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1. WO2020136735 - FALLING LIQUID FILM TYPE TUBE ICE MACHINE

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明 細 書

発明の名称 流下液膜式チューブアイス製氷機

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036  

産業上の利用可能性

0037  

符号の説明

0038  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 流下液膜式チューブアイス製氷機

技術分野

[0001]
 本開示は、縦型の流下液膜式チューブアイス製氷機に関する。

背景技術

[0002]
 従来、チューブアイス製氷機は、伝熱管を内蔵しシェル側を冷媒で満たした満液式蒸発器を備えている。冷媒を低温で沸騰させることにより、伝熱管内を流れる水を冷却し、伝熱管の内壁に氷を生成させる。ある程度氷の厚みが増加したところで、シェル内に冷媒のホットガスを注入させることにより伝熱管内壁の氷を融解させ、自重により氷を下部に落とし、一定間隔で砕氷することにより、チューブアイスを製造する。特許文献1には、満液式熱交換器を備えた製氷機が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平06-147707号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 満液式蒸発器を備えた製氷機は、ケーシング内に冷媒液を満たすため多量の冷媒量が必要になると共に、冷媒液のヘッドにより深さ方向に圧力分布が生じ、深さが2m程度の満液式蒸発器では、底部の蒸発温度は上部より1℃程度高くなるため、氷厚にムラができるという問題がある。また、冷媒側の熱伝達は核沸騰熱伝達であるため熱伝達率が低くなり、製氷に時間がかかる。さらに、脱氷時にシェル側にホットガスを注入して冷媒を昇温させる場合、低温で過冷却状態になっている大量の冷媒液を氷の融点以上に昇温するのに多量の熱量を必要とすると共に、ホットガスにより昇温しかつ攪拌された冷媒液との対流熱伝達となるため、伝熱管内側にできた氷との熱伝達率が低くなり、脱氷に時間がかかるという問題がある。
[0005]
 一実施形態は、冷媒量を低減し、かつ製氷及び脱氷の高効率化を可能にする製氷機を提案することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 (1)一実施形態に係る流下液膜式チューブアイス製氷機は、
 ケーシングと、
 前記ケーシングの内部に鉛直方向に沿って延在する複数の伝熱管と、
 前記ケーシングの内部空間のうち前記伝熱管の上端部が配置された領域に設けられ、冷媒を貯留するためのヘッダと、
を備え、
 前記伝熱管は、該伝熱管の外面に前記冷媒の液膜が形成されるよう前記ヘッダからの前記冷媒の供給を受けるように構成される。
 ここで、「鉛直方向に沿って延在する」とは、伝熱管表面の液膜が確保される角度以内の傾きをもって延在することを含むものとする。
[0007]
