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1. WO2019225425 - ELECTRIC OIL PUMP

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明 細 書

発明の名称 電動オイルポンプ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 電動オイルポンプ

技術分野

[0001]
 本発明は、電動オイルポンプに関する。

背景技術

[0002]
 近年、車両等の省力化、低燃費化を目的とした電動化が進んでおり、例えば、自動車のトランスミッションやブレーキ、ステアリング等の操作をモータなど電動機の力で行うシステムが開発され、市場に投入されている。また、オイルポンプなどの油圧駆動機器も電動化が進んでおり、例えば自動車エンジンのアイドリング時にトランスミッションへの油圧供給を目的として、モータでオイルポンプを駆動する電動オイルポンプが採用され、実用化されるに至っている。
[0003]
 また、この種の電動オイルポンプについては、車体の限られたスペースに搭載しなければならない事情に鑑み、小型化への要求が高まっている。そこで、最近では、オイルポンプとモータ、さらにはモータのコントローラを一体化(ユニット化)した電動オイルポンプが提案されている。この場合、オイルポンプのロータはモータの回転軸に固定され、回転軸は二個の軸受で支持されている。また、二個の軸受のうち一方の軸受はポンプカバーに固定され、他方の軸受はポンプハウジングに固定されている。ポンプハウジングは、モータハウジングとは別体に形成されている。モータハウジングにはモータのステータが固定されている(何れも、例えば特許文献1を参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第6056149号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 上述のように、オイルポンプのロータがモータで回転駆動される場合、オイルポンプの性能はモータの回転精度に影響を受ける。また、モータの回転精度は、モータステータと、モータロータと一体に回転する回転軸を支持する軸受との組付け精度に影響を受ける。そのため、特許文献1のように、モータステータが固定されるモータハウジングがポンプハウジングに取付けられ、軸受が固定されるポンプカバーがポンプハウジングに取付けられる構造だと、組付け公差の累積により、場合によっては、モータステータと軸受との間で所要の組付け精度が確保できないおそれが生じる。
[0006]
 以上の事情に鑑み、本明細書では、電動オイルポンプの小型化を図りつつも、モータの組付け精度を高めることによりオイルポンプの性能向上を図ることを、解決すべき技術課題とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 前記技術課題の解決は、本発明に係る電動オイルポンプによって達成される。すなわち、このポンプは、ポンプロータと、ポンプロータを収容するポンプハウジングとを有するオイルポンプ部と、モータロータとモータステータ、及びモータロータとモータステータとを収容するモータハウジングとを有するモータ部と、モータ部の駆動を制御する制御部と、モータロータから軸方向に突出した回転軸を軸方向の二箇所で支持する第一及び第二の軸受とを備えた電動オイルポンプにおいて、ポンプハウジングとモータハウジングとが一体形成され、かつ第一及び第二の軸受がともに針状ころ軸受である点をもって特徴付けられる。なお、ここでいう一体形成には、ポンプハウジングとモータハウジングとが同一の材料で一体に形成される場合だけでなく、例えば一方のハウジングをインサートとして、他方のハウジングが型成形される場合も含まれる。
[0008]
 このように、本発明によれば、ポンプハウジングとモータハウジングとを一体形成したので、ハウジング間を相互に固定するための要素(ボルトやシール部材など)が省略でき、その分電動オイルポンプを軽量かつコンパクトにできる。また、回転軸を支持する第一及び第二の軸受をともに針状ころ軸受とすることで、例えばブッシュ等の滑り軸受よりも径方向の負荷容量を大きくすることができる。また、玉軸受と比べても同一スペース内での負荷容量並びに軸受剛性を高めることができるので、従来と同等の負荷容量並びに軸受剛性を確保しながら、軸受の設置スペースを縮小することができ、これによっても電動オイルポンプの小型化を図ることができる。
[0009]
