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1. WO2014175391 - METAL PLATE MOLDING METHOD AND MOLDING DEVICE

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明 細 書

発明の名称 金属板材の成形方法及び成形装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 金属板材の成形方法及び成形装置

技術分野

[0001]
 この発明は、ダイとパンチとを有する成形型を用いて金属板材に張出し部を成形する金属板材の成形方法及び成形装置に関する。

背景技術

[0002]
 燃料電池用セパレータを構成する金属板材には、複数の襞状の張出し部が形成されている。隣接する張出し部間には、水素や酸素等のガスや生成水を流すための流路が形成されている。燃料電池用セパレータを製造する場合、ダイとパンチとを有する成形型を用いたプレス成形により張出し部を形成することが一般的である。しかしながら、張出し部の成形時には、材料の延びが部分的に異なるため、成形品に反りやうねりが発生し易い。特に、金属材料を圧延して張出し部を成形する場合、材料内部の周長の伸びが大きくなり、反りやうねりが生じ易い。
[0003]
 この問題を解消するため、特許文献1~特許文献3に開示の方法が提案されている。
 特許文献1は、塑性加工された金属板材の凹凸部分に細密な圧痕を形成したセパレータを開示する。このセパレータでは、張出し部の成形に起因してセパレータの表裏で伸び量が異なる。このため、セパレータの表裏で残留応力も異なり、セパレータに反りやうねりを生じ易い。この点、この文献に開示の発明によれば、細密な圧痕の形成によって、セパレータの反りやうねりが抑制される。
[0004]
 特許文献2は、金属板材の中央に複数の張出し部を成形し、金属板材の外周縁部にリブを形成したセパレータを開示する。このセパレータでは、リブによって金属板材の周縁部の剛性が高められることで、張出し部の成形による反りが抑制される。
[0005]
 特許文献3に開示の成型方法では、まず、第1工程で、金属板材の中央に複数のガス流路用の張出し部を成形する。次に、第2工程で、張出し部の長手方向と平行な金属板材の周辺部を固定する。そして、張出し部の長手方向と直交する周辺部のみを、張出し部の圧延方向と同方向に引っ張る。この方法によれば、第2工程で金属板材を引き伸ばすことで、第1工程での圧延により生じた歪みを是正することができる。
[0006]
 しかしながら、特許文献1に開示のセパレータでは、細密な圧痕の形成が困難である。また、圧痕による凹凸に起因して平面度が低下する。また、圧痕が亀裂の起点となり、疲労破損の可能性が高くなる。
[0007]
 特許文献2に開示のセパレータでは、金属板材の外周縁部にリブを形成する必要がある。このため、設計の自由度が低下する。また、リブの成形と共に、別の反りも発生する虞がある。また、リブの形成により金属板材の外周縁の強度が高くなる。よって、周長の伸びが金属板材の中央に集中して、うねりが生じ易くなる。
[0008]
 特許文献3に開示の成形方法では、金属板材の周辺部を引き伸ばして周長の伸びを緩和する。しかしながら、この方法によれば、周辺部の引き伸ばしに伴い、張出し部を形成した金属板材の中央付近にも伸びが生じる。このため、寸法精度が低下する。また、金属板材の周辺部に残留応力が生じるため、反りも発生し易い。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2000-138065号公報
特許文献2 : 特開2002-175818号公報
特許文献3 : 特開2003-249241号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
 この発明の目的は、金属板材に発生する反りやうねりを抑えて張出し部を成形することのできる金属板材の成形方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0011]
 上記課題を解決するため、本発明の第一の態様によれば、ダイとパンチとを有する成形型を用いて、複数の工程により、金属板材に複数の張出し部を成形する成形方法が提供される。この方法では、後工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチを、前工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより狭くする。
