定対象11の一方の電極11aに接触させられる第1プローブ群を構成する第1電流供給用プローブPLc1および第1電圧検出用プローブPLp1についての接触抵抗R1,R2を、測定対象11のインピーダンスの影響を受けることなく個別に正確に測定することができる。また、この接触抵抗測定装置1によれば、測定対象11の他方の電極11bに接触させられる第2プローブ群を構成する第2電流供給用プローブPLc2および第2電圧検出用プローブPLp2についての接触抵抗R3,R4についても、測定対象11のインピーダンスの影響を受けることなく個別に正確に測定することができる。また、この接触抵抗測定装置1が組み込まれたインピーダンス測定装置では、正確に測定された各接触抵抗R1~R4を利用して、測定対象11のインピーダンスを精度良く測定することが可能となる。
[0060]
 次に、第2実施の形態として、抵抗やインダクタンスなどの直流電流を流すことが可能な測定対象11に加えて、コンデンサなどの直流電流を流すことができずに交流電流のみを流し得る測定対象11のインピーダンス(抵抗値、インダクタンス値およびキャパシタンス値のうちの少なくとも1つ)を測定するインピーダンス測定装置に組み込まれて使用される接触抵抗測定装置1Aについて説明する。なお、上記した接触抵抗測定装置1の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
[0061]
 まず、接触抵抗測定装置としての接触抵抗測定装置1Aの構成について、図1を参照して説明する。
[0062]
 接触抵抗測定装置1Aは、図1に示すように、第1電流供給用プローブPLc1、第2電流供給用プローブPLc2、第1電圧検出用プローブPLp1、第2電圧検出用プローブPLp2、固定電源部2A、可変電源部3A、電流検出部4、A/D変換部5、接続切替部6、処理部7Aおよび出力部8を備えている。
[0063]
 固定電源部2Aは、基準電位Vr(既知の電位。本例では一例として、接触抵抗測定装置1の内部グランドGの電位(ゼロボルト))を基準とする固定電圧V1(振幅および周波数が一定かつ既知の交流電圧(正弦波電圧))を出力する。本例では、理解の容易のため、|V1|は、固定電圧V1の振幅を表し、arg(V1)は、固定電圧V1の位相を表すものとする。また、固定電源部2Aは、処理部7Aによって制御されて、固定電圧V1の出力、および固定電圧V1の出力の停止を実行する。また、固定電源部2Aは、固定電圧V1の位相状態を示す信号(例えば、現在の位相arg(V1)を示す信号)を処理部7Aに出力する。
[0064]
 可変電源部3Aは、基準電位Vr(内部グランドGの電位)を基準とする調整電圧V2(設定された振幅で、かつ固定電圧V1と同じ周波数の交流電圧(正弦波電圧))を出力する。本例では、理解の容易のため、|V2|は、調整電圧V2の振幅を表し、arg(V2)は、調整電圧V2の位相を表すものとする。また、可変電源部3Aは、処理部7Aによって制御されて、調整電圧V2の出力、および調整電圧V2の出力の停止を実行すると共に、振幅|V2|および位相arg(V2)を変更する(具体的には、処理部7Aで指示された振幅|V2|および位相arg(V2)に変更する)。また、可変電源部3Aは、調整電圧V2の位相状態を示す信号(例えば、立ち上がりゼロクロス点や立ち下がりゼロクロス点のタイミングを示す信号や、現在の位相arg(V2)を示す信号)を処理部7Aに出力する。
[0065]
 処理部7Aは、図2に示す第1接触抵抗測定処理50A、および図3に示す第2接触抵抗測定処理60Aを実行する。
[0066]
 次に、接触抵抗測定装置1Aの動作について、図面を参照して説明する。なお、図1に示すように、接触抵抗測定装置1Aの接続切替部6には、第1電流供給用プローブPLc1、第1電圧検出用プローブPLp1、第2電流供給用プローブPLc2および第2電圧検出用プローブPLp2が接続され、また接触抵抗測定装置1Aには、これらのプローブPLc1,PLp1,PLc2,PLp2を介して測定対象11が接続されているものとする。
[0067]