 また、ポンプハウジングとモータハウジングとを一体形成することによって、各ハウジングやケース、カバー間の組付け公差の累積が解消し、あるいは減少する。そのため、例えばポンプハウジングを介してモータハウジングに取付けられるポンプカバーに第一の軸受を固定する場合であっても、当該軸受とモータステータとの間で十分な組付け精度を確保することができる。よって、この軸受により支持される回転軸を回転駆動するモータ部の回転精度を高めることができ、これによりポンプロータの回転精度、ひいてはポンプ性能を向上させることが可能となる。
[0010]
 また、本発明に係る電動オイルポンプにおいて、回転軸はモータロータから軸方向両側に突出しており、軸方向一方側に突出した第一の回転軸の先端部が第一の軸受で支持され、軸方向他方側に突出した第二の回転軸の先端部が第二の軸受で支持されていてもよい。 
[0011]
 電動オイルポンプでは、オイルの吸入、吐出時に、ポンプロータに径方向の負荷が作用する。ポンプロータはモータ部の回転軸に連結されているため、ポンプロータに径方向の負荷が作用した場合、モータ部の回転軸には、当該回転軸を傾ける向きに力が作用する。回転軸が傾くとポンプロータが傾いて、ポンプ性能の低下を招くおそれがあるため、回転軸には高い回転精度だけでなく高い軸受剛性が求められる。ここで、本発明では、上述のように、モータロータから軸方向一方側に突出した第一の回転軸の先端部を第一の軸受で支持し、モータロータから軸方向他方側に突出した第二の回転軸の先端部を第二の軸受でそれぞれ支持した形態とした。このように構成することで、モータロータを含む回転軸を最も大きな軸受スパンで支持することができる。よって、この軸受配置によれば、回転軸の傾きを最大限抑制して、高い回転精度をモータ及びポンプロータに付与することが可能となる。
[0012]
 また、この場合、本発明に係る電動オイルポンプにおいて、制御部は、基板と、基板を収容するケースとを有し、ケースは、モータハウジングに取付けられ、オイルポンプ部は、ポンプハウジングに取付けられるポンプカバーをさらに有し、第一の軸受はポンプカバーに固定され、第二の軸受はケースに固定されていてもよい。
[0013]
 このようにモータハウジングに制御部のケースを取付け、各軸受をポンプカバーと制御部のケースにそれぞれ固定することによって、各ハウジングやケース、カバーの形状を複雑化させることなく、第一及び第二の軸受の軸方向スパンを最大限に大きくとることができる。よって、軸受剛性の最大化を比較的容易に実現することが可能となる。もちろん、制御部のケースとポンプカバーはともに、一体形成されたモータハウジングとポンプハウジングに取付けられているため、組付け公差の累積も最小限で済む。よって、組付け精度の点でも問題ない。
[0014]
 また、本発明に係る電動オイルポンプにおいて、ポンプハウジングの内部空間を含みオイルが流通するオイル流通空間と、モータハウジングの内部空間とがシール部で区画され、第一及び第二の軸受はともにオイル流通空間に配設されていてもよい。
[0015]
 例えば、軸受をモータハウジングの内部空間に配設した場合、油潤滑を円滑かつ長期にわたって図るために、潤滑油又はグリースを保持するための空間が軸受の内部に必要であった。また、軸受外への油漏れを防止するためのシール機構を軸受の軸方向端部に取付ける必要があった。これに対して、上述のように、ポンプハウジングの内部空間を含むオイル流通空間に第一及び第二の軸受を配設することによって、ポンプ内を循環しているオイルで軸受の潤滑が可能になる。そのため、潤滑油又はグリースを密封するためのスペースを省略して、軸受をさらに小型化できる。また、シール機構を省略することによっても軸受の小型化を図ることができる。また、上記構成によれば、モータハウジングの内部空間や制御部のケースの内部空間に軸受を配設せずに済むので、モータハウジングや制御部のケースの設計自由度が高まる。そのため、これらハウジングやケースを簡素化して、更なる小型化を図ることが可能となる。
[0016]
 また、本発明に係る電動オイルポンプにおいて、モータロータは、スリーブ部と、スリーブ部の内周に嵌合固定されるシャフト部とを有し、シャフト部はスリーブ部から軸方向に突出して回転軸を構成していてもよい。
[0017]
 モータ部は、モータロータと、モータロータから軸方向に突出する回転軸とを有する。この場合、モータロータと回転軸とでは要求される物性、表面性状などが相違する。そこで、回転軸とモータロータ(の特にステータと対向する大径側の部分)とを別体に製作し、後に一体化することで、各部の要求特性を満たしつつ加工コストを低く抑えることが可能となる。また、本発明のようにシャフト部とスリーブ部とに分けて製作すれば、個々の部材の形状を単純化できるので、これによっても加工コストを低く抑えることが可能となる。
