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1. WO2020137416 - FINE PARTICLE DETECTION ELEMENT AND FINE PARTICLE DETECTOR

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明 細 書

発明の名称 微粒子検出素子及び微粒子検出器

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061  

産業上の利用可能性

0062  

符号の説明

0063  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 微粒子検出素子及び微粒子検出器

技術分野

[0001]
 本発明は、微粒子検出素子及び微粒子検出器に関する。

背景技術

[0002]
 従来、微粒子検出器としては、筐体内に導入された被測定ガス中の微粒子に電荷を付加し、電荷が付加された微粒子を捕集電極で捕集し、捕集された微粒子の電荷の量に基づいて微粒子の個数を測定するものが知られている。特許文献1は、こうした微粒子検出器として、ガス流路を複数の分岐流路に仕切る仕切り部を有し、捕集電極は複数の分岐流路の各々に配設されたものを開示している。こうすることにより、電荷が付加された微粒子を捕集電極でより捕集しやすくなると説明されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2018/163466号パンフレット

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、特許文献1では、仕切り部として平坦な板部材を用いているため、微粒子の捕集効率を十分高めることができなかった。
[0005]
 本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、ガス流路を複数の分岐流路に仕切る仕切り部を備えた微粒子検出素子において、捕集対象を捕集する効率を高めることを主目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の微粒子検出素子は、
 ガス中の微粒子を検出するために用いられる微粒子検出素子であって、
 前記ガスが通過するガス流路を有する筐体と、
 前記筐体内に導入された前記ガス中の微粒子に放電によって発生させた電荷を付加して帯電微粒子にする電荷発生部と、
 前記ガス流路を複数の分岐流路に仕切る非平坦形状の仕切り部と、
 前記仕切り部に設けられ、前記帯電微粒子と前記微粒子に付加されなかった前記電荷とのいずれかである捕集対象を捕集する捕集電極と、
 を備えたものである。
[0007]
 この微粒子検出素子では、電荷発生部が電荷を発生させることでガス中の微粒子を帯電微粒子にし、捕集電極が捕集対象(帯電微粒子と微粒子に付加されなかった電荷とのいずれか)を捕集する。捕集電極に捕集された捕集対象に応じて物理量が変化するため、この微粒子検出素子を用いることでガス中の微粒子を検出できる。また、ガス流路は捕集電極が設けられた非平坦形状の仕切り部によって複数の分岐流路に仕切られている。ここで、非平坦形状の仕切り部に設けられた捕集電極の表面積は、特許文献1のように平坦形状の仕切り部に設けられた捕集電極の表面積よりも大きい。そのため、本発明の微粒子検出素子によれば、従来に比べて捕集対象を捕集する効率を高めることができる。
[0008]
 本発明の微粒子検出素子において、前記仕切り部は、凹凸を有する板部材であってもよい。こうすれば、ガス中の捕集対象は凹凸に衝突するため捕集電極により捕集されやすくなる。
[0009]
 本発明の微粒子検出素子において、前記仕切り部は、へこみと膨らみとが交互に現れる形状の板部材であってもよい。こうすれば、ガス中の捕集対象は交互に現れるへこみと膨らみに複数回衝突するため捕集電極に一層捕集されやすくなる。
[0010]
 本発明の微粒子検出素子は、前記捕集電極に対向する位置に設けられ、前記捕集電極に向けて前記捕集対象を移動させる捕集用電界を発生させる電界発生電極を備えていてもよい。こうすれば、捕集用電界で捕集対象を捕集電極に向けて移動させるため、捕集電極で捕集対象をより捕集しやすくなる。この場合、前記捕集電極と前記電界発生電極とを1組の電極として、前記複数の分岐流路の各々に前記1組の電極が設けられていてもよい。こうすれば、捕集電極で捕集対象を更に捕集しやすくなる。
[0011]
 本発明の微粒子検出器は、上述したいずれかの態様の微粒子検出素子と、前記捕集電極に捕集された前記捕集対象に応じて変化する物理量に基づいて前記微粒子を検出する検出部と、を備えたものである。そのため、この微粒子検出器は、上述した本発明の微粒子検出素子と同様の効果、例えば従来に比べて捕集対象を捕集する効率を高めるという効果が得られる。この場合において、前記検出部は、前記物理量に基づいて、前記微粒子の量を検出してもよい。「微粒子の量」は、例えば微粒子の数,質量,表面積の少なくともいずれかであってもよい。この微粒子検出器において、前記捕集対象が前記微粒子に付加されなかった前記電荷である場合には、前記検出部は、前記物理量と、前記電荷発生部が発生させる電荷(例えば電荷の数又は電荷量)と、に基づいて、前記微粒子を検出してもよい。
[0012]
 なお、本明細書において、「電荷」とは、正電荷や負電荷のほかイオンを含むものとする。「微粒子の量を検出する」とは、微粒子の量を測定する場合のほか、微粒子の量が所定の数値範囲に入るか否か(例えば所定のしきい値を超えるか否か)を判定する場合も含むものとする。「物理量」とは、捕集対象の数(電荷量)に基づいて変化するパラメータであればよく、例えば電流などが挙げられる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 微粒子検出器10の説明図。
[図2] 微粒子検出素子20の斜視図。
[図3] 図2のA-A断面図。
[図4] 図2のB-B断面図。
[図5] 図2のC-C断面図。
[図6] 微粒子検出素子20の分解斜視図。