[0012]
 上記課題を解決するため、本発明の第二の態様によれば、ダイとパンチとを有する成形型を用いて、金属板材に張出し部を成形する成形装置が提供される。この装置では、後工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチが、前工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより狭く設定されている。
[0013]

 後工程で成形型による圧延により張出し部を成形する際、張出し部の材料が周長に沿って伸びることがある。その点、この成形方法によれば、張出し部の材料の周長に沿った伸びを、成形型の配列ピッチを小さくすることにより補正することができる。よって、張出し部の成形により生じる反りやうねりを抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 本発明の一実施形態に係る金属板材の成形方法により成形された成形品を示す斜視図。
[図2] 図1の2-2線に沿った部分断面図。
[図3] 成形方法の第1工程を示す部分断面図。
[図4] (a)及び(b)は第1工程の成形過程を順に示す部分断面図。
[図5] 成形方法の第2工程を示す部分断面図。
[図6] (a)及び(b)は第2工程の成形過程を順に示す部分断面図。
[図7] 成形方法の第3工程を示す部分断面図。
[図8] (a)及び(b)は第3工程の成形過程を順に示す部分断面図。
[図9] 第1~第3工程の成形型のパンチを示す部分断面図。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本発明に係る金属板材の成形方法を燃料電池用セパレータの製造に採用した一実施形態について図1~図9に従って説明する。
 図1及び図2に示すように、燃料電池用のセパレータとなる金属板材21の両面には、複数の張出し部22が形成されている。複数の張出し部22は、襞状にかつ等間隔を空けて成形されている。金属板材21の材質として、耐腐食性に優れた材料、例えば、チタン,チタン合金やステンレススチールが用いられる。この実施形態では、チタンが用いられる。
[0016]
 図3に示すように、成形加工前のフラットな金属板材21の厚さα1は、全体的に均一である。厚さα1は、0.06~0.20mmの範囲内であり、この実施形態では、0.10mmである。図2に示すように、成形加工後の金属板材21の厚さαは、全体的に均一である。厚さαは、0.04~0.18mmの範囲内であり、この実施形態では、0.08mmである。張出し部22の配列ピッチρは、0.50~2.00mmの範囲内であって、この実施形態では1.30mmである。張出し部22の底面と頂面との間の高さβは0.40~0.80mmの範囲内であって、この実施形態では0.60mmである。
[0017]
 図2に示すように、各張出し部22は、頂部221と、頂部221の両側に傾斜した側壁部222とを備えている。張出し部22の断面は、ほぼ台形状である。各張出し部22は、隣接する他の張出し部22と上下逆の形状を有している。下向きの張出し部22の場合、頂部221は底部である。この底部も頂部221として、以下に説明する。頂部221は、幅方向の中央に平坦部223と、幅方向の両端に湾曲部224とを備えている。湾曲部224は、円弧に沿って延びている。湾曲部224の内面側の曲率半径δは、0.08~0.15mmの範囲内であって、この実施形態では、0.10mmである。平坦部223に対する側壁部222の角度θは、10~30度の範囲内であって、この実施形態では15度である。
[0018]
 金属板材21に対する張出し部22の成形は、図3及び図9に示す第1成形型23を用いた第1工程と、図5及び図9に示す第2成形型24を用いた後工程の第2工程と、図7及び図9に示す第3成形型31を用いた後工程の第3工程とにより行われる。
[0019]
 図3に示すように、第1工程で用いられる第1成形型23は、ダイ25と、ダイ25に対して接離可能なパンチ26とからなる。凹部251及び凸部252は、ダイ25の上面に等間隔を空けて交互に形成されている。凸部261及び凹部262は、パンチ26の下面に等間隔を空けて交互に形成されている。凸部261及び凹部262は、凹部251及び凸部252とそれぞれ対応するように配置されている。
[0020]
 図3及び図9に示すように、凹部251及び凸部252,凸部261及び凹部262の各配列ピッチρ1は、張出し部22の配列ピッチρよりやや狭い。凹部251,262の深さ、即ち、凸部252,凸部261の高さβ1は、図2に示す張出し部22の高さβから金属板材21の厚さを減じた値より小さい。凸部252,261の先端は、断面円弧状に形成されている。凹部251及び凹部262の断面は、楕円形である。
