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1. WO2020136976 - METHOD FOR IDENTIFYING ELASTIC CHARACTERISTICS OF ADHESIVE

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明 細 書

発明の名称 接着剤の弾性特性の同定方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

先行技術文献

特許文献

0013  

非特許文献

0014  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

課題を解決するための手段

0024  

発明の効果

0025  

図面の簡単な説明

0026  

発明を実施するための形態

0027   0028   0029   0030  

実施例

0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069  

符号の説明

0070  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 接着剤の弾性特性の同定方法

技術分野

[0001]
 本発明は、接着剤の弾性特性の同定方法に関する。

背景技術

[0002]
 近年、機械構造物において、接着剤を用いた接着接合が採用されるケースが増加している。特に、自動車や航空機といった輸送機器においては、燃費向上のための軽量化が急務となっている。
[0003]
 これらの構造部材には、従来の鉄鋼部材だけではなく、アルミニウムなどの軽金属や、繊維強化樹脂などの多種多様な材料を組み合わせて用いることが効果的である。このため、必然的に異種材料同士を接合するための異材接合技術が必要となっている。
[0004]
 接着接合は、ボルトなどの追加の接合部材を用いないため、軽量化の効果が大きく、特に注目されている。また、同種材料同士の接合であっても、溶接が適用できない材料では、好適な接合技術となる。
[0005]
 このような状況において、機械構造物向けの構造用接着剤の需要が拡大している。
[0006]
 構造用接着剤を用いた接合部には、大きい荷重や応力が作用するため、その弾性特性が接合部あるいは機械構造物全体の変形挙動や剛性に影響を及ぼす場合がある。すなわち、構造用接着剤は、単純な接着強度だけでなく、接着剤自体の弾性特性を十分に考慮して選定する必要がある。
[0007]
 また、接着剤の開発プロセスにおいても、接着剤の弾性特性を把握し、それを効率的に開発にフィードバックすることが求められる。
[0008]
 非特許文献1には、接着接合部の接着強度を評価するための試験として広く用いられている単重ね継手試験(シングルラップジョイント試験、以下「SLJ試験」という。)が記載されている。
[0009]
 非特許文献2には、SLJ試験に用いる試験片(以下「SLJ試験片」ともいう。)の応力分布モデルの一つであるG-R理論モデルが記載されている。
[0010]
 特許文献1には、2枚の被着材を接着剤で接着した接着構造について、接着剤を有する構造体の数値解析モデルの接着部強度判定について、接着剤の強度試験結果と直接比較できるようにするため、接着剤をビーム要素としてモデル化する有限要素解析モデルによる接着剤特性の計算方法が開示されている。
[0011]
 接着剤の物性分布ではないが、接着面を有するゴム状弾性体の物性分布に関しては、次の公知例がある。
[0012]
 特許文献2には、ゴム状弾性体の変形度合いを計測し、接着界面近傍と接着面から離れた部分との物性分布との比から、接着界面近傍の物性値を算出するゴム状弾性複合体の接着界面近傍の物性分布測定方法が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0013]
特許文献1 : 特開2009-99132号公報
特許文献2 : 特開2000-304666号公報

