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1. WO2013157517 - OPENING/CLOSING DEVICE AND RESPIRATORY ASSISTANCE DEVICE

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明 細 書

発明の名称 開閉具及び呼吸補助装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2  *   3   4   5  *   6   7   8   9   10   11   12  

条約第19条(1)に基づく説明書

図面

1   2A   2B   2C   2D   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

明 細 書

発明の名称 : 開閉具及び呼吸補助装置

技術分野

[0001]
 本発明は、開閉具及び呼吸補助装置に関する。

背景技術

[0002]
 医療現場において、人工呼吸器などの呼吸補助装置が用いられている。一般的な呼吸補助装置は、酸素ボンベなどの酸素の供給源と、この供給源に接続された吸気管と、この吸気管の先端に取り付けられたマスクと、吸気管から分岐した呼気管と、この呼気管の先端に固定された呼気弁などを備えている(例えば、特開平02-131765号公報、特開平02-131773号公報、特開平02-131774号公報、特開平05-245204号公報)。
[0003]
 このような呼吸補助装置には、自発呼吸のない患者(全身麻酔、心肺蘇生中、重篤な患者)に用いる調節換気(Controlled Ventilation)方式と、患者の自発呼吸に合わせて気道に陽圧(正圧)を作り出す補助換気(Assisted Ventilation)方式など、種々の方式が採用される。
[0004]
 いずれの方式の呼吸補助装置においても、酸素ボンベから送り出される酸素は、吸気管を経由して吸気として肺に供給される。肺に供給された酸素は、その後、肺によって呼気として吐き出される。呼気が呼気管に吐き出されると、呼気管内の圧力が上昇する。そして、制御ユニットは、呼気管内の圧力上昇を検知した圧力センサからのセンシング信号を受けて、呼気弁を開く。こうして、呼気が呼気管から外部へ放出される。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 このような呼吸補助装置に用いられる呼気弁として、ダイヤフラム弁が知られている。このダイヤフラム弁は、呼気が通る孔(以下、呼気孔と称する)の開口部周縁に形成された弁座と、弁座により支持され呼気孔を塞ぐ位置(塞ぎ位置)及び弁座から離隔して呼気孔を開放する位置(開放位置)の間で移動自在な弁体とを備える。
[0006]
 このダイヤフラム弁の弁体には、呼気孔からの圧力に抗して、塞ぎ位置を維持することができる程度の剛性が求められる。弁体の剛性を向上させる手段としては、形成材料の変更、形状の見直し、弁体自身の大型化などが考えられる。
[0007]
 しかしながら、弁体の形成材料や形状を変える場合には、入手コストや加工コストが増大してしまう。また、弁体自身を大型化する場合には、ダイヤフラム弁の小型化が困難となる。そして、かかる問題は、呼吸補助装置に用いられる呼気弁に限られず、ダイヤフラム弁に共通する問題である。
[0008]
 本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、孔からの圧力に抗するだけの剛性を有するとともに、安価に製造可能であって、小型化が容易な開閉具、およびこの開閉具を有する呼吸補助装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明者の鋭意研究により、上記目的は以下の手段によって達成される。
[0010]
 開閉具は、流体が通過する孔が開口する仕切面を有する仕切部材と、前記仕切面の面方向に変形自在な変形部材を有する開閉機構と、を備え、前記開閉機構は、前記変形部材の変形によって、前記孔の開口量が互いに異なる第1状態及び第2状態との間で遷移自在であることを特徴とする。
[0011]
 前記変形部材は、厚さ方向において変形自在の板状に形成され、前記変形の方向が前記仕切面の面方向となるように、前記変形部材が前記仕切面に対して起立することが好ましい。また、前記孔はスリット状に形成され、前記変形部材は、自身の側面で前記孔を覆うことが好ましい。
[0012]
 前記開閉機構は前記変形部材の自由端側に設けられた蓋を有し、前記蓋を移動させることで前記孔を覆うことが好ましい。また、前記仕切面には第1の前記孔と第2の前記孔とが開口し、前記開閉機構は、共通の前記変形材料を変形させることで、前記第1の孔が塞がれるとともに前記第2の孔が開放される状態と、前記第2の孔が塞がれるとともに前記第1の孔が開放される状態との間で遷移自在であることが好ましい。
[0013]
 前記変形部材は圧電素子であって、前記圧電素子の変形を制御するコントローラを備えたことが好ましい。また、前記仕切り面に向けて前記開閉機構を付勢する付勢機構を備えたことが好ましい。
[0014]
 呼吸補助装置は、上記の開閉具を有し、前記仕切部材は、鼻または口を覆うためのマスクと、装着状態のマスク内に形成される空間と連通する連通管とから形成されることを特徴とする。
[0015]
 前記マスク又は前記連通管に前記孔が形成されたことが好ましい。また、前記孔は、鼻または口から吐き出された呼気が通る呼気経路を形成することが好ましい。
[0016]
 呼吸補助装置は、上記の開閉具と、呼気又は吸気の気体が通過する流路と、前記流路内に配置され吸気方向に加速用の気体を噴出する吸気ノズルと、前記流路内の前記吸気ノズルよりも呼気方向側に配置され、前記呼気方向に加速用の気体を噴出する呼気ノズルと、前記吸気ノズル及び前記呼気ノズルに対して前記加速用の気体を供給するポンプユニットと、前記流路内にて前記吸気ノズルから前記吸気方向に向かって延設され、前記吸気ノズルから放出された前記加速用の気体を広げて前記吸気ノズルよりも前記吸気方向側を負圧にする吸気ベンチュリー壁と、前記流路内にて前記呼気ノズルから前記呼気方向に向かって延設され、前記呼気ノズルから放出された前記加速用の気体を広げて前記呼気ノズルよりも前記呼気方向側を負圧にする呼気ベンチュリー壁と、を備え、前記開閉具は、前記吸気ノズル及び前記呼気ノズルのうち一方を塞ぐ状態と、他方を塞ぐ状態との間で遷移自在であることを特徴とする。

