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1. WO2017199766 - BAND-PASS FILTER AND CONTROL METHOD THEREFOR

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明 細 書

発明の名称 帯域通過フィルタ及びその制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061  

符号の説明

0062  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

明 細 書

発明の名称 : 帯域通過フィルタ及びその制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、通過帯域の帯域幅を変更することができる帯域通過フィルタ及びその制御方法に関する。

背景技術

[0002]
 マイクロ波、ミリ波帯を用いて送受信を行う無線通信システムにおいては、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、不要な周波数成分を除去するために帯域通過フィルタが用いられている。特許文献1には、通過帯域を変更することができる帯域通過フィルタに関する技術が開示されている。
[0003]
 具体的には、特許文献1には、空洞共振器内に半同軸型の共振素子を配置すると共に、空洞共振器を覆うカバーと共振素子の開放端との間の空間に可動導体を配置し、この可動導体を動かすことによって空洞共振器の共振周波数を変更することが開示されている。また、特許文献1には、同様の可動導体を空洞共振器間の空間にも配置し、この可動導体を動かすことによって空洞共振器間の結合係数を変化させて、通過帯域の帯域幅を変更することも開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2014-086839号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかし、特許文献1に開示された技術は、周波数を変化させることが目的のフィルタであり、たとえ通過帯域の帯域幅を変更するための可動導体だけ単独に動くとしても、帯域幅の可変範囲は小さく、帯域幅を可変にする効果は小さい。また、外部Q値を変化させる仕組みがないため、帯域幅が変化すると、フィルタ特性が劣化するという問題がある。
[0006]
 そこで本発明の目的は、上述した課題を解決し、通過帯域の帯域幅を容易に変更することができる帯域通過フィルタ及びその制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 一態様において、帯域通過フィルタは、
 筐体と、
 前記筐体に収納された複数の共振板と、
 隣接する2つの前記共振板同士を接続する第1の結合導体と、
 隣接する2つの前記共振板間の結合係数に作用する位置に配置された第2の結合導体と、を備え、
 前記共振板と前記第2の結合導体との間の距離が変更可能である。
[0008]
 一態様において、帯域通過フィルタの制御方法は、
 筐体に収納された複数の共振板を備える帯域通過フィルタの制御方法であって、
 隣接する2つの前記共振板同士を第1の結合導体により接続し、
 隣接する2つの前記共振板間の結合係数に作用する位置に第2の結合導体を配置し、
 前記共振板と前記第2の結合導体との間の距離を変更する。

