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1. WO2007088825 - METHOD OF INDUCTION HARDENING

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[ JA ]
明 細書

高周波焼入れ方法

技術分野

[0001] 本発明は、高周波焼入れ方法に関し、一層詳細には、軸線に沿って延在する Fe 基合金製の長尺ワークに対して施される高周波焼入れ方法に関する。

背景技術

[0002] 棒状の長尺ワーク、例えば、自動車の走行機関を構成するドライブシャフトに対して 高周波焼入れ処理を施す手法としては、長尺ワークの全体に対して焼入れ処理を一 度に行うシングルショット焼入れや、長尺ワークの一部を高周波加熱コイルで囲繞し、 該長尺ワークを軸線方向に移送することによって加熱処理を施す部位を逐次的に変 更する移動焼入れが例示される。いずれの焼入れ方法においても、長尺ワークは、 高周波加熱コイルによる加熱が行われた後、冷却液で冷却される。

[0003] ここで、シングルショット焼入れでは、長尺ワークが両底面側力クランプされ、さら に、回転付勢される(例えば、特許文献 1参照)。長尺ワークは、この状態で加熱され 、次に、回転が続行された状態で冷却される。これにより、長尺ワークに対して焼入れ が施される。この冷却の際に長尺ワークに歪が生じたときには、回転する当該部位が 、長尺ワークに近接配置された矯正ローラに接触する。この接触によって、長尺ヮー クの歪矯正が営まれる。

[0004] 特許文献 1 :特開平 4 141523号公報

発明の開示

[0005] し力しながら、矯正ローラのみでは歪が十分に抑制されるとは言い難い側面があり 、焼入れ処理の後に冷間歪除去力卩ェが行われるのが通例である。また、この加工に よって長尺ワークに割れが発生することもあるので、割れの有無を確認するために磁 気探傷検査が行われる。以上のことから、工程数が多くなり、このために長尺ワークの 生産効率を向上させることが容易ではな、と、う問題が顕在化して、る。

[0006] 本発明の一般的な目的は、長尺ワークに歪が発生することを抑制することが可能な 高周波焼入れ方法を提供することにある。

[0007] 本発明の主たる目的は、歪除去加工や磁気探傷検査を省略することが可能な高周 波焼入れ方法を提供することにある。

[0008] 本発明の別の目的は、全体にわたって略均一な金属組織を有する長尺ワークが得 られる高周波焼入れ方法を提供することにある。

[0009] 本発明のまた別の目的は、構成が簡素で、矯正ローラの 1つが何らかの原因によつ て拘束されたとしても歪矯正が可能な高周波焼入れ方法を提供することにある。

[0010] 本発明のさらに別の目的は、長尺ワークの生産効率を向上させる高周波焼入れ方 法を提供することにある。

[0011] 本発明の一実施形態によれば、 Fe基合金力もなる長尺ワークを回転させながら高 周波誘導加熱を行い、前記長尺ワークに歪が生じた際に矯正ローラを接触させて歪 矯正を行、ながら焼入れを行う高周波焼入れ方法にお!、て、

前記長尺ワークを第 1の回転数で回転させながらオーステナイトが生成する第 1温 度域まで前記高周波誘導加熱を行う加熱工程と、

前記長尺ワークを前記第 1の回転数に比して回転数が大きな第 2の回転数で回転 させながら、パーライト析出終了温度以下マルテンサイト析出開始温度超の第 2温度 域まで冷却する第 1冷却工程と、

長尺ワークの温度が前記第 2温度域に到達した後、前記長尺ワークを前記第 2の 回転数に比して回転数力、さな第 3の回転数で回転させながら冷却を続行する第 2 冷却工程と、

を有する高周波焼入れ方法が提供される。

[0012] 長尺ワークの材質である Fe基合金は、パーライト析出終了温度 (Pf温度)に至るま での温度域では、歪が容易に除去される組織となっている。従って、加熱工程が終 了した後、長尺ワークの回転数を最大にして冷却し、歪が生じた場合には当該部位 を矯正ローラに接触させることにより、長尺ワークに生じた歪を効率的に除去すること が可能となる。矯正ローラへの長尺ワークの接触頻度が高くなるからである。

[0013] このため、本発明によれば、第 2冷却工程後の長尺ワークに歪が存在することがほ とんどない。従って、冷間歪除去加工を省略することが可能となり、必然的に、冷間 歪除去加工によって割れが発生したカゝ否かを確認するための磁気探傷検査を省略 することも可能となる。これらの工程を省略することにより、長尺ワークの生産効率が 向上する。