発明を実施するための形態

[0014]
 本発明の好適な実施形態について、図面を用いて説明する。図1は本実施形態の微粒子検出器10の説明図、図2は微粒子検出素子20の斜視図、図3は図2のA-A断面図、図4は図2のB-B断面図、図5は図2のC-C断面図、図6は微粒子検出素子20の分解斜視図である。なお、本実施形態において、上下方向,左右方向及び前後方向は、図1~図2に示した通りとする。
[0015]
 微粒子検出器10は、図1に示すように、エンジンの排気管12を流れる排ガスに含まれる微粒子26(図5参照)の数を検出するものである。この微粒子検出器10は、微粒子検出素子20と、各種電源36,56や個数検出部60を含む付属ユニット80とを備えている。
[0016]
 微粒子検出素子20は、図1に示すように、円柱状の支持体14に差し込まれた状態で、排気管12に固定されたリング状の台座16に取り付けられている。微粒子検出素子20は、保護カバー18によって保護されている。保護カバー18には図示しない穴が設けられており、この穴を介して排気管12を流通する排ガスが微粒子検出素子20の下端22aに設けられたガス流路24を通過する。微粒子検出素子20は、図5に示すように、筐体22に、電荷発生部30と、余剰電荷除去部40と、捕集部50と、ガード電極68,92(図3及び図4参照)と、ノイズ検出電極70と、ヒータ電極78とを備えたものである。
[0017]
 筐体22は、図1に示すように、排気管12の軸方向と交差する方向(ここでは略直交する方向)に長い長尺の直方体である。筐体22は、例えばアルミナなどのセラミック製である。筐体22の下端22aは排気管12の内部に配置され、上端22bは排気管12の外部に配置される。筐体22の下端22aには、ガス流路24が設けられている。筐体22の上端22bには、各種端子が設けられている。
[0018]
 ガス流路24の軸方向は、排気管12の軸方向と一致している。ガス流路24は、図2に示すように、筐体22の前方の面に設けられた矩形のガス導入口24aから、筐体22の後方の面に設けられた矩形のガス排出口24bまで連なる直方体形状の空間である。筐体22は、ガス流路24を構成する左方壁22cと右方壁22dを備えると共に、これらの壁22c,22dと平行な仕切り壁22eを備えている。仕切り壁22eは、ガス導入口24aよりもやや奥に入り込んだ位置からガス排出口24bに達する非平坦形状の壁であり、ガス流路24を第1分岐流路241と第2分岐流路242にほぼ等分している。仕切り壁22eは、図5に示すように、凹凸を有する板部材であり、具体的には上下方向及び前後方向をみたときにへこみと膨らみとが交互に現れる形状の板部材である。
[0019]
 電荷発生部30は、図3及び図5に示すように、ガス流路24内のガス導入口24aの近傍(ガス導入口24aから仕切り壁22eの前端面22e1までの間)に電荷が発生するように、左方壁22cに設けられている。電荷発生部30は、放電電極32と2つのグランド電極34,34とを有している。放電電極32は、左方壁22cの内面に沿って設けられ、図3に示すように、矩形の周囲に複数の微細突起を有している。2つのグランド電極34,34は、矩形電極であり、左方壁22cに間隔をあけて放電電極32と平行となるように埋設されている。電荷発生部30では、図5に示すように、放電電極32と2つのグランド電極34,34との間に放電用電源36(付属ユニット80の1つ)の数kVのパルス電圧が印加されることで、両電極間の電位差による気中放電が発生する。このとき、筐体22のうち放電電極32とグランド電極34,34との間の部分が誘電体層の役割を果たす。この気中放電によって、放電電極32の周囲に存在するガスがイオン化されて正の電荷28が発生する。放電電極32は、筐体22の上端22bの放電電極端子33(図2及び図6参照)に接続され、この端子33を介して放電用電源36に接続されている。また、2つのグランド電極34,34は、筐体22の上端22bのグランド電極端子35(図2及び図6参照)に接続され、この端子35を介して放電用電源36に接続されている。
[0020]
 ガスに含まれる微粒子26は、図5に示すように、ガス導入口24aからガス流路24内に入り、電荷発生部30を通過する際に電荷発生部30の気中放電によって発生した電荷28が付加されて帯電微粒子Pとなったあと、第1及び第2分岐流路241,242のいずれかに移動する。また、発生した電荷28のうち微粒子26に付加されなかったものは、余剰電荷として電荷28のまま第1及び第2分岐流路241,242のいずれかに移動する。
