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1. WO2020137884 - PROJECTION OPTICAL SYSTEM AND PROJECTOR

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明 細 書

発明の名称 投射光学系およびプロジェクタ

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の開示

0003   0004   0005   0006   0007  

図面の簡単な説明

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

明 細 書

発明の名称 : 投射光学系およびプロジェクタ

技術分野

[0001]
 本発明は、プロジェクタの投射光学系に関するものである。

背景技術

[0002]
 特開2012-108267号公報には、超短焦点画像投射装置用の投射光学系であって、画像表示素子により形成された画像を変倍して第1中間像を結像する第1光学系と、第1中間像を拡大して第2中間像を結像する第2光学系と、第2中間像を結像した光を反射する凹面鏡とを有し、画像表示素子の中心位置における法線が第1光学系の光軸と一致し、第1光学系の光軸が第2光学系の光軸に対して第1光学系の光軸と垂直な方向に平行移動していることを特徴とする投射光学系が開示されている。

発明の開示

[0003]
 広角で、さらに高画質の画像を投影できる投射光学系が要望されている。
[0004]
 本発明の態様の1つは、縮小側の第1の画像を拡大側へ投射する投射光学系であって、拡大側に中間像を結像する第1の光学系と、第1の光学系の拡大側に配置された反射面を含む第2の光学系とを含む投射光学系である。第1の光学系は、複数のレンズを含み、縮小側から入射した光により当該第1の光学系の内部に結像される第1の中間像を当該第1の光学系よりも拡大側に第2の中間像として結像する。第2の光学系は、第2の中間像よりも拡大側に位置する正の屈折力の第1の反射面を含む。さらに、第1の光学系は、第1の中間像を結像する第1の屈折光学系であって、第1の画像の中心光に対し、第1の方向にシフトした第1の光軸を含む第1の屈折光学系と、第2の中間像を結像する第2の屈折光学系であって、第1の光軸に対し、さらに第1の方向にシフトした第2の光軸を含む第2の屈折光学系とを含む。
[0005]
 第1の光学系の第1の光軸が第1の画像の中心光に対し第1の方向にシフトし、第2の屈折光学系の第2の光軸が第1の光軸に対し、さらに第1の方向にシフトしていることは、第1の屈折光学系の第1の光軸を中心とすると、第2の光軸が第1の画像の中心光に対して逆方向にシフトしていることを意味する。第1の中間像から第2の中間像を形成する第2の屈折光学系の第2の光軸を、第1の屈折光学系の第1の光軸に対し、第1の画像の中心光と逆方向にシフトさせることにより、拡大側の第2の屈折光学系へ入射する光線の面積を大きく確保できる。このため、拡大側の第2の屈折光学系の縮小側に配置されるレンズ面を有効に活用でき、より収差補正能力が高く、広角でより高画質の画像を投影できる投射光学系を提供できる。
[0006]
 さらに、縮小側の第1の屈折光学系の第1の光軸に対し、画像表示素子に形成される第1の画像とは逆側に拡大側の第2の屈折光学系の第2の光軸をシフトすることで、縮小側の第1の屈折光学系から第2の屈折光学系への光線(光束)を、第2の光軸側へ戻すように屈折させる必要性が抑制される。このため、光線を強く曲げることで発生してしまう収差を低減できる。したがって、第1の光学系内における意図しない、あるいは余分な収差の発生を抑制でき、より高画質の画像の投影に適した投射光学系を提供できる。
[0007]
 本発明の異なる態様の1つは、上記の投射光学系と、第1の画像を形成する画像表示素子とを有するプロジェクタである。プロジェクタは、画像表示素子を照明する照明光学系を含んでいてもよい。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] プロジェクタおよび投射光学系の構成の一例を示す図。
[図2] レンズデータを示す図。
[図3] 非球面データを示す図。
[図4] ズーミングで移動する各群の前後の間隔を示す図。
[図5] フォーカシングで移動する各群の前後の間隔を示す図。
[図6] 広角端(ワイド)、標準状態(ノーマル)および望遠端(テレ)における歪曲収差を示す図。
[図7] 広角端(ワイド)の各像高における横収差図。
[図8] 標準状態(ノーマル)の各像高における横収差図。
[図9] 望遠端(テレ)の各像高における横収差図。
[図10] 異なるプロジェクタおよび投射光学系の構成の一例を示す図。
[図11] 図10に示す投射光学系のレンズデータを示す図。
[図12] 非球面データを示す図。
[図13] ズーミングで移動する各群の前後の間隔を示す図。
[図14] フォーカシングで移動する各群の前後の間隔を示す図。
[図15] 広角端(ワイド)、標準状態(ノーマル)および望遠端(テレ)における歪曲収差を示す図。
[図16] 広角端(ワイド)の各像高における横収差図。
[図17] 標準状態(ノーマル)の各像高における横収差図。
[図18] 望遠端(テレ)の各像高における横収差図。