 この状態において、接触抵抗測定装置1Aでは、処理部7Aが、図2に示す第1接触抵抗測定処理50Aを実行する。この第1接触抵抗測定処理50Aでは、処理部7Aは、まず、第1接続切替処理を実行する(ステップ51)。この第1接続切替処理では、処理部7Aは、上記した第1接触抵抗測定処理50での第1接続切替処理のときと同様にして、接続切替部6に対する制御を実行することで、第1接続状態(図4に示す等価回路で表される接続状態)に移行させる。
[0068]
 次いで、処理部7Aは、第1調整処理を実行する(ステップ52A)。この第1調整処理では、処理部7Aは、第1接続状態において、まず、固定電源部2Aに対して固定電圧V1を接続切替部6を介して第1プローブ群の一方のプローブ(第1電流供給用プローブPLc1)へ出力させる。また、可変電源部3Aに対して調整電圧V2の出力を停止させる(つまり、調整電圧V2の振幅|V2|をゼロに移行させる)。
[0069]
 この場合、測定対象11の一方の電極11aへの固定電圧V1の印加に起因して、一方の電極11aから、測定対象11および他方の電極11bを経由して電流検出部4の入力部4aに至る経路に入力電流(交流電流)Iinが流れる。電流検出部4は、このようにして入力部4aに入力される入力電流Iinを電圧に変換して、出力部4bから検出電圧Viとして出力する。また、A/D変換部5は、検出電圧Viを波形データDiに変換して処理部7Aに出力する。処理部7Aは、この波形データDiで示される検出電圧Viの信号波形(入力電流Iinの信号波形を示す信号波形でもある)と、固定電圧V1の既知の振幅|V1|と、固定電源部2Aから出力される固定電圧V1の位相状態を示す信号とに基づいて、固定電圧V1から入力電流Iinまでの伝達関数G1(ゲインを|G1|で表し、その位相変化をarg(G1)で表す)を測定して記憶する。
[0070]
 また、処理部7Aは、この第1調整処理では、第1接続状態において、次に、固定電源部2Aに対して固定電圧V1の出力を停止させる(つまり、固定電圧V1の振幅|V1|をゼロに移行させる)。また、可変電源部3Aに対して調整電圧V2の振幅|V2|をゼロでない既知の値に設定すると共に、この調整電圧V2を接続切替部6を介して第1プローブ群の他方のプローブ(第1電圧検出用プローブPLp1)へ出力させる。
[0071]
 この場合、測定対象11の一方の電極11aへの調整電圧V2の印加に起因して、一方の電極11aから、測定対象11および他方の電極11bを経由して電流検出部4の入力部4aに至る経路に入力電流(交流電流)Iinが流れる。電流検出部4は、このようにして入力部4aに入力される入力電流Iinを電圧に変換して、出力部4bから検出電圧Viとして出力する。また、A/D変換部5は、検出電圧Viを波形データDiに変換して処理部7Aに出力する。処理部7Aは、この波形データDiで示される検出電圧Viの信号波形(入力電流Iinの信号波形を示す信号波形でもある)と、調整電圧V2の既知の振幅|V2|と、可変電源部3Aから出力される調整電圧V2の位相状態を示す信号とに基づいて、調整電圧V2Aから入力電流Iinまでの伝達関数G2(ゲインを|G2|で表し、その位相変化をarg(G2)で表す)を測定して記憶する。
[0072]
 また、処理部7Aは、この第1調整処理では、続いて、図4に示す第1接続状態のときに、固定電源部2Aからの固定電圧V1が第1電流供給用プローブPLc1を介して一方の電極11aに印加され、かつ可変電源部3Aからの調整電圧V2(設定された振幅|V2|で、かつ設定された位相arg(V2)での調整電圧V2)が第1電圧検出用プローブPLp1を介して一方の電極11aに印加されている状態において、測定対象11に流れる入力電流Iinをゼロにするための、この可変電源部3Aに対して設定すべき調整電圧V2についての振幅|V2|および位相arg(V2)を算出する。
[0073]
 この場合、ゲイン|G1|および位相変化arg(G1)を測定したときの上記の回路構成と、ゲイン|G2|および位相変化arg(G2)を測定したときの上記の回路構成とに重ね合わせの原理を適用すると、複素数で表されるゲインG1,G2、および同じく複素数で表される固定電圧V1および調整電圧V2について、以下の式(13)が成り立つ。