[0021]
 余剰電荷除去部40は、図5に示すように、電荷発生部30の下流で且つ捕集部50の上流に設けられている。余剰電荷除去部40は、除去電極44を有しているが、除去電極44に対向する位置に印加電極(除去電極44上に電界を発生させるための電極)を有していない。除去電極44は、仕切り壁22eの両面のそれぞれに設けられ、第1又は第2分岐流路241,242に露出している。除去電極44は、除去電極端子45(図2及び図6参照)を介してグランドに接続されている。図4に第1分岐流路241に露出している除去電極44を示す。
[0022]
 捕集部50は、図5に示すように、電荷発生部30及び余剰電荷除去部40よりも下流に設けられている。捕集部50は、帯電微粒子Pを捕集するものであり、対向電極(電界発生電極)52と捕集電極54とを有している。対向電極52は、左方壁22c及び右方壁22dのそれぞれに設けられ、第1又は第2分岐流路241,242に露出している。図3に第1分岐流路241に露出している対向電極52を示す。捕集電極54は、仕切り壁22eの両面のそれぞれに設けられ、第1又は第2分岐流路241,242に露出している。図4に第1分岐流路241に露出している捕集電極54を示す。対向電極52と捕集電極54とは、図5に示すように、互いに向かい合う位置に配設されている。対向電極52は、対向電極端子53(図2及び図6参照)を介して直流電圧V1(正電位、例えば2kV程度)が捕集用電源56によって印加される。捕集電極54は、捕集電極端子55(図2及び図6参照)を介して差動増幅回路62及び電流計64を経てグランドに接続されている。これにより、捕集部50の対向電極52と捕集電極54との間には、帯電微粒子Pを捕集電極54に向けて移動させる比較的強い電界が発生する。したがって、ガス流路24を流れる帯電微粒子Pは、この比較的強い電界によって捕集電極54に引き寄せられて捕集される。
[0023]
 なお、余剰電荷除去部40の除去電極44のサイズ、放電電極32と除去電極44との間の電界の強さ、捕集部50の各電極52,54のサイズ、両電極52,54の間に発生させる電界の強さ、除去電極44と放電電極32との距離、除去電極44と対向電極52との距離は、帯電微粒子Pが除去電極44に捕集されることなく捕集電極54に捕集されるように、また、微粒子26に付加しなかった電荷28が除去電極44によって除去されるように、設定されている。一般に、電荷28の電気移動度は、帯電微粒子Pの電気移動度の10倍以上であり、捕集するのに必要な電界は1桁以上小さくて済むので、このような設定が容易に可能となる。
[0024]
 ガード電極68は、対向電極52から筐体22を経て捕集電極54へ流れる漏れ電流を吸収する漏れ電流吸収電極である。ガード電極68は、仕切り壁22eの両面のそれぞれに設けられ、第1又は第2分岐流路241,242に露出している。図4に第1分岐流路241に露出しているガード電極68を示す。図4に示すように、ガード電極68は、捕集電極54を囲むように設けられ、ガード電極68の一部は除去電極44と共通化されている。ガード電極68は、除去電極44と共に除去電極端子45(図2及び図6参照)を介してグランドに接続されている。なお、図4では、便宜上、捕集電極54を四角形で表しガード電極68はその四角形を囲う形状として記載したが、実際には、捕集電極54の上部には図6に示すように端子接続用の引き出し部が設けられているため、ガード電極68の上部はこの引き出し部も囲う形状となっている。
[0025]
 ノイズ検出電極70は、捕集電極54の周囲のノイズを検出する電極である。ノイズ検出電極70は、仕切り壁22eの両面のそれぞれに設けられ、第1又は第2分岐流路241,242に露出している。図4に第1分岐流路241に露出しているノイズ検出電極70を示す。図4に示すように、ノイズ検出電極70は、ガード電極68によって囲まれた領域内(すなわちガード電極68の内側)であって捕集電極54の下流側に設けられている。
[0026]
 個数検出部60は、付属ユニット80の1つであり、図5に示すように、差動増幅回路62と電流計64と個数測定装置66とを備えている。差動増幅回路62は、+側の入力端子に捕集電極54が接続され、-側の入力端子にノイズ検出電極70が接続されている。電流計64は、一方の端子が差動増幅回路62の出力端子に接続され、もう一方の端子がグランドに接続されている。この電流計64は、捕集電極54に捕集された帯電微粒子Pの電荷28に基づく電流を測定する。個数測定装置66は、周知のCPUなどを備えたマイクロプロセッサからなり、電流計64の電流に基づいて微粒子26の個数を演算する。
