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1. WO2020137423 - ABSORBENT BODY FOR ABSORBENT ARTICLE, AND ABSORBENT ARTICLE

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明 細 書

発明の名称 吸収性物品用の吸収体、及び吸収性物品

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124  

符号の説明

0125  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 吸収性物品用の吸収体、及び吸収性物品

技術分野

[0001]
 本開示は、吸収性物品用の吸収体、及び吸収性物品に関する。

背景技術

[0002]
 高吸水性ポリマーを含む第1吸収層と、高吸水性ポリマーを含む第2吸収層と、それらの間に配置された布帛層とを備えている、吸収性物品用の吸収体が知られている。
 例えば、特許文献1には、吸水性樹脂及び接着剤を含有してなる吸収層が親水性不織布により挟持された構造を有する吸水シートであって、以下(1)~(2)の要件を満たす、通気性を有する基材の2層以上が接着剤により接着され積層されてなる基材層により、該吸収層が1次吸収層と2次吸収層とに分画されてなる構造を有する、吸水シート:(1)該基材層の目付量が25g/m 2以上であること、及び(2)該通気性を有する基材間が0.1~50g/m 2の量の接着剤で接着されていることが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2010/143635号パンフレット

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 特許文献1に記載の吸水シート(吸収体)では、基材層は、(i)吸水性樹脂(高吸水性ポリマー)が液体の吸収速度に劣ることに起因し、吸水シート(吸収体)に到達した液体を一時貯留する機能(一時貯留機能)、(ii)吸水性樹脂(高吸水性ポリマー)によるブロッキングしやすさに起因し、吸水シート(吸収体)、ひいてはそれを含む吸収性物品の吸収性が低下することを抑制する機能等を有する。
[0005]
 一方、吸水シート(吸収体)の一時貯留機能を向上させるためには、基材層の厚さ(坪量)は厚いことが好ましいが、それにより、吸水シート(吸収体)、ひいてはそれを含む吸収性物品が硬くなる傾向があり、吸収性物品を装着者の身体形状に沿って変形させることが難しく、フィット性に劣る傾向があり、そして着用性に劣る傾向があった。
 また、基材層の厚さ(坪量)を厚くすると、基材層が、液体を一時貯留する一方で、一時貯留した液体を一次吸収層及び2次吸収層に移行させにくく、ひいては吸収体が吸収性に劣る傾向があった。
 従って、本開示は、フィット性、着用性及び吸収性に優れる吸収体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本開示者らは、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有するとともに、長手方向中心線及び股間領域を有する、吸収性物品用の吸収体であって、上記吸収体が、上記厚さ方向において、高吸水性ポリマーを含む吸収コアと、中間層とを備えており、上記吸収体が、上記股間領域及び上記幅方向において、上記吸収コアと上記厚さ方向に重複する吸収コア重複領域と、上記吸収コアと上記厚さ方向に重複せず且つ上記吸収コア重複領域の両端に配置されている、一対の吸収コア非重複領域とに区画され、上記中間層が、上記股間領域において、上記吸収コア重複領域及び上記一対の吸収コア非重複領域に配置された、それぞれ、中間層重複部分と、一対の中間層非重複部分とを備えており、上記股間領域において、上記一対の中間層非重複部分のそれぞれの平均坪量が、上記中間層重複部分の平均坪量よりも小さいか、又は上記一対の中間層非重複部分のそれぞれの厚さが、上記中間層重複部分の厚さよりも小さいことを特徴とする吸収体を見出した。