発明の効果

[0017]
 上記の開閉具によれば、孔からの圧力に抗するだけの剛性を有するとともに、安価に製造可能であって、小型化が容易である。このような開閉具は、呼吸補助装置における開閉具(例えば、呼気弁)にも適している。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 本発明の第1実施形態に係る呼吸補助装置の構成を示す概略図である。
[図2A] マスクに設けられた呼気弁の概略図であり、呼気弁が呼気孔を開放する状態を示す。
[図2B] マスクに設けられた呼気弁の概略図であり、呼気弁が呼気孔を開放する状態を示す。
[図2C] マスクに設けられた呼気弁の概略図であり、呼気弁が呼気孔を塞ぐ状態を示す。
[図2D] マスクに設けられた呼気弁の概略図であり、呼気弁が呼気孔を塞ぐ状態を示す。
[図3] 制御ユニットのハード構成を示すブロック図である。
[図4] 制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。
[図5] 呼吸補助装置の制御例を示す概略図であり、(A)は使用者が呼気する場合を示し、(B)は使用者が吸気する場合を示す。
[図6] 本発明の第2実施形態に係る呼吸補助装置の構成を示す概略図である。
[図7] 本発明の第3実施形態に係る呼吸補助装置の構成を示す概略図である。
[図8] 本発明の第4実施形態に係る呼吸補助装置の構成を示す概略図である。
[図9] 本発明の第5実施形態に係る呼吸補助装置の構成を示す概略図である。
[図10] (A)はマイクロポンプの構成例を示す断面図であり、(B)は同マイクロポンプの圧力-流量線を示すグラフである。
[図11] 本発明の第6実施形態に係る呼吸補助装置の構成を示す概略図である。
[図12] マスクに設けられた呼気孔及び吸気孔を選択的に閉塞可能な呼気弁の概略図である。
[図13] マスクに設けられた呼気孔及び吸気孔を選択的に閉塞可能な呼気弁の概略図であり、(A)は、呼気弁が呼気孔のみを塞ぐ状態を、(B)は呼気弁が吸気孔のみを塞ぐ状態を示す。
[図14] 複数の呼気孔を有するマスクの概略図である。
[図15] ピエゾ素子と、ピエゾ素子に設けられ、ピエゾ素子の変形によって呼気孔の開閉が可能な蓋とを有する呼気弁の概略図である。
[図16] 呼気ノズル及び吸気ノズルを選択的に閉塞可能な呼吸切換弁を備えた呼吸補助装置の概略図である。
[図17] (A)は、呼気ノズルから空気が放出される呼吸補助装置の概略図であり、(B)は、吸気ノズルから空気が放出される呼吸補助装置の概略図である。
[図18] (A)は、マスクに設けられた呼気弁及びこの周辺に配された各部品の概要を表すA-A線断面図である。(B)は、マスクに設けられた呼気弁及びこの周辺に配された各部品の概要を表すB-B線断面図である。
[図19] マスクに設けられた呼気弁及び呼気弁の周辺に配された各部品の概要を表す分解斜視図である。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
[0020]
 図1には、本発明の第1実施形態に係る医療用の呼吸補助装置10の構成が例示されている。この呼吸補助装置10は、吸気用ガスを送り出す供給源11と、供給源11に基端が接続される吸気管12と、吸気管12の先端に取り付けられ呼気孔13aを有するマスク13と、マスク13内の気圧を計測する気圧計14と、マスク13に設けられ呼気孔13aの開閉機構である呼気弁15と、呼気孔13aの周囲に、呼気経路の外側に突出するように設けられた複数の安全部材16と、装置全体を統括的に制御する制御ユニット17と、を備えている。そして、マスク13と呼気弁15とによって開閉具が形成される。
[0021]
 マスク13は、口及び鼻を覆う装着具であり、外気と、口及び鼻とを仕切るためもの(仕切部材)である。マスク13には、吸気孔13bが形成される。吸気管12とマスク13とは吸気孔13bを介して連通する。吸気経路は、吸気管12、吸気孔13b及びマスク13によって形成され、呼気経路は、マスク13及び呼気孔13aによって形成される。なお、マスク13は、口または鼻のいずれか一方を覆う装着具であってもよい。
[0022]
 供給源11は、空気や酸素などの気体を圧縮した状態で貯留したガスタンク19と、このガスタンク19から送り出される気体の流量を調整する調整弁20と、この調整弁20で調整された気体の流量を計測する流量計21と、を備えている。調整弁20は、気圧計14および流量計21のそれぞれのセンシングデータ(測定結果、センシング信号)に基づいて制御される。この調整弁20は、特に種類が限定されることはないが、電動弁や、応答速度が速い電磁弁などを採用できる。流量計21は、センシングデータを制御ユニット17に出力する。
[0023]
 吸気管12は、樹脂製の蛇腹チューブからなり、患者に装着されたマスク13と一体となって一つの空間を構成し、供給源11から送り出された気体の経路となる。この吸気管12内の気圧は、定常状態において、患者に装着されたマスク13内の気圧と一致する。気圧計14は、センシングデータを制御ユニット17に出力する。
[0024]
 図2A~2Dに示されるように、呼気弁15は、スリット状に形成された呼気孔13aの開閉によって、マスク13内の気体をマスク13外へ放出するとともに、その逆流を防止する逆止弁として機能する。板状の呼気弁15は、電圧の印加量に応じて変位するピエゾ素子(圧電素子)15aを金属板15bに積層したモノモルフ(ユニモルフ)構造であって、かつ、片持ち梁(カンチレバー)構造の弁である。さらに、呼吸補助装置10は、呼気弁15の一端をマスク13に固定する固定部材22を有する。固定部材22は、マスク13の内面13fから起立するように設けられる。呼気弁15の一端は、固定部材22によって、内面13fから起立した姿勢でマスク13に固定される。なお、呼気弁15の一端が嵌合可能な固定用溝が固定部材22に形成されていることが好ましい。呼気弁15の片持ち長さは、30mm以上40mm以下程度であることが好ましい。呼気弁15が変位するストロークは、2mm以上3mm以下であることが好ましい。なお、ピエゾ素子は、両持ち梁構造でもよい。
