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1. WO2020136785 - DEFECT INSPECTION DEVICE, INSPECTION METHOD, AND OPTICAL MODULE

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明 細 書

発明の名称 欠陥検査装置および検査方法並びに光学モジュール

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

非特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010   0011   0012   0013  

課題を解決するための手段

0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020  

実施例 1

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099  

実施例 2

0100   0101   0102   0103  

実施例 3

0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116  

実施例 4

0117   0118   0119  

実施例 5

0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129  

実施例 6

0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149  

産業上の利用可能性

0150  

符号の説明

0151  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1A   1B   2   3   4   5   6   7A   7B   8A   8B   8C   8D   9   10A   10B   11   12   13A   13B   14   15   16   17   18   19   20A   20B   21   22   23   24   25   26  

明 細 書

発明の名称 : 欠陥検査装置および検査方法並びに光学モジュール

技術分野

[0001]
 本発明は試料表面に存在する微小な欠陥を検査し、欠陥の位置、種類および寸法を判定して出力する欠陥検査方法および検査装置並びに光学モジュールに関する。

背景技術

[0002]
 半導体基板や薄膜基板等の製造ラインにおいて、製品の歩留りを維持・向上するために、半導体基板や薄膜基板等の表面に存在する欠陥の検査が行われている。欠陥検査の従来技術としては例えば米国特許9874526号公報(特許文献1)や特開2013-231631号公報(特許文献2)に記載されている技術が知られている。
[0003]
 特許文献1では、照明光学系に1つ以上の偏光素子を備え,検出系に調整可能なアパーチャと回転可能な波長板と回転可能なアナライザを備えた検査システムが開示されている。微小な欠陥からの散乱光はP偏光照明で最大化されるが、試料面からの散乱光量もP偏光で最大化されるため、照明偏光をP偏光からずらすことでSNR(Signal to Noise Ratio: S/N比)が最大化されると述べられている。
[0004]
 特許文献2には、試料の表面に線状の領域に照明光を照射する照射手段と、照射手段により試料上の光が照射された線状の領域から反射・散乱した光を検出する検出手段と、反・散乱した光を検出して得た信号を処理して試料上の欠陥を検出する信号処理手段とを備えて構成し、検出手段は、試料から反射・散乱した光を一方向に拡散させて一方向と直角な方向に結像させる光学系と、検出画素を二次元に配置したアレイセンサを有して光学系により一方向に拡散させ一方向と直角な方向に結像させた反射・散乱光を検出して反射・散乱光を拡散させた方向に並ぶ各検出画素の出力信号を加算して出力する検出系とを備えた欠陥検査装置について記載されている。
[0005]
 非特許文献1では自己クローニング技術により形成した3次元フォトニック結晶による光学デバイスの応用について記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 米国特許9874526号明細書
特許文献2 : 特開2013-231631号公報

非特許文献

[0007]
非特許文献1 : 川上 彰二郎他7名“自己クローニングによる3次元フォトニック結晶の作製と応用”、電子情報通信学会論文誌 C Vol.J81-C2 No.10 pp.787-795、発行日: 1998/10/25

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 半導体等の製造工程で用いられる欠陥検査には、微小な欠陥を検出すること、検出した欠陥の寸法を高精度に計測すること、試料を非破壊で(例えば試料を変質させること無く)検査すること、同一の試料を検査した場合に例えば検出欠陥の個数、位置、寸法、欠陥種に関して実質的に一定の検査結果が得られること、一定時間内に多数の試料を検査することなどが求められる。光学的な手法を用いて欠陥検出感度を向上させるには、試料面への照明による欠陥からの散乱光を、試料面からの散乱光に対して相対的に大きくする必要がある。
[0009]
 前記特許文献1に述べられた技術では、欠陥からの散乱光と試料面からの散乱光の偏光がなるべく直交するような条件で検出して、偏光制御を行い、検査のSNRを向上させるため、線形的な偏光子と1/4波長板が適用されているが、この組み合わせでは、試料面からの散乱光に楕円偏光成分が含まれていた場合に、偏光子によって欠陥散乱光と試料面からの散乱光との分離が不十分であるという課題がある。
[0010]
 特許文献1の方式では、検出系で集光した光に回転可能な1/4波長板を用いて、進相角と遅相角との位相差を波長の1/4だけずらし、特定の楕円偏光を直線偏光に変換することが可能である。しかし、ここで対象となるのは欠陥からの散乱光と試料表面からの散乱光であり、それぞれ偏光の方向が異なっている。1/4波長板は、入射する直線偏光の方向が、波長板の進相角、あるいは遅相角と45度ずれた条件で円偏光に偏光を変えてしまうため、入射光が直線偏光に近い偏光の場合には、この楕円の長軸方向と1/4波長板の進相軸、あるいは遅相軸とのなす角が小さい条件にしなければ、この楕円偏光を直線偏光に変換することができない。
[0011]
 しかし、一般に欠陥からの散乱光と試料面からの散乱光の偏光の方向は一致しない。微小な欠陥からの散乱光を最大化するために用いられる試料面へのP偏光入射による検査では、欠陥、試料面、それぞれからの散乱光はともに直線偏光から大きくはずれておらず、一方、2つの偏光方向は大きく異なることが多いため、1/4波長板で試料面からの光を直線偏光に変換しようとしても、逆に、いずれかの散乱光が直線偏光からずれてしまう副作用が発生し、感度を向上させることが困難である。波長よりも小さな欠陥を検出するために一般に用いられているP偏光照明を入射した検査では、一般的には偏光分離を妥協して、1/2波長板のみを適用するのが一般的である。
[0012]
 特許文献2においても、検出光学系で集光した光の偏光特性に応じて偏光透過部の透過特性を変化させて、欠陥からの散乱光の強度が試料面からの散乱光に対して相対的に強くなるようにして、試料表面の散乱によるショットノイズがある中で微小な欠陥からの微弱な散乱光を検出できるようにすることについては記載されていない。
[0013]
 本発明は、上記した従来技術の課題を解決して、検出光学系で集光した光に対し、偏光透過部での試料面からの散乱光の透過を低減させる一方、欠陥からの散乱光の透過率を増大させ、欠陥からの散乱光の強度が、試料面からの散乱光に対して相対的に強くなるようにすることで、高速かつ高感度な欠陥の検出を実現することができるような欠陥検査装置及び欠陥検査方法並びに光学モジュールを提供するものである。

課題を解決するための手段

[0014]
 上記課題を解決するために、本発明では、検査装置を、被検査試料を保持する試料保持部と、この試料保持部で保持された試料に対して所定波長の光を照射する照明光学系と、光電変換部を備えて光が照射された試料からの反射光または散乱光を集光して光電変換部へ導く検出光学系と、反射光または散乱光を検出した光電変換部の出力信号を処理して試料上の異物または欠陥の位置情報を抽出するデータ処理部とを備えて構成し、検出光学系は、集光した反射光または散乱光の偏光特性に応じて透過特性を変化させる偏光透過制御ユニットを備え、この偏光透過制御ユニットを、検出光学系で集光した反射光または散乱光の偏光特性に応じて反射光または散乱光の進相軸と遅相軸間の複屈折による所定の位相差を発生させる複屈折位相差制御部と、この複屈折位相差制御部の出力光の偏光方向に応じて光を選択的に透過させる偏光透過部を備えて構成した。
[0015]
 また、上記課題を解決するために、本発明では、被検査試料を保持する試料保持部で保持された試料に対して照明光学系から所定波長の光を照射し、照明光学系により光が照射された試料からの反射光または散乱光を検出光学系で集光して光電変換部で検出し、反射光または散乱光を検出した光電変換部の出力信号をデータ処理部で処理して試料上の異物または欠陥の位置情報を抽出することにより行う検査方法において、複屈折位相差制御部において検出光学系で集光した反射光または散乱光の偏光特性に応じて反射光または散乱光の進相軸と遅相軸間の複屈折による所定の位相差を発生させ、複屈折位相差制御部で所定の位相差を発生させた反射光または散乱光の偏光方向に応じて偏光透過部で光を選択的に透過させ、偏光透過部で選択的に透過させた光を光電変換部で検出するようにした。
[0016]
 更に、上記課題を解決するために、本発明では、対物レンズとこの対物レンズが集光する光の偏光特性に応じて透過特性を変化させる偏光透過制御ユニットと、結像レンズとセンサとで構成される光学モジュールにおいて,偏光透過制御ユニットを、対物レンズで集光した偏光特性を有する光の進相軸と遅相軸間の複屈折による所定の位相差を発生させる複屈折位相差制御部と、この複屈折位相差制御部の出力光の偏光方向に応じて出力光を選択的に透過させる偏光透過部を備えて構成した。

