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1. WO2005051566 - METHOD OF MANUFACTURING OUTER RING MEMBER FOR CONSTANT VELOCITY JOINT

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[ JA ]
明 細書

等速ジョイント用外輪部材の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、回転駆動力を伝達するための等速ジョイントを構成する等速ジョイント用 外輪部材の製造方法に関する。

背景技術

[0002] 従来から、互いに接合された上部ダイス及び下部ダイスに形成されるキヤビティに 鍛造用素材を装填し、パンチを介して前記鍛造用素材に加圧力を付与することによ り、例えば、自動車の車輪駆動用の等速ジョイントの外輪部材 (ァウタカップ)が製造 されている。

[0003] 前記外輪部材は、筒状のカップ部と、前記カップ部と一体的に形成される軸部とか ら構成され、前記カップ部の内周面には、軸線方向に沿って延在する 3本のトラック 溝が形成され、前記トラック溝に沿ってローラが転動するように設けられて、る。

[0004] この種の等速ジョイント用外輪部材の製造方法に関し、例えば、特開昭 57— 20653 7号公報には、製品形状寸法に略均一寸法の肉厚を有するカップ状外方部材用素 材にしごき加工を施した場合、軸方向への伸び量において大径部が小さく小径部が 大きくなるという課題を解決するために、体積一定則にしたがってカップ状外方部材 用素材の寸法を設定することにより軸方向の伸び量を略一定にする技術的思想が開 示されている。

[0005] また、特開昭 61-3618号公報には、内面部に仕上がり形状と略同一の形状を有 する軸付きのカップ状の粗製品を鍛造加工により成形し、続いて前記粗製品の内面 部に内型をセットした状態で、均等肉厚部、均等薄肉部、厚肉力薄肉への変化部 の各部のしごき率が均一になるようにして、外面部の全周を内面部方向に向力つてし ごき加工を施すことにより、内面部の複数の溝を高精度に仕上げる技術的思想が開 示されている。

[0006] し力しながら、前記特開昭 57— 206537号公報に開示された技術的思想では、トラ ック溝の底部、トラック溝、内面部のしごき率に大きな差異が発生するため、前記トラ ック溝の底部、トラック溝、内面部をそれぞれ均一なしごき率でしごき加工を行った場 合と比較して、トラック溝の溝面の精度が劣る。

[0007] また、前記特開昭 61— 3618号公報に開示された技術的思想では、内面部に仕上 力 Sり形状と略同一の形状を有する軸付きのカップ状の粗製品を鍛造用素材 (ワーク) とすることが前提となっている。そこで、例えば、ビレットに対して後方押し出し成形を 施して大径部と小径部との間で肉厚に差があるカップ状の中間素材をワークとして特 開昭 61— 3618号公報に開示された製造方法を適用した場合、しごき加工率の差に よって厚肉部よりも薄肉部の軸方向の伸び量が大きくなつてしまい、元々の軸方向の 端面が不揃いである前記中間素材を全周均一なしごき率でしごき加工を行ってもし ごき加工後の端面は、依然として不揃いであり、前記軸方向の端面に対する仕上げ 加工量が増大する。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] 本発明の一般的な目的は、後方押し出し成形を行った際、鍛造用素材の小径部よ りも大径部により多くの塑性材料を流動させることにより、軸方向の端面寸法を略均 一として加工精度を向上させることが可能な等速ジョイント用外輪部材の製造方法を 提供することにある。

[0009] 本発明の他の目的は、大径部と小径部との間で均一な傾斜角度を有する環状傾 斜面が形成された中間予備成形体を形成する工程を設けることにより、後方押し出し 成形を行った際に軸方向の端面寸法を略均一として加工精度を向上させることが可 能な等速ジョイント用外輪部材の製造方法を提供することにある。

[0010] 本発明によれば、中間成形体を、小径部よりも大径部に多くの肉が流動しやすい 形状とすることにより、後方押し出し成形をしたときに大径部と小径部との間でカップ 部の端面の軸線方向の寸法を略均一とすることができる。

