Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. JP1996322524 - SARCOCARP-CONTAINING TOMATO JUICE, ITS PRODUCTION AND PRODUCTION OF TOMATO SARCOCARP FOR JUICE

Note: Text based on automatic Optical Character Recognition processes. Please use the PDF version for legal matters

[ JA ]
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、果肉入りトマトジュース及びその製造方法、ジュース用トマト果肉の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トマトは、ビタミンCやビタミンA等のビタミン類が多く含まれており、可及的に摂取すべき野菜である。この点、トマトジュースは、一度に多量のトマトを摂取でき、栄養的にも優れた飲料である。しかし、トマトジュースの独特な香りや味に起因し、トマトを食する者であっても、トマトジュースを飲めない者がいる。このため、他の野菜や果実等のジュースをミックスすることによって、トマトジュースの香りや味を薄めて飲み易くする工夫が多数なされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様に、他の野菜や果実等のジュースをトマトジュースにミックスすることによって、トマトジュースを飲めない人もある程度飲めるようになる。しかし、トマトジュースが充分に飲み易くなる程に、他の野菜や果実等のジュースをミックスすると、トマトジュース量の絶対量が減少する。このため、他の野菜や果実等のジュースをミックスしてトマトジュースを飲み易くする方法には限界が在る。そこで、本発明の目的は、トマトジュースを飲み易くしても、可及的に多量のトマトを一度に摂取し得るトマトジュース及びその製造方法、及びこのトマトジュースを得ることのできるトマト原料の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記目的を達成すべく検討を重ねた結果、トマトの固形状果肉を添加したトマトジュースによれば、添加したトマトの固形状果肉に相当するトマトジュース量を減少でき、スッキリとした味で且つ変わった舌触りや喉越しを呈し得ることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、トマトの果肉が固形状を保持して配合されてい る果肉入りトマトジュース であって、該トマトの果肉として、水 で希釈された希釈トマトジュースから成る浸漬液に、所 定サイズに切断された切断トマトが浸漬されて加熱殺菌 処理された、ジュース用トマト果肉が用いられていることを特徴とする果肉入りトマトジュースにある。更に、本発明は、所定サイズに切断した切断トマトを、水で希釈した希釈トマトジュースから成る浸漬液に浸漬した後、前記浸漬液に浸漬した状態の切断トマトに、加熱殺菌処理を施してジュース用トマト果肉を得、次いで、前記ジュース用トマト果肉を、予め殺菌処理が施されたトマトジュースに添加することを特徴とする果肉入りトマトジュースの製造方法にある。また、本発明は、所定サイズに切断した切断トマトを、水で希釈した希釈トマトジュースから成る浸漬液に浸漬し、次いで、前記浸漬液中に浸漬した状態の切断トマトに、加熱殺菌処理を施すことを特徴とするジュース用トマト果肉の製造方法でもある。
【0005】かかる構成を有する本発明において、水で希釈した希釈トマトジュースから成る浸漬液に、所定サイズに切断した切断トマトを浸漬した後、この浸漬液に浸漬した状態の切断トマトに加熱殺菌処理を施して得たジュース用トマト果肉を、細断してトマトジュースに添加することによって、舌触りや喉越しを良好とし得るサイズのトマト果肉をトマトジュース中に配合できる。かかる浸漬液の調整の際に、トマトジュースに対して20〜80重量%の水を添加して得られた希釈トマトジュースを用いることによって、加熱殺菌処理を切断トマトに施しても、短時間で所定の加熱殺菌処理温度まで昇温できるため、全加熱時間を短縮でき、フレッシュ感を有するジュース用トマト果肉を得ることができる。更に、切断トマトとして、剥皮・除種されてチップ状に切断された切断トマトを用いることが、得られたジュース用トマト果肉の後処理が容易である。また、トマトの固形状果肉の配合量を、ジュース全量に対して5〜20重量%とすることによって、トマトジュースを更に一層スッキリとした味とすることができる。