発明の効果

[0017]
 本発明によれば、検出光学系で集光した光に対し、偏光透過素子により典型的には90度の非整数倍の位相差を進相軸と遅相軸の間に設定することで、偏光透過部での試料面からの散乱光の透過を低減させる一方、欠陥からの散乱光の透過率を増大させ、欠陥からの散乱光の強度が、試料面からの散乱光に対して相対的に強くなるようにすることで、高速かつ高感度な欠陥の検出を実現する。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1A] 本発明の第1の実施例に係る欠陥検査装置の一実施形態を示す全体概略構成を示すブロック図である。
[図1B] 本発明の第1の実施例に係る欠陥検査装置の一実施形態を示す図で、図1Aのアッテネータ3の内部構成を示すブロック図である。
[図2] 本発明の第1の実施例に係る照明部により実現される照明強度分布形状の第一例を示すブロック図である。
[図3] 本発明の第1の実施例に係る照明部により実現される照明強度分布形状の第二例を示すブロック図である。
[図4] 本発明の第1の実施例に係る照明部により実現される照明強度分布形状の第三例を示すブロック図である。
[図5] 本発明の第1の実施例に係る照明部により実現される照明強度分布形状の第四例を示すブロック図である。
[図6] 本発明の第1の実施例に係る試料表面上の照明分布形状と走査方向を示す第一例を示すウェハの平面図である。
[図7A] 走査による照明スポットの軌跡を示す第一の例を示すウェハの平面図である。
[図7B] 走査による照明スポットの軌跡を示す第二の例を示すウェハの平面図である。
[図8A] 本発明の第1の実施例に係る高角検出部と低角検出部を備えた検出部の配置および検出方向を側面から見た側面図である。
[図8B] 本発明の第1の実施例に係る高角検出部と低角検出部を備えた検出部の配置および検出方向を上面から見た平面図である。
[図8C] 本発明の第1の実施例に係る垂直検出部と中角度検出部とを備えた検出部の配置および検出方向を側面から見た側面図である。
[図8D] 本発明の第1の実施例に係る垂直検出部と中角度検出部とを備えた検出部の配置および検出方向を上面から見た平面図である。
[図9] 本発明の第1の実施例に係る低角検出部の配置及び試料面からの散乱光の偏光方向を上面から見た平面図である。
[図10A] 本発明の第1の実施例に係る検出光学系の構成の第一例を示すブロック図である。
[図10B] 本発明の第1の実施例に係る検出光学系を光学モジュール化した構成を示すブロック図である。
[図11] 本発明の第1の実施例に係る複屈折位相差制御部の進相軸の実施例を示す図で、(a)は面内で進相軸が一定方向である場合を示し、(b)は分割した領域ごとに進相軸が設定されている状態を示す。
[図12] 本発明の第1の実施例に係る検出光の位相差分布のシミュレーション結果を示す図で、(a)はシリコンウェハからの散乱光の位相差の分布を示す図、(b)は波長に対して充分に小さい欠陥からの散乱光の位相差の分布を示す図である。
[図13A] 本発明の第1の実施例に係る複屈折位相差制御部の構成図で、入射する光の波長に対して透過率が高い異なる二つの屈折率の物質を、進相方向に交互に並べて形成した状態の斜視図である。
[図13B] 本発明の第1の実施例に係る複屈折位相差制御部の構成図で、入射する光の波長に対して透過率が高い異なる二つの屈折率の物質を、z方向に交互に重ねて形成した状態を示す斜視図である。
[図14] 本発明の第1の実施例に係る複屈折位相差制御部の構成を、波長に対して充分に小さい欠陥からの散乱光の位相差の分布図と重ね合せて表示した図である。
[図15] 本発明の第1の実施例に係るデータ処理部の構成を示すブロック図である。
[図16] 本発明の第2の実施例に係る検出光学系の構成を示すブロック図である。
[図17] 本発明の第3の実施例に係る検出光学系の構成を示すブロック図である。
[図18] 本発明の第3の実施例に係る、二枚の波長板で複屈折位相差制御部を構成する場合の遅相軸と進相軸とを説明する図である。
[図19] 本発明の第4の実施例に係る検出光学系の構成を示すブロック図である。
[図20A] 本発明の第5の実施例に係る検出光学系の構成を示すブロック図である。
[図20B] 本発明の第5の実施例に係る検出光学系を組み込んだ欠陥検査装置の概略の構成を示すブロック図である。
[図21] 本発明の第5の実施例に係る検出光学系の光路を分岐する開口部を備えたミラーの構成を示す平面図である。
[図22] 本発明の第6の実施例に係る検出光学系の構成を示すブロック図である。
[図23] 本発明の第6の実施例に係るウェハ上での照明スポットと検出光学系の結像との対応関係を示すウェハと対物レンズの斜視図である。
[図24] 本発明の第6の実施例に係るシリンドリカルレンズアレイと結像型の光電変換部との結像関係を示すシリンドリカルレンズアレイと結像型の光電変換部との斜視図である。
[図25] 本発明の第6の実施例に係る光電変換部の内部回路構成を示すブロック図である。
[図26] 本発明の第6の実施例に係る検出光学系を組み込んだ欠陥検査装置の概略の構成を示すブロック図である。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下、本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。なお、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。以下で説明する実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明するものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例を加えることも可能である。また各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
[0020]
 以下の実施例では、本発明を、半導体等の製造工程で実行する欠陥検査に用いられる検査装置に適用する場合について説明する。検査装置の使用により、(1) 微小な欠陥の検出、(2) 検出した欠陥の寸法の高精度な計測、(3) 検出欠陥の個数、位置、寸法、欠陥種に関する実質的に一定の検査結果の取得、(4)一定時間内における多数の試料の検査などを実現できる。
実施例 1
[0021]
 図1Aは本実施例に係る欠陥検査装置の概略構成図の例である。照明部101、検出部102、試料1であるウェハを載置可能なステージ103、信号処理部105、制御部53、表示部54、入力部55、を有する。照明部101はレーザ光源2、アッテネータ3、出射光調整部4、ビームエキスパンダ5、偏光制御部6、照明強度分布制御部7を適宜備える。
[0022]
 レーザ光源2から射出されたレーザ光ビームは、アッテネータ3で所望のビーム強度に調整され、出射光調整部4で所望のビーム位置、ビーム進行方向に調整され、ビームエキスパンダ5で所望のビーム径に調整され、偏光制御部6で所望の偏光状態に調整され、照明強度分布制御部7で所望の強度分布に調整され、試料(ウェハ)1の検査対象領域に照明される。
[0023]
 照明部101の光路中に配置された反射ミラー81,82の位置と角度により試料1の表面に対する照明光の入射角(試料表面の法線方向に対する傾き角)が決められる。照明光の入射角は微小な欠陥の検出に適した角度に設定される。80は、反射ミラー82の角度を調整する調整機構部を示す。照明入射角が大きいほど、すなわち照明仰角(試料表面と照明光軸との成す角)が小さいほど、試料1の表面上の微小異物からの散乱光に対してノイズとなる試料1の表面の微小凹凸からの散乱光(ヘイズと呼ばれる)が弱まるため、微小な欠陥の検出に適する。このため、試料1の表面の微小凹凸からの散乱光が微小欠陥検出の妨げとなる場合には、照明光の入射角は好ましくは75度以上(仰角15度以下)に設定するのがよい。
[0024]
 一方、斜入射照明において照明入射角が小さいほど微小異物からの散乱光の絶対量が大きくなるため、欠陥からの散乱光量の不足が微小欠陥検出の妨げとなる場合には、照明光の入射角は好ましくは60度以上75度以下(仰角15度以上30度以下)に設定するのがよい。
[0025]
 また、斜入射照明を行う場合、照明部101の偏光制御部6における偏光制御により、照明の偏光をP偏光とすることで、その他の偏光と比べて試料1の表面上の欠陥からの散乱光が増加する。また、試料1の表面の微小凹凸からの散乱光が微小欠陥検出の妨げとなる場合には、照明の偏光をS偏光とすることで、その他の偏光と比べて試料1の表面の微小凹凸からの散乱光が減少する。また、照明の偏光はPとSの中間である45度偏光や、円偏光に設定することも可能である。
[0026]
 また、必要に応じて、図1Aに示すように、照明部101の光路中に図示していない駆動手段でミラー211を挿入することにより照明光路が変更され、ミラー212,213で順次反射されて試料面に対して実質的に垂直な方向から照明光が照射される(垂直照明)。このとき、試料1の面上の照明強度分布は照明強度分布制御部7vにより、斜入射照明と同様に制御される。
[0027]
 また、ミラー211と同じ位置にビームスプリッタを挿入して、試料1の表面に対して斜入射照明と実質的な垂直照明とを同時に行うことにより、試料面の凹み状の欠陥(研磨キズや結晶材料における結晶欠陥)からの散乱光を得るのに適した照明を行うことができる。なお、図1Aに示す照明強度分布モニタ24については後に詳説する。
[0028]
 レーザ光源2としては、試料1の表面近傍の微小な欠陥を検出するには、試料1の内部に浸透しづらい波長として、短波長(波長355nm以下)の紫外または真空紫外のレーザビームを発振し、かつ出力2W以上の高出力のものが用いられる。出射ビーム径は1mm程度である。試料1の内部の欠陥を検出するには、試料1の内部に浸透しやすい波長として、可視あるいは赤外のレーザビームを発振するものが用いられる。
[0029]
 アッテネータ3は、図1Bに示すように、第一の偏光板31と、照明光の光軸周りに回転可能な1/2波長板32と、第二の偏光板33を適宜備える。アッテネータ3に入射した光は、第一の偏光板31により直線偏光に変換され、1/2波長板32の遅相軸方位角に応じて偏光方向が任意の方向に回転され、第二の偏光板33を通過する。
