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1. WO2020137417 - ORAL COMPOSITION

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明 細 書

発明の名称 口腔用組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030  

実施例

0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 口腔用組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、トコフェロール又はその誘導体の口腔内滞留性に優れ、外観安定性及び使用性も良好な口腔用組成物に関する。

背景技術

[0002]
 トコフェロール又はその誘導体は、歯肉組織の末梢循環促進作用(血行促進作用)を有することから、歯周病予防に有用であり、歯磨剤等の口腔用組成物に広く配合されている。これらの成分による効果を更に高めるために、口腔内への滞留性を高める検討がなされてきた。
[0003]
 例えば、特許文献1(特開2008-120753号公報)は、ビタミンE誘導体の口腔内滞留性を高めるために、非アニオン性水溶性高分子としてヒドロキシエチルセルロースを用いる技術を提案しているが、配合する他成分の影響によって口腔内滞留性が低下し易く、製剤外観等の安定性にも問題が生じることがあった。一方、特許文献2(特開2012-97057号公報)には、キサンタンガム1.4質量%以上とアルキル硫酸塩1.4質量%以上とを特定割合で併用し、かつ両性界面活性剤を組み合わせて配合することにより、歯磨き時の泡の持続性を高め、ビタミンE又はその誘導体等の薬用成分の口腔内滞留性を向上させる技術が提案されているが、キサンタンガム量が比較的多いことで低温保管条件下ではチューブ容器から押し出し難くなり使用性が低下することがあった。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2008-120753号公報
特許文献2 : 特開2012-97057号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、トコフェロール又はその誘導体の口腔内滞留性に優れ、外観安定性及び使用性も良好な口腔用組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定のトコフェロール又はその誘導体を配合した口腔用組成物に、重量平均分子量が特定値以下のポリアクリル酸塩を水溶性高分子物質と併用して配合すると、トコフェロール又はその誘導体の顕著な口腔内滞留効果が発現して口腔内滞留性に優れ、また、外観安定性及び使用性を良好に維持することもできることを知見した。即ち、本発明では、(a)トコフェロール及びその有機酸とのエステルから選ばれる1種以上と、(b)キサンタンガム、アルギン酸塩及びカラギーナンから選ばれる1種以上と、(c)重量平均分子量1,000以上20,000以下のポリアクリル酸塩とを配合することによって、(a)成分の口腔内滞留性に優れ、かつ高温保存後も液分離が抑制されて外観安定性が良好であり、低温保存後も収容容器から押し出し易く使用性も良好な口腔用組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
[0007]
 口腔用組成物用の粘結剤としてポリアクリル酸又はその塩は公知であるが、一般的に重量平均分子量10万以上、通常は30万程度の架橋型のポリアクリル酸又はその塩が用いられている。これに対して、本発明では、重量平均分子量が20,000以下である(c)低重量平均分子量のポリアクリル酸塩、好ましくは直鎖状のポリアクリル酸塩が、(b)成分と併用することで、(a)成分の口腔内滞留性を高める作用を奏し、これにより、上記のように外観安定性及び使用性を良好に維持しながら、優れた口腔内滞留性を付与できることが判明した。そして、(a)、(b)及び(c)成分を組み合わせることによって、キサンタンガム等の水溶性高分子物質の配合量を多くしなくても、(a)成分の口腔内滞留性を高めて優れたものとすることができ、上記格別顕著な作用効果を与えることができた。かかる作用効果は、(c)成分を使用せず、代わりに重量平均分子量が20,000を超えるポリアクリル酸塩、あるいは重量平均分子量が20,000以下であっても塩の形態ではないポリアクリル酸を使用した場合には達成することができないものであった。
 後述の比較例の結果からも明らかなように、(c)成分を含有しないと、(b)成分を含有し、更に重量平均分子量300,000のポリアクリル酸塩を含有していても、(a)成分の口腔内滞留性が劣った(比較例1、3)。この場合、ポリアクリル酸塩を含まない比較例1は、高温保存後の外観安定性(液分離のなさ)も悪く、また、重量平均分子量300,000のポリアクリル酸塩含有の比較例3は、低温保存後の容器からの押し出し易さも悪かった。(b)成分を含有しないと、(c)成分を含有し、更に無機粘結剤(無水ケイ酸(増粘性))を含有していても、(a)成分の口腔内滞留性が劣り、高温保存後の外観安定性(液分離のなさ)も悪かった(比較例2)。
 更に、(c)成分を含有しない場合は、(b)成分と共に、重量平均分子量が20,000以下のポリアクリル酸を含有していても、(a)成分の口腔内滞留性が劣るものであった。