【0006】
【作用】本発明によれば、トマトジュースの一部を固形状果肉として摂取できるため、トマトジュース量を減少しても摂取し得るトマト量を可及的に一定とすることができる。しかも、トマトジュース量を減少でき、トマトジュース特有の香りや味を低減でき、トマトジュースをスッキリした味とすることができる。また、トマトの固形状果肉として、水で希釈した希釈トマトジュースから成る浸漬液に、所定サイズに切断した切断トマトを浸漬し加熱殺菌処理して得られたジュース用トマト果肉を用いる ため、加熱殺菌処理されフレッシュ感を呈するトマト果肉が配合された果肉入りトマトジュースを得ることができる。切断トマトの加熱殺菌処理の際に、短時間で所定の加熱殺菌処理温度まで昇温でき、切断トマトに施す加熱時間を可及的に短縮できる からである。更に、かかるトマト果肉が配合されるトマトジュースを、予め殺菌処理しておくことによって、果肉入りトマトジュースは、簡易な加熱殺菌処理を施すことによって出荷可能となる。このため、最終的にフレッシュ感を呈する果肉入りトマトジュースを得ることができる。
【0007】
【発明の概要】本発明において、トマトジュース中に、トマトの果肉が固形状を保持して配合されていることが肝要である。かかる固形状のトマト果肉(以下、トマト果肉と称することがある)は、そのサイズが5mm以下、好ましくは2〜3mm程度であることが飲み易く、且つ舌触りと喉越しとを良好とすることができる。更に、このトマト果肉の配合量は、ジュース全量に対して5〜20重量%であることが好ましい。トマト果肉の配合量が、ジュース全量に対して5重量%未満の場合、トマトジュースをスッキリとした味にできなくなる傾向にあり、他方、ジュース全量に対して20重量%を越える場合、ジュースとしての喉越しが失われる傾向にある。
【0008】ところで、トマトには、土壌菌が多く存在しているため、トマトジュースを市販する場合には、トマトジュースに過酷な加熱殺菌処理(115〜120℃、1分間)を施すことが要求される。しかし、トマトジュース中にトマト果肉等の固形分が含有される場合、所定の加熱処理温度まで昇温する時間が、トマト果肉が実質的に含まれていないトマトジュースに比較して、長時間となる。トマト果肉等の固形分が含有されているトマトジュースの熱伝導率が、トマト果肉が実質的に含まれていないトマトジュースよりも低いためである。この様に、長時間の加熱処理が施されたトマトジュース中のトマト果肉には、型崩れ等が発生し易い。
【0009】かかる加熱殺菌処理に因るトマト果肉の型崩れ等は、トマト果肉が配合されたトマトジュースの加熱殺菌処理条件を可及的に緩和できれば防止可能であり、この加熱殺菌処理条件の緩和は、混合するトマト果肉とトマトジュースとを、予め殺菌処理しておくことによって可能とすることができる。これら殺菌処理のうち、トマトジュースは、実質的にトマト果肉等の固形分が含まれておらず、従来の加熱殺菌処理法で殺菌処理が可能であるが、トマト果肉の加熱殺菌処理は、トマト果肉をフレッシュ状態に保持すべく、加熱時間を可及的に短時間とすることが必要である。かかる加熱時間の可及的な短縮は、所定の加熱殺菌温度まで可及的に短時間で昇温することが肝要であり、所定サイズに切断した切断トマトを、水で希釈した希釈トマトジュースから成る浸漬液に浸漬しつつ加熱殺菌処理することによって達成できる。
