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1. WO2018135312 - VIBRATION-DAMPING DEVICE

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明 細 書

発明の名称 防振装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041  

産業上の利用可能性

0042  

符号の説明

0043  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 防振装置

技術分野

[0001]
 本発明は、防振装置に関する。
本願は、2017年1月19日に日本に出願された特願2017-7362号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 従来から、下記特許文献1に示されるような防振装置が知られている。この防振装置内には液室が形成されており、この液室は仕切部材によって主液室と副液室とに区画されている。仕切部材には、主液室と副液室とを連通するオリフィス通路が形成されており、振動の入力に応じてオリフィス通路内を液体が流通することで、振動を吸収および減衰させることができる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2010/119595号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、この種の防振装置では、周波数が比較的小さく振幅が比較的大きい振動(以下、大振動という)と、周波数が比較的大きく振幅が比較的小さい振動(以下、微振動という)と、の両者の振動に対する特性を向上させることが求められている。
[0005]
 本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、大振動および微振動の両者の振動に対する特性を向上させた防振装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内側部材と、前記外筒と前記内側部材とを連結した弾性体と、前記外筒内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部とする主液室と副液室とに区画する仕切部材と、を備え、前記仕切部材に、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路が形成された防振装置であって、前記外筒と前記内側部材との間に配設されるとともに、前記弾性体に連結された中間筒と、前記中間筒に連結されるとともに、前記主液室を、前記弾性体のうち前記中間筒より径方向内側に位置する内側部分を隔壁の一部とする第1主液室と、前記弾性体のうち前記中間筒より径方向外側に位置する外側部分を隔壁の一部とする第2主液室と、に区画する区画部材と、を備え、前記内側部材は、前記中間筒の径方向内側に配設され、前記区画部材は、収容室、前記収容室と前記第1主液室とを連通する第1連通孔、および前記収容室と前記第2主液室とを連通する第2連通孔が形成された区画部材本体と、前記収容室内に収容されるとともに、前記第1主液室と前記第2主液室との圧力差に応じて変位、若しくは変形する可動部材と、を備え、前記区画部材本体は、前記主液室内に位置する前記中間筒の一端開口部を閉塞している。