[0018]
 また、この場合、本発明に係る電動オイルポンプにおいて、シャフト部のポンプ部と反対側の端部は、スリーブ部のポンプ部と反対側の端部よりもポンプ部側に後退しており、シャフト部のポンプ部と反対側の端部と軸方向に隣接してセンサターゲット(例えばセンサ用マグネット)が配設され、かつセンサターゲットと軸方向に対向する位置に、センサターゲットの位相情報を検出するセンサが配設されていてもよい。
[0019]
 このように、モータロータ側にセンサターゲットを設け、センサターゲットと軸方向で対向する位置にセンサターゲットの位相情報を検出するセンサを設けることによって、回転軸の回転位相や回転速度を取得することができる。そのため、この取得した情報に基づいてモータ部の駆動を制御することにより、ポンプ部をより高精度に駆動制御することが可能となる。また、シャフト部の端部をポンプ部側にずらしてスリーブ部の内周に設けたスペースにセンサターゲットを配設するのであれば、センサターゲットを配置するための専用スペースを新たに設けずに済むので、電動オイルポンプの小型化を妨げるおそれもない。

発明の効果

[0020]
 以上に述べたように、本発明によれば、電動オイルポンプの小型化を図りつつも、モータの組付け精度を高めることによりポンプの回転精度向上を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 本発明の第一実施形態に係る電動オイルポンプの断面図である。
[図2] 図1に示す電動オイルポンプの分解図である。
[図3] 本発明の第二実施形態に係る電動オイルポンプの断面図である。
[図4] 本発明の第三実施形態に係る電動オイルポンプの断面図である。

発明を実施するための形態

[0022]
 以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
[0023]
<本発明の第一実施形態>
 図1は、本発明の第一実施形態に係る電動オイルポンプの断面図、図2は、図1に示す電動オイルポンプの分解図である。
[0024]
 図1に示すように、本実施形態に係る電動オイルポンプ1は、ポンプ部2と、ポンプ部2のポンプロータを回転駆動するモータ部3と、モータ部3の駆動を制御する制御部4と、モータ部3の回転軸5,6を支持する軸受部7とを備える。以下、各要素の詳細を説明する。
[0025]
 ポンプ部2は、容積式のオイルポンプであって、本実施形態では、図1及び図2に示すように、いわゆるトロコイド式のオイルポンプを構成している。すなわち、このポンプ部2は、歯数が異なりかつ相互に噛み合うインナギヤ8及びアウタギヤ9と、インナギヤ8及びアウタギヤ9を収容するポンプハウジング10と、ポンプハウジング10の開口部10aを閉塞するポンプカバー11とを有する。ここでは、インナギヤ8が本発明に係るポンプロータに相当する。ポンプカバー11は、ポンプハウジング10の開口側端面10bと当接した状態で、例えばOリング等のシール部材12を介してポンプハウジング10に固定されている。
[0026]
 本実施形態では、ポンプカバー11は、ポンプハウジング10側に突出して開口部10aと嵌まり合うインロー部13を有しており、このインロー部13を開口部10aに嵌合すると共に、ボルト14によりポンプカバー11をポンプハウジング10に締結することで、半径方向の位置決めを伴って、ポンプカバー11がポンプハウジング10に固定されている。ポンプカバー11は、アルミニウムやアルミニウム合金、又はステンレスをはじめとする鉄系金属などの金属で形成される。ポンプハウジング10の材質については後述する。
[0027]
 モータ部3は、半径方向に対向するモータロータ16及びモータステータ17と、モータハウジング18とを有する。
[0028]
 モータステータ17は、ステータコア19と、ステータコア19の軸方向両端に装着されるボビン20と、ボビン20に巻付けられるコイル21とを有する。
[0029]
 モータハウジング18は、有底円筒部を有し(図2を参照)、モータロータ16とモータステータ17とを収容している。モータハウジング18の開口部18aには制御部4が取付けられており、これによりモータハウジング18の内部空間が閉塞されている。モータハウジング18の大径内周面18bには、モータステータ17のステータコア19が固定されている。また、大径内周面18bよりもポンプ部2に近い側には、大径内周面18bに比べて小径な小径内周面18cが形成されており、この小径内周面18cにはシール部材22が取付けられている。