発明の効果

[0007]
 本開示の吸収体は、フィット性、着用性及び吸収性に優れる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 図1は、展開状態における、第1実施形態に従うパンツ型おむつ1の正面図である。
[図2] 図2は、展開状態におけるパンツ型おむつ1の背面図である。
[図3] 図3は、パンツ型おむつ1の、図1のIII-III線に沿った断面図である。
[図4] 図4は、吸収体14の、図1のIII-III線に沿った断面図である。
[図5] 図5は、吸収体14を説明するための図である。
[図6] 図6は、吸収体14を説明するための図である。
[図7] 図7は、第2実施形態に従うパンツ型おむつを説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 具体的には、本開示は以下の態様に関する。
[態様1]
 長手方向、幅方向及び厚さ方向を有するとともに、長手方向中心線及び股間領域を有する、吸収性物品用の吸収体であって、
 上記吸収体が、上記厚さ方向において、高吸水性ポリマーを含む吸収コアと、中間層とを備えており、
 上記吸収体が、上記股間領域及び上記幅方向において、上記吸収コアと上記厚さ方向に重複する吸収コア重複領域と、上記吸収コアと上記厚さ方向に重複せず且つ上記吸収コア重複領域の両端に配置されている、一対の吸収コア非重複領域とに区画され、
 上記中間層が、上記股間領域において、上記吸収コア重複領域及び上記一対の吸収コア非重複領域に配置された、それぞれ、中間層重複部分と、一対の中間層非重複部分とを備えており、
 上記股間領域において、上記一対の中間層非重複部分のそれぞれの平均坪量が、上記中間層重複部分の平均坪量よりも小さいか、又は上記一対の中間層非重複部分のそれぞれの厚さが、上記中間層重複部分の厚さよりも小さい、
 ことを特徴とする、上記吸収体。
[0010]
 吸収コアの、吸収体の幅方向の端縁(すなわち、吸収コア重複領域と、吸収コア非重複領域との境界)は、そもそも、変形誘導の起点になりやすいとも考えられる。しかし、高吸水性ポリマーの比率が高い吸収体は、従来のパルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含むものと比較して、吸収体の坪量及び剛性が低い傾向があり、吸収コアの、吸収体の幅方向の端縁(すなわち、吸収コア重複領域と、吸収コア非重複領域との境界)が、変形誘導の起点となりにくい傾向がある。
[0011]
 上記吸収性物品では、股間領域において、一対の中間層非重複部分のそれぞれの平均坪量が、中間層重複部分の平均坪量よりも小さい場合には、吸収体の吸収コア重複領域における剛性と、吸収体の、一対の吸収コア非重複領域のそれぞれにおける剛性との差が大きくなり、吸収コアの、吸収体の幅方向の端縁(すなわち、吸収コア重複領域と、吸収コア非重複領域との境界)が、変形誘導の起点となりやすい。
 従って、装着者が、上記吸収体を備える吸収性物品を着用する際には、吸収体の吸収コア重複領域と、吸収体の吸収コア非重複領域との境界が変形誘導部として機能し、上記吸収体を備える吸収性物品が、装着者の体にフィットすることができるので、上記吸収体が、フィット性に優れる。
[0012]
 また、吸収性物品の着用後且つ吸収体が液体を吸収する前においては、相対的に平均坪量の高い中間層重複部分が、装着者に高吸水性ポリマーの硬さを覚えさせにくくすることができるとともに、相対的に平均坪量の低い中間層非重複部分が、装着者の脚に柔らかさを覚えさせることができ、上記吸収体が、着用感に優れる。
 さらに、吸収体が液体を吸収した後においては、相対的に平均坪量の高い中間層重複部分が、より多くの液体を一時貯留し、一時貯留した液体を、隣接する吸収コアの高吸水性ポリマーに引き渡すことができるので、上記吸収体が、吸収性に優れる。
[0013]
 上記吸収性物品では、股間領域において、一対の中間層非重複部分のそれぞれの厚さが、中間層重複部分の厚さよりも小さい場合には、吸収体の吸収コア重複領域における厚さと、吸収体の、一対の吸収コア非重複領域のそれぞれにおける厚さとの差が大きくなり、平均坪量の場合と同様に、吸収コアの、吸収体の幅方向の端縁(すなわち、吸収コア重複領域と、吸収コア非重複領域との境界)が、変形誘導の起点となりやすい。
[0014]
 また、吸収性物品の着用後且つ吸収体が液体を吸収する前においては、相対的に厚さの大きい中間層重複部分が、装着者に高吸水性ポリマーの硬さを覚えさせにくくすることができるとともに、相対的に厚さの小さい中間層非重複部分が、装着者の脚に柔らかさを覚えさせることができ、上記吸収体が、着用感に優れる。
 さらに、吸収体が液体を吸収した後においては、相対的に厚さの大きい中間層重複部分が、より多くの液体を一時貯留し、一時貯留した液体を、隣接する吸収コアの高吸水性ポリマーに引き渡すことができるので、上記吸収体が、吸収性に優れる。
[0015]
[態様2]
 上記股間領域において、上記中間層非重複部分の平均坪量が、上記中間層重複部分の平均坪量よりも小さい、態様1に記載の吸収体。
[0016]
 上記吸収体は、態様1において、「股間領域において、中間層の一対の中間層非重複部分のそれぞれの平均坪量が、中間層重複部分の平均坪量よりも小さい場合」と同一の効果を有する。
[0017]
[態様3]
 上記中間層重複部分が、折り畳まれている一体の中間シートから構成されており、複数のシート部分を含む、態様1又は2に記載の吸収体。
[0018]
 上記吸収体では、中間層重複部分が、折り畳まれている単一の中間シートから構成されているので、上記吸収体が着用感に優れる。
[0019]
[態様4]
 上記複数のシート部分が、お互いに接合されていない、態様3に記載の吸収体。
[0020]
 上記吸収体では、複数のシート部分がお互いに接合されていないので、吸収体中の高吸水性ポリマーが液体を吸収し、特に、複数回の液体を吸収し、吸収コアが厚さ方向に膨張しようとした場合に、折り畳まれている中間シートの復元力により、複数のシート部分が離間し、それらの間に空隙を形成することができる。次いで、吸収体が、液体を繰り返し吸収すると、吸収コアが、上記空隙部に向かって膨張することができるので、吸収コアの膨張が阻害されにくい。従って、上記吸収体が、吸収性、特に、繰り返し吸収性に優れる。
[0021]
[態様5]
 上記中間層が、第1シート部分と、一対の第2シート部分と、一対の第3シート部分とを備えており、
 第1シート部分が、上記長手方向中心線をまたいで上記吸収コア重複領域に配置されており、
 上記一対の第2シート部分が、第1シート部分の上記幅方向の両端から上記長手方向中心線に近づくように且つ上記長手方向中心線に接しないように配置されており、
 上記一対の第3シート部分が、上記一対の第2シート部分の、上記長手方向中心線よりの両端から上記長手方向中心線から遠ざかるように、そして上記吸収コア非重複領域まで配置されている、
 態様3又は4に記載の吸収体。
[0022]
 上記吸収体では、中間層が所定の構造(以下、「Ω構造」と称する場合がある)を有するので、上記吸収体が、着用感に優れる。
[0023]
[態様6]
 一対の第3シート部分が、第1シート部分よりも、上記吸収コア側に配置されている、態様5に記載の吸収体。
[0024]
 上記吸収体では、中間層がΩ構造を有するとともに、一対の第3シート部分が、第1シート部分よりも、上記吸収コア側に配置されている。従って、吸収コアの、長手方向中心線を含む部分(以下、「幅方向中央部分」と称する)が液体を吸収し、吸収コアの幅方向中央部分が厚さ方向に隆起した場合に、それに伴い第1シート部分が隆起し、第1シート部分と、第2シート部分及び第3シート部分とが離間し、それらの間に空隙を形成することができる。次いで、吸収体が、液体を繰り返し吸収し、吸収コアの幅方向中央部分に隣接する部分(以下、「幅方向隣接部分」と称する)に液体が到達した際に、吸収コアの幅方向隣接部分が、上記空隙に向かって膨張することができるので、上記吸収性物品は、液体の吸収性が阻害されにくい。以上より、上記吸収体は、繰り返し吸収性に優れる。
[0025]
[態様7]
 上記中間層が肌側に配置され、上記吸収コアが着衣側に配置されており、上記吸収体が、上記中間層の肌側に、高吸水性ポリマーを含む追加吸収コアをさらに備えている、態様1~6のいずれか一項に記載の吸収体。
[0026]
 上記吸収体は、態様1と同様の効果を有する。また、態様7が態様4に従属する場合には、吸収体が、中間層を間に挟んで2つの吸収コア(吸収コア及び追加吸収コア)を備えているので、2つの吸収コアが、2つの吸収コア(吸収コア及び追加吸収コア)の間に形成される空隙に向かって膨張することができるので、上記吸収体は、液体の吸収が阻害されにくく、液体の吸収性に優れる。以上より、上記吸収体は、繰り返し吸収性に優れる。
[0027]
[態様8]
 上記股間領域において、上記追加吸収コアが、上記長手方向中心線と、上記厚さ方向に重複する位置に、チャネルを備えている、態様7に記載の吸収体。
[0028]
 上記吸収体では、追加吸収コアが、長手方向中心線と、吸収体の厚さ方向に重複する位置に、チャネルを備えているので、吸収体、ひいては吸収性物品をチャネルに沿って変形誘導させることができる。従って、上記吸収体が、フィット性に優れる。
[0029]
[態様9]
 上記吸収体が、上記股間領域において、上記長手方向中心線と、上記厚さ方向に重複する位置に、周囲と比較して坪量の少ない低坪量領域を備えている、態様1~8のいずれか一項に記載の吸収体。
[0030]
 上記吸収体は、股間領域に、所定の低坪量領域を備えているので、上記吸収体は、長手方向中心線のところの剛性が低く長手方向中心線のところが変形誘導の起点となりやすい。従って、装着者が、上記吸収体を含む吸収性物品を着用する際に、吸収体の長手方向中心線のところを、例えば、装着者から遠ざかるように、又は装着者に近づくように変形誘導させることができる。従って、上記吸収体が、フィット性に優れる。