発明の実施の形態

[0009]
 図1に、プロジェクタの一例を示している。プロジェクタ1は、縮小側2に配置された画像表示素子(ライトバルブ)5と、ライトバルブ5の像面(第1の像面)5aの像(第1の画像)IM0を拡大側3のスクリーンまたは壁面(第2の像面)6へ投射する投射光学系10を含む。ライトバルブ5は、LCD、デジタルミラーデバイス(DMD)あるいは有機ELなどの画像を形成できるものであればよく、単板式であっても、各色の画像をそれぞれ形成する方式であってもよい。ライトバルブ5は発光タイプであってもよく、照明タイプであってもよい。照明タイプの場合は、プロジェクタ1はさらに照明光学系(不図示)を含む。スクリーン6は、壁面やホワイトボードなどであってもよく、プロジェクタ1はフロントプロジェクタであっても、スクリーンを含むリアプロジェクタであってもよい。
[0010]
 投射光学系10は、複数のレンズを含む第1の光学系11と、正の屈折力の第1の反射面13を含む第2の光学系12とを含む。第2の光学系12の反射面13は、第1の光学系11から出力された光を反射して投影光9としてスクリーン6に投射する。第1の光学系11は、縮小側2から入射した光により第1の光学系11の内部に結像される第1の中間像(レンズ内中間像)IM1を第1の光学系11よりも拡大側3に第2の中間像(レンズ外中間像)IM2として結像する屈折光学系(レンズシステム)である。
[0011]
 第1の光学系11は、縮小側(入力側)2に配置された、全体として正のパワーの縮小側のレンズ群(第1の屈折光学系)15と、縮小側のレンズ群15の拡大側(出力側)3に配置された、全体として正のパワーの拡大側のレンズ群(第2の屈折光学系)16とを含む。したがって、第1の光学系11は全体として正のパワーで、第1の中間像IM1を形成する正のパワーの第1の屈折光学系15と、第1の中間像IM1から第2の中間像IM2を形成する正のパワーの第2の屈折光学系16とを含む。
[0012]
 第1の屈折光学系15は、第1の中間像IM1を結像する屈折光学系であって、第1の画像IM0の中心光20に対し、第1の方向31にシフトした第1の光軸21を含む。第2の中間像IM2を結像する第2の屈折光学系16は、第1の光軸21に対し、さらに第1の方向31にシフトした第2の光軸22を含む。第1の画像の中心光20は、典型的には画像表示素子であるライトバルブ5の中心からライトバルブ5に垂直な方向に出力される光の方向である。さらに、画像表示素子であるライトバルブ5の有効表示領域5aの全体、本例においてはライトバルブ5の全体が、第1の光軸21に対し第1の方向31と逆方向(第2の方向)32にシフトし、ライトバルブ5が第1の光軸21と交差しないように配置されている。したがって、ライトバルブ5に形成される第1の画像IM0は、第1の光軸21の第2の方向32に形成され、第1の画像IM0を投影するための有効な光は全て、第1の光軸21に対し第2の方向32から出力される。
[0013]
 本例の投射光学系10において、第1の画像IM0の中心光20に対して、第1の光軸21が投影光9の出射される方向(第1の方向)31にシフトし、さらに、第2の光軸22が第1の光軸に対して同じ方向31にシフトしている。なお、投影光9の出射方向は、第1の反射面13の出射側または第2の屈折光学系16と第1の反射面13との間にプリズム、ミラーなどの適当な光学系により実現される反射面により変化する。したがって、光軸21および22がシフトしている方向31は、中心光20に対して同一方向であればよく、投影光9の出射方向と一致しなくてもよい。また、この中心光20、光軸21および22のレイアウトは、例えば、第1の屈折光学系15の第1の光軸21に対して、第1の画像IM0の中心光20がシフトしている方向32と、第2の屈折光学系16の第2の光軸22のシフトしている方向31が異なる(逆である)と定義してもよい。
[0014]
 中心光20に対する第1の光軸21のシフト方向31と、第1の光軸21に対する第2の光軸22のシフト方向31とは、第1の光軸21に対して直交する(垂直な)方向であれば、全く同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、第1の光軸21を含む第1の平面に対して、中心光20に対するシフト方向31と、第2の光軸22のシフト方向が垂直であってもよく、共通の第1の平面に対してシフトする方向の角度が異なっていてもよい。典型的には、共通する第1の平面に対して、両軸21および22のシフト方向31は共通した角度を有し、シフト方向31は典型的には共通する第1の平面に対し垂直方向である。
[0015]
 第1の中間像IM1から第2の中間像IM2を形成する第2の屈折光学系16の第2の光軸22を、第1の屈折光学系15の第1の光軸21に対し、第1の画像IM0の中心光20と逆方向にシフトさせることにより、拡大側3の第2の屈折光学系16へ入射する光線の面積を大きく確保できる。このため、拡大側3の第2の屈折光学系16の縮小側2に配置されるレンズ面、本例ではレンズL10の縮小側2の面を有効に活用できる。したがって、より収差補正能力が高く、広角でより高画質の画像を投影できる投射光学系10を提供できる。さらに、第1の中間像IM1を形成する光線を強制的に広げなくてよいので、第1の屈折光学系15の拡大側3のレンズの有効径が大きくなるのを抑制でき、第1の屈折光学系15をコンパクトに構成できる。
[0016]
 さらに、縮小側2の第1の屈折光学系15の第1の光軸21に対し、画像表示素子5に形成される第1の画像IM0の方向32とは逆側の第1の方向31に拡大側3の第2の屈折光学系16の第2の光軸22をシフトすることで、縮小側2の第1の屈折光学系15から第2の屈折光学系16への光線(光束)を、第2の光軸22の側へ戻すように屈折させる必要性が抑制される。このため、光線を強く曲げることで発生してしまう収差を低減できる。したがって、第1の光学系11における意図しない、あるいは余分な収差の発生を抑制でき、より高画質の画像の投影に適した投射光学系10を提供できる。
[0017]