 G1×V1+G2×V2=0 ・・・(13)
 また、この式から、振幅|V2|は下記の式(14)で表され、位相arg(V2)は下記の式(15)で表される。
 |V2|=|V1|×|G1|/|G2| ・・・(14)
 arg(V2)=arg(V1)+arg(G1)-arg(G2)+180° ・・・(15)
[0074]
 したがって、処理部7Aは、既知の振幅|V1|および固定電源部2Aから出力された固定電圧V1の位相状態を示す信号(位相arg(V1))と、測定したゲイン|G1|,|G2|および位相変化arg(G1),arg(G2)とを上記の式(14),(15)に代入することにより、固定電圧V1の印加状態において測定対象11に流れる入力電流Iinをゼロにするために可変電源部3Aに対して設定すべき調整電圧V2についての振幅|V2|および位相arg(V2)を算出して記憶する。これにより、第1調整処理が完了するため、処理部7Aは、固定電源部2Aおよび可変電源部3Aに対する制御を実行して、固定電圧V1および調整電圧V2の出力を停止させる。
[0075]
 続いて、処理部7Aは、第1算出処理を実行する(ステップ53)。上記したように、固定電圧V1の印加状態において、第1調整処理で算出した振幅|V2|および位相arg(V2)の調整電圧V2がさらに測定対象11の一方の電極11aに印加された状態では、入力電流Iinがゼロになることから、上記した式(1)と同等の式(この式についても式(1)と表記する)が成り立つ。なお、この式(1)では、固定電圧V1は、振幅|V1|で、かつ位相arg(V1)の交流電圧であり、調整電圧V2は、振幅|V2|で、かつ位相arg(V2)の交流電圧である。このため、処理部7Aは、この第1算出処理において、上記した第1接触抵抗測定処理50での第1算出処理のときと同様にして、固定電圧V1についてのデータ(既知の振幅|V1|および位相arg(V1))と、調整電圧V2についてのデータ(振幅|V2|および位相arg(V2))と、既知の基準電位Vr(ゼロボルト)となるこの電圧V0とをこの式(1)に代入することで、値(R1/R2)を比A1として算出して記憶する。
[0076]
 次いで、処理部7Aは、第2接続切替処理を実行する(ステップ54)。この第2接続切替処理では、処理部7Aは、上記した第1接触抵抗測定処理50での第2接続切替処理のときと同様にして、接続切替部6に対する制御を実行することで、第2接続状態(図5に示す等価回路で表される接続状態)に移行させる。
[0077]
 続いて、処理部7Aは、第1電流測定処理を実行する(ステップ55)。この第1電流測定処理では、処理部7Aは、上記した第1接触抵抗測定処理50での第1電流測定処理のときと同様にして、第1プローブ群に流れる電流(入力電流Iin)を第1電流I1としてその電流値I1を測定して記憶する。
[0078]
 次いで、処理部7Aは、第2算出処理を実行する(ステップ56)。この第2算出処理では、処理部7Aは、上記した第1接触抵抗測定処理50での第2算出処理のときと同様にして、上記の式(2)を使用することで、値(R1+R2)を和B1として算出して記憶する。
[0079]
 続いて、処理部7Aは、第1抵抗算出処理を実行する(ステップ57)。この第1抵抗算出処理では、処理部7Aは、上記した第1接触抵抗測定処理50での第1抵抗算出処理のときと同様にして、第1算出処理で算出した比A1、第2算出処理で算出した和B1、および上記の各式(5),(6)に基づいて、接触抵抗R1と接触抵抗R2とを個別に算出して記憶する。これにより、第1接触抵抗測定処理50Aが完了する。
[0080]
 次いで、処理部7Aは、図2に示す第2接触抵抗測定処理60Aを実行する。この第2接触抵抗測定処理60Aでは、処理部7Aは、まず、第3接続切替処理を実行する(ステップ61)。この第3接続切替処理では、処理部7Aは、上記した第2接触抵抗測定処理60での第3接続切替処理のときと同様にして、接続切替部6に対する制御を実行することで、第3接続状態(図6に示す等価回路で表される接続状態)に移行させる。
[0081]