[0011] この結果、後方押し出し成形によって得られた第 4次成形体に対する偏肉を防止し て大径部の塑性流動を小径部と比較して良好とすることにより、仕上げ加工代を抑制 し、仕上げカ卩ェとしての切削加工量を削減することができる。

[0012] さらに、本発明によれば、複数の冷間鍛造成形によって等速ジョイント用外輪部材 を成形する工程中に、大径部と小径部との間で均一な傾斜角度を有する環状傾斜 面が形成された中間予備成形体を形成する工程を設けている。従って、前記中間予 備成形体に対して、次工程で後方押し出し成形を行った際、塑性変形した肉が小径 部から前記環状傾斜面に沿って大径部側に流出しやすくなり、小径部と比較して大 径部の肉流れが良好となる。この場合、小径部と比較して大径部における環状傾斜 面の面積を大きく設定することにより、大径部の肉流れが小径部よりも促進される。 図面の簡単な説明

[図 1]図 1は、本実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造工程を示すフロ 一チャートである。

[図 2]図 2は、所定長に切り出された円柱体力なるワークの側面図及び平面図であ る。

[図 3]図 3は、前記ワークに対して前方押し出し成形がなされた第 1次成形品の側面 図及び平面図である。

[図 4]図 4は、前記第 1成形品に対して予備据え込み成形がなされた第 2次成形品の 側面図及び平面図である。

[図 5]図 5は、前記第 2次成形品に対して据え込み成形がなされた中間予備成形体 の側面図及び平面図である。

[図 6]図 6は、図 5に示される中間予備成形体に対して後方押し出し成形がなされた 第 4次成形品の側面図及び平面図である。

[図 7]図 7は、前記第 4次成形品に対してしごき成形がなされたトリポート型等速ジョイ ント用外輪部材の完成製品の側面図及び平面図である。

[図 8]図 8は、図 5に示される中間予備成形体を成形するための第 3鍛造用金型の一 部省略縦断面図である。

[図 9]図 9は、図 8に示す第 3鍛造用金型を構成するパンチの一部切り欠き側面図及 び底面図である。

[図 10]図 10は、図 5に示される前記中間予備成形体の斜視図である。

[図 11]図 11は、前記中間予備成形体に対して後方押し出し成形を遂行する第 4鍛 造用金型の一部省略縦断面図である。

[図 12]図 12は、大径部の傾斜角度 αを一定とし、小径部の傾斜角度 13を変化させた 場合の実験結果を示す説明図である。

[図 13]図 13は、他の実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造工程を示す フローチャートである。

[図 14]図 14は、他の実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造工程におい て、第 2次成形品に対して据え込み成形がなされた中間予備成形体の側面図及び 平面図である。

[図 15]図 15は、図 14に示される中間予備成形体の斜視図である。

[図 16]図 16は、図 14に示される中間予備成形体を成形するための第 3鍛造用金型 の一部省略縦断面図である。

[図 17]図 17は、図 16に示す第 3鍛造用金型を構成するパンチの一部切り欠き側面 図及び底面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0014] 本実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造工程を図 1に示す。図 1のフ ローチャートに示されるように、炭素鋼製の円柱体力もなるワーク 10に対して合計 5 回の冷間鍛造加工が施され、最終的にトリポート型等速ジョイント用外輪部材が製造 される。

[0015] 前記製造工程毎にワーク 10の形状が変化する状態を図 2—図 7に示す。

[0016] まず、第 1準備工程において、所定長の円柱体に切り出されたワーク 10 (図 2参照) に対して球状化焼鈍を施す。これによりワーク 10が軟化し、以下の第 1次一第 5次冷 間鍛造加工が容易となる。