 第1の方向31へのシフトを正としたとき、第1の画像の中心光20に対する第1の光軸21のシフト量Sf1と、第1の光軸21に対する第2の光軸22のシフト量Sf2とが以下の条件(1)を満たしてもよい。
0<Sf2/Sf1<0.2・・・(1)
第1の光軸21に対する第2の光軸22のシフト量Sf2が条件(1)の上限を超えると、第2の屈折光学系16において、第2の光軸22を挟んで第1の中間像IM1から第2の中間像IM2を結像するための光線の傾きが大きくなりすぎて、第2の屈折光学系16において良好な収差補正が得られにくくなる。条件(1)の上限は0.1であってもよい。
[0018]
 第1の光軸のシフト量Sf1と、第1の屈折光学系15の最も縮小側2のレンズL1の縮小側2の面S1の有効半径r1とが以下の条件(2)を満たしてもよい。
0.1<Sf1/r1<0.5・・・(2)
条件(2)の下限を下回ると、光軸をシフトした効果が得られにくくなる。上限を超えると、縮小側2から第1の屈折光学系15に入射する光線が限られる要因となり、明るく鮮明な像を投影しにくくなる。条件(2)の下限は0.2であってもよい。
[0019]
 第1の屈折光学系15は、第1の光軸21の第1の方向31に第1の中間像IM1を形成(結像)してもよい。第1の屈折光学系15は、第2の光軸22の第1の方向に第1の中間像IM1を形成してもよい。第2の屈折光学系16の最も縮小側2の面を有効活用するためには、第1の中間像IM1は第2の光軸22と重複するように形成されるか、または第2の光軸22から離れすぎない範囲に形成されることが望ましい。第1の屈折光学系15により形成される第1の中間像IM1からの発散光が第2の屈折光学系の最も縮小側2のレンズL10の縮小側2の面に入射する際に、全発散光の内の半分よりも多い光線がレンズL10の縮小側2の面の中の第2の光軸22を挟んだ他方側へ入射するようにしてもよい。
[0020]
 第2の屈折光学系16は、第2の光軸22に対し、第1の方向31と反対側の第2の方向32に第2の中間像IM2を結像し、第1の反射面13は、第2の光軸22に対し、第1の方向31へ投影用の光9を投射してもよい。本例の投射光学系10は、第2の光軸22に対して、第2の光軸22が第1の光軸21に対してシフトしている方向31と反対側に形成される第2の中間像IM2を第1の反射面13により投影する。このため、第1の反射面13は、第2の光軸22に対し、第1の方向31と反対側の第2の方向32に配置されている。正のパワーのミラー(第1の反射面)13は、第2の中間像IM2をスクリーン6に拡大投影する。
[0021]
 この投射光学系10の配置は、投影光9が投射される方向31に第2の光軸22を備えた第2の屈折光学系16が配置され、その他の光学系は、ライトバルブ5および照明光学系を含めて第2の光軸22に対して反対方向32に配置される。したがって、投影側の方向31に対し反対の方向32に、プロジェクタ1を構成するための主たる光学系を配置することが可能となり、反射面13で反射出力される投影光9の投影方向との干渉がなく、コンパクトなプロジェクタ1を提供できる。
[0022]
 本例において、第1の反射面13を含む第2の光学系12は、その光軸(第3の光軸)23が、第2の屈折光学系16の第2の光軸22と共通するように配置されている。典型的には、第2の光軸22を第1の光軸21に対して、第2の光学系12により投射する投影光9の方向にシフトする。
[0023]
 第2の中間像IM2を形成(結像)する第2の屈折光学系16の第2の光軸22に対し、第1の反射面13の第3の光軸23を第1の方向31と反対側の第2の方向32にシフトすることが可能である。比較的大きな反射面13を有する第2の光学系12を、ライトバルブ5と同じ側にシフトして配置できるのでプロジェクタ1をコンパクトに構成する配置として適している。また、第2の光軸22に対して第3の光軸23を第2の方向32にシフトすることにより、反射面13に入力する光線高が大きくなり、反射面13に非球面を採用して収差補正を行うのに適している。しかしながら、光線高が大きくなるために反射面13の有効径が大きくなりやすい。一方、第2の屈折光学系16の第2の光軸22に対し、第1の反射面13の第3の光軸23を、第1の方向31にシフトすると、反射面13に入力する光線高は小さくなり、反射面13における収差補正には若干不利になるが、反射面13の有効径を小さくできる。したがって、この点では、プロジェクタ1の小型化に寄与する。本例の投射光学系10においては、これらの点を考慮し、第2の屈折光学系16の第2の光軸22と、反射面13の第3の光軸23とを共通とし、収差補正能力も確保でき、さらに反射面13の大型化を抑制できるようにしている。
[0024]
 図1(a)に本例の投射光学系10の広角端における配置を示し、図1(b)に望遠端における配置を示す。本例の投射光学系10は、スクリーン6に投影される画像のサイズを可変できる変倍光学系である。縮小側2の第1の屈折光学系15は3群構成で、縮小側2から順に配置された、正の屈折力(パワー)で位置が固定された第1のレンズ群G1と、正の屈折力で広角端から望遠端にズーミングする際に拡大側3へ移動する第2のレンズ群G2と、正の屈折力で広角端から望遠端にズーミングする際に移動する第3のレンズ群(変倍レンズ群)G3とを含む。
[0025]
 拡大側の第2の屈折光学系16は、3群構成で、縮小側2から順番に配置された、正の屈折力で位置が固定された第4のレンズ群G4と、正の屈折力でフォーカシング(F)の際に移動し、ズーミングの際は移動しない第5のレンズ群G5と、正の屈折力でフォーカシング(F)の際に移動し、ズーミングの際に移動しない第6のレンズ群(合焦レンズ群)G6とを含む。したがって、第1の光学系11は、全て正のパワーの6群構成であり、第1の屈折光学系15はズーミングの際に移動する変倍レンズ群G2およびG3を含み、第2の屈折光学系16はズーミングの際に移動しない、すなわち、像面5aに対して位置が固定された屈折光学系である。
[0026]