[0031]
[態様10]
 上記吸収体が、上記低坪量領域と上記厚さ方向に重複する位置にインジケーターを備えている、態様9に記載の吸収体。
[0032]
 上記吸収体は、低坪量領域と、吸収体の厚さ方向に重複する位置にインジケーターを備えているので、吸収体に到達した液体が、インジケーターに迅速に到達することができるので、利用者が、吸収性物品の交換のタイミングを逸しにくい。
[0033]
[態様11]
 液透過性シートと、液不透過性シートと、それらの間に配置された吸収体とを備える吸収性物品であって、
 上記吸収体が、態様1~10のいずれか一項に記載の吸収体である、
 上記吸収性物品。
 上記吸収性物品は、態様1と同様の効果を有する。
[0034]
[態様12]
 上記吸収体が、上記股間領域において、上記長手方向中心線と、上記厚さ方向に重複する位置に、周囲と比較して坪量の少ない低坪量領域を備えており、
 上記吸収性物品が、上記低坪量領域と上記厚さ方向に重複する位置にインジケーターを備えている、
 請求項11に記載の吸収性物品。
[0035]
 上記吸収性物品は、吸収体の低坪量領域と、吸収体の厚さ方向に重複する位置にインジケーターを備えているので、吸収体に到達した液体が、インジケーターに迅速に到達することができるので、利用者が、吸収性物品の交換のタイミングを逸しにくい。
[0036]
[態様13]
 上記インジケーターが、上記液透過性シート及び上記吸収体の間、又は上記吸収体及び上記液不透過性シートの間に配置されている、態様12に記載の吸収性物品。
[0037]
 上記吸収性物品では、インジケーターが所定の位置に配置されているので、液体が、インジケーターに迅速に到達し、インジケーターが迅速に応答することができるとともに、インジケーターが視認性に優れる。
[0038]
 本開示の、吸収性物品用の吸収体(以下、「本開示の吸収体」と称する場合がある)、及び吸収性物品について、以下、詳細に説明する。なお、説明の簡略化のため、吸収性物品の実施形態において、吸収体を併せて説明する。
[0039]
 図1~図6は、本開示の実施形態の1つ(以下、第1実施形態)に従う吸収性物品、具体的には、パンツ型おむつ1を説明するための図である。具体的には、図1及び図2は、それぞれ、展開状態におけるパンツ型おむつ1の正面図及び背面図である。図3は、パンツ型おむつ1の、図1のIII-III線に沿った断面図である。図4は、吸収体14の、図1のIII-III線に沿った断面図である。図5は、吸収体14を説明するための図であり、図5(a)は、平面図であり、図5(b)は、図5(a)におけるVb-Vb線に沿った断面図である。図6は、吸収体14が液体を吸収するメカニズムを説明するための図である。なお、図面は模式図であり、特に、図3~図6は、理解のため、厚さ方向Tの厚さが実際よりも厚く描写されている。
[0040]
 パンツ型おむつ1は、図1に示す状態において、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有し、幅方向Wの中心を通り長手方向Lに延びる長手方向中心線CLと、長手方向Lの中心を通り幅方向Wに延びる幅方向中心線CWとを有する。長手方向中心線CLに近づく向き及び側を、それぞれ、幅方向Wの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側を、それぞれ、幅方向Wの外向き及び外側とする。幅方向中心線CWに近づく向き及び側を、それぞれ、長手方向Lの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側を、それぞれ、長手方向Lの外向き及び外側とする。
[0041]
 また、長手方向Lにおける、装着者の腹部に対応するパンツ型おむつ1の端縁(腹側の端縁)に向かう側を長手方向Lの前側ともいい、装着者の背中に対応するパンツ型おむつ1の端縁(背側の端縁)に向かう側を長手方向Lの後側ともいう。
 「平面視」は、長手方向L及び幅方向Wを含む平面に展開した状態のパンツ型おむつ1を厚さ方向Tの上方側から見ることをいい、「平面形状」は、平面視で把握される形状をいう。
[0042]
 「平面方向」は、幅方向W及び長手方向Lを含む面と平行な任意の方向である。
 「肌側」及び「非肌側」は、パンツ型おむつ1が装着者に装着された場合に、厚さ方向Tにおいて相対的に装着者の肌面に近くなる側及び遠くなる側をそれぞれ意味する。
 これら定義はパンツ型おむつ1だけでなく、パンツ型おむつ1の吸収体、並びにそれらに配置された各資材に、共通して用いられる。
[0043]
 なお、部材、構造、形状等(以下、「部材等」と称する)が長手方向Lに沿うとは、部材等が長手方向Lに平行な場合だけでなく、部材等の長手方向Lの成分Dxが、部材等の幅方向Wの成分Dyよりも大きい場合(Dx>Dy)も含んでいる。同様に、部材等が幅方向Wに沿うとは、部材等が幅方向Wに平行な場合だけでなく、部材等の幅方向Wの成分Dyが、部材等の長手方向Lの成分Dxよりも大きい場合(Dy>Dx)も含んでいる。曲線、曲面等(以下、「曲線等」と称する)の形状を有する部材等に関しては、曲線等上の各点の接線について、部材等を上記のように評価する。
[0044]
 図1及び図2に示すように、パンツ型おむつ1は、お互いに直交する平面方向Pと、厚さ方向Tを有し、平面方向Pは、パンツ型おむつ1の長手方向L及び幅方向Wを含む。
 パンツ型おむつ1は、長手方向Lにおいて、腹側部(腹側ウエストベルト)2と、背側部(背側ウエストベルト)3と、腹側部2と背側部3との間に位置する吸収性本体10とを備える。第1実施形態では、パンツ型おむつ1は、腹側部2と背側部3との間に位置する股間部4を更に備える。腹側部2は、装着者の腹部に当接する部分である。背側部3は、装着者の尻部又は背部に当接する部分である。吸収性本体10は装着者の股間に当接する部分であり、長手方向Lの一端部が腹側部2に、他端部が背側部3にそれぞれ積層される。股間部4は、吸収性本体10を非肌側から支持する部分である。
[0045]
 腹側部2の幅方向Wの両端部2a、2aと、背側部3の幅方向Wの両端部3a、3aとが、それぞれ、長手方向Lに沿って接合されることで、パンツ型おむつ1が形成される。パンツ型おむつ1では、腹側部2における長手方向Lの外側の端部2eと背側部3における長手方向Lの外側の端部3eとにより装着者の腰が通るウエスト開口部が画定される。また、パンツ型おむつ1では、股間部4における幅方向Wの両側の側部5e、5eにより装着者の脚が通る一対のレッグ開口部が画定される。なお、腹側部(腹側ウエストベルト)2及び背側部(背側ウエストベルト)3は、両端部2a、2aと両端部3a、3aとが接合する長手方向Lの範囲で画定される部分といえる。
[0046]
 第1実施形態では、図1及び図2に示す状態で、腹側部2及び背側部3のそれぞれは、概ね幅方向Wに拡がる矩形形状を有し、長手方向Lに互いに離間している。股間部4は、腹側部2と背側部3との間に位置し、幅方向Wの両側縁が幅方向Wの内向きに窪んでいる。腹側部2、股間部4及び背側部3は互いに一体的に形成される。別の実施形態(図示されず)では、腹側部2、股間部4及び背側部3は互いに別個に形成される。更に、別の実施形態(図示されず)では、パンツ型おむつ1は、腹側部2及び背側部3を備え、股間部4を備えない。
[0047]
 第1実施形態では、腹側部2、背側部3及び股間部4は、液不透過性のカバーシート(シート部材)5を備えている。カバーシート5は、肌側に位置するカバーシート5aと非肌側に位置するカバーシート5bとを含む。カバーシート5aとカバーシート5bとは、厚さ方向Tに積層されており、接着剤等で互いに接合されている。カバーシート5bの長手方向Lの両端部は、カバーシート5aの長手方向Lの両端部を覆うように、肌側に折り返されている。腹側部2及び背側部3における折り返しの位置のカバーシート5bが、それぞれ腹側部2の端部2e及び背側部3の端部3eを構成している。
[0048]
 第1実施形態では、腹側部2及び背側部3は、カバーシート5aとカバーシート5bとの間に、それぞれウェストギャザー用の複数の弾性部材6a、6b及び複数の弾性部材7a、7bを備える。複数の弾性部材6a、6bは、それぞれ、腹側部2の長手方向Lの外側及び内側に配置されている。複数の弾性部材6aは、長手方向中心線CLを挟んで両側のそれぞれの所定領域において、幅方向Wに沿って、長手方向Lに互いに間隔を空けて配置されている。所定領域は、端部2aから吸収性本体10における幅方向Wの対向する端縁の内側の部分までの領域である。複数の弾性部材6bは、幅方向Wに沿って、一方の端部2aから他方の端部2aまで延びており、長手方向Lに互いに間隔を空けて配置されている。同様に、複数の弾性部材7a、7bは、それぞれ背側部3の長手方向Lの外側及び内側に配置されている。
[0049]
 複数の弾性部材7aは、長手方向中心線CLを挟んで両側のそれぞれの所定領域において、幅方向Wに沿って、長手方向Lに互いに間隔を空けて配置されている。所定領域は、端部3aから吸収性本体10における幅方向Wの対向する端縁の内側の部分までの領域である。複数の弾性部材7bは、幅方向Wに沿って、一方の端部3aから他方の端部3aまで延びており、長手方向Lに互いに間隔を空けて配置されている。複数の弾性部材6a、6b、7a、7bは、ウエスト開口部を伸縮させるものであり、糸ゴムに例示される。腹側部(腹側ウエストベルト)2及び背側部(背側ウエストベルト)3は、複数の弾性部材6a、6b、7a、7bが配置された長手方向Lの範囲で画定される部分ともいえる。
[0050]
 第1実施形態では、パンツ型おむつ1は、股間部4から背側部3及び腹側部2にレッグギャザー用の複数の弾性部材8を備える。複数の弾性部材8は、主に股間部4における幅方向Wの両端部を長手方向Lに沿って延設されている。複数の弾性部材8は、一対のレッグ開口部をそれぞれ伸縮させるものであり、糸ゴムに例示される。