 これに対して、実施例に示す本発明の(a)、(b)及び(c)成分を含有する口腔用組成物は、(a)成分が高率で口腔内に滞留し、(a)成分の口腔内滞留性が優れ、また、高温保存後の外観安定性(液分離のなさ)及び低温保存後の容器からの押し出し易さも良好であった。
 特許文献2は、キサンタンガム、アルキル硫酸塩及び両性界面活性剤の三者の組み合わせによる、ビタミンE又はその誘導体の口腔内滞留性の向上であり、これに対して、本発明は、(b)及び(c)成分による、(a)成分の口腔内滞留性の向上であり、外観安定性及び低温保存後の使用性も確保できるものである。
[0008]
 従って、本発明は、下記の口腔用組成物を提供する。
〔1〕
 (a)トコフェロール及びその有機酸とのエステルから選ばれる1種以上、
(b)キサンタンガム、アルギン酸塩及びカラギーナンから選ばれる1種以上
並びに
(c)重量平均分子量が1,000以上20,000以下であるポリアクリル酸塩
を含有する口腔用組成物。
〔2〕
 (a)成分が、トコフェロール、酢酸トコフェロール及びニコチン酸トコフェロールから選ばれる〔1〕に記載の口腔用組成物。
〔3〕
 ポリアクリル酸塩の重量平均分子量が5,000以上10,000以下である〔1〕又は〔2〕に記載の口腔用組成物。
〔4〕
 (c)/(b)が、質量比として0.1~3である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔5〕
 ((b)+(c))/(a)が、質量比として1~30である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔6〕
 (b)成分の含有量が0.4~1.4質量%、(c)成分の含有量が0.1~2質量%である〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔7〕
 (a)成分の含有量が0.05~1質量%である〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔8〕
 歯磨剤組成物である〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の口腔用組成物。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、(a)成分の口腔内滞留性に優れ、かつ外観安定性及び使用性が良好な口腔用組成物を提供できる。本発明の口腔用組成物は、(a)成分による薬効が十分に発現し、歯肉炎、歯周炎等の歯周病の予防又は抑制に有効である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔用組成物は、(a)トコフェロール及びその有機酸とのエステルから選ばれる1種以上と、(b)キサンタンガム、アルギン酸塩及びカラギーナンから選ばれる1種以上と、(c)重量平均分子量1,000以上20,000以下のポリアクリル酸塩とを含有する。
[0011]
 (a)成分は、トコフェロール、トコフェロールの誘導体であり、トコフェロールの誘導体としては、トコフェロールの有機酸とのエステルを用いることができる。これらは、1種単独で用いてもよいが、これらから選ばれる2種以上を組み合わせて用いることもできる。(a)成分は、血流促進及び組織修復作用を有する薬効成分であり、歯肉炎、歯周炎等の歯周病の予防又は抑制に有効な成分である。
 トコフェロールは、例えば、d-α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール等が挙げられる。
 また、トコフェロールの有機酸とのエステルは、上記トコフェロールの酢酸、ニコチン酸、コハク酸、リノレン酸等の有機酸とのエステルや、これらの塩を使用できる。具体的には、酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール等のトコフェロール酢酸エステル、ニコチン酸d-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール等のトコフェロールニコチン酸エステル、コハク酸d-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール等のトコフェロールコハク酸エステル、リノレン酸d-α-トコフェロール、リノレン酸dl-α-トコフェロール等のトコフェロールリノレン酸エステル、コハク酸トコフェロールカルシウムが挙げられる。中でも、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、とりわけトコフェロール酢酸エステルが、口腔内滞留性の点から好ましい。
 (a)成分は、旧化粧品原料基準(粧原基)又は医薬部外品原料規格2006に適合品を使用可能であり、DSMニュートリション・ジャパン(株)製、エーザイフード・ケミカル(株)製、BASFジャパン(株)製等の市販品を使用することができる。
[0012]
 (a)成分の配合量は、有効性及び味の点で、組成物全体の0.05~1%(質量%、以下同様)が好ましく、0.08~1.0%がより好ましく、0.1~0.5%が更に好ましい。上記範囲内であると、口腔内滞留性が十分に向上し、また、組成物中に十分に可溶化して高温保存後も外観安定性が得られ、味も良い。
[0013]
 (b)成分は、キサンタンガム、アルギン酸塩及びカラギーナンから選ばれる1種又は2種以上である。これらは、アニオン性水溶性高分子物質であり、(a)成分の口腔内滞留性向上に寄与する。
 アルギン酸塩は、アルギン酸のナトリウム塩等のアルカリ金属塩を使用でき、アルギン酸ナトリウムが好ましい。