 製氷工程において、冷媒液は伝熱管外面で流下液膜を形成し、伝熱管内側の製氷用水との熱交換で蒸発する。液膜は薄膜で滞留が無いので、蒸発の抵抗が少なく効率良く熱交換が行われる。このように、冷媒液膜と伝熱管の内側を流下する製氷用水とを熱交換させるため、満液式と比べて冷媒量を大幅に低減できる。また、冷媒液膜が伝熱管外面に沿って流下するため、スプレーなどを用いて冷媒液を伝熱管の外面に吹き付ける方式などと比べて均一な液膜を形成できる。また、薄膜による蒸発熱伝達であるため、低熱流束でも高熱伝達率が得られ、満液式と比べて製氷時間を大幅に短縮できる。また、冷媒が伝熱管外面に沿って流下するため、鉛直方向で蒸発温度が一定となり、鉛直方向で氷厚にムラができない。さらに、脱氷工程においては、ケーシング内に保有する冷媒液が少ないため、脱氷用のホットガスの注入により短時間で冷媒液は氷の融点以上の飽和温度に達することができ、ホットガスが凝縮して伝熱管外面の鉛直方向に沿って流下するので凝縮液の滞留が無く、ホットガスの凝縮熱が効率良く氷側に伝わるので、脱氷時間を短縮できる。従って、製氷能力を向上できると共に、ケーシング内に貯留される冷媒液量が少ないため、ケーシング内の冷媒液がミストとして圧縮機へ戻るのを防止できる。
[0008]
 (2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
 前記伝熱管の上端が固定される管板と、
 前記管板の上方に形成された上部製氷用水貯留部と、
 を備え、
 前記ヘッダは、前記管板の下方に形成される。
 上記(2)の構成によれば、上記管板を境に管板の上方に上部製氷用水貯留部を配置し、管板の下方に冷媒貯留ヘッダを配置したので、伝熱管内側への製氷用水の供給と伝熱管外面への冷媒液膜の形成のための構成をコンパクト化できる。
[0009]
 (3)一実施形態では、前記(1)又は(2)の構成において、
 前記冷媒の入口が前記ケーシングの下部に前記内部空間に連通するように設けられ、
 前記内部空間の下部に貯留した冷媒液を前記ヘッダに戻すための冷媒循環路を備える。
 上記(3)の構成によれば、冷媒入口がケーシングの下部に設けられるため、ケーシング内に供給される冷媒液が伝熱管外面に形成された冷媒液膜を破断させないため、該冷媒液膜と伝熱管内面の製氷用水との熱伝達率を高く維持できる。
[0010]
 (4)一実施形態では、前記(1)~(3)の何れかの構成において、
 前記冷媒の出口が前記ケーシングの上部に前記内部空間に連通するように設けられる。
 上記(4)の構成によれば、冷媒出口がケーシングの上部にあり、該内部空間の下部に溜まる冷媒液から離れた位置にあるため、冷媒出口から冷媒ガスのみを排出できる。これによって、冷凍機を構成する圧縮機への液バックを防止できる。
[0011]
 (5)一実施形態では、前記(1)~(4)の何れかの構成において、
 前記内部空間の下部に内部空間高さの1/10以下の液位を有する前記冷媒が貯留される。
 上記(5)の構成によれば、ケーシングの内部空間に内部空間高さの1/10以下の液位を有する冷媒液が貯留されるように運転されるため、少ない冷媒量で製氷が可能になる。また、冷媒液の液位を内部空間高さの1/10以下とすることで、該内部空間の上部にある冷媒出口から冷媒液面を遠ざけることができるため、冷媒出口に至る冷媒に冷媒液が混入しない。従って、圧縮機への液バックを防止できると共に、冷媒を供給する冷凍機において、冷媒出口から圧縮機に至る間に気液を分離するアキュームレータや冷媒液をガス化するための液ガス熱交換器の配置が不要となる。
[0012]
 (6)一実施形態では、前記(1)~(5)の何れかの構成において、
 前記ケーシングの下部に前記内部空間に連通するように形成されたホットガス入口と、