[0027]
 ヒータ電極78は、筐体22に埋設された帯状の発熱体である。具体的には、ヒータ電極78は、筐体22の上端22bの一方のヒータ電極端子79から、筐体22の左方壁22cをジグザグに引き回されたあと、筐体22の上端22bの他方のヒータ電極端子79に戻るように配線されている。ヒータ電極78は、一対のヒータ電極端子79,79を介して図示しない給電装置に接続され、その給電装置によって通電されると発熱する。ヒータ電極78は、筐体22や除去電極44,捕集電極54などの各電極を加熱する。
[0028]
 ここで、微粒子検出素子20の構成について、図6の分解斜視図を用いて更に説明する。微粒子検出素子20は、8枚のシートS1~S8で構成されている。各シートS1~S8は、筐体22と同じ材料で形成されている。説明の便宜上、左から右に向かって第1シートS1、第2シートS2、…と称し、各シートS1~S8における右側の面を表面、左側の面を裏面と称する。各シートS1~S8の厚みは適宜設定すればよく、例えばすべて同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
[0029]
 第1シートS1の表面には、ヒータ電極78が設けられている。ヒータ電極78の一端及び他端は、第1シートS1の表面の上方に配置されており、第1シートS1のスルーホールを介して第1シートS1の裏面の上方に設けられたヒータ電極端子79,79にそれぞれ接続されている。
[0030]
 第2シートS2の表面には、グランド電極34,34が設けられている。グランド電極34,34は1本の配線34aにまとめられている。その配線34aの端部は、第2シートS2の表面の上方に配置されており、第2シートS2及び第1シートS1のスルーホールを介して第1シートS1の裏面の上方に設けられたグランド電極端子35に接続されている。第2シートS2の表面には、除去電極44の配線44aと捕集電極54の配線54aとノイズ検出電極70の配線70aとが上下方向に沿ってそれぞれ設けられている。各配線44a,54a,70aの上端は、第2シートS2及び第1シートS1のスルーホールを介して第1シートS1の裏面の上方に設けられた除去電極端子45、捕集電極端子55及びノイズ検出電極端子71にそれぞれ接続されている。
[0031]
 第3シートS3の表面には、放電電極32及び対向電極52が設けられている。
[0032]
 第4シートS4の下端側には、ガス流路24(主に第1分岐流路241)になる直方体形状の空間が設けられている。
[0033]
 第5シートS5は、仕切り壁22eになる部材であり、下方前端には矩形の切欠が設けられている。この切欠のうち上下方向に延びる部分が仕切り壁22eの前端面22e1になる。第5シートS5の表裏両面には、それぞれ除去電極44、捕集電極54、ノイズ検出電極70及びガード電極68が設けられている。図6に第5シートS5の表面に設けられた各電極44,54,70,68を示す。なお、第5シートS5の裏面に設けられた各電極44,54,70,68は、第5シートS5を対称面として面対称になるように配置されている。第5シートS5の表裏両面に設けられた除去電極44(ガード電極68と一体化されている)は、第3~第5シートS3~S5の各スルーホールを介して第2シートS2の配線44aに接続され、この配線44aを介して除去電極端子45に接続されている。第5シートS5の表裏両面に設けられた捕集電極54は、第3~第5シートS3~S5の各スルーホールを介して第2シートS2の配線54aに接続され、この配線54aを介して捕集電極端子55に接続されている。第5シートS5の表裏両面に設けられたノイズ検出電極70は、第3~第5シートS3~S5の各スルーホールを介して第2シートS2の配線70aに接続され、この配線70aを介してノイズ検出電極端子71に接続されている。
[0034]
 第6シートS6の下端側には、ガス流路24(主に第2分岐流路242)になる直方体形状の空間が設けられている。
[0035]
 第7シートS7の裏面には、対向電極52が設けられている。
[0036]