[0051]
 第1実施形態では、吸収性本体10は、略矩形の形状を有し、液透過性シート12と、液不透過性シート13と、液透過性シート12及び液不透過性シート13の間に配置されており、尿等の液体を吸収し、保持する吸収体14とを含む。液透過性シート12として、例えば、液透過性の不織布、織布、液透過孔が形成された合成樹脂フィルム、並びにそれらの複合シート等が挙げられる。液不透過性シート13として、例えば、液不透過性の不織布、合成樹脂フィルム、並びにそれらの複合シート、例えば、SMS不織布等が挙げられる。
[0052]
 第1実施形態では、吸収体14は、液体を吸収し、保持する吸収コアと、吸収コアを内包するコアラップとを含む。吸収体14の詳細は、後述される。吸収体14と、液透過性シート12及び液不透過性シート13とは、それぞれ、接着剤により接合され、液透過性シート12と液不透過性シート13とはそれらの周縁部分において接着剤により接合されている。接着剤としては、パンツ型おむつで公知の材料、例えば、ホットメルト接着剤が挙げられる。吸収性本体10の形状は、長手方向Lに長い形状ならば上記例に限定されず、例えば、角が丸い矩形形状、短辺が外側に凸曲線の矩形形状、砂時計形状等が挙げられる。また、別の実施形態では、液不透過性シート13が省略され、吸収体14の非肌側の面及び液透過性シート12の周縁部分の非肌側の面がカバーシート5に接合されている。
[0053]
 第1実施形態では、吸収性本体10は、肌側の表面において、幅方向Wの両側に位置し、長手方向Lに延びる一対のサイドシート17、17を含む。各サイドシート17は、防漏壁16と、固定領域15、15とを有する。固定領域15、15は、サイドシート17における長手方向Lの前側及び後側の端部に位置し、吸収性本体10の肌側の表面に固定される。防漏壁16は、サイドシート17における長手方向Lの前側及び後側の固定領域15、15の間に位置し、それらに隣接しており、吸収性本体10の肌側の表面に幅方向Wの外側の端縁を固定され、幅方向Wの内側の端縁を非固定とされている。防漏壁16及び固定領域15、15は、例えば、サイドシート17の幅方向Wの内側の部分で形成され、サイドシート17の幅方向Wの外側の部分は吸収性本体10に固定されている。
[0054]
 一対の防漏壁16、16は、吸収性本体10における肌側の幅方向Wの両端部に、互いに向かい合うように配置され、長手方向Lに沿って連続的に延在する。各防漏壁16は、幅方向Wの内側の端部に、長手方向Lに沿って延びる2本の弾性部材61を含む。弾性部材61は、糸ゴムに例示される。一対の防漏壁16、16の各々は、疎水性シート、例えば、疎水性不織布で形成される。別の実施形態では、一対の防漏壁16、16の各々は、親水性シート、例えば、親水性不織布で形成される。
[0055]
 次に、図1~図5を参照して、吸収体14について説明する。吸収体14は、肌側に配置された第1吸収層41と、非肌側に配置された第2吸収層42と、第1吸収層41及び第2吸収層42の間に配置された中間層43とを備える。吸収体14は、長手方向Lに延びる略矩形の平面形状を有する。
[0056]
 第1実施形態では、第1吸収層41は、液透過性を有するシートで形成された第1基材44と、第1基材44よりも中間層43側に配置され、吸水性ポリマーを含む吸水材を有する第1吸水材45とを含む。第1吸収層41は、吸収コア部分として第1吸水材45を有し、コアラップとして第1基材44(及び中間層43)を有すると見ることができる。第1吸水材45は、第1基材44の中間層43側の表面と、中間層43の第1基材44側の表面との少なくとも一方に塗布された接着剤により、第1基材44及び中間層43の少なくとも一方に固定されている。
[0057]
 第1吸水材45の吸水材は、チャネル48を除き、第1吸収層41内に概ね均一の坪量で配置されている。第1吸水材45は、略矩形の平面形状を有する。第1基材44は、略矩形の平面形状を有し、平面視で第1吸水材45を肌側から覆っており、第1基材44の周縁部分は第1吸水材45の周囲からやや外側に延在する。なお、チャネル48については後述する。
[0058]
 第1実施形態では、第2吸収層42は、保水性及び液拡散性を有するシートで形成された第2基材46と、第2基材46よりも中間層43側に配置され、吸水性ポリマーを含む吸水材を有する第2吸水材47とを含む。第2吸収層42は、吸収コア部分として第2吸水材47を有し、コアラップとして第2基材46(及び中間層43)を有すると見ることができる。第2吸水材47は、第2基材46の中間層43側の表面と、中間層43の第2基材46側の表面との少なくとも一方に塗布された接着剤により、第2基材46及び中間層43の少なくとも一方に固定される。第2吸水材47の吸水材は、第2吸収層42内に概ね均一の坪量で配置されている。
[0059]
 第2吸水材47は、第1吸水材45と幅方向Wに同一の幅を有する略矩形の平面形状を有する。第2基材46は、略矩形の平面形状を有し、平面視で第2吸水材47を非肌側から覆っており、第2基材46の周縁部分は第2吸水材47の周囲からやや外側に延在する。第2基材46の幅方向Wの両端部は、第2吸水材47の両側面を覆いつつ、第1基材44の幅方向Wの両端部における肌側の表面を覆う。すなわち、第1吸収層41の幅方向Wの端部における肌側の表面において、第2基材46の幅方向Wの端部と、第1基材44の幅方向Wの端部とが重ね合わされて接合されている。
[0060]
 第1基材44の幅方向Wの両端部が、第1吸水材45の幅方向Wの側面を覆い、第2基材46の幅方向Wの側面を更に覆うことにより、第1吸水材45が幅方向Wにおいて第1吸収層41に封入され、第2吸水材47が幅方向Wにおいて第2吸収層42に封入される。
[0061]
 第1実施形態では、吸収体14の長手方向Lの両端部では、第1基材44、中間層43及び第2基材46が厚さ方向Tに積層され、接合されている。それにより、第1吸水材45が長手方向Lにおいて第1基材44と中間層43とにより第1吸収層41に封入され、第2吸水材47が長手方向Lにおいて第2基材46と中間層43とにより第2吸収層42に封入されている。
[0062]
 吸収体14は、幅方向Wにおいて、第2吸水材47と厚さ方向Tに重複する第2吸収コア重複領域C2 OPと、第2吸水材47と厚さ方向Tに重複せず且つ第2吸収コア重複領域C2 OPの両端に配置されている、一対の第2吸収コア非重複領域C2 NPとに区画される。第2吸収コア重複領域C2 OPと、一対の第2吸収コア非重複領域C2 NPとは、股間領域MAと、背側領域BAと、腹側領域FAとに配置されている。なお、股間領域MA、背側領域BA、及び腹側領域FAについては、後述する。
[0063]
 また、吸収体14は、股間領域MA及び幅方向Wにおいて、第1吸水材45と厚さ方向Tに重複する第1吸収コア重複領域C1 OPと、第1吸水材45と厚さ方向Tに重複せず且つ第1吸収コア重複領域C1 OPの両端に配置されている、一対の第1吸収コア非重複領域C1 NPとに区画される。
 第1吸水材45と、第2吸収材47とは、幅方向Wに同一の幅を有するとともに、それらの幅方向Wの端縁が、厚さ方向Tに一致しているので、第1吸収コア重複領域C1 OPと、一対の第1吸収コア非重複領域C1 NPとは、厚さ方向Tにおいて、それぞれ、第2吸収コア重複領域C2 OPと、一対の第2吸収コア非重複領域C2 NPとに一致している。
[0064]
 中間層43は、液透過性を有する、単一の中間シート43S(具体的には、芯鞘型複合繊維を含むエアスルー不織布)から構成されている。中間層43は、第2吸収コア重複領域C2 OPと、一対の第2吸収コア非重複領域C2 NPとに配置された、中間層重複部分43 OPと、一対の中間層非重複部分43 NPとを備えている。また、中間層43は、第1吸収コア重複領域C1 OPと、一対の第1吸収コア非重複領域C1 NPとに渡って配置されている。
[0065]
 中間層43は、長手方向Lに延びる4つの折軸103,折軸104,折軸105及び折軸106により折り畳まれている、一体の中間シート43Sから構成されている。4つの折軸103,折軸104,折軸105及び折軸106は、中間シート43Sの一方から他方に向かって順に配置されている。また、中間シート43Sは、略均一な坪量を有する。
[0066]
 中間シート43Sは、展開状態において、折軸104及び折軸105の内側に配置された第1シート部分43aと、第1シート部分43aを除いて、折軸103及び折軸106の内側に配置された一対の第2シート部分43bと、折軸103及び折軸106の外側に配置された、一対の第3シート部分43cとに区画される。
[0067]
 中間層43は、展開状態における中間シート43Sを、一対の第2シート部分43bを、折軸104及び折軸105を軸として内側に向かって折畳み、次いで、一対の第3シート部分43cを、折軸103及び折軸106を軸として外側に向かって折り畳むことにより形成されている。
[0068]
 第1シート部分43aは、第1吸水材45に隣接しており、長手方向中心線CLをまたいで、第2吸収コア重複領域C2 OPに配置されている。一対の第2シート部分43bは、第1シート部分43aの幅方向Wの両端(図示せず)から長手方向中心線CLに近づくように且つ長手方向中心線CLに接しないように配置されている。一対の第3シート部分43cは、第2吸水材47に隣接しており、一対の第2シート部分43bの、長手方向中心線CLよりの両端(図示せず)から長手方向中心線CLから遠ざかるように、そして第2吸収コア非重複領域C2 NPまで配置されている。
[0069]
 第1シート部分43aと、一対の第2シート部分43bとは、第2吸収コア重複領域C2 OPに配置されており、一対の第3シート部分43cは、第2吸収コア重複領域C2 OPと、一対の第2吸収コア非重複領域C2 NPとに配置されている。