[0017] そして、第 2準備工程において、ワーク 10に対して潤滑用化成被膜の形成を行う。

すなわち、ボンデライト処理によって、例えば、リン酸亜鉛等力なる潤滑用化成被膜 をワーク 10の表面に形成することによって該表面に潤滑性を付与する。具体的には

、このようなリン酸亜鉛等が溶解された溶媒中にワーク 10を所定時間浸漬することに より潤滑用化成被膜を形成すればょヽ。

[0018] 次いで、第 1次冷間鍛造加工工程 S1において、潤滑用化成被膜が形成されたヮ ーク 10に対して前方押し出し成形を施す。すなわち、図示しない軸部成形用キヤビ ティを有する第 1鍛造用金型のワーク保持部にワーク 10を装填する。なお、前記軸部 成形用キヤビティはワーク 10に比して小径に形成されており、且つ該軸部成形用キ ャビティとワーク保持部との間にはテーパ面が設けられている。

[0019] この状態で、前記軸部成形用キヤビティに指向してワーク 10の一端面を押圧する。

この押圧によって該ワーク 10の他端面側が軸部成形用キヤビティに圧入され、その 結果、該他端面側にテーパ状に縮径した縮径部 12と軸部 14とが形成された第 1次 成形品(第 1次成形体) 16 (図 3参照)が得られる。なお、ワーク 10におけるワーク保 持部に装填された部位はほとんど塑性変形しないので、第 1次成形品 16は、その直 径がワーク 10の直径に対応する寸法の上部 18を有する。

[0020] 次いで、第 2次冷間鍛造加工工程 S2において、第 1次成形品 16に対して予備据 え込み成形を行う。すなわち、図示しない第 2鍛造用金型のキヤビティに第 1次成形 品 16を装填する。この際、軸部 14は、第 2鍛造用金型に設けられた軸部保持部に挿 入される。

[0021] そして、軸部保持部に挿入された軸部 14の先端部を図示しない押止部材で支持し ながら、第 1次成形品 16の上部 18をパンチで押圧して圧潰する。この圧潰に伴って 上部 18が圧縮されるとともに拡径されることにより、第 2次成形品(第 2次成形体) 20 ( 図 4参照)が得られる。

[0022] 続いて、第 3次冷間鍛造カ卩ェ工程 S3において、第 2次成形品 20の上部 22をさらに 圧縮し且つ拡径させる据え込み成形を施し、第 3次成形品として中間予備成形体 24 を形成する(図 5及び図 10参照)。

[0023] すなわち、図 8に示されるような第 3鍛造用金型 (予備成形用金型) 25を用い、キヤ ビティ 27に装填された第 2次成形品 20の上部 22をパンチ 29によって押圧することに より、前記第 2次成形品 20の上部 22が軸線方向に圧縮変形された中間予備成形体 24 (第 3次成形品)が得られる。

[0024] 前記パンチ 29の先端面には、図 9に示されるように、中心部が円形状に僅かに窪 んで形成され、前記円形状の窪みから半径外方向に沿った周縁部に向力つて立ち 上がる環状の傾斜面成形部 31が形成され、前記傾斜面成形部 31は、後述する第 1 傾斜面部及び第 2傾斜面部に対応して周方向に沿った傾斜面の傾斜角度が連続し

て変化するように形成されてヽる。

[0025] 前記中間予備成形体 24は、図 5及び図 10に示されるように、第 2次成形品 20の上 部 22と比較して薄肉且つ拡径した円盤状力もなる頭部 26と、前記頭部 26の下部側 に一体的に縮径し軸方向に所定長だけ延在して形成された軸部 14とから構成され る。

[0026] 前記頭部 26は、平面からみたとき、 3つの花びら状に半径外方向に向力つて所定 長だけ突出し周方向に沿って約 120度の離間角度を有する大径部 28a— 28cと、隣 接する前記大径部 28a— 28cの間に湾曲して窪んで形成された 3つの小径部 30a— 30cとを備える。