 第8シートS8の裏面には、放電電極32の配線32aと対向電極52の配線52aとが上下方向に沿ってそれぞれ設けられている。配線32aの下端は、第4~第7シートS4~S7の各スルーホールを介して第3シートS3に設けられた放電電極32に接続されている。配線52aの下端は、第4~第7シートS4~S7の各スルーホールを介して第3及び第7シートS3,S7に設けられた対向電極52に接続されている。各配線32a,52aの上端は、第8シートS8のスルーホールを介して第8シートS8の表面の上方に設けられた放電電極端子33及び対向電極端子53にそれぞれ接続されている。
[0037]
 次に、微粒子検出器10の製造例について説明する。微粒子検出素子20は、複数枚のセラミックグリーンシートを用いて作製することができる。具体的には、複数枚のセラミックグリーンシートの各々について、必要に応じて切欠や貫通孔や溝を設けたり電極や配線パターンをスクリーン印刷したりした後、それらを積層して焼成する。なお、切欠や貫通孔や溝については、焼成時に焼失するような材料(例えば有機材料)で充填しておいてもよい。こうして、微粒子検出素子20を得る。なお、仕切り壁22eを作製するにあたっては、グリーンシートの組成や焼成時の収縮率、捕集電極ペーストの組成や焼成時の収縮率、焼成条件などを調整することで非平坦形状を制御する。続いて、微粒子検出素子20の放電電極端子33及び対向電極端子53をそれぞれ付属ユニットの放電用電源36及び捕集用電源56に接続する。また、微粒子検出素子20のグランド電極端子35及び除去電極端子45をグランドに接続する。更に、捕集電極端子55及びノイズ検出電極端子71を差動増幅回路62の+側及び-側の入力端子にそれぞれ接続し、差動増幅回路62の出力端子を電流計64を介して個数測定装置66に接続する。そして、ヒータ電極端子79,79を図示しない給電装置に接続する。こうすることにより、微粒子検出器10を製造することができる。
[0038]
 次に、微粒子検出器10の使用例について説明する。自動車の排ガスに含まれる微粒子26を計測する場合、上述したようにエンジンの排気管12に微粒子検出素子20を取り付ける(図1参照)。図5に示すように、ガス導入口24aからガス流路24内に導入された排ガスに含まれる微粒子26は、電荷発生部30の放電によって発生した電荷28(ここでは正電荷)を帯びて帯電微粒子Pになる。帯電微粒子Pは、電界(除去電極44とその周囲に配置された電圧印加電極(放電電極32や対向電極52)との間に発生する電界)が弱く除去電極44の長さが捕集電極54よりも短い余剰電荷除去部40をそのまま通過して、捕集部50に至る。一方、微粒子26に付加されなかった電荷28は、電界が弱くても余剰電荷除去部40の除去電極44に引き寄せられ、除去電極44を介してグランドに捨てられる。これにより、微粒子26に付加されなかった不要な電荷28は捕集部50にほとんど到達することがない。
[0039]
 捕集部50に到達した帯電微粒子Pは、対向電極52によって発生した捕集用電界によって捕集電極54に捕集される。捕集電極54には、捕集された帯電微粒子Pの電荷28に基づく電流に捕集電極54の周囲のノイズに基づく電流が加算された電流が流れる。捕集電極54の周囲のノイズには、例えば電荷発生部30によるノイズやETCなどの車載機器によるノイズなどが含まれる。ノイズ検出電極70には、捕集電極54の周囲のノイズに基づく電流が流れる。帯電微粒子Pはノイズ検出電極70の上流側に設けられた捕集電極54によって捕集されるため、ノイズ検出電極70には帯電微粒子Pに基づく電流は流れない。差動増幅回路62の+側の入力端子には、捕集電極54に流れる電流が入力され、-側の入力端子には、ノイズ検出電極70に流れる電流が入力される。差動増幅回路62の出力端子からは、捕集電極54に流れる電流からノイズ検出電極70に流れる電流を減算したあと増幅された信号が電流計64へ出力される。そのため、電流計64には、捕集電極54に捕集された帯電微粒子Pの電荷28に基づく電流(ノイズ成分を含まない電流)が流れる。そして、その電流が電流計64で測定され、その電流に基づいて個数測定装置66が微粒子26の個数を演算する。電流Iと電荷量qの関係は、I=dq/(dt)、q=∫Idtである。個数測定装置66は、所定期間にわたって電流値を積分(累算)してその積分値(蓄積電荷量)を求め、蓄積電荷量を素電荷で除算して電荷の総数(捕集電荷数)を求め、その捕集電荷数を1つの微粒子26に付加する電荷の数の平均値(平均帯電数)で除算することで、捕集電極54に捕集された微粒子26の個数Ntを求める(下記式(1)参照)。個数測定装置66は、この個数Ntを排ガス中の微粒子26の数として検出する。