 第1シート部分43aと、一対の第2シート部分43bと、一対の第3シート部分43cとは、お互いに接合されていない。
[0070]
 吸収体14は、チャネル48を有する。チャネル48は、第1吸収層41(具体的には第1吸水材45)に配置されているとともに、長手方向Lに延設された帯状の領域である。チャネル48は、第1吸収層41(具体的には第1吸水材45)の、長手方向中心線CLと厚さ方向Tに重複するように配置されている。チャネル48では、第2吸水材47の坪量が0g/m 2である。第2吸収層42は、チャネルを有していない。
[0071]
 吸収体14の、チャネル48と厚さ方向Tに重複する部分は、吸収体14の坪量が、チャネル48の幅方向Wに隣接する部分よりも坪量が低い低坪量領域LBを形成している。
 吸収体14は、低坪量領域LBを、股間領域MAと、背側領域BAと、腹側領域FAとに有している。
[0072]
 第1吸水材45及び第2吸水材47は、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;SAP)を含む。第1吸水材45及び第2吸水材47のそれぞれの高吸水性ポリマーの坪量は、パンツ型おむつ1に要求される吸収性能に応じて適宜調整され得るが、例えば、それぞれ10~500g/m 2が挙げられ、好ましくは100~400g/m 2である。
[0073]
 第1吸水材45及び第2吸水材47の坪量は、一方が他方よりも多くてもよく、同等でもよい。ただし、同等とは、一方が他方の±30%の範囲をいう。第1吸水材45及び第2吸水材47は、吸水性繊維(例えば、パルプ繊維)のような親水性繊維を更に有してもよい。第1吸水材45及び第2吸水材47における高吸水性ポリマーの割合は、例えば、80~100質量%が挙げられ、好ましくは90~100質量%であり、より好ましくは95~100質量%である。
 したがって、第1吸水材45及び第2吸水材47は高吸水性ポリマーを主成分として含むということができ、吸収体14はいわゆるSAPシートということができる。
[0074]
 ただし、吸収体14(第1吸水材45及び第2吸水材47だけでなく、接着剤、第1基材44、中間層43及び第2基材46を含む)における高吸水性ポリマーの割合としては、例えば40~80質量%が挙げられ、好ましくは50~80質量%であり、より好ましくは60~80質量%である。
[0075]
 第1実施形態では、第1吸水材45及び第2吸水材47のそれぞれは、高吸水性ポリマーのみから構成され、親水性繊維を含まない。
 上記高吸水性ポリマーは、その90~100質量%が150~500μmの粒径を有する高吸水性ポリマー粒子から構成されることが好ましい。上記粒径を有する高吸水性ポリマー粒子は、粒径が小さく均一であるので、接着剤に保持されやすい。高吸水性ポリマー粒子の粒径は、JIS R 6002:1998に記載のふるい分け試験方法に準拠して測定される。
[0076]
 上記接着剤としては、高吸水性ポリマーを固定できる接着剤であれば特に限定はなく、例えば、ホットメルト接着剤が挙げられる。接着剤の塗布のパターンとしては、特に制限はないが、例えば、連続的又は間欠的なオメガパターン、スパイラルパターン、ラインパターンが挙げられる。接着剤の坪量は、吸収体14の液体吸収性が著しく低下しないように適宜調整され得るが、例えば、各層ごとに3~50g/m 2が挙げられる。ただし、各層は、第1吸水材45と第1基材44との間の接着剤の層、第1吸水材45と中間層43との間の接着剤の層、第2吸水材47と第2基材46との間の接着剤の層、及び第2吸水材47と中間層43との間の接着剤の層を意味する。
[0077]
 第1基材44としては、液透過性を有するシートであれば特に制限はない。第1基材44としては、例えば、合成繊維を含む液透過性の不織布、親水性の不織布、それらの積層不織布が挙げられ、中でも透水性が高い不織布が好ましい。第1基材44としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル繊維、又はそれらの組み合わせから形成されるスパンボンド不織布、エアスルー不織布等が挙げられる。
 上記合成繊維は、公知の方法で親水化処理されていることが好ましい。
[0078]
 上記液透過性を有するシートは、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維等の親水性繊維を、親水性バインダで被覆したエアレイド不織布、上記親水性繊維と、上記合成繊維とを組み合わせた不織布、例えば、スパンレース不織布であることができる。第1実施形態では、液透過性、液保持性を有するパルプ繊維を親水性バインダで被覆したエアレイド不織布が用いられている。
[0079]
 なお、第1基材44は、上記不織布のうちの1種又は複数種の不織布を、複数層、積層してあるものであってもよい。
 第1基材44の坪量としては、例えば、10~100g/m 2が挙げられ、好ましくは20~80g/m 2である。第1基材44の厚さは、例えば、0.1~5mmが挙げられ、好ましくは0.15~3mmである。
[0080]
 第2基材46としては、保水性及び液拡散性を有するシートであれば特に制限はない。第2基材46としては、例えば、ポリアミド繊維のような合成繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維等の再生繊維、綿、絹、麻、パルプ(セルロース)繊維等の天然繊維、又はそれらの組み合わせから形成される不織布が挙げられる。具体的には、第2基材46としては、例えば、ナイロンを含むスパンボンド不織布、レーヨン繊維及び/又はパルプ繊維を含むスパンレース不織布等が挙げられる。レーヨン繊維及び/又はパルプ繊維を含むスパンレース不織布は、ポリオレフィン繊維及び/又はポリエステル繊維を含んでいてもよい。第1実施形態では、液保持性、液拡散性を有する、レーヨン繊維及びパルプ繊維を含むスパンレース不織布が用いられている。
[0081]
 なお、第2基材46は、上記不織布のうちの1種から構成されてもよく、そして上記不織布を、複数層、積層してあるものであってもよい。
 第2基材46の坪量としては、例えば、10~200g/m 2が挙げられ、好ましくは35~150g/m 2である。第2基材46の厚さは、例えば、0.1~5mmが挙げられ、好ましくは0.15~3mmである。
[0082]
 中間層43(中間シート43S)としては、例えば、第1基材44と同様のシートが挙げられる。中間層43の坪量としては、例えば、10~100g/m 2が挙げられ、好ましくは15~80g/m 2である。中間層43の厚さは、例えば、0.1~5mmが挙げられ、好ましくは0.15~3mmである。
[0083]
 第1実施形態では、図5に示すように、吸収体14は、長手方向Lに沿って並んだ、背側領域BAと、腹側領域FAと、股間領域MAとを備える。ただし、背側領域BAは、吸収体14における背側部3と厚さ方向Tに重なる領域である。また、腹側領域FAは、吸収体14における腹側部2と厚さ方向Tに重なる領域である。股間領域MAは、吸収体14における背側領域BAと腹側領域FAとの間に位置する領域、すなわち股間部4と厚さ方向Tに重なる領域である。したがって、吸収体14は、長手方向Lに沿って、背側部3と重なる背側領域BAと、腹側部2と重なる腹側領域FAと、股間部4と重なる股間領域MAとに区画される。
[0084]
 第1実施形態では、吸収体14は、SAP高坪量領域14aと、SAP低坪量領域14bと、SAP非配置領域14cとを含む。SAP高坪量領域14aは、高吸水性ポリマーの坪量が相対的に高い領域であり、第1吸収層41と第2吸収層42とが厚さ方向Tに重なった領域である。SAP低坪量領域14bは、高吸水性ポリマーの坪量が相対的に低い領域であり、厚さ方向Tに第1吸収層41が存在せず、第2吸収層42のみ存在する領域である。SAP非配置領域14cは、高吸水性ポリマーを含まない領域であり、厚さ方向Tに第1吸収層41及び第2吸収層42が存在しない領域である。ただし、高吸水性ポリマーを含まないとは、高吸水性ポリマーは存在するがその坪量が非常に少ない場合を含む。「非常に少ない」とは、高吸水性ポリマーの坪量がSAP高坪量領域14aの高吸水性ポリマーの坪量の5%以下の場合をいう。
[0085]
 したがって、吸収体14では、背側領域BAは、SAP高坪量領域14aとしての背側SAP高坪量領域BAaと、SAP低坪量領域14bとしての背側SAP低坪量領域BAbと、SAP非配置領域14cとしての背側SAP非配置領域BAcとを備えている。また、吸収体14では、腹側領域FAは、SAP高坪量領域14aとしての腹側SAP高坪量領域FAaと、SAP非配置領域14cとしての腹側SAP非配置領域FAcとを備えており、腹側SAP低坪量領域FAbを備えていない。股間領域MAは、SAP高坪量領域14aのみを有している。
 したがって、背側SAP高坪量領域BAa及び腹側SAP高坪量領域FAaの高吸水性ポリマーの坪量は、股間領域MAの高吸水性ポリマーの坪量と同等である。なお、「同等」とは、一方が他方の0.7~1.3倍(±30%)の範囲にあることをいう。
[0086]
 第2吸収層42は、平面視で、長手方向Lの後側の端部に、第1吸収層41の端縁よりも外側に突出した突出部を含む。当該突出部は、背側SAP低坪量領域BAbを含んでおり、突出部は、背側SAP低坪量領域BAbと同一である。第2吸収層42は、中間層43に覆われており、したがって、突出部、すなわち背側SAP低坪量領域BAbは、肌側を中間層43及び第1基材44で覆われている。
[0087]
 吸収体14では、長手方向Lにおいて、背側SAP高坪量領域BAaの長さをda2とし、背側SAP低坪量領域BAbの長さをdb2とし、背側SAP非配置領域BAcの長さをdc2とすると、db2>dc2>da2である。すなわち、背側領域BAでは、背側SAP低坪量領域BAbの長さを相対的に長くして、全体として高吸水性ポリマーの坪量を低く抑えつつ、長手方向Lの後側の部分まで高吸水性ポリマーを配置している。量は少ないが背側へ流れる液体の伝え漏れを抑えやすくすることができる。