[0021]
 図5及び図6に示すように、第2工程で用いられる第2成形型24は、ダイ28と、ダイ28に対して接離可能なパンチ29とからなる。凹部281及び凸部282は、ダイ28の上面に等間隔を空けて交互に形成されている。凸部291及び凹部292は、パンチ29の下面に等間隔を空けて交互に形成されている。凹部281、凸部282、凸部291及び凹部292はいずれも、断面台形状を有している。凸部291及び凹部292は、凹部281及び凸部282とそれぞれ対応するように配置されている。凹部281,292の形状は、張出し部22の外面の形状と近似している。凸部282,291の形状は、張出し部22の内面の形状と近似している。凹部281,292の両端の曲率半径δ3は、張出し部22の外面側両端の曲率半径δよりわずかに小さい。また、凹部281,292の配列ピッチρ2、即ち、凸部282,291の配列ピッチρ2は、図3に示す第1成形型23の配列ピッチρ1よりやや狭い。
[0022]
 図7及び図8に示すように、第3工程で用いられる第3成形型31は、ダイ32と、ダイ32に対して接離可能なパンチ33とからなる。凹部321及び凸部322は、ダイ32の上面に等間隔を空けて交互に形成されている。凸部331及び凹部332は、パンチ33の下面に等間隔を空けて交互に形成されている。凹部321、凸部322、凸部331及び凹部332はいずれも、断面台形状を有している。凸部331及び凹部332は、凹部321及び凸部322とそれぞれ対応するように配置されている。凹部321,332及び凸部322,331の配列ピッチρ3は、第2成形型24の配列ピッチρ2よりやや広く、第1成形型23の配列ピッチρ1よりやや狭い。図6(b)及び図8(b)に示すように、第3成形型31のダイ32及びパンチ33における凹部321,332及び凸部322,331の側壁面の傾斜角度θ3は、第2成形型24の傾斜角度θ1よりも小さい。第3成形型31のその他の寸法は、第2成形型24のそれとほぼ同じである。パンチ33の下死点位置では、ダイ32及びパンチ33の凸部322,331の側壁面間の隙間は、第2成形型24のそれよりやや狭くなっている。
[0023]
 次に、この実施形態の成形方法を説明する。まず、この成形方法における第1工程について説明する。
 図3に示すように、第1工程において、第1成形型23のダイ25上に、厚さ0.10mmの金属板材21がフラットな状態でセットされる。この状態で、図4(a)及び図4(b)に示すように、パンチ26がダイ25に接近する。すると、パンチ26の凸部261及び凹部262とダイ25の凹部251及び凸部252との間で、金属板材21が裏面と表面とが所定の間隔を空けて交互に張り出される。こうして、波形状の初期張出し部27が成形される。この成形時には、初期張出し部27の頂部271がパンチ26及びダイ25の凸部261,252により押圧されて、初期張出し部27の両側に側壁部272が形成される。パンチ26の下死点位置では、ダイ25及びパンチ26の凹部251,262の内底部は、金属板材21を圧延しない程度に軽く当接するか、或いは当接しなくてもよい。
[0024]
 このとき、図4(b)から明らかなように、第1成形型23の凸部261,252の曲率半径は、凹部262,251の曲率半径より小さい。このため、側壁部272と凹部262,251の内側面との間には、空間265,255がそれぞれ形成される。空間255,265は、必ずしも形成される必要はない。パンチ26及びダイ25は金属板材21の全面に当接してもよいが、この場合、金属板材21を圧延しない程度に軽く当接させる必要がある。このため、図4(b)の矢印で示すように、頂部271の部分が引き延ばされると共に、頂部271の材料が側壁部272に移動する。その結果、頂部271は0.09mm程度までに薄くなる。
[0025]
 図5に示すように、第2工程において、第2成形型24のダイ28上に、初期張出し部27を有する金属板材21がセットされる。この状態で、パンチ29がダイ28に接近する。すると、図6(a)に示すように、パンチ29及びダイ28の凸部291,282により、初期張出し部27の頂部271が、ダイ28及びパンチ29の凹部281,292に向けて押圧される。このため、初期張出し部27が更に絞られて、引き延ばされる。この場合、成形加工開始時のフラットな状態からの金属板材21の引き延ばし量は、最大40%であり、好ましくは、20%以下である。
[0026]