 Nt=(蓄積電荷量)/{(素電荷)×(平均帯電数)} …(1)
[0040]
 微粒子検出素子20の使用に伴い、微粒子26等が捕集電極54に数多く堆積すると、新たに帯電微粒子Pが捕集電極54に捕集されないことがある。そのため、定期的にあるいは堆積量が所定量に達したタイミングで、捕集電極54をヒータ電極78によって加熱することにより、捕集電極54上の堆積物を加熱して焼却し捕集電極54の電極面をリフレッシュする。また、ヒータ電極78により、筐体22の内周面に付着した微粒子26を焼却することもできる。
[0041]
 次に、ガード電極68の役割について説明する。微粒子検出器10では、個数Ntを検出する際に、捕集部50の対向電極52と捕集電極54との間に電圧V1を印加する。電圧V1は数kVであるため、通常は電気絶縁体と考えられているアルミナ等のセラミックからなる筐体22であっても数10~数100pAの漏れ電流が対向電極52及び捕集電極54の一方から筐体22を経て他方へ流れる。一方、個数Ntを検出する際に電流計64で測定される検出電流は数pAである。そのため、漏れ電流は検出電流に影響を与える。本実施形態では、こうした漏れ電流をガード電極68が吸収してグランドに捨てる。捕集電極54はガード電極68によって囲まれている。また、ノイズ検出電極70もガード電極68によって囲まれている。そのため、捕集電極54に流れる電流やノイズ検出電極70に流れる電流に漏れ電流が影響するのを抑制することができる。
[0042]
 以上説明した微粒子検出素子20では、ガス流路24は捕集電極54が設けられた非平坦形状の仕切り壁22e部によって第1及び第2分岐流路241,242に仕切られている。ここで、非平坦形状の仕切り壁22eに設けられた捕集電極54の表面積は、特許文献1のように平坦形状の仕切り壁(仕切り壁22eと縦横サイズが同じ)に設けられた捕集電極の表面積よりも大きい。そのため、従来に比べて捕集対象である帯電微粒子Pを捕集する効率を高めることができる。
[0043]
 また、ガス中の帯電微粒子Pは仕切り壁22eの凹凸に衝突するため捕集電極54により捕集されやすくなる。特に、仕切り壁22eはへこみと膨らみが交互に現れる形状であるため、帯電微粒子Pは衝突回数が複数回になる。そのため、捕集電極54に一層捕集されやすくなる。
[0044]
 更に、対向電極52と捕集電極54との間に発生する電界で帯電微粒子Pを捕集電極54に向けて移動させるため、捕集電極54で帯電微粒子Pをより捕集しやすくなる。上述した実施形態では、対向電極52と捕集電極54とを1組の電極として、第1及び第2分岐流路241,242の各々に1組の電極が設けられているため、捕集電極54で帯電微粒子Pを更に捕集しやすくなる。
[0045]
 更にまた、個数測定装置66は捕集電極54からの微粒子検出信号(電流)からノイズ検出電極70からのノイズ信号(電流)を減算したあと増幅された信号(補正済み信号)に基づいて微粒子の数を演算する。補正済み信号はノイズの影響をほとんど受けていない信号であるため、その補正済み信号に基づいて微粒子の数を演算することにより、微粒子の数の検出精度が高まる。
[0046]
 そしてまた、漏れ電流はガード電極68によって吸収されるため、捕集電極54からの微粒子検出信号に漏れ電流が加わることが防止される。また、ノイズ検出電極70もガード電極68の内側に設けられているため、ノイズ検出電極70からのノイズ信号に漏れ電流が加わることが防止される。したがって、漏れ電流の影響による検出精度の低下を防止することができ、微粒子の数の検出精度を高めることができる。
[0047]
 そして更に、余剰電荷は除去電極44によって除去されるため、余剰電荷が捕集電極54に捕集されて微粒子の数にカウントされてしまうのを抑制することができる。
[0048]
 そして更にまた、ガード電極68は、除去電極44と共通化されているため、電極の構成を簡略化することができる。
[0049]
 加えて、除去電極44は、除去電極44上に電界を発生させる独自の電源を有さず、除去電極44とその周囲に配置された電圧印加電極(放電電極32や対向電極52)との間に発生する電界を利用して余剰の電荷28をグランドに除去する。そのため、除去電極44に電界を発生させる独自の電源を有する場合と比べて微粒子検出器10の構成を簡略化することができる。
[0050]
 なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
[0051]
 例えば、上述した実施形態では、捕集対象を帯電微粒子Pとして微粒子の数を求めたが、捕集対象を余剰電荷として微粒子の数を求めてもよい。例えば、上述した実施形態において、除去電極44を省略し、捕集用電源56が対向電極52に印加する電圧を電圧V1よりも低く設定し、余剰電荷が捕集電極54に捕集され、帯電微粒子Pが捕集電極54に捕集されずにガス排出口24bから排出されるようにしてもよい。その場合、まず、電荷発生部30で発生する電荷28の総数を測定しておき、その後、微粒子26を含むガスをガス流路24に流したときに捕集電極54に流れる電流から余剰電荷の数を測定し、電荷28の総数から余剰電荷の数を引くことにより微粒子の数を求める。このようにしても、非平坦形状の仕切り壁22eに設けられた捕集電極54の表面積は、特許文献1のように平坦形状の仕切り壁(仕切り壁22eと縦横サイズが同じ)に設けられた捕集電極の表面積よりも大きいため、従来に比べて捕集対象である余剰電荷を捕集する効率を高めることができる。
[0052]
 上述した実施形態では、ガス流路24を仕切り壁22eで第1及び第2分岐流路241,242に仕切ったが、ガス流路24を2枚以上の仕切り壁で3つ以上の分岐流路に仕切ってもよい。その場合も、仕切り壁を上述した実施形態の仕切り壁22eと同様に非平坦形状にすれば、従来に比べて捕集対象を捕集する効率を高めることができる。
[0053]
 上述した実施形態では、ガード電極68と除去電極44とを共通化したが、フレーム状のガード電極68と矩形の除去電極44とを前後に分離して設けてもよい。この場合、両電極68,44を共通の配線を介してグランドに接続してもよいし、個別の配線を介してグランドに接続してもよい。
[0054]
 上述した実施形態では、ガード電極68を設けたが、筐体22の電気絶縁性が高くてガード電極68がなくても漏れ電流が実質ゼロの場合には、ガード電極68を省略してもよい。
[0055]
 上述した実施形態では、余剰電荷除去部40は除去電極44上に電界を発生させるための印加電極やその印加電極に電圧を印加する独自の除去用電源を有さないものとして説明したが、図5において除去電極44に対向する位置(左側の左方壁22c)に印加電極を設け、その印加電極に電圧を印加する除去用電源を設けてもよい。その場合、除去電極44に印加する電圧は余剰の電荷28を捕集するが帯電微粒子Pを捕集しないように調整する。
[0056]
 上述した実施形態では、筐体22の左方壁22cに電荷発生部30を設けたが、それに代えて又は加えて、右方壁22dに電荷発生部を設けてもよい。
[0057]
 上述した実施形態では、対向電極52はガス流路24に露出していたが、これに限らず筐体22に埋設されていてもよい。
[0058]
 上述した実施形態では、微粒子検出器10をエンジンの排気管12に取り付ける場合を例示したが、特にエンジンの排気管12に限定されるものではなく、微粒子を含むガスが流通する管であればどのような管であってもよい。
[0059]
 上述した実施形態では、微粒子検出素子20は微粒子の数を検出するものとしたが、微粒子の質量や表面積などを検出するものとしてもよい。微粒子の質量は、例えば、微粒子の数に微粒子の平均質量を乗じることにより求めることができるし、予め蓄積電荷量と捕集された微粒子の質量との関係をマップとして記憶装置に記憶しておき、このマップを用いて蓄積電荷量から微粒子の質量を求めることもできる。微粒子の表面積についても、微粒子の質量と同様の方法で求めることができる。
[0060]
 上述した実施形態において、差動増幅回路62の-側の入力端子とノイズ検出電極70との間に増幅率調整部を設け、捕集電極54で検出されるノイズ信号とノイズ検出電極70で検出されるノイズ信号とが一致するように増幅率調整部の増幅率を設定してもよい。こうすれば、各電極54,70のノイズ発生源(例えば放電電極32)からの距離の違いや電極面積の違いによって捕集電極54に乗るノイズ信号とノイズ検出電極70に乗るノイズ信号の大きさが異なることがあったとしても、増幅率調整部の増幅率によってそれらの影響をキャンセルすることができる。
[0061]
本出願は、2018年12月27日に出願された日本国特許出願第2018-244455号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。