[0014] し力も、長尺ワークの全体にわたって金属組織が略均一となるので、諸特性も全体 にわたつて略均等となる。

[0015] 長尺ワークの回転数を最大とする第 1冷却工程は、長尺ワークが所定の温度域 (第

2温度域)となるまで続行される。具体的には、 Pf温度以下カゝらマルテンサイト析出開 始温度(Ms温度)超までの温度範囲であり、この中でも Ms温度直上が特に好適であ る。

[0016] なお、矯正ローラの回転数を変更する際、実際の回転数は、慣性のためになだらか に上昇又は下降する。従って、第 1冷却工程の開始直後では回転数の上昇途中で あり、第 2冷却工程の開始直後では回転数の下降途中である。

[0017] 矯正ローラの少なくとも 1つは、他の矯正ローラの回転に追従することなく回転自在 な、いわゆる自転フリーに設定することが好ましい。この場合、構成が簡素になるとと もに、仮に他の矯正ローラが何らかの原因によって拘束されたとしても歪矯正が可能 となるという利点がある。

[0018] 第 1冷却工程における冷却時間は、長尺ワークの寸法や質量、硬度に応じて設定 される。例えば、長尺ワークが円柱体形状である場合、直径が大きくなるほど冷却時 間を長く設定する。

[0019] なお、加熱工程時の回転数と第 2冷却工程時の回転数、すなわち、第 1の回転数と 第 3の回転数とは、等しく設定することができる。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]本実施の形態に係る高周波焼入れ方法を実施するための焼入れ処理装置の 側面図である。

[図 2]図 1の Π— II線断面図である。

[図 3]図 1の焼入れ処理装置の上方要部平面図である。

[図 4]S40CM材の CCT曲線である。

[図 5]高周波焼入れ方法の各工程における回転数を示すグラフである。

発明を実施するための最良の形態

[0021] 以下、本発明に係る高周波焼入れ方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の 図面を参照して詳細に説明する。

[0022] 本実施の形態に係る高周波焼入れ方法は、加熱工程と、第 1冷却工程と、第 2冷却 工程とに大別される。すなわち、長尺ワークは、加熱工程で加熱され、第 1冷却工程

、及びその後に連続して行われる第 2冷却工程で冷却される。

[0023] 図 1は、上記加熱工程、第 1冷却工程及び第 2冷却工程を行うための焼入れ処理 装置 10の側面図であり、図 2及び図 3は、それぞれ、図 1の II II線矢視断面図、上 方矢視要部平面図である。この焼入れ処理装置 10は、矯正機構 12と、クランプ機構 を構成する回転チャック 14a、 14bと、高周波加熱コイル 16と、図示しない移動冷却 ジャケットとを有する。

[0024] 矯正機構 12は、台座 18上に立設された第 1軸受 20a〜第 4軸受 20dを有し、第 1 軸受 20aと第 2軸受 20bで第 1回転軸 22aを軸支する一方、第 3軸受 20cと第 4軸受 2 Odで第 2回転軸 22bを軸支する。勿論、第 1回転軸 22a及び第 2回転軸 22bは、互 Vヽに独立して回転自在である。

[0025] 図 1に示すように、第 1回転軸 22aには第 1矯正ローラ 24a及び第 2矯正ローラ 24b が位置決め固定されており、第 2回転軸 22bには、第 1矯正ローラ 24a及び第 2矯正 ローラ 24bと干渉しない位置に第 3矯正ローラ 24c及び第 4矯正ローラ 24dが位置決 め固定されている。これら第 1矯正ローラ 24a〜第 4矯正ローラ 24dの側周壁は、長 尺ワーク LWの側周壁力所定距離で離間して、る。

[0026] クランプ機構を構成する回転チャック 14a、 14bは、長尺ワーク LWの各底面に対し て離間'接近可能、換言すれば、開閉可能である。これら回転チャック 14a、 14bは、 閉じた際に双方で長尺ワーク LWを両底面側力押止し、これにより該長尺ワーク L Wをクランプする。

[0027] また、これら回転チャック 14a、 14bは、図示しない回転制御モータの作用下に、回 転数を適宜設定して回転動作させることが可能である。なお、回転数は、前記回転 制御モータによる回転付勢力を設定することによって制御される。