[0030]
 上記構成のモータハウジング18は、ポンプハウジング10と一体形成されている。本実施形態では、互いに相反する向きに開口した開口部10a,18aを設けた状態で一体化されている。このモータハウジング18とポンプハウジング10との一体品は、例えばモータハウジング18とポンプハウジング10とを同じ材料(例えば金属)で形成することにより得られる。ここでは、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金の鋳造でモータハウジング18とポンプハウジング10とを一体形成することが可能である。もちろん、上記以外の金属(例えばステンレスなどの鉄系金属の焼結金属体)でモータハウジング18とポンプハウジング10とを一体形成してもよい。
[0031]
 モータロータ16は全体として円柱状をなすもので(図2を参照)、ロータコア23と、ロータコア23の外周に取付けられるロータマグネット24とを有する。また、モータロータ16の軸方向両側には回転軸5,6が設けられており、モータロータ16と各回転軸5,6が同軸回転するようになっている。
[0032]
 本実施形態では、モータロータ16は、スリーブ部25と、スリーブ部25の内周に嵌合固定されるシャフト部26とを有する。シャフト部26は、スリーブ部25から軸方向両側に突出しており、これら突出した部分で回転軸5,6を構成している。この際、シャフト部26は任意の材質で形成することができるが、図1に示すように、シャフト部26の外周面が後述する軸受27,28の内周側軌道面を構成する場合には、軸受27,28の転動体と同じ材質が好ましく、また焼入れ等によりシャフト部26の表面を含む表層部を所定の硬度に調整したものがよい。
[0033]
 制御部4は、基板29と、基板29を収容するケース30とを有する。ここで、ケース30はケース本体31と、ケースカバー32とで構成される。本実施形態では、ケース本体31がOリング等のシール部材33を介してモータハウジング18に固定されており、ケース本体31のモータ部3と反対側に基板29が設置されている。基板29は、モータステータ17から伸びるバスバー34(図2を参照)によってモータステータ17と電気的に接続されている。また、ケースカバー32には、カプラ35が設けられており、外部電源(図示は省略)からの基板29、さらにはモータステータ17への電力供給を可能としている。なお、図示は省略するが、ケースカバー32には、基板29の放熱を促進するためのヒートシンクを設けてもよい。このケースカバー32は、例えば予め接着等によりケース本体31に仮止めした状態(図2に示す状態)で、ボルト36によりモータハウジング18に固定される。もちろん、ケースカバー32のケース本体31への固定手段は任意であり、上記以外の種々の手段を採用し得る。ケース30のモータハウジング18への固定手段も同様に任意である。
[0034]
 軸受部7は、二つの軸受27,28で構成されている。本実施形態では、モータロータ16から軸方向一方側(ポンプ部2側)に突出した第一の回転軸5が第一の軸受27によって支持されている。また、モータロータ16から軸方向他方側(制御部4側)に突出した第二の回転軸6が第二の軸受28によって支持されている。
[0035]
 また、第一の軸受27は、ポンプカバー11の内側端面11aに設けた凹状の軸受取付部37に例えば圧入で固定され、第二の軸受28は、制御部4のケース30のケース本体31に設けた凹状の軸受取付部38に例えば圧入で固定される。この際、第一の軸受27は、金属製(例えば冷間圧延鋼板やステンレス、炭素鋼をはじめとした各種鉄系金属製)のカラー39を介して軸受取付部37に固定され、第二の軸受28もまた金属製のカラー40を介して軸受取付部38に固定される。
[0036]
 ここで、使用される軸受27,28はともに針状ころ軸受である。本実施形態では、各軸受27,28は、複数の針状ころ27a,28aと、これら針状ころ27a,28aを保持する保持器27b,28bと、針状ころ27a,28aの外周側軌道面を内周に有する外輪27c,28cとを有する。この場合、針状ころ27a,28aの内周側軌道面は、シャフト部26の外周面で構成される。
[0037]