発明の効果

[0007]
 本発明によれば、周波数が比較的小さく振幅が比較的大きい振動と、周波数が比較的大きく振幅が比較的小さい振動と、の両者の振動に対する特性を向上させた防振装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本実施形態に係る防振装置の縦断面図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下、第1実施形態に係る防振装置の構成を、図1を参照しながら説明する。
 図1に示すように、防振装置1は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒11、および他方に連結される内側部材12と、外筒11と内側部材12とを連結した弾性体13と、液体が封入される外筒11内の液室14を、外筒11の中心軸線Oに沿う軸方向に沿って、弾性体13を隔壁の一部とする主液室15、および副液室16に区画する仕切部材17と、を備えている。
[0010]
 この防振装置1が、例えば自動車のエンジンマウントとして使用される場合、外筒11が振動受部としての車体に連結され、内側部材12が振動発生部としてのエンジンに連結される。これにより、エンジンの振動が車体に伝達することが抑えられる。
[0011]
 ここで、本実施形態では、仕切部材17に対して前記軸方向に沿う主液室15側を上側といい、副液室16側を下側という。また、この防振装置1を前記軸方向から見た平面視において、中心軸線Oに直交する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
[0012]
 外筒11の下端部には、径方向外側に向けて突出する環状の固定部11aが形成されている。外筒11の内周面には、その軸方向における中央部から上端部にわたって、上側に向かうに従い漸次径方向外側に向けて延びるテーパ部11bが形成されている。外筒11の内周面のうちテーパ部11bの下側の部分および外筒11の下端開口縁は、被覆ゴムにより覆われている。被覆ゴムは、弾性体13と一体に形成されている。
[0013]
 内側部材12は、後述する中間筒31の径方向内側に配設されている。内側部材12は、棒状に形成されるとともに、前記中心軸線Oと同軸に配設されている。内側部材12は、外筒11の径方向内側に配設されている。内側部材12の上端面には、軸方向下側に延びる雌ねじ部12bが形成されている。内側部材12の外周面は、下側に向かうに従い漸次縮径している。内側部材12の下端部は、外筒11の上端開口縁より下側に位置している。
[0014]
 弾性体13は、外筒11のテーパ部11bと内側部材12の外周面とを連結している。弾性体13の外周側は、外筒11のテーパ部11bに加硫接着されている。弾性体13の内周側は、内側部材12の外周面に加硫接着されている。弾性体13は、径方向外側から内側に向かうに従い漸次上側に向けて延びている。弾性体13により、外筒11の上端開口部が密閉されている。
[0015]
 仕切部材17には、主液室15と副液室16とを連通するオリフィス通路21が形成されている。仕切部材17は、偏平な筒状に形成された本体部材22と、本体部材22の内側を閉塞する円板状の閉塞部材23と、を備えている。
 本体部材22には、上端開口縁から径方向外側に向けて突出する上側フランジ22aと、内周面から径方向内側に向けて突出する環状の内フランジ22bと、下端開口縁から径方向外側に向けて突出する下側フランジ22cと、が形成されている。上側フランジ22aの外周縁は、被覆ゴムを介して外筒11内に液密に嵌合している。下側フランジ22cの上面の一部と外筒11の下端縁との間には、被覆ゴムが挟まれている。
[0016]
 本体部材22の外周面と、上側フランジ22aの下面と、下側フランジ22cの上面と、により、先述のオリフィス通路21が画成されている。オリフィス通路21は、上側フランジ22aに形成された不図示の主液室側開口を通じて主液室15に連通し、下側フランジ22cに形成された不図示の副液室側開口を通じて副液室16に連通している。
 防振装置1への振動の入力に伴って、オリフィス通路21を通して液体が往来すると、オリフィス通路21内で液柱共振が生じて振動が減衰、吸収される。
 閉塞部材23は、内フランジ22b上に載置され、不図示のボルトなどにより内フランジ22bに固定されている。
[0017]
 仕切部材17の下側には、環状のダイヤフラムリング18が配設されている。ダイヤフラムリング18の内周面に、ゴム材料などで弾性変形可能に形成されたダイヤフラム19の外周部が加硫接着されている。外筒11の固定部11a、仕切部材17の本体部材22における下側フランジ22c、およびダイヤフラムリング18にはそれぞれ、軸方向に延びる貫通孔が形成されており、各貫通孔がボルト等で締結されることで、ダイヤフラムリング18およびダイヤフラム19が仕切部材17を介して外筒11に固定されている。ダイヤフラム19は、外筒11の下端開口部を密閉している。
 ダイヤフラム19および弾性体13により、液体が封入される液室14が外筒11内に画成されている。なお、液室14に封入される液体としては、例えば水やエチレングリコールなどを用いることができる。なお、ダイヤフラム19は、副液室16内への液体の流入および流出に伴い拡縮変形する。
[0018]
 ここで、本実施形態における防振装置1は、外筒11と内側部材12との間に配設された中間筒31と、主液室15を第1主液室15aと第2主液室15bとに区画する区画部材32と、を備えている。
[0019]
 中間筒31は、上側から下側に向かうに従って漸次径方向内側に向けて延びる傾斜筒部31aと、傾斜筒部31aの下端部から下側に向けて延びる直筒部31bと、を有する。直筒部31bの下端開口縁には、上側に向けて延びる雌ネジ部31cが形成されている。中間筒31は、弾性体13に連結されるとともに、弾性体13を、中間筒31より内側の内側部分13aと、中間筒31より外側の外側部分13bと、に径方向に分断している。内側部分13aは、内側部材12と中間筒31とを連結しており、外側部分13bは、外筒11と中間筒31とを連結している。内側部分13aは、外側部分13bより剛性が低い。
[0020]