発明の効果

[0009]
 上述の態様によれば、通過帯域の帯域幅を容易に変更することができる帯域通過フィルタ及びその制御方法を提供することができるという効果が得られる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 実施の形態1にかかる帯域通過フィルタの例を示す斜視図である。
[図2] 実施の形態1にかかる帯域通過フィルタの例を示す側面図である。
[図3] 実施の形態1にかかる帯域通過フィルタの例を示す上面図である。
[図4] 共振器と第3の結合導体との間の距離(sr_dy)の例を示す図である。
[図5] 実施の形態1にかかる、基板が装着された状態の帯域通過フィルタの例を示す斜視図である。
[図6] 図5の帯域通過フィルタを裏側から見た斜視図である。
[図7] 実施の形態1にかかる、基板が装着された状態の帯域通過フィルタの例を示す斜視図である。
[図8] 図7の帯域通過フィルタを裏側から見た斜視図である。
[図9] 実施の形態1にかかる、基板が装着された状態の帯域通過フィルタの例を示す斜視図である。
[図10] 図9の帯域通過フィルタを裏側から見た斜視図である。
[図11] 実施の形態1にかかる帯域通過フィルタのフィルタ特性の例を示す図である。
[図12] 実施の形態1にかかる帯域通過フィルタのフィルタ特性の例を示す図である。
[図13] 実施の形態1にかかる帯域通過フィルタのフィルタ特性の例を示す図である。
[図14] 実施の形態1にかかる帯域通過フィルタのフィルタ特性の例を示す図である。
[図15] 実施の形態1にかかる帯域通過フィルタのフィルタ特性の例を示す図である。
[図16] 実施の形態2にかかる帯域通過フィルタの例を示す斜視図である。
[図17] 実施の形態2にかかる帯域通過フィルタの例を示す側面図である。
[図18] 実施の形態2にかかる帯域通過フィルタの例を示す上面図である。
[図19] 実施の形態2にかかる、基板が装着された状態の帯域通過フィルタの例を示す斜視図である。
[図20] 図19の帯域通過フィルタを裏側から見た斜視図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態で示す具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、これに限定されるものではない。
[0012]
(1)実施の形態1
 図1~図3はそれぞれ、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aの例を示す斜視図、側面図、及び上面図である。
[0013]
 図1~図3に示されるように、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aは、通過帯域の帯域幅が変更可能な帯域通過フィルタであり、筐体11と、3つの共振板12-1~12-3と、2つの入出力ポート13-1,13-2と、2つのループアンテナ14-1,14-2と、2つの第1の結合導体15-1,15-2と、2つの第2の結合導体16-1,16-2と、2つの第3の結合導体17-1,17-2と、を備えている。以下、共振板12-1~12-3を特に区別することなく言及する場合には、単に「共振板12」と呼ぶことがある。同様に、入出力ポート13-1,13-2は、単に「入出力ポート13」と呼び、ループアンテナ14-1,14-2は、単に「ループアンテナ14」と呼び、第1の結合導体15-1,15-2は、単に「第1の結合導体15」と呼び、第2の結合導体16-1,16-2は、単に「第2の結合導体16」と呼び、第3の結合導体17-1,17-2は、単に「第3の結合導体17」と呼ぶことがある。
[0014]
 本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aは、3つの共振板12-1~12-3を備える3段構成の帯域通過フィルタである。ただし、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aの段数は2段以上であれば何段でも良い。
[0015]
 また、本実施の形態1においては、図1~図3において、2段目の共振板12-2における筐体11の底面との接続面の中心位置を原点とし、共振板12-1~12-3が並んでいる方向をx方向、共振板12-1~12-3の主面(面積が最も大きい面)と垂直な方向をy方向、共振板12-1~12-3の長手方向をz方向と呼ぶこととする。
[0016]
 筐体11は、内部に空洞を有し、この空洞内にて共振板12-1~12-3を収納する導電性の部材である。例えば、筐体11は、共振板12-1~12-3を収納可能な凹部を有するケースと、このケースの開口部を覆うカバーと、を用いて構成することができる。
[0017]
 共振板12-1~12-3は、一端が筐体11の底面に接続され、他端が開放端(つまり、他の部材と接していない)である、板状の導体からなる半同軸型共振器である。共振板12-1~12-3は、その側面が対向するようにx方向に並べられている。共振板12-1~12-3を板状とすることで、第1の結合導体15-1,15-2と一体形成することができるという利点や、第2の結合導体16-1,16-2との空間結合が強いという利点がある。共振板12-1~12-3の材質は、導電率の高い金属であれば良く、例えば、銅である。共振板12-1~12-3は、形状や長さ(z方向)等で決まる共振周波数で共振するように動作する。
[0018]
 入出力ポート13-1,13-2は、高周波信号を入出力するポートである。入出力ポート13-1は、同軸線路で構成され、同軸線路の内部導体がループアンテナ14-1となる。入出力ポート13-1は、筐体11におけるx方向の一端(共振板12-1側)にて、筐体11の底面から挿入され、ループアンテナ14-1によって電磁結合により共振板12-1と接続される。入出力ポート13-2は、同軸線路で構成され、同軸線路の内部導体がループアンテナ14-2となる。入出力ポート13-2は、筐体11におけるx方向の他端(共振板12-3側)にて、筐体11の底面から挿入され、ループアンテナ14-2によって電磁結合により共振板12-3と接続される。入出力ポート13-1,13-2は、一方が入力ポートとして動作し、他方が出力ポートとして動作する。例えば、入出力ポート13-1が入力ポート、入出力ポート13-2が出力ポートとして動作する場合、入出力ポート13-1に高周波信号が入力され、そのうち帯域通過フィルタ1Aの通過帯域内の高周波信号のみが入出力ポート13-2から出力される。ループアンテナ14-1,14-2は、単なる棒状などの他の形状のアンテナでも良い。