[0030]
 1/2波長板32の方位角を制御することで、光強度が任意の比率で減光される。アッテネータ3に入射する光の直線偏光度が十分高い場合は第一の偏光板31は必ずしも必要ない。アッテネータ3は入力信号と減光率との関係が事前に較正されたものを用いる。アッテネータ3として、グラデーション濃度分布を持つNDフィルタを用いることも、互いに異なる複数の濃度のNDフィルタを切替えて使用することも可能である。
[0031]
 出射光調整部4は複数枚の反射ミラー41,42を備える。ここでは二枚の反射ミラー41と42で構成した場合の実施例を説明するが、これに限られるものではなく、三枚以上の反射ミラーを適宜用いても構わない。ここで、三次元の直交座標系(XYZ座標)を仮に定義し、反射ミラー41への入射光が+X方向に進行しているものと仮定する。
[0032]
 反射ミラー41は入射光を+Y方向に偏向するよう設置され(XY面内での入射・反射)、反射ミラー42は反射ミラー41で反射した光を+Z方向に偏向するよう設置される(YZ面内での入射・反射)。各々の反射ミラー41と42は、図示していない機構を用いて平行移動とあおり角調整を行うことにより、出射光調整部4から出射する光の位置、進行方向(角度)が調整される。
[0033]
 前記のように、反射ミラー41の入射・反射面(XY面)と反射ミラー42入射・反射面(YZ面)が直交するような配置とすることで、出射光調整部4から出射する光(+Z方向に進行)のXZ面内の位置、角度調整と、YZ面内の位置、角度調整とを独立に行うことができる。
[0034]
 ビームエキスパンダ5は二群以上のレンズ群51,52を有し、入射する平行光束の直径を拡大する機能を持つ。例えば、凹レンズと凸レンズの組合せを備えるガリレオ型のビームエキスパンダが用いられる。ビームエキスパンダ5は図示していない二軸以上の並進ステージに設置され、所定のビーム位置と中心が一致するように位置調整が可能である。また、ビームエキスパンダ5の光軸と所定のビーム光軸が一致するようにビームエキスパンダ5全体のあおり角調整機能が備えられる。
[0035]
 レンズ群51,52の間隔を調整することにより、光束直径の拡大率を制御することが可能である(ズーム機構)。ビームエキスパンダ5に入射する光が平行でない場合には、レンズ群51,52の間隔の調整により、光束の直径の拡大とコリメート(光束の準平行光化)が同時に行われる。光束のコリメートはビームエキスパンダ5の上流にビームエキスパンダ5と独立にコリメートレンズを設置して行ってもよい。ビームエキスパンダ5によるビーム径の拡大倍率は5倍から10倍程度であり、光源から出射したビーム径1mmのビームが5mmから10mm程度に拡大される。
[0036]
 偏光制御部6は、1/2波長板61、1/4波長板62によって構成され、照明光の偏光状態を任意の偏光状態に制御する。照明部101の光路の途中において、ビームモニタ22によってビームエキスパンダ5に入射する光、ビームモニタ23によって照明強度分布制御部7に入射する光の状態(光軸上のレーザビームの強度や位置)が計測される。
[0037]
 図2乃至図6に、照明部101より試料面に導かれる照明光軸120と照明強度分布形状との位置関係の模式図を示す。なお、図2乃至図5における照明部101の構成は照明部101の構成の一部を示したものであり、出射光調整部4、ミラー211、ビームモニタ22、23等は省略されている。
[0038]
 図2に、斜入射照明の入射面(照明光軸と試料1の表面の法線とを含む面)の断面の模式図を示す。斜入射照明は入射面内にて試料1の表面に対して傾斜している。照明部101により入射面内において実質的に均一の照明強度分布が作られる。図2の右側の照明強度分布模式図に示すように、線状に照明された領域において照明強度が均一である部分L1の長さは、単位時間当たりに広い面積を検査するため、100μmから4mm程度である。
[0039]
 図3に、試料1の表面の法線を含みかつ斜入射照明の入射面に垂直な面の断面の模式図を示す。この面内で、試料1の面上の照明強度分布は中心に対して周辺の強度が弱い照明強度分布を成す。より具体的には、照明強度分布制御部7に入射する光の強度分布を反映したガウス分布、あるいは照明強度分布制御部7の開口形状を反映した第一種第一次のベッセル関数あるいはsinc関数に類似した強度分布となる。
[0040]
 この面内での照明強度分布の長さ(最大照明強度の13.5%以上の照明強度を持つ領域の長さ)L2は、試料1の表面から発生するヘイズを低減するため、前記入射面内における照明強度が均一である部分の長さより短く、2.5μmから20μm程度である。照明強度分布制御部7は、非球面レンズ、回折光学素子、シリンドリカルレンズアレイ、ライトパイプなどの光学素子を備える。照明強度分布制御部7を構成する光学素子は図2、図3に示されるように、照明光軸120に垂直に設置される。
[0041]
 また、図4と図5に示した構成は、それぞれ図2及び図3に示した構成で照明光軸120を試料1の表面に対する傾きを入れ替えた場合の構成を示す。即ち、照明光軸120の試料1の表面への入射方向に対する試料1上の線状照明領域を、図2及び図3で説明した場合と90度向きを変えた場合の状態を示している。
[0042]
 図4に示した構成は、斜入射照明の入射面(照明光軸と試料1の表面の法線とを含む面)の断面の模式図を示すもので。斜入射照明は入射面内にて試料1の表面に対して傾斜している。この面内で、試料1の面上の照明強度分布は中心に対して周辺の強度が弱い照明強度分布を成す。これに対して図5に示した構成は、試料1の表面の法線を含みかつ斜入射照明の入射面に垂直な面の断面の模式図を示す。入射面内において実質的に均一の照明強度分布が作られる。
[0043]
 照明強度分布制御部7は、前段に空間光変調素子(SLM:Spatial Light Modulator)の一種である空間光位相変調素子71を、後段に入射する光の位相分布及び強度分布に作用する光学素子72(例えば、回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element))を備える。また、照明強度分布制御部7vも、同様な構成を備える。
[0044]
 図1に示した構成において、照明部101における照明光の状態がビームモニタ22によって計測される。ビームモニタ22は、出射光調整部4を通過した照明光の位置および角度(進行方向)、あるいは照明強度分布制御部7に入射する照明光の位置および波面を計測して出力する。
[0045]
 照明光の位置計測は、照明光の光強度の重心位置を計測することによって行われる。具体的な位置計測手段としては、光位置センサ(PSD:Position Sensitive Detector)、あるいはCCDセンサやCMOSセンサなどのイメージセンサが用いられる。照明光の角度計測は前記位置計測手段より光源から遠く離れた位置、あるいはコリメートレンズによる集光位置に設置された光位置センサあるいはイメージセンサによって行われる。
[0046]
 ビームモニタ22で計測された照明光位置、照明光角度は制御部53に入力され、表示部54に表示される。照明光位置あるいは角度が所定の位置あるいは角度からずれていた場合は、前記出射光調整部4において所定の位置に戻るよう調整される。
[0047]
 ビームモニタ23による照明光の波面計測は、照明強度分布制御部7に入射する光の平行度を測定するために行われる。シアリング干渉計による計測、あるいはシャックハルトマン波面センサによる計測が行われる。
[0048]
 シアリング干渉計は、両面を平坦に研磨した厚さ数mm程度の光学ガラスを照明光路中に斜めに傾斜させて挿入し、表面による反射光と裏面による反射光とをスクリーンに投影した際に観測される干渉縞の模様によって、照明光の発散・収束状態を計測するものであり、シグマ光機社製SPUV-25などがある。スクリーン位置にCCDセンサやCMOSセンサなどのイメージセンサを設置すれば照明光の発散・収束状態の自動計測が可能である。
[0049]
 シャックハルトマン波面センサは、細かなレンズアレイによって波面を分割してCCDセンサなどのイメージセンサに投影し、投影位置の変位から個々の波面の傾斜を計測するものである。シアリング干渉計と比較して、部分的な波面の乱れなど詳細な波面計測を行うことができる。
[0050]
 波面計測により照明強度分布制御部7に入射する光が準平行光でなく、発散あるいは収束していることが判明した場合、前段のビームエキスパンダ5のレンズ群を光軸方向に変位させることで、準平行光に近づけることができる。
[0051]
 また、ビームモニタ23を用いた波面計測により照明強度分布制御部7に入射する光の波面が部分的に傾斜していることが判明した場合、照明強度分布制御部7の前段に挿入した空間光変調素子(SLM:Spatial Light Modulator)の一種である空間光位相変調素子71により、波面が平坦になるよう光束断面の位置ごとに適当な位相差を与えることで、波面を平坦に近づける、すなわち照明光を準平行光に近づけることができる。
[0052]
 以上の波面精度計測・調整手段により、照明強度分布制御部7に入射する光の波面精度(所定の波面(設計値あるいは初期状態)からのずれ)がλ/10rms以下に抑えられる。
[0053]
 照明強度分布制御部7において調整された試料1の表面上の照明強度分布は、試料1の表面からの反射光を検出する照明強度分布モニタ24によって計測される。なお、図1で示したように、垂直照明を用いる場合でも、同様に、照明強度分布制御部7vにおいて調整された試料面上の照明強度分布が照明強度分布モニタ24によって計測される。照明強度分布モニタ24はレンズ241を介して試料面をCCDセンサやCMOSセンサなどのイメージセンサ242上に結像して画像として検出するものである。
[0054]
 照明強度分布モニタ24で検出された照明強度分布の画像は制御部53において処理され、強度の重心位置、最大強度、最大強度位置、照明強度分布の幅、長さ(所定の強度以上あるいは最大強度値に対して所定の比率以上となる照明強度分布領域の幅、長さ)などが算出され、表示部54において照明強度分布の輪郭形状、断面波形などと共に表示される。