 (b)成分は、(a)成分の口腔内滞留性の点から、特にキサンタンガム、カラギーナンが好ましく、より好ましくはキサンタンガムである。
 (b)成分は、CPケルコ社製、(株)キミカ製、三晶(株)製等の市販品を用いることがきる。
 (b)成分の配合量は、組成物全体の0.4~1.4%が好ましく、より好ましくは0.6~1.0%である。配合量が0.4%以上であると、(a)成分の口腔内滞留性が十分に優れ、高温保存後の外観安定性が十分に得られる。1.4%以下であると、低温保存後の容器からの押し出し易さを十分に維持できる。
[0014]
 (c)成分は、重量平均分子量(Mw)が1,000以上20,000以下のポリアクリル酸塩である。(c)成分は、(a)成分の口腔内滞留性を向上する作用を奏し、また、高温保存後の液分離の抑制や低温保存後の容器からの押し出し易さの確保にも寄与する。
 (c)成分のポリアクリル酸塩は、(a)成分の口腔内滞留性及び外観安定性の点から、重量平均分子量が1,000以上であり、好ましくは5,000以上、特に6,000以上であり、また、20,000以下であり、好ましくは10,000以下、特に8,000以下である。重量平均分子量が1,000未満であると、(a)成分の口腔内滞留性向上効果が劣り、また、高温保存後の外観安定性が劣る。20,000を超えると、(a)成分の口腔内滞留性向上効果が低下し、(a)成分の口腔内滞留性が十分に得られない。
 (c)成分のポリアクリル酸塩の重量平均分子量は、(a)成分の口腔内滞留性の点では好ましくは5,000~20,000であり、より好ましくは5,000~10,000である。
[0015]
 上記重量平均分子量の測定は、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー法)により、特許第5740859号公報に記載された方法及び測定条件で行った。具体的には下記に示す(以下同様)。
重量平均分子量の測定方法;
 重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ/多角度レーザー光散乱検出器(GPC-MALLS)を用いて測定された値であり、条件は以下の通りである。
 移動相:0.3M NaClO 4
 NaN 3水溶液カラム:TSKgelα-M 2本
 プレカラム:TSKguardcolumn α
 標準物質:ポリエチレングリコール
[0016]
 (c)成分のポリアクリル酸塩は、(a)成分の口腔内滞留性の点から、直鎖状のポリアクリル酸塩(非架橋型ポリアクリル酸塩)が好ましい。
 塩としては、一価塩が好ましく、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩がより好ましく、更に好ましくはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩であり、ナトリウム塩が特に好ましい。
 このようなポリアクリル酸塩としては、ポリサイエンス社や東亞合成(株)から販売されている市販品を使用し得る。
 具体的な市販品として、ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:1,000);直鎖状,ポリサイエンス社製、ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:6,000);直鎖状,東亞合成(株)製,AC-10NP,AC-10NPD,アロンT-50、ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:8,000);直鎖状,ポリサイエンス社製、ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:20,000);直鎖状,東亞合成(株)製,アロンA-20UN等を使用することができる。
[0017]
 なお、(c)成分のポリアクリル酸塩は、通常、歯磨剤に使用される粘結剤の架橋型のポリアクリル酸塩よりも重量平均分子量が低く、粘結剤として公知のポリアクリル酸塩とは異なるものである。
[0018]
 (c)成分の配合量は、組成物全体の0.1~2%が好ましく、より好ましくは0.3~1.0%、更に好ましくは0.4~0.8%である。0.1%以上であると、(a)成分の口腔内滞留性が十分に向上し、また、高温保存後の外観安定性が十分に得られる。2%以下であると、(c)成分自体の味の影響を十分に防止できる。
[0019]
 更に、本発明では、(b)成分と(c)成分との量比を示す(c)/(b)は、質量比として0.1~3が好ましく、より好ましくは0.3~1.5であり、更に好ましくは0.5~1.0である。(c)/(b)の質量比が上記範囲内であると、(a)成分の口腔内滞留性がより優れ、かつ高温保存後の外観安定性(液分離のなさ)及び低温保存後の容器からの押し出し易さがより優れる。
[0020]
 また更に、(a)成分と(b)及び(c)成分との量比を示す((b)+(c))/(a)は、質量比として1~30が好ましく、より好ましくは1~20であり、更に好ましくは1~16である。((b)+(c))/(a)の質量比が上記範囲内であると、(a)成分の口腔内滞留性がより優れ、かつ高温保存後の外観安定性(液分離のなさ)及び低温保存後の容器からの押し出し易さがより優れる。
 本発明では、特に、(c)/(b)の質量比と((b)+(c))/(a)の質量比とが、それぞれ上記範囲内であると、(a)成分の口腔内滞留性が更に向上し、かつ高温保存後の外観安定性(液分離のなさ)及び低温保存後の容器からの押し出し易さが更に改善し、とりわけ好ましい。