[0019]
 第1の結合導体15-1は、隣接する2つの共振板12-1,12-2同士を接続する板状の導体である。また、第1の結合導体15-2は、隣接する2つの共振板12-2,12-3同士を接続する板状の導体である。具体的には、第1の結合導体15は、共振板12の側面において、共振板12の開放端ではない位置で、隣接する2つの共振板12同士を接続する。本実施の形態1においては、第1の結合導体15の形状と位置を設計することにより、隣接する2つの共振板12同士を接続することで、隣接する2つの共振板12間を所望の結合係数(又は結合量)にしている。このように、第1の結合導体15の形状と位置で結合係数を決定できるため、半同軸型のフィルタで良く使用されている、隣接する2つの共振板12間を仕切る仕切り板は不要である。第1の結合導体15-1,15-2を板状とすることで、共振板12-1~12-3と一体形成することができるという利点がある。第1の結合導体15-1,15-2の材質は、導電率の高い金属であれば良く、例えば、銅である。第1の結合導体15-1,15-2のz方向の位置(wire_H)は、共振板12-1~12-3の開放端側に近いほど、隣接する2つの共振板12間の結合係数が高くなる。そのため、第1の結合導体15-1,15-2のz方向の位置は、所望の結合係数が得られる位置とすれば良い。
[0020]
 第2の結合導体16-1は、隣接する2つの共振板12-1,12-2間の結合係数に作用する位置に配置される板状の導体である。また、第2の結合導体16-2は、隣接する2つの共振板12-2,12-3間の結合係数に作用する位置に配置される板状の導体である。第2の結合導体16-1,16-2を板状とすることで、共振板12-1~12-3との空間結合が強いという利点がある。
[0021]
 第2の結合導体16-1は、主面が共振板12-1~12-3の主面と対向して配置され、x方向には、共振板12-1,12-2に渡って延びている。また、第2の結合導体16-2は、主面が共振板12-1~12-3の主面と対向して配置され、x方向には、共振板12-2,12-3に渡って延びている。第2の結合導体16-1,16-2のz方向の位置(cp_H)は、第1の結合導体15-1,15-2よりも筐体11の底面側にある場合、共振板12-1~12-3と第2の結合導体16-1,16-2との間の距離(y方向。cp_dy)を変更しても、隣接する2つの共振板12間の結合係数は僅かにしか変化しない。そのため、第2の結合導体16-1,16-2のz方向の位置は、第1の結合導体15-1,15-2よりも共振板12-1~12-3の開放端側としている。また、第2の結合導体16-1,16-2のz方向の位置は、共振板12-1~12-3の開放端側に近いほど、cp_dyを変更した場合の、隣接する2つの共振板12間の結合係数の変化は急峻になる。そのため、第2の結合導体16-1,16-2のz方向の位置は、第1の結合導体15-1,15-2よりも共振板12-1~12-3の開放端側で、かつ、結合係数の所望の変化が得られる位置とすれば良い。
[0022]
 本実施の形態1においては、上述したように、共振板12-1~12-3と第2の結合導体16-1,16-2との間の距離(y方向。cp_dy)は変更可能である。cp_dyを変更する場合、共振板12-1~12-3の位置は固定し、第2の結合導体16-1,16-2のy方向の位置を変更する(この変更方法は後述する)。cp_dyを変更すると、隣接する2つの共振板12間の結合係数が変化する。具体的には、cp_dyが短くなるほど(第2の結合導体16-1,16-2が共振板12-1~12-3側に近づくほど)、結合係数は小さくなり、通過帯域の帯域幅は狭くなる。一方、cp_dyが長くなるほど(第2の結合導体16-1,16-2が共振板12-1~12-3側から遠ざかるほど)、結合係数は大きくなり、通過帯域の帯域幅は広くなる。ただし、結合係数は、第1の結合導体15-1,15-2のz方向の位置で決まる結合係数を超えることはない。そのため、第1の結合導体15-1,15-2のz方向の位置で決まる結合係数を最大値とし、cp_dyによって結合係数を変化させることで、通過帯域の帯域幅を変更することができる。
[0023]
 第2の結合導体16-1,16-2の材質は、導電率の高い金属であれば良く、例えば、銅である。また、第2の結合導体16-1,16-2の主面は、長さ(x方向。cp_x)が長いほど、また、幅(z方向。cp_z)が長いほど、cp_dyを変更した場合の、隣接する2つの共振板12間の結合係数の変化は緩やかになる。そのため、第2の結合導体16-1,16-2の主面の長さ及び幅は、結合係数の所望の変化が得られる長さ及び幅とすれば良い。
[0024]
 第3の結合導体17-1は、入出力ポート13-1と共振板12-1との間の外部Q値に作用する位置に配置される。また、第3の結合導体17-2は、入出力ポート13-2と共振板12-3との間の外部Q値に作用する位置に配置される。
[0025]
 第3の結合導体17-1,17-2は、外部Q値の調整(外部回路との整合)の目的で、帯域通過フィルタ1Aの入出力段の反射ディレイを変更可能とするために設けられた導体である。反射ディレイとは、ネットワークアナライザで測定した際の被測定物を1段目の共振器としたときの入射信号に対する反射信号の遅延量であり、外部Q値に応じて一意に決まる値となる。例えば、共振板12-1と入出力ポート13-1との間の反射ディレイをτ 、共振板12-1と入出力ポート13-1との間の外部Q値をQ ext、共振板12-1の共振周波数をf とすると、τ とQ extとの関係は、以下の数式で表すことができる。
[数1]