[0028] 高周波加熱コイル 16は、長尺ワーク LWの略端部に位置するとともに該長尺ワーク LWの上半周部に沿って湾曲したアーチ部 26a、 26bと、これらアーチ部 26a、 26b の両端部同士を橋架するように設けられた直線部 28a、 28bを有する。また、アーチ 部 26a、 26bには、一端が図示しない昇降機構に支持されたアーム部 30a、 30bがそ れぞれ設けられており、これらアーム部 30a、 30bが前記昇降機構の作用下に昇降さ れることにより、高周波加熱コイル 16が長尺ワーク LWの上半周部を囲繞する位置ま で接近する一方、該上半周部から離間するように回動する。

[0029] ここで、長尺ワーク LWは、底面の直径寸法や、幅寸法及び奥行き寸法に比して高 さ方向(軸線方向)の寸法が等しいかそれ以上であれば特に限定されるものではなく 、好適な例としては、ドライブシャフトが挙げられる。

[0030] 本実施の形態に係る高周波焼入れ方法は、次のようにして実施される。

[0031] 先ず、回転チャック 14a、 14bを閉じることにより、ドライブシャフト等の長尺ワーク L Wを両底面側力クランプする。その後、前記昇降機構を付勢して高周波加熱コイル 16のアーム部 30a、 30bを降下させ、最終的に、図 2に示すように、高周波加熱コィ ル 16で長尺ワーク LWの上半周部を囲繞する。

[0032] そして、前記回転制御モータの作用下に回転チャック 14a、 14bを回転動作させ、 これにより長尺ワーク LWを回転動作させる。回転数は、例えば、 100〜200rpmとす ればよい。

[0033] この状態で、高周波加熱コイル 16に通電して加熱工程を開始し、電磁誘導加熱に よって長尺ワーク LWを 900〜950°C程度まで昇温する。すなわち、高周波焼入れ処 理の加熱工程を開始する。この電磁誘導加熱に伴い、 Fe基合金である長尺ワーク L Wの金属組織にオーステナイト変態が生じる。

[0034] 所定時間が経過した後、高周波加熱コイル 16への通電を停止し、加熱ジャケットを 回動して長尺ワーク LWから離間させる一方、回転チャック 14a、 14bの回転数を上 昇する。回転チャック 14a、 14bの最終的な回転数は、例えば、 240〜300rpmに設 定すればよい。

[0035] また、加熱ジャケットを長尺ワーク LWから離間させた直後、該長尺ワーク LWを移 動冷却ジャケットで囲繞する。

[0036] この移動冷却ジャケットは半円筒体形状であり、長尺ワーク LWの上半周部の一部 を長手方向に沿って囲繞するとともに、該長尺ワーク LWの長手方向に沿って変位

する。さらに、その内周壁には、長尺ワーク LWに対して冷却液を噴出する噴射器が 設置されている。

[0037] すなわち、長尺ワーク LWは、移動冷却ジャケットの内周壁力噴出される冷却液に よって冷却され、これに伴い第 1冷却工程が開始される。移動冷却ジャケットが長尺 ワーク LWの長手方向に沿って変位することによって、長尺ワーク LW全体が冷却さ れる。

[0038] この冷却過程で、長尺ワーク LW (Fe基合金)の金属組織力ゝらフェライトやパーライト が析出する。このパーライト析出が終了するパーライト析出終了温度 (Pf温度)に冷 却されるまでの間、フェライト及びパーライトの析出に伴って長尺ワーク LWの金属組 織が変化を起こすことに伴、、該長尺ワーク LWの一部が膨出して歪が発生すること がある。この場合、歪が生じた部位が第 1矯正ローラ 24a〜第 4矯正ローラ 24dのい ずれかに 0. 83〜5回 Z分の割合で接触し、これにより長尺ワーク LWの歪矯正がな される。勿論、この間、移動冷却ジャケットからの冷却液の噴出が継続される。

[0039] オーステナイト生成温度力 Pf温度に至るまでの温度域では、長尺ワーク LWは、 歪が容易に除去される組織を形成している。このため、第 1冷却工程において、長尺 ワーク LWの回転数を最大としながら第 1矯正ローラ 24a〜第 4矯正ローラ 24dに接 触させることにより、長尺ワーク LWの歪を効率的に除去することができる。

[0040] すなわち、本実施の形態においては、高周波加熱時の回転数を超える回転数で長 尺ワーク LWを回転させ、この状態で冷却を行うことで、第 1矯正ローラ 24a〜第 4矯 正ローラ 24dへの長尺ワーク LWの接触頻度を高くするようにしている。これにより、 長尺ワーク LWに対する歪矯正効果が向上する。