 その後、図6(b)に示すように、パンチ29及びダイ28における凸部291,282の側壁面と、ダイ28及びパンチ29における凹部281,292の側壁面とにより、初期張出し部27の側壁部272が圧延される。このため、側壁部272の厚さは0.08mm強にまで薄くなり、張出し部22が成形される。このとき、凸部291,282と凹部281,292との間には、張出し部27の頂部271が配置される。この状態で、張出し部27の頂部271は、凸部291,282の先端面と凹部281,292の内面とに当接している。しかしながら、頂部271には、凸部291,282と凹部281,292とによる力がほとんど作用しない。このため、頂部271の厚さは減少しない。
[0027]
 また、この状態で、金属板材21の剛性に基づいて、凸部291,282の基端と金属板材21との間、及び凸部291,282の先端中央と張出し部27の頂部271との間には、空間276,275がそれぞれ形成される。空間275,276は、必ずしも形成される必要はない。つまり、パンチ29及びダイ28を金属板材21の全面に当接させてもよいが、金属板材21が変形しない程度に軽く当接させる必要がある。また、圧延によって側壁部272の厚さが減少すると、図6(b)の矢印で示すように、側壁部272の材料が張出し部22の頂部271に移動する。その結果、図6(a)に示す段階で絞り加工により減少した頂部271の厚さは、側壁部272からの材料移動によって補われる。この場合、側壁部272から頂部271への材料の移動は、空間275,276によって円滑に行なわれる。図6(b)の矢印で示すように、初期張出し部27の側壁部272の材料が頂部271に移動することで、張出し部22の頂部221及び側壁部222は、それらの厚さが0.08強mmに均一化するように成形される。
[0028]
 以上のように、金属板材21に張出し部22が交互に形成されると共に、金属板材21が所定の厚さにまで薄く成形される。第1工程では、金属板材21の引き延ばしによる薄肉化と成形とが行なわれる。第2工程では、金属板材21の圧延による材料移動によって薄肉化と成形とが行なわれる。
[0029]
 図7に示すように、第3工程において、第3成形型31のダイ32上に、張出し部22を有する金属板材21がセットされる。この状態で、パンチ33がダイ32に接近する。すると、図8(a)及び図8(b)に示すように、パンチ33及びダイ32における凸部331,322の側壁面と、ダイ32及びパンチ33における凹部321,332の側壁面とにより、張出し部22の側壁部222が圧延されると共に起立するように整形される。これにより、張出し部22の側壁部222の傾斜角度θ3が小さくなると共に、張出し部22の頂部221が幅方向に拡げられる。
[0030]
 このとき、金属板材21の剛性に基づき、凸部331,322の基端と金属板材21との間、及び凸部331,322の先端中央と張出し部22の頂部221との間には、空間276,275がそれぞれ形成される。空間275,276は、必ずしも形成される必要はない。つまり、パンチ33及びダイ32を金属板材21の全面に当接させてもよいが、金属板材21が変形しない程度に軽く当接させる必要がある。また、圧延によって側壁部222の厚さが減少すると、側壁部222の材料が張出し部22の頂部221に移動する。その結果、図8(a)に示す段階で頂部221が幅方向に拡げられて減少した頂部221の厚さは、側壁部222からの材料移動によって補われる。従って、頂部221の厚さが極端に薄くなることはない。しかも、頂部221が引き延ばされることもほとんどない。よって、張出し部22の厚さは0.08mmに均一化される。この場合も、第2工程と同様に、側壁部222から頂部221への材料の移動は、空間275,276によって円滑に行なわれる。
[0031]
 第1~第3工程において、第2成形型24のパンチ29における凸部291及び凹部292の配列ピッチρ2が、第1成形型23のパンチ26における凸部261及び凹部262の配列ピッチρ1よりも狭い。図示しないが、第2成形型24のダイ28における凹部281及び凸部282の配列ピッチρ2も、第1成形型23のダイ25における凹部251及び凸部252の配列ピッチρ1よりも狭い。
[0032]
 第2工程では、第2成形型24により、初期張出し部27の側壁部272が圧延されて、初期張出し部27の材料が周長に沿って伸びる。しかしながら、初期張出し部27の伸び量は、ダイ28及びパンチ29における凹部281,292及び凸部282,291の配列ピッチρ2を狭くすることによって補正される。つまり、第2工程での初期張出し部27の伸び量を見込んで、配列ピッチρ2を狭くした凹部281,292及び凸部282,291により、初期張出し部27の側壁部272が圧延される。これにより、張出し部22の反りやうねりが抑制される。