 なお、上記の数式において、τ =0として良い。
[0026]
 第3の結合導体17-1は、x方向の位置は、入出力ポート13-1と共振板12-1との間の位置とし、z方向の位置は任意の位置で良い。また、第3の結合導体17-2は、x方向の位置は、入出力ポート13-2と共振板12-3との間の位置とし、z方向の位置は任意の位置で良い。
[0027]
 本実施の形態1においては、共振板12-1~12-3と第3の結合導体17-1,17-2との間の距離(y方向)は変更可能である。この距離は、図4に示されるように、sr_dyで表される。なお、図4は、図3の第3の結合導体17-1周辺の拡大図に相当する。sr_dyを変更する場合は、共振板12-1~12-3の位置は固定し、第3の結合導体17-1,17-2のy方向の位置を変更する(この変更方法は後述する)。sr_dyを変更すると、共振板12-1と入出力ポート13-1間及び共振板12-3と入出力ポート13-2間の反射ディレイが変化する。具体的には、sr_dyが短くなるほど(第3の結合導体17-1,17-2が共振板12-1~12-3側に近づくほど)、反射ディレイは小さくなり、sr_dyが長くなるほど(第3の結合導体17-1,17-2が共振板12-1~12-3側から遠ざかるほど)、反射ディレイは大きくなる。そのため、sr_dyによって反射ディレイを変化させることができる。
[0028]
 第3の結合導体17-1,17-2の材質は、導電率の高い金属であれば良く、例えば、銅である。また、第3の結合導体17-1,17-2の形状は、板状、円柱状、多角柱状などで良い。ただし、例えば、板状と四角柱状とを比較すると、sr_dyを変更する場合の、共振板12-1と入出力ポート13-1間及び共振板12-3と入出力ポート13-2間の反射ディレイの変化は、四角柱状の方が緩やかである。そのため、図1~図3においては、第3の結合導体17-1,17-2の形状は、四角柱状としている。
[0029]
 以下、上述のcp_dy及びsr_dyを変更する方法について説明する。
 本実施の形態1においては、第2の結合導体16-1,16-2及び第3の結合導体17-1,17-2を基板に実装し、この基板の主面を共振板12-1~12-3の主面と対向させる。そして、この基板に実装された第2の結合導体16-1,16-2及び第3の結合導体17-1,17-2のy方向の位置を変更することで、cp_dy及びsr_dyを変更する。
[0030]
 例えば、図5及び図6に示される例では、第2の結合導体16-1,16-2は、基板18における共振板12-1~12-3との対向面の裏面に実装している。また、第3の結合導体17-1,17-2は、四角柱状で厚みがあるため、基板18の両面に実装し、スルーホールで両面同士を接続している。
[0031]
 また、図7及び図8に示される例では、第2の結合導体16-1,16-2は、基板18における共振板12-1~12-3との対向面に実装している。また、第3の結合導体17-1,17-2は、四角柱状でなく、薄い板状としている。そのため、第3の結合導体17-1,17-2は、基板18の片面(共振板12-1~12-3との対向面の裏面)にのみ実装している。
[0032]
 また、図9及び図10に示される例では、第2の結合導体16-1,16-2は、基板18における共振板12-1~12-3との対向面の裏面に実装している。また、第3の結合導体17-1,17-2は、四角柱状で厚みがあるため、基板18の両面に実装し、スルーホールで両面同士を接続している。
[0033]