 前記ケーシングの上部に前記内部空間に連通するように形成されたホットガス出口と、
を備える。
 脱氷工程において、伝熱管内面に形成されたチューブアイスを脱氷するためにケーシングの内部空間に上記ホットガス入口からホットガスが供給される。上記(6)の構成によれば、ホットガス入口がケーシングの下部に形成されるため、ホットガスはケーシングの内部空間の下部に溜まった冷媒液中に供給され、冷媒液を激しく攪拌する。これによって、チューブアイスとの熱伝達率を高め、脱氷時間を短縮できる。また、冷媒液面の上方の気相部では伝熱管の外面はホットガスの飽和蒸気に晒される。そのため、伝熱管の外面はホットガスが凝縮しながら流下する凝縮熱伝達となり、従来の満液式製氷機の脱氷工程の2倍程度の熱通過率が得られ、これによって、脱氷時間を短縮できる。
[0013]
 (7)一実施形態では、前記(1)~(6)の何れかの構成において、
 前記複数の伝熱管の下方に設けられ、脱氷時に前記伝熱管の内面から自重で滑り落ちるチューブアイスを切断するためのカッタを備える。
 上記(7)の構成によれば、上記カッタを備えるために、脱氷工程において、伝熱管の内面から自重で滑り落ちるチューブアイスを適宜長さに裁断して利用先に供給できる。
[0014]
 (8)一実施形態では、前記(2)の構成において、
 前記複数の伝熱管の下方に設けられた下部製氷用水貯留部と、
 前記下部製氷用水貯留部と前記上部製氷用水貯留部とを結ぶ水循環路と、
 前記水循環路に設けられ、前記下部製氷用水貯留部に溜まった製氷用水を前記上部製氷用水貯留部に循環するための水循環ポンプと、
 前記下部製氷用水貯留部に溜まった前記製氷用水の液面レベルを検出するレベルセンサと、
 前記レベルセンサの検出値に基づいて前記水循環ポンプの作動を制御する制御部と、
を備える。
 上記(8)の構成によれば、製氷工程において、下部製氷用水貯留部に溜まった製氷用水の液面レベルを所望のレベルに制御できるので、製氷工程を円滑に行うことができる。
[0015]
 (9)一実施形態では、前記(1)~(8)の何れかの構成において、
 前記ヘッダに供給される前記冷媒を生成するための冷凍機を備え、
 前記冷凍機は、
 冷媒回路と、
 前記冷媒回路に設けられ、圧縮機、凝縮器、レシーバ及び膨張弁を含む冷凍サイクル構成機器と、
を備え、
 前記膨張弁を経て減圧された前記冷媒が前記ケーシングに供給されるように構成される。
 上記(9)の構成によれば、上記冷凍機を備えることで、製氷機の冷熱源としての冷媒を製氷機に供給できる。
[0016]
 (10)一実施形態では、前記(9)の構成において、
 前記レシーバの気相部と前記内部空間とに連通するホットガス供給路を備える。
 上記(10)の構成によれば、上記ホットガス供給路を備えることで、脱氷工程においてホットガス(0℃を超える温度の冷媒ガス)をケーシングの内部空間に供給できる。また、上記ホットガス供給路を介してレシーバの気相部からホットガスを供給するとき、ホットガスの供給に伴ってレシーバ内が減圧され、レシーバ内の減圧に伴ってレシーバ内の冷媒液が気化するので、新たに気化した冷媒ガスによりホットガスを補充できる。
[0017]
 (11)一実施形態では、前記(1)~(10)の何れかの構成において、
 前記冷媒は、自然冷媒、HFC冷媒又はHFO冷媒である。
 上記(11)の構成によれば、上記冷媒のうち例えばNH は大きな表面張力を有している。この表面張力により伝熱管周方向で均一な冷媒液膜を形成できる。これによって、製氷用水との熱伝達量を向上できる。