非特許文献

[0014]
非特許文献1 : JIS K6850:“接着剤-剛性被着材の引張りせん断接着強さ試験方法”(1999)
非特許文献2 : Goland and Reissner: “The stresses in cemented joints”, Journal of Applied Mechanics, 11(1), ppA18-A27 (1944)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0015]
 通常、接着剤の弾性特性を把握するためには、接着剤単体の引張試験や圧縮試験などを行う必要がある。
[0016]
 接着剤の弾性特性を取得するためには、接着剤単体の試験を行う必要がある。そのためには、接着剤単体からなる試験片を製作する必要があるが、そのためには、接着剤を任意の形状に成形しなければならない。粘着性の強い接着剤では、このような試験片の製作がそもそも難しいという課題がある。
[0017]
 また、実際に被着体と接着状態にある接着剤は、被着体との化学的な相互作用や残留応力の影響によって、接着状態では、単体での弾性特性と異なる特性を示す場合もある。
[0018]
 非特許文献1に記載のSLJ試験においては、試験片の製作が比較的簡単であり、かつ、汎用的な引張試験機を用いることができる。
[0019]
 接着剤の主機能は、接合を維持することである。したがって、接着剤の選定や開発においても、通常は、SLJ試験に代表される接着強度試験が優先的に行われる。
[0020]
 しかし、SLJ試験で得られる機械的特性は、接着接合部の破壊荷重値を接着面積で除して得られる公称せん断接着強度のみであり、弾性特性を取得するためには、別途試験を行う必要がある。
[0021]
 特許文献1に記載の方法は、有限要素法を用いるため、計算負荷が大きく、計算時間が長くなる。このため、接着剤の開発プロセスの効率化・迅速化の観点からは、採用しにくいものである。
[0022]
 特許文献2に記載の方法は、ゴム状弾性複合体の接着界面近傍のゴムの物性分布を測定するものであり、接着剤本体の物性分布を測定するものではない。
[0023]
 本発明は、一般的な接着強度試験のみのデータを用いて、接着状態にある接着剤の弾性特性を推定することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0024]
 本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、被着体同士を接着した状態の接着剤の弾性特性を同定する方法であって、接着強度試験を実施し、接着強度試験における接着剤のひずみ分布の計測をし、ひずみ分布を用いて、接着剤の弾性特性の算出をするものである。

発明の効果

[0025]
 本発明によれば、一般的な接着強度試験のみのデータを用いて、接着状態にある接着剤の弾性特性を推定することができる。

図面の簡単な説明

[0026]
[図1] 接着強度試験の一例である単重ね継手試験の試験片を示す模式斜視図である。
[図2] 実施例の弾性特性の同定方法を示すフロー図である。
[図3] 有限要素解析によって得られた単重ね継手試験における接着剤のせん断ひずみ分布を示すグラフである。
[図4] 有限要素解析によって得られた単重ね継手試験における接着剤の垂直ひずみ分布を示すグラフである。
[図5] 実施例におけるひずみ分布計測値に対するひずみ分布モデルの回帰結果の一例を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0027]
 本発明は、被着体同士を接着した状態の接着剤の弾性特性を同定する方法であって、接着強度試験を実施し、接着強度試験中の接着剤のひずみ分布を計測し、そのひずみ分布を用いて接着剤の弾性係数等の弾性特性を算出するものである。
[0028]
 なお、本発明は、接着剤だけでなく、接着部を有する部材について荷重試験を実施し、ひずみ分布の計測をする場合にも適用できる。すなわち、本発明は、接着剤の弾性特性の同定に限定されるものではなく、次のような発明も包含するものである。
[0029]
 接着部を有する部材の弾性特性を同定する方法であって、当該部材に対して引張試験、圧縮試験等の荷重試験(強度試験)を実施し、その際に当該部材に生じるひずみ分布の計測をし、そのひずみ分布を用いて、当該部材の弾性特性の算出をする、弾性特性の同定方法である。
[0030]
 以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
実施例
[0031]
 図1は、接着強度試験の例であるSLJ試験(単重ね継手試験)の試験片を示す模式斜視図である。
[0032]
 本図に示すように、SLJ試験の試験片は、板状の2枚の被着体1を部分的に重ね、接着剤によって接着した構造を有する。この場合に、接着した部分(接着部2)における被着体1の長手方向の長さをラップ長Lとする。Lは、任意に設定して試験を行うことができる。Wは、短手方向(幅方向)の長さ(板幅)である。
[0033]
 SLJ試験においては、試験片の両端部を引張試験機で把持し、引張荷重Fを加えることにより、接着部2にせん断力を加える。
[0034]
 通常は、破壊が生じた場合にその際の荷重値を接着部2の面積(L×W)で除することによって、公称せん断応力を取得することを目的として行う試験である。
[0035]
 本発明においては、接着強度試験であるSLJ試験を行う際に、接着部2に生じるひずみ分布5を実験的に計測する。ひずみ分布5は、接着部2の正面の中心線3(図中、一点鎖線で示す。)におけるひずみのL方向の分布である。
[0036]
 この場合において、ひずみ分布5の計測に用いる計測手段は、なんら限定されるものではないが、例えば、画像データを基にして計測領域の空間的なひずみ分布を計測できるデジタル画像相関法(DIC法)が好適である。DIC法は、画像計測の一種である。
[0037]
 次に、SLJ試験において引張荷重Fを加えている状態にある試験片に生じるひずみ分布5を理論的に表現するひずみ分布モデルを考える。
[0038]
 ここで、ひずみ分布モデルとは、接着部2のひずみ分布5を表す関数をいい、下記式(1)で表される。なお、ひずみ分布モデルは、「モデル式」ともいう。
[0039]
[数1]