 このように、第3の結合導体17-1,17-2は、基板18の片面にのみ実装しても良いし、基板18の両面に実装し、スルーホールで両面同士を接続しても良い。また、第2の結合導体16-1,16-2は、基板18の片面にのみ実装しても良いし、厚みがある形状とする場合は、基板18の両面に実装し、スルーホールで両面同士を接続しても良い。また、第2の結合導体16-1,16-2及び第3の結合導体17-1,17-2は、基板18の片面にのみ実装する場合、共振板12-1~12-3との対向面又は対向面の裏面のどちらに実装しても良い。
[0034]
 ここで、図5~図8に示される基板18の場合、基板18には、支持棒(不図示)を取り付け、帯域通過フィルタ1Aの外に設けられたステッピングモータ(不図示)を用いて、この支持棒をy方向に変位させることで、基板18をy方向に移動可能に構成する。そして、基板18をy方向に移動させることで、第2の結合導体16-1,16-2及び第3の結合導体17-1,17-2のy方向の位置が変更されるため、cp_dy及びsr_dyを変更することができる。このとき、第2の結合導体16で決定される結合量の傾きと合致するように第3の結合導体17の形状を決定することで、フィルタとしての特性が劣化することなく、ステッピングモータを用いて、連続的にcp_dy及びsr_dyを変更することができる。また、別々のステッピングモータを用いて、cp_dy及びsr_dyを別々に変更することも可能である。
[0035]
 一方、図9及び図10に示される基板18の場合、基板18は、筐体11内部の基板装着部(不図示)に対して着脱可能に構成する。この基板装着部は、例えば、基板18が挿入可能なスロット等、基板18が着脱可能な構成であれば良い。また、筐体11に装着された時のcp_dy及びsr_dyが異なるように製造された複数の基板18を用意する。このような基板18は、例えば、基板厚みを変える、実装高さを変える、実装面を変える等の方法で製造することができる。そして、筐体11に装着された基板18を、cp_dy及びsr_dyが異なる他の基板18に交換する。これにより、第2の結合導体16-1,16-2及び第3の結合導体17-1,17-2のy方向の位置が変更されるため、cp_dy及びsr_dyを変更することができる。
[0036]
 以下、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aのフィルタ特性(シミュレーション結果)について説明する。
 ここでは、基板18として、4つの基板#1~#4を用意し、基板#1~#4を順次交換することで、cp_dy及びsr_dyを変更するものとする。
[0037]
 また、ここでは、中心周波数が2.0[GHz]の帯域通過フィルタを得るため、帯域通過フィルタ1Aを、以下の条件で構成するものとする。
 筐体11の長さ(z方向)cav_z:40[mm]
 筐体11の幅(x方向)cav_x:30[mm]
 筐体11の奥行(y方向)cav_y:20[mm]
 共振板12の長さ(z方向)reso_z:35[mm]
 共振板12の幅(x方向):7[mm]
 共振板12の厚み(y方向):1[mm]
 第1の結合導体15のz方向の位置wire_H:9[mm]
 第1の結合導体15の幅(z方向):1[mm]
 第1の結合導体15の厚み(y方向):1[mm]
 第2の結合導体16のz方向の位置cp_H:20[mm]
 第2の結合導体16の長さ(x方向)cp_x:28[mm]
 第2の結合導体16の幅(z方向)cp_z:3[mm]
 第2の結合導体16の厚み(y方向):0.018[mm]
 第3の結合導体17の長さ(z方向):15[mm]
 第3の結合導体17の幅(x方向):1[mm]
 第3の結合導体17の奥行(y方向):1[mm]
 なお、cav_xは、筐体11を、3つの共振板12の各々をそれぞれ収納する3つの筐体に分割したと仮定した場合の各筐体のx方向の長さに相当する。
[0038]
 また、基板#1~#4が筐体11に装着された時のcp_dy及びsr_dyは、以下の通りであるものとする。
[表1]