[0025]
 ピエゾ素子15aは、電圧印加のオン・オフによって、延びた状態(図2A・2B参照)と、反った状態(図2C・2D参照)との間で変形自在である。ピエゾ素子15aが延びた状態では、呼気弁15の側面15mは、呼気孔13aを開放する状態となる。一方、ピエゾ素子15aが反った状態では、呼気弁15の側面15mは、呼気孔13aを塞ぐ状態となる。こうして、呼気弁15は、ピエゾ素子15aの変形によって変形自在となる。また、呼気弁15は、自身の変形方向、すなわち自身の厚み方向がマスク13の内面13fの面方向となるように内面13fに設けられる。また、呼気弁15は、自身の変形により側面15mが内面13fを摺動するように、内面13fに設けられることが好ましい。内面13fは平面でも曲面でもよい。このため、呼気弁15は、ピエゾ素子15aの変形により、マスク13に形成された呼気孔13aが開放される状態(図2A・2B参照)と、自身の側面15mによって呼気孔13aが側面15mによって塞がれる状態(図2C・2D参照)との間で遷移自在である。
[0026]
 なお、ピエゾ素子15aは、図2A~2Dに示すように、電圧印加がオンの場合に反った状態であり、電圧印加がオフの場合に延びた状態となるものでもよいし、電圧印加がオンの場合に延びた状態であり、電圧印加がオフの場合に反った状態となるものでもよい。
[0027]
 また、呼気弁15としてモノモルフ構造を紹介しているが、勿論、2枚のピエゾ素子を貼り合わせたバイモルフ構造を採用することもできる。
[0028]
 図1に戻って、マスク13の外部にある物体によって呼気孔13aが覆われた場合、呼気弁15の作動によって、呼気経路を確保することができない。そこで、マスク13に安全部材16が設けられることが好ましい。安全部材16は、マスク13の外面13gから突出するように形成され、呼気孔13aの近傍に点在するように配される。これにより、呼気孔13aの外面側13gの開口面と呼気孔13aを覆う物体との間に隙間を形成することができるため、呼気弁15の作動によって、呼気経路を確保することができる。
[0029]
 図3に示されるように、制御ユニット17は、CPU24と、第1記憶媒体25と、第2記憶媒体26と、第3記憶媒体27と、入力装置28と、表示装置29と、入出力インタフェース30と、バス31と、を備えている。
[0030]
 CPU24は、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて本制御ユニット17の各種機能を実現する。第1記憶媒体25は、いわゆるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)であり、CPU24の作業領域として使用される。第2記憶媒体26は、いわゆるROM(リード・オンリー・メモリ)であり、CPU24で実行される基本OSを記憶する。第3記憶媒体27は、磁気ディスクを内蔵したハードディスク装置、CDやDVDやBDを収容するディスク装置、および不揮発性の半導体フラッシュメモリ装置などで構成されており、CPU24で実行される各種プログラムなどが保存される。
[0031]
 入力装置28は、入力キーやキーボード、マウスであり、各種情報を入力する。表示装置29は、ディスプレイであり、各種動作状態を表示する。入出力インタフェース30は、呼気弁15を動作させる電源および制御信号が入出力される。更に、この入出力インタフェース30は、外部のパーソナルコンピュータからプログラムなどのデータを取得する。バス31は、CPU24、第1記憶媒体25、第2記憶媒体26、第3記憶媒体27、入力装置28、表示装置29、入出力インタフェース30などを一体的に接続して通信を行う配線となる。
[0032]
 図4には、この制御ユニット17に保存される制御プログラムがCPU24で実行されることで得られる機能構成が示されている。制御ユニット17は、機能構成として、センシング部34と、呼気弁制御部35と、調整弁制御部36と、を備えている。センシング部34は、気圧計14のセンシングデータを常に取得して呼気弁制御部35に伝達する。更に、このセンシング部34は、気圧計14および流量計21のセンシングデータを常に取得して調整弁制御部36に伝達する。呼気弁制御部35は、センシング部34のセンシングデータを参照して、呼気弁15への制御信号を、目標となる開放量に近づくように制御する。調整弁制御部36は、センシング部34のセンシングデータを参照して、調整弁20への制御信号を、目標となる流量値に近づくように制御する。
[0033]
 次に、図5(A)および図5(B)を用いて、呼吸補助装置10の制御例について説明する。
[0034]
 まず、マスク13が装着された口や鼻から呼気が吐き出された場合、マスク13内の圧力が上昇する。マスク13内の圧力が上昇すると、その上昇した値が気圧計14によってセンシングされる。センシングデータは、制御ユニット17に出力される。制御ユニット17は、センシングデータに基づいて、呼気弁15を制御する。すなわち、制御ユニット17は、図5(A)に示されるように、呼気弁15を動作させ、呼気孔13aを開放する。呼気は、呼気孔13aからマスク13の外部へ放出される。
[0035]
 マスク13の外部への呼気の放出により、マスク13内の圧力が下降する。マスク13内の圧力が下降すると、その下降した値が気圧計14によってセンシングされる。センシングデータは、制御ユニット17に出力される。制御ユニット17は、センシングデータに基づいて、呼気弁15を制御する。すなわち、制御ユニット17は、呼気弁15を動作させ、呼気孔13aを塞ぐ。これにより、マスク13内に閉空間が形成され、吸気動作が可能になる。
[0036]