[0033]
 第3工程では、第3成形型31が用いられる。第3成形型31のダイ32及びパンチ33における凹部321,332及び凸部322,331の配列ピッチρ3は、第2成形型24のダイ28及びパンチ29における凹部281,292及び凸部282,291の配列ピッチρ2より広い。また、第3成形型31のダイ32及びパンチ33における凹部321,332及び凸部322,331の配列ピッチρ3は、第1成形型23のダイ25及びパンチ26における凹部251,262及び凸部252,261の配列ピッチρ1より狭い。
[0034]
 第3工程では、ダイ32及びパンチ33により、張出し部22の側壁部222がほとんど圧延されることなく、起立するように整形される。このため、張出し部22の材料が周長に沿って大きくは伸びない。このため、第3成形型31の配列ピッチρ3を第2成形型24の配列ピッチρ2と第1成形型23の配列ピッチρ1との間の値に設定することで、張出し部22の最終的な配列ピッチが第1成形型23の配列ピッチρ1に近づけられる
 従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
[0035]
 (1)第1工程では、第1成形型23により、金属板材21に初期張出し部27を形成し、初期張出し部27の頂部271を他の部分よりも薄くする。第2工程及び第3工程では、第2成形型24により、初期張出し部27の側壁部272を圧延して、張出し部22を成形する。
[0036]
 第2工程及び第3工程において、第2成形型24及び第3成形型31により、初期張出し部27の側壁部272が圧延されるとき、側壁部272の材料が頂部271に移動する。このように、金属板材21の張出し部22の引き延ばし成形が、初期の張出し部27の成形を除いて、圧延によって達成される。言い換えれば、引き延ばし成形は第1工程で行なわれ、他の工程では圧延工程が行われる。よって、引き延ばし成形の割合が少なくなるため、金属板材21の破断を防止することができる。従って、張出し部22が高くても、或いは頂部271の幅が広くても、金属板材21を破断せずに成形することができる。尚、燃料電池のセパレータとしては、張出し部22が高く、頂部271の幅が広い方が、冷却水やガス等を案内する機能に優れている。
[0037]
 (2)金属板材21の引き延ばし成形は、第1工程だけで行われる。第2工程以降、金属板材21の薄肉化は、金属板材21を圧延して実行される。このため、金属板材21の破断を防止することができる。しかも、第1工程では、金属板材21が全長の20%しか引き延ばされない。また、第2工程の圧延では、引き延ばされた部分に材料を移動させるため、金属板材21の破断を更に防止することができる。従来工法によれば、ピンホールやクラック等の破断発生による不良率は10~20%であったが、この実施形態の工法によれば、不良率が0.02%にまで低下した。
[0038]
 (3)引き延ばされた張出し部27の頂部271には、圧延された側壁部272の材料が供給される。このため、引き延ばされた頂部271に材料を戻すことができ、張出し部22を均一な厚さに成形することができる。このため、応力の集中が緩和され、成形品の強度分布や応力分布のバランスが良くなる。よって、破断強度を高めることができ、成形品の反りや歪みが抑制される。従って、高精度な成形品を製造することができる。
[0039]
 (4)金属板材21の両面には、複数の張出し部22が襞状に形成されている。この成形品を燃料電池用セパレータとして用いた場合、張出し部22によって、セパレータの両面にガス流路を形成することができる。
[0040]
 (5)第3工程では、第3成形型31により、張出し部22の側壁部222が起立するように整形される。この成形品を燃料電池用セパレータとして用いた場合、張出し部22の側壁部222が起立しているため、セパレータ上に形成されるガス流路の断面積を拡張することができる。
[0041]
 (6)第3工程では、第3成形型31により、張出し部22の頂部221が拡げられる。この場合、張出し部22の頂部221が拡げられるため、他の接合プレートとの接合面積が大きくなり、セパレータ間の接合強度を高めることができる。これにより、セパレータと、セパレータの内側に設けられる発電部材との面圧が分散される。よって、発電部材が破断し難くなる。また、セパレータ上に設けられるガスや冷却水等の流路の断面積が拡張されるため、発電効率も向上する。
[0042]