[0021]
 本発明の口腔用組成物は、ペースト状、ジェル状又は液状の歯磨剤(練歯磨、ジェル状歯磨、液状歯磨、液体歯磨等)、洗口剤、マウススプレー、塗布剤、貼付剤等に調製することができるが、特に歯磨剤組成物、とりわけ練歯磨剤組成物として好適である。この場合、上記成分に加えて、更に任意成分として剤型等に応じて、上記以外の公知成分を必要に応じて配合できる。任意成分は、本発明の効果を妨げない範囲で添加することが好ましい。具体的に練歯磨等の歯磨剤組成物には、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、界面活性剤、更には甘味剤、防腐剤、着色剤、香料、有効成分等を配合でき、これら成分と水とを混合し、通常の方法で調製できる。なお、以下に示す配合量は、組成物全体に対する量である。
[0022]
 研磨剤は、例えば、無水ケイ酸、結晶性シリカ、非晶性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム2水和物等のリン酸カルシウム系研磨剤、ゼオライト、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂系研磨剤が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用し得るが、中でも、使用性の観点から、無機研磨剤である無水ケイ酸等のシリカ系研磨剤、リン酸カルシウム系研磨剤、とりわけ無水ケイ酸が好ましい(配合量は、通常、5~60%、練歯磨の場合には10~55%)。
[0023]
 また、粘結剤は、(b)成分以外の有機粘結剤や、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイト等の無機粘結剤が挙げられる(配合量は、通常、0.3~10%であり、無機粘結剤の配合量は、1~5%がよい)。
 なお、本発明では、(b)成分が粘結剤としても作用することから、(b)成分以外に有機粘結剤は配合しなくても(配合量0%)よい。
[0024]
 粘稠剤は、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール等の糖アルコール、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる(配合量は、通常、5~70%)。
[0025]
 界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合し得る。これらは、1種又は2種以上を使用できる。
 アニオン性界面活性剤としては、炭素数が12~14のアルキル基を有するアルキル硫酸塩、アシルアミノ酸塩、アシルタウリン塩等が挙げられる。アシルアミノ酸塩及びアシルタウリン塩のアシル基は、それぞれ炭素数12~14、特に12がよい。
 具体的にアルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩、アシルアミノ酸塩としては、ラウロイルグルタミン酸塩、ミリストイルグルタミン酸塩等のアシルグルタミン酸塩、ラウロイルサルコシン塩等のアシルサルコシン塩が挙げられ、アシルタウリン塩としては、ラウロイルメチルタウリン塩が挙げられる。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩がよい。特に、アルキル硫酸塩、アシルサルコシン塩、アシルタウリン塩が好ましい。中でも、炭素数12の炭化水素基(ラウリル基)を有するアニオン性界面活性剤が好ましく、特にアルキル硫酸塩(ナトリウム塩)が、他の界面活性剤よりも味の点で優れることから、より好ましい。
 ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステルが好適である。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、アルキル鎖の炭素数が14~30、エチレンオキサイド平均付加モル数(平均付加EO)が3~30が好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、平均付加EOが5~100が好ましく、20~60がより好ましい。アルキロールアミドは、アルキル鎖の炭素数が12~14が好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12~18が好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が16~18、平均付加EOが10~40が好ましい。
 両性界面活性剤としては、炭素数12~14のアシル基を有するアシルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインが挙げられる。アシルアミノ酢酸ベタインとしては、ラウロイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが挙げられる。
[0026]
 界面活性剤の配合量は、通常、0.01~15%、特に0.01~10%である。
 なお、アニオン性界面活性剤の配合量は0.1~3%、特に0.5~2%がよい。なお、アルキル硫酸塩の配合量は1.2%以下、特に1.0%以下、更に0.8%以下でもよい。ノニオン性界面活性剤の配合量は0.01~10%がよい。両性界面活性剤の配合量は0~3%がよい。
[0027]