[0041] しかも、この場合、長尺ワーク LWの金属組織が全体にわたって略均一となるので、 諸特性の均等化を図ることもできる。

[0042] 回転チャック 14a、 14bの回転数の維持、ひいては第 1冷却工程は、長尺ワーク L Wの温度が、該長尺ワーク LWに大きな歪が発生することがほとんどな、所定の温度 域、具体的には、 Pf温度以下となるまで続行される。し力しながら、マルテンサイト析 出開始温度 (Ms温度)以下となるまで第 1冷却工程を行うと、マルテンサイトが析出 するため、いわゆる焼割れが起こる懸念がある。これを回避するべぐ第 1冷却工程

の最終温度は、 Ms温度よりも高温とする。

[0043] 要するに、第 1冷却工程が終了する際の長尺ワーク LWの温度域は、 Pf温度以下 力 Ms温度超までである。なお、最終温度を Ms温度の直上とすることが好ましい。こ の場合、長尺ワーク LWの寸法精度が向上するからである。

[0044] ここで、 Pf温度や Ms温度は、第 1冷却工程を行う前に予め、連続変態曲線 (CCT 曲線)によって求めておく。長尺ワーク LWの材質力例えば、 S40CMであれば、図

4に示す CCT曲線を参照すればよい。なお、図 4中の Fs、 Psは、それぞれ、フェライ トの析出が開始するフライト析出開始温度、パーライトの析出が開始するパーライト 析出開始温度を表す。

[0045] 第 1冷却工程での冷却時間が過度に短いと、長尺ワーク LWが熱を帯びたままであ るので、該長尺ワーク LWがいわゆる熱戻し状態となり、硬度が低下する。一方、過度 に長いと、処理効率の低下を招く。このため、第 1冷却工程での冷却時間は、長尺ヮ ーク LWの硬度が低下せず、且つ処理効率が低下しな、範囲内に設定される。

[0046] 冷却時間は、長尺ワーク LWの直径や質量、硬度に応じて適宜設定する。換言す れば、冷却時間は一義的に決定されるものではないが、例えば、長尺ワーク LWが S 40CM力もなる直径約 20cmの円柱体形状である場合、 10〜20秒に設定すればよ い。

[0047] 第 1冷却工程を終了した後、回転チャック 14a、 14b、ひいては長尺ワーク LWの回 転数を下降させながら、移動冷却ジャケットからの冷却液の噴出を継続して長尺ヮー ク LWの冷却を続行する(第 2冷却工程)。なお、冷却液の噴出を停止してもよいし、 第 1冷却工程よりも冷却液を低温にして噴出するようにしてもよい。

[0048] 第 2冷却工程での回転数は、例えば、加熱工程時の回転数と同等とすることができ る。すなわち、例えば、 lOOrpmで加熱工程を行った場合には lOOrpmに設定すれ ばよいし、 150rpmで加熱工程を行った場合には 150rpmに設定すればよい。好ま しくは、加熱工程時及び第 2冷却工程での回転数を 180rpmとする。これにより、マ ルテンサイト変態に伴って長尺ワーク LWが変形することを抑制することもできる。

[0049] 所定の時間が経過して冷却が終了することにより、高周波焼入れ処理の全工程が 終了する。以上における時間経過と上記各工程での回転数との関係を図 5に示す。 なお、図 5では、加熱工程時及び第 2冷却工程での回転数を 180rpmとし、第 1冷却 工程での回転数を 250rpmとした例を示して!/、る。

[0050] このようにして得られた長尺ワーク LWは歪がほとんどなぐ従って、歪を除去するた めの冷間歪除去加工を行う必要がない。必然的に、冷間歪除去加工によって長尺ヮ ーク LWに割れが発生しているカゝ否かを確認するための磁気探傷検査を行う必要も ない。このため、長尺ワーク LWの処理効率が向上し、結局、長尺ワーク LWの生産 効率が向上する。

[0051] なお、上記した実施の形態においては、 S40CM材の CCT曲線を参照するようにし ているが、長尺ワーク LWの材質に対応した CCT曲線を参照すれば、 S40CM以外 の材質においても、 Pf温度及び Ms温度等を決定することができる。すなわち、長尺 ワーク LWの材質は Fe基合金であればよぐ特に限定されるものではな!/、。

[0052] また、長尺ワーク LWは、底面が球形の円柱体形状のものに限定されるものではな ぐ底面が多角形の多角形柱体であってもよい。また、両底面が同形状である必要も 特にない。