発明の効果

[0018]
 幾つかの実施形態によれば、流下液膜式チューブアイス製氷機において、冷媒量を低減でき、低コスト化できると共に、製氷及び脱氷の高効率化が可能になり、製氷能力を向上できる。また、伝熱管の延在方向で氷厚にムラができず、かつ冷媒を供給する冷凍機の圧縮機への液バックを抑制できる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 一実施形態に係る製氷機の縦断面図である。
[図2] 一実施形態に係る冷凍機の製氷時を示す系統図である。
[図3] 一実施形態に係る冷凍機の脱氷時を示す系統図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
 例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
 例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
 例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
 一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
[0021]
 図1は、一実施形態に係る流下液膜式チューブアイス製氷機10の縦断面図である。製氷機10は、ケーシング12の内部に複数の伝熱管14を備え、伝熱管14は鉛直方向に沿って延在する。ケーシング12の内部空間S (伝熱管14の外側空間)のうち伝熱管14の上端部が配置された領域に冷媒液を貯留するための冷媒ヘッダ16が設けられる。そして、冷媒ヘッダ16から供給される冷媒液によって伝熱管14の外面に冷媒液膜が形成されるように構成されている。伝熱管14の外面に形成された冷媒液膜は、伝熱管外面を伝って下方に流下する。
 伝熱管14の上端開口から伝熱管14の内側に製氷用水Wiが供給され、この製氷用水Wiは伝熱管14の外面に形成された冷媒液膜によって冷却され、伝熱管14の内面に円筒形状のチューブアイスTiを形成する。
[0022]
 なお、ここで言う「冷媒」とは、相変化して伝熱管14の内面を伝って流下する製氷用水Wiを蒸発潜熱により冷却し、製氷するものである。
[0023]
 チューブアイスTiが所定の厚さになるまで、伝熱管外面への冷媒液膜の形成及び伝熱管内側への製氷用水Wiの供給は連続して行われる。チューブアイスTiが所定の厚さになったとき、製氷工程から脱氷工程に切り替わる。脱氷工程では、ホットガス(0℃を超える冷媒ガス)がケーシング12の内部空間S に供給され、ホットガスから伝熱管14に伝わる熱によりチューブアイスTiは伝熱管14の内面から剥離し、自重によって下方へ滑り落ちる。
[0024]
 上記構成によれば、製氷工程において、冷媒液は伝熱管外面で流下液膜を形成し、伝熱管内側の製氷用水Wiとの熱交換で蒸発する。液膜は薄膜で滞留が無いので、蒸発の抵抗が少なく効率良く熱交換が行われる。このように、冷媒液膜と伝熱管内側の製氷用水Wiとを熱交換させるため、ケーシング12の内部に冷媒液を貯留する満液式熱交換器と比べて、冷媒量を大幅に低減できる。また、冷媒液膜が伝熱管外面に沿って流下するため、スプレーなどを用いて冷媒液を伝熱管に吹き付ける方式と比べて伝熱管14の外周面に均一な液膜を形成でき、これによって、熱伝達率を向上できる。また、相変化する冷媒の場合には薄膜による蒸発熱伝達であるため、低熱流束でも高熱伝達率が得られ、満液式と比べて製氷時間を大幅に短縮できる。また、冷媒が伝熱管外面に沿って流下するため、鉛直方向で蒸発温度が一定となり、従って、鉛直方向で氷厚にムラができない。さらに、脱氷工程において、ケーシング12内に保有する冷媒液が少ないため、脱氷用のホットガスの注入により短時間で冷媒液は氷の融点以上の飽和温度に達することができ、かつホットガスが凝縮して伝熱管外面の鉛直方向に沿って流下するので凝縮液の滞留が無く、ホットガスの凝縮熱が効率良く氷側に伝わるので、脱氷時間を短縮できる。従って、製氷能力を向上できると共に、後述するように、製氷機10に冷媒を供給する冷凍機60を構成する圧縮機64(図2及び図3参照)への液バックを抑制できる。
[0025]
 一実施形態では、図2及び図3に示すように、冷凍機60を備える。冷凍機60は、冷媒が循環する冷媒回路62に圧縮機64、凝縮器66、レシーバ68及び膨張弁70を含む冷凍サイクル構成機器を備える。