[0040]
 式中、εはひずみ、xはラップ長さL方向の位置(座標)、Fは引張荷重、E adhesiveは接着剤の弾性係数、E adherentは被着体の弾性係数、ν adhesiveは接着剤のポアソン比、ν adherentは被着体のポアソン比である。また、gは、SLJ試験片の幾何的形状を定義するラップ長L、板幅W、被着体および接着剤の厚さなどからなるパラメータセットである。
[0041]
 なお、ひずみ分布は、せん断ひずみ及び垂直ひずみの2種類が考えられるが、本発明は、いずれかのひずみ分布に限定されるものではない。
[0042]
 このようなひずみ分布モデルとしては、例えば有限要素モデルなどが考えられるが、弾性特性を推定する際には、モデルを用いたひずみ分布の計算を、パラメータを変更しながら反復して行う必要がある(詳細後述)。したがって、数値計算を必要とする有限要素モデルは、計算負荷の観点から推奨しがたい。
[0043]
 そこで、本発明を実際に適用する場合には、1次元のひずみ分布モデルを用いることが好適である。例えば、非特許文献2に記載のモデル(G-R理論モデル)をはじめとして、SLJ試験片のさまざまな応力分布モデルが提唱されている。ここで、応力分布モデルは、上記式(1)の左辺がひずみ分布から応力分布に置き換わった形となる。したがって、応力分布モデルは、フックの法則などの応力-ひずみ構成則によってひずみ分布モデルに変換できる。
[0044]
 本発明においては、接着剤の弾性特性を推定することを目的とするため、ひずみ分布モデルにおいて、E adhesiveおよびν adhesiveは、未知のパラメータとなる。それ以外のパラメータである引張荷重、被着体の弾性特性、SLJ試験片の寸法等については、通常の場合であれば容易に取得または計測が可能である。
[0045]
 一方、上記式(1)の左辺であるひずみ分布は、SLJ試験片に引張荷重が作用している状態における接着剤のひずみ分布を用いて表すことができる。これは、前述のDIC法などによるひずみ計測によって実験的に取得できる。
[0046]
 したがって、上述の未知パラメータを変化させ、ひずみ分布モデルによって表されるひずみ分布と実験的に取得されたひずみ分布との差異が小さくなったとき、未知パラメータが真の値により近い値となっていると言える。すなわち、ひずみ分布モデルをひずみ分布計測値に回帰させることによって、未知パラメータである接着剤の弾性特性が同定できるのである。
[0047]
 引張荷重Fが加えられた状態において接着剤に発生しているひずみ分布は、一様ではない。せん断ひずみの場合には、図1のひずみ分布5のように、接着領域の両端部でひずみが大きくなることが知られている。
[0048]
 このようなラップ長さL方向に沿った接着剤のひずみ分布は、引張荷重値、接着剤や被着体の弾性特性、被着体や接着剤の厚さ、ラップ長といったSLJ試験片の形状特性、物性値等によって決定され、曲線で表現される。したがって、ひずみ分布モデル(モデル式)は、非線形関数として表現される。このため、ひずみ分布計測値への回帰には、非線形回帰分析に分類されるアルゴリズムを用いることが望ましい。モデル式は、SLJ試験に用いる試験片のラップ領域における引張荷重負荷方向の位置と、接着剤に生じるひずみとの関係を表す関数である。
[0049]
 本発明は、そのアルゴリズムをなんら限定するものではないが、非線形回帰分析として用いられるレーベンバーグ-マーカート法(L-M法)などを用いることが望ましい。
[0050]
 このような非線形回帰分析を用いる場合には、ひずみ分布モデルに仮の弾性特性(弾性係数、ポアソン比等)を与えながら、反復的にひずみ分布モデルの計算を行う。このとき、ひずみ分布モデルとして自由度の大きい有限要素モデルなどを用いると、計算負荷が爆発的に増大する可能性がある。そのため、上述のとおり、G-R理論などの数値積分を伴わないモデルを用いることで、実用に耐えうる時間の範囲内で弾性係数の同定が可能となるのである。
[0051]
 図2は、上述の弾性特性の同定方法を示すフロー図である。
[0052]
 本図においては、接着強度試験S110の実施を前提とし、その際に接着剤のひずみ分布計測S120を行い、ひずみ分布の計測値を得る。一方で、接着強度試験S110の試験条件をひずみ分布モデルに入力し(S130)、ひずみ分布の理論値を得る。
[0053]
 この理論値が計測値と近似するように回帰分析S140を行うことによって、最終的に弾性係数やポアソン比といった接着剤の弾性特性を得る。
[0054]
 以下、上述の方法において、ひずみ分布計測S120の方法としてDIC法を用い、ひずみ分布モデルとしてG-R理論を用いる場合について更に詳細に説明する。
[0055]