 中心軸線Oに沿う縦断面視において、傾斜筒部31aにおける外周面の中心軸線Oに対する傾きと、外筒11におけるテーパ部11bの中心軸線Oに対する傾きと、は略同等になっている。これにより、中間筒31が外筒11に対して下降すると、弾性体13の外側部分13bが径方向に圧縮される。
[0021]
 第1主液室15aは、弾性体13の内側部分13aにおける内周面と、区画部材32の上面と、により画成されている。これにより、第1主液室15aは、内側部分13aを隔壁の一部として形成されている。
 第2主液室15bは、弾性体13の外側部分13bにおける内周面と、外筒11の内周面と、仕切部材17の上面と、により画成されている。これにより、第2主液室15bは、外側部分13bを隔壁の一部として形成されている。
[0022]
 区画部材32は、上側部材33および下側部材34からなる区画部材本体35と、円板状の可動部材36と、を備えている。区画部材本体35は、主液室15内に位置する中間筒31の一端開口部31dを閉塞している。
 上側部材33は、円板状に形成されるとともに、その外周縁には下側に向けて突出する収容筒部33bが形成されている。上側部材33には、収容筒部33bを軸方向に貫通する締結孔33aが形成されている。下側部材34は、収容筒部33bと同等の外径を有する円板状に形成され、収容筒部33bの下端開口縁に当接している。下側部材34の外周縁には、これを軸方向に貫通する締結孔34aが形成されている。不図示のボルトが、上側部材33および下側部材34の締結孔33a、34aを通して中間筒31の雌ネジ部31cに螺着されることで、区画部材本体35が中間筒31に固定されている。
[0023]
 区画部材本体35には、可動部材36を収容する収容室37と、上側部材33を軸方向に貫通する第1連通孔37aと、下側部材34を軸方向に貫通する第2連通孔37bと、が形成されている。第1連通孔37aおよび第2連通孔37bはそれぞれ、周方向および径方向に間隔を空けて複数形成されている。
 収容室37は、上側部材33の下面と、可動部材36を囲繞する収容筒部33bの内周面と、下側部材34の上面と、により画成されている。第1連通孔37aは、収容室37と第1主液室15aとを連通している。第2連通孔37bは、収容室37と第2主液室15bとを連通している。これにより、第1主液室15aは、収容室37、第2主液室15b、および仕切部材17のオリフィス通路21を通じて、副液室16に連通している。オリフィス通路21の流路抵抗は、第1連通孔37aおよび第2連通孔37bの流路抵抗より大きい。
[0024]
 可動部材36は、ゴムなどの弾性部材により円板状に形成されている。可動部材36の外径は収容筒部33bの内径よりも小さい。可動部材36のうち、径方向外端部の厚みは上側部材33の下面と下側部材34の上面との間の軸方向の距離よりも大きく、その他の部分の厚みは、前記距離よりも小さくなっている。このため、可動部材36の径方向外端部は上側部材33および下側部材34により軸方向で挟まれて固定されており、可動部材36の径方向中央部と収容室37の内面との間には、軸方向の隙間が形成されている。可動部材36は、第1主液室15aと第2主液室15bとの圧力差に応じて変形する。
[0025]
 次に、以上のように構成された防振装置1の作用について説明する。
[0026]
 防振装置1に軸方向の振動が入力されると、外筒11および内側部材12を互いに連結する弾性体13を弾性変形させながら、外筒11と内側部材12とが軸方向に相対的に変位する。
 ここで、大振動が防振装置1に入力された場合には、収容室37に流入する液量が大きいために可動部材36が収容室37の壁面に強く押し付けられて、第1連通孔37aまたは第2連通孔37bが閉塞される。これにより、第1連通孔37aを通じた第1主液室15aと収容室37との間の液体の往来、および第2連通孔37bを通じた第2主液室15bと収容室37との間の液体の往来が規制される。従って、内側部材12の区画部材32に対する軸方向の変位が抑制され、内側部材12、区画部材32、および中間筒31が弾性体13のうち外側部分13bを弾性変形させながら一体として軸方向に弾性変位する。
このため、入力される振動に応じて主液室15に液圧を及ぼす有効受圧部の面積(以下、有効受圧面積という)が大きくなる。
[0027]
 大振動の場合の有効受圧面積S2は、可動部材36により第1主液室15aと第2主液室15bとの連通を遮断した状態で、内側部材12を外筒11に対して1mm下降させたときに、第2主液室15bから副液室16に押し出される液体の体積の値で表される。有効受圧面積S2は、図1に示すように、区画部材32の下面の面積と略同等になる。
[0028]
 一方、微振動が防振装置1に入力された場合には、収容室37に対して流入および流出する液量が比較的小さくなるため、可動部材36によって第1連通孔37aおよび第2連通孔37bが閉塞されない。このとき可動部材36は、径方向外端部を固定端として、径方向中央部が軸方向に往復するように弾性変形する。この弾性変形に伴い、第1連通孔37aを通じた第1主液室15aと収容室37との間の液体の往来、および第2連通孔37bを通じた第2主液室15bと収容室37との間の液体の往来が許容される。このため、内側部材12の区画部材32に対する軸方向の変位が許容され、内側部材12が弾性体13のうち内側部分13aを弾性変形させながら、区画部材32に対して軸方向に弾性変位する。
[0029]
 ここで、微振動の場合の有効受圧面積S1は、第1連通孔37aおよび第2連通孔37bを開放した状態で、内側部材12を区画部材32に対して1mm下降させたときに、第1主液室15aから第2主液室15bに押し出される液体の体積の値で表される。有効受圧面積S1は、図1に示すように、内側部材12の下面の面積と略同等になる。
 微振動の場合の有効受圧面積S1は、大振動の場合の有効受圧面積S2よりも小さい。
[0030]
 このように、本実施形態の防振装置1では、大振動が入力された場合と微振動が入力された場合とで有効受圧面積が変化する。これにより、大振動が入力された場合には大きな有効受圧面積S2を作用させて、大きな流量の液体をオリフィス通路21に流入させることで優れた減衰性能を発揮させ、エンジンなどの振動を早期に収束させて乗り心地の向上を図ることができる。その一方で、微振動が入力された場合には小さな有効受圧面積S1を作用させて、第1主液室15aから第2主液室15bに流入する液体の量を抑制することが可能となり、この防振装置1の動的ばね定数が上昇するのを確実に抑えることで、エンジンなどから車体などに伝わる振動を効果的に抑制できる。