[0088]
 吸収体14では、長手方向Lにおいて、腹側SAP高坪量領域FAaの長さをda1とし、腹側SAP非配置領域FAcの長さをdc1とすると、da1>dc1である。すなわち、腹側領域FAでは、腹側SAP高坪量領域FAaの長さを相対的に長くして、全体として高吸水性ポリマーの坪量を高くして、長手方向Lの前側の端部まで高吸水性ポリマーを配置している。それにより、排泄量の多い腹側での液体を的確に吸収しやすくすることができる。
[0089]
 吸収体14では、長手方向Lにおいて、dc2>dc1である。背側SAP非配置領域BAcの長さを相対的に長くして、排泄量の少ない背側領域BAでの高吸水性ポリマーの使用量を低く抑えつつ、腹側SAP非配置領域FAcの長さを相対的に短くして、排泄量の多い腹側領域FAでの液体を的確に吸収しやすくすることができる。
[0090]
 なお、別の実施形態では、吸収体14では、長手方向Lにおいて、da2+db2>da1である。この場合、背側領域BAにおいて長手方向Lに、より後側の部分まで高吸水性ポリマーを配置することで、量は少ないが背側へ流れる液体の伝え漏れをより抑え易くすることができる。
[0091]
 第1実施形態のパンツ型おむつ1では、股間領域MAにおいて、一対の中間層非重複部分43 NPの平均坪量及び厚さが、それぞれ、中間層重複部分43 OPの平均坪量及び厚さよりも小さい。それにより、吸収体14の第2吸収コア重複領域C2 OPにおける剛性と、吸収体14の、一対の第2吸収コア非重複領域C2 NPのそれぞれにおける剛性との差が大きくなり、第2吸水材47の境界が、変形誘導の起点となりやすい。
 なお、第1吸水材45の幅方向の端縁、すなわち、第1吸収コア重複領域C1 OPと、一対の第1吸収コア非重複領域C1 NPとの境界も、上述の変形誘導の基点として機能している。
[0092]
 また、第2吸収コア重複領域C2 OPでは、相対的に平均坪量が大きい中間層重複部分43 OPが、装着者に高吸水性ポリマーの硬さを覚えさせにくくすることができ、そして一対の第2吸収コア非重複領域C2 NPでは、相対的に平均坪量が小さい、一対の中間層非重複部分43 NPが、装着者の脚に柔らかさを覚えさせることができる。さらに、第2吸収コア重複領域C2 OPでは、相対的に平均坪量が大きい中間層重複部分43 OPが、液体をより多く一時貯留することができるので、吸収体14が吸収性に優れる。
[0093]
 また、中間層43は、折り畳まれている単一の中間シート43S、具体的には、第1シート部分43aと、一対の第2シート部分43bと、一対の第3シート部分43cとから構成されるとともに、第1シート部分43aと、一対の第2シート部分43bと、一対の第3シート部分43cとは、お互いに接合されていないので、中間層重複部分43 OPが、中間シート43Sの復元力により、装着者に、第1吸水材45及び第2吸水材47の硬さを覚えさせにくくすることができる。
[0094]
 図6に示されるように、吸収体14に、液体、例えば、1回目の尿が到達すると、液体が、第1吸収層41(主に、チャネル48)及び中間層43を通過し、第2吸収層42に到達すると、第2吸収層42が隆起するとともに、中間シート43S(第1シート部分43a、一対の第2シート部分43b、及び一対の第3シート部分43c)の復元力により、第1吸収層41(第1吸水材45)と、第2吸収層42(第2吸水材47)との間に空隙101が形成される。
[0095]
 具体的には、第1吸収層41では、液体がチャネル48を通過し、中間層43に迅速に移行する。チャネル48の周囲の第1吸水材45は、残存する液体を吸収し、主に厚さ方向Tに膨張する。
 中間層43は、液体を一時貯留する機能を有するが、中間層43では、チャネル48と厚さ方向Tに重複する位置に第1シート部分43aが存在し、一対の第2シート部分43b及び一対の第3シート部分43cが存在しないため、チャネル48と厚さ方向Tに重複する位置において、中間層43が、液体を一時貯留する量が相対的に少なく、液体を第2吸収層42に移行させることができる。
[0096]
 第2吸収層42では、チャネル48と厚さ方向Tに重複する位置に、主に液体が到達し、第2吸収層42の、チャネル48と厚さ方向Tに重複する部分が、厚さ方向Tに隆起する。第2吸収層42(第2吸水材47)が、厚さ方向Tに隆起するとともに、第1シート部分43a、一対の第2シート部分43b、及び一対の第3シート部分43cの復元力により、第1吸水材45と、第2吸水材47との間に空隙101が形成される。
[0097]
 次いで、吸収体14に、追加の液体、例えば、2回目以降の尿が到達すると、中間層43が、液体を空隙101に一時貯留しつつ、要求に応じて、第1吸水材45及び第2吸水材47に液体を供給する。
 液体が供給された第1吸水材45及び第2吸水材47は、液体を吸収し、空隙101に向かって膨張することができ、第1吸水材45及び第2吸水材47、ひいては吸収体14が、大量の液体、例えば、複数回の尿の吸収性に優れる。
[0098]
 次に、吸収体14の製造方法について説明する。
 まず、第2基材46用シートを長手方向Lに移動させつつ、ホットメルト接着剤を第2基材46用シートの上に塗布する。次いで、高吸水性ポリマー供給装置から高吸水性ポリマーを、ホットメルト接着剤を塗布された第2基材46用シートにおける幅方向Wの両端部分及び中央部分の上に、それぞれ長手方向Lに沿って散布する。その際、両端部分と中央部分との間の領域(チャネルに相当)には、少量の高吸水性ポリマーが移行する。次いで、両面にホットメルト接着剤が塗布された中間層43用シートを、第2基材46用シート上の高吸水性ポリマーの上に積層する。
[0099]
 次いで、その積層物を長手方向Lに移動させつつ、他の高吸水性ポリマー供給装置から高吸水性ポリマーを、ホットメルト接着剤を塗布された中間層43用シートにおける幅方向Wの中央部分の上に長手方向Lに沿って散布する。次いで、中間層43用シート上の高吸水性ポリマーの上に、ホットメルト接着剤を塗布した第1基材44用シートを、ホットメルト接着剤を高吸水性ポリマー側にして積層する。そして、第2基材46用シートにおける幅方向Wの両側部を、第1基材44用シートにおける幅方向Wの両側部の上に折り返して、積層物を得る。その後、一対のプレスロールに積層物を通過させる、すなわちプレスすることにより、積層物の厚さを調整して、吸収体14を得る。
[0100]
 次に、上記吸収体14を用いたパンツ型おむつの製造方法について説明する。
 上記のように作製した吸収体14の上面(第1基材44の表面)に、液透過性シート12を貼り付け、吸収体14の下面(第2基材46の表面)に液不透過性シート13を貼り付けて、積層体を得る。次いで、防漏壁16付きサイドシート17を、積層体の幅方向Wの両側に取り付け、吸収性本体10を得る。その後、吸収性本体10をカバーシート5(弾性部材6、7、8を含む)上に貼り付け、腹側部2の幅方向Wの両端部2a、2aと背側部3の幅方向Wの両端部3a、3aとを接合する。それにより、パンツ型おむつ1が製造される。
[0101]
 図7は、本開示の別の実施形態(以下、「第2実施形態」と称する場合がある)に従うパンツ型おむつ(図示せず)を説明するための図であり、第1実施形態における図3に相当する図である。
[0102]
 第2実施形態に従うパンツ型おむつ(図示せず)は、厚さ方向Tにおいて、吸収体14と、液不透過性シート13との間、具体的には、吸収体14の第2基材46と、液不透過性シート13との間にインジケーター107が配置されている。インジケーター107は、パンツ型おむつ1が、液体(例えば、尿)を吸収したことを、パンツ型おむつ1の外面にインジケートし、使用者(例えば、母親)に知らせるように機能する。
[0103]
 インジケーター107は、第1吸収層41(第1吸水材45)に配置されたチャネル48と、厚さ方向Tに重複するように、すなわち、低坪量領域LBに配置されている。
 低坪量領域LBでは、液体は、第1吸収層41(第1吸水材45)のチャネル48を通過し、中間層43に迅速に移行する。また、低坪量領域LBでは、中間層43は、第1シート部分43aのみから構成されていることから、液体を第2吸収層42に移行させることができる。第2吸収層42に到達した液体は、インジケーター107に到達し、インジケーター107に、迅速に応答させることができる。
[0104]
 本開示の吸収体を備えている吸収性物品は、特に制限されず、例えば、使い捨ておむつ、失禁パッド、使い捨てショーツ、生理用ナプキン、ショーツ型生理用ナプキン、パンティーライナー、産褥パッド、痔用パッド、ペット用オムツ等が挙げられる。
[0105]
 本開示の吸収体は、吸収体の厚さ方向において、中間層と、高吸水性ポリマーを含む吸収コアとを備えており、中間層は、吸収コアよりも液透過性シート側(肌側)に配置されることも、液不透過性シート側(着衣側)に配置されることもできる。本開示の効果の観点からである。
[0106]
 また、本開示の吸収体では、中間層が、上記吸収コアよりも液透過性シート側に配置されており、吸収体が、中間層の、液透過性シート側に、高吸水性ポリマーを含む追加吸収コアをさらに備えている、すなわち、吸収体が、中間層を間に挟んで2つの吸収コア(吸収コア及び追加吸収コア)を備えていることができる。所定の場合には、2つの吸収コアが、それらの間に形成される空隙に向かって膨張することができる。
 なお、本明細書の実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)では、上記吸収コア及び追加吸収コアは、それぞれ、第2吸水材及び第1吸水材と称されている。
[0107]