【0010】このことを図1に示す。図1は、水で希釈した希釈トマトジュースの昇温曲線について調査したものであり、各曲線の数値はトマトジュースの割合である(カッコ内の数値は、水の添加割合である)。図1から明らかな様に、水の希釈率が高い希釈トマトジュース程、その昇温曲線の傾斜が大きくなり、昇温速度が速くなる。特に、トマトジュースに対して20重量%以上の水が加えられた希釈トマトジュース(トマトジュースの割合が80重量%以下)ほど、その傾向が大きい。但し、水100%の場合は、昇温速度は最も速いが、、加熱殺菌処理された切断トマトの色落ちが激しく白っぽくなり、味も薄くなる。一方、水の添加割合が20重量%未満の希釈トマトジュースの場合(トマトジュースの割合が80重量%を越える希釈トマトジュースの場合)には、その昇温速度が、水の添加割合が20重量%以上の希釈トマトジュースに比較して遅くなる。このため、この希釈トマトジュースに切断トマトを加えて加熱殺菌処理を施すと、加熱殺菌処理された切断トマトは、その果肉がふやけた食感となり、苦みと臭みとも呈するようになる。このため、切断トマトを浸漬して加熱殺菌処理を施す浸漬液としては、水がトマトジュースに対して20〜80重量%(トマトジュースの割合が80〜20重量%)、特に40〜60重量%(トマトジュースの割合が60〜40重量%)添加された希釈トマトジュースを用いることが好ましい。
【0011】かかる水で希釈された希釈トマトジュースから成る浸漬液には、カルシウム化合物等の保形剤等を添加してもよい。保形剤として使用されるカルシウム化合物としては、乳酸カルシウム、塩化カルシウムを用いることができ、その添加量を1000ppm以下、好ましくは500〜700ppmとすることによって、加熱殺菌処理を施したトマト果肉にカルシウム味を付着させることを防止でき好ましい。更に、保形剤としては、食塩を単独で或いはカルシウム化合物と併用して用いることができ、その添加量を0.05〜3重量%とすることが好ましい。その他には、従来から食品において使用されている添加物を添加してもよく、例えばクエン酸を添加してもよい。クエン酸の添加量は、0.05〜5重量%とすることが好ましい。
【0012】この様な、浸漬液に浸漬する切断トマトは、トマトをダイサー等で15〜20mm角程度のチップ状に切断したものを用いることが好ましい。ここで、トマトを切断することなく浸漬液に浸漬して加熱殺菌処理を行うと、トマトの中心まで所定温度に加熱するためには、加熱時間が長時間となる。このため、加熱殺菌処理されたトマトに型崩れ等が発生し易く、且つダイサー等で切断する際に、潰れ易くなって歩留りが低下する。この点、予め切断された切断トマトは、短時間で所定の加熱処理温度まで加熱され易いため、加熱殺菌処理時間を可及的に短時間とすることができ、加熱殺菌処理された切断トマトをダイサー等で細断することも容易である。また、切断された切断トマトは、剥皮・除種しておくことによって、加熱殺菌処理を施すトマト量を可及的に少量とすることができ、加熱殺菌処理後に切断トマトの剥皮・除種する工程を省略できる。この剥皮は、トマトを切断する前に、アルカリ液に浸漬したトマトをロール上に転がすことによって剥皮でき、切断トマトに水を掛けて洗い流すことによって除種を行うことができる。
【0013】本発明では、かかる切断トマトを、水で希釈された希釈トマトジュースから成る浸漬液に浸漬して加熱殺菌処理を行う。この加熱殺菌処理は、土壌菌の加熱殺菌処理であるため、従来の土壌菌の加熱殺菌処理条件を採用することができ、具体的には、108℃×6分程度の加熱殺菌処理を行うことが好ましい。かかる加熱殺菌処理条件は、浸漬液が加熱殺菌処理温度に到達してからの条件であるため、浸漬液が加熱殺菌温度までに昇温する昇温時間が長い程、加熱時間が長くなる。この点、本発明の加熱殺菌処理によれば、浸漬液が加熱殺菌処理温度までに可及的に短時間で昇温することができ、加熱時間を可及的に短時間とすることができる。このため、加熱殺菌処理がなされたトマト果肉は、味も色もトマトのフレッシュ感を保持することができ、2〜3mm程度の細断も容易である。この様にして加熱殺菌処理されたトマト果肉は、予め加熱殺菌処理が施されたトマトジュースに添加され、果肉入りトマトジュースとすることができる。この際に、加熱殺菌処理されたトマト果肉を、ダイサー等で2〜3mm程度に細断してからトマトジュースに配合することが好ましい。また、トマト果肉の配合量は、ジュース全量に対して5〜20重量%、特に10〜15重量%とすることが好ましい。尚、予めトマトジュースに施す加熱殺菌処理は、従来の土壌菌の加熱殺菌処理条件を採用できる。