[0039]
 図11は、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aに基板#1が装着された場合のフィルタ特性の例を示す図である。同様に、図12~図14は、それぞれ、基板#2~#4が装着された場合のフィルタ特性の例を示す図である。図11~図14において、横軸は周波数[GHz]、縦軸はSパラメータのS11及びS21[dB]である。S11は反射損失(リターンロス)を示し、高周波信号の反射特性を表す。S21は挿入損失(インサーションロス)を示し、高周波信号の通過特性を表す。
[0040]
 図11に示される例では、S21は、1.95[GHz]を下限周波数とし、幅が73[MHz]の周波数帯にピークを有する通過特性を示している。また、S11は、同様の周波数帯に反射特性を示している。そのため、基板#1が装着された帯域通過フィルタ1Aは、帯域幅が73[MHz]の通過帯域を有する通過帯域フィルタとして機能していることがわかる。同様に、図12に示される例では、基板#2が装着された帯域通過フィルタ1Aは、帯域幅が83[MHz]の通過帯域を有する通過帯域フィルタとして機能している。また、図13に示される例では、基板#3が装着された帯域通過フィルタ1Aは、帯域幅が96[MHz]の通過帯域を有する通過帯域フィルタとして機能している。また、図14に示される例では、基板#4が装着された帯域通過フィルタ1Aは、帯域幅が102[MHz]の通過帯域を有する通過帯域フィルタとして機能している。
[0041]
 図15は、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aのフィルタ特性の例を示す図であり、図11~図14に示されるS21を重ねて示している。
 図15に示されるように、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aは、通過帯域の下限周波数が不変で、cp_dyに応じて上限周波数が変化するフィルタ特性が得られることがわかる。具体的には、cp_dyが長くなるほど(第2の結合導体16-1,16-2が共振板12-1~12-3側から遠ざかるほど)、結合係数は高くなり、上限周波数が高くなって、帯域幅が広くなっている。
[0042]
 上述したように、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aは、隣接する2つの共振板12同士を第1の結合導体15で接続し、隣接する2つの共振板12間の結合係数に作用する位置に第2の結合導体16を配置し、共振板12と第2の結合導体16との間の距離(cp_dy)を変更可能な構成である。
[0043]
 これによれば、cp_dyに応じて、隣接する2つの共振板12間の結合係数が変化するため、通過帯域の帯域幅を変更することができる。また、cp_dyを変更しても、通過帯域の下限周波数は変わらず、上限周波数のみが変化するため、帯域通過フィルタ1Aの中心周波数をほぼ変えずに、帯域幅を変更することができる。そのため、通過帯域の帯域幅を容易に変更することができるという効果が得られる。
[0044]
 また、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aは、両端の共振板12と入出力ポート13との間の外部Q値に作用する位置に第3の結合導体17を配置し、共振板12と第3の結合導体17との間の距離(sr_dy)を変更可能な構成である。
[0045]
 これによれば、sr_dyに応じて、外部Q値に応じて一意に決まる反射ディレイを変更することができ、外部回路との整合をとることができる。
[0046]
 ここで、例えば、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aは、第2の結合導体16及び第3の結合導体17が実装された基板18を筐体11に着脱可能に構成し、基板18を交換することで、cp_dy及びsr_dyを変更する構成として良い。
 これによれば、筐体11や共振板12等の主要部品はそのまま用いて、基板18を交換するだけで、通過帯域の帯域幅を変更することができる。
[0047]
 又は、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aは、第2の結合導体16及び第3の結合導体17が実装された基板18を、帯域通過フィルタ1Aの外に設けられたステッピングモータ(不図示)を用いて、y方向に移動することで、cp_dy及びsr_dyを変更する構成として良い。
 これによれば、筐体11や共振板12等の主要部品だけでなく。基板18もそのまま用いて、通過帯域の帯域幅を変更することができる。
[0048]
 また、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aは、隣接する2つの共振板12同士を第1の結合導体15で接続し、cp_dyによって結合係数を変化させることで、通過帯域の帯域幅を変更する構成である。
[0049]