[0027] 前記頭部 26の上面には、軸線 Cを中心とする円形状稜線 32と大径部 28a— 28c 及び小径部 30a— 30cの周縁部稜線 34との間で環状傾斜面 36が形成される。前記 環状傾斜面 36は、中心側の円形状稜線 32から半径外方向の周縁部稜線 34に向か つて下降する傾斜面によって構成される力前記大径部 28a— 28c及び小径部 30a 一 30cの部位に対応してそれぞれ傾斜角度が異なるように形成される。

[0028] すなわち、中心 (軸線 C)と大径部 28a— 28cの中央部とを結ぶ 3箇所力もなる第 1 傾斜面部 38a— 38cは、水平面に対して約 3度の傾斜角度 αに設定され、これに対 し、中心 (軸線 C)と小径部 30a— 30cの中央部とを結ぶ 3箇所力もなる第 2傾斜面部 40a— 40cは、水平面に対して約 10度の傾斜角度 |8に設定されている。さらに、前 記大径部 28a— 28cの中央部の第 1傾斜面部 38a— 38cと前記小径部 30a— 30cの 中央部の第 2傾斜面部 40a— 40cとの間は、一方の第 1傾斜面部 38a— 38c (又は 第 2傾斜面部 40a— 40c)力も他方の第 2傾斜面部 40a— 40c (又は第 1傾斜面部 38 a— 38c)に向力つて周方向に傾斜角度が連続して変化 (増減)するように設定されて いる。

[0029] 換言すると、周方向に沿って傾斜面の傾斜角度 (水平面に対する傾斜角度)が連 続して変化する環状傾斜面 36において、中心 (軸線 C)とを結ぶ大径部 28a— 28c の中央部の傾斜角度 αが一番小さく設定され、一方、中心 (軸線 C)とを結ぶ小径部 30a— 30cの中央部の傾斜角度 |8が一番大きく設定されている。

[0030] なお、前記大径部 28a— 28cの中央部の傾斜角度 α及び小径部 30a— 30cの中 央部の傾斜角度 j8は、前述した 3度及び 10度にそれぞれ限定されるものではなぐ 傾斜角度 exよりも傾斜角度 βが大きく( α < j8 )、且つ前記大径部 28a— 28cの傾斜 角度 αと小径部 30a— 30cの傾斜角度 βとの角度差が 3度以上 12度以下となるよう に設定されればよい。流動抵抗が大きい大径部 28a— 28cの傾斜角度 αよりも流動 抵抗が小さい小径部 30a— 30cの傾斜角度 |8を大きく設定して、前記大径部 28a— 28cと小径部 30a— 30cとの間で好適な流動抵抗差を発生させるようにすればよいか らである。

[0031] 次に、前記大径部 28a— 28cの傾斜角度 ocを 3度として一定に設定したとき、小径 部 30a— 30cの傾斜角度 βとの角度差を変化させた場合の実験結果を図 12に示す

[0032] この実験結果では、大径部 28a— 28cの傾斜角度 αと小径部 30a— 30cの傾斜角 度 ι8との角度差を 0度とした場合、次工程の鍛造成形における型入りに問題が発生 することにより量産性には不適切であり、一方、傾斜角度 OCと傾斜角度 βとの角度差 を 15度とした場合、次工程の鍛造成形のときに前記大径部 28a— 28cと小径部 30a 一 30cとを繋ぐ段差部分に材料割れが発生した。

[0033] 従って、図 12に示される実験結果から、前記大径部 28a— 28cの傾斜角度 aと小 径部 30a— 30cの傾斜角度 |8との角度差が 3度以上 12度以下となるように設定され ればよ、と!/、う判定結果が得られた。

[0034] また、前記環状傾斜面 36の半径方向の幅は、図 5に示されるように、大径部 28a— 28cの中央部において最も幅広となり、小径部 30a— 30cの中央部において最も幅 狭となるように形成されて、る。