[0055]
 照明部101によって試料1の面上に形成される照度分布形状(照明スポット20)と試料走査方法について図6及び図7Aを用いて説明する。試料1として円形の半導体シリコンウェハを想定する。ステージ103は、並進ステージ、回転ステージ、試料面高さ調整のためのZステージ(いずれも図示せず)を備える。
[0056]
 照明スポット20は前述の通り一方向に長い照明強度分布を持ち、その方向をS2とし、S2に実質的に直交する方向をS1とする。回転ステージの回転運動によって、回転ステージの回転軸を中心とした円の円周方向S1に、並進ステージの並進運動によって、並進ステージの並進方向S2に走査される。走査方向S1の走査により試料を1回転する間に、走査方向S2へ照明スポット20の長手方向の長さ以下の距離だけ走査することにより、照明スポットが試料1上にてらせん状の軌跡Tを描き、試料1の全面が走査される。
[0057]
 図7Bは回転ステージの代わりに2軸の併進ステージを備えた構成における照明スポットの走査を示す。S1方向に走査することで、照明スポットS1方向に照明スポット長さで帯状に試料面を一定速度で走査する。試料1の端部においてS2方向に走査幅だけ併進ステージを移動して視野を移動し、S1方向と逆方向に一定速度で走査を行うことを繰り返して行うことにより、試料1の全面が走査される。
[0058]
 図8A乃至図8Dに、検出部102の配置の例を示す。図8Aは、検出天頂角が異なる位置にそれぞれ複数の高角度検出部102H1~102HNと低角度検出部102L1~102LNを配置した状態を示す側面図である。試料1の法線に対して、検出部102による検出方向(検出開口の中心方向)のなす角を、検出天頂角と定義する。
[0059]
 検出部102は、検出天頂角が45度以下の高角度検出部102H1乃至102HNと、検出天頂角が45度以上の低角度検出部102L1乃至102LNを適宜用いて構成される。高角度検出部102H1乃至102HN、低角度検出部102L1乃至102LNは、各々の検出天頂角において多方位に散乱する散乱光をカバーするよう、複数の検出部からなる。
[0060]
 図8Bに、図8Aのように高角度検出部102H1~102HNと低角度検出部102L1~102LNを配置した状態の平面図を示す。図8Bに示した構成においては、高角度検出部102H1乃至102HNを4台配置し、低角度検出部102L1乃至102LNを6台配置した例を示している。
[0061]
 一方、図8Cには、試料1の法線方向に検出部102H0を配置し、ある検出天頂角の位置に複数の中角度検出部102M1乃至102MNを配置した状態の側面図を示す。
[0062]
 図8Dには、図8Cのように検出部102H0と中角度検出部102M1乃至102MNを配置した状態の平面図を示す。図8Dに示した構成に置いては、法線方向の検出部102H0の周りに、中角度検出部102M1乃至102M4Nを4台配置した例を示している。
[0063]
 図9に、図8A及び図8Bに示した低角度検出部102L1乃至102L6が検出する方位と天頂角を示す。各検出部の検出領域は3次元的に天頂角と方位角で規定される。900は天頂角度を半径r、方位角度を角度θとしたときの散乱光の分布を表示する。901はP偏光の斜方照明の入射方向を示す。903で示す矢印は、試料1からの散乱光の偏光方向である。9LF、9LF’、9LS、9LS’9LB、9LB’は、低角度検出部102L1乃至102L6のそれぞれが検出する散乱光の領域を示している。
[0064]
 領域9LFから発生する散乱光は前方散乱光、領域9LBから発生する散乱光は後方散乱光であり、一般に領域9LFから発生する前方散乱光は領域9LBから発生する後方散乱光に対して散乱光強度は弱い。すなわち、領域9LFから発生する前方散乱光は、欠陥の背景散乱光に対するコントラストが、相対的に領域9LBから発生する後方散乱光に対して強くなる。点線で示した矢印902LF、902LS、902LBは、それぞれ9LF、9LS、9LBの試料1からの散乱光の偏光に対して直交する偏光方向を表す。
[0065]
 図10Aに検出部102の構成を示す。1021は対物レンズであり、図の左側から対物レンズ1021に試料1からの散乱光が入射する。1022は複屈折特性をもつ複屈折位相差制御部である。この複屈折位相差制御部1022は、対物レンズ1021の瞳位置かあるいはこれと共役な位置に配置する。1026は偏光選択素子であり、典型的には偏光ビームスプリッタを用いる。1027-1及び1027-2は結像レンズ、103-1及び103-2は光電変換部(センサ)である。光電変換部103-1及び103-2としては、フォトマルチプライヤーを適用する。また、これに替えて、SiPM(Silicon Photo-multiplier:シリコン光電子増倍管)を用いても良い。
[0066]
 光電変換部103-1及び103-2は、入射した光量を電気信号に変換して出力する。偏光選択素子1026は、入射する光の偏光特性に対応して光を2つの光路に分岐して出力する。複屈折位相差制御部1022は、光電変換部103-1の位置において、試料1に照射される照明光の波長サイズに対して、試料1上の十分小さい異物欠陥からの散乱光が欠陥の背景散乱光に対して強くなるように偏光方向を制御する。これにより、欠陥の検出感度を向上させることができる。
[0067]
 欠陥は必ずしも異物とは限らないため、欠陥から散乱する光の偏光方向が想定される方向とは異なり、光電変換部103-1には欠陥からの散乱光が弱くしか検出されない場合がある。このような欠陥では、光電変換部103-2で強い欠陥信号を検出する。なお、結像レンズ1027-2及び光電変換部103-2は省いても装置を構成することが可能である。
[0068]
 図10Bに、図10Aで説明した検出部102を含んでモジュール化した、光学モジュール106の構成を示す。図10Bに示した光学モジュール106は、検出光学系に組み込まれて使用される光学モジュールであって、図10Aで説明した検出部102に対応する構成として、対物レンズ1021、偏光透過制御ユニット107、結像レンズ1027、光電変換部103-1及びこれらの光学要素を保持する筐体106-1を含んで構成される。
[0069]
 図10Bの左側から光学モジュール106に入射した入射光(入射光の光軸を光軸106-2とする)は、筐体106-1の受光側端部に設けられた光学窓106-3を通って対物レンズ1021に入射し、更に偏光透過制御ユニット107に入射する。
[0070]
 偏光透過制御ユニット107は、偏光方向を制御する複屈折位相差制御部1022と入射光の偏光特性に対応し光路を分岐することで特定の偏光状態の光を選択的に透過させる偏光選択素子1026とを備える。複屈折位相差制御部1022へ入射した光は偏光状態に応じて分解され、偏光選択素子1026に入射する。
[0071]
 偏光選択素子1026は、特定の偏光状態の光のみを透過させ、それ以外の偏光状態の光を第一の光軸106-2の軸外方向に散乱させる(または、第一の光軸106-2から第二の光軸106-5を分岐させる)。偏光選択素子1026を透過した光は結像レンズ1027に入射し、更に結像レンズ1027-1により収束されて光電変換部103-1に到達する。
[0072]
 偏光選択素子1026により第二の光軸106-5に分岐された光は、第二の光学窓106-4を通って筐体106-1の外部に出射される。分岐光をモジュール外に逃がすための光学窓を備えることにより、分岐光がモジュール内で迷光となって光電変換部103-1の光検出を阻害する虞が無くなる。
[0073]
 なお、異なる実施例として、光学窓106-3乃至106-4の代替として光を透過させる開口部をもつ光透過ユニットを適用することも可能である。このように、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
[0074]
 本実施形態の光学モジュールは、特定の偏光状態の入射光のみを選択的に光電変換部103-1に導くことが可能である。従って、偏光透過特性の異なる偏光透過制御ユニット107を備えた光学モジュール106を複数用意して入射光を検出すれば、複数の偏光状態の光を並列検出することができる。
[0075]
 これは光学式検査装置の検出光学系として好適な特性であり、本実施形態の光学モジュールを光学式検査装置に組み込むことにより、検査対象とする試料の材質・表面状態(膜の有無、膜厚、膜質等)による散乱光の偏光状態の変化に対応でき、高い検出S/Nを備えた光学式検査装置を実現できる。
[0076]
 なお、図10Bの光学モジュール106は、分岐光軸(第二の光軸106-5)を含まない構成であるが、分岐光軸上に配置された結像レンズ1027-2と第二センサである光電変換部103-2を含んで構成してもよい。この場合、分岐光軸上を進行する光は光電変換部103-2に到達するため、第一の光軸106-2を進行する光の検出を阻害することは無い。また、第二の光学窓106-4も不要である。
[0077]
 図11に、複屈折位相差制御部1022の実施形態を示す。(a)の1022-A及び(b)の1022-Bは、共に複屈折位相差制御部であり、対物レンズ1021の瞳位置に置かれる。なお、適宜、対物レンズ1021と複屈折位相差制御部1022の間にリレーレンズを配置し、瞳と共役な位置に配置しても良い。図中の矢印は進相軸方向を示している。(a)の複屈折位相差制御部1022-Aは面内で進相軸は一定方向であるが、(b)の複屈折位相差制御部1022-Bは分割した領域毎に独立に進相軸が設定されている。
[0078]
 図11(a)の複屈折位相差制御部1022-A,及び(b)の複屈折位相差制御部1022-Bともに、進相軸と遅相軸間の複屈折による位相差は波長の1/4の整数倍からずらす。典型的には、位相ずれは波長の1/2近傍となり、試料1の面によって変化する。
[0079]
 試料1からの反射散乱光の対物レンズ仁美位置または瞳の共役な位置における光の水平方向の電界強度を(数1)、光の垂直方向の電界強度を(数2)のように表す。
[0080]
[数1]