 甘味剤は、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、グリチルリチン酸ジカリウム、ペリラルチン、ソーマチン、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステルが挙げられる。
 防腐剤は、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウムが挙げられる。
 着色剤は、青色1号、黄色4号、二酸化チタンが挙げられる。
[0028]
 香料は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N-置換-パラメンタン-3-カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。
 また、上記の香料素材は、組成物全体の0.000001~1%使用するのが好ましい。上記香料素材を使用した賦香用香料としては、組成物中に0.001~2.0%使用するのが好ましい。
[0029]
 任意の有効成分としては、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤;塩化セチルピリジニウム等のカチオン性殺菌剤;デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)等の酵素;モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート;フッ化ナトリウム、フッ化第一錫等のフッ化物;トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ジヒドロコレステロール、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸等の抗炎症剤;硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等の知覚過敏改善剤;グリセロフォスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウムや、塩化亜鉛、酸化亜鉛、クエン酸亜鉛等の亜鉛化合物;グルコン酸銅、硫酸銅等の銅化合物;ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC等のビタミン類;オウバクやチャ等の生薬が挙げられる。これら有効成分は、1種又は2種以上で使用でき、また、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合することができる。
[0030]
 口腔用組成物のpH(25℃)は、通常範囲でよく、pH5~9、特に6~8がよい。なお、公知のpH調整剤を添加してpH調整してもよく、例えば塩酸や、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物を使用できる。
実施例
[0031]
 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[0032]
 [実施例、比較例]
 表1~3に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨)を常法によって調製し、下記方法で評価した、結果を表1~3に併記した。
[0033]
(1)トコフェロール又はその誘導体の口腔内滞留性の評価方法
 1.5cm四方にカットした7週齢雄性ヘアレスマウスの皮膚(日本エスエルシー(株);ラボスキン)を6ウェルプレートに置き、人工唾液(50mM KCl,1mM CaCl 2,0.1mM MgCl 2,1mM KH 2PO 4,pH7.0)を5mL加え、2時間静置した。透過面積(約0.8cm 2)が一定になるように、ガラス枠を当該皮膚の上に載せ、各例の歯磨剤組成物5gを人工唾液で3倍希釈した液を300μLずつ注入し、5分間静置した。その後、当該希釈液を捨て、5mLの水を加えて振とう機を用いて160rpmで1分間洗浄した。前記洗浄を繰り返し、計2回行った。
 洗浄液を捨て皮膚をチューブに回収し、1mLのエタノール(EtOH90%)を加えてボルテックスミキサーで5分間抽出操作を行った。抽出液を回収し、メタノールで等倍希釈後、下記試験条件に従い、HPLC(高速液体クロマトグラフィー、下記機器を使用)により絶対検量線法にて、トコフェロール又はその誘導体((a)成分)を定量した。
〈使用機器〉
・ポンプ:(株)島津製作所、LC-20AD
・試料導入部:(株)島津製作所、SIL-20AC
・検出器:(株)島津製作所、SPD-20A
・カラム恒温槽:(株)島津製作所、CTO-20AC
・溶離液流量:1mL/min
〈試験条件〉
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:273nm)
・カラム:COSMOSIL 5C 18-MS-II
・カラム温度:40℃
・溶離液:メタノール
 対照として、比較例1の歯磨剤組成物で処置した場合のトコフェロール又はその誘導体の定量値を100%として、各歯磨剤組成物で処置した場合の(a)成分の口腔内滞留率(%)を算出した。但し、実施例16,17の対照品は、比較例1の(a)成分をニコチン酸トコフェロール(実施例16と同物質)、トコフェロール(実施例17と同物質)に変更した。また、実施例18、19の対照品は、それぞれ比較例1の酢酸トコフェロール量を0.5%(実施例18と同量)、1.0%(実施例19と同量)に変更した。