 上記構成の電動オイルポンプ1は、例えば以下の手順を経て組立てられる。まず、図2に示すように、スリーブ部25の内周にシャフト部26を嵌合固定することにより、回転軸5,6が軸方向両側に突出したモータロータ16を作製する。また、第一の軸受27を、カラー39が介在した状態でポンプカバー11の軸受取付部37に固定すると共に、第二の軸受28を、カラー40が介在した状態で制御部4のケース本体31の軸受取付部38に固定する。そして、モータロータ16をモータハウジング18の内側に開口部18a側から導入して、ポンプハウジング10とモータハウジング18との一体部41に設けた貫通穴42(図1を参照)に第一の回転軸5を挿通することで、第一の回転軸5の先端側をポンプハウジング10の内側に到達させる。然る後、第一の回転軸5の先端側にインナギヤ8を例えば圧入で嵌合固定すると共に、インナギヤ8の外周にアウタギヤ9を嵌め合せた状態で、ポンプカバー11をポンプハウジング10に固定する。これにより、第一の回転軸5の先端がポンプカバー11に設けた第一の軸受27内周に導入され、第一の回転軸5が第一の軸受27で支持された状態となる。
[0038]
 次に、図2に示すように、基板29等を収容してケース本体31にケースカバー32を固定することで、予め作製しておいた制御部4をモータハウジング18の開口部18aに固定する。この際、ケース本体31には第二の軸受28が固定されているので、制御部4(ケース本体31)をモータハウジング18に固定することで、モータロータ16から制御部4側に突出した第二の回転軸6の先端が、ケース本体31に設けた第二の軸受28内周に導入され、第二の回転軸6が第二の軸受28で支持された状態となる。
[0039]
 このように、ポンプ部2とモータ部3、及び制御部4とが相互に組付けられた状態では、制御部4の内部空間(ケース30の内部空間)が密閉された状態となる。また、モータハウジング18の内周に取付けたシール部材22が第一の回転軸5と摺接可能な状態となることで、ポンプ部2の内部空間(正確にはポンプハウジング10と、ポンプカバー11と、インナギヤ8、及びアウタギヤ9との間に形成される空間)及び貫通穴42と第一の回転軸5との間の空間と、モータ部3の内部空間とがシール部材22で区画された状態となる。この際、ポンプ部2の内部空間及びこれに連通する空間が、オイル流通空間43として機能する。
[0040]
 以上に述べたように、本発明に係る電動オイルポンプ1によれば、ポンプハウジング10とモータハウジング18とを一体形成したので、ハウジング10,18間を相互に固定するための要素(ボルトやシール部材など)が省略でき、その分電動オイルポンプ1を軽量かつコンパクトにできる。また、回転軸5,6を支持する第一及び第二の軸受27,28をともに針状ころ軸受とすることで、例えばブッシュ等の滑り軸受よりも径方向の負荷容量を大きくすることができる。また、玉軸受と比べても同一スペース内での負荷容量並びに軸受剛性を高めることができるので、従来と同等の負荷容量並びに軸受剛性を確保しながら、軸受27,28の設置スペースを縮小することができ、これによっても電動オイルポンプ1の小型化を図ることができる。
[0041]
 また、ポンプハウジング10とモータハウジング18とを一体形成することによって、各ハウジング10,18やケース30、ポンプカバー11間の組付け公差の累積が解消し、あるいは減少する。そのため、例えば実施形態のように、ポンプハウジング10を介してモータハウジング18に取付けられるポンプカバー11に第一の軸受27を固定する場合、図1に示すインロー又は図示しないピンなどでモータハウジング18に対するポンプカバー11の径方向の位置決めを図ることで、当該軸受27とモータハウジング18に固定されるモータステータ17との間で十分な組付け精度を確保することができる。また、第二の軸受28はケース30のケース本体31に固定されるが、このケース本体31はモータハウジング18に直接固定されている。よって、これら軸受27,28により支持される回転軸5,6を回転駆動するモータ部3の回転精度を高めることができ、これによりポンプロータ(インナギヤ8)の回転精度、ひいてはポンプ部2の性能を向上させることが可能となる。
[0042]
 また、本実施形態では、第一の軸受27をモータ部3からポンプ部2側に遠いポンプカバー11に固定し、第二の軸受28をモータ部3から制御部4側に遠いケース30のケース本体31に固定した。このように双方の軸受27,28を配置することにより、軸受27,28の軸方向スパンを最大限に大きくとって、第一の回転軸5をその先端部で支持すると共に、第二の回転軸6をその先端部で支持することが可能となる。これにより、回転軸5,6の傾きを最大限抑制して、高い回転精度をモータ部3及びポンプロータ(インナギヤ8)に付与することが可能となる。
[0043]