[0035] なお、第 1次成形品 16及び第 2次成形品 20がそれぞれ軸線 A、 Bを基準とした縦 断面形状にお!、て対称 (線対称)に形成されて!、るのに対し(図 3及び図 4参照)、第 3次成形品である中間予備成形体 24では、軸線 Cを基準とした縦断面形状にぉ、て 非対称となるように形成されて、る(図 5参照)。

[0036] 従来、等速ジョイント用外輪部材の完成製品では、カップ部の外周が円筒面によつ て形成されていたが、軽量ィ匕のニーズから前記カップ部に窪み部を形成して肉抜き することによって軽量ィ匕を図っている。この場合、カップ部に窪みを形成することによ り、その軸線を基準とした縦断面が非対称形状となる。

[0037] 第 3次冷間鍛造加工工程 S3が終了した後、中間予備成形体 24から応力を除去す るための低温焼鈍、この低温焼鈍の際に発生する酸化スケール等を除去するショット ブラスト処理、ボンデライト処理による中間予備成形体 24の外表面にリン酸亜鉛等か らなる潤滑用化成被膜の形成をそれぞれ行う。これらの各種処理を行うことにより、中 間予備成形体 24 (第 3次成形品)を容易に塑性変形させることができるようになる力 である。

[0038] その後、図 11に示す第 4鍛造用金型 42を使用して第 4次冷間鍛造加工工程 S4を 行う。

[0039] この第 4鍛造用金型 42は、上部ダイス 44及び下部ダイス 46を有し、前記上部ダイ ス 44及び下部ダイス 46は、図示しないインサート部材によって内嵌されることにより 一体的に接合されている。下部ダイス 46には、中間予備成形体 24 (第 3次成形品) の軸部 14を挿入するための軸部挿入部 48が設けられている。軸部挿入部 48の鉛 直下方には、貫通孔を介して上昇または下降動作自在なノックアウトピン 50が配設さ れている。上部ダイス 44の内壁には、カップ部成形用キヤビティ 52が設けられている

[0040] パンチ 54の側周壁部には、パンチ 54を上部ダイス 44のガイド面に沿って円滑に上 昇または下降動作させるために、金属製の円筒体力もなるガイドスリーブ 56が外嵌さ れている。

[0041] パンチ 54の外周面には、周方向に沿って 120度で互いに離間し、且つ該パンチ 5 4の軸線方向に沿って所定長で延在する 3個の突条部(図示せず)が設けられており 、図 6に示すように、これら突条部により、第 4次成形品 58のカップ部 8の内壁面にト ラック溝 60a— 60cが形成される。これらトラック溝 60a— 60cに対し、後述する第 5次 冷間鍛造カ卩ェ工程 S5でカップ部 62に対してしごき成形がなされることによって、形 状及び寸法精度をより一層向上させたトラック溝 60a— 60c (図 7参照)が形成される

[0042] パンチ 54は、図示しない機械プレスの駆動作用下に上昇または下降自在である。

すなわち、この機械プレスのラム(図示せず)には、該ラムと一体的に上下方向に沿

つて変位する図示しない昇降部材が連結されている。パンチ 54は、治具を介してこ の昇降部材に固定されている。

[0043] このように構成された第 4鍛造用金型 42の軸部挿入部 48に軸部 14が挿入された 中間予備成形体 24 (第 3次成形品)に対する第 4次冷間鍛造加工、すなわち、後方 押し出し成形は、以下のようにして遂行される。

[0044] なお、下部ダイス 46の軸部挿入部 48に沿って中間予備成形体 24の軸部 14を装 填した際、上部ダイス 44の内壁に形成されたカップ部成形用キヤビティ 52と、大径部

28a— 28c及び小径部 30a— 30cを含む中間予備成形体 24の外壁面との間には、 所定間隔 (例えば、 0. 2-0. 3mm)からなり周方向に沿って均一なクリアランスが設 定される。

[0045] まず、前記機械プレスの駆動作用下に該機械プレスのラムに連結された昇降部材 を下降させる。これに追従してパンチ 54が下降し、最終的に中間予備成形体 (第 3次 成形品) 24の頭部 26の上面に当接する。