 続いて、マスク13が装着された口や鼻にて吸気が行われる場合、マスク13内の圧力が下降する。マスク13内の圧力が下降すると、その下降した値が気圧計14によってセンシングされる。センシングデータは、制御ユニット17に出力される。制御ユニット17は、センシングデータに基づいて、供給源11を制御する。すなわち、制御ユニット17は、図5(B)に示されるように、調整弁20を開き、ガスタンク19から気体を吸気として送り出す。その後、マスク13内の圧力が上昇する。マスク13内の圧力が上昇すると、その上昇した値が気圧計14によってセンシングされる。センシングデータは、制御ユニット17に出力される。制御ユニット17は、センシングデータに基づいて、供給源11を制御する。すなわち、制御ユニット17は、調整弁20を閉じ、ガスタンク19から吸気として気体が送り出されることを停止する。以後同様に、呼気動作と吸気動作とを繰り返す。
[0037]
 ここで、ピエゾ素子15aの変形方向が内面13fから遠ざかる方向及び内面13fへ近づく方向である場合には、マスク13内外の圧力差によって生じる力の方向とほぼ平行となるため、マスク13内外の圧力差によって生じる力によって、ピエゾ素子15aが変形しやすい。一方、上述の呼吸補助装置10においては、ピエゾ素子15aの変形方向が内面13fに沿うような向きとなるように呼気弁15が配されるため、ピエゾ素子15aの変形方向は、マスク13内外の圧力差によって生じる力の方向にほぼ垂直となる。この結果、マスク13内外の圧力差によって生じる力によって、ピエゾ素子15aが変形しにくい。このように、呼気弁15は、呼気孔13aからの圧力に抗するだけの剛性を有する。また、呼気弁15そのものとしては、ピエゾ素子を用いればよいため、入手コストや加工コストの増大を回避することができる。
[0038]
 以上説明したように、マスク13と呼気弁15とによりなる開閉具は、孔からの圧力に抗するだけの剛性を有するとともに、安価に製造可能であって、小型化が容易である。さらに、構造がシンプルであるため、高い信頼性を容易に得ることができる。
[0039]
 また、ピエゾ素子15aの変形方向が内面13fに沿うような向きとなるように呼気弁15が配されるため、ピエゾ素子15aの変形方向が内面13fから遠ざかる方向及び内面13fへ近づく方向である場合に比べ、ピエゾ素子15aの少ない変形量で、呼気孔13aの全開状態を得ることが容易となる。
[0040]
 また、印加電圧の値によって変形量を容易に調節可能なピエゾ素子15aを用いるため、呼気孔13aの開放率の調節が容易となる結果、呼気の吐出し量を調節することができる。このため、当該呼気弁15から放出される呼気の流量が急激に変化することを防止できる。すなわち、マスク13内の気圧が急激に変化することを防止することとなり、患者に掛かる負担を和らげることができる。
[0041]
 さらに、呼気弁15がピエゾ素子15aを有してなるので、呼気弁として電磁弁を採用する場合と比較して耐久期間が長く、壊れにくい。
[0042]
 このため、本発明を適用することで、睡眠時無呼吸症候群などの患者が在宅人工呼吸器として使用できる。
[0043]
 また、呼気弁15は、ピエゾ素子15aに対する電圧の印加が解除されている時に呼気孔13aを開放する状態となるので、故障などによって呼気弁15が作動しなくなった場合であっても、当該呼気弁15は呼気孔13aを開放する状態となるため、呼気経路を確保できる。
[0044]
 そして、呼気弁15がマスク13に設けられているので、呼気動作に対する呼気弁15の応答性が速く、患者への負担が少ない。
[0045]
 さらに、呼気弁15がマスク13内に設けられているので、呼気弁15がマスク13外にある物体と干渉することを回避できる。なお、呼気弁15は、マスク13の外面に設けられていてもよい。
[0046]
 図6には、第2実施形態に係る呼吸補助装置40の構成が例示されている。なお、第1実施形態と第2実施形態は、同一又は類似する部分が多いので、これらの部分の説明は適宜省略すると共に、ここでは第1実施形態と異なる点を中心に説明する。後述する第3実施形態以降についても、他の実施形態と共通する説明は適宜省略すると共に、他の実施形態と異なる点を中心に説明する。
[0047]
 呼吸補助装置40は、マスク13に呼気孔13a(図1参照)を形成することに代えて、吸気管12に通気孔12aを形成している。そして、呼吸補助装置40は、呼気弁15および複数の安全部材16をマスク13に設けることに代えて、呼気弁41および複数の安全部材42を吸気管12に設けている。このため、吸気管12は、呼気経路としても機能する。
[0048]
 図2A~2Dに示す呼気弁15と同様の構造を有する呼気弁41は、自身の変形方向、すなわち自身の厚み方向が吸気管12の内面12fに沿うように、かつ、自身の変形により側面が内面12fを摺動するように、内面12fに設けられる。このため、呼気弁15は、ピエゾ素子の変形により、通気孔12aを開放する状態と、通気孔12aを塞ぐ状態との間で遷移自在である。また、安全部材42は、吸気管12の外面12gから突出するように形成され、通気孔12aの近傍に点在するように配される。
[0049]
 呼気弁41は、呼気動作に対する応答性が遅くならない範囲で、できる限りマスク13に近い位置に設けられていることが好ましい。具体的に、呼気弁41は、吸気管12におけるマスク13からの長さが300mm以内の位置に設けられていることが好ましく、100mm以内の位置に設けられていることがより好ましい。すなわち、呼気弁41は、口などの体内への入口からの呼気経路の道のりが310mm以内の位置に設けられていることが好ましく、110mm以内の位置に設けられていることがより好ましい。
[0050]
 図7には、第3実施形態に係る呼吸補助装置50の構成が例示されている。呼吸補助装置50は、呼気弁15および複数の安全部材16を、直接マスク13に設けることに代えて、呼気弁51および複数の安全部材52を、排気筒53を介してマスク13に設けている。すなわち、排気筒53は、その基端が呼気孔13aを覆うようにマスク13に設けられている。排気筒53の先端は、キャップ54によって塞がれている。排気筒53の中途部分には、通気孔53aが形成される。このため、排気筒53は、呼気経路としても機能する。
[0051]