[0081]
[数2]


[0082]
Zは光の進行方向を示す。水平方向と垂直方向の位相差αが180度の整数倍のときに、直線偏光であるとみなせる。
[0083]
 図12にシリコンウェハにP偏光照射した場合に得られる散乱光の、sin(α)の分布を示す。ここで、θは天頂からの角度と、φは水平面内の角度である。照明はφが180度の方向から低仰角で入射する。分布図1201は、シリコンウェハからの散乱光である。θが小さい領域では、sin(α)は0に近く、比較的直線偏光に近いが、θが90度にちかくなるにつれ、sin(α)は0からずれており、直線偏光からずれている。
[0084]
 分布図1202は、波長に対して十分に小さい欠陥からの散乱光の位相差の分布である。sin(α)の分布からθが90度付近では直線偏光であり、θが小さくなるに従い直線偏光からずれていることがわかる。このように、欠陥からの散乱光とその背景となる試料面からの散乱光はともに、楕円偏光であり、その直線偏光からのずれは、欠陥と試料面からの散乱光で異なる。
[0085]
 偏光選択素子1026は楕円偏光の場合、入射光からこの偏光を完全に分離して特定の光路に導くことができない。複屈折位相差制御部1022は進相軸と遅相軸との位相差を1/2波長からずらし、楕円偏光を直線偏光に近づける。なお、特許文献1に示されたような1/4波長板を1/2波長板の併用ではこの課題を解決することはできない。
[0086]
 特定の偏光方向の光のみが入射される例えば照明部では、偏光方向と1/4波長板の進相軸、あるいは遅相軸との角度を調整することにより、楕円偏光を直線偏光に変換することが可能であるが、検出部102では、少なくとも欠陥からの散乱光と試料面からの散乱光の2つの異なる偏光方向の光が入射するためである。
[0087]
 90度位相をずらす1/4波長板では、一方の光を制御するために回転角を決定すると、これとは別の偏光方向の光の位相を大きくずらしすぎてしまう副作用が発生する。そこで、図11に示した複屈折位相差制御部1022の進相軸と遅相軸との位相差は90度からずらし、この副作用を抑制する。図13A、Bにその構造を示す。
[0088]
 図13Aに示す複屈折位相差制御部1301は、図10Aで説明した複屈折位相差制御部1022の1形態を表す。複屈折位相差制御部1301は、入射する光の波長に対して透過率が高く、かつ互いに異なる屈折率を有する2つの物質、1302、1303より構成される。ここで、物質1302と1303のX方向のピッチaおよびbは、Z方向から入射する光の波長に対して十分に狭い。一方、Y方向には、Z方向から入射する光の波長に対して十分に長い領域で一定の形状を持つ。
[0089]
 このとき、複屈折位相差制御部1301には複屈折の特性を持つようになり、図中のx方向が進相軸、y方向が遅相軸となる。進相軸と遅相軸との位相差は、光の入射方向であるZ方向の厚さによって決定できる。よって、典型的な検査対象、例えばシリコンウェハにおいて、想定する欠陥とウェハからの散乱光が偏光選択素子1026の位置においてもっとも分離するように位相差を決定すれば、欠陥からの散乱光からウェハからの散乱光を分離して検出することができる。
[0090]
 図13Bに示す複屈折位相差制御部1304は、複屈折位相差制御部1022の別の形態を表す。例えば非特許文献1の図5に同様の構造をもった光学デバイスが開示されている。物質1305と1306は、入射する光の波長に対して透過率が異なる屈折率をもつ物質である。やはり、波長に対してX方向に狭いピッチ構造をもち、Y方向には波長に対して十分に長い領域で形状は同一である。
[0091]
 この図13Bに示すような構造でも、Z方向から入射する光に対して進相軸はX方向、遅相軸はY方向となる。複屈折位相差制御部1304における進相軸と遅相軸間に所望の位相差が発生するよう、複屈折位相差制御部1304のZ方向の厚みを決定する。
[0092]
 図13Aまたは図13Bに示した構造で図11の(b)に示したような複屈折位相差制御部1022-Bを形成すると、図14に示すように、進相軸に対して直交するように波長に対して十分小さいパターンが形成される。複屈折位相差制御部1022-Bの分割された領域である領域1022-B1においては、パターンのピッチ方向Uが進相軸、これと直交するVが遅相軸となる。
[0093]
 装置に備える複数の検出部102はそれぞれ散乱光の検出方位が異なり、入射する偏光方向、あるいは直線偏光からのずれはそれぞれ変化する。よって、102H1乃至102HN、102L1乃至102HN、各々の検出系において複屈折位相差制御部1022-Bの進相軸方向を最適化する。また、試料1の面からの散乱光や重要となる欠陥は検査対象によって変化するため、典型的な検査対象向けに複屈折位相差制御部1022-Bを最適化したものを用意して、検査対象ごとに切り替えるようにすればよい。
[0094]
 図14に示す複屈折位相差制御部1022における偏光制御を(数3)に示す。複屈折位相差制御部1022の素子の面内(x,y)に入射される光In(x,y)をOut(x,y)に変換して出力する。Inx、Outxはそれぞれ、水平方向の偏光、Iny、Outyは垂直方向の偏光を示す。ここでθ(x,y)は素子の遅相軸の傾き、π+ΔPθが進相軸の遅相軸に対する位相ずれとする。
[0095]
[数3]