[0046] パンチ 54をさらに下降させて中間予備成形体 24の頭部 26を押圧することにより前 記頭部 26を塑性変形させる。その際、中間予備成形体 24の大径部 28a— 28c及び 小径部 30a— 30cがカップ部成形用キヤビティ 52の内壁部によって塑性流動が規制 されながら、パンチ 54の外周面に沿って該パンチ 54の下降方向と反対の後方 (上方 )に向力つて塑性流動させることにより、カップ部 62が形成される。

[0047] この場合、塑性流動によって大径部 28a— 28cが伸長されることにより、パンチ 54 の突条部によって、中間予備成形体 24 (第 3次成形品)の軸線方向に指向するトラッ ク溝 60a— 60cがカップ部 62の内壁面に形成される。

[0048] その後、パンチ 54を前記機械プレスの駆動作用下に前記ラム及び昇降部材ととも に上昇させ、さらに、ノックアウトピン 50を上昇させれば、図 6に示す第 4次成形品 58 が露呈する。

[0049] 通常、鍛造用素材 (ワーク)に対し後方押し出し成形をした場合、後方への伸び量( 塑性流動量)は小径部よりも大径部が小さくなり、例えば、鍛造用素材における変形 抵抗 (変形能)の差に起因して、割れ、偏肉等の不具合が発生するおそれがある。

[0050] そこで、本実施の形態では、中間予備成形体 24に形成された環状傾斜面 36にお

ける大径部 28a— 28cの傾斜角度 αを小径部 30a— 30cの傾斜角度 βと比較して小 さく設定し、大径部 28a— 28cと小径部 30a— 30cとの間で流動抵抗差を設けている 。前記流動抵抗差に対応して後方押し出し成形時における大径部 28a— 28cと小径 部 30a— 30cとの間の塑性流動量を相違させ、大径部 28a— 28cの肉流れが小径部 30a— 30cよりも良好となるようにした。

[0051] 従って、本実施の形態では、中間予備成形体 24において、小径部 30a— 30cより も大径部 28a— 28cに多くの肉が流動しやすい形状とすることにより、後方押し出し 成形をしたときに大径部 28a— 28cと小径部 30a— 30cとの間でカップ部 62の端面 の軸線方向の寸法が略均一となる。

[0052] この結果、本実施の形態では、後方押し出し成形によって得られた第 4次成形品 5 8に対する偏肉を防止して大径部 28a— 28cの塑性流動を良好とすることにより、後 工程での仕上げ加工量 (切削加工量)を抑制することができる。

[0053] このように、本実施の形態では、後方押し出し成形を行う第 4次冷間鍛造加工工程 S4の前に、中間予備成形体 24 (第 3次成形品)を形成することにより、後工程で形成 される完成製品の製品精度を向上させ、後工程での仕上げ加工量を削減することが できる。

[0054] 第 4次冷間鍛造加工工程 S4が行われた後、第 4次成形品 58に対して第 5次冷間 鍛造加工工程 S5を施す。なお、第 5次冷間鍛造加工工程 S5を行う前に、第 4次成 形品 58の表面または第 5鍛造用金型(図示せず)の少なくともいずれか一方に液体 潤滑剤を塗布するとよい。これにより、第 5次冷間鍛造加工工程 S5が遂行されている 最中に、第 4次成形品 58または第 5鍛造用金型に焼き付きが生じることを回避するこ とができる。液体潤滑剤としては、従来カゝら使用されている公知の液体潤滑剤を使用 すればよい。

[0055] 第 5次冷間鍛造加工工程 S5では、図示しない第 5鍛造用金型を使用して、第 4次 成形品 58の内面及び外面に対し、カップ部 62を最終的な製品形状に仕上げるため のしごき成形 (最終サイジング成形)が施される。すなわち、カップ部 62の肉厚やトラ ック溝 60a— 60cの幅及び深さが所定の寸法精度となるように加工し、これにより、トラ ック溝 60a— 60c等の形状を含むカップ部 62の寸法精度が出された完成製品 64とし てのトリポート型等速ジョイント用外輪部材が得られるに至る(図 7参照)。