 図2は製氷工程を示し、図3は脱氷工程を示す。製氷工程において、圧縮機64から吐出された冷媒ガスは、凝縮器66で冷却されて冷媒液となり、レシーバ68に送られる。この冷媒液rはレシーバ68に貯留され、冷媒液rは膨張弁70を経て減圧され、製氷機10のケーシング12に供給される。
 この実施形態によれば、冷凍機60を備えることで、製氷機10の冷熱源としての冷媒を製氷機10に供給できる。
[0026]
 一実施形態では、図1に示すように、ケーシング12の上部に管板18が設けられ、管板18に伝熱管14の上端が固定される。管板18の上方には上部製氷用水貯留部20が設けられ、管板18の下方に冷媒ヘッダ16が設けられる。このように、管板18を境に管板18の上方に上部製氷用水貯留部20を配置し、管板18の下方に冷媒ヘッダ16を配置する。
 一実施形態では、上部製氷用水貯留部20は内部に製氷用水Wiを貯留可能な中空容器で構成され、底面は管板18によって構成され、該底面に伝熱管14の上端が開口している。また、冷媒ヘッダ16の底面は水平方向に沿って配置された底壁18aで構成され、底壁18aと伝熱管14の外周面との間に冷媒液膜を流下させるための環状隙間(不図示)が形成される。また、冷媒ヘッダ16の上面は管板18で構成される。
[0027]
 一実施形態では、図1に示すように、冷媒入口管22が下部内部空間S に連通するようにケーシング12の下部に設けられ、内部空間S の下部に貯留した冷媒液rを冷媒ヘッダ16に戻すための冷媒循環管24を備える。冷媒液rが冷媒入口管22から内部空間S に供給され、内部空間S の下部に貯留した冷媒液rは、冷媒循環管24に設けられた冷媒循環ポンプ26によって冷媒ヘッダ16に送られる。このように、冷媒循環管24を通して冷媒を循環させることで、チューブアイスTiを所定の厚さに形成できる。
 この実施形態によれば、冷媒入口管22が内部空間S の下部に設けられるため、内部空間S に供給される冷媒液rが伝熱管外面に形成された冷媒液膜を破断させない。従って、該冷媒液膜と伝熱管内面の製氷用水Wiとの熱伝達率を高く維持できる。
[0028]
 一実施形態では、ケーシング12の下部に内部空間S に連通するように冷媒出口管28が設けられ、ケーシング12の上部には冷媒ヘッダ16に連通するように冷媒入口管30が設けられる。ケーシング12の下部で内部空間S に貯留した冷媒液rは、冷媒循環ポンプ26によって冷媒出口管28から冷媒循環管24を介し冷媒入口管30から冷媒ヘッダ16に送られる。
[0029]
 一実施形態では、製氷用水Wiとの熱交換で気化した冷媒ガスが排出される冷媒出口管32がケーシング12の上部に内部空間S に連通するように設けられる。この実施形態によれば、冷媒出口管32が内部空間S の上部にあり、内部空間S の下部に溜まる冷媒液rから離れた位置にあり、伝熱管14に沿って冷媒液は液膜を形成するため、冷媒出口管32から冷媒ガスのみを排出できる。これによって、圧縮機64への液バックを防止できる。
[0030]
 一実施形態では、製氷工程において、冷媒液の液位が内部空間S の垂直方向(高さ)の1/10程度の液位(図1中のH)を形成するように運転する。これによって、少ない冷媒量で製氷が可能になる。また、冷媒液の液位Hを垂直方向(高さ)の1/10程度とすることで、内部空間S の上部にある冷媒入口管22から冷媒液面を遠ざけることができるため、冷媒入口管22から排出される冷媒に冷媒液が混入しない。従って、圧縮機64への液バックを防止できると共に、冷媒を供給する冷凍機60において、冷媒出口管32から圧縮機64に至る冷媒回路62に、気液を分離するアキュームレータや冷媒液をガス化させる液ガス熱交換器の配置が不要となる。
 一実施形態では、ケーシング12の下部に管板36が設けられ、内部空間S は、管板36を底面として、冷媒液rを貯留可能になっている。
[0031]
 一実施形態では、内部空間S の下部に形成されたホットガス入口管34と、内部空間S の上部に形成されたホットガス出口管32と、を備える。脱氷工程において、伝熱管内面に形成されたチューブアイスTiを脱氷するために、冷凍機60から内部空間S にホットガスが供給される。