[0096]
一般には位相ずれは90度以下、すなわち、波長の1/4以下である。
[0097]
 具体的な判定方法の一実施例を図15に示す。図15において、装置に備えた複数の検出部102にそれぞれ備えた光電変換部103-1からの光量をそれぞれ10510乃至10512に示す。10530乃至10532は低周波フィルタ、10540乃至10542は差分器であり、それぞれ、複数の検出部102にそれぞれ備えた光電変換部103-1からの光量10510乃至10512の高周波信号を出力する。10520乃至10522はゲイン乗算器である。
[0098]
 1055は加算器であり、ゲイン乗算器10520乃至10522から出力された信号を加算することで、欠陥信号強度を増加させる。1056は欠陥判定部であり、加算器1055の出力信号が予め定めたしきい値を超えた場合に欠陥と判定する。欠陥からの散乱光量は典型的には欠陥サイズの6乗に比例するため、欠陥散乱光量の1/6乗をもとに得られた欠陥信号より欠陥サイズを算出する。検出した欠陥情報は制御部53に伝送した後、表示部54に出力する。
[0099]
 本実施例によれば、検出光学系で集光した光に対し、偏光透過素子により典型的には90度の非整数倍の位相差を進相軸と遅相軸の間に設定することで、偏光透過部での試料面からの散乱光の透過を低減させる一方、欠陥からの散乱光の透過率を増大させ、欠陥からの散乱光の強度が、試料面からの散乱光に対して相対的に強くなるようにすることで、高速かつ高感度な欠陥の検出を実現することができる。
実施例 2
[0100]
 図16に、図10Aに示した実施例1における複屈折位相差制御部1022の別な実施例を示す。図16に示した検出部102-1の構成は、図10Aに示した検出部102の構成とほぼ同一の構成であり、同じ部品には同じ番号を付してある。図16に示した検出部102-1の構成においては、図10Aに示した検出部102の複屈折位相差制御部1022が、第一複屈折位相差制御部1022-1と第二複屈折位相差制御部1022-2の2つに分離されている。第一複屈折位相差制御部1022-1は、図11で説明した複屈折位相差制御部1022-Aあるいは1022-Bと同様の方向の進相軸、遅相軸をとる。進相軸と遅相軸の位相差は180度、すなわち、波長の1/2である。
[0101]
 (数4)に(数3)の変形例を示す。
[0102]
[数4]


[0103]
 本実施例によれば、実施例1に記載した効果に加えて、実際の検査対象に合わせた偏光検出の調整を行うことができ、より欠陥検出感度の高い検査を行うことができる。
実施例 3
[0104]
 図17に、図10Aに示した実施例1における複屈折位相差制御部1022の更に別な実施例を示す。図17に示した検出部102-2の構成は、図10Aに示した検出部102の構成とほぼ同一の構成であり、同じ部品には同じ番号を付してある。図17に示した検出部102-2の構成においては、図10Aに示した検出部102の複屈折位相差制御部1022が、第一複屈折位相差制御部1022-1と第三複屈折位相差制御部1022-3の2つに分離される。
[0105]
 第一複屈折位相差制御部1022-1は、図10Aの複屈折位相差制御部1022、あるいは図16の第一複屈折位相差制御部1022-1と同一の素子である。即ち、第一複屈折位相差制御部1022-1として、図13Aで説明した複屈折位相差制御部1301または図13Bで説明した複屈折位相差制御部1304を用いることもできる。一方、第三複屈折位相差制御部1022-3は、回転可能な2枚の1/4波長板1022-3A、1022-3Bで構成する。
[0106]
 図18に、回転可能な2枚の1/4波長板1022-3Aと1022-3Bの進相軸の対応関係を示す。回転可能な2枚の1/4波長板1022-3Aと1022-3Bの進相軸の角度が2φの角度をなす。
[0107]
 ここで、2つの進相軸とφをなす軸を基準にすると1022-3のジョーンズ行列は(数6)のようになる。
[0108]
[数5]


[0109]
[数6]


[0110]
ここでδを0に近い角度とすると(数6)は、(数7)のように近似できる。
[0111]
[数7]