[0056] 本実施の形態に係る製造方法によれば、第 4次冷間鍛造加工工程 S4で後方押し 出し成形を遂行する前に、大径部 28a— 28bと小径部 30a— 30bとの間で流動抵抗 差を発生させる環状傾斜面 36が形成された中間予備成形体 24を成形することにより 、完成製品 64の製品精度及び品質の安定性を向上させることができる。

[0057] 次に、他の実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造工程を図 13に示す 。なお、前記実施の形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付しその 詳細な説明を省略する。また、図 13のフローチャートに示されるように、他の実施の 形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造工程では、図 1に示す実施の形態と比 較して、第 3次成形品として中間予備成形体 24aを形成する第 3次冷間鍛造加工ェ 程 S3aのみが相違しており、前記第 3次冷間鍛造カ卩ェ工程 S3aを除いた他の工程は 、前記実施の形態と同一であるためその詳細な説明を省略する。

[0058] 他の実施の形態に係る第 3次冷間鍛造加工工程 S3aでは、図 4に示される第 2次 成形品 20の上部 22をさらに圧縮し且つ拡径させる据え込み成形を施し、第 3次成形 品として、図 14及び図 15に示されるような中間予備成形体 24aを形成する。

[0059] すなわち、図 16に示されるような第 3鍛造用金型 (予備成形用金型) 25aを用い、キ ャビティ 27aに装填された第 2次成形品 20の上部 22をパンチ 29aによって押圧する ことにより、前記第 2次成形品 20の上部 22が軸線方向に圧縮変形された中間予備 成形体 24a (第 3次成形品)が得られる。

[0060] 前記パンチ 29aの先端面には、図 17に示されるように、中心部が円形状に僅かに 窪んで形成され、前記円形状の窪みから半径外方向に沿った周縁部に向力つて立 ち上がる環状の傾斜面成形部 31aが形成され、前記傾斜面成形部 31aには、前記 実施の形態と異なり周方向に沿った傾斜角度が均一な傾斜面が形成される。

[0061] 前記中間予備成形体 24aは、図 14及び図 15に示されるように、第 2次成形品 20の 上部 22と比較して薄肉且つ拡径した円盤状力もなる頭部 26と、前記頭部 26の下部 側に一体的に縮径して形成された軸部 14とから構成される。

[0062] 前記頭部 26は、平面からみたとき、 3つの花びら状に半径外方向に向力つて所定 長だけ突出し周方向に沿って約 120度の離間角度を有する大径部 28a— 28cと、隣 接する前記大径部 28a— 28cの間に湾曲して窪んで形成された 3つの小径部 30a— 30cとを備える。

[0063] 前記頭部 26の上面には、円形状平面 33と、前記円形状平面 33の周囲を囲繞し、 軸線 C (円形状平面 33の中心点)を中心とする円形状稜線 32と大径部 28a— 28c及 び小径部 30a— 30cの周縁部稜線 34との間で環状傾斜面 36aが形成される。

[0064] 前記環状傾斜面 36aは、中心側の円形状稜線 32から半径外方向の周縁部稜線 3 4に向力つて下降する傾斜面によって構成され、前記大径部 28a— 28c及び小径部 30a— 30cを周回する前記傾斜面の傾斜角度が均一となるように設定される。