 この実施形態によれば、ホットガス入口管34が内部空間S の下部に形成されるため、ホットガスは内部空間S の下部に溜まった冷媒液中に供給され、冷媒液を激しく攪拌する。これによって、該冷媒液とチューブアイスTiとの熱伝達率を高め、脱氷時間を短縮できる。また、冷媒液面の上方の気相部では、伝熱管14の外面はホットガスの飽和蒸気に晒される。そのため、伝熱管14の外面はホットガスが凝縮しながら流下する凝縮熱伝達となり、従来の満液式製氷機の脱氷工程の2倍程度の熱通過率が得られるため、脱氷時間を短縮できる。
 図1に示す実施形態では、ホットガス出口管32は冷媒出口管と兼用される。
[0032]
 一実施形態では、図1に示すように、複数の伝熱管14の下方にカッタ38を備える。脱氷工程において、伝熱管14の内面から自重で滑り落ちるチューブアイスTiを適宜長さに裁断して利用先に供給できる。
 一実施形態では、カッタ38は複数の伝熱管14の下方に設けられた下部製氷用水貯留部42の内部に設けられる。下部製氷用水貯留部42は中空容器で構成され、内部に製氷用水Wiを貯留可能になっている。
 一実施形態では、カッタ38は回転軸38aを中心に回転可能に構成され、駆動部(例えばモータ)40によって回転される。脱氷時に伝熱管14から滑り落ちるチューブアイスTiの落下速度に合わせて、駆動部40によるカッタ38の回転速度を適宜制御することで、裁断されるチューブアイスTiの長さを調整できる。
[0033]
 一実施形態では、図1に示すように、下部製氷用水貯留部42と上部製氷用水貯留部20とを結ぶ水循環管44を備え、水循環管44には、下部製氷用水貯留部42に溜まった製氷用水Wiを上部製氷用水貯留部20に循環するための水循環ポンプ46が設けられている。また、下部製氷用水貯留部42に溜まった製氷用水Wiの液面レベルを検出するレベルセンサ48が設けられ、制御部50は、レベルセンサ48の検出値に基づいて水循環ポンプ46の作動を制御する。
 この実施形態によれば、製氷工程において、伝熱管14の内部に供給される製氷用水Wiを水循環管44を介して伝熱管14に循環させることで、チューブアイスTiを所定の厚さに形成できる。また、下部製氷用水貯留部42に溜まった製氷用水Wiの液面レベルを所望のレベルに制御できるので、製氷工程を円滑に行うことができる。
 一実施形態では、上部製氷用水貯留部20及び下部製氷用水貯留部42の製氷用水Wiが不足してきたら、上部製氷用水貯留部20又は下部製氷用水貯留部42に補給水を注入可能な構成とする。製氷工程でチューブアイスTi製造が完了した後に、製氷用水Wiの循環を停止する。
[0034]
 一実施形態では、下部製氷用水貯留部42の内部にメッシュ状の開口を有する底板52を備える。下部製氷用水貯留部42の内部空間は、底板52によって、チューブアイスTiの出口開口54を含む上部領域と、水循環管44と連通する出口開口を含む下部領域とに仕切られる。これによって、カッタ38で切断されたチューブアイスTiと、脱氷工程で一部融解した水分とは底板52で分離され、チューブアイスTiのみ出口開口54から下部製氷用水貯留部42の外側へ排出できる。上記下部領域に流下した製氷用水Wiは、水循環管44を介して上部製氷用水貯留部20に戻される。
[0035]
 一実施形態では、レシーバ68の気相部と内部空間S とに連通するホットガス供給路72を備える。この実施形態によれば、ホットガス供給路72を備えることで、脱氷工程においてホットガスを内部空間S に供給できる。この工程では凝縮器66の冷却運転は行わないため、レシーバ気相部は高温に維持されている。また、ホットガス供給路72を介してレシーバ68の気相部からホットガスを供給するとき、ホットガスの供給に伴ってレシーバ72内が減圧され、レシーバ内の減圧に伴ってレシーバ内の冷媒液が気化するので、気化した冷媒ガスによりホットガスを補充できる。
[0036]
 一実施形態では、冷媒として自然冷媒(例えば、NH 、CO 、プロパン、イソブタン等)、HFC冷媒(例えば、R134a、R32、R404A、R410A等)、又はHFO冷媒(例えば、R1234yfなど)が用いられる。
 この実施形態によれば、上記冷媒のうち例えばNH は大きな表面張力を有する。この表面張力は冷媒液膜が伝熱管14の周方向へ回り込むように作用するので、伝熱管周方向で均一な冷媒液膜を形成できる。これによって、製氷用水Wiとの熱伝達量を向上できる。