 なお、トコフェロール又はその誘導体((a)成分)の口腔内滞留性は、口腔内滞留率110%以上のものを優れていて合格であると判断し、120%以上のものはより優れ、130%以上のものは更に優れ、140%以上のものは最も優れていると判断した。
[0034]
(2)高温保存後の外観安定性(液分離のなさ)の評価方法
 歯磨剤組成物を口径8mmのラミネートチューブ容器に50g充填し、各組成につき3本を50℃で1ヶ月間保存した。室温に放置後、上記チューブ容器から歯磨剤組成物をわら半紙上に10cm押し出し、容器の口元部分における液分離の状況を観察すると共に、わら半紙に染み出した液がある場合は液の長さを測定し、下記の評点基準によって、液分離の度合いを評価した。
 3本の評価点の平均値を算出し、下記の評価基準によって、高温保存後の外観安定性(液分離のなさ)を判定した。
 評点基準
  4点;押し出した時、液分離は全く観察されない
  3点;押し出した時、液分離はほとんどなく(1cm未満)、使用上問
     題ない
  2点;押し出した時、口元部分に1~2cmの液分離が認められる
  1点;押し出した時、口元部分に2cmを超えて液分離が認められる
 評価基準
  ◎:3.5点以上4.0点以下
  ○:3.0点以上3.5点未満
  △:2.0点以上3.0点未満
  ×:2.0点未満
[0035]
(3)低温保存後の容器からの押し出し易さの評価方法
 歯磨剤組成物を口径8mmのラミネートチューブ容器に50g充填し、各組成につき3本ずつを-5℃、1ヶ月間保存した。室温に放置後、上記チューブ容器から歯磨剤組成物を押し出し、下記の評点基準によって容器からの押し出し易さを評価した。
 3本の評価点の平均値を算出し、下記の評価基準によって、低温保存後の容器からの押し出し易さを判定した。
 評点基準
  4点;チューブ容器からスムーズに押し出せる
  3点;チューブ容器からややスムーズに押し出せる
  2点;チューブ容器からやや押し出し難い
  1点;チューブ容器から押し出し難い
 評価基準
  ◎:3.5点以上4.0点以下
  ○:3.0点以上3.5点未満
  △:2.0点以上3.0点未満
  ×:2.0点未満
[0036]
 使用原料の詳細を下記に示す。
(a)成分
  酢酸トコフェロール
   酢酸dl-α-トコフェロール、DSMニュートリション・ジャパン
   (株)製
  ニコチン酸トコフェロール
   ビタミンEニコチネート、BASFジャパン(株)製
  トコフェロール
   dl-α-トコフェロール、BASFジャパン(株)製
(b)成分
  キサンタンガム
   モナートガムDA、CPケルコ社製
  アルギン酸ナトリウム
   キミロイド、(株)キミカ製
  カラギーナン
   GENUVISCO(登録商標)J-J、三晶(株)製
(c)成分
  ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:1,000)
   直鎖状、ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:1,000)、ポリサイ
   エンス社製
  ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:6,000)
   直鎖状、ジュリマーAC-10NP、東亞合成(株)製
  ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:8,000)
   直鎖状、ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:8,000)、ポリサイ
   エンス社製
  ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:20,000)
   直鎖状、アロンA-20UN、東亞合成(株)製
ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:300,000)(比較品)
 架橋型、ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:300,000)、ポリサイ
 エンス社製
[0037]
[表1]


[0038]
[表2]


[0039]
[表3]


請求の範囲

[請求項1]
 (a)トコフェロール及びその有機酸とのエステルから選ばれる1種以上、
(b)キサンタンガム、アルギン酸塩及びカラギーナンから選ばれる1種以上
並びに
(c)重量平均分子量が1,000以上20,000以下であるポリアクリル酸塩
を含有する口腔用組成物。
[請求項2]
 (a)成分が、トコフェロール、酢酸トコフェロール及びニコチン酸トコフェロールから選ばれる請求項1記載の口腔用組成物。
[請求項3]
 ポリアクリル酸塩の重量平均分子量が5,000以上10,000以下である請求項1又は2記載の口腔用組成物。
[請求項4]
 (c)/(b)が、質量比として0.1~3である請求項1~3のいずれか1項記載の口腔用組成物。
[請求項5]
 ((b)+(c))/(a)が、質量比として1~30である請求項1~4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
[請求項6]
 (b)成分の含有量が0.4~1.4質量%、(c)成分の含有量が0.1~2質量%である請求項1~5のいずれか1項記載の口腔用組成物。
[請求項7]
 (a)成分の含有量が0.05~1質量%である請求項1~6のいずれか1項記載の口腔用組成物。
[請求項8]
 歯磨剤組成物である請求項1~7のいずれか1項記載の口腔用組成物。