 図2A~2Dに示す呼気弁15と同様の構造を有する呼気弁51は、自身の変形方向、すなわち自身の厚み方向が排気筒53の内面53fに沿うように、かつ、自身の変形により側面が内面53fを摺動するように、内面53fに設けられる。このため、呼気弁51は、ピエゾ素子の変形により、通気孔53aを開放する状態と、通気孔53aを塞ぐ状態との間で遷移自在である。また、安全部材52は、排気筒53の外面53gから突出するように形成され、通気孔53aの近傍に点在するように配される。排気筒53は、呼気動作に対する呼気弁51の応答性が遅くならない範囲で、できる限り短く設定されていることが好ましい。具体的に、排気筒53の長さは、500mm以内であることが好ましく、300mm以内であることがより好ましい。
[0052]
 図8には、第4実施形態に係る呼吸補助装置60の構成が例示されている。呼吸補助装置60は、呼気弁15および複数の安全部材16を、直接マスク13に設けることに代えて、呼気弁61および複数の安全部材62を、排気筒63を介して吸気管12に設けている。すなわち、排気筒63は、その基端が通気孔12aを覆うように吸気管12に設けられている。また、排気筒63の先端は、キャップ64によって塞がれている。また、排気筒63の中途部分には、通気孔63aが形成される。このため、吸気管12は、呼気経路としても機能する。
[0053]
 図2A~2Dに示す呼気弁15と同様の構造を有する呼気弁61は、自身の変形方向、すなわち自身の厚み方向が排気筒63の内面63fに沿うように、かつ、自身の変形により側面が内面63fに摺動するように、内面63fに設けられる。このため、呼気弁61は、ピエゾ素子の変形により、通気孔63aを開放する状態と、通気孔63aを塞ぐ状態との間で遷移自在である。また、安全部材62は、排気筒63の外面63gから突出するように形成され、通気孔63aの近傍に点在するように配される。
[0054]
 排気筒63は、呼気動作に対する呼気弁61の応答性が遅くならない範囲で、できる限り短く設定されていることが好ましい。具体的に、排気筒63の長さは、500mm以内であることが好ましく、300mm以内であることがより好ましい。また、排気筒63は、できる限りマスク13に近い位置に設けられていることが好ましい。具体的に、排気筒63は、吸気管12におけるマスク13からの長さが150mm以内の位置に設けられていることが好ましく、50mm以内の位置に設けられていることがより好ましい。すなわち、排気筒63は、口などの体内への入口からの呼気経路の道のりが160mm以内の位置に設けられていることが好ましく、60mm以内の位置に設けられていることがより好ましい。
[0055]
 図9には、第5実施形態に係る呼吸補助装置70の構成が例示されている。呼吸補助装置70は、供給源11としてマイクロポンプ100を備え、また、吸気経路としてマスク13のみを備えている。すなわち、マイクロポンプ100は、マスク13に直接接続されている。このマイクロポンプ100は、特許文献WO2008/069266で提案されているものであり、図10(A)に示されるように、一次ブロア室101と、この一次ブロア室101の外側に形成された二次ブロア室102と、を備えている。
[0056]
 一次ブロア室101は、振動源となる圧電素子103と、この圧電素子103が固定されたダイヤフラム104と、このダイヤフラム104と共に空間を形成する振動枠105と、を備えている。振動枠105は、一次ブロア室101の内外で流体を移動させる開口106を有している。二次ブロア室102は、ダイヤフラム104側に吸入口107を有すると共に、開口106に対向するように吐出口108を有している。
[0057]
 以上のマイクロポンプ100では、圧電素子103によってダイヤフラム104が共振すると、一次ブロア室101と二次ブロア室102との間で流体が移動し、これによる流体抵抗によって振動枠105が共振する。このダイヤフラム104と振動枠105との共振によって、吸入口107から流体が吸い込まれて、吐出口108から流体が放出される。
[0058]
 このマイクロポンプ100は、気体を搬送するブロア用途に適しており、逆止弁を用いることなく搬送できる。マイクロポンプ100は、外径が20mm×20mm×2mm程度の箱形状であって極めて小さいものの、入力正弦波を15Vpp(Volt peak to peak)で26kHzとした場合で、最大約1L/分(静圧0Pa時)の空気を搬送でき、また最大約2kPa(流量0L/分)の静圧を得ることができる。
[0059]
 一方、マイクロポンプ100は、圧電素子103によるダイヤフラム104の振動で流体を搬送するから、搬送可能な流体の体積に自ずと限界があり、この静圧/流量特性も図10(B)に示されるような直線を示す。すなわち、例えば約1kPaの静圧を得る場合、流量は0.5L/分となる。
[0060]
 なお、入力正弦波のVppを10や20に変化させた場合、圧電素子103の振幅が変化するので、流量及び圧力を変化させることができる。すなわち、入力正弦波のVppを滑らかに変化させた場合には、流量及び圧力を滑らかに変化させることができる。あるいは、入力正弦波の周波数を変化させた場合、流量及び圧力を変化させることができる。すなわち、入力正弦波の周波数を滑らかに変化させた場合には、流量及び圧力を滑らかに変化させることができる。ただし、流量及び圧力には、圧電素子103の能力や部材の強度や耐久性によって上限がある。通常は定格のVpp及び周波数で使用される。
[0061]
 なお、ここでは1つの圧電素子103をダイヤフラム104に貼り付けたモノモルフ(ユニモルフ)構造を紹介しているが、勿論、2つの圧電素子を貼り合わせて振動量を増やすバイモルフ構造を採用することもできる。
[0062]
 図11には、第6実施形態に係る呼吸補助装置80の構成が例示されている。呼吸補助装置80は、供給源11としてマイクロポンプ100を備え、また、吸気経路として吸気管12のみを備えている。そして、呼吸補助装置80は、呼気弁15および複数の安全部材16をマスク13に設けることに代えて、呼気弁81および複数の安全部材82を吸気管12に設けている。このため、吸気管12は、呼気経路としても機能する。呼気弁81は、呼気動作に対する応答性が遅くならない範囲で、かつ、患者の口に挿入されない範囲で、できる限り吸気管12の先端に近い位置に設けられていることが好ましい。さらに、呼吸補助装置80は、気圧計14をマスク13内に設けることに代えて、気圧計83を吸気管12内に設けている。