 これによれば、第1の結合導体15の形状と位置で結合係数を決定できるため、半同軸型のフィルタで良く使用されている、隣接する2つの共振板12間を仕切る仕切り板が不要になる。そのため、筐体11に仕切り板を形成するための切削加工が不要になるため、筐体11の加工を簡単化することができ、加工コストを抑えることができる。また、仕切り板が存在する場合、仕切り板の厚み分だけ、x方向の長さが長くなる。しかし、本実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aは、仕切り板が不要であるため、x方向に小型化することができる。また、半同軸型のフィルタでは、一般的に、仕切り板の形状や隣接する共振器の間隔をパラメータとして用いて結合係数を設計するが、本実施の形態1では、これらのパラメータを用いなくても、第1の結合導体15の形状と位置を選ぶことで所望の結合係数を設計することができる。そのため、設計次第では、x方向に小型化することだけでなく、x方向が任意の長さのフィルタを作ることもできる。
[0050]
(2)実施の形態2
 図16~図18はそれぞれ、本実施の形態2にかかる帯域通過フィルタ1Bの例を示す斜視図、側面図、及び上面図である。
[0051]
 図16~図18に示されるように、本実施の形態2にかかる帯域通過フィルタ1Bは、実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aから、第3の結合導体17-1,17-2を除去した構成である。これ以外の構成は、実施の形態1と同様である。
[0052]
 第3の結合導体17-1,17-2は、上述したように、外部Q値の調整(外部回路との整合)の目的で設けたものである。そのため、反射損失の劣化が少ない、もしくは許容でき、外部Q値の調整の必要がない場合は、本実施の形態2にかかる帯域通過フィルタ1Bのように、第3の結合導体17-1,17-2を除去することができる。
[0053]
 また、本実施の形態2にかかる帯域通過フィルタ1Bは、第2の結合導体16-1,16-2を基板に実装し、この基板の主面を共振板12-1~12-3の主面と対向させる。そして、この基板に実装された第2の結合導体16-1,16-2のy方向の位置を変更することで、cp_dyを変更する。
[0054]
 例えば、図19及び図20に示される例では、第2の結合導体16-1,16-2は、基板18における共振板12-1~12-3との対向面に実装している。このように、第2の結合導体16-1,16-2は、基板18の片面にのみ実装しても良いし、厚みがある形状とする場合は、基板18の両面に実装し、スルーホールで両面同士を接続しても良い。また、第2の結合導体16-1,16-2は、基板18の片面にのみ実装する場合、共振板12-1~12-3との対向面又は対向面の裏面のどちらに実装しても良い。
[0055]
 ここで、図19及び図20に示される基板18の場合、基板18には、支持棒(不図示)を取り付け、帯域通過フィルタ1Bの外に設けられたステッピングモータ(不図示)を用いて、この支持棒をy方向に変位させることで、基板18をy方向に移動可能に構成する。そして、基板18をy方向に移動させることで、第2の結合導体16-1,16-2のy方向の位置が変更されるため、cp_dyを変更することができる。
[0056]
 ただし、基板18は、筐体11内部の基板装着部(不図示)に対して着脱可能に構成し、筐体11に装着された時のcp_dyが異なる基板18に交換することで、cp_dyを変更しても良い。
[0057]
 上述したように、本実施の形態2にかかる帯域通過フィルタ1Bは、実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aと同様に、隣接する2つの共振板12同士を第1の結合導体15で接続し、隣接する2つの共振板12間の結合係数に作用する位置に第2の結合導体16を配置し、共振板12と第2の結合導体16との間の距離(cp_dy)を変更可能な構成である。
[0058]
 そのため、実施の形態1にかかる帯域通過フィルタ1Aと同様に、通過帯域の帯域幅を容易に変更することができるという効果が得られる。その他の効果は、外部Q値の調整(外部回路との整合)が可能であるという効果を除いて、実施の形態1と同様である。
[0059]
 以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記によって限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
[0060]
 例えば、上記の実施の形態1においては、第2の結合導体及び第3の結合導体を同じ基板に実装した例について説明した。しかし、本発明にかかる帯域通過フィルタは、これに限定されるものではなく、第2の結合導体及び第3の結合導体を別々に2つの基板に実装しても良い。この構成において、基板をy方向に移動させて、cp_dy及びsr_dyを変更する場合、同じ又は別々のステッピングモータを用いて、2つの基板を共に移動させても良いし、別々のステッピングモータを用いて、2つの基板を別々に移動させても良い。また、この構成において、基板を交換して、cp_dy及びsr_dyを変更する場合、2つの基板を共に交換しても良いし、一方のみを交換しても良い。
[0061]
 この出願は、2016年5月20日に出願された日本出願特願2016-101808を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