【0014】得られた果肉入りトマトジュースは、予め加熱殺菌処理が施されたトマト果肉とトマトジュースとを混合して得られたものであり、土壌菌を殺菌する加熱処理条件よりも緩和された条件の加熱殺菌処理を施すことによって製品と出荷することができる。この加熱殺菌処理としては、110℃×1分程度の加熱殺菌処理を採用できる。最終的に得られた果肉入りトマトジュースは、100%がトマトジュースであるものと比較して、トマトジュース量を減少でき、トマトジュース特有の香りや味を低減できるため、スッキリした味のトマトジュースとすることができる。この様に、トマトジュース量を減少しても、減少したトマトジュースをトマト果肉で摂取でき、合計のトマト量を可及的に一定に保持できる。尚、かかる果肉入りトマトジュースには、食感や喉越しを更に一層改良すべく、ペクチン、キサンタンガム、ビタミンC等を配合してもよく、他の野菜や果実ジュースを配合してもよい。
【0015】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明する。
実施例1
トマトをアルカリ液に浸漬した後、ロール上に転がして剥皮した後、ダイサーで1cm角となるように切断した。その後、切断した切断トマトの種を水で洗い流して除種を行った。更に、トマトジュース0.6リットルに水0.6リットルを加えた希釈トマトジュース1.2kgから成る浸漬液に、得られた切断トマト2.8kgを浸漬した。尚、この浸漬液には、塩化カルシウム2.4g、食塩2.4g、及びクエン酸3.6gを添加した。
【0016】かかる浸漬液に切断トマトを浸漬した状態で108℃で6分間の加熱殺菌処理を行った。この際に、浸漬液が108℃に到達するまでの時間は、25分であり、加熱殺菌処理が完了したトマト果肉は、崩れや色落ちもなく良好なものであった。次いで、この浸漬液から取り出したトマト果肉を、ダイサーによって2〜3mm程度のサイズに細断した後、細断したトマト果肉0.25kgを予め加熱殺菌処理(115℃×1分間)が施されたトマトジュース2.2kgに添加して果肉入りトマトジュースとした。更に、この果肉入りトマトジュースにも、110℃で1分間の加熱処理を施した。この様にして得られた果肉入りトマトジュースは、トマトジュース特有の香りや味が緩和されスッキリした味を呈するものである。また、トマトジュースに配合されたトマト果肉も、フレッシュ感を呈するものであり、良好な舌触りと喉越しとを呈するものであった。
【0017】比較例1
実施例1において、トマトを切断することなく丸ごと浸漬液に浸漬した他は、実施例1と同様にして加熱殺菌処理を施した。次いで、浸漬液から取り出した加熱殺菌処理したトマトは、軟らかいため、切断しようとすると、トマトが潰れ易いものであった。このため、トマトの切断を諦め以後の処理を断念した。
【0018】比較例2
実施例1において、切断トマトの加熱殺菌処理をトマトジュース100%(水の添加なし)の浸漬液に浸漬して行った他は、実施例1と同様にして加熱殺菌処理を施した。この際に、浸漬液が108℃に到達するまでの時間は、90分であり、実施例1よりも長時間であった。このため、加熱殺菌処理が完了した切断トマトは、苦味と臭みとが発生し且つ果肉がふやけた状態となり、以後の処理を断念した。
【0019】比較例3
実施例1において、切断トマトの加熱殺菌処理を水100%の浸漬液(トマトジュースの添加なし)に浸漬して行った他は、実施例1と同様にして加熱殺菌処理を施した。この際に、浸漬液が108℃に到達するまでの時間は、15分であり、実施例1よりも短時間であった。しかし、加熱殺菌処理が完了した切断トマトは、色落ちが著しく且つ味も薄いものであるため、以後の処理を断念した。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、従来のトマトジュースに比較して、スッキリした味の果肉入りトマトジュースを工業的に提供することができる。このため、トマトを食することができるものの、トマトジュースを飲むことができなかった者も、トマトジュースを飲むことができるようになり、トマトジュース消費量の拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水100%、水で希釈した希釈トマトジュース、及びトマトジュース100%の各液の昇温曲線を示すグラフである。