[0112]
δは実践的にはπ/4ラジアン以下とする。
[0113]
 (数)7から、変換行列の(1,1)成分と(2,2)成分はともに位相が進むことで、回転可能な2枚の1/4波長板1022-3Aと1022-3Bとが統合された第三複屈折位相差制御部1022-3としての進相軸の位相は遅相軸に対して大きく進むことはなく、副作用が少なく楕円偏光を直線偏光に近くする偏光制御を可能にする。
[0114]
 また、本実施例3で述べた方式は、進相軸の位相をδによって調整可能であり、第三複屈折位相差制御部1022-3として、予め所定の位相差を想定した偏光制御素子を準備する必要がない点で装置コストを低減できるメリットがある。
[0115]
 また、本実施例では回転可能な2枚の1/4波長板1022-3Aと1022-3Bとを用いた例を示したが、これにかならずしも限定されるものではない。遅相軸と進相軸の位相差が180度の非整数倍の位相差をもつ2枚の波長板を、(数5)に示したような関係を満たすような配置で並べることで、位相差の制御を実現することができる。
[0116]
 本実施例によれば、実施例1に記載した効果に加えて、実際の検査対象に合わせた位相差の調整を行うことができ、より欠陥検出感度の高い検査を行うことができる。
実施例 4
[0117]
 図19に、図10Aで説明した実施例1における検出部102の更に別な実施形態の例を示す。図19に示した検出部102-3の構成は、実施例3において、図17で説明した検出部102-2の構成とほぼ同一の構成であり、同じ部品には同じ番号を付してある。
[0118]
 図19に示した検出部102-3の構成においては、偏光選択素子として、図17の偏光選択素子1026を回転制御可能な偏光板1028に置き換えて、特定の偏光方向を結像レンズ1027-1を介して103-1の光電変換部で検出可能にすると共に、図17における結像レンズ1027-2と光電変換部103-2を削除した構成である。
[0119]
 本実施例によれば、実施例1と比較して、より簡素な構成の検出部を用いて、実施例1に記載した効果と同様な効果を得ることができる。
実施例 5
[0120]
 図20Aに,図10Aで説明した実施例1における検出部102の更に別な実施形態の例を示す。図20Aに示した検出部1020においては、対物レンズ10212は開口数が大きな対物レンズであり、平板状の試料1の表面の法線と光軸が一致するように配置する。即ち、本実施例における図20Aに示した検出部1020は、試料1の表面に対して垂直な方向(法線方向)に配置する構成である。
[0121]
 検出部1020においては、対物レンズ10212の瞳部に開口部をもつミラー1023を配置する。ミラー1023は図21に示すように、開口部1023Hを有している。開口部1023Hは、対物レンズ10212の光軸中心で検出した光が通過する位置に設定されている。
[0122]
 対物レンズ10212の光軸中心を通って、このミラー1023の開口部1023Hを通過した光は、リレーレンズ10241、第一複屈折位相差制御部1022-1,第三複屈折位相差制御部1022-3,偏光板1028及び結像レンズ1027-1を透過して光電変換部103-3で検出される。
[0123]
 一方、対物レンズ10212の光軸中心以外の部分を通って、ミラー1023で反射された光は、リレーレンズ10241に入射して、第一複屈折位相差制御部1022-1,第三複屈折位相差制御部1022-3,偏光板1028及び結像レンズ1027-1を透過して光電変換部103-4で検出される。
[0124]
 リレーレンズ10241と10242とは、第一複屈折位相差制御部1022-1と第一複屈折位相差制御部10222-1の位置にそれぞれ瞳をリレーする。
[0125]
 第一複屈折位相差制御部10222-1,第三複屈折位相差制御部10222-3,偏光板10282は、それぞれ第一複屈折位相差制御部1022-1,第三複屈折位相差制御部1022-3,偏光板1028と同一の部品であり、それぞれ実施例4において図19を用いて説明したような機能を有している。即ち、第一複屈折位相差制御部10222-1として、図13Aで説明した複屈折位相差制御部1301または図13Bで説明した複屈折位相差制御部1304を用いることもできる。
[0126]
 光電変換部103-3及び103-4は結像型であり、CCDラインセンサを適用する。CCDラインセンサにはライン状に試料面に照明された領域である照明スポット20(図6参照)のS2方向にアレイ状にCCD素子が並び、照明スポット20の分割された各領域に対応した光量を独立して出力する。
[0127]
 なお、103-3乃至103-4の光電変換部としてはCCDラインセンサに限定されるものではなく、TDIセンサ、マルチアノードフォトマルセンサを適用することが可能である。
[0128]
 図20Bに、図20Aの検出部1020を、図1で説明した欠陥検査装置に組み込んだ構成を示す。即ち、図20Bに示した構成は、図1で説明した欠陥検査装置における照明部101のうち、上方から試料1を照明するためのミラー211,212,213及び照明強度分布制御部7vと照明強度分布モニタ24を取り外した構成の照明部101-1を用いて、検出部1020を試料1の上部に配置した構成である。
[0129]
 本実施例によれば、試料1の上方に散乱した散乱光を、検出部1020で確実に検出することができ、上方に散乱光を発生するような特性を有する微小な異物欠陥を、確実に検出することができる。
実施例 6
[0130]
 図22に,図10Aで説明した実施例1における検出部102の更に別な実施形態の例を示す。
[0131]
 実施例5で説明した図20の検出部1020のように、結像型の光電変換部103-3乃至103-4と開口数の大きな対物レンズ10212の組み合わせで検出部1020を構成した場合には、対物レンズ10212の焦点深度が浅くなり、試料1の表面の法線方向と対物レンズ10212の光軸を一致させる必要があった。
[0132]
 これに対して、本実施例においては、図22に示す検出部102-4のように、試料1の表面の法線方向と対物レンズ1021の光軸が一致しておらず、試料1の表面の法線方向に対して対物レンズ1021の光軸が傾いた構成を有している。
[0133]
 図22に示した検出部102-4の構成において、1022-4は回転可能な1/2波長板であり、偏光選択素子1026に入射する光の偏光方向を制御する。1024はリレーレンズである。1028aはシリンドリカルレンズアレイであり、多数のシリンドリカルレンズ1028a1乃至1028aNを並べて形成されている。リレーレンズ1024は、対物レンズ1021の瞳をシリンドリカルレンズアレイ1028aに結像する。
[0134]
 1028bはシリンドリカルレンズアレイであり、多数のシリンドリカルレンズ1028b1乃至1028b2を並べて形成されている。1028cもシリンドリカルレンズアレイであり、シリンドリカルレンズアレイ1028aに形成された各シリンドリカルレンズ1028a1乃至1028aNで分割した瞳の像を光電変換部103-5に結像する。
[0135]
 シリンドリカルレンズアレイ1028aの各シリンドリカルレンズ1028a1乃至1028aNで分割する瞳は、試料1とのあおり角が異なるため、等倍結像系で光電変換部103-5上に結像した場合、結像される像のサイズは光電変換部103-5の位置に応じて異なるサイズとなってしまう。そこで、本実施例においては、シリンドリカルレンズアレイ1028aとシリンドリカルレンズアレイ1028bに形成するレンズは、瞳ごとに異なる倍率のビームエキスパンダとして機能させ、光電変換部103-5での像の大きさを一定にするようにした。
[0136]
 図22では省略したが、偏光選択素子1026で分岐されて図22の下側に進んだ光を、実施例1で説明した結像レンズ1027-2と光電変換部103-2との組み合わせのように、リレーレンズ1024とシリンドリカルレンズアレイ1028a、1028b、1028c及び光電変換部103-5を配置して、偏光選択素子1026で分岐された光による試料1の表面の像を光電変換部103-5上に結像する光学系を更に組み込んでも良い。
[0137]
 また、本実施例においても、第一複屈折位相差制御部1022-1として、図13Aで説明した複屈折位相差制御部1301または図13Bで説明した複屈折位相差制御部1304を用いることができる。また、第三複屈折位相差制御部1022-3として、実施例3と同様に、回転可能な2枚の1/4波長板1022-3A、1022-3Bで構成する。
[0138]
 図23に、試料1上での照明スポット20の模式図と1028cから103-5への結像との対応を示す。照明スポット20は、図8のS2方向に長く伸びている。W0は検出すべき欠陥を示している。光電変換部103-5はこの照明スポットをW-a乃至W-dに分割して検出する。ここでは4つに分割しているが、この数に限定されるものではなく、分割数を任意の整数にして本発明を具現化することができる。
[0139]
 欠陥W0からの散乱光は対物レンズ1021で集光され、図24に示す光電変換部103-5まで導かれる。図24において、1028cは1方向のみに結像するシリンドリカルレンズアレイである。図24に示した例においては、シリンドリカルレンズアレイ1028cは端、4つのシリンドリカルレンズで構成されている。光電変換部103-5にはシリンドリカルレンズアレイ1028cを構成する4つのシリンドリカルレンズに対応する画素ブロック、1031、1032、1033、1034を形成する。
[0140]
 図24に示すように、画素ブロック1031乃至1034それぞれには、光電素子が二次元状に形成されている。まず、1031の画素ブロックについて説明する。1031a乃至1031dは画素ブロック1031内に形成した画素グループであり、それぞれ、図23に示した照明スポット20の位置におけるW-a乃至W-dの区画からの光を結像させる。
[0141]
 1031a1乃至1031aNは画素グループ1031aに属する画素であり、それぞれの画素はフォトンが入射すると既定の電流出力をする。同一の画素グループに属する画素の出力は電気的に接続しており、1つの画素グループは画素グループに属する画素の電流出力の総和を出力する。同様に画素ブロック1032乃至1034も照明スポット20の位置における区画W-a乃至W-dに対応する出力を行う。最後に、別個の画素グループ1031a乃至1031dからの同一の区画に対応する出力は電気的に接続され、W-a乃至W-dのそれぞれの区画から検出したフォトン数に対応した出力を光電変換部103-5は行う。
[0142]
 図25で、光電変換部103-5の内部回路について説明する。図24では、図23に示したW-a乃至W-dの4つの区画に対応した出力をする光電変換手段について説明したが、図25ではこれを8区画に拡張した例について説明する。1031乃至1034までの画素ブロックにはそれぞれ8つの画素グループが形成されている。たとえば画素ブロック1031には画素グループとして1031a乃至1031hまでが形成されており、画素ブロック1032乃至1034にも同様な画素グループが形成されている。
[0143]
 画素グループ1031aの一部を拡大して示した画素1031a5は、画素グループ1031aの第5番目の画素であり、画素1031a5としてガイガーモードで動作するアバランシェフォトダイオードが、クエンチング抵抗1031a5Qを介して、信号ライン1035-1aに結線されている。同様にして、1031aの画素グループに属するすべての画素は信号ライン1035-1aに接続され、画素にフォトンが入射されると1035-1aに電流を流す。
[0144]
 1035-2aは1032aの画素グループの画素が結線された信号ラインである。このように、すべての画素グループには、その画素グループに属する画素が電気的に接続する信号ラインを備えている。1031a、1032a・・・1034aはそれぞれ、試料1において同一の位置からの散乱光を検出するため、それぞれの信号ラインを結節点1036-1a乃至1036-4aで信号線1035-aに接続する。
[0145]
 この信号線1035aを1036-aのパッドで接続し、信号処理部105に伝送する。同様にして、1031b乃至1034bに属する画素は1035-bの信号ラインに結線され、1036-bのパッドで接続し、信号処理部105に伝送する。
[0146]
 信号処理部105に伝送された光電変換部103-5からの信号は、信号処理部105において処理されて欠陥が検出される。ここで、信号処理部105において処理して欠陥を検出する方法については、例えば特許文献2に記載されているような公知な方法を用いて行い、試料1上の異物または欠陥の位置情報を抽出することができる。
[0147]
 本実施例によれば、検出したい欠陥からの散乱光に応じた偏光の状態を設定することができるので、より微細な欠陥からの微弱な散乱光であっても、試料1からの散乱光と区別して検出することができる。
[0148]
 図26には、本実施例にかかる検出部102-4と、実施例5で説明した試料1の法線方向に散乱した光を検出する検出部1020とを備えた欠陥検査装置の概略の構成を示す。また、この構成は、図8C及び図8Dの示した構成に対応するものでもある。
[0149]
 図26に示したような構成とすることにより、試料1から散乱した散乱光のうち垂直方向に散乱した光を検出部1020で検出し、斜方に散乱した光を検出部1020に周りに配置した複数の検出部102-4で検出することにより、微小な異物欠陥から上方及び斜方に散乱した光を確実に検出することができ、より微小な異物欠陥を抽出することができる。