 また、本実施形態では、図1に示すように、ポンプハウジング10とモータハウジング18との一体部41に貫通穴42を設けて第一の回転軸5を挿通し、ポンプハウジング10の内側端面(貫通穴42がポンプ部2側で開口している端面)10cに、インナギヤ8の軸方向端面がほぼ全面で当接可能とした。このように、インナギヤ8の軸方向端面にポンプハウジング10の内側端面10cを対向配置することで、インナギヤ8の傾動を内側端面10cで規制することができる。そのため、このことによっても、回転軸5,6の傾きを最大限抑制して、高い回転精度をモータ部3及びポンプロータ(インナギヤ8)に付与することが可能となる。
[0044]
 以上、本発明に係る電動オイルポンプの一実施形態(第一実施形態)を説明したが、この電動オイルポンプは、当然に本発明の範囲内に置いて任意の形態をとることができる。 
[0045]
<本発明の第二実施形態>
 図3は、本発明の第二実施形態に係る電動オイルポンプ51の断面図を示している。本実施形態に係る電動オイルポンプ51は、主に、第二の軸受28をポンプ部2に近い位置に固定している点において、第一実施形態に係る電動オイルポンプ1と相違している。詳細には、ポンプハウジング10とモータハウジング18との一体部41に設けた貫通穴42を一部拡径して、軸受取付部52を形成し、この軸受取付部52に第二の軸受28を固定している。この場合、第二の軸受28のモータ部3側にはシール部材22が隣接している。そのため、図3に示すように電動オイルポンプ51を組立てた状態では、第一の軸受27と第二の軸受28がともにポンプ部2の内部空間を含むオイル流通空間43内に配設された状態となる。
[0046]
 このように、ポンプ部2の内部空間を含むオイル流通空間43に第一及び第二の軸受27,28を配設することによって、ポンプ部2の内部空間を流通(循環)しているオイルで軸受27,28の潤滑が可能になる。そのため、潤滑油又はグリースを密封するためのスペースが不要となり、軸受27,28をさらに小型化できる。また、第二の軸受28に漏れ出し防止用のシール機構を設けなくてもよいため、第二の軸受28の小型化を図ることができる。また、シール機構を省略できれば、各軸受27,28と第一の回転軸5の摺動抵抗が低減化されるので、モータ部3のロストルクを抑制して省エネルギー化を図りつつ所定のポンプ性能を発揮することが可能となる。なお、この際、第一の軸受27と第二の軸受28は、インナギヤ8の軸方向両側に隣接して配置されることになるため、軸受27,28の軸方向スパンが第一実施形態に比べて短くなったとしても、第一の回転軸5の傾き防止能力の点で特に問題はない(十分な傾き防止能力を軸受27,28は有する)。 
[0047]
 また、上記構成によれば、モータハウジング18の内部空間や制御部4のケース30の内部空間に第二の軸受28を配設せずに済むので、モータハウジング18や制御部4のケース30の設計自由度が高まる。そのため、これらモータハウジング18やケース30を簡素化して、更なる小型化を図ることが可能となる。具体的には、軸受取付部38を省略して、シャフト部26の後端部(制御部4側の端部)26aをスリーブ部25の後端部25aよりもポンプ部2側に後退させることにより、ケース本体53の形状を単純な板形状に近づけることができる(図3を参照)。また、軸受取付部38を省略したことにより、ケース本体31とケースカバー32との間に省略した分のスペースが生じるので、例えばバスバー34の配置自由度を高めることが可能となる。
[0048]
<本発明の第三実施形態>
 図4は、本発明の第三実施形態に係る電動オイルポンプ61の断面図を示している。本実施形態に係る電動オイルポンプ61は、主に、第一の回転軸5の位相情報を検出し得るように構成した点で、第一及び第二実施形態に係る電動オイルポンプ1,51と相違している。詳細には、シャフト部26の後端部26aをスリーブ部25の後端部25aよりもポンプ部2側に後退させたことによりスリーブ部25の内周に生じたスペースに、センサターゲット62を配設し、このセンサターゲット62と軸方向に対向する位置に、センサ63を配設している。本実施形態では、センサターゲット62は、センサ用マグネットである。センサ63は、基板29に取付けられている。また、センサターゲット62とセンサ63との間に存在するケース本体64に軸方向の貫通穴65を設けて、センサターゲット62とセンサ63との対向距離を縮めた配置としている。
[0049]
 ここで、センサターゲット62とセンサ63には、凡そ第一の回転軸5の位相情報もしくは回転速度など位相情報に関連する情報を検出可能な限りにおいて、任意の種類が適用可能であり、必要な制御に応じて適切な位相情報が検出可能な種類のセンサターゲット及びセンサを採用するのがよい。