 本開示の吸収体では、吸収コアと、所望による追加吸収コアとのそれぞれは、高吸水性ポリマーを含む。上記高吸水性ポリマーとしては、特に制限されず、当技術分野で公知のものが含まれ、例えば、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系の高吸水性ポリマーが挙げられる。デンプン系又はセルロース系の高吸水性ポリマーとしては、例えば、デンプン-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物等が挙げられ、合成ポリマー系の高吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、デンプン系、セルロース系等の高吸水性ポリマー(SAP,Super absorbent Polymer)等が挙げられ、ポリアクリル酸塩系(特に、ポリアクリル酸ナトリウム系)の高吸水性ポリマーが好ましい。
[0108]
 本開示の吸収体では、吸収コアと、所望による追加吸収コアとのそれぞれは、高吸水性ポリマーを主体とするものであれば、特に制限されず、親水性繊維、例えば、パルプ繊維をさらに含んでもよい。上記吸収体は、平面視において、その形状は特に限定されるものではなく、例えば、短辺が円弧状に突出した長方形、角丸長方形、楕円、砂時計が挙げられる。上記吸収体の厚さは、例えば、0.5~20mmが挙げられ、好ましくは1~10mmである。
[0109]
 本開示の吸収体は、股間領域及び吸収体の幅方向において、吸収コアと、吸収体の厚さ方向に重複する吸収コア重複領域と、吸収コアと、吸収体の厚さ方向に重複せず且つ重複領域の両端に配置されている、一対の吸収コア非重複領域とに区画される。
 本開示の吸収体では、中間層は、吸収コア重複領域と、一対の吸収コア非重複領域とに渡って配置されており、股間領域において、上記吸収コア重複領域及び一対の吸収コア非重複領域に配置された、それぞれ、中間層重複部分と、一対の中間層非重複部分とを備えている。
[0110]
 本開示の吸収体では、股間領域において、一対の中間層非重複部分のそれぞれの平均坪量が、中間層重複部分の平均坪量よりも小さいか、又は一対の中間層非重複部分のそれぞれの厚さが、中間層重複部分の厚さよりも小さく、股間領域において、一対の中間層非重複部分のそれぞれの平均坪量が、中間層重複部分の平均坪量よりも小さいことが好ましい。本開示の効果の観点からである。
[0111]
 本明細書では、平均坪量の大小は、中間層が、折り畳まれた単一の中間シート等から構成される場合には、目視で判断することができる。目視の判断が難しい場合には、吸収体から、コールドスプレー等により、中間層を取り出し、中間層非重複部分と、一対の中間層非重複部分のそれぞれとに分離し、それらの面積、質量等から平均坪量を算出し、平均坪量の大小を決定することができる。
[0112]
 本明細書では、厚さの大小は、最大厚さの大小を意味する。厚さの大小は、中間層が折り畳まれた、単一の中間シート等から構成される場合には、目視で判断することができる。目視の判断が難しい場合には、吸収体又は吸収性物品の股間領域を幅方向に切断し、顕微鏡等によりその断面を観察することにより、厚さの大小を決定することができる。
 また、厚さの大小は、三次元計測X線CT装置(ヤマト科学(株)製 TDM-1000-IS/SP)にて測定することができる。例えば、三次元計測X線CT装置を用いてスキャンした画像から、所望の部分(中間層重複部分又は中間層非重複部分)の厚さを任意で20点測定し、平均することにより決定することができる。
[0113]
 本開示の吸収体では、中間層重複部分は、1つのシート部分、又は複数のシート部分の積層物から構成されることができ、そして複数のシート部分の積層物は、分離された複数のシート部分の積層物であることも、連続した複数のシート部分の積層物(単一のシートの折り畳み物)であってもよい。本開示の吸収体では、中間層重複部分は、分離された複数のシート部分の積層物又は連続した複数のシート部分の積層物(単一のシートの折り畳み物)であることが好ましく、そして連続した複数のシート部分の積層物(単一のシートの折り畳み物)であることがより好ましい。空隙の形成、着用感の向上等の観点からである。
[0114]
 中間層が、連続した複数のシート部分の積層物(単一のシートの折り畳み物)である場合には、中間層が、Ω構造(第1シート部分が頂部を形成し、第3シート部分が底部を形成する)を有することが好ましく、そして中間層が、Ω構造を組み合わせた構造、例えば、Ω構造の上にΩ構造が配置された構造(例えば、頂部である第1シート部分に、Ω構造がさらに配置されている)を有していてもよい。
 なお、中間層が、Ω構造を有する場合には、第1シート部分が吸収コアに接していてもよく、そして第3シート部分が吸収コアに接していてもよいが、第3シート部分が吸収コアに接していてることが好ましい。空隙の形成の観点からである。
[0115]
 複数のシート部分の積層物では、シート部分同士は、股間領域において、お互いに接合されていても、お互いに接合されていなくともよく、そしてお互いに接合されていないことが好ましい。空隙の形成の観点からである。
[0116]
 なお、吸収体が大量の液体を吸収した後の吸収体のヨレを抑制する観点からは、シート部分同士が、お互いに部分的に接合されていてもよい。
 吸収体が腹側領域及び/又は背側領域を備えている場合には、腹側領域及び/又は背側領域において、シート部分同士が、お互いに、部分的又は全体的に接合されていてもよい。
 なお、中間層は、吸収コア及び所望による追加吸収コアに、ホットメルト接着剤等により接合されていても、接合されていなくともよく、接合されていることが好ましい。空隙を的確に形成する観点からである。
[0117]
 本開示の吸収体は、長手方向中心線と、吸収体の厚さ方向に重複する位置に、周囲と比較して坪量の少ない低坪量領域を備えていることが好ましい。それにより、吸収体の長手方向中心線のところを変形誘導の基点とすることができる。
 なお、上記周囲は、低坪量領域の幅方向における周囲であることが好ましい。幅方向に変形誘導させるためである。
[0118]
 また、上記低坪量領域は、股間領域に配置されることが好ましく、そして吸収体が腹側領域及び/又は背側領域を備えている場合には、吸収体が、腹側領域及び/又は背側領域に、上記低坪量領域を備えていてもよい。上記低坪量領域は、吸収コア及び/又は所望による追加吸収コアに、後述のチャネルを配置することにより達成されることができる。
[0119]
 本開示の吸収体は、チャネルを備えていることができる。上記チャネルは、吸収コア及び/又は所望による追加吸収コアに配置されることができる。それにより、吸収性物品を着用する際に、吸収体、ひいては吸収性物品を変形誘導させやすくなる。また、上記チャネルは、液体を、吸収体の厚さ方向に迅速に移行させることができる。
 当該観点から、上記チャネルは、長手方向に沿って延びていることが好ましく、そして長手方向中心線と、吸収体の厚さ方向に重複するように延びていることがより好ましい。
[0120]
 上記チャネルは、吸収体の股間領域に配置されることが好ましく、そして吸収体が腹側領域及び/又は背側領域を備えている場合には、上記チャネルは、腹側領域及び/又は背側領域に配置されていてもよい。
 本明細書では、上記チャネルは、吸収体において、周囲の領域と比較して、吸収コアの坪量が少ない領域を意味する。上記チャネルは、吸収コアにおける周囲の領域と比較して、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下、そしてさらに好ましくは30質量%以下の坪量を有し、0質量%の坪量を有してもよい。チャネルを変更誘導の起点とする観点からである。
 吸収体が、複数の吸収コア(例えば、吸収コア及び追加吸収コア)を備える場合には、上記チャネルの坪量は、各吸収コアにおける坪量を意味する。
 また、吸収体が、複数の吸収コア(例えば、吸収コア及び追加吸収コア)を備える場合には、複数の吸収コアのそれぞれが、上記チャネルを有しても、そして有しなくともよい。
[0121]
 本開示の吸収体は、インジケーターを備えていることができる。上記インジケーターは、低坪量領域と、吸収体の厚さ方向に重複する位置に配置されることが好ましい。インジケーターの迅速な応答の観点からである。上記インジケーターは、吸収体の厚さ方向において、例えば、吸収体の肌側面、吸収体の着衣側面、吸収体の内部等に配置されうる。
[0122]
 本開示の吸収性物品は、液透過性シートと、液不透過性シートと、それらの間に配置された上記吸収体とを備えている。上記吸収性物品は、インジケーターを備えていることができる。上記インジケーターは、低坪量領域と、吸収性物品の厚さ方向に重複する位置に配置されることが好ましい。インジケーターの迅速な応答の観点からである。上記インジケーターは、吸収性物品の厚さ方向において、例えば、液透過性シート及び吸収体の間、又は吸収体及び液不透過性シートの間等に配置されうる。
[0123]
 本開示の吸収体及び吸収性物品では、インジケーターは、当技術分野で公知のものを特に制限せずに用いることができ、例えば、特表2017-501768号公報に記載の湿り度インジケーター、例えば、pHインジケーター、水溶性染料を含む組成物等が挙げられる。
[0124]
 本開示の吸収体が、コアラップをさらに備えている場合には、上記コアラップは、当技術分野で公知のラップ様式であることができる。上記コアラップは、肌側に配置された肌側コアラップと、着衣側に配置された着衣側コアラップとを備えており、肌側コアラップが、吸収体の幅方向端部で折り返されており、着衣側において、着衣側コアラップを覆っている、すなわち、肌側コアラップと、着衣側コアラップとの重複部分を有することが好ましい。上記重複部分が、液体を一時貯留することができるので、吸収体がリウェット性に優れる。