 (7)第2成形型24のダイ28及びパンチ29における凹部281,292及び凸部282,291の配列ピッチρ2は、第1成形型23のダイ25及びパンチ26における凹部251,262及び凸部252,261の配列ピッチρ1より狭い。このように、第2成形型24の配列ピッチρ2を小さくすることによって、第2工程での側壁部272の圧延による材料の周長に沿った伸びを補正することができる。これにより、成形品の反りやうねりを抑制することができる。
[0043]
 (8)第3成形型31のダイ32及びパンチ33における凹部321,332及び凸部322,331の配列ピッチρ3は、第2成形型24の配列ピッチρ2よりも広く、第1成形型23のダイ25及びパンチ26における凹部251,262及び凸部252,261の配列ピッチρ1よりも狭い。このため、第2工程での金属板材21の延びを見込んで金属板材21を成形することができる。よって、製品の寸法精度が向上する。
[0044]
 上記実施形態を、次のように変更してもよい。
 ・金属板材21を、燃料電池のセパレータ以外の他の用途、例えば、放熱板の用途に用いてもよい。
[0045]
 ・第3工程後に、第4工程又は更に次の工程を実行してもよい。第4工程以降の工程では、張出し部22の側壁部222を更に起立させたり、所要箇所に孔を開けたりしてもよい。
[0046]
 ・第1工程の前に、別工程を設けてもよい。別工程は、例えば、研磨工程や孔開け工程等であってもよい。
 ・単一の張出し部のみを形成した金属板材に、前記実施形態の成形方法を実施してもよい。
[0047]
 ・張出し部を、前記実施形態とは別の用途に用いてもよい。例えば、張出し部を、隣接する他の部材とのシール部を構成する突部に具体化してもよい。
 ・パンチとダイとを入れ換えてもよい。

請求の範囲

[請求項1]
ダイとパンチとを有する成形型を用いて、複数の工程により、金属板材に複数の張出し部を成形する成形方法において、
 後工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチを、前工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより狭くすることを特徴とする金属板材の成形方法。
[請求項2]
請求項1記載の金属板材の成形方法において、
 前記成形方法は、第1~第3工程を備え、
 第2工程で用いられる張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチを、第1工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより狭くし、
 第3工程で用いられる張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチを、第1工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより狭くすると共に第2工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより広くすることを特徴とする金属板材の成形方法。
[請求項3]
請求項1又は2に記載の金属板材の成形方法において、
 襞状の張出し部を、前記金属板材の表面と裏面とに交互に形成することを特徴とする金属板材の成形方法。
[請求項4]
請求項3記載の金属板材の成形方法において、
 前記襞状の張出し部を、等間隔に形成することを特徴とする金属板材の成形方法。
[請求項5]
ダイとパンチとを有する成形型を用いて、金属板材に張出し部を成形する成形装置において、
 後工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチを、前工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより狭くしたことを特徴とする金属板材の成形装置。
[請求項6]
請求項5記載の金属板材の成形装置において、
 前記金属板材に張出し部を形成する第1~第3工程の各工程で用いられるダイとパンチを備え、
 第2工程で用いられるダイ及びパンチの張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチを、第1工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより狭くし、
 第3工程で用いられるダイ及びパンチの凹部及び凸部の配列ピッチを、第1工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより狭くすると共に第2工程で用いられるダイ及びパンチにおける張出し部成形用の凹部及び凸部の配列ピッチより広くしたことを特徴とする金属板材の成形装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]