産業上の利用可能性

[0150]
 本発明は、半導体デバイスの製造工程において、半導体ウェハの表面に付着した異物欠陥を検査する検査工程において利用することができる。

符号の説明

[0151]
2…レーザ光源、5…ビームエキスパンダ、6…偏光制御部、7…照明強度分布制御部、22…ビームモニタ、23…ビームモニタ、24…照明強度分布モニタ、53…制御部、54…表示部、55…入力部、101…照明部、102、1020…検出部、103…ステージ、103-1、103-2、103-3、103-4,103-5…光電変換部、105…信号処理部、106…光学モジュール、107…偏光透過制御ユニット、1021…対物レンズ、1022…複屈折位相差制御部、1023……ミラー、1024……リレーレンズ、1026……偏光選択素子、1027……結像レンズ、1028a,1028b,1028c…シリンドリカルレンズアレイ

請求の範囲

[請求項1]
 被検査試料を保持する試料保持部と、
 前記試料保持部で保持された試料に対して所定波長の光を照射する照明光学系と、
 光電変換部を備えて前記光が照射された前記試料からの反射光または散乱光を集光して前記光電変換部へ導く検出光学系と、
 前記反射光または散乱光を検出した前記検出光学系の前記光電変換部からの出力信号を処理して前記試料上の異物または欠陥の位置情報を抽出するデータ処理部と
を備えた検査装置であって、
 前記検出光学系は、集光した前記反射光または散乱光の偏光特性に応じて透過特性を変化させる偏光透過制御ユニットを備え、前記偏光透過制御ユニットは、
 前記検出光学系で集光した前記反射光または散乱光の偏光特性に応じて前記反射光または散乱光の進相軸と遅相軸間の複屈折による所定の位相差を発生させる複屈折位相差制御部と、
 前記複屈折位相差制御部の出力光の偏光方向に応じて光を選択的に透過させる偏光透過部を備えることを特徴とする検査装置。
[請求項2]
 請求項1記載の検査装置であって、前記複屈折位相差制御部で制御する位相差は90度の非整数倍であることを特徴とする検査装置。
[請求項3]
 請求項1記載の検査装置であって、前記複屈折位相差制御部は,異なる屈折率をもつ2つの物質により,前記検出光学系の光軸に直交する面内の所定の方向に前記検出光学系で集光した前記反射光または散乱光の波長に対して短く、前記所定の方向と直交する方向に前記検出光学系で集光した前記反射光または散乱光の前記波長に対して長い狭ピッチパターンで構成され、前記検出光学系の前記光軸と同一方向の厚みにより、前記所定の位相差を発生させることを特徴とする検査装置。
[請求項4]
 請求項3記載の検査装置であって、前記複屈折位相差制御部は、前記検出光学系の前記光軸に直交する面内で少なくとも2つ以上の領域に分割され、前記分割された領域毎に前記狭ピッチパターンの前記所定の方向が設定されることを特徴とする検査装置。
[請求項5]
 請求項1記載の検査装置であって、前記複屈折位相差制御部は、位相差が180度の非整数倍である複屈折特性をもつ2枚の回転可能な波長板を備えることを特徴とする検査装置。
[請求項6]
 被検査試料を保持する試料保持部で保持された試料に対して照明光学系から所定波長の光を照射し、
 前記照明光学系により前記光が照射された前記試料からの反射光または散乱光を検出光学系で集光して光電変換部で検出し、
 前記反射光または散乱光を検出した前記光電変換部の出力信号をデータ処理部で処理して前記試料上の異物または欠陥の位置情報を抽出する検査方法であって、
 複屈折位相差制御部で前記検出光学系で集光した前記反射光または散乱光の偏光特性に応じて前記反射光または散乱光の進相軸と遅相軸間の複屈折による所定の位相差を発生させ、
 前記複屈折位相差制御部で所定の位相差を発生させた光の偏光方向に応じて偏光透過部で光を選択的に透過させ、
 前記偏光透過部で前記選択的に透過させた光を前記光電変換部で検出する
ことを特徴とする検査方法。
[請求項7]
 請求項6記載の検査方法であって、前記複屈折位相差制御部で制御する位相差は90度の非整数倍であることを特徴とする検査方法。
[請求項8]
 請求項6記載の検査方法であって、異なる屈折率をもつ2つの物質により,前記検出光学系の光軸に直交する面内の所定の方向に前記検出光学系で集光された前記反射光または散乱光の波長に対して短く、前記所定の方向と直交する方向に前記検出光学系で集光された前記反射光または散乱光の前記波長に対して長い狭ピッチパターンで構成された前記複屈折位相差制御部の前記検出光学系の前記光軸と同一方向の厚みにより、前記所定の位相差を発生させることを特徴とする検査方法。
[請求項9]
 請求項8記載の検査方法であって、前記検出光学系の前記光軸に直交する面内で少なくとも2つ以上の領域に分割された前記複屈折位相差制御部により、前記分割された領域毎に前記狭ピッチパターンの前記所定の方向を設定することを特徴とする検査方法。
[請求項10]
 請求項6記載の検査方法であって、位相差が180度の非整数倍である複屈折特性をもつ2枚の回転可能な波長板を備えた前記複屈折位相差制御部により、前記所定の位相差を発生させることを特徴とする検査方法。
[請求項11]
 対物レンズと前記対物レンズが集光する光の偏光特性に応じて透過特性を変化させる偏光透過制御ユニットと、結像レンズとセンサとで構成される光学モジュールであって,
 前記偏光透過制御ユニットは、前記対物レンズで集光した前記偏光特性を有する光の進相軸と遅相軸間の複屈折による所定の位相差を発生させる複屈折位相差制御部と、
 前記複屈折位相差制御部の出力光の偏光方向に応じて前記出力光を選択的に透過させる偏光透過部を備えることを特徴とする光学モジュール。
[請求項12]
 請求項11記載の光学モジュールであって、前記所定の位相差は90度の非整数倍であることを特徴とする光学モジュール。
[請求項13]
 請求項11記載の光学モジュールであって、前記複屈折位相差制御部は,異なる屈折率をもつ2つの物質により,前記対物レンズの光軸に直交する面内の所定の方向に前記対物レンズで集光された前記光の波長に対して短く、前記所定の方向と直交する方向に前記対物レンズで集光された前記光の前記波長に対して長い狭ピッチパターンで構成され、前記対物レンズの前記光軸と同一方向の厚みにより、前記所定の位相差を発生させることを特徴とする光学モジュール。
[請求項14]
 請求項13記載の光学モジュールであって、前記複屈折位相差制御部は、前記光軸に直交する面内で少なくとも2つ以上の領域に分割され、前記分割された領域毎に前記狭ピッチパターンの前記所定の方向が設定されることを特徴とする光学モジュール。
[請求項15]
 請求項11記載の光学モジュールであって、前記複屈折位相差制御部は、位相差が180度の非整数倍である複屈折特性をもつ2枚の回転可能な波長板を備えることを特徴とする光学モジュール。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7A]

[ 図 7B]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 8C]

[ 図 8D]

[ 図 9]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13A]

[ 図 13B]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20A]

[ 図 20B]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]