符号の説明

[0125]
 1  パンツ型おむつ
 2  腹側部(腹側ウエストベルト)
 3  背側部(背側ウエストベルト)
 4  股間部
 5,5a,5b  カバーシート
 10  吸収性本体
 12  液透過性シート
 13  液不透過性シート
 14  吸収体
 41  第1吸収層
 42  第2吸収層
 43  中間層
 43 OP  中間層重複部分
 43 NP  中間層非重複部分
 43S  中間シート
 43a  第1シート部分
 43b  第2シート部分
 43c  第3シート部分
 44  第1基材
 45  第1吸水材
 46  第2基材
 47  第2吸水材
 48  チャネル
 61  弾性部材
 101  空隙
 103,104,105,106  折軸
 107  インジケーター
 L  長手方向
 W  幅方向
 T  厚さ方向
 CL  長手方向中心線
 CW  幅方向中心線
 BA  背側領域
 FA  腹側領域
 MA  股間領域
 C1 OP  第1吸収コア重複領域
 C1 NP  第1吸収コア非重複領域
 C2 OP  第2吸収コア重複領域
 C2 NP  第2吸収コア非重複領域
 LB  低坪領領域

請求の範囲

[請求項1]
 長手方向、幅方向及び厚さ方向を有するとともに、長手方向中心線及び股間領域を有する、吸収性物品用の吸収体であって、
 前記吸収体が、前記厚さ方向において、高吸水性ポリマーを含む吸収コアと、中間層とを備えており、
 前記吸収体が、前記股間領域及び前記幅方向において、前記吸収コアと前記厚さ方向に重複する吸収コア重複領域と、前記吸収コアと前記厚さ方向に重複せず且つ前記吸収コア重複領域の両端に配置されている、一対の吸収コア非重複領域とに区画され、
 前記中間層が、前記股間領域において、前記吸収コア重複領域及び前記一対の吸収コア非重複領域に配置された、それぞれ、中間層重複部分と、一対の中間層非重複部分とを備えており、
 前記股間領域において、前記一対の中間層非重複部分のそれぞれの平均坪量が、前記中間層重複部分の平均坪量よりも小さいか、又は前記一対の中間層非重複部分のそれぞれの厚さが、前記中間層重複部分の厚さよりも小さい、
 ことを特徴とする、前記吸収体。
[請求項2]
 前記股間領域において、前記中間層非重複部分の平均坪量が、前記中間層重複部分の平均坪量よりも小さい、請求項1に記載の吸収体。
[請求項3]
 前記中間層重複部分が、折り畳まれている一体の中間シートから構成されており、複数のシート部分を含む、請求項1又は2に記載の吸収体。
[請求項4]
 前記複数のシート部分が、お互いに接合されていない、請求項3に記載の吸収体。
[請求項5]
 前記中間層が、第1シート部分と、一対の第2シート部分と、一対の第3シート部分とを備えており、
 第1シート部分が、前記長手方向中心線をまたいで前記吸収コア重複領域に配置されており、
 前記一対の第2シート部分が、第1シート部分の前記幅方向の両端から前記長手方向中心線に近づくように且つ前記長手方向中心線に接しないように配置されており、
 前記一対の第3シート部分が、前記一対の第2シート部分の、前記長手方向中心線よりの両端から前記長手方向中心線から遠ざかるように、そして前記吸収コア非重複領域まで配置されている、
 請求項3又は4に記載の吸収体。
[請求項6]
 一対の第3シート部分が、第1シート部分よりも、前記吸収コア側に配置されている、請求項5に記載の吸収体。
[請求項7]
 前記中間層が肌側に配置され、前記吸収コアが着衣側に配置されており、前記吸収体が、前記中間層の肌側に、高吸水性ポリマーを含む追加吸収コアをさらに備えている、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸収体。
[請求項8]
 前記股間領域において、前記追加吸収コアが、前記長手方向中心線と、前記厚さ方向に重複する位置に、チャネルを備えている、請求項7に記載の吸収体。
[請求項9]
 前記吸収体が、前記股間領域において、前記長手方向中心線と、前記厚さ方向に重複する位置に、周囲と比較して坪量の少ない低坪量領域を備えている、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸収体。
[請求項10]
 前記吸収体が、前記低坪量領域と前記厚さ方向に重複する位置にインジケーターを備えている、請求項9に記載の吸収体。
[請求項11]
 液透過性シートと、液不透過性シートと、それらの間に配置された吸収体とを備える吸収性物品であって、
 前記吸収体が、請求項1~10のいずれか一項に記載の吸収体である、
 前記吸収性物品。
[請求項12]
 前記吸収体が、前記股間領域において、前記長手方向中心線と、前記厚さ方向に重複する位置に、周囲と比較して坪量の少ない低坪量領域を備えており、
 前記吸収性物品が、前記低坪量領域と前記厚さ方向に重複する位置にインジケーターを備えている、
 請求項11に記載の吸収性物品。
[請求項13]
 前記インジケーターが、前記液透過性シート及び前記吸収体の間、又は前記吸収体及び前記液不透過性シートの間に配置されている、請求項12に記載の吸収性物品。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]