 次いで、処理部7Aは、第2調整処理を実行する(ステップ62A)。この第2調整処理では、処理部7Aは、第3接続状態において、まず、固定電源部2Aに対して固定電圧V1を接続切替部6を介して第2プローブ群の一方のプローブ(第2電流供給用プローブPLc2)へ出力させる。また、可変電源部3Aに対して調整電圧V2の出力を停止させる(つまり、調整電圧V2の振幅|V2|をゼロに移行させる)。
[0082]
 この場合も、第1接触抵抗測定処理50Aでの第1調整処理のときと同様にして、測定対象11の他方の電極11bへの固定電圧V1の印加に起因して、他方の電極11bから、測定対象11および一方の電極11aを経由して電流検出部4の入力部4aに至る経路に入力電流(交流電流)Iinが流れる。電流検出部4は、この入力電流Iinを電圧に変換して、出力部4bから検出電圧Viとして出力する。また、A/D変換部5は、検出電圧Viを波形データDiに変換して処理部7Aに出力する。処理部7Aは、この波形データDiで示される検出電圧Viの信号波形(入力電流Iinの信号波形を示す信号波形でもある)と、固定電圧V1の既知の振幅|V1|と、固定電源部2Aから出力される固定電圧V1の位相状態を示す信号とに基づいて、固定電圧V1から入力電流Iinまでの伝達関数G3(ゲインを|G3|で表し、その位相変化をarg(G3)で表す)を測定して記憶する。
[0083]
 また、処理部7Aは、この第2調整処理では、第3接続状態において、次に、固定電源部2Aに対して固定電圧V1の出力を停止させる(つまり、固定電圧V1の振幅|V1|をゼロに移行させる)。また、可変電源部3Aに対して調整電圧V2の振幅|V2|をゼロでない既知の値に設定すると共に、この調整電圧V2を接続切替部6を介して第2プローブ群の他方のプローブ(第2電圧検出用プローブPLp2)へ出力させる。
[0084]
 この場合、測定対象11の他方の電極11bへの調整電圧V2の印加に起因して、他方の電極11bから、測定対象11および一方の電極11aを経由して電流検出部4の入力部4aに至る経路に入力電流(交流電流)Iinが流れる。電流検出部4は、このようにして入力部4aに入力される入力電流Iinを電圧に変換して、出力部4bから検出電圧Viとして出力する。また、A/D変換部5は、検出電圧Viを波形データDiに変換して処理部7Aに出力する。処理部7Aは、この波形データDiで示される検出電圧Viの信号波形(入力電流Iinの信号波形を示す信号波形でもある)と、調整電圧V2の既知の振幅|V2|と、可変電源部3Aから出力される調整電圧V2の位相状態を示す信号とに基づいて、調整電圧V2から入力電流Iinまでの伝達関数G4(ゲインを|G4|で表し、その位相変化をarg(G4)で表す)を測定して記憶する。
[0085]
 また、処理部7Aは、この第2調整処理では、続いて、図6に示す第3接続状態のときに、固定電源部2Aからの固定電圧V1が第2電流供給用プローブPLc2を介して他方の電極11bに印加され、かつ可変電源部3Aからの調整電圧V2(設定された振幅|V2|で、かつ設定された位相arg(V2)での調整電圧V2)が第2電圧検出用プローブPLp2を介して他方の電極11bに印加されている状態において、測定対象11に流れる入力電流Iinをゼロにするための、この可変電源部3Aに対して設定すべき調整電圧V2についての振幅|V2|および位相arg(V2)を算出する。
[0086]
 この場合、ゲイン|G3|および位相変化arg(G3)を測定したときの上記の回路構成と、ゲイン|G4|および位相変化arg(G4)を測定したときの上記の回路構成とに重ね合わせの原理を適用すると、複素数で表されるゲインG3,G4、および同じく複素数で表される固定電圧V1および調整電圧V2について、以下の式(16)が成り立つ。
 G3×V1+G4×V2=0 ・・・(16)
 また、この式から、振幅|V2|は下記の式(17)で表され、位相arg(V2)は下記の式(18)で表される。
 |V2|=|V1|×|G3|/|G4| ・・・(17)
 arg(V2)=arg(V1)+arg(G3)-arg(G4)+180° ・・・(18)
[0087]