 第2の屈折光学系16は、フォーカシングの際に移動する合焦レンズ群G5およびG6を含む。第1の反射面13はズーミングおよびフォーカシングの際に移動せず、第1の反射面13とスクリーン6との距離が変わると、合焦群である第5のレンズ群G5および第6のレンズ群G6とが合焦のために移動する。したがって、投射光学系10は、最も縮小側2の第1のレンズ群G1と、最も拡大側の第2の光学系12とがズーミングおよびフォーカシングの際に移動せず、固定されており、全長が固定された光学系である。
[0027]
 第1の屈折光学系15の広角端における焦点距離fs1wと、第2の屈折光学系16の焦点距離fs2とが以下の条件(3)を満たしてもよい。
0.05<fs2/fs1w<0.2・・・(3)
この投射光学系10においては、第2の光学系12で生じる台形補正を含めて、諸収差の補正を第1の屈折光学系15および第2の屈折光学系16により協働して行う。条件(3)の下限を下回ると、第2の屈折光学系16のパワーに対して第1の屈折光学系15のパワーが小さくなりすぎて、第2の屈折光学系16における補正が過剰となり第2の屈折光学系16の構成が複雑になる。条件(3)の上限を超えると、第1の屈折光学系15のパワーに対して第2の屈折光学系16のパワーが小さくなりすぎて、変倍を行う第1の屈折光学系15における補正が過剰となり第1の屈折光学系15の構成が複雑になる。
[0028]
 この投射光学系10においては、第1の屈折光学系15の最も縮小側2で、最も第1の画像IM0に近い第1のレンズ群G1が固定され、変倍および合焦の際に移動せず、最も拡大側3で、最も第1の中間像IM1に近い第3のレンズ群G3がズーミングの際に移動する。また、第2の屈折光学系16の最も縮小側2で、最も第1の中間像IM1に近い第4のレンズ群G4が固定され、変倍および合焦の際に移動せず、最も拡大側3で、最も第2の中間像IM2に近い第6のレンズ群G6がフォーカシングの際に移動する。また、第2の中間像IM2の拡大側3に位置する第1の反射面13も固定され、変倍および合焦の際に移動しない。したがって、第1の像IM0、第1の中間像IM1および第2の中間像IM2の拡大側3に位置するレンズ群G1およびG4、および反射面13が、ズーミングおよびフォーカシングの際に移動せず、それぞれの像からの距離が基本的(積極的)には変わらない。このため、収差補正を良好に行うことができ、特に非球面を用いた収差補正を行うことが容易な投射光学系10を提供できる。
[0029]
 図2~図5に、投射光学系10の各エレメントのデータを示している。図2において、Sはレンズの場合の面番号を示し、Rは縮小側2から順に並んだ各エレメント(レンズの場合は各レンズ面)の曲率半径(mm)を示し、Dは縮小側2から順に並んだ各エレメントの面の間の距離(間隔、mm)を示している。なお、アスタリスクを付けた数値はズーミング、フォーカシングの際に可変となる数値である。さらに、屈折率Nd(d線)、アッベ数νd(d線)、各面の有効半径r(mm)を示している。図3は、各エレメントの面の中の、非球面の面番号と、非球面データを示している。非球面は、Xを光軸方向の座標、Yを光軸と垂直方向の座標、光の進行方向を正、Rを近軸曲率半径とすると、図2に示した係数Rと図3に示した係数K、A4、A6、A8、およびA10を用いて次式で表わされる。なお、「En」は、「10のn乗」を意味する。以下の各実施例においても同様である。
X=(1/Ri)Y /[1+{1-(1+K)(1/Ri) 1/2
   +A4Y +A6Y +A8Y +A10Y 10
[0030]
 図4は、ズーミングの際に移動する第2のレンズ群G2および第3のレンズ群G6の動きを、焦点距離が近距離の際の、広角端(ワイド)、望遠端(テレ)および中間(標準)の各位置における各レンズ群の前後の間隔により示している。図5は、フォーカシングの際に移動する第5のレンズ群G5、および第6のレンズ群の動きを、広角端におけるスクリーン6までの焦点距離(反射面13からスクリーン6までの距離)が近距離(510mm)、中距離(860mm)および遠距離(1210mm)の各位置における各レンズ群の前後の間隔により示している。
[0031]
 投射光学系10の第1の光学系(レンズシステム、屈折光学系)11は、縮小側2から、ライトバルブ5に面した入射側のカバーガラス7とプリズム8と、縮小側2の第1の屈折光学系15と、拡大側の第2の屈折光学系16とを含む。第1の屈折光学系15は3群に分けられた9枚のレンズL1~L9を含む。最も縮小側2の第1のレンズ群G1は、全体として正のパワーのレンズ群であり、本例においては両凸の正レンズL1の1枚構成である。すなわち、第1のレンズ群G1は正のパワーのレンズの一枚構成である。
[0032]
 第2のレンズ群G2は、正のパワーのレンズ群であり、本例においては、6枚のレンズL2~L7で構成され、縮小側(ライトバルブ側)2より配置された、縮小側に凸の正のメニスカスレンズL2と、両凸の正レンズL3と、両凹の負レンズL4と、縮小側に凸の負のメニスカスレンズL5と、両凸の正レンズL6と、拡大側3に凸の正のメニスカスレンズL7とを含む。すなわち、第2のレンズ群G2は縮小側2より配置された、正-正-負-負-正-正のパワー配置を含む。レンズL3およびL4は正-負の接合レンズB1を構成し、レンズL5およびL6は負-正の接合レンズB2を構成している。これらの接合レンズB1およびB2を含む第2のレンズ群G2は、広角端(ワイド)から望遠端(テレ)にズーミング(変倍)する際に拡大側3に移動する。
[0033]
 第3のレンズ群G3は、正のパワーのレンズ群であり、2枚のレンズL8およびL9により構成され、本例においては、縮小側2に凸の負のメニスカスレンズL8と、両凸の正レンズL9とを含む。第3のレンズ群G3は、ワイドからテレにズーミングする際に、縮小側2へ移動する変倍レンズ群である。第3のレンズ群G3は、第1の屈折光学系15の最も拡大側3に配置されたレンズを含む。さらに具体的には、第3のレンズ群G3は、第2のレンズ群G2も含めた変倍レンズ群の中の最も拡大側3に配置されたレンズ群であり、縮小側2から順番に配置された負の屈折力のレンズL8と正の屈折力のレンズL9とを含むレンズ群である。すなわち、第3のレンズ群G3は、第1の中間像IM1の縮小側2に配置されたレンズ群であって、縮小側2から配置された負の屈折力のレンズL8と正の屈折力のレンズL9とを含む変倍レンズ群である。さらに、変倍レンズ群G3の負の屈折力のレンズL8は、縮小側2に凸の負のメニスカスレンズL8である。