[0063]
 尚、本発明の呼吸補助装置は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、上記した実施形態の構成要件を、可能な範囲で他の実施の形態に適用してもよい。
[0064]
 すなわち、上記各実施形態において、各構成の位置、大きさ、形状、数量は適宜変更できる。以下、第1実施形態を変形した場合を例に説明する。
[0065]
 具体的に、第1実施形態を変形した場合を例に説明する。図12~13に示すように、マスク13に形成された呼気孔13aと吸気孔13bとは互いに近接するように設けられることが好ましい。ここで、「近接する」とは、ピエゾ素子15aの変形量よりも小さい範囲をいう。このため、呼気弁15は、ピエゾ素子15aの変形により、マスク13に形成された呼気孔13aのみを塞ぐ状態(図13(A)参照)と、吸気孔13bのみを塞ぐ状態(図13(B)参照)との間で遷移自在である。これにより、マスク13内の呼気をマスク13の外部へ放出する状態と、吸気管12からの吸気用ガスをマスク13内へ送り出す状態との切り替えを確実に行うことができる。さらに、マスク13の外面において呼気孔13aの近傍にて吸気管12が突出するように形成されるため、吸気管12が安全部材としても機能する。
[0066]
 また、図14に示すように、複数の呼気孔13aをマスク13に設けてもよい。これらの呼気孔13aは、マスク13のうち吸気管12の先端部の開口面と対向する部分に設けられる。また、マスク13のうち吸気管12の先端部の開口面と対向する部分には任意の基準位置XPが設定され、基準位置XPの周囲において呼気孔13aが並んでいてもよい。そして、マスク13に形成された呼気孔13aごとに、当該呼気孔13aの開閉を行う呼気弁15を設けることが好ましい。複数の呼気弁15は、互いに独立して制御されて、それぞれの呼気孔13aを開閉する。このため、開放する呼気弁15の数を変更することで、呼気の流量を調節できる。こうして、ピエゾ素子15aへの電圧の印加量を制御せずに、各ピエゾ素子15aに対する当該電圧のオン・オフを制御して、開放する呼気弁15の数を変更するだけで、呼気の流量を段階的に調節できる。すなわち、簡単な制御で呼気の流量を調節できる。また、ピエゾ素子15aへの電圧の印加量を制御することで、更に滑らかに呼気の流量を調節できる。
[0067]
 上記実施形態では、開閉機構として、変形部材であるピエゾ素子15aを有する呼気弁15を用い、この呼気弁15が、ピエゾ素子15aの変形によって、自身の側面15m(図1参照)によって呼気孔13aを塞ぐ状態(図2C・2D参照)と、呼気孔13aを開放する状態(図2A・2B参照)との間で遷移自在としたが、本発明はこれに限られず、呼気弁15の自由端側に設けられた蓋85を用いて、呼気孔13aの開閉を行ってもよい。この場合、呼気弁15と蓋85とによって開閉機構が形成される(図15参照)。蓋85は、内面13fを摺動する摺動面を有し、呼気弁15の変形方向、すなわち呼気弁15の厚み方向がマスク13の内面13fに沿うように、かつ、呼気弁15の変形により摺動面が内面13fを摺動するように配される。
[0068]
 あるいは、上記第1~第4実施形態において、供給源11として、ガスタンク19などに代えてマイクロポンプ100を備えるようにしてもよい。上記第5および第6実施形態の場合を含めた上記各実施形態において、マイクロポンプ100を複数備え、それらを直列もしくは並列に配置したり、あるいはマトリクス状に配置したりするようにしてもよい。
[0069]
 あるいは、上記第1~第5実施形態において、吸気経路および呼気経路として、口および鼻を覆うマスク13を備えているが、そのマスク13に代えて、鼻に取り付ける鼻ピースなどの装着具を備えるようにしてもよい。
[0070]
 なお、呼気孔13aや吸気孔13b(図14参照)の形状は、円形(図15参照)、楕円形、多角形、スリット状(図2A~2D参照)など、用途に応じて適宜決めればよい。
[0071]
 また、温度の変化で孔の開閉を行う場合には、開閉機構としてバイメタルを用いてもよい。この場合、制御ユニットコントローラは不要となる点でメリットがある。そして、開状態と閉状態との間で遷移自在となるように、それぞれの材料の熱膨張率・形状・寸法を決定すればよい。
[0072]
 上記実施形態では、呼気孔13aが全開の状態(図2A・2B参照)と、呼気孔13aが全閉の状態(図2C・2D参照)との間で呼気弁15を変形させたが、用途によっては、呼気孔13aの開口量がAである状態と、呼気孔13aの開口量がAよりも大きいBである状態との間で呼気弁15を変形させてもよい。これにより、呼気の流量を段階的に調節できる。
[0073]
 また、上記の開閉具は、呼気が通る孔の開閉のみならず、流体(気体や液体)が通る孔の開閉や、個体が通る孔の開閉にも適用可能である。 
[0074]
 さらに、別の実施形態について説明する。図16に示す呼吸補助装置10は、呼吸用の気体が通過する流路702と、この流路702内に配置されて、呼気方向及び吸気方向にそれぞれ加速用の空気を放出可能な呼気ノズル704及び吸気ノズル706と、流路702の外表面に周方向に沿って配置されるポンプユニット708と、このポンプユニット708を駆動するバッテリ710を備えて構成される。流路702内に配置される呼気及び吸気ノズル704、706の近傍には、それぞれ、ベンチュリー壁720が配置される。ベンチュリー壁720は、吸気ノズル704から吸気方向に向かって延説される部分と、呼気ノズル706から呼気方向に向かって延説される部分とを有する。
なお、バッテリ710については、離れた場所に配置したり、電源ラインを接続することで省略したりすることもできる。
[0075]