 したがって、処理部7Aは、既知の振幅|V1|および固定電源部2Aから出力された固定電圧V1の位相状態を示す信号(位相arg(V1))と、測定したゲイン|G3|,|G4|および位相変化arg(G3),arg(G4)とを上記の式(17),(18)に代入することにより、固定電圧V1の印加状態において測定対象11に流れる入力電流Iinをゼロにするために可変電源部3Aに対して設定すべき調整電圧V2についての振幅|V2|および位相arg(V2)を算出して記憶する。これにより、第2調整処理が完了するため、処理部7Aは、固定電源部2Aおよび可変電源部3Aに対する制御を実行して、固定電圧V1および調整電圧V2の出力を停止させる。
[0088]
 続いて、処理部7Aは、第3算出処理を実行する(ステップ63)。上記したように、固定電圧V1の印加状態において、第2調整処理で算出した振幅|V2|および位相arg(V2)の調整電圧V2がさらに測定対象11の他方の電極11bに印加された状態では、入力電流Iinがゼロになることから、上記した式(7)が成り立つ。このため、処理部7Aは、この第3算出処理において、上記した第2接触抵抗測定処理60での第3算出処理のときと同様にして、固定電圧V1についてのデータ(既知の振幅|V1|および位相arg(V1))と、調整電圧V2についてのデータ(振幅|V2|および位相arg(V2))と、既知の基準電位Vr(ゼロボルト)となるこの電圧V0とを上記式(7)に代入することで、値(R3/R4)を比A2として算出して記憶する。
[0089]
 次いで、処理部7Aは、第4接続切替処理を実行する(ステップ64)。この第4接続切替処理では、処理部7Aは、上記した第2接触抵抗測定処理60での第4接続切替処理のときと同様にして、接続切替部6に対する制御を実行することで、第4接続状態(図7に示す等価回路で表される接続状態)に移行させる。
[0090]
 続いて、処理部7Aは、第2電流測定処理を実行する(ステップ65)。この第2電流測定処理では、処理部7Aは、上記した第2接触抵抗測定処理60での第2電流測定処理のときと同様にして、第2プローブ群に流れる電流(入力電流Iin)を第2電流I2としてその電流値I2を測定して記憶する。
[0091]
 次いで、処理部7Aは、第4算出処理を実行する(ステップ66)。この第4算出処理では、処理部7Aは、上記した第2接触抵抗測定処理60での第4算出処理のときと同様にして、上記の式(8)を使用することで、値(R3+R4)を和B2として算出して記憶する。
[0092]
 続いて、処理部7Aは、第2抵抗算出処理を実行する(ステップ67)。この第2抵抗算出処理では、処理部7Aは、上記した第2接触抵抗測定処理60での第2抵抗算出処理のときと同様にして、第3算出処理で算出した比A2、第4算出処理で算出した和B2、および上記の各式(11),(12)に基づいて、接触抵抗R3と接触抵抗R4とを個別に算出して記憶する。これにより、第2接触抵抗測定処理60Aが完了する。最後に、処理部7Aは、出力処理を実行して、測定した各接触抵抗R1~R4を出力部8に出力させる。これにより、各接触抵抗R1~R4の測定が完了する。
[0093]
 このように、この接触抵抗測定装置1Aによれば、抵抗やインダクタンスなどの直流電流を流すことが可能な測定対象11だけでなく、コンデンサなどの直流電流を流すことができずに交流電流のみを流し得る測定対象11についても、測定対象11の一方の電極11aに接触させられる第1プローブ群を構成する第1電流供給用プローブPLc1および第1電圧検出用プローブPLp1についての接触抵抗R1,R2を、測定対象11のインピーダンスの影響を受けることなく個別に正確に測定することができる。また、この接触抵抗測定装置1Aによれば、測定対象11の他方の電極11bに接触させられる第2プローブ群を構成する第2電流供給用プローブPLc2および第2電圧検出用プローブPLp2についての接触抵抗R3,R4についても、測定対象11のインピーダンスの影響を受けることなく個別に正確に測定することができる。また、この接触抵抗測定装置1Aが組み込まれたインピーダンス測定装置では、正確に測定された各接触抵抗R1~R4を利用して、測定対象11のインピーダンスを精度良く測定することが可能となる。