[0034]
 第1の中間像IM1の直近の縮小側2に配置された第3のレンズ群G3においては、負レンズL8で光線を広げ、正レンズL9により光線を略平行にすることで、光軸22がシフトしている第2の屈折光学系16へ入射する光線位置を制御しやすくなり、光軸22がシフトしていることによる性能変動を抑制することが可能となる。また、縮小側2の負の屈折力のレンズL8を縮小側2に凸の負のメニスカスレンズとすることにより、負のパワーで光線を広げる際に、縮小側2の凸面で光線角度を一度収束し、光線角度を広げ過ぎないように調整することができる。
[0035]
 さらに、第3のレンズ群G3では負レンズL8と正レンズL9とを変倍時に一体で移動する。変倍時において、移動する複数のレンズ群により光学系全体の焦点距離が変動する際に、第1の中間像IM1を形成する光線の中心および周辺の主光線の角度が略平行を保ち、かつ、十分に周辺と中心とで光線の分離がなされているように、他の移動レンズ群による変動を、この第3のレンズ群G3により補償できる。このため、第1の中間像IM1を落として第2の屈折光学系16に入射する光線の変化が変倍時の前後で少なくなり、第2の屈折光学系16の設計が容易となり、第2の屈折光学系16において収差をいっそう良好に補正できる。
[0036]
 縮小側のレンズ群15と第1の中間像IM1を挟んで拡大側3に配置された拡大側のレンズ群である第2の屈折光学系16は、3群に分けられる7枚のレンズL10~L16を含む。最も縮小側2の側、すなわち、第1の中間像IM1に近接した第4のレンズ群G4は2枚構成であり、第1の中間像IM1に隣接して拡大側3に配置された拡大側3に凸の正の屈折力のメニスカスレンズ(第1のメニスカスレンズ)L10と、第1のメニスカスレンズL10に隣接して拡大側3に配置された縮小側2に凸の正の屈折力のメニスカスレンズ(第2のメニスカスレンズ)L11とを含む。これらのレンズL10およびL11は光軸22に沿って最小の空気間隔で配置されている。
[0037]
 拡大側3に凸のメニスカスレンズL10と縮小側2に凸のメニスカスレンズL11により、第1の中間像IM1の拡大側3に隣接して、向かい合わせたメニスカスの配置が導入され、向い合せのメニスカスにより、球面収差およびコマ収差を主とする諸収差を良好に補正できる。すなわち、レンズL10の縮小側2の凹面で一度光線を広げ、拡大側3の凸面で光軸側に折り曲げることでレンズL11へ入射する光線の中心と周辺を分離させて、レンズL11の面を有効に活用できる。特に、レンズL11に非球面を導入することにより収差補正能力を向上できる。拡大側3に凸のメニスカスレンズL10の拡大側3に配置されるレンズL11は、縮小側2に凸面が向いたメニスカスレンズであり、レンズL10からの出射光線の入射角が小さくなり、収差の発生を抑制できる。
[0038]
 さらに、レンズL10およびL11は、ともに正の屈折力のレンズであり、第2の屈折光学系16の縮小側2の光軸22の第1の方向31に形成される第1の中間像IM1からの光線、特に主光線を2枚の正レンズL10およびL11で強く屈折させて光軸22の側へ折り曲げて拡大側3の各レンズを小型化できる。また、2枚の正レンズL10およびL11にパワーを分散することで、各面の曲率に自由度を持たせることが可能となり、収差の急激な変動を抑制することが可能となる。
[0039]
 第1のメニスカスレンズL10の拡大側3の面S19の曲率半径R19(Rm1)と、第2のメニスカスレンズL11の縮小側2の面S20の曲率半径R20(Rm2)とが以下の条件(4)を満たしてもよい。
-6.0<Rm1/Rm2<-2.0・・・(4)
符号が逆で、第1の中間像IM1に近い面の曲率半径を大きくすることにより、第1の中間像IM1からの光線を急激に曲げることなく、上記の効果を得ることができる。条件(4)の下限は-5.5であってもよく、-5.0であってもよい。また、条件(4)の上限は-2.5であってもよく、-3.0であってもよい。
[0040]
 第1のメニスカスレンズL10は、第1の光学系11に含まれる複数のレンズL1~L16の面の中で最大の有効径の面を含む。具体的には、第1のメニスカスレンズL10の拡大側3の面S19は、最大の有効径を有する。正メニスカスレンズL10で第1の中間像IM1からの発散光を受けるため、最も第1の中間像IM1に近い位置に、有効径の大きなレンズL10を配置することにより、第1の中間像IM1において中心光と周辺光とが分離した状態の光線を、適切に有効径の大きなレンズL10へ入射し、非球面を用いて収差補正するとともに凸面S19で光線を強く収束させることができる。
[0041]
 第2のメニスカスレンズL11は、第1の光学系11に含まれる複数のレンズL1~L16の面の中で最小の曲率半径の面を含む。具体的には、第2のメニスカスレンズL11の縮小側2の面S20が最小の曲率半径R20を備えた面となっている。第1の正のメニスカスレンズL10により収束気味の周辺の主光線を第2の正のメニスカスレンズL11の曲率半径の小さな面へ入射させることにより、コマ収差および球面収差を良好に補正できる。
[0042]
 このように、第1の中間像IM1に隣接したメニスカスレンズL10およびL11は、収差補正に対する効き量が大きく、非球面を導入するのに適している。したがって、第1のメニスカスレンズL10および第2のメニスカスレンズL11はそれぞれ非球面を含んでもよい。本例の投射光学系10においては、第1のメニスカスレンズL10の両面S18およびS19と、第2のメニスカスレンズL11の両面S20およびS21が非球面である。さらに、第4のレンズ群G4は、変倍の際および合焦の際に移動しない、固定されたレンズ群である。このため、第1のメニスカスレンズL10および第2のメニスカスレンズL11は、変倍の際および合焦の際に移動しないレンズであり、非球面レンズであるレンズL10およびL11の位置ズレを抑制でき、収差補正を良好に行うことができる。