[0031]
 また、大振動が入力された場合には、弾性体13のうち内側部分13aよりも径方向外側に位置しており剛性が高く変形しにくい外側部分13bを弾性変形させることで、防振装置1全体の動的ばね定数を確実に大きくすることが可能となり、乗り心地をさらに向上させることができる。
 また、微振動の入力に伴って可動部材36が収容室37の内面に高い頻度で衝突した場合や、大振動の入力に伴って可動部材36が収容室37の内面に強く衝突した場合であっても、可動部材36を収容する収容室37が、中間筒31に連結された区画部材本体35に形成されているため、この衝撃力が外筒11若しくは内側部材12に伝播する前に弾性体13に吸収されることとなり、振動受部に伝播するのを抑えることができる。
[0032]
 以上説明したように、本実施形態の防振装置1によれば、大振動および微振動の両者に対して優れた特性を発揮することができる。
 さらに、弾性体13が中間筒31によって内側部分13aと外側部分13bとに分断されているため、弾性体13のうち、大振動が入力された場合に主に弾性変形する外側部分13bと、微振動が入力された場合に主に弾性変形する内側部分13aと、のそれぞれの剛性などを容易に調整することができる。これにより、大振動および微振動の両者に対する防振装置1の特性を容易にチューニングすることが可能となる。
[0033]
 また、弾性体13の外側部分13bの剛性が高いため、大振動の入力時に、内側部材12および区画部材32が軸方向に変位しにくくなり、この防振装置1の動的ばね定数を確実に高めて、減衰性能をより一層向上させることができる。
 また、弾性体13の内側部分13aの剛性が低いため、振幅が比較的小さく周波数が比較的大きい振動の入力時に、内側部材12が区画部材32に対して変位しやすくなり、防振装置1の動的ばね定数の上昇をより確実に抑えることができる。
[0034]
 なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
[0035]
 例えば、図示の例では、中間筒31が弾性体13を内側部分13aと外側部分13bとに分断していたが、本発明はこれに限られず、中間筒31は弾性体13を径方向に分断していなくてもよい。
 また、前記実施形態では、弾性体13の内側部分13aは外側部分13bより剛性が低いと説明したが、これに限られず、内側部分13aの方が外側部分13bより剛性が高くてもよい。
[0036]
 その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
[0037]
 本発明の防振装置によれば、収容室内には軸方向に変形可能または変位可能な可動部材が収容されており、大振動が防振装置に入力される場合には、収容室に流入した液体の流れの勢いが強いために可動部材が収容室の壁面に強く押し付けられて、第1連通孔または第2連通孔が閉塞される。これにより、収容室を通じた第1主液室と第2主液室との間の液体の往来が規制されるため、内側部材の区画部材に対する軸方向の変位が抑制される。
このとき、弾性体のうち外側部分を弾性変形させながら、内側部材、区画部材、および中間筒が一体として軸方向に弾性変位するため、振動に応じて主液室に液圧を及ぼす有効受圧面積が大きくなり、大きな流量の液体をオリフィス通路に流入させることで優れた減衰性能を発揮させ、エンジンなどの振動を早期に収束させ、乗り心地の向上を図ることができる。
 さらにこのとき、弾性体のうち内側部分よりも径方向外側に位置しており変形しにくい外側部分を弾性変形させることで、防振装置全体の動的ばね定数を確実に大きくすることが可能となり、エンジンなどの振動を小さく抑えることで、乗り心地をさらに向上させることができる。
 一方、微振動が防振装置に入力される場合には、収容室に対して流入および流出する液体の流れの勢いが比較的弱いため、可動部材によって第1連通孔および第2連通孔が閉塞されず、収容室を通じた第1主液室と第2主液室との間の液体の往来が許容される。これにより、内側部材の区画部材に対する軸方向の変位が許容され、弾性体のうち内側部分を弾性変形させながら内側部材が区画部材に対して軸方向に変位するため、主液室の前記有効受圧面積が小さくなり、第1主液室から第2主液室に流入する液体の量を小さくすることが可能となり、この防振装置の動的ばね定数が上昇するのを確実に抑えることで、エンジンなどから車体などに伝わる振動を効果的に抑制できる。
 また、可動部材を収容する収容室が、中間筒に連結された区画部材本体に形成されているため、大振動および微振動の入力時に可動部材が収容室の内面に衝突しても、この衝撃力が外筒若しくは内側部材に伝播する前に弾性体に吸収されることとなり、振動受部に伝播するのを抑えることができる。
[0038]
 ここで、前記中間筒は、前記弾性体を前記内側部分と前記外側部分とに径方向に分断し、前記内側部分は、前記内側部材と前記中間筒とを連結し、前記外側部分は、前記外筒と前記中間筒とを連結していてもよい。
[0039]
 この場合、弾性体が内側部分と外側部分とに分断されているため、弾性体のうち、大振動が入力された場合に主に弾性変形する外側部分と、微振動が入力された場合に主に弾性変形する内側部分と、のそれぞれの剛性などを容易に調整することができる。これにより、大振動および微振動の両者に対する防振装置の特性を容易にチューニングすることが可能となる。
[0040]
 また、前記弾性体のうち、前記内側部分は、前記外側部分より剛性が低くてもよい。
[0041]
 この場合、弾性体の外側部分の剛性が高いため、大振動の入力時に内側部材および区画部材が軸方向に変位しにくくなり、この防振装置の動的ばね定数を確実に高めて、減衰性能をより一層向上させることができる。
 また、弾性体の内側部分の剛性が低いため、微振動の入力時に内側部材が区画部材に対して変位しやすくなり、防振装置の動的ばね定数の上昇をより確実に抑えることができる。