[0050]
 このように、本実施形態に係る電動オイルポンプ61によれば、第一の回転軸5の回転位相又は回転速度を取得することができる。そのため、例えばセンサ63が取付けられた基板29に上記取得した情報を送って、この取得した情報に基づいてモータ部3の駆動を制御することにより、より高精度なポンプ部2の駆動制御を図ることが可能となる。また、シャフト部26の後端部26aをポンプ部2側に後退させてスリーブ部25の内周に設けたスペースにセンサターゲット62を配設するのであれば、センサターゲット62を配置するための専用スペースを新たに設けずに済むので、電動オイルポンプ1の小型化を妨げるおそれもない。
[0051]
 なお、本実施形態では、センサターゲット62とセンサ63との対向距離を縮小し、かつケース本体64の成形性(加工性)の観点から、貫通穴65を設けた場合を例示しているが、もちろん、これに限る必要はない。例えばモータ部3側から制御部4側への異物流入を確実に防止する観点から、ケース本体64を樹脂などセンサターゲットからの位相情報の検出に影響がない材質で形成し、かつ貫通穴65を省略して、センサターゲット62とセンサ63との間にケース本体64が介在する構成としてもよい。
[0052]
 なお、以上の実施形態では、第一の軸受27をポンプカバー11に固定した場合を例示したが、もちろん第一及び第二の軸受27,28はこれ以外の配置形態をとることも可能である。例えば図示は省略するが、第一の軸受27を図3等に示す軸受取付部52に固定し、第二の軸受28を図1に示す軸受取付部38に固定した配置形態をとってもよい。あるいは、これも図示は省略するが、モータハウジング18の内周面のうちシール部材22と制御部4側で隣接する位置に軸受取付部を設けて、この軸受取付部に第一の軸受27を固定し、軸受取付部38に第二の軸受28を固定した配置形態をとってもよい。要は、第一及び第二の軸受27,28がともに針状ころ軸受である限りにおいて、その配置形態は任意に設定可能である。
[0053]
 また、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。

請求の範囲

[請求項1]
 ポンプロータと、前記ポンプロータを収容するポンプハウジングとを有するオイルポンプ部と、
 モータロータとモータステータ、及び前記モータロータと前記モータステータとを収容するモータハウジングとを有するモータ部と、
 前記モータ部の駆動を制御する制御部と、
 前記モータロータから軸方向に突出した回転軸を軸方向の二箇所で支持する第一及び第二の軸受とを備えた電動オイルポンプにおいて、
 前記ポンプハウジングと前記モータハウジングとが一体形成され、かつ
 前記第一及び第二の軸受がともに針状ころ軸受であることを特徴とする電動オイルポンプ。
[請求項2]
 前記回転軸は前記モータロータから軸方向両側に突出しており、前記軸方向一方側に突出した第一の回転軸の先端部が前記第一の軸受で支持され、前記軸方向他方側に突出した第二の回転軸の先端部が前記第二の軸受で支持されている請求項1に記載の電動オイルポンプ。
[請求項3]
 前記制御部は、基板と、前記基板を収容するケースとを有し、前記ケースは、前記モータハウジングに取付けられ、前記オイルポンプ部は、前記ポンプハウジングに取付けられるポンプカバーをさらに有し、
 前記第一の軸受は前記ポンプカバーに固定され、前記第二の軸受は前記ケースに固定されている請求項2に記載の電動オイルポンプ。
[請求項4]
 前記ポンプハウジングの内部空間を含みオイルが流通するオイル流通空間と、前記モータハウジングの内部空間とがシール部で区画され、
 前記第一及び第二の軸受はともに前記オイル流通空間に配設されている請求項1に記載の電動オイルポンプ。
[請求項5]
 前記モータロータは、スリーブ部と、前記スリーブ部の内周に嵌合固定されるシャフト部とを有し、
 前記シャフト部は前記スリーブ部から軸方向に突出して前記回転軸を構成している請求項1~4の何れか一項に記載の電動オイルポンプ。
[請求項6]
 前記シャフト部の前記ポンプ部と反対側の端部は、前記スリーブ部の前記ポンプ部と反対側の端部よりも前記ポンプ部側に後退しており、
 前記シャフト部の前記ポンプ部と反対側の端部と軸方向に隣接してセンサターゲットが配設され、かつ前記センサターゲットと軸方向に対向する位置に、前記センサターゲットの位相情報を検出するセンサが配設されている請求項5に記載の電動オイルポンプ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]