[0043]
 第1のメニスカスレンズL10および第2のメニスカスレンズL11の合成焦点距離fmと、第2の屈折光学系の焦点距離fs2とが以下の条件(5)を満たしてもよい。本例では、第1のメニスカスレンズL10および第2のメニスカスレンズL11は第4のレンズ群G4を構成し、合成焦点距離fmは第4のレンズ群G4の焦点距離である。
0.2<fm/fs2<0.7・・・(5)
条件(5)の下限を下回ると、レンズL10およびL11の効き量が大きくなりすぎて組み立て公差の収差性能への影響が大きくなる。条件(5)の上限を超えると、第4のレンズ群G4のパワーが小さくなり、収差補正が難しくなる。さらに、後述するように、第2の屈折光学系16はフォーカシングの際に移動する合焦レンズ群G5およびG6を含み、第4のレンズ群G4のパワーが小さくなりすぎるとこれらの合焦レンズ群G5およびG6のパワーが大きくなり、フォーカシングに適さない。条件(5)の下限は0.3であってもよく、上限は0.5であってもよい。
[0044]
 第5のレンズ群G5は、正の屈折力のレンズ群であり、本例においては、縮小側2に凹の正のメニスカスレンズL12の1枚構成である。すなわち、第5のレンズ群G5は正のパワーのレンズL12の一枚構成である。第5のレンズ群G5は、合焦レンズ群の1つであり、近距離から遠距離にフォーカシングする際に縮小側2に移動する合焦群である。
[0045]
 第6のレンズ群G6は、正のパワーのレンズ群であり、本例においては、4枚のレンズL13~L16で構成され、縮小側2より、両凸の正レンズL13と、両凹の負レンズL14と、縮小側2に凸の負のメニスカスレンズL15と、両凸の正レンズL16とを含む。レンズL13およびL14は正-負の組み合わせの負の屈折力の接合レンズB3を構成し、レンズL15およびL16は負-正の組み合わせの正の屈折力の接合レンズB4を構成している。第6のレンズ群G6は、フォーカシングの際に移動する合焦レンズ群であり、近距離から遠距離にフォーカシングする際に拡大側3に移動する。
[0046]
 したがって、合焦レンズ群に含まれるレンズ群G6は、第2の屈折光学系16の最も拡大側3に配置された接合レンズB4を含む。さらに具体的には、合焦レンズ群に含まれるレンズ群G6は、第2の屈折光学系16の最も拡大側3に配置された、縮小側2から順番に配置された負の接合レンズB3と正の屈折力の接合レンズB4とを含むレンズ群を含む。第2の中間像IM2の縮小側2は、像を構成するために光線(光束)の中心と周辺とが比較的分離されている一方、光軸22を光線が跨ぐので光線が光軸22の周りに集中する領域となる。したがって、この領域に正-負の2枚(2組)のレンズ(接合レンズ)B3およびB4を配置し、フォーカシングを行い、小型のレンズを移動することにより、フォーカシングのための収差補正を行うことができる。さらに、これらの接合レンズB3およびB4は、正-負および負-正の対称なレンズ配置を備えており、収差補正に適した構成となっている。
[0047]
 このように、投射光学系10は、縮小側2の第1の屈折光学系15に変倍時に移動するレンズ群G2およびG3を設け、拡大側3の第2の屈折光学系16に合焦時に移動するレンズ群G5およびG6を設けている。したがって、変倍のためにレンズ群G2およびG3を動かす機構と、合焦のためにレンズ群G5およびG6を動かす機構とを分離することができ、レンズを動かす機構を簡略化できる。また、第1の屈折光学系15で変倍の際の収差補正を主に行い、第2の屈折光学系16で合焦の際の収差補正を主に行うといったように、レンズの移動に伴う収差補正を分けて行うことができる。その一方、諸収差の補正を第1の屈折光学系15および第2の屈折光学系16で共通に分散して行い、投射光学系10の全体としては少ない枚数のレンズで諸収差を良好に補正できるようにしている。このため、第1の中間像IM1は第1の屈折光学系15の光軸21から第1の方向31に離間する程、縮小側2に倒れるように湾曲して形成され、第2の中間像IM2は第2の屈折光学系16の光軸22から他方の方向32に離間する程、縮小側2に倒れるように湾曲して形成される。
[0048]
 図6(a)に広角端(ワイド)における歪曲収差を示し、図6(b)に標準状態(ノーマル)における歪曲収差を示し、図6(c)に望遠端(テレ)における歪曲収差を示している。図7、図8および図9に、広角端(ワイド)、標準状態(ノーマル)および望遠端(テレ)の各像高における横収差図を示している。なお、これらの図には、波長620nm(短破線)と、波長550nm(実線)と、波長460nm(長破線)とを示している。以下の各実施例においても同様である。
[0049]
 投射光学系10の主なパラメータは以下の通りである。
倍率(広角端、近距離における倍率):123
F値:2.5-2.54
最大画角(半画角):72.5
変倍比:1.05
全系の合成焦点距離(広角端、fw):4.00mm
全系の合成焦点距離(望遠端、ft):4.20mm
第1の屈折光学系15の合成焦点距離(広角端、fs1w):363.81mm
第1の屈折光学系15の合成焦点距離(望遠端、fs1t):303.87mm
第2の屈折光学系16の合成焦点距離(fs2):39.80mm
第1のレンズ群G1の合成焦点距離:82.85mm
第2のレンズ群G2の合成焦点距離:55.31mm
第3のレンズ群G3の合成焦点距離:88.05mm
第4のレンズ群G4の合成焦点距離(fm):15.58mm
第5のレンズ群G5の合成焦点距離:63.83mm
第6のレンズ群G6の合成焦点距離:31.64mm
第1のシフト量Sf1:6.08mm(ライトバルブ5の中心と、第1の屈折光学系の光軸との距離)
第2のシフト量Sf2:0.2mm
最も縮小側のレンズL1の縮小側の面の有効半径r1:16.28mm
条件(1)(Sf2/Sf1):0.03
条件(2)(Sf1/r1):0.37
条件(3)(fs2/fs1w):0.11