 ポンプユニット708は、複数(例えば4個)のマイクロポンプ100が配置されている。このポンプユニット708は、全てのマイクロポンプ100によって搬送される空気が最終的に吐出される部位となる統合吐出口(図示省略)を備える。この統合吐出口には、呼吸切替弁725が配置される。この呼吸切替弁725は、前述の呼気弁15と同様の構造を有し、吸気ノズル706を塞ぐ状態と呼気ノズル704を塞ぐ状態との間で切り替え自在である。呼吸切替弁725が吸気ノズル706を塞ぐと、図17(A)に示されるように、ポンプユニット708から送り出された空気は、呼気ノズル704から放出される。呼気ノズル704から放出された空気がベンチュリー壁720によって広がることで呼気側が負圧状態となり、吸気側(肺側)から排出される二酸化炭素を呼び込んで、呼気方向に流す。結果、呼気動作を補助することができる。一方、図17(B)に示されるように、呼吸切替弁725が呼気ノズル704を塞ぐと、ポンプユニット708から送り出された空気は、吸気ノズル706から放出される。吸気ノズル706から放出された空気はベンチュリー壁720によって広がることで吸気側が負圧状態となり、呼気側から供給される酸素を吸い込んで呼気方向(肺側)に流れる。結果、呼気動作を補助することができる。
[0076]
 更に、ポンプユニット708から呼気及び吸気ノズル704、706までの距離が短くなるので、呼吸補助動作の応答性を高めることが出来る。
[0077]
 上記実施形態では、図2A~2Dに示されるように、呼気弁15として、ピエゾ素子(圧電素子)15aと金属板15bとからなるモノモルフ(ユニモルフ)構造のものを用い、ピエゾ素子15aへの電圧印加のオン・オフによって、延びた状態(図2A・2B参照)と、反った状態(図2C・2D参照)との間で、ピエゾ素子15aを切り替えた。ところが、電圧印加のオン・オフ制御におけるピエゾ素子15の挙動は、自身の厚み方向における変形のみならず、自身の幅方向(内面13fからの高さ方向)においても変形する。このため、ピエゾ素子15aへの電圧印加のオン・オフが繰り返し行われると、自身の幅方向における変形に起因して、呼気弁15と内面13fとの間に隙間ができてしまう。この結果、呼気弁15は、呼気孔13aを閉じることができなくなってしまう。
[0078]
 かかる場合には、図18~19に示されるように、呼気弁15の一端を保持可能な保持用溝22mを固定部材22に形成するとともに、呼気弁15を内面13fに向けて付勢するバネ22sを保持用溝22mに配することが好ましい。
[0079]
 保持用溝22mは、固定部材22の側面において、呼気弁15の一端が挿入可能な大きさに形成されるものであり、内面13fからの高さ方向(呼気弁15の幅方向)へ延びる。また、呼気弁15の幅方向における保持用溝22mの寸法は、呼気弁15よりも長い。さらに、保持用溝22mは、一端側、すなわち固定部材22の上面(下面と反対側の面)22u側が閉じている一方、他端側、すなわち固定部材22の下面(内面13fと接している面)22l側は、下面22lにて開口する。
[0080]
 バネ22sは、保持用溝22mにおいて、呼気弁15の一端よりも上面22u側に配されるものであり、片方の端は、保持用溝22mの上面22u側の面に当接し、他方の端は、呼気弁15の上面22u側の面に当接する。したがって、バネ22sは、呼気弁15を下方に、すなわち内面13fに向けて付勢する。
[0081]
 このように、呼気弁15を内面13fに向けて付勢するバネ22sを配したため、ピエゾ素子15aの変形が繰り返し行われた場合であっても、呼気弁15と内面13fとの間に隙間が形成されにくくなる。この結果、呼気弁15による呼気孔13aの閉じ操作を確実に行うことができる。
[0082]
 また、図15に示されるように、呼気弁15の自由端側に設けられた蓋85を用いて、呼気孔13aの開閉を行なう場合には、蓋85を内面13fに向けて付勢するバネを、呼気弁15の自由端と蓋85との間に設けてもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 流体が通過する孔が開口する仕切面を有する仕切部材と、
 前記仕切面の面方向に変形自在な変形部材を有する開閉機構と、を備え、
 前記開閉機構は、前記変形部材の変形によって、前記孔の開口量が互いに異なる第1状態及び第2状態との間で遷移自在であることを特徴とする開閉具。
[請求項2]
 前記変形部材は、厚さ方向において変形自在の板状に形成され、前記変形の方向が前記仕切面の面方向となるように、前記変形部材が前記仕切面に対して起立することを特徴とする請求項1記載の開閉具。
[請求項3]
 前記孔はスリット状に形成され、
 前記変形部材は自身の側面で前記孔を覆うことを特徴とする請求項1または2記載の開閉具。
[請求項4]
 前記開閉機構は前記変形部材の自由端側に設けられた蓋を有し、
 前記蓋を移動させることで前記孔を覆うことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の開閉具。
[請求項5]
 前記仕切面には第1の前記孔と第2の前記孔とが開口し、
 前記開閉機構は、共通の前記変形材料を変形させることで、前記第1の孔が塞がれるとともに前記第2の孔が開放される状態と、前記第2の孔が塞がれるとともに前記第1の孔が開放される状態との間で遷移自在であることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の開閉具。
[請求項6]
 前記変形部材は圧電素子であって、
 前記圧電素子の変形を制御するコントローラを備えた
ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項記載の開閉具。
[請求項7]
 前記仕切り面に向けて前記開閉機構を付勢する付勢機構を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項記載の開閉具。
[請求項8]
 請求項1ないし7のうちいずれか1項記載の開閉具を有し、
 前記仕切部材は、鼻または口を覆うためのマスクと、装着状態のマスク内に形成される空間と連通する連通管とから形成されることを特徴とする呼吸補助装置。
[請求項9]
 前記マスクに前記孔が形成されたことを特徴とする請求項8記載の呼吸補助装置。