[0094]
 なお、上記の接触抵抗測定装置1,1Aでは、処理部7(7A)が、第1接触抵抗測定処理50(50A)および第2接触抵抗測定処理60(60A)の双方を実行して、第1プローブ群についての測定対象11の一方の電極11aとの間の接触抵抗R1,R2、および第2プローブ群についての測定対象11の他方の電極11bとの間の接触抵抗R3,R4を測定する構成を採用しているが、第1接触抵抗測定処理50(50A)および第2接触抵抗測定処理60(60A)のうちのいずれか一方のみを実行して、第1プローブ群および第2プローブ群のうちの一方のプローブ群を構成する一対のプローブについての接触抵抗のみ(接触抵抗R1,R2、および接触抵抗R3,R4のうちの一方のみ)を測定する構成であってもよい。

産業上の利用可能性

[0095]
 本願発明によれば、測定対象の一方の電極に接触させられる第1プローブ群を構成する一対のプローブ、および測定対象の他方の電極に接触させられる第2プローブ群を構成する一対のプローブのうちの第1プローブ群を構成する一対のプローブについての第1接触抵抗および第2接触抵抗を、測定対象のインピーダンスの影響を受けることなく個別に正確に測定することができる。したがって、本発明は、測定対象の一方の電極に接触させられる一対のプローブ(第1電流供給用プローブおよび第1電圧検出用プローブ)のそれぞれの接触抵抗、および測定対象の他方の電極に接触させられる他の一対のプローブ(第2電流供給用プローブおよび第2電圧検出用プローブ)のそれぞれの接触抵抗を個別に測定する接触抵抗測定装置に広く適用することができる。

符号の説明

[0096]
     1,1A 接触抵抗測定装置
     2,2A 固定電源部
     3,3A 可変電源部
     4 電流検出部
     6 接続切替部
     7,7A 処理部
    11 測定対象
   11a 一方の電極
   11b 他方の電極
   Iin 入力電流
  PLc1 第1電流供給用プローブ
  PLc2 第2電流供給用プローブ
  PLp1 第1電圧検出用プローブ
  PLp2 第2電圧検出用プローブ
    R1 第1接触抵抗
    R2 第2接触抵抗
    R3 第3接触抵抗
    R4 第4接触抵抗
    V1 固定電圧
    V2 調整電圧
    Vi 検出電圧
    Vr 基準電位(内部グランドGの電位)

請求の範囲

[請求項1]
 測定対象の一方の電極に接触させられる第1電流供給用プローブおよび第1電圧検出用プローブで構成される第1プローブ群についての当該一方の電極との間の接触抵抗、並びに当該測定対象の他方の電極に接触させられる第2電流供給用プローブおよび第2電圧検出用プローブで構成される第2プローブ群についての当該他方の電極との間の接触抵抗のうちの少なくとも1つのプローブ群についての前記接触抵抗を個別に測定する接触抵抗測定装置であって、
 基準電位を基準とする固定電圧を出力する固定電源部と、
 前記基準電位を基準として出力する調整電圧を可変可能な可変電源部と、
 非反転入力端子が前記基準電位に規定されると共に反転入力端子と出力端子との間に帰還抵抗が接続された演算増幅器を有して構成されて、当該反転入力端子に供給される入力電流を電圧に変換して検出電圧として当該出力端子から出力する電流検出部と、
 前記固定電源部、前記可変電源部および前記電流検出部と4つの前記プローブとの間に配設された接続切替部と、
 処理部とを備え、
 前記処理部は、
 前記接続切替部に対する制御を実行して、前記第1プローブ群の一方のプローブが前記固定電源部に接続され、前記第1プローブ群の他方のプローブが前記可変電源部に接続され、前記第2プローブ群の一方のプローブが未接続となり、かつ前記第2プローブ群の他方のプローブが前記演算増幅器の前記反転入力端子に接続される第1接続状態に移行させる第1接続切替処理と、
 前記第1接続状態において、前記固定電源部に対して前記固定電圧を前記第1プローブ群の前記一方のプローブへ出力させると共に、前記可変電源部に対して前記調整電圧を前記第1プローブ群の前記他方のプローブへ出力させ、かつ前記測定対象に流れる電流を前記入力電流として前記電流検出部が出力する前記検出電圧に基づいて、当該測定対象に流れる当該電流がゼロになるように前記可変電源部に対する制御を実行して前記調整電圧を変更する第1調整処理と、