条件(4)(Rm1/Rm2:(R19/R20)):-3.51
条件(5)(fm/fs2):0.39
[0050]
 この投射光学系10においては、上述した条件(1)および(2)を満たし、第1の中間像IM1の縮小側2の第1の屈折光学系15の第1の光軸21に対し、拡大側3に配置された第2の屈折光学系16の第2の光軸22を、ライトバルブ5に形成される第1の画像の中心光20と逆の第1の方向31にシフトさせた投射光学系である。したがって、第2の屈折光学系16の、特に縮小側2の第1の中間像IM1に面したレンズの面を有効活用でき、より収差補正能力が高く、鮮明な画像を投影できる投射光学系10を提供できる。また、レンズの面を有効活用できる、第2の屈折光学系16の第1の中間像IM1に面して、メニスカスが向かい合うようにレンズL10およびL11を配置することにより、コマ収差および球面収差を含む諸収差をさらに良好に補正できるようにしている。また、第1の屈折光学系15にズーミングの際に移動する変倍用のレンズ群G2およびG3を配置し、第2の屈折光学系16にフォーカシングの際に移動する合焦用のレンズ群G5およびG6を配置し、第1の屈折光学系15と第2の屈折光学系16とが協調して作用することによりズーミングが可能で鮮明な画像を投影できる投射光学系10を提供している。このため、ズーミングが可能で、コンパクトでありながら、収差補正が良好にされた像を投影できる投射光学系10、および投射光学系10を備えたプロジェクタ1を提供できる。
[0051]
 図10に、プロジェクタの他の例を示している。図10(a)は広角端の配置を示し、図10(b)は望遠端の配置を示す。このプロジェクタ1も、縮小側2の光変調器(画像表示素子、ライトバルブ)5の像面(第1の像面)5aから拡大側3のスクリーン6または壁面(第2の像面)へ投射する投射光学系10を含む。投射光学系10は、複数のレンズを含む第1の光学系11と、正の屈折力の第1の反射面13を含む第2の光学系12とを含み、第1の光学系11は、縮小側2から入射した光により第1の光学系11の内部に結像される第1の中間像IM1を第1の光学系11よりも拡大側3に第2の中間像IM2として結像し、第1の反射面13が第2の中間像IM2を第2の像面へ映像(最終的な画像)として投影する。
[0052]
 第1の光学系11は、上記の例と同様に、16枚のレンズL1~L16で構成され、第1の中間像IM1に対して縮小側(入力側)2に配置された第1の屈折光学系15と、拡大側(出力側)3に配置された第2の屈折光学系16とを含む。第2の屈折光学系16の第2の光軸22は、上記と同様に、第1の屈折光学系15の第1の光軸21に対し、第1の像面5aの中心(第1の画像IM0の中心光)20がシフトしている方向32と反対の第1の方向31にシフトしている。また、第1の屈折光学系15は、変倍の際に移動するレンズ群G2およびG3を含み、第2の屈折光学系16は、合焦の際に移動するレンズ群G5およびG6を含む。
[0053]
 図11に、投射光学系10の各エレメントのデータを示し、図12に非球面のデータを示し、図13にズーミングの際に移動するレンズ群の前後の間隔を示し、図14に、フォーカシングの際に移動するレンズ群の前後の間隔を示している。第1の光学系11の第1~第6のレンズ群G1~G6の各群の基本的なレンズ構成、および各々のレンズL1~L16の基本的な構成は、図1に示した投射光学系10の第1の光学系11と共通する。なお、第2のメニスカスレンズL11は、第1の光学系11に含まれる複数のレンズの面の中で最小の曲率半径の面S21を含む。
[0054]
 図15(a)に広角端(ワイド)における歪曲収差を示し、図15(b)に標準状態(ノーマル)における歪曲収差を示し、図15(c)に望遠端(テレ)における歪曲収差を示している。図16、図17および図18に、広角端(ワイド)、標準状態(ノーマル)および望遠端(テレ)の各像高における横収差図を示している。
[0055]
 投射光学系10の主な諸数値は以下の通りである。
倍率(広角端、近距離における倍率):123.1
F値:2.5-2.57
最大画角(半画角):72.5
変倍比:1.1
全系の合成焦点距離(広角端、fw):4.00mm
全系の合成焦点距離(望遠端、ft):4.40mm
第1の屈折光学系15の合成焦点距離(広角端、fs1w):581.62mm
第1の屈折光学系15の合成焦点距離(望遠端、fs1t):357.99mm
第2の屈折光学系16の合成焦点距離(fs2):41.79mm
第1のレンズ群G1の合成焦点距離:87.35mm
第2のレンズ群G2の合成焦点距離:54.24mm
第3のレンズ群G3の合成焦点距離:85.55mm
第4のレンズ群G4の合成焦点距離(fm):15.85mm
第5のレンズ群G5の合成焦点距離:58.21mm
第6のレンズ群G6の合成焦点距離:32.10mm
第1のシフト量Sf1:6.08mm
第2のシフト量Sf2:0.2mm
最も縮小側のレンズL1の縮小側の面の有効半径r1:16.17mm
条件(1)(Sf2/Sf1):0.03
条件(2)(Sf1/r1):0.38
条件(3)(fs2/fs1w):0.072
条件(4)(Rm1/Rm2:(R19/R20)):-3.36
条件(5)(fm/fs2):0.38
[0056]
 この投射光学系10においては、上述した条件(1)および(2)を満たし、第1の中間像IM1の縮小側2に配置されたレンズ群16によりズーミングを行い、拡大側3に配置されたレンズ群16によりフォーカシングを行うことができる。このため、ズーミングが可能で、コンパクトでありながら、収差補正が良好にされた像を投影できる投射光学系10、および投射光学系10を備えたプロジェクタ1を提供できる。
[0057]
 なお、上記においては、本発明の特定の実施形態を説明したが、様々な他の実施形態および変形例は本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者が想到し得ることであり、そのような他の実施形態および変形は以下の請求の範囲の対象となり、本発明は以下の請求の範囲により規定されるものである。