産業上の利用可能性

[0062]
本発明は、ガス中に含まれる微粒子を検出する微粒子検出器に利用可能である。

符号の説明

[0063]
10 微粒子検出器、12 排気管、14 支持体、16 台座、18 保護カバー、20 微粒子検出素子、22 筐体、22a 下端、22b 上端、22c 左方壁、22d 右方壁、22e 仕切り壁、22e1 前端面、24 ガス流路、24a ガス導入口、24b ガス排出口、26 微粒子、28 電荷、30 電荷発生部、32 放電電極、32a 配線、33 放電電極端子、34 グランド電極、34a 配線、35 グランド電極端子、36 放電用電源、40 余剰電荷除去部、44 除去電極、44a 配線、45 除去電極端子、50 捕集部、52 対向電極、52a 配線、53 対向電極端子、54 捕集電極、54a 配線、55 捕集電極端子、56 捕集用電源、60 個数検出部、62 差動増幅回路、64 電流計、66 個数測定装置、68 ガード電極、70 ノイズ検出電極、70a 配線、71 ノイズ検出電極端子、78 ヒータ電極、79 ヒータ電極端子、80 付属ユニット、P 帯電微粒子、S1~S8 第1~第8シート。

請求の範囲

[請求項1]
 ガス中の微粒子を検出するために用いられる微粒子検出素子であって、
 前記ガスが通過するガス流路を有する筐体と、
 前記筐体内に導入された前記ガス中の微粒子に放電によって発生させた電荷を付加して帯電微粒子にする電荷発生部と、
 前記ガス流路を複数の分岐流路に仕切る非平坦形状の仕切り部と、
 前記仕切り部に設けられ、前記帯電微粒子と前記微粒子に付加されなかった前記電荷とのいずれかである捕集対象を捕集する捕集電極と、
 を備えた微粒子検出素子。
[請求項2]
 前記仕切り部は、凹凸を有する板部材である、
 請求項1に記載の微粒子検出素子。
[請求項3]
 前記仕切り部は、へこみと膨らみとが交互に現れる形状の板部材である、
 請求項1又は2に記載の微粒子検出素子。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれか1項に記載の微粒子検出素子であって、
 前記捕集電極に対向する位置に設けられ、前記捕集電極に向けて前記捕集対象を移動させる捕集用電界を発生させる電界発生電極
 を備えた微粒子検出素子。
[請求項5]
 前記捕集電極と前記電界発生電極とを1組の電極として、前記複数の分岐流路の各々に前記1組の電極が設けられている、
 請求項4に記載の微粒子検出素子。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれか1項に記載の微粒子検出素子と、
 前記捕集電極に捕集された前記捕集対象に応じて変化する物理量に基づいて前記微粒子を検出する検出部と、
 を備えた微粒子検出器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]