 通常、DIC法は、可視光カメラを用いてランダムなパターニングが施された物体の表面のひずみ分布を計測する。したがって、SLJ試験片の場合は、試験片の側面に露出している部分の接着剤のひずみ分布を計測することとなる。
[0056]
 一方で、G-R理論を含むSLJ試験に対するひずみ分布モデルの一部は、SLJ試験片の板幅W方向のひずみ分布を考慮しない。したがって、ひずみ分布モデルに基づくひずみ分布と、DIC法に基づく試験片側面のひずみ分布との間においては、誤差が大きくなる場合がある。
[0057]
 図3は、有限要素法に基づいて算出したSLJ試験における接着剤のせん断ひずみ分布を示すグラフである。すなわち、図1のL方向のひずみ分布である。
[0058]
 横軸は、図1の接着部2の中央部を零点としてL方向における位置であり、縦軸は、各位置におけるせん断ひずみをとっている。〇印は、図1の接着部2の板幅方向(接着部2の正面(側面部)に直交する方向)の中央部におけるせん断ひずみである。△印は、接着部2の正面の中心線3におけるせん断ひずみである。破線は、G-R理論に基づいて算出したせん断ひずみであり、〇印の板幅方向の中央部と同じ位置に対応するものである。
[0059]
 図4は、L方向の各位置において接着剤を引き剥がす方向(板厚方向)に作用する垂直ひずみを、図3と同様にして算出した結果も示したものである。〇印、△印及び破線も、図3と同じ位置における値である。図4において図3と異なるのは、ひずみの向きのみである。
[0060]
 以下、図3と図4とを対比して説明する。
[0061]
 図3のせん断ひずみ分布は、図4の垂直ひずみ分布に比べ、板幅方向におけるひずみの差が大部分の領域において小さい。言い換えると、〇印、△印及び破線が近接している領域が広い。
[0062]
 図4の垂直ひずみ分布においては、〇印と△印とは、L方向の中央部においては重なる領域があるが、L方向の両端部においては〇印と△印との差が大きくなっている。また、同じ位置における垂直ひずみである〇印と破線とを比較すると、L方向の両端部においては重なる領域があるが、L方向の中央部においては明瞭な差があることがわかる。
[0063]
 DIC法によって計測される値は、板幅側面のひずみ分布であるため、DIC法とG-R理論のように板幅を考慮しないひずみ分布モデルとを組み合わせる場合には、△印と破線とを比較することになる。よって、図4の垂直ひずみ分布の計測値ではなく、図3のせん断ひずみ分布の計測値を用いるほうが、より高精度に弾性特性を同定することが可能となる。
[0064]
 また、図3に示す有限要素法に基づくせん断ひずみ分布は、接着剤の厚さ方向中央部のひずみ分布である。本図に示すように、G-R理論(破線)では、ラップ領域の端部が最大値となっている。より実態に近い有限要素法(△印)では、端部ではせん断ひずみが非常に小さくなっている。言い換えると、△印を結んだ曲線は、端部近傍で上に凸となっている。
[0065]
 この差異は、G-R理論ではラップ領域端部の形状効果による応力の板厚方向の分布を考慮していないことに起因する。したがって、ラップ領域の端部のひずみ計測値は、意図的に除外して、弾性特性の同定を行うことが望ましい。すなわち、ひずみ計測値の除外範囲を設けることにより、弾性特性の同定誤差を小さくすることができる。
[0066]
 本発明者の検討では、ラップ領域全長に対して、両端からそれぞれラップ領域全長の1%以上8%以下をせん断ひずみ分布(計測値)のデータから除外することで、高精度に弾性特性が同定できることが分かっている。すなわち、ひずみ計測値の除外範囲を1%以上8%以下とすることが望ましい。ひずみ計測値の除外範囲は、3%以上7%以下とすることが更に望ましく、4%以上6%以下が特に望ましい。
[0067]
 本実施例においては、弾性係数の実測値に対する誤差は、ひずみ計測値の除外範囲を1%以上8%以下とした場合、10%以下となる。また、ひずみ計測値の除外範囲を5%とすることにより、最も高精度に弾性特性を同定することができた。
[0068]
 図5は、以上の条件を実際に適用したものであって、ひずみ分布計測値に対するひずみ分布モデルの回帰結果の一例を示したものである。図中、●印は、SLJ試験における接着剤のせん断ひずみの計測値であり、実線の曲線は、G-R理論による回帰曲線である。
除外した領域(ひずみ計測値の除外範囲)は、両端からそれぞれラップ領域全長の5%である。
[0069]
 本図に示すように、適用した領域においては、回帰曲線が各位置における計測値のばらつきの帯の中央部を通るような形状となっている。このことから、適用した領域においては、G-R理論による曲線回帰が望ましいものであることがわかる。この場合において、接着剤の弾性係数の推定精度は、弾性係数の実測値に対する誤差で5%以内であった。