[請求項10]
 前記連通管に前記孔が形成されたことを特徴とする請求項8記載の呼吸補助装置。
[請求項11]
 前記孔は、鼻または口から吐き出された呼気が通る呼気経路を形成することを特徴とする請求項8ないし10のうちいずれか1項記載の呼吸補助装置。
[請求項12]
 請求項1ないし7のうちいずれか1項記載の開閉具と、
 呼気又は吸気の気体が通過する流路と、
 前記流路内に配置され吸気方向に加速用の気体を噴出する吸気ノズルと、
 前記流路内の前記吸気ノズルよりも呼気方向側に配置され、前記呼気方向に加速用の気体を噴出する呼気ノズルと、
 前記吸気ノズル及び前記呼気ノズルに対して前記加速用の気体を供給するポンプユニットと、
 前記流路内にて前記吸気ノズルから前記吸気方向に向かって延設され、前記吸気ノズルから放出された前記加速用の気体を広げて前記吸気ノズルよりも前記吸気方向側を負圧にする吸気ベンチュリー壁と、
 前記流路内にて前記呼気ノズルから前記呼気方向に向かって延設され、前記呼気ノズルから放出された前記加速用の気体を広げて前記呼気ノズルよりも前記呼気方向側を負圧にする呼気ベンチュリー壁と、
を備え、
 前記開閉具は、前記吸気ノズル及び前記呼気ノズルのうち一方を塞ぐ状態と、他方を塞ぐ状態との間で遷移自在であることを特徴とする、呼吸補助装置。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2013年9月13日 ( 13.09.2013 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] 
 流体が通過する孔が開口する仕切面を有する仕切部材と、
 前記仕切面に沿って変形自在な変形部材を有する開閉機構と、を備え、
 前記開閉機構は、前記変形部材の変形によって、前記孔の開口量が互いに異なる第1状態及び第2状態との間で遷移自在であることを特徴とする開閉具。
[2]
[補正後] 
 前記変形部材は、厚さ方向において変形自在の板状に形成され、前記変形の方向が前記仕切面に沿うように、前記変形部材が前記仕切面に対して起立することを特徴とする請求項1記載の開閉具。
[3]
 前記孔はスリット状に形成され、
 前記変形部材は自身の側面で前記孔を覆うことを特徴とする請求項1または2記載の開閉具。
[4]
 前記開閉機構は前記変形部材の自由端側に設けられた蓋を有し、
 前記蓋を移動させることで前記孔を覆うことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の開閉具。
[5]
[補正後] 
 前記仕切面には第1の前記孔と第2の前記孔とが開口し、
 前記開閉機構は、共通の前記変形材料を変形させることで、2つの状態に遷移自在であり、
 前記2つの状態のうち一方の状態における前記第1の孔の開口量は、他方の状態における前記第1の孔の開口量と異なり、前記2つの状態のうち一方の状態における前記第2の孔の開口量は、他方の状態における前記第2の孔の開口量と異なることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の開閉具。
[6]
 前記変形部材は圧電素子であって、
 前記圧電素子の変形を制御するコントローラを備えた
ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項記載の開閉具。
[7]
 前記仕切り面に向けて前記開閉機構を付勢する付勢機構を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項記載の開閉具。
[8]
 請求項1ないし7のうちいずれか1項記載の開閉具を有し、
 前記仕切部材は、鼻または口を覆うためのマスクと、装着状態のマスク内に形成される空間と連通する連通管とから形成されることを特徴とする呼吸補助装置。
[9]
 前記マスクに前記孔が形成されたことを特徴とする請求項8記載の呼吸補助装置。
[10]
 前記連通管に前記孔が形成されたことを特徴とする請求項8記載の呼吸補助装置。
[11]
 前記孔は、鼻または口から吐き出された呼気が通る呼気経路を形成することを特徴とする請求項8ないし10のうちいずれか1項記載の呼吸補助装置。
[12]
 請求項1ないし7のうちいずれか1項記載の開閉具と、
 呼気又は吸気の気体が通過する流路と、
 前記流路内に配置され吸気方向に加速用の気体を噴出する吸気ノズルと、
 前記流路内の前記吸気ノズルよりも呼気方向側に配置され、前記呼気方向に加速用の気体を噴出する呼気ノズルと、
 前記吸気ノズル及び前記呼気ノズルに対して前記加速用の気体を供給するポンプユニットと、
 前記流路内にて前記吸気ノズルから前記吸気方向に向かって延設され、前記吸気ノズルから放出された前記加速用の気体を広げて前記吸気ノズルよりも前記吸気方向側を負圧にする吸気ベンチュリー壁と、
 前記流路内にて前記呼気ノズルから前記呼気方向に向かって延設され、前記呼気ノズルから放出された前記加速用の気体を広げて前記呼気ノズルよりも前記呼気方向側を負圧にする呼気ベンチュリー壁と、
を備え、
 前記開閉具は、前記吸気ノズル及び前記呼気ノズルのうち一方を塞ぐ状態と、他方を塞ぐ状態との間で遷移自在であることを特徴とする、呼吸補助装置。

条約第19条(1)に基づく説明書
1.補正の内容
 請求の範囲1、2、5を補正し、請求の範囲3、4、6~12は捕正をしていない。
 請求の範囲1、2は、変形部材の変形方向を、「仕切り面の面方向」から「仕切り面に沿って」となるように補正した。「仕切り面に沿って」の根拠は、例えば、段落[0049]である。
 請求の範囲5は、段落[0072]等の内容を取り込むように補正した。

2.説明
 今回の補正により、文献1:JP 2006-214493A、及び文献2:JP 3-136655A に対する、今回の発明の技術的特徴が明確となった。


図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 2C]

[ 図 2D]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]