産業上の利用可能性

[0037]
 幾つかの実施形態によれば、冷媒量を低減して装置をコンパクト化でき、かつ製氷及び脱氷の高効率化を可能にする流下液膜式製氷機を実現できる。

符号の説明

[0038]
 10  製氷機
 12  ケーシング
 14  伝熱管
 16  冷媒ヘッダ
 18、36  管板
 20  上部製氷用水貯留部
 22、30  冷媒入口管
 24  冷媒循環管
 26  冷媒循環ポンプ
 28  冷媒出口管
 32  冷媒出口管兼ホットガス出口管
 34  ホットガス入口管
 38  カッタ
  38a  回転軸
 40  駆動部
 42  下部製氷用水貯留部
 44  水循環管
 46  水循環ポンプ
 48  レベルセンサ
 50  制御部
 52  底板
 54  出口開口
 60  冷凍機
 62  冷媒回路
 64  圧縮機
 66  凝縮器
 68  レシーバ
 70  膨張弁
 72  ホットガス供給路
 H   冷媒液位
 S    内部空間
 Ti  チューブアイス
 Wi  製氷用水
 r   冷媒液

請求の範囲

[請求項1]
 ケーシングと、
 前記ケーシングの内部に鉛直方向に沿って延在する複数の伝熱管と、
 前記伝熱管の外面側で前記ケーシングの内部空間のうち前記伝熱管の上端部が配置された領域に設けられ、冷媒を貯留するためのヘッダと、
を備え、
 前記伝熱管は、該伝熱管の外面に前記冷媒の液膜が形成されるよう前記ヘッダから前記冷媒の供給を受けるように構成されたことを特徴とする流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項2]
 前記伝熱管の上端が固定される管板と、
 前記管板の上方に形成された上部製氷用水貯留部と、
 を備え、
 前記ヘッダは、前記管板の下方に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項3]
 前記冷媒の入口が前記ケーシングの下部に前記内部空間に連通するように設けられ、
 前記内部空間の下部に貯留した冷媒液を前記ヘッダに戻すための冷媒循環路を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項4]
 前記冷媒の出口が前記ケーシングの上部に前記内部空間に連通するように設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項5]
 前記内部空間の下部に内部空間高さの1/10以下の液位を有する前記冷媒が貯留されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項6]
 前記ケーシングの下部に前記内部空間に連通するように形成されたホットガス入口と、
 前記ケーシングの上部に前記内部空間に連通するように形成されたホットガス出口と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項7]
 前記複数の伝熱管の下方に設けられ、脱氷時に前記伝熱管の内面から自重で滑り落ちるチューブアイスを切断するためのカッタを備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項8]
 前記複数の伝熱管の下方に設けられた下部製氷用水貯留部と、
 前記下部製氷用水貯留部と前記上部製氷用水貯留部とを結ぶ水循環路と、
 前記水循環路に設けられ、前記下部製氷用水貯留部に溜まった製氷用水を前記上部製氷用水貯留部に循環するための水循環ポンプと、
 前記下部製氷用水貯留部に溜まった前記製氷用水の液面レベルを検出するレベルセンサと、
 前記レベルセンサの検出値に基づいて前記水循環ポンプの作動を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項9]
 前記ヘッダに供給される前記冷媒を生成するための冷凍機を備え、
 前記冷凍機は、
 冷媒回路と、
 前記冷媒回路に設けられ、圧縮機、凝縮器、レシーバ及び膨張弁を含む冷凍サイクル構成機器と、
を備え、
 前記膨張弁を経て減圧された前記冷媒が前記ケーシングに供給されるように構成されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項10]
 前記レシーバの気相部と前記内部空間とに連通するホットガス供給路を備えることを特徴とする請求項9に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。
[請求項11]
 前記冷媒は、自然冷媒、HFC冷媒又はHFO冷媒であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の流下液膜式チューブアイス製氷機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]