産業上の利用可能性

[0042]
本発明によれば、周波数が比較的小さく振幅が比較的大きい振動と、周波数が比較的大きく振幅が比較的小さい振動と、の両者の振動に対する特性を向上させた防振装置を提供することができる。

符号の説明

[0043]
 1 防振装置 
11 外筒 
12 内側部材 
13 弾性体 
13a 内側部分 
13b 外側部分 
14 液室 
15 主液室 
15a 第1主液室 
15b 第2主液室 
16 副液室 
17 仕切部材 
21 オリフィス通路 
31 中間筒 
31d 一端開口部 
32 区画部材 
35 区画部材本体 
36 可動部材 
37 収容室 
37a 第1連通孔 
37b 第2連通孔

請求の範囲

[請求項1]
 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内側部材と、
 前記外筒と前記内側部材とを連結した弾性体と、
 前記外筒内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部とする主液室と副液室とに区画する仕切部材と、を備え、
 前記仕切部材に、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路が形成された防振装置であって、
 前記外筒と前記内側部材との間に配設されるとともに、前記弾性体に連結された中間筒と、
 前記中間筒に連結されるとともに、前記主液室を、前記弾性体のうち前記中間筒より径方向内側に位置する内側部分を隔壁の一部とする第1主液室と、前記弾性体のうち前記中間筒より径方向外側に位置する外側部分を隔壁の一部とする第2主液室と、に区画する区画部材と、を備え、
 前記内側部材は、前記中間筒の径方向内側に配設され、
 前記区画部材は、
  収容室、前記収容室と前記第1主液室とを連通する第1連通孔、および前記収容室と前記第2主液室とを連通する第2連通孔が形成された区画部材本体と、
  前記収容室内に収容されるとともに、前記第1主液室と前記第2主液室との圧力差に応じて変位、若しくは変形する可動部材と、を備え、
 前記区画部材本体は、前記主液室内に位置する前記中間筒の一端開口部を閉塞している防振装置。
[請求項2]
 前記中間筒は、前記弾性体を前記内側部分と前記外側部分とに径方向に分断し、
 前記内側部分は、前記内側部材と前記中間筒とを連結し、
 前記外側部分は、前記外筒と前記中間筒とを連結している、請求項1に記載の防振装置。
[請求項3]
 前記弾性体のうち、前記内側部分は、前記外側部分より剛性が低い、請求項1に記載の防振装置。
[請求項4]
前記弾性体のうち、前記内側部分は、前記外側部分より剛性が低い、請求項2に記載の防振装置。

図面

[ 図 1]