符号の説明

[0062]
 1A,1B 帯域通過フィルタ
 11 筐体
 12-1~12-3 共振板
 13-1,13-2 入出力ポート
 14-1,14-2 ループアンテナ
 15-1,15-2 第1の結合導体
 16-1,16-2 第2の結合導体
 17-1,17-2 第3の結合導体
 18 基板

請求の範囲

[請求項1]
 筐体と、
 前記筐体に収納された複数の共振板と、
 隣接する2つの前記共振板同士を接続する第1の結合導体と、
 隣接する2つの前記共振板間の結合係数に作用する位置に配置された第2の結合導体と、を備え、
 前記共振板と前記第2の結合導体との間の距離が変更可能である、帯域通過フィルタ。
[請求項2]
 前記筐体の両端に配置された線路と、
 両端の前記共振板と前記線路との間の外部Q値に作用する位置に配置された第3の結合導体と、を備え、
 前記共振板と前記第3の結合導体との間の距離が変更可能である、請求項1に記載の帯域通過フィルタ。
[請求項3]
 前記第2の結合導体及び前記第3の結合導体が実装され、主面が前記共振板の主面と対向するように配置された基板を備える、請求項2に記載の帯域通過フィルタ。
[請求項4]
 前記基板は、前記共振板の主面と垂直な方向に移動可能に構成されており、
 前記基板を、前記共振板の主面と垂直な方向に移動することで、前記基板に実装された前記第2の結合導体及び前記第3の結合導体と前記共振板との間の距離を変更する、請求項3に記載の帯域通過フィルタ。
[請求項5]
 前記基板は、前記筐体に対して着脱可能に構成されており、
 前記共振板と前記第2の結合導体及び前記第3の結合導体との間の距離が異なる前記基板に交換することで、前記基板に実装された前記第2の結合導体及び前記第3の結合導体と前記共振板との間の距離を変更する、請求項3に記載の帯域通過フィルタ。
[請求項6]
 前記第2の結合導体は、主面が前記共振板の主面と対向している板状である、請求項2から5のいずれか1項に記載の帯域通過フィルタ。
[請求項7]
 前記複数の共振板は、一端が前記筐体に接続され、他端が開放端となっており、
 前記第2の結合導体は、隣接する2つの前記共振板に渡って延び、かつ、前記第1の結合導体よりも前記共振板の前記開放端側に配置された、請求項2から6のいずれか1項に記載の帯域通過フィルタ。
[請求項8]
 前記第3の結合導体は、両端の前記共振板と前記線路との間に配置された、請求項2から7のいずれか1項に記載の帯域通過フィルタ。
[請求項9]
 前記第1の結合導体は、板状であり、
 前記複数の共振板及び前記第1の結合導体は、板状に一体形成された、請求項2から8のいずれか1項に記載の帯域通過フィルタ。
[請求項10]
 筐体に収納された複数の共振板を備える帯域通過フィルタの制御方法であって、
 隣接する2つの前記共振板同士を第1の結合導体により接続し、
 隣接する2つの前記共振板間の結合係数に作用する位置に第2の結合導体を配置し、
 前記共振板と前記第2の結合導体との間の距離を変更する、制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]