[0065] すなわち、中心 (軸線 C)と大径部 28a— 28cの中央部とを結ぶ 3箇所力もなる第 1 傾斜面部 38a— 38cは、水平面に対して約 3度の傾斜角度 αに設定され、また、中 心 (軸線 C)と小径部 30a— 30cの中央部とを結ぶ 3箇所力もなる第 2傾斜面部 40a— 40cは、前記第 1傾斜面部 38a— 38cと同様に、水平面に対して約 3度の傾斜角度 aに設定されている。さらに、前記第 1傾斜面部 38a— 38cと前記第 2傾斜面部 40a 一 40cとの間は、前記第 1傾斜面部 38a— 38c及び第 2傾斜面部 40a— 40cと同一 の傾斜角度 aに設定されている。

[0066] なお、前記環状傾斜面 36aの傾斜角度 aは、 3度に限定されるものではなぐ例え ば、 3度一 10度の範囲内にお、て設定されればよ!、。

[0067] また、前記環状傾斜面 36aの半径方向の幅は、図 14に示されるように、大径部 28a 一 28cの中央部において最も幅広となり、小径部 30a— 30cの中央部において最も 幅狭となるように形成されている。従って、大径部 28a— 28cにおける環状傾斜面 36 aの面積は、小径部 30a— 30cにおける環状傾斜面 36aの面積よりも大きくなるように 設定される。

[0068] この場合、小径部 30a— 30cよりも大径部 28a— 28cにおける環状傾斜面 36aの面 積を大きく設定することにより、小径部 30a— 30cから大径部 28a— 28c側に向かつ て塑性変形した肉が流れやすくなる。

[0069] 前記第 3次冷間鍛造加工工程 S3aが終了した後、前記実施の形態と同様に、図 11 に示す第 4鍛造用金型 42を使用して後方押し出し成形を施す第 4次冷間鍛造加工 工程 S4を行う。

[0070] 通常、鍛造用素材 (ワーク)に対し後方押し出し成形をした場合、後方への伸び量( 塑性流動量)は小径部よりも大径部が小さくなり、例えば、鍛造用素材における変形 抵抗 (変形能)の差に起因して、割れ、偏肉等の不具合が発生するおそれがある。

[0071] 他の実施の形態では、中間予備成形体 24aの大径部 28a— 28c及び小径部 30a 一 30cの周縁部を周回する傾斜角度 aが一定の環状傾斜面 36aを設けている。従 つて、前記中間予備成形体 24aに対して、後方押し出し成形を行った際、塑性変形 した肉が小径部 30a— 30cから前記環状傾斜面 36aに沿って大径部 28a— 28c側に 流出しやすくなり、小径部 30a— 30cと比較して大径部 28a— 28cの肉流れが良好と なる。

[0072] この場合、小径部 30a— 30cと比較して大径部 28a— 28cにおける環状傾斜面 36a の面積を大きく設定することにより、大径部 28a— 28cの肉流れが小径部 30a— 30c よりもより一層促進される。

[0073] 従って、他の実施の形態では、中間予備成形体 24aにおいて、小径部 30a— 30c よりも大径部 28a— 28cに多くの肉が流動しやすい形状とすることにより、後方押し出 し成形をしたときに大径部 28a— 28cと小径部 30a— 30cとの間でカップ部 62の端面 の軸線方向の寸法が略均一となる。

[0074] この結果、他の実施の形態では、後方押し出し成形によって得られた第 4次成形品 58に対する偏肉を防止して大径部 28a— 28cの塑性流動を良好とすることにより、後 工程での仕上げ加工量 (切削加工量)を抑制することができる。

[0075] このように、他の実施の形態では、後方押し出し成形を行う第 4次冷間鍛造加工ェ 程 S4の前に、中間予備成形体 24a (第 3次成形品)を形成することにより、後工程で 形成される完成製品の製品精度を向上させ、後工程での仕上げ加工量を削減する ことができる。

[0076] 他の実施の形態に係る製造方法によれば、第 4次冷間鍛造加工工程 S4で後方押 し出し成形を遂行する前に、大径部 28a— 28cと小径部 30a— 30cとの間で傾斜角 度が均一な環状傾斜面 36aを有する中間予備成形体 24aを成形することにより、完 成製品 64の製品精度及び品質の安定性を向上させることができる。