 前記基準電位と前記固定電圧と前記測定対象に流れる前記電流がゼロのときの前記第1調整処理での前記調整電圧とに基づいて、前記第1プローブ群の前記一方のプローブと前記一方の電極との間の第1接触抵抗と、前記第1プローブ群の前記他方のプローブと前記一方の電極との間の第2接触抵抗との比を算出する第1算出処理と、
 前記接続切替部に対する制御を実行して、前記第1プローブ群の前記一方のプローブが前記固定電源部に接続され、前記第1プローブ群の前記他方のプローブが前記演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、かつ前記第2プローブ群の各前記プローブが未接続となる第2接続状態に移行させる第2接続切替処理と、
 前記第2接続状態において、前記固定電源部に対して前記固定電圧を前記第1プローブ群の前記一方のプローブへ出力させると共に、当該第1プローブ群に流れる電流を前記入力電流として前記電流検出部が出力する前記検出電圧に基づいて、当該第1プローブ群に流れる電流を第1電流として測定する第1電流測定処理と、
 前記固定電圧と前記第1電流とに基づいて、前記第1接触抵抗と前記第2接触抵抗の和を算出する第2算出処理と、
 前記第1算出処理で算出した前記比および前記第2算出処理で算出した前記和に基づいて、前記第1接触抵抗と前記第2接触抵抗とを個別に算出する第1抵抗算出処理とを実行する接触抵抗測定装置。
[請求項2]
 前記処理部は、
 前記接続切替部に対する制御を実行して、前記第2プローブ群の前記一方のプローブが前記固定電源部に接続され、前記第2プローブ群の前記他方のプローブが前記可変電源部に接続され、前記第1プローブ群の前記一方のプローブが未接続となり、かつ前記第1プローブ群の前記他方のプローブが前記演算増幅器の前記反転入力端子に接続される第3接続状態に移行させる第3接続切替処理と、
 前記第3接続状態において、前記固定電源部に対して前記固定電圧を前記第2プローブ群の前記一方のプローブへ出力させると共に、前記可変電源部に対して前記調整電圧を前記第2プローブ群の前記他方のプローブへ出力させ、かつ前記測定対象に流れる電流を前記入力電流として前記電流検出部が出力する前記検出電圧に基づいて、当該測定対象に流れる当該電流がゼロになるように前記可変電源部に対する制御を実行して前記調整電圧を変更する第2調整処理と、
 前記基準電位と前記固定電圧と前記測定対象に流れる前記電流がゼロのときの前記第2調整処理での前記調整電圧とに基づいて、前記第2プローブ群の前記一方のプローブと前記他方の電極との間の第3接触抵抗と、前記第2プローブ群の前記他方のプローブと前記他方の電極との間の第4接触抵抗との比を算出する第3算出処理と、
 前記接続切替部に対する制御を実行して、前記第2プローブ群の前記一方のプローブが前記固定電源部に接続され、前記第2プローブ群の前記他方のプローブが前記演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、かつ前記第1プローブ群の各前記プローブが未接続となる第4接続状態に移行させる第4接続切替処理と、
 前記第4接続状態において、前記固定電源部に対して前記固定電圧を前記第2プローブ群の前記一方のプローブへ出力させると共に、当該第2プローブ群に流れる電流を前記入力電流として前記電流検出部が出力する前記検出電圧に基づいて、当該第2プローブ群に流れる電流を第2電流として測定する第2電流測定処理と、
 前記固定電圧と前記第2電流とに基づいて、前記第3接触抵抗と前記第4接触抵抗の和を算出する第4算出処理と、
 前記第3算出処理で算出した前記比および前記第4算出処理で算出した前記和に基づいて、前記第3接触抵抗と前記第4接触抵抗とを個別に算出する第2抵抗算出処理とを実行する請求項1記載の接触抵抗測定装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]