符号の説明

[0070]
 1:被着体、2:接着部、3:中心線、5:ひずみ分布。

請求の範囲

[請求項1]
 被着体同士を接着した状態の接着剤の弾性特性を同定する方法であって、
 接着強度試験を実施し、
 前記接着強度試験における前記接着剤のひずみ分布の計測をし、
 前記ひずみ分布を用いて、前記接着剤の前記弾性特性の算出をする、接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項2]
 前記弾性特性の前記算出には、前記接着剤に荷重が作用した状態における前記ひずみ分布を表すモデル式を用い、
 前記弾性特性の前記算出は、前記計測によって得られたひずみ分布計測値に対する前記モデル式の回帰により行う、請求項1記載の接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項3]
 前記接着強度試験は、単重ね継手試験である、請求項2記載の接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項4]
 前記モデル式は、前記単重ね継手試験に用いる試験片のラップ領域における引張荷重負荷方向の位置と、前記接着剤に生じるひずみとの関係を表す関数である、請求項3記載の接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項5]
 前記ひずみは、せん断ひずみである、請求項4記載の、接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項6]
 前記計測は、画像計測である、請求項1~5のいずれか一項に記載の接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項7]
 前記ひずみ分布計測値は、その一部のみを前記弾性特性の前記算出に用いる、請求項2記載の接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項8]
 前記回帰は、非線形回帰分析である、請求項2記載の接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項9]
 前記ひずみ分布計測値は、前記計測の領域の両端からそれぞれ所定の長さの範囲を除外して、前記弾性特性の前記算出に用いる、請求項7記載の接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項10]
 前記範囲は、前記領域の全長の1%以上8%以下である、請求項9記載の接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項11]
 前記弾性特性は、弾性係数又はポアソン比である、請求項10記載の接着剤の弾性特性の同定方法。
[請求項12]
 前記弾性係数の実測値に対する誤差は、10%以下である、請求項11記載の接着剤の弾性特性の同定方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]