請求の範囲

[請求項1]
 縮小側の第1の画像を拡大側へ投射する投射光学系であって、
 複数のレンズを含む第1の光学系であって、縮小側から入射した光により当該第1の光学系の内部に結像される第1の中間像を当該第1の光学系よりも拡大側に第2の中間像として結像する第1の光学系と、
 前記第2の中間像よりも拡大側に位置する正の屈折力の第1の反射面を含む第2の光学系とを有し、
 前記第1の光学系は、前記第1の中間像を結像する第1の屈折光学系であって、前記第1の画像の中心光に対し、第1の方向にシフトした第1の光軸を含む第1の屈折光学系と、
 前記第2の中間像を結像する第2の屈折光学系であって、前記第1の光軸に対し、前記第1の方向にシフトした第2の光軸を含む第2の屈折光学系とを含む、投射光学系。
[請求項2]
 請求項1において、
 前記第2の光学系は、前記第2の光軸と共通する光軸を含む、投射光学系。
[請求項3]
 請求項2において、
 前記第2の光軸は、前記第1の光軸に対し、前記第2の光学系により投射する側にシフトしている、投射光学系。
[請求項4]
 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
 前記第1の画像の中心光に対する前記第1の光軸のシフト量Sf1と、前記第1の光軸に対する前記第2の光軸のシフト量Sf2とが以下の条件を満たす、投射光学系。
 0<Sf2/Sf1<0.2
[請求項5]
 請求項4において、
 前記第1の光軸のシフト量Sf1と、前記第1の屈折光学系の最も縮小側のレンズL1の縮小側の面の有効半径r1とが以下の条件を満たす、投射光学系。
 0.1<Sf1/r1<0.5
[請求項6]
 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
 前記第1の屈折光学系は、前記第1の光軸の前記第1の方向に前記第1の中間像を形成し、
 前記第2の屈折光学系は、前記第2の光軸に対し、前記第1の方向と反対側の第2の方向に前記第2の中間像を形成し、
 前記第1の反射面は、前記第2の光軸に対し、前記第1の方向へ投影用の光を投射する、投射光学系。
[請求項7]
 請求項6において、
 前記第1の反射面は、前記第2の光軸に対し、前記第1の方向と反対側の第2の方向に配置されている、投射光学系。
[請求項8]
 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
 前記第1の画像全体が、前記第1の光軸に対し、前記第1の方向と反対側の第2の方向に形成される、投射光学系。
[請求項9]
 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
 前記第1の屈折光学系は、変倍の際に移動する変倍レンズ群を含む、投射光学系。
[請求項10]
 請求項9において、
 前記変倍レンズ群は、前記第1の屈折光学系の最も拡大側に配置されたレンズを含む、投射光学系。
[請求項11]
 請求項9において、
 前記変倍レンズ群は、前記第1の屈折光学系の最も拡大側に配置されたレンズ群であって、縮小側から順番に配置された負の屈折力のレンズと正の屈折力のレンズとを含むレンズ群を含む、投射光学系。
[請求項12]
 請求項9ないし11のいずれかにおいて、
 前記第1の屈折光学系の広角端における焦点距離fs1wと、前記第2の屈折光学系の焦点距離fs2とが以下の条件を満たす、投射光学系。
 0.05<fs2/fs1w<0.2
[請求項13]
 請求項1ないし12のいずれかにおいて、
 前記第2の屈折光学系は、合焦の際に移動する合焦レンズ群を含む、投射光学系。
[請求項14]
 請求項13において、
 前記合焦レンズ群は、前記第2の屈折光学系の最も拡大側に配置されたレンズを含む、投射光学系。
[請求項15]
 請求項13において、
 前記合焦レンズ群は、前記第2の屈折光学系の最も拡大側に配置された、縮小側から順番に配置された負の屈折力のレンズと正の屈折力のレンズとを含むレンズ群を含む、投射光学系。
[請求項16]
 請求項15において、
 前記合焦レンズ群に含まれる前記負の屈折力のレンズおよび前記正の屈折力のレンズは、接合レンズである、投射光学系。
[請求項17]
 請求項1ないし16のいずれかにおいて、
 前記第1の中間像は前記第1の屈折光学系の前記第1の光軸から前記第1の方向に離間する程、縮小側に倒れるように湾曲して形成され、第2の中間像は第2の屈折光学系の第2の光軸から前記第1の方向と反対側の第2の方向に離間する程、縮小側に倒れるように湾曲して形成される、投射光学系。
[請求項18]
 請求項1ないし17のいずれかに記載の投射光学系と、
 前記第1の画像を形成する画像表示素子とを有する、プロジェクタ。
[請求項19]
 請求項18において、
 前記第1の画像の中心光は、前記画像表示素子の中心から前記画像表示素子に垂直な方向に出力される、プロジェクタ。
[請求項20]
 請求項18または19において、
 前記画像表示素子は、有効表示領域全体が、前記第1の光軸に対し前記第1の方向と反対側の第2の方向にシフトするように配置されている、プロジェクタ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]